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非イオン性界面活性剤の定量方法
説明

非イオン性界面活性剤の定量方法

【課題】 本発明は、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の組成比を定量することが可能な非イオン性界面活性剤の定量方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 非イオン性界面活性剤の定量方法は、質量分析法を用いて、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の質量スペクトルを測定し、測定された質量スペクトルの試料に含まれる非イオン性界面活性剤のピークの強度比から試料に含まれる非イオン性界面活性剤の組成比を定量する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非イオン性界面活性剤の定量方法に関する。
【背景技術】
【0002】
洗浄料を始めとする化粧料は、非イオン性界面活性剤を含有するものがあるが、非イオン性界面活性剤を定量することは、化粧料の品質を確認する上でも重要である。
【0003】
従来、非イオン性界面活性剤を定量する方法としては、液体クロマトグラフィー、NMR等が用いられてきた。しかしながら、液体クロマトグラフィーは、UV吸収を有さない非イオン性界面活性剤を測定する場合に、定量性が低下するという問題がある。また、NMRは、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の組成比を定量する場合に、ピークが重なって定量できない場合があるという問題がある。
【0004】
そこで、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOFMS)を用いて、非イオン性界面活性剤を定量する方法が知られている(非特許文献1参照)。しかしながら、非特許文献1に開示されているのは、単一の非イオン性界面活性剤を含有する組成物に内部標準物質を添加することにより、非イオン性界面活性剤を定量する方法である。
【非特許文献1】Rapid commun. Mass Spectrom.,(Rapid Communications in Mass Spectrometry),Volume:13,Issue:4,Page(s):251−255(1999)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の組成比を定量することが可能な非イオン性界面活性剤の定量方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、非イオン性界面活性剤の定量方法において、質量分析法を用いて、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の質量スペクトルを測定し、前記測定された質量スペクトルの前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤のピークの強度比から前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤の組成比を定量することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、質量分析法を用いて、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の質量スペクトルを測定し、前記測定された質量スペクトルの前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤のピークの強度比から前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤の組成比を定量するので、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の組成比を定量することが可能な非イオン性界面活性剤の定量方法を提供することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の非イオン性界面活性剤の定量方法において、前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン基及びポリオキシプロピレン基の少なくとも一方を有することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン基及びポリオキシプロピレン基の少なくとも一方を有するので、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の組成比を定量することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の非イオン性界面活性剤の定量方法において、前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤の分子量は、500以上4000以下であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤の分子量は、500以上4000以下であるので、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の組成比を定量することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非イオン性界面活性剤の定量方法において、質量分析法を用いて、二種類の非イオン性界面活性剤の含有量が既知である複数の標準試料の質量スペクトルを測定し、前記測定された標準試料の質量スペクトルの前記標準試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤のピークの強度比と、前記標準試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤の組成比との関係を求めることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、質量分析法を用いて、二種類の非イオン性界面活性剤の含有量が既知である複数の標準試料の質量スペクトルを測定し、前記測定された標準試料の質量スペクトルの前記標準試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤のピークの強度比と、前記標準試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤の組成比との関係を求めるので、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の組成比を定量することができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の非イオン性界面活性剤の定量方法において、前記標準試料は、前記標準試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤と異なる非イオン性界面活性剤をさらに含有することを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、前記標準試料は、前記標準試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤と異なる非イオン性界面活性剤をさらに含有するので、相溶性が低い二種類の非イオン性界面活性剤を相溶化させることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の非イオン性界面活性剤の定量方法において、前記質量分析法は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法であることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、前記質量分析法は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法であるので、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の組成比を定量することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の組成比を定量することが可能な非イオン性界面活性剤の定量方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
次に、本発明を実施するための最良の形態を図面と共に説明する。
【0020】
本発明の非イオン性界面活性剤の定量方法は、質量分析法を用いて、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の質量スペクトルを測定し、質量スペクトルの非イオン性界面活性剤のピークの強度比から非イオン性界面活性剤の組成比を定量する。
【0021】
本発明において、定量の対象となる非イオン性界面活性剤の具体例としては、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンジオレート、POEソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、ブルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE脂肪酸アミド等が挙げられる。ここで、POE及びPOPは、それぞれポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンの略称である。このように、ポリオキシエチレン基及びポリオキシプロピレン基の少なくとも一方を有する非イオン性界面活性剤を定量することができる。
【0022】
本発明においては、分子量が500以上4000以下である非イオン性界面活性剤を定量することができる。分子量が500より小さいと、検出不可能な場合があり、分子量が4000より大きいと定量性が低下する。
【0023】
質量分析法とは、試料導入部、イオン化部、質量分離部及び検出部を有する質量分析装置を用いて、主に試料の分子量を分析する方法である。具体的には、試料をイオン化部でイオン化し、発生したイオンを質量分離部で質量電荷比に従って分離し、検出部で検出する。質量分析装置内は、ターボ分子ポンプ又は油拡散ポンプにより、高真空に維持されているため、イオン化部から発生したイオンは、他の気体分子との相互作用により散乱されたり断片化されたりせずに、イオン検出部に到達する。検出部に到達したイオンは、増幅された後、電気信号に変換され、スペクトルとしてデータ処理される。
【0024】
試料をイオン化する法は、特に限定されるものではないが、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)法、レーザー脱離(LD)法、高速原子衝撃(FAB)法、液体二次イオン質量分析(LSIMS)法、液体イオン化(LI)、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法、大気圧化学イオン化(APCI)法等が挙げられる。このうち、LD法は、マトリックスを使用しないため、試料が照射されるレーザー光を吸収し、イオン化される必要がある。一方、MALDI法では、マトリックスが照射されるレーザー光を吸収するため、レーザー光の波長に則して、マトリックスを選択する必要がある。したがって、マトリックスがレーザー光を吸収すれば、試料がレーザー光を吸収する必要がないため、レーザー光を吸収しない試料をイオン化することができる。このため、試料をイオン化する際には、MALDI法を用いることが好ましい。
【0025】
波長が266nmであるNd−YAG第4高周波を吸収するマトリックスとしては、ニコチン酸、2−ピラジンカルボン酸等が挙げられる。また、波長が337nmであるパルス窒素レーザーや波長が355nmであるNd−YAG第3高周波を吸収するマトリックスとしては、シナピン酸(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸)(SA)、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸(CHCA)、フェルラ酸(FA)、3−ヒドロキシピコリン酸(HPA)、2,5−ジヒドロキシ安息香酸(DHB)、5−メトキシサリチル酸、ジアミノナフタレン、2−(4−ヒドロキシフェニルアゾ)安息香酸、ジスラノール、2,4,6−トリヒドロキシアセトフェノン(THAP)等が挙げられる。さらに、波長が2.94μmである二酸化炭素レーザーを吸収するマトリックスとしては、コハク酸、5−(トリフルオロメチル)ウラシル、グリセリン等が挙げられる。
【0026】
レーザーとしては、波長が337nmであるパルス窒素レーザーを用いることが好ましく、試料を急速に加熱するために、分解を抑制してイオン化することが可能である。このようなパルスイオン化は、熱イオン化の一種である。
【0027】
MALDI法を用いて試料(M)をイオン化する場合には、一般的に、マトリックスと試料を溶解させた溶液を乾燥させることにより得られる結晶にパルスレーザーを照射する。これにより、[M]、[M+H]、[M+Na]、[M+K]等の試料由来のイオン及びマトリックス由来のイオンが脱離する。
【0028】
質量分離部では、イオン化部において脱離したイオンを、電磁気的相互作用を利用して質量電荷比の違いにより分離する。質量分離部としては、飛行時間型(TOF)、四重極イオントラップ飛行時間型(QIT−TOF)、四重極型、イオントラップ型、磁場型、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型(FT−ICR)等が挙げられるが、TOFが好ましい。
【0029】
飛行時間型質量分析法(TOFMS)は、イオン化部で発生したイオンが真空分析管を通過するのに要する飛行時間がイオンの質量電荷比の違いで異なることを利用して質量分析する方法である。
【0030】
本発明において、質量分析法としては、MALDI法とTOFMSを組み合わせたマトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法(MALDI−TOFMS)を用いることが好ましい。
【0031】
本発明においては、MALDI−TOFMSを用いて、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の質量スペクトルを測定するために、試料をマトリックス及びナトリウム塩と混合することが好ましい。これにより、試料由来のイオンを、[M+Na]のみにすることができ、定量性が向上する。具体的には、マトリックスと、試料と、ナトリウム塩を溶解させた溶液を乾燥させる方法が挙げられる。これにより、マトリックスの結晶内に試料及びナトリウム塩が混合している状態を形成することができる。なお、マトリックスの結晶状態、三次元形態、試料及びナトリウム塩の濃度を適宜調整することにより、S/N比を向上させることができる。
【0032】
本発明において、ナトリウム塩としては、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム等が挙げられる。
【0033】
図1、2及び3に、MALDI−TOFMSを用いて測定した、ポリエチレングリコール(PEG)の質量スペクトルを示す。なお、図1、2及び3は、数平均分子量がそれぞれ2000、3000及び4000であるPEGの質量スペクトルである。なお、ピークにおける質量電荷比は、ナトリウムイオンが付加した値として、検出される。ここで、各試料は、分子量分布を有するため、複数のピークが現れる。また、ピーク間の質量電荷比の間隔は、オキシエチレン基1モル当たりの質量44.05に相当する。
【0034】
本発明において、非イオン性界面活性剤の定量方法としては、以下のような手順が挙げられる。まず、試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤の含有量が既知である複数の標準試料を作製し、質量スペクトルを測定する。得られた質量スペクトルから、二種類の非イオン界面活性剤のピーク強度比と、組成比の関係(検量線)を求める。なお、定量の対象となる非イオン性界面活性剤が三種類以上である場合には、二種類の非イオン性界面活性剤の組み合わせを換えた標準試料を、さらに作製し、上記と同様に、検量線を作成する。次に、試料の質量スペクトルを測定し、試料に含まれる非イオン界面活性剤のピーク強度比を求める。得られたピーク強度比と、検量線を用いて、非イオン性界面活性剤の組成比を定量する。このとき、非イオン性界面活性剤の定量に用いる質量スペクトルのピークとしては、特に限定されないが、強度が最大であるピークを用いることが好ましい。これにより、定量性が向上する。
【0035】
また、標準試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤の相溶性が低い場合は、標準試料中の二種類の非イオン性界面活性剤の分布が不均一になるため、良好な検量線の作成が困難となり、非イオン性界面活性剤の定量に支障を来すことがある。このため、二種類の非イオン性界面活性剤を相溶化させるために、第三の非イオン性界面活性剤を添加することが好ましい。第三の非イオン性界面活性剤は、二種類の非イオン性界面活性剤を相溶化させるものであれば、特に限定されないが、質量スペクトルのピークが定量する二種類の非イオン性界面活性剤のピークと重ならないことが好ましい。
【0036】
なお、試料の質量スペクトルを測定する際に、内部標準物質を添加することにより、非イオン性界面活性剤の絶対量を求めることができる。内部標準物質は、特に限定されないが、質量スペクトルのピークが定量する非イオン性界面活性剤のピークと重ならないことが好ましい。内部標準物質としては、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【実施例】
【0037】
非イオン性界面活性剤として、ポリオキシエチレン−6(カプリル/カプリン酸)グリセリル(以下、界面活性剤1という)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン−20グリセリル(以下、界面活性剤2という)及びポリオキシエチレン−10メチルグルコシド(以下、界面活性剤3という)の含有量の重量比が6:9:4である試料の定量方法を以下に示す。なお、界面活性剤1、界面活性剤2及び界面活性剤3の定量に用いた質量スペクトルのピークの質量電荷比は、それぞれ622、1131及び614である。
【0038】
体積比1:1の水/メタノール混合溶媒を用いて、界面活性剤1を10mg/ml含有する界面活性剤溶液1、界面活性剤2を10mg/ml含有する界面活性剤溶液2及び界面活性剤3を10mg/ml含有する界面活性剤溶液3を調製した。
【0039】
体積比1:1の水/アセトニトリル混合溶媒を用いて、CHCAを10mg/ml含有するマトリックス溶液を調製した。
(検量線の作成)
界面活性剤溶液1と界面活性剤溶液2を、体積比が1:9、2:8、3:7、4:6、5:5、6:4、7:3、8:2及び9:1となるように混合し、標準試料溶液1、2、3、4、5、6、7、8及び9を調製した。50μlの標準試料溶液1〜9に、マトリックス溶液50μl及び5.85mg/ml塩化ナトリウム水溶液10μlを添加して、標準試料測定溶液1〜9を調製した。1μlの標準試料測定溶液1〜9をサンプルステージに滴下して乾燥させた後、KOMPACT MALDI IV(島津製作所社製)を用いて質量スペクトルを測定し、検量線1を作成した(図4参照)。なお、図4の重量比は、界面活性剤1と界面活性剤2の重量の和に対する界面活性剤1の重量の比であり、ピーク強度比は、界面活性剤1と界面活性剤2のピーク強度の和に対する界面活性剤1のピーク強度の比である。
【0040】
界面活性剤溶液1と界面活性剤溶液3を、体積比が2:8、5:5及び8:2となるように混合し、標準試料溶液10、11及び12を調製した。50μlの標準試料溶液10〜12に、マトリックス溶液50μl及び5.85mg/ml塩化ナトリウム水溶液10μlを添加して、標準試料測定溶液10〜12を調製した。1μlの標準試料測定溶液10〜12をサンプルステージに滴下して乾燥させた後、KOMPACT MALDI IVを用いて質量スペクトルを測定し、検量線2を作成した(図5参照)。なお、図5の重量比は、界面活性剤1と界面活性剤3の重量の和に対する界面活性剤1の重量の比であり、ピーク強度比は、界面活性剤1と界面活性剤3のピーク強度の和に対する界面活性剤1のピーク強度の比である。
【0041】
界面活性剤2と界面活性剤3は、相溶性が低いため、界面活性剤1を添加して検量線を作成した。具体的には、界面活性剤溶液2と界面活性剤溶液3と界面活性剤溶液1を、体積比が2:8:8、5:5:5及び8:2:2となるように混合し、標準試料溶液13、14及び15を調製した。50μlの標準試料溶液13〜15に、マトリックス溶液50μl及び5.85mg/ml塩化ナトリウム水溶液10μlを添加して、標準試料測定溶液13〜15を調製した。1μlの標準試料測定溶液13〜15をサンプルステージに滴下して乾燥させた後、KOMPACT MALDI IVを用いて質量スペクトルを測定し、検量線3を作成した(図6参照)。なお、図6の重量比は、界面活性剤2と界面活性剤3の重量の和に対する界面活性剤2の重量の比であり、ピーク強度比は、界面活性剤2と界面活性剤3のピーク強度の和に対する界面活性剤2のピーク強度の比である。
(非イオン性界面活性剤の定量)
界面活性剤溶液1と界面活性剤溶液2と界面活性剤溶液3を、体積比が6:9:4となるように混合し、試料溶液を調製した。50μlの試料溶液に、マトリックス溶液50μl及び5.85mg/ml塩化ナトリウム水溶液10μlを添加して、試料測定溶液を調製した。1μlの試料測定溶液をサンプルステージに滴下して乾燥させた後、KOMPACT MALDI IVを用いて質量スペクトルを測定した(図7参照)。これより、界面活性剤1と界面活性剤2のピーク強度の和に対する界面活性剤1のピーク強度の比は、0.54であり、界面活性剤1と界面活性剤3のピーク強度の和に対する界面活性剤1のピーク強度の比は、0.51であり、界面活性剤2と界面活性剤3のピーク強度の和に対する界面活性剤2のピーク強度の比は、0.39であった。検量線1から、界面活性剤1と界面活性剤2の重量の和に対する界面活性剤1の重量の比は、0.40であり、検量線2から、界面活性剤1と界面活性剤3の重量の和に対する界面活性剤1の重量の比は、0.57であり、検量線3から、界面活性剤2と界面活性剤3の重量の和に対する界面活性剤2の重量の比は、0.69であることが求められた。このことから、界面活性剤1と界面活性剤2と界面活性剤3の重量比は、6:9:4であることがわかり、非イオン性界面活性剤を定量できたことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】数平均分子量が2000であるPEGの質量スペクトルを示す図である。
【図2】数平均分子量が3000であるPEGの質量スペクトルを示す図である。
【図3】数平均分子量が4000であるPEGの質量スペクトルを示す図である。
【図4】実施例の検量線1を示す図である。
【図5】実施例の検量線2を示す図である。
【図6】実施例の検量線3を示す図である。
【図7】実施例の試料の質量スペクトルを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量分析法を用いて、二種類以上の非イオン性界面活性剤を含有する試料の質量スペクトルを測定し、
前記測定された質量スペクトルの前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤のピークの強度比から前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤の組成比を定量することを特徴とする非イオン性界面活性剤の定量方法。
【請求項2】
前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤は、ポリオキシエチレン基及びポリオキシプロピレン基の少なくとも一方を有することを特徴とする請求項1に記載の非イオン性界面活性剤の定量方法。
【請求項3】
前記試料に含まれる非イオン性界面活性剤の分子量は、500以上4000以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の非イオン性界面活性剤の定量方法。
【請求項4】
質量分析法を用いて、二種類の非イオン性界面活性剤の含有量が既知である複数の標準試料の質量スペクトルを測定し、
前記測定された標準試料の質量スペクトルの前記標準試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤のピークの強度比と、前記標準試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤の組成比との関係を求めることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の非イオン性界面活性剤の定量方法。
【請求項5】
前記標準試料は、前記標準試料に含まれる二種類の非イオン性界面活性剤と異なる非イオン性界面活性剤をさらに含有することを特徴とする請求項4に記載の非イオン性界面活性剤の定量方法。
【請求項6】
前記質量分析法は、マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行時間型質量分析法であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の非イオン性界面活性剤の定量方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−226717(P2006−226717A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−37944(P2005−37944)
【出願日】平成17年2月15日(2005.2.15)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】