説明

静電容量素子の製造方法

【課題】グリーンシートのパターンの生成を極力少なくし、一つのパターンのグリーンシートから複数の異なるグリーンシートを作製する静電容量素子の製造方法を提供する。
【解決手段】誘電体シート及び該誘電体シートに導電体塗布用の所定のパターン形状を有するマスクを用意して、誘電体シート上に基本パターングリーンシートを作製する。その後、基本パターングリーンシートを例えば180°回転したパターンと、この基本パターングリーンシートを裏返した裏返しグリーンシートを作製し、これらを任意に積層して加圧、高温焼成することにより静電容量素子を製造する。これにより、製造工程の品質管理を容易にすると共に、設備投資面のコスト削減などの生産性の向上を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、静電容量素子の製造方法に関し、特に、内部電極パターン数を低減して生産性を向上させる静電容量素子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の小型化、高信頼性化に伴い、その電子機器に用いられる電子部品として、小型化された高性能の静電容量素子の開発が求められている。発明者等は、誘電体層の同一面に形成する内部電極の面積の増減スペースを大きくし、これにより静電容量デバイスの内部電極や容量値等の設計自由度を広げる製造技術を既に提案している(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1では、可変容量デバイスを提示しているが、この可変容量デバイスの製造方法は、誘電体材料からなるシート部材を用意し、このシート部材にPd、Pd/Ag、Ni等の金属微粉末をペースト化した導電ペーストを塗布する。
そして、その導電ペーストを内部電極の形状(例えば、矩形状)に対応する開口部が形成されたマスクを介して、誘電体材料からなるシート部材の一方の表面に塗布(シルク印刷等)して内部電極を形成する。
【0004】
特許文献1に記載される製造方法では、5枚の電極付シート部材を、所定の順序で、内部電極とシート部材とが交互に配置されるように積層し、別途用意した内部電極が形成されていないシート部材を、内部電極が露出した側の表面上に積層している。そして、その後、その積層部材を圧着し、この圧着した部材を還元性雰囲気中で、高温焼成してシート部材と導電ペースト層(内部電極)とを一体化させて、可変容量デバイス本体を作製し、デバイス本体10の側面の所定位置に外部端子を取り付けるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−119482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、複数の可変容量コンデンサを直列接続して構成された可変容量デバイスの内部容量や容量値等の設計自由度をより広げることを主眼としたものであって、製造方法についての具体的な改良を提示するものではなかった。
【0007】
従来の製法では、単体のシートに誘電体の粉に有機物からなるバインダーを混合して塗布した誘電体シート(このシートを、以下「白シート」と呼ぶ。)を作製する。
その後、この白シートに、内部電極パターンの形状(例えば、矩形状)に対応する開口部が形成されたマスクを介してペースト化したNi等の卑金属の導電体粉を塗布することにより、コンデンサの電極となる導電体が塗布されたシート(以下、このシートを「グリーンシート(GS)」と呼ぶ。)を作製する。
【0008】
ここで、単素子のコンデンサ複数個を積層方向に直列接続したコンデンサアレイや、単素子のコンデンサを積層方向に複数個直列接続したコンデンサブロックを複数個積層して並列接続したコンデンサアレイを作製する場合には、多くの内部電極パターンが必要になる。内部電極パターンが多くなると、その内部電極パターンの数だけグリーンシートを作製する必要があり、グリーンシートの製作精度の管理が難しかった。また、グリーンシートの種類が多くなることによって、これを積み重ねる工程が増え、そのための設備投資も増えるので、生産性が劣るという問題があった。
【0009】
ただ、従来の製法においても、一つの電極パターンが形成されたグリーンシートを、例えば180°回転して異なるパターンのグリーンシートとして使うことは行われていた。つまり、1種類の電極パターンのグリーンシートを、2種の内部電極パターンを有するグリーンシートとして使うのである。しかし、従来の方法では、180°回転までが限度で、それ以上の電極パターンのグリーンシートを作成するには、別の電極パターンのグリーンシートを製造する工程が必要とされた。したがって、そのための製造工程の品質管理や設備の大型化などが必要とされ、そのためのコスト増を解消することはできなかった。
【0010】
そこで、本開示の目的は、グリーンシートの内部電極パターンの数を極力少なくし、一つの内部電極パターンのグリーンシートから、実質的に複数種類の内部電極パターンを有するグリーンシートを作製することによって、より効率的な静電容量素子の製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するための本開示の静電容量素子の製造方法は、導電体が塗布されない誘電体シートと、該誘電体シートに導電体塗布用の少なくとも1個の基本パターン形状を有するマスクを用意する工程と、誘電体シート上にマスクを介して導電体を塗布して基本パターングリーンシートを作製する工程と、この基本パターングリーンシートを回転した基本パターン回転グリーンシートを作製する工程と、を含む。
【0012】
更に、基本パターングリーンシート及び基本パターン回転グリーンシートを積層する工程と、基本パターングリーンシート、または基本パターン回転グリーンシートのうち、少なくとも一つのグリーンシートを裏返して、基本パターングリーンシートまたは基本パターン回転グリーンシートとは異なる基本パターン裏返しグリーンシートを作製する工程を含む。
【0013】
そして、基本パターングリーンシート及び基本パターン回転グリーンシートを積層した積層体に、導電体が塗布されていない誘電体シートを介して基本パターン裏返しグリーンシートを積層する工程と、基本パターングリーンシート、基本パターン回転グリーンシート、誘電体シート及び基本パターン裏返しグリーンシートの積層体を圧着及び焼成処理する工程と、を含む。
【0014】
また、基本パターングリーンシート、基本パターン回転グリーンシート、誘電体シート、及び基本パターン裏返しグリーンシートの積層体の側面に、外部電極を印刷して焼成処理を行う工程を含み、更に必要に応じて、基本パターングリーンシート、基本パターン回転グリーンシート、誘電体シート及び基本パターン裏返しグリーンシートの積層体の上部及び下部に補強用の誘電体シートを積層する工程も含む。
【0015】
また、本開示の他の形態では、誘電体シート及び該誘電体シートに導電体塗布用の所定のパターン形状を有するマスクを用意する工程と、誘電体シート上にマスクを介して導電体を塗布して基本パターングリーンシートを作製する工程と、基本パターングリーンシートを90°回転して基本パターン90°回転グリーンシートを作製する工程と、基本パターングリーンシートを180°回転して基本パターン180°回転グリーンシートを作製する工程と、基本パターングリーンシートを270°回転して基本パターン270°回転グリーンシートを作製する工程を含む。そして、基本パターングリーンシート、基本パターン90°回転グリーンシート、基本パターン180°回転グリーンシート、及び基本パターン270°回転グリーンシートを積層する工程と、この積層される4個のグリーンシートの上部及び下部に導電体が塗布されていない補強用の誘電体シートを積層して圧着及び焼成処理を行う工程を含む。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、一つの内部電極パターンのグリーンシートの有用活用がなされるので、特に多数のコンデンサを直列接続する静電容量素子の製造方法において、その製作精度の管理を比較的簡単に行うことができる。また、静電容量素子の製造方法において、製造設備面でのコスト削減が可能となり、極めて高い生産性を上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】従来から存在する並列接続された一つの静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)及び等価回路(C)を示す図である。
【図2】図1の静電容量素子に用いられる基本パターンのグリーンシート(A)と、これを180°回転したグリーンシート(B)の例を示す図である。
【図3】図1に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図4】従来から存在する2つのパターンのグリーンシートを用いて作製したコンデンサを2個直列接続した静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)及び等価回路(C)を示す図である。
【図5】図4の静電容量素子に用いられる基本パターングリーンシート(A)と、基本パターンを180°回転させたグリーンシート(B)と、第2パターンのグリーンシート(C)の例を示す図である。
【図6】図4に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図7】従来から存在する2つのパターンのグリーンシートを用いて作製したコンデンサを3個直列接続した静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)及び等価回路(C)を示す図である。
【図8】図7の静電容量素子を製造する際に用いられる、図5に示した第2パターンのグリーンシート(C)を180°回転した4番目のグリーンシートの例を示す図である。
【図9】図7に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図10】本開示の第1の実施形態の例である、2個のコンデンサが直列接続された静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)及び等価回路(C)を示す図である。
【図11】図10の静電容量素子に用いられる基本パターングリーンシート(A)と、基本パターンを180°回転させた180°回転グリーンシート(B)と、基本パターンを裏返して作製した裏返しグリーンシート(C)の例を示す図である。
【図12】図10に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図13】図10に示す静電容量素子の製造方法の手順を示す工程図である。
【図14】本開示の第1の実施形態の第1の変形例である、3個のコンデンサが直列接続された静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)及び等価回路(C)を示す図である。
【図15】図14に示す本開示の第1の実施形態の変形例に用いられる、図11の基本パターンを180°回転させたグリーンシート(B)を更に裏返した4番目のグリーンシートの例を示す図である。
【図16】図14に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図17】図14に示す静電容量素子の製造方法の手順を示す工程図である。
【図18】本開示の第1の実施形態の第2の変形例である、7個のコンデンサが直列接続された静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)及び等価回路(C)を示す図である。
【図19】図18に示す本開示の第1の実施形態の第2の変形例に用いられる、基本パターングリーンシート(A)と、基本パターンを180°回転させた180°回転グリーンシート(B)と、基本パターンを裏返して作製した基本パターン裏返しグリーンシート(C)と、基本パターンを180°回転させた後に裏返した180°回転&裏返しグリーンシート(D)の例を示す図である。
【図20】図18に示す本開示の第1の実施形態の第2の変形例に用いられる、第2パターングリーンシート(E)と、第2パターンを180°回転させた第2パターン180°回転グリーンシート(F)と、第2パターンを裏返して作製した第2パターン裏返しグリーンシート(G)と、第2パターンを180°回転させた後に裏返して作製した第2パターン180°回転&裏返しグリーンシート(H)の例を示す図である。
【図21】図18に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図22】図18に示す静電容量素子の製造方法の手順を示す工程図である。
【図23】本開示の第2の実施形態の例である、3つのコンデンサが直列接続された静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)及び等価回路(C)を示す図である。
【図24】図23に示す本開示の第2の実施形態例に用いられる、基本パターングリーンシート(A)と、基本パターンを90°回転させた基本パターン90°回転グリーンシート(B)と、基本パターンを180°回転させた基本パターン180°回転グリーンシート(C)と、基本パターンを270°(−90°)回転させた基本パターン270°回転グリーンシート(D)の例を示す図である。
【図25】図23に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図26】図23に示す静電容量素子の製造方法の手順を示す工程図である。
【図27】本開示の第2の実施形態の第1の変形例である、グリーンシート7枚を用いた2並列3直列のコンデンサ6個が接続された静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)、等価回路(C)及び内部回路(D)を示す図である。
【図28】図27に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図29】図27に示す静電容量素子の製造方法の手順を示す工程図である。
【図30】本開示の第2の実施形態の第2の変形例である、グリーンシート8枚を用いた2並列3直列のコンデンサ6個が接続された静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)、等価回路(C)及び内部回路(D)を示す図である。
【図31】図30に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図32】図30に示す静電容量素子の製造方法の手順を示す工程図である。
【図33】本開示の第2の実施形態の第3の変形例である、グリーンシート10枚を用いた3並列3直列のコンデンサ9個が接続された静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)、等価回路(C)及び内部回路(D)を示す図である。
【図34】図33に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図35】図33に示す静電容量素子の製造方法の手順を示す工程図である。
【図36】本開示の第2の実施形態の第4の変形例である、グリーンシート12枚を用いた3並列3直列のコンデンサ9個が接続された静電容量素子の外観図(A)、断面図(B)、等価回路(C)及び内部回路(D)を示す図である。
【図37】図36に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図38】図36に示す静電容量素子の製造方法の手順を示す工程図である。
【図39】本開示の第3の実施形態の例である、グリーンシート8枚を用いて作製した、コンデンサ7個が直列接続された静電容量素子の外観図(A)、断面(B)、及び等価回路(C)を示す図である。
【図40】図39に示す本開示の第3の実施形態例に用いられる、図24に示す基本パターングリーンシート(A)、基本パターンを90°回転させた90°回転グリーンシート(B)、基本パターンを180°回転させた180°回転グリーンシート(C)、基本パターンを270°(−90°)回転させた270°回転グリーンシート(D)を裏返して作製したグリーンシート(E)〜(H)の例を示す図である。
【図41】図39に示す静電容量素子の製造方法の概略を説明するための図である。
【図42】図39に示す静電容量素子の製造方法の手順を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、本開示の実施形態に係る容量素子の製造方法について説明する。本開示の実施形態は以下の順に説明する。なお、本開示は以下の例に限定されるものではない。
1.静電容量素子の製造方法の一般的な方法(図1〜9)
2.本開示の第1の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法(図10〜13)
2−1 第1の変形例(図14〜17)
2−2 第2の変形例(図18〜22)
3.本開示の第2の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法(図23〜26)
3−1 第1の変形例(図27〜29)
3−2 第2の変形例(図30〜32)
3−3 第3の変形例(図33〜35)
3−4 第4の変形例(図36〜38)
4.本開示の第3の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法(図39〜42)
【0019】
<1.静電容量素子の製造方法の一般的な方法>
まず、本開示の第1の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法を説明する前に、本実施形態例の静電容量素子の製造方法の比較例として、従来から一般的に行われている静電容量素子の製造方法について、図1〜9を参照して説明する。
【0020】
図1に、一般的に用いられる複数のコンデンサが並列接続された静電容量素子の外観を示す外観図(A)と、点線X−X’で切断したときの断面図(B)と、この静電容量素子10の等価回路(C)を示す。
静電容量素子10は、静電容量素子本体11と外部電極12a、12bから構成されている。そして、静電容量素子本体11は、誘電体シート14の上に電極を形成するペースト状の導電体13が塗布されて形成される。この誘電体シート14と、誘電体シート14上に形成される所定の電極パターンの導電体13とからなるグリーンシートが複数枚(図1(B)では8枚)積層されて、7個のコンデンサが並列接続された静電容量素子が作製される。図1では図示されていないが、通常は、積層されたグリーンシートの上部及び下部には、導電体13が塗布されない状態の誘電体14のみのシート(白シート)が補強用として設けられる。
【0021】
図2は、図1に用いられる2つのグリーンシート(以下、単に「GS」と略記することもある)を示したものである。図2(A)は、基本パターンのグリーンシートであり、誘電体14上に導電体13aが塗布され、圧着されたシートである。導電体13aは、図1(A)に示す外部電極12aに接続される。図2(B)は図2(A)の基本パターンGSを180°回転させたグリーンシートであり、このグリーンシート上の導電体13bが図1(A)の外部電極12bに接続される。
【0022】
図3は、図1の静電容量素子を製造する方法の概略を説明するための図である。図3を見ると分かるように、図2(A)に示す基本パターンGS15a4枚と、図2(B)に示す180°回転GS15b4枚が縦方向に交互に並べられている。そして、グリーンシートの上部と下部には、誘電体のみのシート(白シート)17a、17bがそれぞれ3枚積層されている。この白シートは、静電容量素子の補強のために用いられるので、必要とされる枚数は、静電容量素子に要求される厚さや平面の大きさを考慮しつつ適宜定められる。
なお、基本パターンGSと基本パターン180°回転GSとを交互に積層する方法では、グリーンシートの種類数N(=1,2,3・・・)と直列接続される単素子のコンデンサの数Kとの関係は、(1)式
K=2N−1 ・・・・・ (1)
が成立する。図1では、N=1、K=1である。
【0023】
図4に、基本パターンの他にもう一つ別のパターンを用いて作製したコンデンサを2個直列接続した静電容量素子の外観図(A)、点線X−X’で切断したときの断面図(B)及びその等価回路(C)を示す。
図4(A)と(C)に示すように、図4に示す静電容量素子20は、2個のコンデンサが直列接続されるので、静電容量素子本体21には、3つの外部電極22a〜22cが形成されている。静電容量素子本体21は、図5で後述するように誘電体シート24と、この誘電体シート上に塗布され圧着された導電体23からなる3枚のグリーンシートを含む。
【0024】
図5は、異なる外部電極22a〜22cに接続される異なる導電体23a〜23cを備える3枚のグリーンシートを示す。図5の(A)〜(C)に示すように、図4(A)の静電容量素子本体21は、基本パターンGS25aと、基本パターンGSを180°回転して作製した基本パターン180°回転GS25bと、基本パターンとは別に製造される第2パターンGS25cを有する。第2パターンGS25cは、基本パターンGS25aと縦方向の中心線に対して線対称となっている。基本パターンGS25aは導電体23aを有し、外部電極22aに接続される。基本パターン180°回転GS25bは導電体23bを有し、外部電極22bに接続される。そして、第2パターンGS25cは導電体23cを有し、外部電極22cに接続される。
【0025】
図6は、図4に示す静電容量素子本体21を製造する場合の、3枚のグリーンシートを重ね合わせる方法の例を示した図である。図6に示すように、基本パターンGS25aの上に基本パターン180°回転GS25bを設け、更に基本パターン180°回転GS25bの上に第2パターンGS25cを積層する。ここで、基本パターンGS25aの導電体(電極)23aと基本パターン180°回転GS25bの導電体23bとの間の誘電体シート24b(図5参照)が第1のコンデンサ26aを形成し、基本パターン180°回転GS25bの導電体23bと第2パターンGS25cの導電体23cとの間の誘電体シート24c(図5参照)が第2のコンデンサ26bを形成している(図4(C)の等価回路参照)。なお、積層された3枚のグリーンシートの上部と下部には、白シート27a、27bが積層され、全体が圧着及び焼成処理されて静電容量素子20が製造される。
【0026】
ここで圧着処理は、積層体をビニール袋で密閉し、静水圧をかける方法が考えられる。通常、積層体は板状になっており、厚さ方向の他に幅方向、長さ方向とも圧力がかかるが、厚さ方向(板面の積層方向)の方が、幅方向と長さ方向より面積が大きいので、厚さ方向(積層方向)に加わる力によって積層体の圧着が行われる。
なお、圧着後に積層体の焼成処理が行われるが、この焼成処理では、通常2段階で温度を上昇させている。すなわち、第1段階では、誘電体及び内部電極用のペーストの有機物を除去するために、比較的低温(有機物の熱分解温度である400℃程度)での焼成処理が行われる。第2段階では、内部電極を形成する金属の溶融(または半溶融)と誘電体を構成する無機物の焼結のために、1300℃程度の高温での焼成が行われる。この温度の切換は、必ずしもこの2段階(2つの温度)で行われるものではなく、温度変化のプロファイルは必要に応じて適宜工夫されるものである。
【0027】
図7に、3個のコンデンサを直列接続した静電容量素子30の外観図(A)とX−X’断面図(B)、及びその等価回路(C)を示す。
静電容量素子30は、図7(C)に示すように、3個のコンデンサ36a〜36cが直列接続されたものであり、静電容量素子本体31と4つの外部電極32a〜32dを有する。静電容量素子本体31は、誘電体シート34と、この誘電体シート34上に塗布され圧着される導電体33からなる4枚のグリーンシートからなる。
【0028】
この静電容量素子30の製造に用いられる4枚のグリーンシートは、図5で説明した3種類のグリーンシート(A)〜(C)の他に、図8に示す4番目のグリーンシートを含む。図8に示すグリーンシートは、図5(C)の第2パターンGS25cを180°回転した第2パターン180°回転GS35dである。この4枚目のグリーンシート35dは、誘電体34dと導電体33dから形成され、外部電極32dに接続される。以下の説明では、図5(A)〜(C)のグリーンシートと同じグリーンシートを第2パターン180°回転GS35dの番号と整合性をとって、GS35a、GS35b、GS35cと記述する。
【0029】
図9は、図7の静電容量素子本体31を製造する方法の概略を説明するための図である。図9に示すように、導電体33aを有する基本パターンGS35aの上に、導電体33bを有する基本パターン180°回転GS35bを重ねる。そして、その基本パターン180°回転GS35bの上に導電体33cを有する第2パターンGS35cを重ね、更にその上に図8に示す第2パターン180°回転GS35dを積層する。ここで、基本パターンGS35aの導電体33aと基本パターン180°回転GS35bの導電体33bとの間の誘電体シート34bが第1のコンデンサ36aを形成し、基本パターン180°回転GS35bの導電体33bと第2パターンGS35cの導電体33cとの間の誘電体シート34cが第2のコンデンサ36bを形成する。そして、第2パターンGS35cの導電体33cと第2パターン180°回転GS35dの導電体電極33dとの間の誘電体シート34dが第3のコンデンサ36cを形成している(図7(C)の等価回路参照)。
【0030】
最上部に配置された第2パターン180°回転GS35dの上部には、補強用の白シート37aが複数枚積層され、同様に最下部に配置された基本パターンGS35aの下部には補強用の白シート37bが複数枚積層される。4枚のグリーンシートとその上下に配置された白シートは、圧着され、更に焼成処理されて静電容量素子30が製造される。
この製造方法でも、上述した式(1)の“K=2N−1”が適用され、ここではN=2となるから、K=3となって、直列接続される単素子のコンデンサは3個になる。
【0031】
<2.本開示の第1の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法>
図10に、本開示の第1の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法で製造した、2個のコンデンサが直列接続された静電容量素子40の外観図(A)と、点線X−X’で切断したときの断面図(B)、及びその等価回路(C)を示す。
静電容量素子40は、3枚目のグリーンシートの作製方法が異なる以外は、図4に示した静電容量素子20の構成と同じであるが、図4に示した従来の静電容量素子20と区別するために、図10では40番代の番号を付けている。
【0032】
図10(C)に示すように、図4に示す静電容量素子40は、2個のコンデンサ46a、46bが直列接続された静電容量素子であり、静電容量素子本体41と3つの外部電極42a〜42cを有する。静電容量素子本体41は、誘電体シート44と、この誘電体シート44上に塗布され、圧着される導電体43からなる3枚のグリーンシートにより構成される。
【0033】
ここで、基本パターングリーンシート、基本パターン180°回転グリーンシート及びこれらを裏返して作製した基本パターン裏返しグリーンシート3枚を順不同で積層した場合には、グリーンシートの種類数N(=1,2,3・・・)と直列接続される単素子のコンデンサの数Kとすると、
K=4N−1 ・・・・・ (2)
が成立する。この式(2)から、N=1、K=3となり、直列接続される単素子のコンデンサの数は、最大3個となる(図14で後述)。なお、図10では、直列接続するコンデンサを2個にしている。
【0034】
図10に示す静電容量素子40も、図5の静電容量素子20と同様に、3枚のグリーンシートを備える。すなわち、図11の(A)〜(C)に示すように、静電容量素子本体41は、基本パターンGS45aと、基本パターンGS45aを180°回転させた基本パターン180°回転GS45bと、基本パターンを裏返して作製する基本パターン裏返しGS45cを有する。基本パターンGS45aは導電体43aを有し、外部電極42aに接続される。基本パターン180°回転GS45bは導電体43bを有し、外部電極42bに接続される。また、基本パターン裏返しGS45cは導電体43cを有し、外部電極42cに接続される。なお、基本パターンのグリーンシート(GS)あるいはそれを回転したパターンのグリーンシート(GS)と、それらを裏返して作製したグリーンシート(GS)とを区別するために、裏返して作製したグリーンシート(GS)については、図面全体を通して導電体の部分を点線で示している(例えば図11(C)参照)。
【0035】
図12は、図10に示す静電容量素子本体41を製造する場合の、図11で示した3枚のグリーンシートを重ね合わせる方法の例を示したものである。図12に示すように、基本パターンGS45aの上部に基本パターン180°回転GS45bを配置し、更に基本パターン180°回転GS45bの上部に、一枚の白シート47cを挟んで基本パターン裏返しGS45cを配置する。ここで、基本パターンGS45aの導電体43aと基本パターン180°回転GS45bの導電体43bとの間の誘電体シート44bが、第1のコンデンサ46aを形成し、基本パターン180°回転GS45bの導電体43bと基本パターン裏返しGS45cの導電体43cとの間に挿入された白シート47cが第2のコンデンサ46bを形成している(図10(C)の等価回路参照)。
【0036】
図13は、図12に示したグリーンシートの重ね合わせによる製造方法を、工程毎に段階を追って示した工程図である。最初に、静電容量素子本体41の誘電体層を構成するため、所望の誘電体材料からなる誘電体シート44を用意する。そして、この誘電体シート44上に電極となる基本パターンの導電体を塗布するため、その形成領域に対応する領域が開口された基本パターンのマスク(不図示)を用意する(ステップS11)。
【0037】
上述した誘電体シート44を作製する場合、通常、無機物の粒子からなる誘電体に糊である有機物バインダーを混ぜ合わせた誘電体ペーストを作製する。そして、この誘電体ペーストをPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム上に所望の厚さに塗布することによって、PETと一体化した誘電体シートが形成される。
また、誘電体シートに電極を形成する際には、金属の粒子からなる導電体に、有機物のバインダー(糊)を加えてよく混ぜて、導電体(電極)ペーストを作製する。そして、この導電体(電極)ペーストをPETと一体化した誘電体シートに、スクリーン印刷マスクを介して塗布することにより、導電体シートが形成される。
【0038】
具体的に説明すると、誘電体シート44の材料としては、例えば、プラスのイオンとマイナスのイオンの原子が変位することで電気的に分極するイオン結晶材料からなる強誘電体材料が用いられる。このイオン分極を生じる強誘電体材料は、一般に、所定の2つの元素をA及びBとすると、化学式ABO(Oは酸素元素)で表される。このような強誘電体材料としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)、ニオブ酸カリウム(KNbO)、チタン酸鉛(PbTiO)等が挙げられる。また、誘電体シート44の材料として、チタン酸鉛(PbTiO)にジルコン酸鉛(PbZrO)を混ぜ合わせたPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)を用いてもよい。
【0039】
また、誘電体シート44の形成材料として電子分極が生じる強誘電体材料を用いることもできる。この強誘電体材料では、プラスの電荷に偏った部分と、マイナスの電荷に偏った部分とに分かれる電子分極が生じる。そのような材料としては、例えば、Fe2+の電荷面と、Fe3+の電荷面の形成により、分極を形成して強誘電体的特性を示す希土類鉄酸化物がある。ここで、希土類元素をREとし、鉄族元素をTMとしたときに、分子式(RE)・(TM)・O(O:酸素元素)で表される材料が高誘電率を有することが知られている。希土類元素としては、例えば、Y、Er、Yb、Lu(特にYと重希土類元素)が挙げられ、鉄族元素としては、例えば、Fe、Co、Ni(特にFe)が挙げられる。また、希土類鉄酸化物である(RE)・(TM)・Oとしては、例えば、ErFe、LuFe、YFeなどが用いられる。
【0040】
次に、ステップS11で用意された誘電体シートと電極形成用のマスクを用いて、誘電体シート上への導電膜の塗布と圧着が行われる(ステップS12)。ここで、導電膜の塗布は、以下のように行われる。すなわち、Pt、Pb、Pb/Ag、Ni、Ni合金等の金属粉末をペースト状にした導電ペーストを準備し、この導電ペーストを、ステップS11で用意したマスクを介して誘電体シート44上に印刷(例えばシルク印刷など)する。これにより、誘電体シート44の一方の表面に、基本パターンの導電体電極43aが形成された基本パターンGS45aが得られる。次に、得られた基本パターンGS45aを180°回転して基本パターン180°回転GS45bを得(ステップS13)、続いて、基本パターンGS45aを裏返して基本パターン裏返しGS45cを得る(ステップS14)。
【0041】
ステップS12で作製した基本パターンGS45aとステップS13で作製した基本パターン180°回転GS45bを重ね(ステップS15)、その上に白シート47cを重ねる(ステップS16)。そして、この白シート47cの上に、ステップS14で作製した基本パターン裏返しGS45cを配置して積層体を作製する(ステップS17)。次に、ステップS17で作製した積層体の上部と下部に補強用の白シート45a、45bをそれぞれ必要に応じた枚数だけ重ねて積層し、これに圧着及び焼成処理を加えて一体化する(ステップS18)。そして、最後に外部電極42a〜42cを付加して静電容量素子40が完成する(ステップS19)。なお、外部電極42a〜42cは、通常、ベースとなる金属微粒子に溶剤とバインダーからなる高分子材料を混合してペースト状にし、これを印刷(塗布)及び焼成することによって形成される。
【0042】
[2−1 第1の変形例]
次に、図14〜図17を参照して、本開示の第1の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法の第1の変形例について説明する。
図14は、3個のコンデンサ56a〜56cが直列接続された静電容量素子50の外観図(A)と、点線X−X’で切断したときの断面図(B)及びその等価回路(C)を示す。図10の静電容量素子40と異なる点は、直列接続するコンデンサの数を1個多くするために、静電容量素子40のときに比べてグリーンシートが1枚余計に必要になることである。つまり、図14(B)に示すように、導電体53a〜53dを含む4枚のグリーンシートが必要になる。
【0043】
図15は、図11に示される基本パターン裏返しGSを180°回転して作製した4番目のグリーンシートを示している。この4番目のグリーンシートは、図11の基本パターンGS45aを180°回転し、更にこれを裏返しにした基本パターン180°回転&裏返しGS55dである。図14の静電容量素子50でも図11のグリーンシート45a〜45cが用いられるが、ここでは新たに用いるグリーンシート55dに合わせて、グリーンシートの番号を55a〜55cとしている。
【0044】
図16は、静電容量素子50における4枚のグリーンシートに白シートを積層した状態を示したものである。図16から分かるように、基本パターンGS55aの導電体53aと基本パターン180°回転GS55bの導電体53bの間に配置された誘電体シート54bとで、図14の等価回路(C)に示す第1のコンデンサ56aが形成される。また、基本パターン裏返しGS55cの導電体53cと基本パターン180°回転&裏返しGS55dの導電体53dの間に配置される誘電体シート54cにより、図14の等価回路(C)に示す第3のコンデンサ56cが形成される。
【0045】
図16では、180°回転GS55bと基本パターン裏返しGS55cとの間に、導電体が圧着されてない誘電体のみからなる白シート57cが挿入されている。この白シート57cを挟む基本パターン180°回転GS55bの導電体53bと、基本パターン裏返しGS55cの導電体53cと、白シート57cにより、図14の等価回路(C)に示される第2のコンデンサ56bが形成される。なお、積層された4枚のグリーンシートの上部と下部には、補強用として白シート57a、57bが積層される。
【0046】
次に、図17のフローチャートを参照して、図14に示す静電容量素子50の製造工程を説明する。図17のフローチャートのうち、図13のフローチャートと同一の工程については、同一のステップ記号(ステップS11〜S16)を付している。これについては、既に図13で説明しているので重複した説明は省略する。
【0047】
図17では、新たにステップS19に示す基本パターン180°回転&裏返しGS55d(図15参照)の作製工程が含まれる。そして、ステップS16で用意された白シート57cの上に基本パターン裏返しGS55cと基本パターン180°回転&裏返しGS55dを順不同に重ねた積層体を作製する(ステップS20)。
【0048】
続いて、ステップS15で作製した積層体の上部にステップS20で作製した積層体を重ね(ステップS21)、更にこのステップS21で作製された積層体の上部及び下部に複数枚の補強用白シート57a、57bを配置して、圧着及び焼成処理を行う(ステップS22)。最後に、ステップ22で処理された積層体に、外部電極52a〜52dを印刷し、焼成処理を行うことで、静電容量素子50が製造される(ステップS23)。
【0049】
[2−2 第2の変形例]
次に、図18〜22を参照して、本開示の第1の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法の第2の変形例について説明する。
図18は、7個のコンデンサ66a〜66gが直列接続された静電容量素子60の外観図(A)と、点線X−X’で切断したときの断面図(B)及びその等価回路(C)を示す。
図18の静電容量素子60は、7個のコンデンサ66a〜66gが直列接続された静電容量素子であるから、各コンデンサ間の電極に接続するための端子も含めると、8個の外部電極62a〜62hと、8個の導電体63a〜63hが必要とされる。すなわち、2種類の基本パターンからなる8枚のグリーンシート65a〜65hが必要となる。以下、この2種類の基本パターンを第1パターン、第2パターンとして説明する。
【0050】
図19、図20は、それぞれ第1のパターンを有するグリーンシート4枚と、第2のパターンを有するグリーンシート4枚を示す。
図19(A)は第1パターンの基礎となるグリーンシート(GS)65aを示す。この第1パターンGS65aを180°回転すると図19(B)に示す第1パターン180°回転GS65bとなり、この第1パターンGS65aを裏返すと図19(C)に示す、第1パターン裏返しGS65cになる。図19(D)は、図19(B)の第1パターン180°回転GS65bを更に裏返して作製した第1パターン180°回転&裏返しGS65dである。
【0051】
図20は、第2のパターンを有する4枚のグリーンシート65e〜65hを示している。図20に示す第2のパターンのグリーンシートでは、コンデンサの電極を形成する導電体の部分は、第1のパターンとほぼ同じにし、外部電極と接続するための引き出し線部が図19に示す第1のパターンのグリーンシートと異ならせている。
【0052】
図20(E)は、第2パターンの基礎となる第2パターンGS65eを示す。この第2パターンGS65eを180°回転すると図20(F)に示す第2パターン180°回転GS65fとなり、また第2パターンGS65eを裏返すと図20(G)に示す第2パターン裏返しGS65gになる。更に、図20(H)は、図20(F)の第2パターン180°回転GS65fを裏返して作製した第2パターン180°回転&裏返しGS65hである。
【0053】
図19、図20を図18と対応付けてみると、図19(A)〜(D)に示す第1パターンに関連するグリーンシート65a〜65dは、図18(A)に示す外部電極62a〜62dに接続されるのに対し、第2パターンに関連するグリーンシート65e〜65hは、図18(A)に示す外部電極62e〜62hに接続される。外部電極62a〜62hは、それぞれ誘電体の介在により絶縁されているので、図18(C)に示すように、7個のコンデンサのすべてに外部端子を付けた直列接続の静電容量素子60を製造することができる。
【0054】
図21は、図18に示した7個のコンデンサ66a〜66gを直列接続した静電容量素子60を製造する際の、8枚のグリーンシートの重ね合わせ方法の概略を示したものである。
図21に示すように、第1パターンGS65a、第1パターン180°回転GS65b、第2パターンGS65e、第2パターン180°回転GS65fの4枚のグリーンシートが順不同で積層される。この積層されたグリーンシートの上に白シート67cが配置され、この白シート67c上に、第2パターン裏返しGS65g、第2パターン180°回転&裏返しGS65h、第1パターン180°回転&裏返しGS65d、及び第1パターン裏返しGS65cの4枚のグリーンシートが順不同で積層される。このように2つのパターンを有する8枚のグリーンシートが積層された後は、その上部と下部に複数枚の白シート67a、67bが重ねて配置される。
【0055】
図18〜図21に示す静電容量素子60の製法に使われる基本パターングリーンシートの数(グリーンシートの種類数)Nは、“2”である。したがって、上述の式(2)式K=4N−1が適用されて、直列接続される単素子のコンデンサの数Kは、“7”となる。
【0056】
図22は、図18に示す静電容量素子60の製造方法の手順を示す工程図である。図13,図17の工程図と重複する部分もあるが、ここでは、最初から簡単に全工程について説明しておく。
まず、静電容量素子本体61の製造に用いられるグリーンシートを作製するため、所望の誘電体材料からなる誘電体シート64と、この誘電体シート64上に導電体電極を形成するための第1パターンと第2パターンの2種類のマスクを用意する(ステップS30)。
【0057】
次に、図13で述べたように、金属粉末をペースト状にした導電ペーストを準備し、この導電ペーストを、ステップS30で用意した第1パターンのマスクを介して誘電体シート64上に塗布する。これにより、誘電体シート64の一方の表面に、第1パターンの導電体電極63aが形成された第1パターンGS65a(図19A)が得られる(ステップS31)。次に、得られた第1パターンGS65aを180°回転して第1パターン180°回転GS65b(図19B)を得(ステップS32)、続いて、第1パターンGS65aを裏返して第1パターン裏返しGS65c(図19C)を得る(ステップS33)。また、第1パターン180°回転GS65bを裏返すことにより、第1パターン180°回転&裏返しGS65d(図19D)を得る(ステップS34)。
【0058】
続いて、所望の誘電体シート64と、ステップS30で用意した第2パターンを形成するためのマスクを用いて、この誘電体シート64に、金属粉末をペースト状にした導電ペーストを、第2パターン用のマスクを介して塗布する。これにより、誘電体シート64の一方の表面に、第2パターンの導電体電極63eが形成された第2パターンGS65e(図20E)を得る(ステップS35)。この第2パターンGS65eを、180°回転して第2パターン180°回転GS65f(図20F)を得(ステップS36)、以下第1パターンのときと同様に、第2パターン裏返しGS65g(図20G)、第2パターン180°回転&裏返しGS65h(図20H)を得る(ステップS37,S38)。
【0059】
次に、第1パターンGS65a(図19A)、第1パターン180°回転GS65b(図19B)、第2パターンGS65e(図20E)、及び第2パターン180°回転GS65f(図20F)を順不同に重ねた積層体を作製する(ステップS39)。
また、導電体のパターンが印刷されていない誘電体のみの白シート67cを用意し、その白シート67cの上に、第1パターン裏返しGS65c(図19C)、第1パターン180°回転&裏返しGS65d(図19D)、第2パターン裏返しGS65g(図20G)、及び第2パターン180°回転&裏返しGS65h(図20H)を順不同に重ねた積層体を作製する(ステップS40)。
【0060】
そして、ステップS39で作製した積層体の上に、ステップS40で作製した積層体を重ね、更に、その積層体の上部及び下部に複数枚の白シート67a、67bを重ねて、圧着及び焼成処理を行う(ステップS41)。最後に、ステップS41で作製した積層体に外部電極62a〜62hを印刷して焼成することにより、図18に示した7個のコンデンサ66a〜66gが直列接続された静電容量素子60を得る(ステップS42)。
【0061】
<3.本開示の第2の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法>
次に、図23〜26を参照して、本開示の第2の実施形態例の静電容量素子とその製造方法について説明する。
図23は、3個のコンデンサ76a〜76cが直列接続された静電容量素子70の外観図(A)と、点線X−X’で切断した時の断面図(B)及びその等価回路(C)を示している。外観図(A)から分かるように、この第2の実施形態例では、外部電極72a〜72dが直方体形状をした静電容量素子本体71の4側面の略同位置に存在している。
【0062】
これらの外部電極72a〜72dには、断面図(B)に示した導電体73a〜73dが接続され、その結果等価回路(C)に示すような、3個のコンデンサ76a〜76cと外部電極72a〜72dの接続関係が得られる。
【0063】
図24(A)〜(D)は、基本パターン(A)を有する4枚のグリーンシート75a〜75dを示している。図24で、コンデンサの電極を形成する導電体73a〜73dの部分は、誘電体74a〜74dの面積に対して、比較的小面積になっているが、この導電体73a〜73dの面積の大きさは、静電容量素子70が用いられる用途に応じて任意に決めることができるものである。例えば、静電容量素子70を通信用のカードに搭載して用いる場合には、図24(A)〜(D)に示すように、誘電体74a〜74dの面積に比べて、導電体73a〜73dの面積を小さくすることがより効果的であるとされている。
【0064】
図24(A)〜(D)を見ると分かるように、(B)、(C)、(D)は、(A)に示した基本パターンGS75aを、それぞれ90°回転、180°回転、270°回転したものである。この3枚のグリーンシート(GS)を、以下基本パターン90°回転GS75b、基本パターン180°回転GS75c、基本パターン270°回転GS75dとする。
ここで、基本パターンGS75a、基本パターン90°回転GS75b、基本パターン180°回転GS75c及び基本パターン270°回転GS75dを順不同で積層した場合には、グリーンシートの種類数N(=1,2,3・・・)と直列接続される単素子のコンデンサの数Kとの関係は、
K=4N−1 ・・・・・ (2)
が成立する。ここでは、N=1で、直列接続される単素子のコンデンサの数K=3となる。
【0065】
図25は、図23に示した3個のコンデンサ76a〜76cを直列接続した静電容量素子70を製造するために、上述した4枚のグリーンシート(GS)の重ね合わせる方法の概略を示したものである。すなわち、基本パターンGS75a、基本パターン90°回転GS75b、基本パターン180°回転GS75c、及び基本パターン270°回転GS75dを順不同に重ね、この上部と下部に複数枚の白シート77a、77bを積層する。
【0066】
図26は、図23に示す静電容量素子70の製造方法の手順を示す工程図である。ステップS50の誘電体シートと導電膜塗布用のマスクを用意する工程、及びステップS51の基本パターンGS75a(図24A)を作製するまでは、既に説明した方法と同じである。
次に、ステップS51で作製した基本パターンGS75aを90°回転し、基本パターン90°回転GS75b(図24B)を作製する(ステップS52)。続いて、基本パターンGS75aを180°回転して基本パターン180°回転GS75c(図24C)を作製し(ステップS53)、更に270°回転して基本パターン270°回転GS75d(図24D)を作製する(ステップS54)。
【0067】
そして、このようにして作製した4枚のグリーンシート(GS)を順不同で重ねた積層体を作り(ステップS55)、この積層体の上部と下部に複数枚の白シート77a、77bを積層して圧着及び焼成処理を行う(ステップS56)。最後にステップS56で作製した積層体に外部電極72a〜72dを印刷して焼成処理をすることにより静電容量素子70の製造が終了する(ステップS57)。
【0068】
[3−1 第1の変形例]
図27〜29を参照して、本開示の第2の実施形態例の静電容量素子の第1の変形例とその製造方法について説明する。
図27は、並列接続された2個のコンデンサ86a、86b、86cのそれぞれが3個直列に接続された静電容量素子80の外観図(A)と、点線X−X’で切断した時の断面図(B)及びその等価回路(C)と内部回路(D)を示したものである。この第1の変形例の外部電極82a〜82dは、図23の外部電極72a〜72dと同じものである。
【0069】
これらの外部電極82a〜82dには、断面図(B)に示した導電体83a〜83dが接続される。図28に示すように、導電体83a〜83dと誘電体シート84a〜84dで作成されるグリーンシート(GS)として、1枚の基本パターンGS85aと、2枚の基本パターン90°回転GS85bと、2枚の基本パターン180°回転GS85cと、2枚の基本パターン270°GS85dの7枚のグリーンシートが用意される。
【0070】
次に、図28を参照して、上述した7枚のグリーンシートの配置関係の一例を説明する。まず、中心に基本パターンGS85aを置く。その上部及び下部に、基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン270°回転GS85cをこの順番に重ねて配置する。これにより、1枚の基本パターンGS85aの上側と下側に、それぞれ3枚のグリーンシートが積層されることになる。更に、このように重ねた7枚のグリーンシートの上部と下部に複数枚の白シート87a、87bを積層する。
【0071】
このように7枚のグリーンシートを積層することにより、1枚の基本パターンGS75aと2枚の基本パターン180°回転GS85cにより、2個のコンデンサ86aが作製され、2枚の基本パターン180°回転GS85cと2枚の基本パターン90°回転GS85bにより2個のコンデンサ86bが作製される。そして、2枚の基本パターン90°回転GS85bと2枚の基本パターン270°回転GS85dから2個のコンデンサ86cが作製される。そして、各グリーンシート85a〜85dの導電体83a〜83dを外部電極82a〜82dに接続することにより、内部回路(D)に示すように、6個のコンデンサ(86a、86b、86cがそれぞれ2個)が積層された静電容量素子80が得られる。
【0072】
図29は、静電容量素子80の具体的な製造工程を示す工程図である。ステップS50〜ステップS54までは、図26に示した静電容量素子70の製造工程と同じなので、説明は省略する。
ステップS51〜S54で生成した4つのグリーンシートが作製された後は、基本パターンGS85aの上部に基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン270°回転GS85dをこの順番に重ねて積層体を生成する(ステップS58)。そして、ステップS58で作製した積層体の下部に基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン270°回転GS85dをこの順番で重ねて積層体とする(ステップS59)。すなわち、図28に示したように、基本パターンGS85aを共通のグリーンシートとして、その上下に、基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン270°回転GS85dが順番に配置された7枚のグリーンシートが積層された積層体が得られる。
【0073】
続いて、ステップS59で作製した7枚のグリーンシートの積層体の上部及び下部に複数の白シート87aと87bを重ねて圧着及び焼成処理を行い(ステップS60)、最後に外部電極82a〜82dを印刷及び焼成処理して、静電容量素子80の製造工程が終了する(ステップS61)。
【0074】
[3−2 第2の変形例]
次に、図30〜32を参照して、本開示の第2の実施形態例の静電容量素子の第2の変形例とその製造方法について説明する。
図30に示す第2の変形例が図27に示す第1の変形例と異なるところは、X−X’で切断した断面図(B)のみである。つまり、図27に示す静電容量素子80は、図27(B)に示すように導電体が7個(83aが1個、83b〜83dがそれぞれ2個)であるのに対し、図30の静電容量素子80Aでは、導電体は8個(83a〜83dがそれぞれ2個ずつ)設けられている。
【0075】
図31は、上述した8個の導電体が塗布された8枚のグリーンシートの配置関係の例を示したものである。中心部分に基本パターンGS85aが2枚重ねて配置される。この基本パターンGS85aの導電体電極83aは、外部電極82aに接続される電極である。基本パターンGS85aの上部及び下部に、基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン270°回転GS85cの3枚のグリーンシートを重ねた4枚のグリーンシートからなる積層体を2個作製する。更に、このように重ねた2個の積層体の上部と下部に複数枚の白シート87a、87bを重ねて配置する。
【0076】
このように8枚のグリーンシートを積層した場合でも、図28の場合と同様に、2枚の基本パターンGS85aと2枚の基本パターン180°回転GS85cにより、2個のコンデンサ86aが作製され、2枚の基本パターン180°回転GS85cと2枚の基本パターン90°回転GS85bにより2個のコンデンサ86bが作製される。そして、2枚の基本パターン90°回転GS85bと2枚の基本パターン270°回転GS85dから2個のコンデンサ86cが作製される。これにより、図30の内部回路(D)に示すように、6個のコンデンサ(86a、86b、86cがそれぞれ2個)が積層された静電容量素子80Aが得られる。
【0077】
図32は、静電容量素子80Aの具体的な製造工程を示す工程図である。ステップS50〜ステップS54までは、図28に示した静電容量素子80の製造工程と同じである。
まず、1枚の基本パターンGS85aの上部に基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン270°回転GS85cの3枚のグリーンシートを配置して積層体を形成する(ステップS63)。一方、別の1枚の基本パターンGS85aの下部に基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン270°回転GS85dの3枚のグリーンシートを配置して積層体を形成する(ステップS64)。
【0078】
そして、ステップS63、S64で作製された積層体を重ね(ステップS65)、更にその上部と下部に複数枚の白シート87a、87bを積層して、圧着及び焼成処理を行う(ステップS66)。最後に、ステップS66で作製した積層体に外部電極82a〜82d(図30(A)参照)の印刷と焼成処理を行って静電容量素子80Aの製造が終了する(ステップS67)。
【0079】
[3−3 第3の変形例]
次に、図33〜35を参照して、本開示の第2の実施形態例の静電容量素子の第3の変形例とその製造方法について説明する。
図33に示す第3の変形例(静電容量素子80B)が、図27に示す第1の変形例や、図30に第2の変形例と異なるところは、内部回路(D)に示すように3個並列にしたコンデンサ86a、86b、86cを3個直列に接続している点である。このため、第3の変形例では、図33(B)に示すように、電極を形成する導電体を10個(83a、83dをそれぞれ2個、83b、83cをそれぞれ3個)設けている。
【0080】
図34は、図33の静電容量素子80Bを構成する10枚のグリーンシート(GS)の重ね合わせ方法を示すものである。基本パターンGS85aと基本パターン270°回転GS85dが2枚、基本パターン90°回転GS85bと基本パターン180°回転GS85cが3枚の合計10枚のグリーンシートが用いられる。そして、2枚の基本パターンGS85aの上部に基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン270°回転GS85cのグリーンシートをこの順番に重ねて配置した積層体2個を生成する。
【0081】
この2個の同じ積層体の間に、基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85bを挟み込むと、上部に配置された積層体の基本パターンGS85aと下部に配置された積層体の基本パターン270°回転GS85dを共通に使うことにより、基本パターンGS85a、基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン°回転GS85cの積層体がもう1個できる。このように積層された3個の積層体のそれぞれは、コンデンサ86a〜86cを直列接続したものとなっており、この3個の積層体を構成するグリーンシートが外部電極82a〜82dに接続されると、図33の内部回路(D)に示されるようなコンデンサ86a〜86cが3個並列に接続されたものが3個直列に接続されたコンデンサ回路の構成が実現する。また、図31と同様に、このように重ねた10枚のグリーンシートの上部と下部には、複数枚の白シート87a、87bが積層される。
【0082】
更に、具体的に説明すると、2枚の基本パターンGS85aと3枚の基本パターン180°回転GS85cにより、3個のコンデンサ86aが作製され、3枚の基本パターン180°回転GS85cと3枚の基本パターン90°回転GS85bにより3個のコンデンサ86bが作製される。そして、3枚の基本パターン90°回転GS85bと2枚の基本パターン270°回転GS85dから3個のコンデンサ86cが作製される。これにより、図33の内部回路(D)に示すように、並列接続された3個のコンデンサが3個直列接続された9個のコンデンサ(86a、86b、86cがそれぞれ3個)が積層された静電容量素子80Bが得られる。
【0083】
図35は、静電容量素子80Bの具体的な製造工程を示す工程図である。ステップS50〜ステップS54までは、図30に示した静電容量素子80Aの製造工程と同じである。
ステップS54までの処理が終えた後に、基本パターンGS85aの上部に基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、及び基本パターン270°回転GS85dを積層した積層体を2個作製する(ステップS68)。そして、ステップS68で作製した2個の積層体の間に、基本パターン90°回転GS85bと基本パターン180°回転GS85cの積層体を挿入する(ステップS69)。
【0084】
そして、ステップS69で作製された積層体の上部と下部に複数枚の白シート87a、87bを積層して、圧着及び焼成処理を行い(ステップS70)、最後に外部電極82a〜82d(図33(A)参照)を印刷・焼成処理することにより、静電容量素子80Bが製造される(ステップS71)。
【0085】
[3−4 第4の変形例]
次に、図36〜38を参照して、本開示の第2の実施形態例の静電容量素子の第4の変形例とその製造方法について説明する。
図36に示す第4の変形例である静電容量素子80Cと、図33に示す静電容量素子80Bは、その外観図(A)、内部回路(D)ともに同一であり、異なる点はX−X’断面図(B)に示される導電体電極83a〜83dの数のみである。すなわち、図33(B)では、上述のように、導電体電極は10個(83a、83dをそれぞれ2個、83b、83cをそれぞれ3個)であるのに対し、図36(B)では12個の導電体電極(83a〜83dのそれぞれが3個ずつ)を備えている。
【0086】
図37は、図36の静電容量素子80Cを構成する12枚のグリーンシート(GS)の重ね合わせ方法を示すものである。図37に示すように、基本パターンGS85aの上部に、基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン270°回転GS85cの3枚のグリーンシートがこの順番に重ねて配置された積層体が2個作製される。また、別の1枚の基本パターンGS85aの下部に、基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、基本パターン270°回転GS85dを積層した積層体が1個作製される。そして、これら3つの積層体を重ね、更にその上部と下部に複数の白シート87a、87bを重ねた構造とする。
【0087】
これら3個の積層体の各々は、図36の内部回路(D)に示す、3つのコンデンサ86a〜86cが直列接続されたものであり、これが外部電極82a〜82dに接続されることで、それぞれの積層体の対応するコンデンサが並列接続される。その結果、内部回路(D)に示されるように、3並列3直列のコンデンサを有する静電容量素子80Cが作製されることになる。
【0088】
図37と図34とが異なる点は、図34では基本パターンGS85aと基本パターン270°回転GS85dが2枚であるのに対して、図37ではいずれのグリーンシートも3枚用いている点であった。したがって、図37においては、3枚の基本パターンGS85aと3枚の基本パターン180°回転GS85cにより、3個のコンデンサ86aが作製され、3枚の基本パターン180°回転GS85cと3枚の基本パターン90°回転GS85bにより3個のコンデンサ86bが作製される。そして、3枚の基本パターン90°回転GS85bと3枚の基本パターン270°回転GS85dから3個のコンデンサ86cが作製される。これにより、図36の内部回路(D)に示すように、並列接続された3個のコンデンサが3個直列接続された9個のコンデンサ(86a、86b、86cがそれぞれ3個)が積層された静電容量素子80Cが得られる。
【0089】
図38は、静電容量素子80Cの具体的な製造工程を示す工程図である。ステップS50〜ステップS54までは、第1から第3の変形例(図29、図32、図35参照)の静電容量素子80,80A、80Bの製造工程と同じである。
その後、ステップS51で作製した基本パターンGS85aを2枚用意し、その基本パターンGS85aそれぞれの上部に基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、及び基本パターン°回転GS85dを重ねた積層体を2個作製する(ステップS72)。更に、別の基本パターンGS85aを1枚用意し、この基本パターンGS85aの下部に基本パターン180°回転GS85c、基本パターン90°回転GS85b、及び基本パターン270°回転GS85dを順番に重ねた積層体を1個作製する(ステップS73)。
【0090】
そして、ステップS72で作製した2個の積層体の間に、ステップS73で作製した1個の積層体を挿入し、グリーンシート12枚を積層した積層体を作製する(ステップS74)。そして、ステップS74で作製された積層体の上部と下部に複数枚の白シート87a、87bを配置して、圧着及び焼成処理を行い(ステップS75)、最後に外部電極82a〜82d(図36(A)参照)を印刷して焼成処理することにより、静電容量素子80Cが完成する(ステップS76)。
【0091】
<4.本開示の第3の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法>
次に、図39〜42を参照して、本開示の第3の実施形態例に係る静電容量素子の製造方法について説明する。
図39は、7個のコンデンサ96a〜96gが直列接続された静電容量素子90の外観図(A)、X−X’断面図(B)及びその等価回路(C)を示している。外観図(A)から分かるように、この第3の実施形態例では、外部電極92a〜92hが直方体形状をした静電容量素子本体91の4つの側面に2個ずつ並んで配置されている。
【0092】
これらの外部電極92a〜92hには、断面図(B)に示した導電体93a〜93hが接続され、その結果、等価回路(C)に示すように、7個のコンデンサ96a〜96gが直列に接続されて静電容量素子90が得られる。
【0093】
この第3の実施形態例に用いられる、8個の導電体(電極)が塗布されたグリーンシート(図39B参照)うち、4枚のグリーンシートは、既に、図24(A)〜(D)に示したグリーンシートと同じものである。図24では、基本パターン(A)を有する4枚のグリーンシート75a〜75dとして示したが、第3の実施形態例では、この同じグリーンシートをグリーンシート95a〜95dとして示すこととする。
【0094】
第3の実施形態例の静電容量素子90では、図24(A)〜(D)に示した4枚のグリーンシートに加えて、更に、図40(E)〜(H)に示した4枚のグリーンシート95e〜95hが用いられる。このグリーンシート95e〜95hは、図24(A)〜(D)に示したグリーンシート75a〜75d(これ以降は、「95a〜95d」とする)を裏返したものである。
【0095】
つまり、静電容量素子90を製造するためには、基本パターンGSとこれを回転(90°、180°、270°回転)した4枚のグリーンシートの他に、これら4枚のグリーンシートを裏返して作製した、更に4枚のグリーンシートが用いられる。この結果、グリーンシートの種類数N(=1,2,3・・・)と直列接続される単素子のコンデンサの数Kとの関係は、
K=8N―1 ・・・・・ (3)
が成立する。すなわち、N=1に対して、K=7となるので、図39(C)の等価回路に示すように、1個の基本パターンのグリーンシートだけで、7個の単素子のコンデンサの直列接続構造が得られる。
図39では、外部電極92a〜92hが8個なので、直列接続される単素子のコンデンサは7個が限度であるが、外部電極を16にして、電極を形成するパターンNを“2”とすれば、単素子のコンデンサ15個を直列接続した静電容量素子が得られることは言うまでもない。
【0096】
以下、図40(E)〜(H)に示すグリーンシートを、基本パターン裏返しGS95e、基本パターン90°回転&裏返しGS95f、基本パターン180°回転&裏返しGS95g、及び基本パターン270°回転&裏返しGS95hと呼ぶ。
【0097】
図41は、図39に示した7個のコンデンサ96a〜96gを直列接続した静電容量素子90を製造するために、上述8枚のグリーンシート(GS)を重ね合わせる方法の例を示したものである。すなわち、基本パターンGS95a、基本パターン90°回転GS95b、基本パターン180°回転GS95c、及び基本パターン270°回転95dを順不同に積層する。そして、この積層したグリーンシートの上に、1枚の白シート97cを配置し、更にその上部に基本パターン裏返しGS95e、基本パターン90°回転&裏返しGS95f、基本パターン180°回転&裏返しGS95g、及び基本パターン270°回転&裏返しGS95hを順不同に積層する。そして、このように積層した8枚のグリーンシートの上部と下部に補強用として複数枚の白シート97a、97bを積層し、全体を圧着及び焼成処理を行う。
【0098】
図42は、静電容量素子90の具体的な製造工程を示す工程図である。ステップS50〜ステップS54までは、図26の第2の実施形態例に係る静電容量素子70の製造方法のところで説明した工程と同じである。
つまり、ステップS51〜S54では、基本パターンGS95aを作製した後に、この基本パターンGS95aを90°回転した基本パターン90°回転GS95b、180°回転した基本パターン180°回転GS95c及び270°回転した基本パターン270°回転GS95dを作製する。
【0099】
次に、基本パターンGS95aを裏返したグリーンシートである基本パターン裏返しGS95e、基本パターン180°回転GS95cを裏返した基本パターン180°回転GS&裏返しGS95f、基本パターン270°回転GS95dを裏返した基本パターン270°回転GS&裏返しGS95hを作製する(ステップS80〜S83)。
【0100】
その後、このように作製した8種類のグリーンシートの中から、まず基本パターンGS95aを取り出し、その上に基本パターン180°回転GS95c、基本パターン90°回転GS95b、及び基本パターン270°回転GS95dを順不同に重ねた積層体を作製する(ステップS84)。続いて、ステップS84で作製した積層体の上に1枚の白シート97cを重ねて配置する(ステップS85)。
【0101】
次に、ステップS85で配置した白シート97cの上部に、基本パターン270°回転&裏返しGS95h、基本パターン90°回転&裏返しGS95f、基本パターン180°回転&裏返しGS95g、及び基本パターン裏返しGS95eを順不同に重ねた積層体を作製する(ステップS86)。そして、この様に積層した8枚のグリーンシートの上部と下部に複数枚の白シート97a、97bを配置して、圧着及び焼成処理を行う(ステップS87)。最後に外部電極92a〜92h(図39(A)参照)を印刷し、焼成処理することにより、静電容量素子90が製造される(ステップS88)。
【0102】
以上説明した本開示の実施形態例では、コンデンサの数、あるいはその接続形態の違いも考慮しつつ、多種類の静電容量素子の製造方法について説明した。しかし、本開示の静電容量素子の製造方法は、上述した静電容量素子の実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載を逸脱しない範囲において、他の応用例、変形例も含むことは言うまでもない。また、本明細書に開示した静電容量素子の製造方法は、誘電体シートに導電体膜を塗布して作製したグリーンシートを積層することを主眼としており、そのような積層体の製造方法であれば、静電容量素子以外にも幅広い用途が考えられるものである。
【0103】
なお、本開示は以下のような構成も取ることができる。
(1)
導電体が塗布されない誘電体シートと、該誘電体シートに導電体塗布用の少なくとも1個の基本パターン形状を有するマスクを用意する工程と、
前記誘電体シート上に前記マスクを介して導電体を塗布して基本パターングリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシートを回転した基本パターン回転グリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシート及び前記基本パターン回転グリーンシートを積層する工程と、
前記基本パターングリーンシート、または前記基本パターン回転グリーンシートのうち、少なくとも一つのグリーンシートを裏返して、前記基本パターングリーンシートまたは前記回転グリーンシートとは異なる基本パターン裏返しグリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシート及び前記基本パターン回転グリーンシートを積層した積層体に、導電体が塗布されていない誘電体シートを介して前記基本パターン裏返しグリーンシートを積層する工程と、
前記基本パターングリーンシート、前記基本パターン回転グリーンシート、前記誘電体シート及び前記基本パターン裏返しグリーンシートの積層体を圧着及び焼成処理する工程と、
を含む静電容量素子の製造方法。
(2)
更に、前記基本パターングリーンシート、前記基本パターン回転グリーンシート、前記誘電体シート及び前記基本パターン裏返しグリーンシートの積層体の上部及び下部に、導電体が塗布されていない補強用の誘電体シートを積層する工程、を含む(1)に記載の静電容量素子の製造方法。
(3)
更に、前記基本パターングリーンシート、前記基本パターン回転グリーンシート、前記誘電体シート、及び前記基本パターン裏返しグリーンシートの積層体の側面に、外部電極を印刷して焼成処理を行う工程、を含む(1)または(2)に記載の静電容量素子の製造方法。
(4)
前記基本パターン回転グリーンシートは、前記基本パターングリーンシートを180°回転した基本パターン180°回転グリーンシートである、(1)〜(4)のいずれかに記載の静電容量素子の製造方法。
(5)
前記基本パターン裏返しグリーンシートは前記基本パターングリーンシートと前記基本パターン180°回転パターングリーンシートのいずれかあるいは両方を裏返して作製される基本パターン裏返しグリーンシート及び/または基本パターン180°回転&裏返しグリーンシートである、(4)に記載の静電容量素子の製造方法。
(6)
前記基本パターングリーンシートを作製するための異なる基本パターンのマスクを2個用意し、2種の基本パターングリーンシート、前記基本パターングリーンシートを180°回転した2種の基本パターン180°回転グリーンシート、2種の前記基本パターングリーンシート及び2種の前記基本パターン180°回転グリーンシートのそれぞれを裏返して前記基本パターン裏返しグリーンシート及び/または基本パターン180°回転&裏返しグリーンシートを作製する、(1)〜(4)のいずれかに記載の静電容量素子の製造方法。
(7)
前記基本パターン回転グリーンシートは、前記基本パターングリーンシートを90°回転した基本パターン90°回転グリーンシート、前記基本パターングリーンシートを180°回転した基本パターン180°回転グリーンシート、及び前記基本パターングリーンシートを270°回転した基本パターン270°回転グリーンシートの3種類であり、
前記裏返しグリーンシートは、前記基本パターングリーンシート及び3種類の前記基本パターン回転グリーンシートを裏返した基本パターン裏返しグリーンシート、前記基本パターン90°回転グリーンシートを裏返した基本パターン90°回転&裏返しグリーンシート、前記基本パターン180°回転グリーンシートを裏返した基本パターン180°回転&裏返しグリーンシート、及び前記基本パターン270°回転グリーンシートを裏返した基本パターン270°回転&裏返しグリーンシートの4種類であり、
前記積層されるグリーンシートは、前記基本パターングリーンシート、前記基本パターン90°回転グリーンシート、前記基本パターン180°回転グリーンシート、前記基本パターン270°回転グリーンシート、前記基本パターン裏返しグリーンシート、前記基本パターン90°回転&裏返しグリーンシート、前記基本パターン180°回転&裏返しグリーンシート、及び前記基本パターン270°回転&裏返しグリーンシートの8枚と導電体が塗布されていない誘電体シートからなる、(1)〜(3)のいずれかに記載の静電容量素子の製造方法。
(8)
誘電体シート及び該誘電体シートに導電体塗布用の所定のパターン形状を有するマスクを用意する工程と、
前記誘電体シート上に前記マスクを介して導電体を塗布して基本パターングリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシートを90°回転して基本パターン90°回転グリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシートを180°回転して基本パターン180°回転グリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシートを270°回転して基本パターン270°回転グリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシート、前記基本パターン90°回転グリーンシート、前記基本パターン180°回転グリーンシート、及び前記基本パターン270°回転グリーンシートを積層する工程と、
前記積層される4個のグリーンシートの上部及び下部に導電体が塗布されていない誘電体シートである補強用白シートを積層して圧着及び焼成処理を行う工程と、
を含む静電容量素子の製造方法。
【符号の説明】
【0104】
10、20、30、40、50、60,70,80、80A〜80C、90・・・静電容量素子、11、21、31、41、51、61,71,81、91・・・静電容量素子本体、12、22、32、42、52、62,72,82、92・・・外部電極、13、23、33、43、53、63,73,83、93・・・導電体(電極)、14、24、34、44、54、64,74,84、94・・・誘電体シート、15、25、35、45、55、65,75,85、95・・・グリーンシート(GS)、16、26、36、46、56、66,76,86、96・・・コンデンサ、17、27、37、47、57、67,77,87、97・・・白シート(誘電体シート)、



【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電体が塗布されない誘電体シートと、該誘電体シートに導電体塗布用の少なくとも1個の基本パターン形状を有するマスクを用意する工程と、
前記誘電体シート上に前記マスクを介して導電体を塗布して基本パターングリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシートを回転した基本パターン回転グリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシート及び前記基本パターン回転グリーンシートを積層する工程と、
前記基本パターングリーンシート、または前記基本パターン回転グリーンシートのうち、少なくとも一つのグリーンシートを裏返して、前記基本パターングリーンシートまたは前記回転グリーンシートとは異なる基本パターン裏返しグリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシート及び前記基本パターン回転グリーンシートを積層した積層体に、導電体が塗布されていない誘電体シートを介して前記基本パターン裏返しグリーンシートを積層する工程と、
前記基本パターングリーンシート、前記基本パターン回転グリーンシート、前記誘電体シート及び前記基本パターン裏返しグリーンシートの積層体を圧着及び焼成処理する工程と、
を含む静電容量素子の製造方法。
【請求項2】
更に、前記基本パターングリーンシート、前記基本パターン回転グリーンシート、前記誘電体シート及び前記基本パターン裏返しグリーンシートの積層体の上部及び下部に、導電体が塗布されていない補強用の誘電体シートを積層する工程、
を含む請求項1に記載の静電容量素子の製造方法。
【請求項3】
更に、前記基本パターングリーンシート、前記基本パターン回転グリーンシート、前記誘電体シート、及び前記基本パターン裏返しグリーンシートの積層体の側面に、外部電極を印刷して焼成処理を行う工程、
を含む請求項1に記載の静電容量素子の製造方法。
【請求項4】
前記基本パターン回転グリーンシートは、前記基本パターングリーンシートを180°回転した基本パターン180°回転グリーンシートである、請求項1に記載の静電容量素子の製造方法。
【請求項5】
前記基本パターン裏返しグリーンシートは前記基本パターングリーンシートと前記基本パターン180°回転パターングリーンシートのいずれかあるいは両方を裏返して作製される基本パターン裏返しグリーンシート及び/または基本パターン180°回転&裏返しグリーンシートである、請求項1に記載の静電容量素子の製造方法。
【請求項6】
前記基本パターングリーンシートを作製するための異なる基本パターンのマスクを2個用意し、2種の基本パターングリーンシート、前記基本パターングリーンシートを180°回転した2種の基本パターン180°回転グリーンシート、2種の前記基本パターングリーンシート及び2種の前記基本パターン180°回転グリーンシートのそれぞれを裏返して前記基本パターン裏返しグリーンシート及び/または基本パターン180°回転&裏返しグリーンシートを作製する、請求項1に記載の静電容量素子の製造方法。
【請求項7】
前記基本パターン回転グリーンシートは、前記基本パターングリーンシートを90°回転した基本パターン90°回転グリーンシート、前記基本パターングリーンシートを180°回転した基本パターン180°回転グリーンシート、及び前記基本パターングリーンシートを270°回転した基本パターン270°回転グリーンシートの3種類であり、
前記裏返しグリーンシートは、前記基本パターングリーンシート及び3種類の前記基本パターン回転グリーンシートを裏返した基本パターン裏返しグリーンシート、前記基本パターン90°回転グリーンシートを裏返した基本パターン90°回転&裏返しグリーンシート、前記基本パターン180°回転グリーンシートを裏返した基本パターン180°回転&裏返しグリーンシート、及び前記基本パターン270°回転グリーンシートを裏返した基本パターン270°回転&裏返しグリーンシートの4種類であり、
前記積層されるグリーンシートは、前記基本パターングリーンシート、前記基本パターン90°回転グリーンシート、前記基本パターン180°回転グリーンシート、前記基本パターン270°回転グリーンシート、前記基本パターン裏返しグリーンシート、前記基本パターン90°回転&裏返しグリーンシート、前記基本パターン180°回転&裏返しグリーンシート、及び前記基本パターン270°回転&裏返しグリーンシートの8枚と導電体が塗布されていない誘電体シートからなる、
請求項1に記載の静電容量素子の製造方法。
【請求項8】
誘電体シート及び該誘電体シートに導電体塗布用の所定のパターン形状を有するマスクを用意する工程と、
前記誘電体シート上に前記マスクを介して導電体を塗布して基本パターングリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシートを90°回転して基本パターン90°回転グリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシートを180°回転して基本パターン180°回転グリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシートを270°回転して基本パターン270°回転グリーンシートを作製する工程と、
前記基本パターングリーンシート、前記基本パターン90°回転グリーンシート、前記基本パターン180°回転グリーンシート、及び前記基本パターン270°回転グリーンシートを積層する工程と、
前記積層される4個のグリーンシートの上部及び下部に導電体が塗布されていない誘電体シートである補強用白シートを積層して圧着及び焼成処理を行う工程と、
を含む静電容量素子の製造方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【公開番号】特開2013−89870(P2013−89870A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−230919(P2011−230919)
【出願日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】