説明

静脈弁体

心肺蘇生中に人の大静脈内に置かれるように構成される血流影響部材であって、血流影響部材の上流域と下流域との間に存在する若しくは予測される圧力差に応じて、血流影響部材が大静脈内の血流を実質的に減少させる無‐低血流状態と、血流影響部材が実質的に減少していない血流を許可する血流状態との間で制御可能である、血流影響部材を有する血流制御装置。血流制御装置はCPRの圧迫フェーズ中の血液逆流を減らすことができ、従ってCPRの効率と血液かん流を改善する。血流制御装置は心臓にほとんど直接薬物を送達するため、及び血液ガスなどの生理学的及び化学的性質を測定するためにも使用されることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の分野は、例えば患者の心肺蘇生(CPR)中に使用するための血流制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
突然の心臓停止(SCA)はいまだ西欧諸国における主な死因の1つである。SCA後に生じる全身虚血は広範な細胞過程を阻害し、救急治療が可能でない限り重篤な細胞損傷及び死に至る。突然の心臓停止後の生存確率は心停止時間毎分7‐10%で直線的に減少することが報告されている。約4分以内に開始して、さらなる治療(例えば除細動)が適用されることができるまで細胞と臓器を支えるために最低限のかん流(CPR若しくは他の手段によって誘導される)が必要とされる。
【0003】
CPRによるかん流は完璧に実行されたとしても非常に低レベルであり、最高で元の心拍出量の30%と推定される。加えて、順方向だけでなく逆方向の血流がCPR及び全身の血管内ボリュームトラッピングによって生じ得る。CPR中の虚血及び細胞損傷はこの現象によって悪化し得る。
【0004】
CPRによって誘導される血流異常はスロッシング現象といわれる。医学文献において、スロッシングの発生に対するいくつかの説明が論じられている。一説は、心膜内の心室が同時に圧迫され、低圧の流入及び流出血管束へ血液を押し込み、その運動が完全に圧力勾配に従うと説く。別の説は、胸部圧迫によって誘導される全身の胸腔内圧増加が胸腔全体で全て一様な血管組織及び非血管組織内の勾配を生じ得るというものである。これらの圧力は他の(局所的な)低圧部位への血流を誘導し、又は上流及び下流の血管系両方が圧力によって閉じられる場合、血流無しの局所的な圧力ピークのみを誘導し得る。これは圧力の波に対する組織反応の影響及び時間感度における特定因子を誘導する。心房及び心室の圧迫は心臓の圧迫に同時に作用するかどうかはわからない。また、胸腔内に広まっている力を受けているため、中心静脈が崩壊する可能性も非常に高い。胸腔内血管系に対する、及び心室に対する圧力効果における時間感度は、高圧部位から低圧部位へ、又は保護された(例えば容量)血管へ移動するように血液量を誘導し得る。右心房における流入路に注目すると、血液は順方向(すなわち心臓の中へ/心臓を通って)及び逆方向(すなわち大静脈へ逆流する、又は胸腔から出る)の両方に進み得る。従って中心静脈及び右心房に存在する血液量は、血管内圧曲線が反対の動きを示す間、前進する代わりにただ往復し得る。スロッシングが起こるとき、最終的な、順方向の血流は低くなるか又は無くなってしまう可能性がある。
【0005】
蘇生における別の側面は薬物(昇圧剤、抗不整脈薬など)の投与である。これらの薬物は中心血液循環内で若しくはそれを介して、その作用部位へ供給される必要がある。分布は(末梢の)注射部位の位置、及び/又は手動CPR中の不十分なかん流、及び薬剤の短い分解時間によって影響され得る。有効な順方向の血流を通じた分布を確実にするために、中心となる効能を保証することは、CPRのさらなる最適化を可能にし得る一面であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
CPRの圧迫フェーズ中に(下)大静脈内の逆流を減らす若しくは防ぐことが望ましい。さらに、スロッシング現象及び血液のトラッピングを減らすことが望ましい。この目的を意図するいかなる装置も、挿入が容易で安全であることもまた望ましい。これらの懸念及び/又は他の懸念の少なくとも1つに対処するために、血流制御装置が提案される。血流制御装置は、心肺蘇生中に人の大静脈内に置かれるように構成される血流影響部材を有する。血流影響部材は、血流影響部材の上流域と下流域との間に存在する若しくは予測される圧力差に応じて、血流影響部材が大静脈内の血流を実質的に減らす無‐低血流状態(non‐to‐low‐flow state)と、血流影響部材が実質的に減少していない血流を許可する血流状態(flow state)との間で制御可能である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
通常、右心房と下大静脈の間に自然の弁は存在しない。同じことは腹腔血液貯留にも当てはまる。これは、呼吸及び心臓周期が下大静脈内の血液を右心房へ流入させる圧力勾配を作り出すので、正常に機能している心臓では通常は問題にならない。しかしながら、心臓が外部圧迫によって駆動されると、正常に微調整された一連の心房及び心室の圧迫はもはや保証されない。提案される血流制御装置の血流影響部材は静脈弁の役割を担うとみなされ得る。
【0008】
血流低下状態とも呼ばれ得る、無‐低血流状態において、血流影響部材は大静脈内の血流を実質的に制限するか若しくはさらには阻害する。対照的に、血流状態において血流影響部材は血流に対してわずかな流れ抵抗のみを示すはずである。胸部圧迫がCPR中に患者に適用されるとき、右心房内の圧力は変動する。血流影響部材に関して、右心房は通常血流影響部材の下流域にある。血流影響部材の反対側、例えば腹部は、血流影響部材の上流域とみなされるものとする。CPR圧迫によって引き起こされる右心房(若しくは別の部位)における圧力変動は血流影響部材の状態トグル操作を同期させるために使用され得る。これは上流域と下流域の間に存在する圧力差を測定することによって、又は予測圧力差を予測することによって達成されることができる。実際、事前の測定結果に基づいて、若しくは圧力差の時間的展開における傾向を評価することによって、圧力差を予測することが可能であり得る。圧力差が十分に確実に予測されることができる場合、血流影響部材の状態トグル動作を予測することが可能であり、そしてこれは血流制御装置の効率を改善し得る。
【0009】
血流制御装置は圧迫の検出に関してよい感度を持ち、ある程度の調節機能を提供することもまた望ましい。これらの懸念及び/又は場合により他の懸念は、圧迫センサと制御ユニットをさらに有する血流制御装置によって対処される。圧迫センサは心肺蘇生の一側面に関する圧迫を検出するように構成される。制御ユニットは圧迫センサと血流影響部材に接続される。圧迫センサを用いて、制御ユニットは胸腔内圧変化若しくは胸壁の運動若しくは圧迫を検出し、血流影響部材に無‐低血流状態をとらせるために血流影響部材へ信号を送信する。圧迫センサはCPR中に実行される圧迫の信頼できる検出を容易にする。制御ユニットは圧迫センサから測定結果を受信し、血流影響部材のための駆動信号を導き出すためにそれを処理する。制御ユニットは閾値若しくは遅延などの1つ以上の調節可能パラメータを持ち得る。制御ユニットのいくつかのパラメータを調節することによって、より最適化された血流制御装置の操作が得られることが可能である。
【0010】
圧迫センサは圧迫に関する物理量を測定することができることが望ましい。一実施形態においてこの懸念は、圧迫センサが圧迫力及び/又は胸部変位及び/又は胸腔内圧変化及び/又は血管内流動を測定するように構成されることによって対処される。提案される物理量は圧迫の実施に対し力学的若しくは流体力学的関係を持つ。
【0011】
血流制御装置は、緊急事態中に利用されやすいように、挿入が容易で安全であることがさらに望ましい。一実施形態においてこの懸念及び/又は考えられる他の懸念は、カテーテルをさらに有する血流制御装置によって対処され、圧迫センサはカテーテルの先端に置かれる。カテーテルは例えば大腿静脈を介して挿入され得る(大腿カニューレ挿管)。カテーテルの先端に圧迫センサを置くことは、圧迫センサがカテーテルの先端に置かれるときに胸部圧迫の実施の影響が通常検出可能な場所に圧迫センサを置く。圧迫センサは血流影響部材の近くでカテーテルの先端に一体化される。血流影響部材と圧迫センサを目的部位に配置するために1回の挿入手順のみが実行される必要がある。従って、血流制御装置は迅速に操作の準備が整う。カテーテルの先端は、圧迫センサが心臓のより近くに若しくはさらに右心房内に置かれるように、血流影響部材から離され得る。
【0012】
状況とユーザ選択に応じて、圧迫センサを血流装置の残りの部分から独立して置くこともまた望ましいことがある。一実施形態において、圧迫センサが患者の体外に配置されるように構成されることが提案される。例えば、救助者の掌と患者若しくは被害者の胸部の間の接点において時間依存の圧迫力/変位曲線が直接測定されることができるように、患者の胸骨の上に感圧パッドが配置され得る。血流制御装置が、例えば内部圧迫センサと外部圧迫センサなど、複数の圧迫センサを有することもまた可能である。その場合血流制御装置の制御ユニットは内部及び外部圧迫センサ両方の測定結果を分析することができる。
【0013】
一実施形態において、圧迫センサが胸腔内に配置されるように構成されることが提案される。主要な生理的パラメータを測定する能力を持つことも望ましく、これは質の悪い胸部圧迫(例えば力変位)がこのフィードバックモダリティによって認識され修正されることを可能にし得る。一実施形態においてこの懸念は生理学センサと化学センサの少なくとも1つをさらに有する血流制御装置によって対処される。生理学センサは生体生理的パラメータを測定するように構成される。化学センサは生化学パラメータを測定するように構成される。CPR活動に関連して、血液ガス(PvO、PvCO)、pH、血圧、血流などのかん流に関するパラメータの測定が望ましい。生理学センサ及び/又は化学センサは求められるパラメータ値に応じて、カテーテルの先端内、胸腔内若しくは人の体外に配置され得る。
【0014】
血流制御装置が効率的な方法で大静脈内に配置されることができることがさらに望ましい。一実施形態においてこの懸念は膨張部材若しくはカスプ形装置を有する血流影響部材によって対処される。膨張部材若しくはカスプ形装置は血管の内部形状によい適応性を提供する。従って、血管壁への外傷が制限若しくは回避されながら、血管壁と血流影響部材の間の漏出が実質的に防止若しくは軽減されることができる。(収縮した)膨張部材とカスプ形部材はその挿入点から右心房のちょうど外側のその最終位置へと進めることが比較的容易でもある。このために、膨張部材は挿入部位から血流影響部材が配置されようとする血管の部分への移動中に収縮される。カスプ形装置は移動中に横断する静脈にその形状を適合させるために十分に柔軟であり得る。
【0015】
一実施形態において、血流制御装置は、膨張部材を収縮及び/又は膨張させるため、又はカスプ形装置の形状を手動調節するために、圧力源と、圧力源を膨張部材若しくはカスプ形装置と接続するためのパイプとをさらに有することが提案される。圧力源を用いることによって、収縮と膨張が半自動若しくは自動的な方法で実行されることができる。これは無‐低血流状態と血流状態との間で血流影響部材の状態をトグルするためにも収縮と膨張が使用されるときに有用である。圧力源はポンプ若しくは高圧容器であり得る。圧力源は1つ若しくは複数の制御弁によってパイプに接続され得る。
【0016】
血流影響部材の血流状態トグル作用が、胸部圧迫の実施(若しくはより具体的には大静脈及び右心にはたらく胸腔内圧変化)と同時であることができるように十分に速く実施されることができることもまた望ましい。一実施形態においてこの懸念は機能的弁を有する血流影響部材によって対処される。機能的弁の設計に応じてその反応は、弁が1圧迫周期毎に1回開閉されることができるように十分速くなることができる。例えば、弁は蝶形設計若しくはフラップ設計であり得る。さらに、血流影響部材が弁を有する場合、血流影響部材の位置調整はトグル作用によって影響されないか、又はわずかしか影響されない。言い換えれば、位置調整機能は、この場合、血流状態制御機能とは実質的に分離している。
【0017】
一部の状況において血流状態トグルを能動制御することができることがさらに望ましい。一実施形態においてこの懸念は、無‐低血流状態と血流状態との間で血流影響部材を制御するために、血流影響部材への駆動信号の送信のための第1のルーメンを持つカテーテルをさらに有する血流制御装置によって対処される。第1のルーメンは圧力源を膨張部材と接続するためのパイプを含み得るか、又は第1のルーメンとパイプが一致し得る。
【0018】
CPR中に1回の(最小)侵襲インターベンションのみが必要であることがさらに望ましい。これは心肺蘇生の前若しくは最中に投薬する必要性にも当てはまる。CPR中の投薬に関連する別の懸念は、血液かん流が通常は突然の心臓停止中に比較的低いことである。従って薬物をそれが必要とされる身体の部位に直接送達することが有用でありより効率的であることが推測できる。一実施形態においてこの懸念及び/又は他の懸念は、血流影響部材の近くの場所への物質の送達のために使用されるように構成される少なくとも1つの第2のルーメンをさらに有するカテーテルによって対処される。血流影響部材は通常は心臓の近くに配置される。これはCPR中に少なくともいくらかの血液かん流が期待されることができる身体の部位である。さらに、CPR中に投与される薬物は通常、心臓を刺激すること、及び心臓を通過して末梢の作用点(例えば細動脈)に至ることを目的とし、薬物が心臓の近くに若しくは心臓へ直接送達される場合により速くより効率的な薬物への反応が期待されることができるようになっている。
【0019】
その使用目的(例えば病院環境での使用とは対照的に現場での緊急時)及びユーザ選択に基づいて、血流制御装置が複雑性を回避し、さらにその性能に対する十分なユーザ制御と技術制御を提供することが望ましい。一実施形態においてこの懸念は逆止弁のように機能する血流影響部材によって対処される。逆止弁はその上流側とその下流側における圧力によって実質的に自動調節的に制御される。逆止弁のように機能する血流影響部材により、体外に多くの追加機器を持つ必要がない。最適には、この目的にとって勾配が十分である場合、バッテリなどのある種のエネルギー源を必要とし得る能動素子は逆止弁の操作に必要ない。
【0020】
自動心肺蘇生のための機器を上記血流制御装置と組み合わせることがさらに望ましい。一実施形態において、この懸念は自動心肺蘇生装置から制御信号を受信するための制御信号インターフェースをさらに有する血流制御装置によって対処される。制御信号は血流影響部材に、自動心肺蘇生と同期した方法で無‐低血流状態と血流状態との間をトグルさせる。自動心肺蘇生装置は最近は長期生命維持のために使用されることが多い。長期生命維持のために、生命維持に必要な臓器かん流をサポートするために十分なレベルに血液かん流が維持されることが望ましい。この理由は、血液の供給が不十分な臓器、特に脳は重篤な損傷を受ける可能性があるということである。本明細書に開示の教示にかかる血流制御装置は血液かん流性能を改善することができる。自動CPRの場合、圧迫頻度は通常は定期的であり、頻度に関して限られた範囲内であり、血流影響部材の血流状態トグル作用が時間同期されることができるように非常に正確に制御される。このように、フェーズシフトがトグル作用に適用されることができ、これは例えば無‐低血流状態と血流状態との間の遷移時間を修正することができる。これは圧迫フェーズの直前に無‐低血流状態を開始させることを可能にする。
【0021】
一実施形態において、血流影響部材は例えば大腿カニューレ手術などの経皮的手術を用いて大静脈に導入されるように構成されることが提案される。大腿カニューレは血流制御装置を大静脈に挿入する目的によく適していると考えられる(最小)侵襲法である。この選択肢として開放術(例えば切開手術)が想定され得る。この技術は制御された環境及びあまり制御されていない環境によく適しており、(自動)心肺蘇生を妨げることなく実行されることができ、限られた範囲の内在リスクを持つ。
【0022】
血流制御装置は、自然循環が戻る状況、又は胸部圧迫が実施されていない瞬間若しくは期間に反応することもまた望ましい。一実施形態において、この懸念は、自己心拍再開(ROSC)が達成されるとき、又は胸部圧迫が中止若しくは停止されるときに血流影響部材が血流状態のままであることによって対処される。これは例えば対応する方法でアクチュエータを制御することによって、又は弾性的に血流影響部材を血流状態の位置若しくは形状に誘導することによって、血流影響部材に対して静止状態若しくは休止状態を規定することによって実現され得る。自然血液かん流が戻るとき、特に、血流影響部材のトグル作用を制御し得る、胸部圧迫がこれ以上実施されない、自然のただし低血流条件下において、血流影響部材は血流を妨げない。明確に定義された血流影響部材の静止位置若しくは静止形状を持つことは、血流制御装置が自然血液かん流に悪影響を及ぼすことを防ぎ得る。
【0023】
上記特徴のいくつか若しくは全てが血流装置に組み込まれることが可能である。かかる血流制御装置は血液逆流を減らすことによって血液かん流を改善し、投薬を容易にし、及び/又はCPRの質と個人化の測定のためのセンサを有し得る。
【0024】
本明細書に開示の教示は、血流制御のための方法にも関連して使用され得る。血流制御のための方法は以下の動作を含み得る。
心肺蘇生中に人の大静脈内に血流影響部材を置くステップ。血流影響部材は、血流影響部材の上流域と下流域との間に存在する若しくは予測される圧力差に応じて、無‐低血流状態と血流状態との間で制御可能である。
【0025】
方法は血流制御装置に向けられた説明及び/又は請求項に記載の特徴に対応する動作をさらに有し得る。
【0026】
本明細書に開示の教示は、血流制御装置を制御するためのプロセッサのための命令を有するコンピュータプログラムにも関連して使用され得る。コンピュータプログラムは血流制御装置に向けられた説明及び/又は請求項に記載の特徴に対応する命令をさらに有し得る。
【0027】
本発明のこれらの及び他の態様は以降に記載の実施形態から明らかとなり、これらを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】血流制御装置の配置の概観を示す。
【図2】無‐低血流状態(左)及び血流状態(右)における血流影響部材の一実施形態を示す。
【図3】血流影響部材の別の実施形態を示す。
【図4】血流影響部材のさらなる実施形態の正面図を示す。
【図5】血流影響部材のさらなる実施形態の断面図を示す。
【図6】血流影響部材のさらに別の実施形態の断面図を示す。
【図7】健常な人においてとられる複数の血流測定の時間図を示す。
【図8】CPRの実施中にとられる複数の血流測定の時間図を示す。
【図9】血流制御装置の一部の実施形態によって実行される膨張部材内の圧迫力と圧力との関係をあらわす2つの時間図を示す。
【図10】血流影響部材のさらなる実施形態の断面図を示す。
【図11】血流制御装置の様々なサブユニットの略ブロック図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明が図面に基づいて説明される。本明細書に記載の本発明の実施形態と態様は例に過ぎず請求項の保護範囲を決して限定しないことが理解される。本発明は請求項とその均等物によって定義される。一態様の特徴は異なる1つ若しくは複数の態様の特徴と組み合わされることができることもまた理解される。
【0030】
図1は人の胴体101を略図で示す。心臓102、下大静脈103及び右大腿静脈104も図示される。CPRインターベンションの前若しくは最中にカテーテル状装置110が右大腿静脈104と大静脈103を介して挿入される。カテーテル状装置110の挿入が成功したならば、カテーテル状装置110の先端は心臓102付近で止まる。
【0031】
図1の右側は大静脈103とカテーテル状装置110の先端における血流影響部材の詳細図を示す。血流制御装置は経皮的ルートを介して大きな静脈内に置かれるカテーテル上のバルーンとみなされ得る。カテーテル状装置110は挿入手術中に有用であり得る円形の若しくは傾斜した先端115を持つ。先端は右心房への入り口のちょうど尾側にあるように配置されることができる。傾斜先端115のわずかに下にバルーンなどの膨張部材116がある。CPRの圧迫フェーズ中のバルーンの膨張の主要な効果は、大静脈を塞いで血液逆流を防ぐことである。CPR拡張中の収縮は実質的に妨げられない静脈かん流を許可する。下大静脈はこのCPR収縮フェーズにおいて完全に塞がれ、従って腹部へ向かう血液逆流を防ぎ得る。カテーテル状装置110は少なくとも1つのルーメン117とオリフィス118も有し、その機能は図2の説明の文脈において説明される。
【0032】
図2は血流影響部材が操作中にトグルし得る2つの状態を示す。図2の左図は血流影響部材の無‐低血流状態を示す。膨張部材116は大静脈103の壁に触れるように完全に膨張される。そうする際に、膨張部材周辺のいかなる血流も、特に心臓102の右心房から始まる血液逆流が妨げられる。図2において、及び他の図の一部において、血流影響部材に対する下流域は図示された血流影響部材より上に位置する。同様に、血流影響部材に対する上流域は図示された血流影響部材より下に位置する。図2の左図において、阻止される血液逆流は破線矢印で図示される。図2の右図は血流状態における血流影響部材を示す。膨張部材116はその周辺を血液が流れることができるように実質的に収縮される。膨張部材116の交互に起きる膨張及び収縮作用はルーメン117とオリフィス118を用いて制御される。ルーメン117は患者101の体外の圧力源(不図示)に接続される。膨張部材が無‐低血流状態(血流低下状態)になるとき、圧力源は空気、水などといった物質を膨張部材の中へと促し、膨張部材は膨張させられる(図2の左図)。血流影響部材を血流状態にするために、圧力源はオリフィス118とルーメン117を用いて膨張部材から流体の一部を吸い取る。代替的に、圧力源は、膨張部材が弾性及び/又は弾力特性のためにその収縮した形状に戻るように、単に圧力を解放するか若しくは低下させ得る。図2に示す実施形態の操作を要約すると、バルーンはCPRの圧迫フェーズ中に膨張され、弛緩開始時に急速に膨張される。
【0033】
図3は血流影響部材の別の実施形態を示す。この実施形態において、カテーテル状装置310は第1のルーメン317、第1のオリフィス318、第2のルーメン327及び第2のオリフィス328を有する。第2のルーメン327と、先端315内に配置される第2のオリフィス328は、薬物の送達のために使用され得る。第2のオリフィス328の位置は、第2のルーメン327と第2のオリフィス328を通して送達される薬物が、2回の連続圧迫間の次の弛緩フェーズ中に心臓102の右心房へ運ばれやすいようになっている。このようにして送達される薬物は通常、肺循環、冠循環、及び脳循環に迅速に達する。第2のルーメン327と第2のオリフィス328を用いて送達され得る薬物は、例えば血管作用薬、及び心臓への他の薬物である。個別のルーメン若しくはチャネルが各薬物のために使用され、これらの薬物(例えばエピネフリンと重曹)間の望ましくない相互作用を避けることができるよう、より多くのルーメンを設けることが可能であり得る。このようにして送達される薬物はまた、減少したスロッシング及びよりよい順方向血流などの効果のために、下流血管系にもよりよく分布することが多い。
【0034】
図4は血流影響部材の別の実施形態の正面図を示す。図5は対応する断面図を示す。血流影響部材は膨張部材416を有する。しかしながら、図1から3に示す実施形態とは異なり、膨張部材416は血流を直接制御するために使用されない。膨張部材416は中央開口部を持つトーラス形である。リング431と支柱432を有するフレーム若しくは構造が中央開口部内に配置される。フレーム431、432は、ステンレス鋼、貴金属若しくはプラスチックなどの比較的硬い材料であり得る。膨張部材416は通常はゴム若しくはシリコンなどの弾性材料から作られる。2つのフラップ436がリング431内に配置され、それに回転可能なように取り付けられる。2つのフラップ436は蝶形弁を形成する。支柱432はカテーテル状装置410に接続され、これは大静脈内の血流影響部材をその操作位置へ進ませ、また血流影響部材へ少なくとも1つの制御信号を供給するために使用される。このために、流体が制御信号のための伝送媒体となることができるようにカテーテル状装置410は中空である。
【0035】
図4にかかる血流影響部材の機能は図5に示す軸方向断面から明らかとなる。カテーテル状装置410内の第1のルーメン417は第1のオリフィス418を介して膨張部材416の内部に開いている。この配置により、膨張部材416を膨張及び収縮させることが可能である。血流制御装置の挿入手術中に膨張部材416は図4及び図5に示した直径よりも小さい直径を持つように実質的に収縮される。図4及び5は容易な挿入手術と、目的位置における安全な固定を可能にし得る適切な寸法を必ずしも示さない。膨張部材は、膨張状態及び収縮状態における直径の比が、図4及び5に図示されたものよりも大きくなるような寸法であり得る。一旦血流影響部材が目的位置に達すると、膨張部材416は第1のルーメン417とオリフィス418を介して膨張される。これは膨張部材を大静脈103の壁と密に接触させる。一旦膨張部材416が膨張されると、もはや血流影響部材の周辺を、つまり大静脈の壁と膨張部材416の間を実質的に全く血液が流れることができない。
【0036】
CPR中、2つのフラップ436は逆止弁のように機能する。上流域(図5における血流影響部材の下)における圧力が下流域(図5における圧力影響部材より上)における圧力よりも高いとき、フラップ436が開き血流影響部材を通って血液が流れることを許可する。フラップ436の開放位置は、血流影響部材の血流状態に対応する。他方で血流影響部材の下流側における圧力が上流側よりも高いとき、2つのフラップ436は自律的及び/又は自動制御的に閉じる。
【0037】
図6は本明細書に開示の教示にかかる血流影響部材の別の実施形態を示す。基本構成は図4及び5に示す実施形態と同様である。図6に示す実施形態は、血流影響部材が患者の体外から能動制御可能な2つのフラップ636を有する点で前の実施形態とは異なる。別の違いは、第2のルーメン627が図3に示す実施形態と同様の方法で薬物送達のために設けられるということである。
【0038】
フラップ636の能動制御をもたらす機構は、第3のルーメン637、シリンダ638、及びピストン639を有する。ピストン639はロッド640に接続され、そしてこれはフォーク641に接続される。フォーク641の両端は、車軸関節、弾性連結、迫台などを用いてそれぞれフラップ636の一方に接続される。この配置により、フラップ636の開閉のための制御信号が血流影響部材に送信されることができる。制御信号はピストン639を上下に動かす第3のルーメン637における圧力変動から成る。ピストンの運動はロッド640とフォーク641に伝達される。これはフラップ636を制御信号に従って開閉させる。ルーメン637内の流体は、人体の血液循環内で安全に使用されることができる圧搾空気(すなわちCO2若しくはN2などの不活性体)、水若しくは別の流体であり得る。代替的に、ボーデンケーブルなどの機械的接続、若しくは電気的接続を使用することも可能であり、この場合図6に示すシリンダ‐ピストン配置はソレノイドに置き換えられ得る。
【0039】
図7において、大動脈(laorta)、頸動脈(lcar)、及び下大静脈(lv)における例示的な血流が正常に鼓動している心臓についてプロットされる。図8において、CPR中の同じ血流がプロットされる。見てわかる通り、図8のCPRの場合において非常に大きなスロッシング血流が観察される。特に下大静脈lvにおける血流は、プロットされた血流の負の領域下の面積が正の領域下の面積とほとんど等しいため、最終的な順方向血流がほとんど生じないことを示す。スロッシングと、その後の腹部への失血を防ぐために、本明細書に記載したような追加措置が役立つ。圧迫フェーズ中の下大静脈における血流が末梢の流入路のできるだけ近くで妨げられることができる場合、よい結果が期待される。
【0040】
図9は本明細書に開示の教示にかかる血流制御装置によって若しくは血流制御装置内で使用され得る2つの信号の複合時間図を示す。図9の上部は救助者によって若しくは自動CPRによって実行される胸部圧迫に関連する力若しくは変位の測定信号を示す。破線水平線は胸部圧迫が現在実行されていると血流制御装置の制御ユニットがみなす閾値をあらわす。力測定若しくは変位測定が閾値(例えば最小の予測される圧迫深さの10%)を超えるとき、制御ユニットは図1から3に示す実施形態の膨張部材に制御信号を発し、膨張部材を拡張させる。従って、血流影響部材は無‐低血流状態にトグルされる。しばしば、圧迫の開始と膨張部材の拡張の間にわずかな遅延がある。この遅延中、血流影響部材はまだ無‐低血流状態ではないので、少量の血液逆流が起こる可能性がある。同じ効果は圧迫の終わり頃に起こり得る。
【0041】
図10は血流制御装置の、特に下大静脈103に置かれる血流制御装置の一部の一実施形態を示す。図10の実施形態は全般的に見て図2に示す実施形態に対応する。従って、図2に関連して既に論じられた図10に示す要素については図2が参照される。図10に示す実施形態は生理学若しくは化学センサ1053をさらに有する。センサ1053は複数の生理学及び/又は化学センサの組み合わせであることもできる。信号線1054は生理学若しくは化学センサ1053を例えば血流制御装置の制御ユニットと接続する。図10において、生理学若しくは化学センサ1053はカテーテルの先端に置かれる。生理学及び/又は化学センサによって測定され得る、関心のある数量は、血液ガス(PvO、PvCO)、pH、血圧、血流、イオン(K+、Na+、Ca+、Mg+、…)である。これらの量はCPRの質及び蘇生の質を最適化するために使用されることができる。センサデータは自動CPRを最適化及び個人化するためにフィードバックループにおいても使用されることができる。さらに、センサデータの一部は予防可能な心停止原因の治療に関する情報(pH、イオンバランス、血液量減少など)のために使用されることができる。
【0042】
図11は本明細書に開示の教示にかかる血流制御装置の主要なサブユニット(その一部は任意である)の略ブロック図を示す。血流制御装置1113は典型的に、外側部分と内側部分1114、及び外側部分と内側部分1114の間の接続若しくはリンク1110を有する。内側部分1114は例えば大腿カニューレを用いて下大静脈103内に挿入されることを目的とする。内側部分1114の基本的構成要素は血流影響装置FIDである。血流影響装置FIDの様々な設計が図2から6に図示され論じられている。内側部分1114はさらに、圧迫センサCMPR、生理学センサPHYS、及び/又は化学センサCHEMなど、様々なセンサを有し得る。血流制御装置1113の一部の実施形態において存在し得る内側部分1114の別の要素は、図4から6に図示される膨張部材416などの膨張部材INFLである。図4から6に関連して、膨張部材416は主に内側部分1114を下大静脈103内の目的位置に固定するという目的に役立った。しかし図2及び3に図示の通り、血流影響装置FIDと膨張部材INFLを合併させることが可能である。内側部分1114はさらに、図3及び6に示す通りルーメン327、627及びオリフィス328、628などの薬物送達構造DRGを有し得る。
【0043】
外側部分は、制御信号を血流影響装置FIDと膨張部材INFLへ与えるため、及び被害者に投薬するために、制御ユニットCU、センサ(CMPR、PHYS、及びCHEM)の測定信号を読み出すためのコネクタを有し得る。投薬はチューブ1127とルアーフィッティングなどのフィッティングを用いて実行され得る。
【0044】
外側部分と内側部分1114はカテーテル若しくはカテーテル状装置1110によって接続される。カテーテル1110は、ルーメン、導電体若しくは機械的リンクであり得る、内側部分1114と外側部分(制御ユニットCU、投薬チューブ1127)との間の様々な接続を集める。
【0045】
図11は血流制御装置から離れている自動心肺蘇生装置ACPRも示す。自動CPRは患者の胸部上の圧迫パッドを駆動するために空気圧などの技術を使用する。別の種類の自動CPRは電動式であり、胸部圧迫を供給するためにリズムに合わせて収縮する患者の胸部周りの大きなバンドを使用する。臨床研究は冠かん流圧力と自己心拍再開(ROSC)における顕著な改善を示している。自動CPRの場合、圧迫頻度は固定され非常に正確に制御されるので、血流影響部材FIDの動作は容易に時間同期されることができる。このようにして血流影響部材FIDに対する駆動信号にフェーズシフトが適用されることができ、これは血流状態と無‐低血流状態との間の遷移時間(例えば膨張時間、収縮時間など)を修正することができる。
【0046】
記載され図示された装置は院内及び院外の両方で有用である可能性がある。現在の考えにおける一部の傾向は、CPRがより(最小)侵襲的な方法を要すると述べている。先進的な考えは、非専門家と専門家のケアを分離するガイドライン2010の出現で、より侵襲的な方法が求められるであろうと提案している。これはCPRに関与するプロの介護士による物理的及び情報ニーズを満たすことを目指す。これは他の低流量条件において応用され得る可能性がある。
【0047】
開示された実施形態への他の変更は、図面、開示、及び添付の請求項の考察から、請求された発明を実践する上で当業者によって理解されもたらされることができる。請求項において"有する"という語は他の要素若しくはステップを除外せず、不定冠詞"a"若しくは"an"は複数を除外しない。単一のプロセッサ若しくは他のユニットが請求項に列挙された複数の項目の機能を実行してもよく、逆もまた同様である。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実はこれらの手段の組み合わせが有利に使用されることができないことを示すものではない。請求項に見られるいかなる参照符号も範囲を限定するものと解釈されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血流影響部材を有する血流制御装置であって、前記血流影響部材は、心肺蘇生中に人の大静脈内に置かれ、前記血流影響部材の上流域と下流域との間に存在する若しくは予測される圧力差に応じて、前記血流影響部材が大静脈内の血流を実質的に減少させる無‐低血流状態と、前記血流影響部材が実質的に減少していない血流を許可する血流状態との間で制御可能である、血流制御装置。
【請求項2】
心肺蘇生の一態様に関する圧迫を検出する圧迫センサと、
前記圧迫センサ及び前記血流影響部材に接続される制御ユニットとをさらに有し、
前記制御ユニットが、前記圧迫センサを介して、胸腔内圧変化若しくは胸壁の運動若しくは圧迫を検出し、前記血流影響部材に前記無‐低血流状態をとらせる信号を前記血流影響部材へ送信する、請求項1に記載の血流制御装置。
【請求項3】
前記圧迫センサが圧迫力及び/又は胸部変位及び/又は胸腔内圧変化及び/又は血管内流動を測定する、請求項2に記載の血流制御装置。
【請求項4】
カテーテルをさらに有し、前記圧迫センサが前記カテーテルの先端に置かれる、請求項2に記載の血流制御装置。
【請求項5】
前記圧迫センサが人の体外に置かれる、請求項2に記載の血流制御装置。
【請求項6】
前記圧迫センサが胸腔内に置かれる、請求項2に記載の血流制御装置。
【請求項7】
生体生理的パラメータを測定する生理学センサ、及び生化学パラメータを測定する化学センサのうちの少なくとも1つをさらに有する、請求項1に記載の血流制御装置。
【請求項8】
前記血流影響部材が膨張部材若しくはカスプ形装置を有する、請求項1に記載の血流制御装置。
【請求項9】
前記膨張部材若しくは前記カスプ形装置を収縮/膨張させるために、圧力源と、前記圧力源を前記膨張部材若しくは前記カスプ形装置と接続するためのパイプとをさらに有する、請求項8に記載の血流制御装置。
【請求項10】
前記血流影響部材が機能的弁を有する、請求項1に記載の血流制御装置。
【請求項11】
前記無‐低血流状態と前記血流状態との間で前記血流影響部材を制御するために、前記血流影響部材への駆動信号の送信のための第1のルーメンを持つカテーテルをさらに有する、請求項1に記載の血流制御装置。
【請求項12】
前記カテーテルが前記血流影響部材の近くの位置への物質の送達のために使用される少なくとも1つの第2のルーメンをさらに有する、請求項11に記載の血流制御装置。
【請求項13】
前記血流影響部材が逆止弁のように機能する、請求項1に記載の血流制御装置。
【請求項14】
自動心肺蘇生装置から制御信号を受信するための制御信号インターフェースをさらに有し、前記制御信号は自動心肺蘇生と同期した方法で前記血流影響部材を前記無‐低血流状態と前記血流状態との間でトグルさせる、請求項1に記載の血流制御装置。
【請求項15】
前記血流影響部材が大腿カニューレ手術を用いて大静脈内に導入される、請求項1に記載の血流制御装置。
【請求項16】
自己心拍再開が達成されるとき又は胸部圧迫が中止若しくは停止されるとき、前記血流影響部材が前記血流状態のままである、請求項1に記載の血流制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2013−505048(P2013−505048A)
【公表日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−529375(P2012−529375)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際出願番号】PCT/IB2010/054063
【国際公開番号】WO2011/033427
【国際公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】