説明

静電噴霧装置

【課題】静電噴霧装置において、タンクを目視しなくてもタンクの液体残量を検知できるようにする。
【解決手段】タンク(71)内の圧力を検出する圧力センサ(43)と、空気ポンプ(41)が起動してから圧力センサ(43)の検出値が所定値になるのに要する時間が所定時間を超えたときに、タンク(71)の液体残量が所定量よりも少ないと判定して判定信号を出力する残量検知部(5)とを静電噴霧装置(1)に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電噴霧装置に関し、特に静電噴霧装置の運転制御に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、容器に貯留された液体を噴霧する液体噴霧装置が知られている。そして、これらの液体噴霧装置の中には、特許文献1に示すように、ノズルの先端(流出端)に形成される電界を利用して帯電した液体を使用者へ噴霧する静電噴霧装置がある。
【0003】
この特許文献1の静電噴霧装置は、袋状の容器を収縮させて容器内の液体をノズルの流出端へ搬送する。この状態で、ノズルの流出端の液体に高電圧が印加されると、ノズルの流出端と対向電極との間に電界が形成される。これにより、ノズルの流出端で帯電された液体が引きちぎられて噴霧粒子となり、この噴霧粒子が拡散する。拡散した噴霧粒子は、所定の噴霧対象へ供給される。なお、特許文献1では、化粧水を噴霧粒子とし、この噴霧粒子を噴霧対象としての使用者の顔面等へ付着させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−022891号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記容器の液体残量を確認する方法として、上記容器を透明にすることが考えられる。しかしながら、この透明の容器を目視するためには、上記静電噴霧装置のケーシングから容器を露出させたり、上記ケーシングの一部に目視のための窓部を形成しなければならず、ケーシングの美観の面から好ましくない。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電噴霧装置において、容器を目視しなくても容器の液体残量を検知できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、液体を貯留する容器(71)と、該容器(71)の内外を連通するノズル(72)と、該容器(71)の液体に電圧を印加する電圧印加部(50)と、上記容器(71)内へ空気を供給することで該容器(71)の液体の圧力を大きくして該液体を上記容器(71)から上記ノズル(72)の流出端(72c)へ搬送する搬送部(41)と備えた静電噴霧装置を前提としている。
【0008】
そして、上記静電噴霧装置において、上記容器(71)内の圧力を検出する検出部(43)と、上記搬送部(41)が起動してから上記検出部(43)の検出値が基準値になるまでの経過時間Tが設定時間(Ts1,Ts2)を超えたときに、上記容器(71)の液体残量が所望の量よりも少ないと判定して判定信号を出力する残量検知部(5)とを備えていることを特徴としている。
【0009】
第1の発明では、上記搬送部(41)が起動してから上記容器(71)の圧力が基準の圧力になるまでの経過時間に基づいて、上記容器(71)の液体残量を検知している。ここで、上記設定時間(Ts1,Ts2)は液体残量に基づいて設定される時間であり、上記経過時間Tがこの設定時間(Ts1,Ts2)を超えている場合には、液体残量が所望の量よりも少ないと判定する。逆に、上記経過時間Tが上記設定時間(Ts1,Ts2)よりも短い場合には、液体残量が所望の量よりも多いと判定する。
【0010】
そして、液体残量が所望の量よりも少ないと判定したときに、上記残量検知部(5)から判定信号が出力される。つまり、この判定信号は、上記容器(71)の液体残量が所望の量よりも少ないことを示す信号である。
【0011】
第2の発明は、第1の発明において、上記容器(71)の液体残量が所望の量のときの、上記搬送部(41)の起動後の経過時間Tと上記検出部(43)の検出値との関係に基づいて上記残量検知部(5)の設定時間(Ts1,Ts2)を設定する設定部(4)を備えていることを特徴としている。
【0012】
第2の発明では、上記容器(71)の液体残量が少なければ少ないほど、上記容器(71)における空気の容積は大きくなる。そして、この空気の容積が大きくなればなるほど、容器(71)の圧力を上げるのに必要な空気の量は比較的に多くなるため、上記搬送部(41)が起動してから上記容器(71)内の圧力が基準の圧力になるまでの経過時間Tは長くなる。逆に、液体残量が多ければ多いほど、上記容器(71)における空気の容積は小さくなり、容器(71)の圧力を上げるのに必要な空気の量は比較的に少なくて済むため、経過時間Tは短くなる。このように、上記搬送部(41)の起動後の経過時間Tと上記検出部(43)の検出値との関係性に基づいて、上記容器(71)の液体残量が所望の量のときの設定時間(Ts1,Ts2)を設定する。
【0013】
第3の発明は、第2の発明において、上記容器(71)の液体残量が所望の量のときの、上記搬送部(41)の起動後の経過時間Tと上記検出部(43)の検出値との関係を予めデータとして取得する取得部(3)を備え、上記設定部(4)は、上記取得部(3)で取得したデータに基づいて設定時間(Ts1,Ts2)を設定することを特徴としている。
【0014】
第3の発明では、上記容器(71)の液体残量を、検知したい所望の検知量に予め設定した後で、上記搬送部(41)を起動する。その後に、上記搬送部(41)の起動後の経過時間Tと上記検出部(43)の検出値とに係るデータを取得する。このデータにより、上記検出部(43)の検出値が所定値になるまでの経過時間Tを把握できる。そして、この予め取得したデータに基づいて設定時間(Ts1,Ts2)が設定される。
【0015】
第4の発明は、第1から第3の何れか1つの発明において、上記搬送部(41)は、単位時間当たりの空気の吐出量が一定となる定量ポンプであることを特徴としている。
【0016】
第4の発明では、上記容器(71)内の圧力にかかわらず、該容器(71)へ供給される単位時間当たりの空気の量を一定にすることができるようになる。これにより、上記残量検知部(5)に係る設定時間(Ts1,Ts2)を設定する際に、上記容器(71)内の圧力上昇に伴う単位時間当たりの空気の量の変化を所定の範囲内において考慮する必要がなくなる。
【0017】
第5の発明は、第1から第4の何れか1つの発明において、上記残量検知部(5)から判定信号が入力されると上記搬送部(41)の運転を停止させる制御を行う制御部(2)を備えていることを特徴としている。
【0018】
第5の発明では、上記容器(71)の液体残量が所定量よりも少ないと判定すると、上記搬送部(41)の運転を停止する。
【0019】
第6の発明は、第1から第5の何れか1つの発明において、上記残量検知部(5)から判定信号が入力されると上記容器(71)の液体残量が所定量よりも少ないことを使用者へ警告する警告部(6)を備えていることを特徴としている。
【0020】
第6の発明では、上記容器(71)の液体残量が所定量よりも少ないと判定すると、液体残量が少ないことを使用者に警告する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、上記搬送部(41)が起動してから上記容器(71)の圧力が基準の圧力値になるまでの経過時間Tに基づいて、上記容器(71)の液体残量を検知することができる。これにより、容器(71)を透明にして上記静電噴霧装置(1)のケーシング(10)から容器(71)を露出させたり、上記ケーシング(10)の一部に目視のための窓部を形成したりすることなく、容器の液体残量を検知することができる。
【0022】
また、上記第2の発明によれば、上記搬送部(41)の起動後の経過時間Tと上記検出部(43)の検出値との関係に基づいて、上記容器(71)の液体残量が所望の量のときの設定時間(Ts1,Ts2)を設定することができる。これにより、上記残量検知部(5)における液体残量の検知精度を高めることができる。
【0023】
また、上記第3の発明によれば、上記容器(71)の液体残量が所望の量のときに、上記搬送部(41)が起動してから上記検出部(43)の検出値が基準値になるのに要する時間を予め実測する。そして、この実測時間に基づいて設定時間(Ts1,Ts2)を設定するので、上記容器(71)の液体残量を検知する際の確実性を向上させることができる。
【0024】
また、上記第4の発明によれば、上記搬送部(41)を定量ポンプにすれば、上記残量検知部(5)に係る設定時間(Ts1,Ts2)を設定する際に、上記容器(71)内の圧力上昇に伴う単位時間当たりの空気の量の変化を所定の範囲内において考慮する必要がない。これにより、上記残量検知部(5)に係る設定時間(Ts1,Ts2)を設定しやすくすることができる。
【0025】
また、上記第5の発明によれば、上記容器(71)の液体残量が所定量よりも少ないと判定すると、上記搬送部(41)の運転を停止する。これにより、上記タンク(71)の液体残量が空になったときの上記搬送部(41)の空運転を防ぐことができる。
【0026】
また、上記第6の発明によれば、上記容器(71)の液体残量が所定量よりも少ないと判定すると、液体残量が少ないことを使用者に警告する。これにより、使用者に対して液体の補充を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施形態に係る静電噴霧装置の全体を示す斜視図である。
【図2】実施形態に係る静電噴霧装置を示す縦断面図である。
【図3】実施形態に係る静電噴霧装置のシステム構成を示す図である。
【図4】実施形態に係る静電噴霧装置の上部を示す斜視図である。
【図5】実施形態に係る静電噴霧装置のトップカバーの内部構造を示す図である。
【図6】実施形態に係る静電噴霧装置の内部構造を示す斜視図である。
【図7】実施形態に係る搬送ユニットの構成を示す図である。
【図8】実施形態に係る噴霧カートリッジを示す縦断面図である。
【図9】実施形態に係る噴霧カートリッジの正面図である。
【図10】実施形態に係る静電噴霧装置のタイムチャート図である。
【図11】始動時における空検知動作の制御フロー図である。
【図12】運転中における空検知動作の制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0029】
本実施形態に係る静電噴霧装置(1)は、ヒアルロン酸等を含んだ液体を使用者に対して噴霧するものである。まず、静電噴霧装置(1)について説明した後に、上記静電噴霧装置(1)の運転制御を行うコントローラ(2)について説明する。
【0030】
〈静電噴霧装置〉
この静電噴霧装置(1)は、図1〜図3に示すように、ケーシング(10)と、該ケーシング(10)に着脱自在に装着される噴霧カートリッジ(70)と、ケーシング(10)内に収容される搬送ユニット(40)と、液体に対して電圧を印加する高電圧電源ユニット(電圧印加部)(50)と、電源となるアダプタ(18)とを備えている。
【0031】
上記ケーシング(10)は、縦長に形成された有底円筒状の部材である。ケーシング(10)は、デザインカバー(10a)と、底カバー(10b)と、トップカバー(11)とから構成されている。尚、本実施形態では、液体の噴霧方向を前面側とし、噴霧方向の背後方向を背面側としている。
【0032】
上記デザインカバー(10a)は、筒状に形成されてケーシング(10)の側方部を形成するカバーである。デザインカバー(10a)は、上下に開口端が形成されている。上記底カバー(10b)は、ケーシング(10)の下部の開口端を塞ぐものである。
【0033】
上記トップカバー(11)は、デザインカバー(10a)の上部の開口端を塞ぐものである。トップカバー(11)は、図4に示すように、その上面が背面側から前面側へ向かって斜め下方向へ傾斜して形成されている。そして、トップカバー(11)の概ね前面側には、噴霧カートリッジ(70)のノズル(72)を露出させるための噴霧開口部(14)が形成されている。噴霧開口部(14)の周縁部には、スライド可能なシャッタ(13)が取り付けられている。このシャッタ(13)は、図5に示すように、前面側にスライドさせると閉じ、背面側にスライドさせると開くように構成されている。
【0034】
また、トップカバー(11)には、噴霧動作のON/OFFを行う動作スイッチ(15)が設けられている。シャッタ(13)が背面側(シャッタ(13)を開く方向)に移動することでシャッタ(13)の側部(13a)が動作スイッチ(15)を下方に押すことで動作スイッチ(15)がONになる。つまり、シャッタ(13)は動作スイッチ(15)のON/OFFを切り換えるためのプッシャを構成している。動作スイッチ(15)がONになると、後述するコントローラ(2)が静電噴霧装置(1)の噴霧動作を開始させる。また、背面側に移動したシャッタ(13)は、下側からバネ(図示なし)によって付勢され、トップカバー(11)に保持されている。
【0035】
一方、シャッタ(13)が前面側(シャッタ(13)を閉じる方向)に移動することで、シャッタ(13)の側部(13a)が動作スイッチ(15)から離間して動作スイッチ(15)がOFFになる。動作スイッチ(15)がOFFになると、コントローラ(2)が静電噴霧装置(1)の噴霧動作を停止させる。すなわち、本実施形態の静電噴霧装置(1)は、使用者がシャッタ(13)をスライドさせることで噴霧動作のON/OFFを制御できるように構成されている。
【0036】
上記トップカバー(11)とデザインカバー(10a)との間には、周方向に亘って帯状の対向電極(12)が設けられている。この対向電極(12)は、ノズル(72)の流出端(72c)との間で電界を発生させるためのものである。本実施形態の静電噴霧装置(1)は、ノズル(72)の流出端(72c)の電荷を帯びた液体と対向電極(12)の間の電位差で発生する電界によってノズル(72)の流出端(72c)から吐出される液体を糸状に絞り込んで液糸(リガメント)を形成している。
【0037】
図6に示すように、上記デザインカバー(10a)の背面側には、上部機械室(28)に対応する高さ位置に、噴霧カートリッジ(70)を着脱させるための背面開口部(16)が形成されている。背面開口部(16)は略矩形状に形成され、その周縁部にはデザインカバー(10a)に着脱自在なリアカバー(17)が取り付けられている。
【0038】
上記ケーシング(10)は、その内部に下側ベース(21)と上側ベース(22)と仕切板(23)とを備えている。まず、下側ベース(21)はケーシング(10)内の底部寄りに設けられている。また、上側ベース(22)はケーシング(10)の長手方向の概ね中央に設けられている。各ベース(21,22)は、水平方向に延びてケーシング(10)内を上下に区画している。また、上記仕切板(23)は、下側ベース(21)と上側ベース(22)との間に亘って設けられ、ケーシング(10)の内部における、下側ベース(21)と上側ベース(22)との間の空間を前後に区画している。
【0039】
上記下側ベース(21)と上側ベース(22)との間には、中央機械室(24)が区画されている。そして、中央機械室(24)は、上述した仕切板(23)により、前面側の第1中央機械室(25)と背面側の第2中央機械室(26)とに区画されている。また、下側ベース(21)の下方に下部機械室(27)が区画され、上側ベース(22)の上方に上部機械室(28)が区画されている。
【0040】
上記下部機械室(27)には、温湿度センサ(29)と、人検知センサ(30)と、USB基板(31)とが収容されている。
【0041】
上記温湿度センサ(29)は、静電噴霧装置(1)の設置された部屋の温湿度を検知するセンサである。この温湿度センサ(29)は、後述するコントローラ(2)に接続され、検知した温湿度データは随時、コントローラ(2)に送られている。
【0042】
上記人検知センサ(30)は、静電噴霧装置(1)の噴霧対象となる使用者の有無を検知するためのものである。人検知センサ(30)は、例えば焦電型赤外線センサに構成されている。人検知センサ(30)は、下部機械室(27)内の前面側に収容されている。そして、人検知センサ(30)は、そのセンサ面をケーシング(10)の開口を介して前面側の斜め上方向を向くように配置されている。また、人検知センサ(30)のセンサ面の下半分は、マスク部材でマスクされている。これにより、検知範囲が静電噴霧装置(1)の前面側の上部に限定され、人の有無の検知精度を向上させることができる。人検知センサ(30)は、後述するコントローラ(2)に接続され、検知データは随時、コントローラ(2)に送られている。
【0043】
上記USB基板(31)は、USB(ユニバーサル・シリアル・バス、以下同じ)のコネクタ(19)が挿入されるものである。このUSB基板(31)は、下部機械室(27)の底部に配置されている。USB基板(31)には、USBのコネクタ(19)が接続される接続部(32)を備えている。
【0044】
本実施形態に係る静電噴霧装置(1)は、家庭用の交流電源(いわゆるコンセント)から供給される100Vの交流電圧を、アダプタ(18)で5Vの直流電圧に変換し、これを液体搬送ユニット(40)や高電圧電源ユニット(50)の電源として使用している。具体的には、アダプタ(18)と静電噴霧装置(1)とは、USBケーブルを介してUSBのコネクタ(19)が接続部(32)に挿入されることで接続されている。尚、静電噴霧装置(1)の電源としては上記アダプタ(18)に限られず、例えばパソコン等のUSBや自動車中のシガーソケット等を電源としてもよい。
【0045】
上記搬送ユニット(40)は、図3及び図7に示すように、空気ポンプ(搬送部)(41)と圧力センサ(43)と空気管(42)とを備えている。
【0046】
上記空気ポンプ(41)は、上記噴霧カートリッジ(70)のタンク(容器)(71)内へ空気を供給することで該タンク(71)の液体の圧力を大きくして該液体を上記タンク(71)から上記ノズル(72)の流出端(72c)へ搬送するものである。この空気ポンプ(41)は、ダイアフラム型のもので構成され、下部機械室(27)内に収容されている。下部機械室(27)内では、空気ポンプ(41)は下側ベース(21)の下部にポンプホルダ(図示なし)によって固定されている。
【0047】
この空気ポンプ(41)の吸気口は該空気ポンプ(41)の外部に開口し、空気ポンプ(41)の排気口は上記空気管(42)の一端に連通している。この空気ポンプ(41)が運転を開始すると、該空気ポンプ(41)の吸気口から吸い込まれた空気が上記空気管(42)を通じてタンク(71)へ供給され、該タンク(71)内の圧力が上がる。そして、空気ポンプ(41)が運転を停止すると、タンク(71)内の空気が上記空気管(42)を通じて空気ポンプ(41)へ逆流し、この逆流した空気は空気ポンプ(41)を通じて外部へ排出される。これにより、タンク(71)内の圧力は徐々に大気圧まで下がる。
【0048】
上記空気管(42)は、空気ポンプ(41)の空気をタンク(71)内に送るためのものである。空気管(42)は、下部機械室(27)から上部機械室(28)まで延びるチューブに構成されている。空気管(42)の一端は、上述したように空気ポンプ(41)に接続されている。又、空気管(42)の他端は、タンク(71)の吸入口(79)に接続されている。
【0049】
上記圧力センサ(43)は、上記タンク(71)内の圧力を検出するものである。この圧力センサ(43)は、後述する制御基板(61)に設けられている。又、この圧力センサ(43)の圧力検知口は上記空気管(42)の途中に開口している。この圧力センサ(43)は、後述するコントローラ(2)に接続されており、検知した圧力データは随時コントローラ(2)に送られる。
【0050】
上記高電圧電源ユニット(50)は、図3に示すように、電極部材(84)を介してタンク(71)内の液体に正、又は負極性の高電圧を印加するためのものである。この高電圧電源ユニット(50)は、出力部(51)と接地部(55)とを備えている。
【0051】
上記出力部(51)は、上記アダプタ(18)から供給された電圧(+5V)を高電圧に昇圧して出力させるためのものである。この出力部(51)は、第1中央機械室(25)内に収容された基板(52)上にトランジスタ(図示なし)、トランス(53)、及びダイオード等の電子機器を備えて構成されている。そして、出力部(51)は、アダプタ(18)から供給された電圧(+5V)を+3kVから+5kVの間、又は−4kVから−7kVの間の高電圧に昇圧させる。そして、出力部(51)は、その出力端子に高圧ライン(54)の他端が接続され、高圧ライン(54)及び電極部材(84)を介してタンク(71)内の液体に高電圧が印加されるよう構成されている。尚、出力部(51)は出力させる電圧の極性を切換可能に構成されている。上記接地部(55)は、接地され、出力部(51)に対するグランドを構成している。接地部(55)は、接地ライン(56)を介して対向電極(12)に接続されている。
【0052】
上記噴霧カートリッジ(70)は、図8及び図9に示すように、貯留した液体に電荷を付与して噴霧させるためのものである。この噴霧カートリッジ(70)は、タンク(71)と電極部材(84)とノズル(72)とノズルベース(74)と把手部(86)とで構成され、各構成部材は、分離不能(不可分)に一体形成されている。すなわち、タンク(71)内の液体が少なくなったり、無くなった場合は、全ての構成部材が同時に交換される。
【0053】
上記タンク(71)は、液体を内部に貯留するための容器である。具体的に、タンク(71)は、略矩形状の箱体に形成されて噴霧カートリッジ(70)の下部を構成している。このタンク(71)は、その底部が背面側に向かって下方に傾斜する底板(71b)に形成されている。このため、タンク(71)は背面側に最深部が形成される。これにより、ケーシング(10)が転倒した場合にも、タンク(71)内の液体は再び最深部に集まる。
【0054】
上記ノズルベース(74)は、ノズル(72)を保持するための部材である。ノズルベース(74)は、略円筒状に形成され、タンク(71)の首部材(71a)を介してタンク(71)と一体に形成されている。上記ノズルベース(74)は、内側凹部(75)と外側凹部(82)とが形成されている。
【0055】
上記内側凹部(75)は、ノズルベース(74)の内側端に形成された凹部である。内側凹部(75)は、底部の中央に軸方向の内側に突出した保持部(77)が形成されている。保持部(77)には、ノズル(72)が挿通される貫通孔(78)が形成されている。そして、保持部(77)の周囲には、チャンバ(81)が取り付けられている。このチャンバ(81)は、内側凹部(75)の内壁(76)と保持部(77)との間の隙間(85)の一部を埋めるものである。上記隙間(85)の一部をチャンバ(81)が埋めることで、タンク(71)内の液体が隙間(85)に侵入するのを防止している。また、内側凹部(75)の内壁(76)には、空気管(42)の他端が接続される吸入口(79)が形成されている。
【0056】
上記外側凹部(82)は、ノズルベース(74)の外側端に形成された凹部である。外側凹部(82)の内壁(83)は、ノズル(72)の露出部(72b)を覆うように形成されている。そして、外側凹部(82)の底部には、貫通孔(78)と連通する開口が形成されている。
【0057】
上記外側凹部(82)は、その内壁(83)がノズル(72)の流出端(72c)と一定の距離を保つことで、ノズル(72)の露出部(72b)の周りに空気層を形成している。この空気層は絶縁材として機能し、これによって、ノズル(72)の流出端(72c)に安定した電界が形成される。そして、ノズル(72)の流出端(72c)は外側凹部(82)の内壁(83)の先端から突出するように形成されている。
【0058】
上記ノズル(72)は、柔軟な樹脂製の細管状に形成されたノズルである。ノズル(72)は外径が0.3mmから0.4mmの間に形成され、内径が0.1mmから0.2mmの間で形成されている。ノズル(72)は、ノズルベース(74)の貫通孔(78)に挿通されて取り付けられ、先端が外側凹部(82)の内壁(83)の先端より突出して外部に開口する一方、基端側(72a)は、タンク(71)内の最深部の近傍まで延びて液体に連通している。このノズル(72)の基端側(72a)は、本発明に係るノズル延伸部を構成している。このノズル(72)の流入端(72d)がタンク(71)内の最深部まで延びることでタンク(71)内の液体を最後まで使用することができる。
【0059】
上記電極部材(84)は、金属製の棒状に形成された部材である。電極部材(84)は、一端がタンク(71)内の底部に挿通されて液体内に浸漬されている。また、電極部材(84)の他端は、タンク(71)の外部まで延びて配置され、高圧ライン(54)の一端が接続されている。つまり、電極部材(84)は、高電圧電源ユニット(50)の出力部(51)と電気的に接続され、タンク(71)内の液体に高電圧を印加するように構成されている。
【0060】
以上のように、噴霧カートリッジ(70)は、空気ポンプ(41)の空気によってタンク(71)内の液体をノズル(72)へ搬送する一方、タンク(71)内の液体に高電圧を印加してノズル(72)の流出端(72c)に電界を形成することで、ノズル(72)の流出端(72c)から液体を連続して霧状に噴射している。
【0061】
この噴霧カートリッジ(70)を取り出す際は、ケーシング(10)からリアカバー(17)を取り外し、カートリッジホルダ(70a)ごと噴霧カートリッジ(70)を取り出す。噴霧カートリッジ(70)を取り付ける際は、カートリッジホルダ(70a)に噴霧カートリッジ(70)を取り付けた状態で背面開口部(16)から上部機械室(28)内に収容してケーシング(10)に取り付ける。
【0062】
〈コントローラ〉
上記コントローラ(2)は、図3に示すように、静電噴霧装置(1)の運転動作を制御するものである。この運転動作の中には、上記タンク(71)が空に近い状態であるか否かを検知する空検知動作が含まれる。この空検知動作については、詳しく後述する。
【0063】
上記コントローラ(2)は、第2中央機械室(26)に収容された制御基板(61)上に取得部(3)と設定部(4)と残量検知部(5)とを備えている。そして、コントローラ(2)には、圧力センサ(43)、人検知センサ(30)、温湿度センサ(29)、及び動作スイッチ(15)が接続されている。
【0064】
上記取得部(3)では、上記タンク(71)の液体残量が所望の量のときの上記空気ポンプ(41)の起動後の経過時間Tと上記圧力センサ(43)の検出値との関係を実測データとして取得する。本実施形態では、上記タンク(71)の空検知動作を行うため、この所望の量が僅かな量に設定されている。
【0065】
上記設定部(4)は、上記取得部(3)で取得した実測データに基づいて設定時間Tsを設定する。具体的には、後述する始動時の空検知動作に係る設定時間Ts1と運転中の空検知動作に係る設定時間Ts2とを設定する。尚、上記設定時間Ts2は、上記設定時間Ts1よりも短い時間に設定されている。本実施形態では、始動時の空検知動作に係る設定時間Ts1が60秒、運転中の空検知動作に係る設定時間Ts2が30秒に設定されている。
【0066】
上記残量検知部(5)は、上記空気ポンプ(41)が起動してから上記圧力センサ(43)の検出値が基準値になるまでの経過時間Tが上記設定部(4)の設定時間Tsを超えたときに、上記タンク(71)の液体残量が空に近い状態であると判定して判定信号を出力するものである。ここで、上記圧力センサ(43)の基準値が比較的に低いと、上記経過時間Tが短くなってしまい、空検知動作の精度が低くなるので、上記圧力センサ(43)の基準値は、所定の範囲内のうちの比較的に高い値に設定されている。
【0067】
−運転動作−
〈静電噴霧装置の動作〉
上記本実施形態の静電噴霧装置(1)の動作について説明する。この静電噴霧装置(1)では、液体が液糸(リガメント)状態で噴出され、液滴に分裂し、拡散されて使用者に到達する。この静電噴霧装置(1)は、噴霧カートリッジ(70)がケーシング(10)内に収容された状態で運転可能な状態となる。
【0068】
まず、使用者が手動でシャッタ(13)をケーシング(10)の背面方向にスライドさせて開けると、シャッタ(13)が動作スイッチ(15)を押してON状態となる。動作スイッチ(15)がON状態となると、コントローラ(2)が空気ポンプ(41)を駆動させる。空気ポンプ(41)は空気管(42)からタンク(71)内へ空気を導入する。タンク(71)内では、空気圧が高くなり、タンク(71)内の液体が空気に押されてノズル(72)の流入端(72d)から内部に流入する。そして、ノズル(72)の内部に流入した液体はノズル(72)の流出端(72c)まで搬送される。
【0069】
一方で、動作スイッチ(15)がON状態になると、コントローラ(2)の電圧調整部(6)は、高電圧電源ユニット(50)の出力部(51)から高電圧を出力する。高電圧は、電極部材(84)を介してタンク(71)内の液体に印加される。
【0070】
そして、ノズル(72)の流出端(72c)では、電荷を帯びた液体と対向電極(12)との間に電位差が生じ、電界が発生する。ノズル(72)の流出端(72c)の液体は、電界に引っ張られて液糸(リガメント)状態で噴出され、その後、概ね数十μmから300μm程度の大きさの液滴に分裂する。液体には電荷が付与されているため、分裂によって互いに斥力が生じて液滴は拡散する。拡散した液滴は、グランドとなる使用者に向かって飛散し、使用者の顔面に付着する。
【0071】
また、コントローラ(2)は、動作スイッチ(15)がON状態であっても、人検知センサ(30)からの検知データに基づいて噴霧動作を制御することもできる。具体的には、人検知センサ(30)が使用者の無しを検知すると、電圧調整部(6)の高電圧の出力を停止する一方、空気ポンプ(41)の駆動を停止する。さらに、再び人検知センサ(30)が使用者の有りを検知すると、電圧調整部(6)の高電圧の出力を開始する一方、空気ポンプ(41)の駆動を開始する。これによって、使用者がいない状況での無駄な噴霧を確実に防止することができる。
【0072】
また、図10に示すように、上記タンク(71)の圧力が一定となるように上記空気ポンプ(41)を発停させている。具体的には、上記タンク(71)の圧力が上限値Pmax以上になると空気ポンプ(41)を停止し、上記タンク(71)の圧力が下限値Pmin以下になると空気ポンプ(41)を起動する。
【0073】
〈空検知動作〉
次に、上記コントローラ(2)が行う空検知動作について説明する。まず、空気ポンプ(41)の始動時に行われる空検知動作について説明した後に、空気ポンプ(41)が始動した後の運転中における空検知動作について説明する。
【0074】
−始動時の空検知動作−
上記始動時における空検知動作の動作フロー図を図11に示す。使用者が静電噴霧装置の電源スイッチをオンして上記空気ポンプ(41)が運転を開始すると、始動時の空検知動作が開始する。
【0075】
まず、ステップST1aでは、上記空気ポンプ(41)の起動とともに上記コントローラ(2)に設けられたタイマ(図示なし)がスタートする。上記タンク(71)内の圧力が上記空気ポンプ(41)の起動によって徐々に上昇している状態で、ステップST1aからステップST2aへ移る。
【0076】
ステップST2aでは、上記圧力センサ(43)の検出値Pが上限値Pmax以上であるか否かが判定される。この検出値Pが上限値Pmax以上であればステップST3aへ移り、そうでなければステップST2aへ戻る。そして、この検出値Pが上限値Pmax以上になるまで、ステップST2aへ戻る動作が繰り返される。
【0077】
ステップST3aでは、上記タイマがストップすると同時に上記空気ポンプ(41)が停止する。この動作により、上記空気ポンプ(41)が起動してから上記検出値Pが上限値Pmaxになるまでの経過時間Tがタイマ時間T(図10のT1)として確定する。そして、ステップST3aからステップST4aへ移る。
【0078】
ステップST4aでは、ステップST3aで確定したタイマ時間Tが設定時間Ts1よりも長いか否かが判定される。このタイマ時間Tが設定時間Ts1よりも長い場合にはステップST5aへ移り、そうでない場合には、起動時の空検知動作が終了する。
【0079】
ステップST5aでは、タンク(71)の液量が残り僅かであるとして、上記残量検知部(5)からコントローラ(2)へ判定信号が出力される。上記ケーシング(10)の外面には、上記噴霧カートリッジ(70)の交換時期を知らせるLED(ライト・エミッティング・ダイオード、以下同じ)(図示なし)が設けられており、上記コントローラ(2)は、この判定信号の入力に伴って上記LEDを点灯させる。そして、ステップST5aの処理が終わると起動時の空検知動作が終了する。
【0080】
−運転中の空検知動作−
上記運転中の空検知動作の制御フロー図を図12に示す。起動時の空検知動作の終了時には、上述したように空気ポンプ(41)は一時停止している。そして、この空気ポンプ(41)の一時停止により、上記タンク(71)の圧力が下がり始める状態である。この状態で運転中の空検知動作が始まる。
【0081】
まず、ステップST1bでは、上記圧力センサ(43)の検出値Pが下限値Pmin以下であるか否かが判定される。この検出値Pが下限値Pmin以下であればステップST2bへ移り、そうでなければステップST1bへ戻る。そして、この検出値Pが下限値Pmin以下になるまで、ステップST2aへ戻る動作が繰り返される。
【0082】
ステップST2bでは、上記タイマがスタートすると同時に上記空気ポンプ(41)の運転が開始される。そして、ステップST2bからステップST3bへ移る。
【0083】
ステップST3bでは、上記圧力センサ(43)の検出値Pが上限値Pmax以上であるか否かが判定される。この検出値Pが上限値Pmax以上であればステップST4bへ移り、そうでなければステップST3bへ戻る。そして、この検出値Pが上限値Pmax以上になるまで、ステップST3bへ戻る動作が繰り返される。
【0084】
ステップST4bでは、上記タイマがストップすると同時に上記空気ポンプ(41)が停止する。この動作により、上記空気ポンプ(41)が再起動してから上記検出値Pが上限値Pmaxになるまでの経過時間Tがタイマ時間T(図10のT2)として確定する。そして、ステップST4bからステップST5bへ移る。
【0085】
ステップST5bでは、ステップST4bで確定したタイマ時間Tが設定時間Ts2よりも長いか否かが判定される。このタイマ時間Tが設定時間Ts2よりも長い場合にはステップST6bへ移り、そうでない場合にはステップST7bへ移る。
【0086】
ステップST6bでは、タンク(71)の液量が残り僅かであるとして、上記残量検知部(5)からコントローラ(2)へ判定信号が出力される。上記コントローラ(2)は、この判定信号の入力によって上記噴霧カートリッジ(70)の交換時期を知らせるLEDを点灯させる。そして、ステップST6bからステップST7bへ移る。
【0087】
ステップST7bでは、上記コントローラ(2)から上記空気ポンプ(41)へ停止信号が入力されているか否かが判定される。停止信号が入力されていなければ、ステップST7bからステップST1bへ移り、上述した処理が繰り返される。一方、停止信号が入力されれば運転中の空検知動作は終了する。
【0088】
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、上記空気ポンプ(41)が起動してから上記タンク(71)の圧力が基準の圧力値になるまでの経過時間Tに基づいて、上記タンク(71)の液体残量を検知することができる。これにより、タンク(71)を透明にして上記静電噴霧装置(1)のケーシング(10)からタンク(71)を露出させたり、上記ケーシング(10)の一部に目視のための窓部を形成したりすることなく、容器の液体残量を検知することができる。
【0089】
また、本実施形態によれば、上記空気ポンプ(41)の起動後の経過時間Tと上記圧力センサ(43)の検出値との関係に基づいて、上記タンク(71)の液体残量が所望の量のときの設定時間(Ts1,Ts2)を設定することができる。これにより、上記残量検知部(5)における液体残量の検知精度を高めることができる。
【0090】
また、本実施形態によれば、上記タンク(71)の液体残量が所望の量のときに、上記空気ポンプ(41)が起動してから上記圧力センサ(43)の検出値が基準値になるのに要する時間を予め実測する。そして、この実測時間に基づいて設定時間(Ts1,Ts2)を設定するので、上記タンク(71)の液体残量を検知する際の確実性を向上させることができる。
【0091】
また、本実施形態によれば、上記空気ポンプ(41)をダイアフラム型のものにしているので、上記残量検知部(5)に係る設定時間(Ts1、Ts2)を設定する際に、上記タンク(71)内の圧力上昇に伴う単位時間当たりの空気の量の変化を所定の範囲内において考慮する必要がない。これにより、上記残量検知部(5)に係る設定時間(Ts1、Ts2)を設定しやすくすることができる。
【0092】
また、本実施形態によれば、上記タンク(71)の液体残量が所定量よりも少ないと判定すると、液体残量が少ないことを使用者に警告する。これにより、使用者に対して液体の補充を促すことができる。
【0093】
《その他の実施形態》
上記実施形態については、以下のような構成としてもよい。
【0094】
上記実施形態では、上記残量検知部(5)から判定信号が出力されると、上記噴霧カートリッジ(70)の交換時期を知らせるLEDを点灯させるのみであったが、これに限定されず、LEDを点灯させた後で上記静電噴霧装置を停止させてもよい。これにより、上記タンク(71)の液体残量が空になったときの上記空気ポンプ(41)の空運転を防ぐことができる。
【0095】
なお、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0096】
以上説明したように、本発明は、静電噴霧装置に関し、特に静電噴霧装置の運転制御について有用である。
【符号の説明】
【0097】
1 静電噴霧装置
2 コントローラ
3 取得部
4 設定部
5 残量検知部
10 ケーシング
12 対向電極
29 温湿度センサ
40 搬送ユニット
41 空気ポンプ(搬送部)
43 圧力センサ
50 高電圧電源ユニット(電圧印加部)
70 噴霧カートリッジ
71 タンク(容器)
72 ノズル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を貯留する容器(71)と、該容器(71)の内外を連通するノズル(72)と、該容器(71)の液体に電圧を印加する電圧印加部(50)と、上記容器(71)内へ空気を供給することで該容器(71)の液体の圧力を大きくして該液体を上記容器(71)から上記ノズル(72)の流出端(72c)へ搬送する搬送部(41)と備えた静電噴霧装置であって、
上記容器(71)内の圧力を検出する検出部(43)と、
上記搬送部(41)が起動してから上記検出部(43)の検出値が基準値になるまでの経過時間Tが設定時間(Ts1,Ts2)を超えたときに、上記容器(71)の液体残量が所望の量よりも少ないと判定して判定信号を出力する残量検知部(5)とを備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
【請求項2】
請求項1において、
上記容器(71)の液体残量が所望の量のときの、上記搬送部(41)の起動後の経過時間Tと上記検出部(43)の検出値との関係に基づいて上記残量検知部(5)の設定時間(Ts1,Ts2)を設定する設定部(4)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
【請求項3】
請求項2において、
上記容器(71)の液体残量が所望の量のときの、上記搬送部(41)の起動後の経過時間Tと上記検出部(43)の検出値との関係を予めデータとして取得する取得部(3)を備え、
上記設定部(4)は、上記取得部(3)で取得したデータに基づいて設定時間(Ts1,Ts2)を設定することを特徴とする静電噴霧装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか1つにおいて、
上記搬送部(41)は、単位時間当たりの空気の吐出量が一定となる定量ポンプであることを特徴とする静電噴霧装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか1つにおいて、
上記残量検知部(5)から判定信号が入力されると上記搬送部(41)の運転を停止させる制御を行う制御部(2)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか1つにおいて、
上記残量検知部(5)から判定信号が入力されると上記容器(71)の液体残量が所定量よりも少ないことを使用者へ警告する警告部(6)を備えていることを特徴とする静電噴霧装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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