説明

静電容量式のタッチパネルスイッチ

【課題】導電Xラインと導電Yラインの交差領域の光透過性が低下するのを防止する静電容量式のタッチパネルスイッチを提供する。
【解決手段】導電X軸2が並ぶXパターン群1と、導電Y軸11が並ぶYパターン群10を備え、Xパターン群1とYパターン群10を平面視で直交させるタッチパネルスイッチで、導電X軸2を、複数の導電Xパッド3と、一対の導電Xパッド3間を接続する複数の導電Xライン4から形成する。また、導電Y軸11を、複数の導電Yパッド12と、複数の導電Yパッド12間を接続する複数の導電Yライン13から形成する。Xパターン群1とYパターン群10が直交する場合に導電Xライン4と導電Yライン13が導電Xパッド3及び導電Yパッド12と略同様の光透過性を有する光透過領域30、すなわちメッシュ31を形成するので、導電Xライン4と導電Yライン13の交差領域の光透過性が低下して顕現することがない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の表示機器、電子黒板、ゲーム機器、カーナビ、通信機器、端末機器等に使用される静電容量式のタッチパネルスイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の静電容量式のタッチパネルスイッチは、図示しないが、X方向に複数の導電X軸が並ぶXパターン群と、Y方向に複数の導電Y軸が並ぶYパターン群とを備え、これらXパターン群とYパターン群とが平面視で直交しており、指のタッチ操作に伴う静電容量の変化を検出し、コントローラに指の座標位置を計算させるよう機能する。
【0003】
各導電X軸は、間隔をおいて配列される複数の導電Xパッドと、隣接する一対の導電Xパッド間を接続する複数の導電Xラインとを備え、これら導電Xパッドと導電XラインとがXY方向に伸びる複数の導電ラインによりそれぞれメッシュに形成される。また、各導電Y軸は、間隔をおいて配列される複数の導電Yパッドと、隣接する一対の導電Yパッド間を接続する複数の導電Yラインとを備え、これら導電Yパッドと導電YラインとがXY方向に伸びる複数の導電ラインによりそれぞれメッシュに形成される。
【0004】
このようなXパターン群とYパターン群とは、平面視で直交する場合に、各導電X軸の導電Xパッドと各導電Y軸の導電Yパッドとが重ならないよう隣接して配置され、導電Xラインと導電Yラインとが重なるよう積層配置される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009‐205321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来における静電容量式のタッチパネルスイッチは、以上のように構成され、導電X軸の導電Xラインと導電Y軸の導電Yラインとがそれぞれメッシュに形成されて積層されるので、導電Xパッドや導電Yパッドに比べて導電Xラインと導電Yラインとの交差領域の光透過性が低下して顕現するという問題がある。
【0007】
本発明は上記に鑑みなされたもので、導電Xラインと導電Yラインとの交差領域の光透過性が低下するのを防ぐことのできる静電容量式のタッチパネルスイッチを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明においては上記課題を解決するため、X方向に複数の導電X軸が並ぶXパターン群と、Y方向に複数の導電Y軸が並ぶYパターン群とを備え、これらXパターン群とYパターン群とを交差させるスイッチであって、
導電X軸は、間隔をおいて配列される複数の導電Xパッドと、隣接する複数の導電Xパッド間を接続する複数の導電Xラインとを含み、
導電Y軸は、間隔をおいて配列される複数の導電Yパッドと、隣接する複数の導電Yパッド間を接続する複数の導電Yラインとを含み、
Xパターン群とYパターン群とを平面視で交差させる場合に、導電X軸の導電Xパッドと導電Y軸の導電Yパッドとを重なることがないよう配置し、導電X軸の導電Xラインと導電Y軸の導電Yラインの少なくともいずれか一方により、導電Xパッド及び導電Yパッドと略同様の光透過性を有する光透過領域を形成するようにしたことを特徴としている。
【0009】
なお、Xパターン群とYパターン群とが平面視で交差する場合に、導電X軸と導電Y軸との間に位置して導電Xパッド及び導電Yパッドと略同様の光透過性を有するダミーパターンを含むことができる。
【0010】
また、導電X軸の導電Xパッドをメッシュ状に形成するとともに、導電XラインをX方向に並ぶ複数のラインにより形成し、導電Y軸の導電Yパッドをメッシュ状に形成するとともに、導電YラインをY方向に並ぶ複数のラインにより形成し、Xパターン群とYパターン群とを平面視で交差させる場合に、導電X軸の導電Xラインと導電Y軸の導電Yラインとによりメッシュを形成することができる。
【0011】
また、ダミーパターンは、導電X軸の導電Xパッドに隣接し、複数のラインがX方向に並ぶダミーXパターンと、導電Y軸の導電Yパッドに隣接し、複数のラインがY方向に並ぶダミーYパターンとを含み、Xパターン群とYパターン群とが平面視で交差する場合に、ダミーXパターンとダミーYパターンとによりメッシュを形成することができる。
【0012】
また、Xパターン群とYパターン群とを光透過性を有する別体の絶縁基材にそれぞれ形成し、この一対の絶縁基材を積層接着することが可能である。
さらに、Xパターン群の導電XパッドとYパターン群の導電Yパッドの少なくともいずれか一方の周囲に導電枠ラインを形成することが可能である。
【0013】
ここで、特許請求の範囲におけるXパターン群、Yパターン群、及びダミーパターンは、一枚の絶縁基材の表裏両面に形成することもできるし、二枚の絶縁基材に別々に形成することもできる。Xパターン群やYパターン群は、例えば金属粒子、金属細線、カーボン、導電性高分子等を含有するインクの印刷や金属箔の加工等により適宜形成することができ、光透過性を有する絶縁保護シートを介し指等の導電体によりタッチされる。
【0014】
導電X軸の導電Xパッド、導電Xライン、導電Y軸の導電Yパッド、及び導電Yラインの少なくとも一部は、その周縁部を導電枠ラインにより包囲して検出感度を向上させることができる。この導電枠ラインは、導電Xパッド又は導電Yパッドの周囲に形成することができる。
【0015】
ダミーパターンは、Xパターン群やYパターン群と同様の材料で設けても良いし、異なる材料で設けても良い。このダミーパターンは、パターンを備えたシート等からなる基材層の貼り付け、エッチング、印刷等の方法により適宜設けることができる。さらに、絶縁基材は、光透過性を有するのであれば、絶縁性のシートでも良いし、フィルムでも良い。絶縁基材は、可撓性を有していても良いし、そうでなくても良い。
【0016】
本発明によれば、Xパターン群とYパターン群とが交差する場合に、導電X軸の導電Xラインと導電Y軸の導電Yラインの少なくともいずれか一方が導電Xパッド及び導電Yパッドと略同様の光透過性を有する光透過領域を形成するので、導電Xラインと導電Yラインとの交差領域の光透過性が低下することが少ない。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、導電X軸の導電Xラインと導電Y軸の導電Yラインの少なくともいずれか一方により、導電Xパッド及び導電Yパッドと略同様の光透過性を有する光透過領域を形成するので、導電Xラインと導電Yラインとの交差領域の光透過性が低下するのを防ぐことができるという効果がある。
【0018】
また、Xパターン群とYパターン群とが平面視で交差する場合に、導電X軸と導電Y軸との間に位置して導電Xパッド及び導電Yパッドと略同様の光透過性を有するダミーパターンを含めば、導電X軸と導電Y軸とが離れて配列されている場合に導電X軸と導電Y軸とが交差しても、これらの間に無地の空隙が生じるのではなく、導電Xパッドや導電Yパッドと同様のダミーパターンを生じさせることができるので、タッチパネルスイッチ全体に均一感や統一感を醸し出すことができる。
【0019】
また、Xパターン群とYパターン群とを光透過性を有する別体の絶縁基材にそれぞれ形成し、この一対の絶縁基材を積層接着すれば、一枚の絶縁基材の表裏両面にXパターン群とYパターン群とをそれぞれ形成するのに伴う作業の煩雑化や複雑化を回避することができる。
さらに、Xパターン群の導電XパッドとYパターン群の導電Yパッドの少なくともいずれか一方の周囲に導電枠ラインを形成すれば、静電容量の変化を高精度に検出することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの実施形態を模式的に示す平面説明図である。
【図2】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの実施形態を模式的に示す断面説明図である。
【図3】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの実施形態におけるXパターン群を模式的に示す平面説明図である。
【図4】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの実施形態におけるYパターン群を模式的に示す平面説明図である。
【図5】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第2の実施形態を模式的に示す平面説明図である。
【図6】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第2の実施形態におけるXパターン群を模式的に示す平面説明図である。
【図7】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第2の実施形態におけるYパターン群を模式的に示す平面説明図である。
【図8】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第3の実施形態を模式的に示す平面説明図である。
【図9】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第3の実施形態におけるXパターン群を模式的に示す平面説明図である。
【図10】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第3の実施形態におけるYパターン群を模式的に示す平面説明図である。
【図11】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第4の実施形態を模式的に示す部分平面説明図である。
【図12】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第4の実施形態におけるXパターン群を模式的に示す部分平面説明図である。
【図13】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第4の実施形態におけるYパターン群を模式的に示す部分平面説明図である。
【図14】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第5の実施形態を模式的に示す部分平面説明図である。
【図15】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第5の実施形態におけるXパターン群を模式的に示す部分平面説明図である。
【図16】本発明に係る静電容量式のタッチパネルスイッチの第5の実施形態におけるYパターン群を模式的に示す部分平面説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明すると、本実施形態における静電容量式のタッチパネルスイッチは、図1ないし図4に示すように、X方向に複数の導電X軸2が僅かな間隔で並ぶ導電性のXパターン群1と、Y方向に複数の導電Y軸11が僅かな間隔で並ぶ導電性のYパターン群10とを備え、これらXパターン群1とYパターン群10とを平面視で直交させるパネルスイッチで、Xパターン群1とYパターン群10とを平面視で直交させる場合に、導電X軸2の導電Xライン4と導電Y軸11の導電Yライン13とを積層して導電Xパッド3及び導電Yパッド12と略同様の光透過性を有する光透過領域30を形成するようにしている。
【0022】
Xパターン群1とYパターン群10とは、図1や図2に示すように、光透過性を有する別体の薄い絶縁フィルム20の表面に導電ペーストでそれぞれダイヤモンドパターンにスクリーン印刷され、この一対の絶縁フィルム20が透明の薄い接着層や接着剤21等を介し重ねてローラ等で積層接着される。
【0023】
各絶縁フィルム20は、例えば光や熱に対して安定で可撓性を有する透明のポリエチレンテレフタレート製のフィルムが平面矩形にカットされることにより形成される。また、接着剤21としては、例えば硬化性や耐熱性に優れるアクリル系の接着剤が使用される。このようなXパターン群1とYパターン群10とは、光透過性を有する別体の薄い絶縁保護シートが覆着され、この絶縁保護シートの上から指で適宜タッチ操作される。
【0024】
各導電X軸2は、図3に示すように、所定の間隔をおいてY方向に配列され指でタッチ操作される複数の導電Xパッド3と、隣接する一対の導電Xパッド3の端部間を接続する複数の導電Xライン4とを備えて一体形成される。導電Xパッド3は指のタッチ操作を容易にする観点から幅広に形成され、導電Xライン4は導電Xパッド3よりも幅狭に形成される。
【0025】
各導電Xパッド3は、XY方向に伸びる複数の導電ラインにより、平面略菱形のメッシュに形成され、導電Yパッド12の斜辺に隣接する。XY方向に伸びる導電ラインの線幅は、導電Xパッド3の開口率を向上させる観点から、200μm以下、好ましくは10μm以下が良い。
【0026】
各導電Xライン4は、Y方向に伸びてX方向に所定の間隔で並ぶ複数の直線ライン5により細長く形成される。この直線ライン5の線幅は、導電Xライン4の開口率を向上させる観点から、200μm以下、好ましくは10μm以下が良い。導電Xパッド3や導電Xライン4の開口率は、70%以上、好ましくは95%以上が良い。
【0027】
なお、導電Xパッド3は、製造の容易化を図る観点からメッシュに形成されることが好ましいが、必要に応じ、各種の縞模様、市松模様、亀甲繁模様、鱗繁模様、万字繁模様、麻の葉模様、唐草模様、柳井模様、一筆書き模様、ストライプ模様、長短のラインの組み合わせ等に形成される。
【0028】
各導電Y軸11は、図4に示すように、所定の間隔をおいてX方向に配列され指でタッチ操作される複数の導電Yパッド12と、隣接する一対の導電Yパッド12の端部間を接続する複数の導電Yライン13とを備えて一体形成される。導電Yパッド12は指のタッチ操作を容易にする観点から幅広に形成され、導電Yライン13は導電Yパッド12よりも幅狭に形成される。
【0029】
各導電Yパッド12は、XY方向に伸びる複数の導電ラインにより、平面略菱形のメッシュに形成され、導電Xパッド3の斜辺に隣接する。XY方向に伸びる導電ラインの線幅は、導電Yパッド12の開口率を向上させる観点から、200μm以下、好ましくは10μm以下が良い。
【0030】
各導電Yライン13は、X方向に伸びてY方向に所定の間隔で並ぶ複数の直線ライン14により細長く形成される。この直線ライン14の線幅は、導電Yライン13の開口率を向上させる観点から、200μm以下、好ましくは10μm以下が良い。導電Yパッド12や導電Yライン13の開口率は、70%以上、好ましくは95%以上が良い。
【0031】
なお、導電Yパッド12についても、製造の容易化の観点からメッシュに形成されることが好ましいが、必要に応じ、各種の縞模様、市松模様、亀甲繁模様、鱗繁模様、万字繁模様、麻の葉模様、唐草模様、柳井模様、一筆書き模様、ストライプ模様、長短のラインの組み合わせ等に形成される。
【0032】
このようなXパターン群1とYパターン群10とは、図1に示すように、一対の絶縁フィルム20が積層接着され、平面視で直交する場合に、導電X軸2の導電Xパッド3と導電Y軸11の導電Yパッド12とが重なることがないよう僅かな隙間を介し隣接配置されることにより、指のタッチ操作に伴う静電容量の変化を検出し、コントローラに指の座標位置を計算させる。導電Xライン4と導電Yライン13とは、積層されてはじめて導電Xパッド3及び導電Yパッド12と略同様の光透過性を有する光透過領域30、換言すれば、メッシュ31を形成する。
【0033】
上記構成によれば、Xパターン群1とYパターン群10とが直交する場合に導電Xライン4と導電Yライン13とが絶縁フィルム20の積層方向に多層構造のメッシュを厚く形成するのではなく、はじめて縦横のメッシュ31を形成するので、導電Xライン4と導電Yライン13との交差領域の光透過性が低下して顕現することがない。また、光透過領域30が導電Xパッド3や導電Yパッド12と同形のメッシュ31を形成するので、交差領域が導電Xパッド3や導電Yパッド12よりも目立ってタッチパネルスイッチの外観や体裁が悪化するのを有効に防止することができる。
【0034】
次に、図5ないし図7は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、Xパターン群1とYパターン群10とが平面視で交差する場合に、各導電X軸2と各導電Y軸11との間に位置して導電Xパッド3及び導電Yパッド12と略同様の光透過性を有するダミーパターン40を備えるようにしている。
ダミーパターン40は、各導電X軸2の導電Xパッド3に隣接する複数のダミーXパターン41と、各導電Y軸11の導電Yパッド12に隣接する複数のダミーYパターン42とを備え、必要に応じて導電性や絶縁性が付与される。
【0035】
各導電Xパッド3は、図5や図6に示すように、XY方向に伸びる複数の導電ラインにより、平面矩形のメッシュに形成される。また、各ダミーXパターン41は、Y方向に伸びてX方向に所定の間隔で並ぶ複数の直線ライン43により形成され、隣接する一対の導電X軸2の導電Xパッド3間等に介在する。
【0036】
各導電Yパッド12は、図5や図7に示すように、XY方向に伸びる複数の導電ラインにより、平面矩形のメッシュに形成される。また、各ダミーYパターン42は、X方向に伸びてY方向に所定の並ぶ複数の直線ライン44により形成され、隣接する一対の導電Y軸11の導電Yパッド12間等に介在する。
【0037】
上記構成において、一対の絶縁フィルム20が積層接着され、Xパターン群1とYパターン群10とが平面視で直交すると、ダミーパターン40のダミーXパターン41とダミーYパターン42とが積層し、導電Xパッド3及び導電Yパッド12と略同様の光透過性を有する光透過領域45、すなわちメッシュ46を形成する。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0038】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、複数の導電X軸2と導電Y軸11とが間隔をおきそれぞれ離れて配列されている場合に導電X軸2と導電Y軸11とが直交しても、これらの間に無地の空隙が矩形に生じるのではなく、導電Xパッド3や導電Yパッド12と同様のメッシュ46が生じるので、タッチパネルスイッチ全体に均一感や統一感を醸し出すことができる。したがって、タッチパネルスイッチの外観に何ら違和感がなく、外観や体裁の悪化を招くおそれを有効に排除することができるのは明らかである。
【0039】
次に、図8ないし図10は本発明の第3の実施形態を示すもので、この場合には、Xパターン群1、Yパターン群10、及びダミーパターン40をそれぞれ斜めに形成するようにしている。
【0040】
Xパターン群1は、図8や図9に示すように、間隔をおいてX方向に傾斜して並ぶ複数の導電X軸2から形成される。また、Yパターン群10は、図8や図10に示すように、間隔をおいてY方向に傾斜して並ぶ複数の導電Y軸11から形成される。また、ダミーパターン40は、各導電X軸2の導電Xパッド3に傾斜して隣接する複数のダミーXパターン41と、各導電Y軸11の導電Yパッド12に傾斜して隣接する複数のダミーYパターン42とから形成される。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0041】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、Xパターン群1、Yパターン群10、ダミーパターン40の形状や構成のパターンの多様化を図ることができるのは明らかである。
【0042】
次に、図11ないし図13は本発明の第4の実施形態を示すもので、この場合には、各導電X軸2の導電Xパッド3の周囲、及び各導電Y軸11の導電Yパッド12の周囲に中空の導電枠ライン50をそれぞれ平面略菱形に周設して一体形成し、これら導電Xパッド3の導電枠ライン50と導電Yパッド12の導電枠ライン50とを僅かな隙間を介して隣接させるようにしている。
【0043】
各導電枠ライン50は、例えば金属粒子、金属細線、カーボン、導電性高分子等を含有するインクのスクリーン印刷、あるいは金属箔の加工等により形成され、線幅が開口率を向上させる観点から、200μm以下、好ましくは10μm以下とされる。この導電枠ライン50の材料は、導電Xパッド3や導電Yパッド12と同一でも良いし、そうでなくても良い。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0044】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、導電枠ライン50が導電Xパッド3、及び導電Yパッド12をそれぞれ接続状態で包囲して指に対する検出領域を拡大するので、静電容量の変化を高精度に検出することができるのは明白である。
【0045】
次に、図14ないし図16は本発明の第5の実施形態を示すもので、この場合には、ダミーパターン40のダミーXパターン41に隣接するXパターン群1の導電Xパッド3の周囲、ダミーYパターン42に隣接するYパターン群10の導電Yパッド12の周囲に中空の導電枠ライン50をそれぞれ平面矩形に周設して一体形成するようにしている。その他の部分については、上記実施形態と略同様であるので説明を省略する。
【0046】
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、しかも、導電枠ライン50が導電Xパッド3、及び導電Yパッド12をそれぞれ接続状態で包囲して指に対する検出領域を拡大するので、静電容量の変化を高精度に検出することができる。
【0047】
なお、上記実施形態ではXパターン群1とYパターン群10とを平面視で直交させたが、何らこれに限定されるものではなく、Xパターン群1とYパターン群10とを所定の角度で交差させても良い。また、導電Xパッド3と導電Yパッド12とは、必要に応じ、平面円形、楕円形、多角形等に形成しても良い。また、最上部の絶縁フィルム20の表面に、可撓性を有する透明の保護層を積層接着しても良い。
【0048】
さらに、導電Xパッド3及び導電Yパッド12と略同様の光透過性を確保することができるのであれば、ダミーパターン40の複数のダミーXパターン41とダミーYパターン42とを絶縁フィルム20の表面又は裏面に共に形成しても良いし、表裏別々に形成しても良い。
【0049】
また、これら41・42をスクリーン印刷しても良いし、別フィルムに印刷した後、この別フィルムを絶縁フィルム20に積層して貼着することもできる。さらに、ダミーパターン40を、導電X軸2の導電Xパッド3に隣接するダミーYパターン42と、導電Y軸11の導電Yパッド12に隣接するダミーXパターン41とから形成することもできる。
【符号の説明】
【0050】
1 Xパターン群
2 導電X軸
3 導電Xパッド
4 導電Xライン
10 Yパターン群
11 導電Y軸
12 導電Yパッド
13 導電Yライン
20 絶縁フィルム(絶縁基材)
21 接着剤
30 光透過領域
31 メッシュ
40 ダミーパターン
41 ダミーXパターン
42 ダミーYパターン
45 光透過領域
46 メッシュ
50 導電枠ライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
X方向に複数の導電X軸が並ぶXパターン群と、Y方向に複数の導電Y軸が並ぶYパターン群とを備え、これらXパターン群とYパターン群とを交差させる静電容量式のタッチパネルスイッチであって、
導電X軸は、間隔をおいて配列される複数の導電Xパッドと、隣接する複数の導電Xパッド間を接続する複数の導電Xラインとを含み、
導電Y軸は、間隔をおいて配列される複数の導電Yパッドと、隣接する複数の導電Yパッド間を接続する複数の導電Yラインとを含み、
Xパターン群とYパターン群とを平面視で交差させる場合に、導電X軸の導電Xパッドと導電Y軸の導電Yパッドとを重なることがないよう配置し、導電X軸の導電Xラインと導電Y軸の導電Yラインの少なくともいずれか一方により、導電Xパッド及び導電Yパッドと略同様の光透過性を有する光透過領域を形成するようにしたことを特徴とする静電容量式のタッチパネルスイッチ。
【請求項2】
Xパターン群とYパターン群とが平面視で交差する場合に、導電X軸と導電Y軸との間に位置して導電Xパッド及び導電Yパッドと略同様の光透過性を有するダミーパターンを含んでなる請求項1記載の静電容量式のタッチパネルスイッチ。
【請求項3】
導電X軸の導電Xパッドをメッシュ状に形成するとともに、導電XラインをX方向に並ぶ複数のラインにより形成し、
導電Y軸の導電Yパッドをメッシュ状に形成するとともに、導電YラインをY方向に並ぶ複数のラインにより形成し、
Xパターン群とYパターン群とを平面視で交差させる場合に、導電X軸の導電Xラインと導電Y軸の導電Yラインとによりメッシュを形成するようにした請求項1又は2記載の静電容量式のタッチパネルスイッチ。
【請求項4】
Xパターン群とYパターン群とを光透過性を有する別体の絶縁基材にそれぞれ形成し、この一対の絶縁基材を積層接着した請求項1、2、又は3記載の静電容量式のタッチパネルスイッチ。
【請求項5】
Xパターン群の導電XパッドとYパターン群の導電Yパッドの少なくともいずれか一方の周囲に導電枠ラインを形成した請求項1ないし4いずれかに記載の静電容量式のタッチパネルスイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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