静電容量式スイッチ装置
【課題】簡単な構成で待機電力を減少させ安価に物体の近接・接触を判定して正確なスイッチ操作を実現すること。
【解決手段】静電容量式スイッチ装置は、透過パターン3A〜3Cが設けられた意匠板1と、センサ電極11〜13と、これらを囲むセンサ電極19と、拡散板2A〜2CおよびLED51〜53と、回路部20とを備える。手などが近接してきたことはセンサ電極19で検知され、指などがタッチしたことはセンサ電極11〜13で検知される。手などが離れているときは、センサ電極11〜13がOFFモードとなり浮いた電位となるが、静電容量結合によりセンサ電極19にて検知される静電容量値は上昇する。このため、各センサ電極11〜13のON/OFFモードを切り替える切替スイッチ等が不要の構成となる。
【解決手段】静電容量式スイッチ装置は、透過パターン3A〜3Cが設けられた意匠板1と、センサ電極11〜13と、これらを囲むセンサ電極19と、拡散板2A〜2CおよびLED51〜53と、回路部20とを備える。手などが近接してきたことはセンサ電極19で検知され、指などがタッチしたことはセンサ電極11〜13で検知される。手などが離れているときは、センサ電極11〜13がOFFモードとなり浮いた電位となるが、静電容量結合によりセンサ電極19にて検知される静電容量値は上昇する。このため、各センサ電極11〜13のON/OFFモードを切り替える切替スイッチ等が不要の構成となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車載機器、家電用機器、産業用機器、輸送機器、建造物等に使用され、人体の静電容量を測定してこれらの操作入力などの入力を受け付けてスイッチ出力を出力する静電容量式スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、静電容量の変化を検出するものとして、静電容量式スイッチ装置(例えば、特許文献1(第4−6頁、第1−10図)参照)が知られている。この静電容量式スイッチ装置は、人体の近接を検知する検知電極の近傍にバックライトが設けられ、バックライトの上に光透過パターンが形成された表示用マスク板が設けられ、検知電極の裏側に第2光源が設けられている。
【0003】
そして、検知電極に操作者の指が近づくとバックライトが第1のパターンで点灯され、意匠板の表面に光透過パターンを浮かび上がらせ、指がその部分に接触すると、第2光源が第2のパターンで点灯され、意匠板1に浮かび上がった光透過パターンの輝度、色等を変化させる。
【0004】
また、他の静電容量式スイッチ装置(例えば、特許文献2(第4−8頁、第1−15図)参照)も知られている。この静電容量式スイッチ装置は、人体の近接を検知する検知電極を複数有し、複数のスイッチにより検知電極面積を切り替えるとされ、被検知物体が装置から離れているときは検知電極面積を増やして検知感度を高感度とし、装置に近いときには検知感度を標準感度とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−128019号公報
【特許文献2】特開2007−18811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1および2に開示されている従来の静電容量式スイッチ装置では、1つの検知電極に対して複数の光源を設けたり、切り替えのためのスイッチを複数設けたりしている。このため、装置の構造が複雑となるとともに、例えば遠くの物体を検知するには高精度かつダイナミックレンジの複雑な検知回路が必要となり、安価に構成することが困難である。
【0007】
また、複数の光源や複数のスイッチ等を備える構造では、装置が待機状態(スタンバイ状態)である場合であっても、相応の待機電力が必要となるため、やはり安価に構成することが難しいという問題がある。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、簡単な構成で待機電力を減少させ安価に物体の近接・接触を判定して正確なスイッチ操作を実現することができる静電容量式スイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる静電容量式スイッチ装置は、第1のセンサ電極と、前記第1のセンサ電極の近傍に配置された第2のセンサ電極と、前記第1および第2のセンサ電極によって検知される各センサ電極と接地との間の静電容量をそれぞれ検出して、これらに対応する静電容量値を出力する複数の静電容量検知手段と、前記複数の静電容量検知手段からの出力に基づいて、前記第1のセンサ電極のON/OFF状態を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第2のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値以下である場合は前記第1のセンサ電極をOFF状態にするとともに、該静電容量値が所定のしきい値を超える場合は前記第1のセンサ電極をON状態にすることを特徴とする。
【0010】
なお、前記第2のセンサ電極は、例えば前記第1のセンサ電極がOFF状態の際にこの第1のセンサ電極との静電容量結合を生じさせ、前記第2のセンサ電極単独の場合よりも検知感度が向上するように前記第1のセンサ電極に近接して設けられている。
【0011】
前記制御手段は、例えば前記第1のセンサ電極がON状態となってからの時間を計測し、所定時間内に前記第1のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値を超えなかった場合は、前記第1のセンサ電極をOFF状態にする。
【0012】
前記第1のセンサ電極の所定の検知領域を照光する照光手段をさらに備え、前記制御手段は、例えば前記第1のセンサ電極がON状態である場合に前記照光手段を点灯させる。
【0013】
前記制御手段は、例えば前記第2のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値以下である場合は、前記照光手段を消灯させる。
【0014】
告知手段をさらに備え、前記制御手段は、例えば第1のセンサ電極がON状態であるときに、前記第1のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値を超えた場合は、前記告知手段を動作させる。この告知手段としては、例えば前記照光手段の点灯状態を変化させることや、警報音などの音声を出力させることなどがある。
【0015】
前記第1のセンサ電極上に設けられ、前記照光手段からの光を透過する透過部と該光を遮光する遮光部とからなる透過パターンが形成された、前記透過部の遮光率が10%〜15%に設定された意匠板をさらに備えてもよい。
【0016】
前記第2のセンサ電極は、例えば前記第1のセンサ電極を囲むように近傍に配置されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、簡単な構成で待機電力を減少させ安価に物体の近接・接触を判定して正確なスイッチ操作を実現することができる静電容量式スイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態にかかる静電容量式スイッチ装置の全体構成の例を示す分解斜視図である。
【図2】同静電容量式スイッチ装置の電気的構成の例を示すブロック図である。
【図3】同静電容量式スイッチ装置の全体構成の他の例を示す分解斜視図である。
【図4】同静電容量式スイッチ装置の一部の他の例を示す分解斜視図である。
【図5】同静電容量式スイッチ装置の一部のさらに他の例を示す分解斜視図である。
【図6】同静電容量式スイッチ装置の動作処理手順の例を示すフローチャートである。
【図7】同静電容量式スイッチ装置の動作処理手順の例を示すフローチャートである。
【図8】同静電容量式スイッチ装置における静電容量結合を説明するための説明図である。
【図9】同静電容量式スイッチ装置の電気的構成の他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、添付の図面を参照して、この発明にかかる静電容量式スイッチ装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態にかかる静電容量式スイッチ装置の全体構成の例を示す分解斜視図である。図1に示すように、静電容量式スイッチ装置は、被覆材としての意匠板1と、意匠板1の裏側に配置された人体の近接・接触を検知するための矩形状のセンサ電極11,12,13およびロの字状のセンサ電極19とを備える。
【0021】
また、静電容量式スイッチ装置は、各センサ電極11〜13の上にそれぞれ配置された光を拡散させる拡散板2A,2B,2Cと、これら拡散板2A〜2Cの側面側に配置された光源としてのLED51,52,53とを備える。これら拡散板2A〜2CとLED51〜53は、照光手段を構成する。各センサ電極11〜13および19と各LED51〜53は、検知された静電容量に基づき、例えばLED51〜53の点灯状態を制御して、外部にスイッチ出力を行う回路部20に接続されている。
【0022】
意匠板1は、例えば光透過性を有する樹脂やガラス等の材料により形成され、無色透明の板の表面1a上に目的に合った模様や色のシート材等を貼り付けるなどして、数十%、例えば10%〜50%程度の光透過率に調整されたものである。また、意匠板1は、裏面1b側にスイッチの種類や位置などを示すために、遮光塗料などを塗布することによって形成された光を遮光する遮光部と光を透過する透過部とからなる、所定の文字、記号、図形等を構成する透過パターン3A,3B,3Cを備えてなる。
【0023】
本例では、透過パターン3Aはスイッチ「A」を、透過パターン3Bはスイッチ「B」を、透過パターン3Cはスイッチ「C」をそれぞれ示すものである。なお、各透過パターン3A〜3Cを印刷により形成する場合は、装置の動作を安定させるために、非導電性塗料を使用することが好ましい。
【0024】
透過パターン3A〜3Cを構成する透過部の遮光率は、例えば10%〜15%程度に設定され、これら透過パターン3A〜3Cは、LED51〜53の点灯時に意匠板1の表面1aに各透過パターン3A〜3Cを浮かび上がらせるために設けられている。また、各透過パターン3A〜3Cは、例えば意匠板1とは別体に構成されてもよく、この場合は各透過パターン3A〜3Cが、スイッチごとに(すなわち、センサ電極11〜13に対応して)設けられた図示しないマスク板等に形成されていてもよい。
【0025】
センサ電極11〜13は、第1のセンサ電極として接地(GND)との間の静電容量を検知して、例えば所定の変化量や変化速度となった場合に人体(手など)が接触(タッチ)したと判定するためのタッチセンサ用電極であり、それぞれが1つのタッチセンサとして機能する。センサ電極19は、第2のセンサ電極として静電容量を検知し、手などが近接してきたことを検知するための近接センサ用電極である。このセンサ電極19は、ここでは各センサ電極11〜13を囲むように近傍に配置されている。
【0026】
拡散板2A〜2Cは、側面に配置された各LED51〜53からの光を導入してこの光を拡散し、透過パターン3A〜3Cを介して光を透過させることにより、意匠板1の表面1aにスイッチの位置をより鮮明に映し出すことができるように配置されている。すなわち、これによりセンサ電極11〜13の所定の検知領域が照光されることとなる。各LED51〜53は、例えばセンサ電極19により手などが近接してきたことが検知された場合(近接モードとなった場合)は第1色で点灯し、センサ電極11〜13により手などがタッチしたことが検知された場合(タッチモードとなった場合)は第1色とは異なる第2色で点灯することができるように、少なくとも複数の色で発光可能に形成されている。
【0027】
これにより、本例の静電容量式スイッチ装置では、手などが近接していない場合は上述したスイッチA〜Cが意匠板1を通して見えない状態(不可視状態)となるが、手などが装置の近傍に近接した近接モードとなった場合はLED51〜53が第1色で発光することにより、各スイッチA〜Cを意匠板1の表面1aに視認可能に浮かび上がらせることができる。さらに、この状態で手などがスイッチ位置にタッチしたタッチモードとなった場合は該当するスイッチに対応するLEDが第2色で発光することにより、スイッチ操作を確認させることが可能となる。
【0028】
図2は、この静電容量式スイッチ装置の電気的構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、回路部20は、例えばセンサ電極11〜13,19と接続され、各センサ電極11〜13,19により検知された静電容量(Capacitance)を電圧(Voltage)に変換して接地との間の静電容量値を測定するC−V変換回路21,22,23,29を備える。
【0029】
また、回路部20は、これらC−V変換回路21〜23からの出力に基づいて、例えば静電容量値の変化量や変化時間などの変化パターンを判定し、各センサ電極11〜13近傍の意匠板1に表示された各スイッチA〜Cに手などがタッチしたか否かを判定する判定回路31,32,33と、C−V変換回路29からの出力に基づいて、例えばセンサ電極19に手などが近接していないときの静電容量値やその変化量を監視し、所定のしきい値と比較して手などが近接したか否かを判定するとともに、各センサ電極11〜13のON/OFF状態を制御する制御回路40とを備える。なお、各判定回路31〜33にて手などがタッチしたか否かを判定するための基準変化パターンは、あらかじめ定められているものを用いればよい。
【0030】
各C−V変換回路21〜23,29は、例えば公知のCR充放電時間を計測する回路、充電した電荷を既知のコンデンサに転送する回路、インピーダンスを測定する回路、発振回路を構成して発振周波数を計測する回路等を用いて構成することができる。なお、手などの近接を意匠板1から200mm以上離れた距離から検知する場合は、C−V変換回路29を10fF(フェムトファラド)以下の高精度な回路とする必要がある。各判定回路31〜33は、手などがタッチしたと判定した場合は、スイッチA〜Cに対応するスイッチ出力1〜3を行う。これら判定回路31〜33の機能は、制御回路40に含まれていてもよい。
【0031】
制御回路40は、各C−V変換回路21〜23,29と接続されるとともに、各判定回路31〜33と接続され、さらに各LED51〜53や警報音等の音声を出力するブザー59などの告知手段と接続されている。この制御回路40は、C−V変換回路29からの出力や各判定回路31〜33からの出力に基づいて、各LED51〜53の点灯状態を制御したり、ブザー59の動作を制御したりする。
【0032】
また、制御回路40は、各C−V変換回路21〜23のON/OFF状態(ON/OFFモード)を制御する。すなわち、制御回路40は、C−V変換回路29からの出力に基づく静電容量値やその変化量と所定のしきい値とを比較して、所定のしきい値以下である場合(すなわち、手などが近傍に近接していない場合)は、C−V変換回路21〜23をOFFモード(例えば、供給電源をOFFにしたり、シャットダウン状態にしたりして、各センサ電極11〜13との接続を切断した状態)となるように制御する。
【0033】
このOFFモードのときは、各センサ電極11〜13には電位が与えられないため、いわゆる電位が浮いた状態となる。そして、図中破線で示すように、各センサ電極11〜13の静電容量の静電容量結合分は、C−V変換回路29にて検出されるようになる。また、このOFFモードのときは、さらなる消費電力低減のために、各C−V変換回路21〜23と併せて各判定回路31〜33もOFFモードとするようにしてもよい。このように、本例の静電容量式スイッチ装置によれば、簡単な構成で待機電力を減少させることができる。
【0034】
なお、静電容量式スイッチ装置は、次のような構成であってもよい。図3は、静電容量式スイッチ装置の全体構成の他の例を示す分解斜視図、図4は静電容量式スイッチ装置の一部の他の例を示す分解斜視図、図5は静電容量式スイッチ装置の一部のさらに他の例を示す分解斜視図である。図3に示すように、静電容量式スイッチ装置は、例えば各センサ電極11〜13を拡散板2A〜2Cの上に配置するようにしてもよい。
【0035】
この場合、各センサ電極11〜13は、図示のように拡散板2A〜2Cからの光が透過可能となるような開口部を有する形状とするか、透明電極とすればよい。透明電極は、例えば錫ドープ酸インジウム(ITO)や導電性ポリマーによって構成することができる。導電性ポリマーとしては、例えばPEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォニック酸)や、PEDOT/TsO(ポリエチレンジオキシチオフェン/トルエンスルフォネート)などを用いることができる。
【0036】
また、図4に示すように、LED51〜53を拡散板2A〜2Cの裏面側に配置したり、図5に示すように、センサ電極19をロの字状ではなく直線並行配列状に各センサ電極11〜13の近傍に配置するようにしてもよい。この場合、センサ電極19の各直線状部分は、それぞれC−V変換回路29に接続される。次に、静電容量式スイッチ装置の動作について説明する。
【0037】
図6および図7は、静電容量式スイッチ装置の動作処理手順の例を示すフローチャートである。なお、以降において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を付して説明を省略し、本発明と特に関連のない部分については明記しないことがあるとする。
【0038】
図6に示すように、静電容量式スイッチ装置は、まず、C−V変換回路21〜23をOFF状態にして各センサ電極11〜13を上述したようなOFFモードに設定し(ステップS101)、C−V変換回路29のみを有効な状態とする。このとき、LED51〜53は消灯状態となっているので、各透過パターン3A〜3Cは不可視状態となっている。
【0039】
そして、センサ電極19で検知された静電容量に基づきC−V変換回路29で検出された静電容量値の変化量ΔCが所定のしきい値を超えたか否かを判断し(ステップS102)、所定のしきい値を超えていないと判断した場合(ステップS102のN)は、OFFモードの設定を維持する。
【0040】
所定のしきい値を超えたと判断した場合(ステップS102のY)は、OFFモードを解除してC−V変換回路21〜23をON状態にし、各センサ電極11〜13を上述したような近接モードに設定して(ステップS103)、各判定回路31〜33での時間の計測を開始させるとともにタッチセンサの動作を有効な状態とする。そして、制御回路40は、LED51〜53を第1色で点灯させる(ステップS104)。これにより、意匠板1を通して透過パターン3A〜3Cが可視状態となり、スイッチ位置を確認させることが可能となる。
【0041】
その後、判定回路31〜33は、センサ電極11〜13の少なくともいずれかの近傍(所定の検知領域)の意匠板1に指などが触れて(タッチして)、タッチを判定したかを判断する(ステップS105)。制御回路40は、判定回路31〜33からの出力を監視して、タッチを判定したと判断された場合(ステップS105のY)は、タッチセンサの動作を上述したようなタッチモードに設定し(ステップS106)、時間を計測する。
【0042】
そして、タッチ判定されたセンサ電極11〜13のLED51〜53を第1色とは異なる第2色で点灯させて、ブザー59を鳴動させ(ステップS107)、各判定回路31〜33は、タッチ判定に伴うスイッチ出力1〜3を行う(ステップS108)。
【0043】
このときの点灯状態の一例としては、例えば、指などが近接して近接モードとなった場合に第1色としての白色でLED51〜53が点灯しているときに、スイッチAに指などがタッチした場合は、LED51が第2色としての青色で点灯し、スイッチ位置に応じた音声をブザー59が出力することなどが挙げられる。これにより、スイッチA〜Cにタッチしたことを確認させることが可能となる。また、スイッチ出力1〜3は、静電容量式スイッチ装置からの出力として、例えば図示しない車載機器等に入力されて、操作入力情報などとして取り扱われる。
【0044】
なお、第2色はスイッチ位置ごとに異なる色であってもよく、複数のスイッチが同時にタッチされているときは対応するスイッチ出力と第2色の点灯が行われてもよい。そして、制御回路40は、計測した時間が所定時間を経過するまで待って(ステップS109のN)、所定時間を経過したら(ステップS109のY)、各判定回路31〜33によって、C−V変換回路21〜23からの出力に基づいて、タッチが終了したか否かを判断させ(ステップS110)、タッチが終了していないと判断された場合(ステップS110のN)は、上記ステップS107に移行して処理を繰り返す。
【0045】
この繰り返し処理により、タッチしている時間に応じたスイッチ出力(S108)等を行うことができ、この時間に対応して制御回路40により、LED51〜53の輝度や明るさなどを変化させるようにしてもよい。また、上述した態様では、タッチを判定したときに、第1色から第2色に色を変化させるモーメンタリー動作を例に挙げたが、タッチを判定している状態で第1色と第2色とを交互に切り替えるようなトグル動作としてもよい。
【0046】
タッチが終了したと判断された場合(ステップS110のY)は、タッチが判定されたセンサ電極に応じて第2色で点灯されていたLED51〜53を第1色で点灯させ(ステップS111)、上記ステップS105に移行して再度タッチを判定したかを判断する。このステップS105にて、タッチを判定していないと判断した場合(ステップS105のN)は、図7に示すように、制御回路40によって、各判定回路31〜33が1回以上タッチを判定したか否かを判断する(ステップS112)。
【0047】
1回以上タッチを判定していないと判断した場合(ステップS113のN)は、計測した時間に基づき、近接モードが所定時間以上であるか否かを判断する(ステップS113)。すなわち、この場合は、近接モードになってから指などのタッチが判定されるまでの近接中接触待機時間が所定時間以上であるかが判断される。
【0048】
また、1回以上タッチを判定したと判断した場合(ステップS113のY)は、計測した時間に基づき、タッチ非判定時間が所定時間以上であるか否かを判断する(ステップS114)。すなわち、この場合は、タッチモードになってから再度指などのタッチが判定されるまでの接触非判定時間が所定時間以上であるかが判断される。
【0049】
近接モードが所定時間以上であると判断された場合(ステップS113のY)、およびタッチ非判定時間が所定時間以上であると判断された場合(ステップS114のY)は、上記ステップS101に移行して第1色で点灯されていた各LED51〜53を消灯状態にし、以降の処理を繰り返す。
【0050】
すなわち、このステップS101では、各C−V変換回路21〜23をOFF状態にするとともに各センサ電極11〜13をOFFモードにする。これとともに、手などが装置近傍から離れたと判断して、各LED51〜53を消灯状態にし、スイッチA〜Cが見えない状態にする。
【0051】
一方、近接モードが所定時間以上でないと判断された場合(ステップS113のN)、およびタッチ非判定時間が所定時間以上でないと判断された場合(ステップS114のN)は、手などが装置の近傍にあり、タッチ操作が直ぐに起こり得ると判断することができるので、タッチ判定に移行して(ステップS105)、処理を繰り返す。
【0052】
静電容量式スイッチ装置は、このように動作することによって、手などが近傍に近接していないときはOFFモードとなり待機電力を減少させることができるので、安価に手などの近接・接触を判定して正確なスイッチ操作を可能とすることができる。なお、本例の静電容量式スイッチ装置では、このOFFモードのときでもセンサ電極19の検知感度を上昇させることができる構成を採用している。次に、このことについて説明する。
【0053】
図8は、静電容量式スイッチ装置における静電容量結合を説明するための説明図である。図8に示すように、C−V変換回路21〜23をOFF状態にしたOFFモードのときは、これらの供給電源がOFFとなっているか、あるいはシャットダウン状態であるため、各センサ電極11〜13と各C−V変換回路21〜23との電気的な接続は断たれた状態となり、各センサ電極11〜13は浮いた電位となっている。
【0054】
このとき、センサ電極19およびC−V変換回路29によって手49などの近傍への近接を検出するが、手49などが装置から遠い位置にある場合は、通常はセンサ電極19により検知されC−V変換回路29によって検出される静電容量値C19は非常に小さいものとなる。
【0055】
しかしながら、本実施形態の構成によれば、センサ電極19が、センサ電極11〜13がOFFモードの際にこれら各センサ電極11〜13との静電容量結合を生じさせ、センサ電極19単独の場合よりも検知感度が向上するように各センサ電極11〜13に近接して設けられているので、各センサ電極11〜13がOFFモードの場合、上述したようにセンサ電極11〜13の電位は浮いた状態であるため、センサ電極11〜13を介した静電容量結合(C11,C11a)、(C12,C12a)、(C13,C13a)も発生することとなる。したがって、センサ電極19にて検知されるC−V変換回路29にて検出される静電容量値Cxは、Cx=C19+(C11×C11a)/(C11+C11a)+(C12+C12a)/(C12+C12a)+(C13+C13a)/(C13+C13a)となり、静電容量値C19よりも上昇するため、検知感度を高めることが可能となる。このように、別途電極の切替スイッチ等を設けなくても、簡単な構成で待機電力を減少させつつ、安価に手49などの装置近傍への近接を判定することが可能となる。
【0056】
なお、例えば拡散板2A〜2Cを透明なアクリル板などにより構成し、透過パターン3A〜3Cと同様な文字等のパターンを描く傷などを形成し、その部分に光が反射するように構成すれば、遮光塗料等を用いて形成した透過パターン3A〜3Cを省略することも可能となる。また、各センサ電極11〜13の周囲に、これらと絶縁状態で同電位に駆動されるシールド電極を配置し、各センサ電極11〜13の裏面にもこのようなシールド電極を配置すれば、センサ電極同士の干渉を低減させたり、LED51〜53やFPC、筐体等の周囲の構造物の影響を低減させたりすることができる構成とすることもできる。
【0057】
さらに、図9に示すように、C−V変換回路21〜23および判定回路31〜33の代わりに、C−V変換回路24および判定回路34を設け、各センサ電極11〜13とC−V変換回路24との接続を切り替える切替スイッチ(切替SW)を設けて、制御回路40により切替SWの制御を行うようにすれば、同様の作用効果を有しつつC−V変換回路数を少なくした静電容量式スイッチ装置とすることも可能である。
【0058】
以上述べたように、本実施形態にかかる静電容量式スイッチ装置によれば、簡単な構成で待機電力を減少させ、安価に手などの近接・接触を判定して正確なスイッチ操作を実現することが可能となる。なお、上述した実施形態においては、静電容量を検知する手段として、C−V変換回路、すなわち静電容量を電圧に変換する回路を用いて説明したが、静電容量値を制御回路あるいはCPUで判定できる電流値や周波数に変換したり、ディジタル値に変換したりする手段を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 意匠板
2A 拡散板
2B 拡散板
2C 拡散板
3A 透過パターン
3B 透過パターン
3C 透過パターン
11 センサ電極
12 センサ電極
13 センサ電極
19 センサ電極
20 回路部
21 C−V変換回路
22 C−V変換回路
23 C−V変換回路
24 C−V変換回路
29 C−V変換回路
31 判定回路
32 判定回路
33 判定回路
34 判定回路
40 制御回路
49 手
51 LED
52 LED
53 LED
59 ブザー
【技術分野】
【0001】
この発明は、車載機器、家電用機器、産業用機器、輸送機器、建造物等に使用され、人体の静電容量を測定してこれらの操作入力などの入力を受け付けてスイッチ出力を出力する静電容量式スイッチ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、静電容量の変化を検出するものとして、静電容量式スイッチ装置(例えば、特許文献1(第4−6頁、第1−10図)参照)が知られている。この静電容量式スイッチ装置は、人体の近接を検知する検知電極の近傍にバックライトが設けられ、バックライトの上に光透過パターンが形成された表示用マスク板が設けられ、検知電極の裏側に第2光源が設けられている。
【0003】
そして、検知電極に操作者の指が近づくとバックライトが第1のパターンで点灯され、意匠板の表面に光透過パターンを浮かび上がらせ、指がその部分に接触すると、第2光源が第2のパターンで点灯され、意匠板1に浮かび上がった光透過パターンの輝度、色等を変化させる。
【0004】
また、他の静電容量式スイッチ装置(例えば、特許文献2(第4−8頁、第1−15図)参照)も知られている。この静電容量式スイッチ装置は、人体の近接を検知する検知電極を複数有し、複数のスイッチにより検知電極面積を切り替えるとされ、被検知物体が装置から離れているときは検知電極面積を増やして検知感度を高感度とし、装置に近いときには検知感度を標準感度とするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−128019号公報
【特許文献2】特開2007−18811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した特許文献1および2に開示されている従来の静電容量式スイッチ装置では、1つの検知電極に対して複数の光源を設けたり、切り替えのためのスイッチを複数設けたりしている。このため、装置の構造が複雑となるとともに、例えば遠くの物体を検知するには高精度かつダイナミックレンジの複雑な検知回路が必要となり、安価に構成することが困難である。
【0007】
また、複数の光源や複数のスイッチ等を備える構造では、装置が待機状態(スタンバイ状態)である場合であっても、相応の待機電力が必要となるため、やはり安価に構成することが難しいという問題がある。
【0008】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、簡単な構成で待機電力を減少させ安価に物体の近接・接触を判定して正確なスイッチ操作を実現することができる静電容量式スイッチ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる静電容量式スイッチ装置は、第1のセンサ電極と、前記第1のセンサ電極の近傍に配置された第2のセンサ電極と、前記第1および第2のセンサ電極によって検知される各センサ電極と接地との間の静電容量をそれぞれ検出して、これらに対応する静電容量値を出力する複数の静電容量検知手段と、前記複数の静電容量検知手段からの出力に基づいて、前記第1のセンサ電極のON/OFF状態を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記第2のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値以下である場合は前記第1のセンサ電極をOFF状態にするとともに、該静電容量値が所定のしきい値を超える場合は前記第1のセンサ電極をON状態にすることを特徴とする。
【0010】
なお、前記第2のセンサ電極は、例えば前記第1のセンサ電極がOFF状態の際にこの第1のセンサ電極との静電容量結合を生じさせ、前記第2のセンサ電極単独の場合よりも検知感度が向上するように前記第1のセンサ電極に近接して設けられている。
【0011】
前記制御手段は、例えば前記第1のセンサ電極がON状態となってからの時間を計測し、所定時間内に前記第1のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値を超えなかった場合は、前記第1のセンサ電極をOFF状態にする。
【0012】
前記第1のセンサ電極の所定の検知領域を照光する照光手段をさらに備え、前記制御手段は、例えば前記第1のセンサ電極がON状態である場合に前記照光手段を点灯させる。
【0013】
前記制御手段は、例えば前記第2のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値以下である場合は、前記照光手段を消灯させる。
【0014】
告知手段をさらに備え、前記制御手段は、例えば第1のセンサ電極がON状態であるときに、前記第1のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値を超えた場合は、前記告知手段を動作させる。この告知手段としては、例えば前記照光手段の点灯状態を変化させることや、警報音などの音声を出力させることなどがある。
【0015】
前記第1のセンサ電極上に設けられ、前記照光手段からの光を透過する透過部と該光を遮光する遮光部とからなる透過パターンが形成された、前記透過部の遮光率が10%〜15%に設定された意匠板をさらに備えてもよい。
【0016】
前記第2のセンサ電極は、例えば前記第1のセンサ電極を囲むように近傍に配置されてもよい。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、簡単な構成で待機電力を減少させ安価に物体の近接・接触を判定して正確なスイッチ操作を実現することができる静電容量式スイッチ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の一実施形態にかかる静電容量式スイッチ装置の全体構成の例を示す分解斜視図である。
【図2】同静電容量式スイッチ装置の電気的構成の例を示すブロック図である。
【図3】同静電容量式スイッチ装置の全体構成の他の例を示す分解斜視図である。
【図4】同静電容量式スイッチ装置の一部の他の例を示す分解斜視図である。
【図5】同静電容量式スイッチ装置の一部のさらに他の例を示す分解斜視図である。
【図6】同静電容量式スイッチ装置の動作処理手順の例を示すフローチャートである。
【図7】同静電容量式スイッチ装置の動作処理手順の例を示すフローチャートである。
【図8】同静電容量式スイッチ装置における静電容量結合を説明するための説明図である。
【図9】同静電容量式スイッチ装置の電気的構成の他の例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、添付の図面を参照して、この発明にかかる静電容量式スイッチ装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0020】
図1は、本発明の一実施形態にかかる静電容量式スイッチ装置の全体構成の例を示す分解斜視図である。図1に示すように、静電容量式スイッチ装置は、被覆材としての意匠板1と、意匠板1の裏側に配置された人体の近接・接触を検知するための矩形状のセンサ電極11,12,13およびロの字状のセンサ電極19とを備える。
【0021】
また、静電容量式スイッチ装置は、各センサ電極11〜13の上にそれぞれ配置された光を拡散させる拡散板2A,2B,2Cと、これら拡散板2A〜2Cの側面側に配置された光源としてのLED51,52,53とを備える。これら拡散板2A〜2CとLED51〜53は、照光手段を構成する。各センサ電極11〜13および19と各LED51〜53は、検知された静電容量に基づき、例えばLED51〜53の点灯状態を制御して、外部にスイッチ出力を行う回路部20に接続されている。
【0022】
意匠板1は、例えば光透過性を有する樹脂やガラス等の材料により形成され、無色透明の板の表面1a上に目的に合った模様や色のシート材等を貼り付けるなどして、数十%、例えば10%〜50%程度の光透過率に調整されたものである。また、意匠板1は、裏面1b側にスイッチの種類や位置などを示すために、遮光塗料などを塗布することによって形成された光を遮光する遮光部と光を透過する透過部とからなる、所定の文字、記号、図形等を構成する透過パターン3A,3B,3Cを備えてなる。
【0023】
本例では、透過パターン3Aはスイッチ「A」を、透過パターン3Bはスイッチ「B」を、透過パターン3Cはスイッチ「C」をそれぞれ示すものである。なお、各透過パターン3A〜3Cを印刷により形成する場合は、装置の動作を安定させるために、非導電性塗料を使用することが好ましい。
【0024】
透過パターン3A〜3Cを構成する透過部の遮光率は、例えば10%〜15%程度に設定され、これら透過パターン3A〜3Cは、LED51〜53の点灯時に意匠板1の表面1aに各透過パターン3A〜3Cを浮かび上がらせるために設けられている。また、各透過パターン3A〜3Cは、例えば意匠板1とは別体に構成されてもよく、この場合は各透過パターン3A〜3Cが、スイッチごとに(すなわち、センサ電極11〜13に対応して)設けられた図示しないマスク板等に形成されていてもよい。
【0025】
センサ電極11〜13は、第1のセンサ電極として接地(GND)との間の静電容量を検知して、例えば所定の変化量や変化速度となった場合に人体(手など)が接触(タッチ)したと判定するためのタッチセンサ用電極であり、それぞれが1つのタッチセンサとして機能する。センサ電極19は、第2のセンサ電極として静電容量を検知し、手などが近接してきたことを検知するための近接センサ用電極である。このセンサ電極19は、ここでは各センサ電極11〜13を囲むように近傍に配置されている。
【0026】
拡散板2A〜2Cは、側面に配置された各LED51〜53からの光を導入してこの光を拡散し、透過パターン3A〜3Cを介して光を透過させることにより、意匠板1の表面1aにスイッチの位置をより鮮明に映し出すことができるように配置されている。すなわち、これによりセンサ電極11〜13の所定の検知領域が照光されることとなる。各LED51〜53は、例えばセンサ電極19により手などが近接してきたことが検知された場合(近接モードとなった場合)は第1色で点灯し、センサ電極11〜13により手などがタッチしたことが検知された場合(タッチモードとなった場合)は第1色とは異なる第2色で点灯することができるように、少なくとも複数の色で発光可能に形成されている。
【0027】
これにより、本例の静電容量式スイッチ装置では、手などが近接していない場合は上述したスイッチA〜Cが意匠板1を通して見えない状態(不可視状態)となるが、手などが装置の近傍に近接した近接モードとなった場合はLED51〜53が第1色で発光することにより、各スイッチA〜Cを意匠板1の表面1aに視認可能に浮かび上がらせることができる。さらに、この状態で手などがスイッチ位置にタッチしたタッチモードとなった場合は該当するスイッチに対応するLEDが第2色で発光することにより、スイッチ操作を確認させることが可能となる。
【0028】
図2は、この静電容量式スイッチ装置の電気的構成の例を示すブロック図である。図2に示すように、回路部20は、例えばセンサ電極11〜13,19と接続され、各センサ電極11〜13,19により検知された静電容量(Capacitance)を電圧(Voltage)に変換して接地との間の静電容量値を測定するC−V変換回路21,22,23,29を備える。
【0029】
また、回路部20は、これらC−V変換回路21〜23からの出力に基づいて、例えば静電容量値の変化量や変化時間などの変化パターンを判定し、各センサ電極11〜13近傍の意匠板1に表示された各スイッチA〜Cに手などがタッチしたか否かを判定する判定回路31,32,33と、C−V変換回路29からの出力に基づいて、例えばセンサ電極19に手などが近接していないときの静電容量値やその変化量を監視し、所定のしきい値と比較して手などが近接したか否かを判定するとともに、各センサ電極11〜13のON/OFF状態を制御する制御回路40とを備える。なお、各判定回路31〜33にて手などがタッチしたか否かを判定するための基準変化パターンは、あらかじめ定められているものを用いればよい。
【0030】
各C−V変換回路21〜23,29は、例えば公知のCR充放電時間を計測する回路、充電した電荷を既知のコンデンサに転送する回路、インピーダンスを測定する回路、発振回路を構成して発振周波数を計測する回路等を用いて構成することができる。なお、手などの近接を意匠板1から200mm以上離れた距離から検知する場合は、C−V変換回路29を10fF(フェムトファラド)以下の高精度な回路とする必要がある。各判定回路31〜33は、手などがタッチしたと判定した場合は、スイッチA〜Cに対応するスイッチ出力1〜3を行う。これら判定回路31〜33の機能は、制御回路40に含まれていてもよい。
【0031】
制御回路40は、各C−V変換回路21〜23,29と接続されるとともに、各判定回路31〜33と接続され、さらに各LED51〜53や警報音等の音声を出力するブザー59などの告知手段と接続されている。この制御回路40は、C−V変換回路29からの出力や各判定回路31〜33からの出力に基づいて、各LED51〜53の点灯状態を制御したり、ブザー59の動作を制御したりする。
【0032】
また、制御回路40は、各C−V変換回路21〜23のON/OFF状態(ON/OFFモード)を制御する。すなわち、制御回路40は、C−V変換回路29からの出力に基づく静電容量値やその変化量と所定のしきい値とを比較して、所定のしきい値以下である場合(すなわち、手などが近傍に近接していない場合)は、C−V変換回路21〜23をOFFモード(例えば、供給電源をOFFにしたり、シャットダウン状態にしたりして、各センサ電極11〜13との接続を切断した状態)となるように制御する。
【0033】
このOFFモードのときは、各センサ電極11〜13には電位が与えられないため、いわゆる電位が浮いた状態となる。そして、図中破線で示すように、各センサ電極11〜13の静電容量の静電容量結合分は、C−V変換回路29にて検出されるようになる。また、このOFFモードのときは、さらなる消費電力低減のために、各C−V変換回路21〜23と併せて各判定回路31〜33もOFFモードとするようにしてもよい。このように、本例の静電容量式スイッチ装置によれば、簡単な構成で待機電力を減少させることができる。
【0034】
なお、静電容量式スイッチ装置は、次のような構成であってもよい。図3は、静電容量式スイッチ装置の全体構成の他の例を示す分解斜視図、図4は静電容量式スイッチ装置の一部の他の例を示す分解斜視図、図5は静電容量式スイッチ装置の一部のさらに他の例を示す分解斜視図である。図3に示すように、静電容量式スイッチ装置は、例えば各センサ電極11〜13を拡散板2A〜2Cの上に配置するようにしてもよい。
【0035】
この場合、各センサ電極11〜13は、図示のように拡散板2A〜2Cからの光が透過可能となるような開口部を有する形状とするか、透明電極とすればよい。透明電極は、例えば錫ドープ酸インジウム(ITO)や導電性ポリマーによって構成することができる。導電性ポリマーとしては、例えばPEDOT/PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスチレンスルフォニック酸)や、PEDOT/TsO(ポリエチレンジオキシチオフェン/トルエンスルフォネート)などを用いることができる。
【0036】
また、図4に示すように、LED51〜53を拡散板2A〜2Cの裏面側に配置したり、図5に示すように、センサ電極19をロの字状ではなく直線並行配列状に各センサ電極11〜13の近傍に配置するようにしてもよい。この場合、センサ電極19の各直線状部分は、それぞれC−V変換回路29に接続される。次に、静電容量式スイッチ装置の動作について説明する。
【0037】
図6および図7は、静電容量式スイッチ装置の動作処理手順の例を示すフローチャートである。なお、以降において、既に説明した部分と重複する箇所には同一の符号を付して説明を省略し、本発明と特に関連のない部分については明記しないことがあるとする。
【0038】
図6に示すように、静電容量式スイッチ装置は、まず、C−V変換回路21〜23をOFF状態にして各センサ電極11〜13を上述したようなOFFモードに設定し(ステップS101)、C−V変換回路29のみを有効な状態とする。このとき、LED51〜53は消灯状態となっているので、各透過パターン3A〜3Cは不可視状態となっている。
【0039】
そして、センサ電極19で検知された静電容量に基づきC−V変換回路29で検出された静電容量値の変化量ΔCが所定のしきい値を超えたか否かを判断し(ステップS102)、所定のしきい値を超えていないと判断した場合(ステップS102のN)は、OFFモードの設定を維持する。
【0040】
所定のしきい値を超えたと判断した場合(ステップS102のY)は、OFFモードを解除してC−V変換回路21〜23をON状態にし、各センサ電極11〜13を上述したような近接モードに設定して(ステップS103)、各判定回路31〜33での時間の計測を開始させるとともにタッチセンサの動作を有効な状態とする。そして、制御回路40は、LED51〜53を第1色で点灯させる(ステップS104)。これにより、意匠板1を通して透過パターン3A〜3Cが可視状態となり、スイッチ位置を確認させることが可能となる。
【0041】
その後、判定回路31〜33は、センサ電極11〜13の少なくともいずれかの近傍(所定の検知領域)の意匠板1に指などが触れて(タッチして)、タッチを判定したかを判断する(ステップS105)。制御回路40は、判定回路31〜33からの出力を監視して、タッチを判定したと判断された場合(ステップS105のY)は、タッチセンサの動作を上述したようなタッチモードに設定し(ステップS106)、時間を計測する。
【0042】
そして、タッチ判定されたセンサ電極11〜13のLED51〜53を第1色とは異なる第2色で点灯させて、ブザー59を鳴動させ(ステップS107)、各判定回路31〜33は、タッチ判定に伴うスイッチ出力1〜3を行う(ステップS108)。
【0043】
このときの点灯状態の一例としては、例えば、指などが近接して近接モードとなった場合に第1色としての白色でLED51〜53が点灯しているときに、スイッチAに指などがタッチした場合は、LED51が第2色としての青色で点灯し、スイッチ位置に応じた音声をブザー59が出力することなどが挙げられる。これにより、スイッチA〜Cにタッチしたことを確認させることが可能となる。また、スイッチ出力1〜3は、静電容量式スイッチ装置からの出力として、例えば図示しない車載機器等に入力されて、操作入力情報などとして取り扱われる。
【0044】
なお、第2色はスイッチ位置ごとに異なる色であってもよく、複数のスイッチが同時にタッチされているときは対応するスイッチ出力と第2色の点灯が行われてもよい。そして、制御回路40は、計測した時間が所定時間を経過するまで待って(ステップS109のN)、所定時間を経過したら(ステップS109のY)、各判定回路31〜33によって、C−V変換回路21〜23からの出力に基づいて、タッチが終了したか否かを判断させ(ステップS110)、タッチが終了していないと判断された場合(ステップS110のN)は、上記ステップS107に移行して処理を繰り返す。
【0045】
この繰り返し処理により、タッチしている時間に応じたスイッチ出力(S108)等を行うことができ、この時間に対応して制御回路40により、LED51〜53の輝度や明るさなどを変化させるようにしてもよい。また、上述した態様では、タッチを判定したときに、第1色から第2色に色を変化させるモーメンタリー動作を例に挙げたが、タッチを判定している状態で第1色と第2色とを交互に切り替えるようなトグル動作としてもよい。
【0046】
タッチが終了したと判断された場合(ステップS110のY)は、タッチが判定されたセンサ電極に応じて第2色で点灯されていたLED51〜53を第1色で点灯させ(ステップS111)、上記ステップS105に移行して再度タッチを判定したかを判断する。このステップS105にて、タッチを判定していないと判断した場合(ステップS105のN)は、図7に示すように、制御回路40によって、各判定回路31〜33が1回以上タッチを判定したか否かを判断する(ステップS112)。
【0047】
1回以上タッチを判定していないと判断した場合(ステップS113のN)は、計測した時間に基づき、近接モードが所定時間以上であるか否かを判断する(ステップS113)。すなわち、この場合は、近接モードになってから指などのタッチが判定されるまでの近接中接触待機時間が所定時間以上であるかが判断される。
【0048】
また、1回以上タッチを判定したと判断した場合(ステップS113のY)は、計測した時間に基づき、タッチ非判定時間が所定時間以上であるか否かを判断する(ステップS114)。すなわち、この場合は、タッチモードになってから再度指などのタッチが判定されるまでの接触非判定時間が所定時間以上であるかが判断される。
【0049】
近接モードが所定時間以上であると判断された場合(ステップS113のY)、およびタッチ非判定時間が所定時間以上であると判断された場合(ステップS114のY)は、上記ステップS101に移行して第1色で点灯されていた各LED51〜53を消灯状態にし、以降の処理を繰り返す。
【0050】
すなわち、このステップS101では、各C−V変換回路21〜23をOFF状態にするとともに各センサ電極11〜13をOFFモードにする。これとともに、手などが装置近傍から離れたと判断して、各LED51〜53を消灯状態にし、スイッチA〜Cが見えない状態にする。
【0051】
一方、近接モードが所定時間以上でないと判断された場合(ステップS113のN)、およびタッチ非判定時間が所定時間以上でないと判断された場合(ステップS114のN)は、手などが装置の近傍にあり、タッチ操作が直ぐに起こり得ると判断することができるので、タッチ判定に移行して(ステップS105)、処理を繰り返す。
【0052】
静電容量式スイッチ装置は、このように動作することによって、手などが近傍に近接していないときはOFFモードとなり待機電力を減少させることができるので、安価に手などの近接・接触を判定して正確なスイッチ操作を可能とすることができる。なお、本例の静電容量式スイッチ装置では、このOFFモードのときでもセンサ電極19の検知感度を上昇させることができる構成を採用している。次に、このことについて説明する。
【0053】
図8は、静電容量式スイッチ装置における静電容量結合を説明するための説明図である。図8に示すように、C−V変換回路21〜23をOFF状態にしたOFFモードのときは、これらの供給電源がOFFとなっているか、あるいはシャットダウン状態であるため、各センサ電極11〜13と各C−V変換回路21〜23との電気的な接続は断たれた状態となり、各センサ電極11〜13は浮いた電位となっている。
【0054】
このとき、センサ電極19およびC−V変換回路29によって手49などの近傍への近接を検出するが、手49などが装置から遠い位置にある場合は、通常はセンサ電極19により検知されC−V変換回路29によって検出される静電容量値C19は非常に小さいものとなる。
【0055】
しかしながら、本実施形態の構成によれば、センサ電極19が、センサ電極11〜13がOFFモードの際にこれら各センサ電極11〜13との静電容量結合を生じさせ、センサ電極19単独の場合よりも検知感度が向上するように各センサ電極11〜13に近接して設けられているので、各センサ電極11〜13がOFFモードの場合、上述したようにセンサ電極11〜13の電位は浮いた状態であるため、センサ電極11〜13を介した静電容量結合(C11,C11a)、(C12,C12a)、(C13,C13a)も発生することとなる。したがって、センサ電極19にて検知されるC−V変換回路29にて検出される静電容量値Cxは、Cx=C19+(C11×C11a)/(C11+C11a)+(C12+C12a)/(C12+C12a)+(C13+C13a)/(C13+C13a)となり、静電容量値C19よりも上昇するため、検知感度を高めることが可能となる。このように、別途電極の切替スイッチ等を設けなくても、簡単な構成で待機電力を減少させつつ、安価に手49などの装置近傍への近接を判定することが可能となる。
【0056】
なお、例えば拡散板2A〜2Cを透明なアクリル板などにより構成し、透過パターン3A〜3Cと同様な文字等のパターンを描く傷などを形成し、その部分に光が反射するように構成すれば、遮光塗料等を用いて形成した透過パターン3A〜3Cを省略することも可能となる。また、各センサ電極11〜13の周囲に、これらと絶縁状態で同電位に駆動されるシールド電極を配置し、各センサ電極11〜13の裏面にもこのようなシールド電極を配置すれば、センサ電極同士の干渉を低減させたり、LED51〜53やFPC、筐体等の周囲の構造物の影響を低減させたりすることができる構成とすることもできる。
【0057】
さらに、図9に示すように、C−V変換回路21〜23および判定回路31〜33の代わりに、C−V変換回路24および判定回路34を設け、各センサ電極11〜13とC−V変換回路24との接続を切り替える切替スイッチ(切替SW)を設けて、制御回路40により切替SWの制御を行うようにすれば、同様の作用効果を有しつつC−V変換回路数を少なくした静電容量式スイッチ装置とすることも可能である。
【0058】
以上述べたように、本実施形態にかかる静電容量式スイッチ装置によれば、簡単な構成で待機電力を減少させ、安価に手などの近接・接触を判定して正確なスイッチ操作を実現することが可能となる。なお、上述した実施形態においては、静電容量を検知する手段として、C−V変換回路、すなわち静電容量を電圧に変換する回路を用いて説明したが、静電容量値を制御回路あるいはCPUで判定できる電流値や周波数に変換したり、ディジタル値に変換したりする手段を用いるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1 意匠板
2A 拡散板
2B 拡散板
2C 拡散板
3A 透過パターン
3B 透過パターン
3C 透過パターン
11 センサ電極
12 センサ電極
13 センサ電極
19 センサ電極
20 回路部
21 C−V変換回路
22 C−V変換回路
23 C−V変換回路
24 C−V変換回路
29 C−V変換回路
31 判定回路
32 判定回路
33 判定回路
34 判定回路
40 制御回路
49 手
51 LED
52 LED
53 LED
59 ブザー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のセンサ電極と、
前記第1のセンサ電極の近傍に配置された第2のセンサ電極と、
前記第1および第2のセンサ電極によって検知される各センサ電極と接地との間の静電容量をそれぞれ検出して、これらに対応する静電容量値を出力する複数の静電容量検知手段と、
前記複数の静電容量検知手段からの出力に基づいて、前記第1のセンサ電極のON/OFF状態を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記第2のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値以下である場合は前記第1のセンサ電極をOFF状態にするとともに、該静電容量値が所定のしきい値を超える場合は前記第1のセンサ電極をON状態にする
ことを特徴とする静電容量式スイッチ装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1のセンサ電極がON状態となってからの時間を計測し、所定時間内に前記第1のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値を超えなかった場合は、前記第1のセンサ電極をOFF状態にする
ことを特徴とする請求項1記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項3】
前記第1のセンサ電極の所定の検知領域を照光する照光手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1のセンサ電極がON状態である場合に前記照光手段を点灯させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第2のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値以下である場合は、前記照光手段を消灯させる
ことを特徴とする請求項3記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項5】
告知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1のセンサ電極がON状態であるときに、前記第1のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値を超えた場合は、前記告知手段を動作させる
ことを特徴とする請求項3または4記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項6】
前記第1のセンサ電極上に設けられ、前記照光手段からの光を透過する透過部と該光を遮光する遮光部とからなる透過パターンが形成された、前記透過部の遮光率が10%〜15%に設定された意匠板をさらに備える
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項7】
前記第2のセンサ電極は、前記第1のセンサ電極を囲むように近傍に配置されている
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項1】
第1のセンサ電極と、
前記第1のセンサ電極の近傍に配置された第2のセンサ電極と、
前記第1および第2のセンサ電極によって検知される各センサ電極と接地との間の静電容量をそれぞれ検出して、これらに対応する静電容量値を出力する複数の静電容量検知手段と、
前記複数の静電容量検知手段からの出力に基づいて、前記第1のセンサ電極のON/OFF状態を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記第2のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値以下である場合は前記第1のセンサ電極をOFF状態にするとともに、該静電容量値が所定のしきい値を超える場合は前記第1のセンサ電極をON状態にする
ことを特徴とする静電容量式スイッチ装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1のセンサ電極がON状態となってからの時間を計測し、所定時間内に前記第1のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値を超えなかった場合は、前記第1のセンサ電極をOFF状態にする
ことを特徴とする請求項1記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項3】
前記第1のセンサ電極の所定の検知領域を照光する照光手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1のセンサ電極がON状態である場合に前記照光手段を点灯させる
ことを特徴とする請求項1または2記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項4】
前記制御手段は、前記第2のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値以下である場合は、前記照光手段を消灯させる
ことを特徴とする請求項3記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項5】
告知手段をさらに備え、
前記制御手段は、前記第1のセンサ電極がON状態であるときに、前記第1のセンサ電極により検知された静電容量値が所定のしきい値を超えた場合は、前記告知手段を動作させる
ことを特徴とする請求項3または4記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項6】
前記第1のセンサ電極上に設けられ、前記照光手段からの光を透過する透過部と該光を遮光する遮光部とからなる透過パターンが形成された、前記透過部の遮光率が10%〜15%に設定された意匠板をさらに備える
ことを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項記載の静電容量式スイッチ装置。
【請求項7】
前記第2のセンサ電極は、前記第1のセンサ電極を囲むように近傍に配置されている
ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の静電容量式スイッチ装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−96369(P2011−96369A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−246052(P2009−246052)
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年10月27日(2009.10.27)
【出願人】(000005186)株式会社フジクラ (4,463)
【Fターム(参考)】
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