非エンジン・ベースの試験システムを用いた構成要素の評価(componentevaluationusingnon−enginebasedtestsystem)
非エンジン・ベースの試験システムを用いて1つまたは複数の構成要素を評価するための方法において、1つまたは複数の構成要素と流体連通する燃焼室を含む非エンジン・ベースの試験システムを提供するステップと、制御された空燃比(AFR)を含む供給状態の下で燃焼室に燃料および空気を供給するステップであって、供給状態が供給ストリームの流路を生成するステップと、燃焼室への実質的な損傷を防止する一方で、排気生成物を生成する燃焼状態の下で、供給ストリームの流路中の燃料の少なくとも一部を燃焼するステップと、加速エージング状態または運転サイクル状態以外の交互に代わる状態の下で、1つまたは複数の構成要素を排気生成物にさらすステップとを含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の出願は、本明細書に参照として組み込まれた、US 2003−0079520 Al(係属中)として2003年5月1日に公告された、2002年8月6日に出願された米国特許出願10/213890の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、一般に、1つまたは複数の構成要素を評価するために、ヒート・ソースとして非エンジン・ベースの試験システムを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な試験が車両の排気システムの構成要素を評価するために使用される。一般に、試験は熱い排気生成物に構成要素をさらすことを必要とする。一般に、熱い排気生成物はガソリン・ベンチ・エンジンを使用して、生成される。
【0004】
ベンチ・エンジンの使用は比較的労働集約的であり、必要な1つまたは複数の流量および温度を維持するために一人または複数の技術者の持続した存在を必要とする。労働のコストおよびガソリンのコストがベンチ・エンジン試験を比較的高価にする。
【0005】
構成要素を評価するために、あまり労働集約的でなく、よりコストがかからない方法および装置が必要とされている。
【発明の要約】
【0006】
本出願は、非エンジン・ベースの試験システムを用いて1つまたは複数の構成要素を評価するための方法を提供する。本方法は、1つまたは複数の構成要素と流体連通する燃焼室(combustor)を含む非エンジン・ベースの試験システムを提供するステップと、制御された空燃比(AFR)を含む供給状態の下で燃焼室に燃料および空気を供給するステップであって、前記供給状態が供給ストリームの流路を生成するステップと、燃焼室への実質的な損傷を防止する一方で、排気生成物を生成する燃焼状態の下で、供給ストリームの流路中の燃料の少なくとも一部を燃焼するステップと、加速エージング状態または運転サイクル状態以外の交互に代わる状態(alternate conditions)の下で、1つまたは複数の構成要素を排気生成物にさらすステップとを含む。
【0007】
自動車排気物質(automotive exhaust emission)を低減させるための開発の2つの一般的な領域は、(1)エンジンにより生成させられる排気物質を低減させること、および(2)エンジンにより生成させられる排気物質の後処理を最適化させることである。一般に、排気の後処理は、エンジンの排気径路に1つまたは複数の触媒コンバータを含む。
【0008】
エンジンの性能を最適化するために制御される主要なエンジン動作パラメータは、空気流量、燃料流量(または空燃比または「AFR」)および点火時期である。全炭化水素の排出は、より迅速な触媒着火(catalyst light−off)で低減される。しかし、AFR、点火時期などを調節することによって触媒加熱を増加させることは、一般に、より高い排気放出率をもたらすことになる。全排出を最小限に抑えるためには、触媒着火時には、化学量論的燃焼にシフトすることが望ましい。触媒コンバータの変換効率を最適化することは、AFRおよび触媒エネルギー(温度)を制御することを一般に必要とする。
【0009】
本出願は、非エンジン・ベースの熱源を使用して、前述のパラメータおよび他のものを正確に試験するための方法を提供する。
【0010】
例示的な非エンジン・ベースの熱源
例示的な非エンジン・ベースの熱源はFOCAS(登録商標)rigである。FOCAS(登録商標)rigは、Southwest Research Instituteの登録商標である。FOCAS(登録商標)rigは、エージング試験を行うために、すなわち、長期的な触媒コンバータの性能への個々の変数の長期的な影響を評価するために開発された。FOCAS(登録商標)rigは、自動車の内燃機関によって生成されたものに対応する組成および温度を備える排気生成物を生成することができる。
【0011】
FOCAS(登録商標)rig内のバーナ・システムなどの非エンジン・ベースの熱源を、それだけには限らないが、検証試験および耐久試験を設計することを含めて、様々な他の試験を行うのに必要とされる熱を供給するために使用することができる。以下に詳細に説明されるFOCAS(登録商標)rigは試験のために好ましい非エンジン・ベースの熱源ではあるが、任意の機能的で効率的な非エンジン・ベースの熱源を、本明細書中に説明された原理にしたがった使用に適合できることが当分野の技術者には明らかであるだろう。非エンジン・ベースの熱源は、自動車の内燃機関によって生成されたものに対応する組成および温度を備えるシミュレーションされた排気生成物を生成する。
【0012】
好ましくは、非エンジン・ベースの熱源は、ガソリン;合成ガソリン;ディーゼル;石炭、泥炭または同様な材料から作られた液化燃料;メタノール;圧縮天然ガスまたは液化石油ガスなどのガソリンまたは他の燃料の燃焼から油のない排気を提供する。非エンジン・ベースの熱源は、正確な空燃比制御と、好ましくは、燃料および様々な消費率および酸化状態における潤滑剤の影響の決定的な分離のための別の油噴霧化システムとを提供する。非エンジン・ベースの熱源は、好ましくは、様々な状態にわたって動作することができ、エンジン動作の様々なモード、例えば、コールド・スタート、定常状態で化学量論的、希薄、濃厚、周期的摂動などをシミュレートすることを可能にする。
【0013】
好ましい実施形態では、非エンジン・ベースの熱源は、(1)バーナに燃焼のための空気を提供する空気供給システムと、(2)バーナに燃料を提供する燃料システムと、(3)空気と燃料の混合物を燃焼させ、かつ適切な排気生成物成分を提供するバーナ・システムと、(4)排気生成物の温度を制御する熱交換器と、(5)コンピュータ化された制御システムとを含む。1つの実施形態では、非エンジン・ベースの熱源は、油噴射システムをさらに含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
FOCAS(登録商標)rig
空気供給システム
次に、図面を、説明の目的で最初に図1を参照すると、FOCAS(登録商標)rigの概略図が示される。送風機30は入口空気フィルタ20を通して周辺空気を吸気し、加圧空気流を排気する。送風機30および質量空気流量センサ50は、当分野の技術者にはよく知られている任意の従来設計でよい。好ましい実施形態では、送風機30は、Fuji Electric Model VFC404A Ring Blowerなどの電気遠心送風機であり、質量空気流量センサ50は、大抵の小売自動車部品店で入手可能なBosh Model Number 0280214001などの自動車用入口空気流量センサである。供給される空気の体積はバイパス弁40を調節することによって設定されて、質量流量センサ50によって測定される空気の望ましい流量を生成する。
【0015】
燃料供給システム
標準自動車燃料ポンプ10は、燃料系路12を通って、電子的に作動された燃料制御弁14に、それから(以下に詳細に説明された)バーナ60に自動車燃料をポンプ輸送する。本明細書中で使用されるように、用語「自動車燃料」は、必ずしもそれだけには限らないが、ガソリン;合成ガソリン;ディーゼル;石炭、泥炭または同様な材料から作られた液化燃料;メタノール;圧縮天然ガスまたは液化石油ガスを含めた、自動車の内燃機関用の燃料として使用できる任意の物質を意味する。
【0016】
別のタイプの制御弁を使用することもできるが、好ましい燃料制御弁14はコンピュータの制御システムからパルス幅変調信号を受け、かつパルス幅に比例してバーナへの燃料の流れを調整する電磁弁である。電子的に作動する電磁弁14は、当分野の技術者にはよく知られているパルス幅変調信号によって動作する設計でよい。好ましい実施形態では、電子的に作動する燃料制御弁14は、大抵の小売自動車部品供給店で入手可能なBosch周波数弁のモデル番号0280 150 306−850である。燃料制御弁14から、燃料は、(以下に説明される)バーナ・アセンブリ内の空気支援式燃料噴霧ノズル16にパイプで送られる。
【0017】
バーナ
バーナは燃料および空気の化学量論的燃焼をもたらすために以下に示すように特別に製造される。好ましい実施形態では、バーナ60は、自動車燃料の継続した化学量論的燃焼を発生させることができる渦巻式安定化バーナである。
【0018】
次に、好ましい実施形態の図2を参照して、バーナはプレナム・チャンバ200と燃焼管210とを含む。渦巻板18が、プレナム・チャンバ200を燃焼管210から分離する。燃焼管210は極度の高温に耐えることができる材料から構成される。好ましい材料は、必ずしもそれだけには限らないが、インコネル、またはステンレス綱を含み、任意選択で、得られる火炎のパターンを視覚的に観察するためにインコネル管の代わりに石英管を備えることができる。
【0019】
空気および燃料は別々にバーナ60に導入される。質量流れセンサ50からの空気はプレナム・チャンバ200(図2)に、それから、渦巻板18を通って燃焼管に導管で送られる。渦巻板18は燃料噴射器16を備えている。
【0020】
燃料噴射器
第1実施形態では、空気支援式燃料噴霧ノズル16は、従来の手段を用いて渦巻板18の中心のところで、プレナム・チャンバ200(図2)の内部に係合される。燃料供給系路14からの燃料は、空気支援式燃料噴霧ノズル16に供給され、そこで空気系路15からの圧縮空気と混合され、燃焼管210(図2)の中に噴霧される。圧縮空気系路15は、燃料の噴霧化を支援するために高い圧力を提供する。
【0021】
図4Aは、空気支援式燃料噴霧ノズル16の1つの実施形態である。図4Aからわかるように、空気支援式燃料噴霧ノズル16は渦巻板18に係合される雄と雌の取付部品を含む。様々な適切な係合の方法が当分野の技術者に知られている。雌の取付部品250は、フランジ端部252と、実質的に管状の延長部251とをもつ。雄の取付部品254は、フランジ端部256と、対向する端部268をもつ実質的に円筒形延長部253とをもつ。円筒形延長部は、その長さに沿って雌の取付部品の管状延長部の内部に嵌合する。好ましい実施形態では、管状の延長部251の内壁259と管状延長部253の外壁263との間のクリアランス270は好ましくは1/8インチである。クリアランス270は、燃料噴射孔264と連通する、燃料の噴射用の円周上の溝257を作り出す。
【0022】
空気噴射ボア262(好ましくは約1/16インチ)は、フランジ端部256を通って、雄の取付部品の管状延長部253の軸に実質的に平行に、渦巻板18とインターフェースをもつボア260へ延びる。燃料噴射ボア264は外壁263から空気噴射ボア262に隣接して、径方向内向きに延びる。空気噴射ボア262は空気系路15と任意の適切な方法で係合させられる。燃料噴射ボア264は燃料系路12と任意の適切な方法で係合させられる。
【0023】
図4Bは空気噴射ボア262の配置を説明する雄の取付部品のフランジ端部254の正面図である。図4Bからわかるように、5つの空気噴射ボア262aからdおよび265がゲームのサイコロの上の数字の「5」に類似して配置される。特に、図4Bで5x−5xに沿って引かれた線と比較されたとき、中心の空気孔265の中心を通り、かつ隅の空気孔262aからdの任意の1つの中心を通って引かれた線は45°の角度をもつ。言い換えれば、隅の空気孔262aからdの中心は、中心の空気孔265の周囲に描かれた正方形の4つの隅に見いだされる。
【0024】
係合された場合の、空気支援式噴射ノズル16のすべての部分の対向する端部の正面図が図4Cに示される。この「丸窓」図では、内円は雌の取付部品のボア260であり、次の同心リングは雄の取付部品の管状延長部253の対向する端部268であり、次の同心リングは雌の取付部品の管状延長部251と雄の取付部品の延長部253との間のクリアランスによって形成された環状溝270であり、最も外側のリングはポート255を画定するフランジ252である。
【0025】
燃料噴射器16(図4DからF)の好ましい実施形態では、図4Aから4Cのように、同じ部品は同じ番号が付けられている。図4Dを参照して、燃料ジェットを通って直接通過する噴射された空気で、燃料噴射ボア264を通って供給された燃料を剪断しながら、空気噴射ボア262は、混合および保護用に空気シュラウドに燃料を導くために角度が付けられている。燃料噴射ボア264は、好ましくは、混合および保護のために空気シュラウド内に直接向けられている。噴射角度は、空間の要求内で燃料の噴霧化を最大にし、渦巻板18と共に働く。
【0026】
空気支援式燃料噴霧ノズル16は、従来の手段を使用して渦巻板18の中心に係合される。空気支援式燃料噴霧ノズル16は、渦巻板18内の中心ボア244(図3C)と組み合わせるように構成されたフランジ式の雄の取付部品252を含む。好ましい実施形態では、空気支援式噴霧ノズルの外壁254aと渦巻板18の中心ボアの壁281との間の同心円のクリアランス270は、好ましくは、約0.2インチから約0.75インチまでであり、最も好ましくは約0.25インチである。空気支援式燃料噴霧ノズル16はY−Y’で表される長手方向軸をもつ空気噴射ボア262を画定する。線Y−Y’は、渦巻板の内壁280に沿って引かれた線5F−5Fに対して角度x、x’を形成する。角度x、x’は、好ましくは約65°から約80°までであり、好ましくは約76°である。空気噴射ボア262は、実質的に任意の構成をもってよい。好ましい構成では、空気噴射ボア262は、円筒形ボアである。
【0027】
空気噴射ボア262は、供給端部298から噴射端部299まで延び、燃料の適切な流れを可能にするのに効率的な内径をもつ。好ましい実施形態では、空気噴射ボア262は、約0.060インチから約0.080インチまでの、好ましくは約0.070インチの内径をもつ。空気噴射ボア262は、供給端部298から噴射端部299上の燃焼管210(図2)まで延びる。
【0028】
空気支援式燃料噴霧ノズル16は渦巻板18の外壁282と組み合わせられるように構成された第1フランジ端部252aを含む。第1フランジ端部252aと外壁282の位置合わせは、相補的な溝、相補的な角度、他のタイプの組み合わせられた機械の取付部品など多くの構成をとることができる。好ましい実施形態では、第1フランジ端部252aおよび外壁282は実質的に平らであり、互いに平行であり、長手方向軸A−Bに対して実質的に垂直な線に沿って互いに当接する。好ましい実施形態では、第1フランジ端部252aは、径方向に、線A−Bによって示される長手方向軸から外向きに、そこから約0.38インチから約0.65まで、好ましくは、約0.38インチの距離延びる。
【0029】
第2フランジ端部は必ずしも必要というわけではない。しかし、好ましい実施形態では、空気支援式噴霧ノズル16は径方向に、線A−Bによって画定される長手方向軸から外向きに、そこから約0.3インチから約0.45インチまで、好ましくは、約0.38インチの距離延びる第2フランジ端部252bをさらに含む。
【0030】
図4Dに示すように、第1フランジ端部252aおよび第2フランジ端部252bは供給端部298にポート255を含む流れチャンバ297を画定する。ポート255が、流れチャンバ297を通って、空気支援式噴霧ノズル16によって画定される燃料噴射ボア264への燃料の適切な量の流れを可能にするならば、このポート255の構成および寸法はそれほど重要ではない。空気支援式噴霧ノズル16の噴射端部299は、流れチャンバ297から空気噴射ボア262の開口291まで延びる燃料噴射ボア264を画定する。燃料噴射ボア264は、それらが燃料の適切な流れを供給する限り、実質的に任意の構成でよい。燃料噴射ボア264は、線5F−5Fに対して角度z、z’を形成する線R−R’で示される長手方向軸をもつ。好ましい実施形態では、燃料噴射ボア264は、円筒形であり、約0.020インチから約0.040インチまでの、好ましくは約0.031インチの直径をもつ。好ましくは、角度z、z’は約60°から約80°までで、好ましくは約73°である。
【0031】
動作では、燃料は、ポート255を通り、流れチャンバ297を通り、燃料噴射ボア264および開口291を通って流れ、空気噴射ボア262に噴射され、したがって、空気支援式燃料噴霧ノズル16の噴射端部299のところで空気および燃料の同時噴射をもたらす。燃料は開口291のところで、空気と衝突し、空気のシュラウドと衝突するのに効率的な流れのジェットをもたらす。噴霧ノズル16のすべての構成要素のための構成の材料および寸法は、プロセスの動作状態に基づいて変化するであろう。
【0032】
図4Eに示すように、空気噴射ボア262は、噴射端部299にゲームのサイコロの上の数字の「4」に類似して配置された開口262aからdを含む。開口262aからdは、ABおよびA’B’によって示されるように互い同士ほぼ90°の角度で間隔を置いて好ましくは配置される。
【0033】
図4Fは空気支援式燃料噴霧ノズル16の供給端部298の正面図である。この「丸窓」図では、内円はボア260であり、残りの同心リングは第2フランジ端部252bの外面261を含む。燃料は、燃料系路12からポート255を通って噴霧ノズル16に、そして燃料の流れチャンバ297の中に流れ、そして燃料噴射ボア264を通って空気噴射ボア262に流れる。
【0034】
渦巻板
好ましい実施形態では、図3AからEに示されるように、渦巻板18は、燃焼領域に壊れた円錐形および渦巻流の複雑なパターンを提供するために、極度に乱れた渦巻状の燃焼を生成することができる。渦巻板18によって生み出された流れのパターンは、渦巻ジェット242および242aからcと、253および253aからc、ならびに乱流ジェット248および248aからcと、249および249aからcと、250および250aからcの多数の相互作用を含む。これらのジェットの相互作用は、好ましくは燃焼管210の内径に実質的に等しい長さの間隔で壊れまた膨張する渦巻流を生み出す。好ましい実施形態では、燃焼管210の内径は4インチであり、渦巻流が壊れまた膨張する間隔は4インチ毎である。パターンは燃焼管210の壁に沿った流路を明白に画定し、したがってこれが燃焼管210に沿った点火器220の位置を画定する。本明細書で説明された実施形態では、点火器は、内部渦巻ジェット(253a、b、c)の径路に沿った第1および第2の完全膨張のところで配置される。
【0035】
図3Aから3Eに示された好ましい実施形態では、渦巻板18は空気の流れのパターンを固定し、かつ燃料噴射器を保護するのに効果的であるための「空気シュラウド」を生み出すのに十分な厚さをもつほぼ円形のディスクである。厚さは一般に約1/2インチかそれ以上である。渦巻板18は中心ボア255をもつ。空気支援式噴霧ノズル16は、適切な手段を用いて、この中心ボア255のところで渦巻板18に嵌合される。説明された実施形態では、渦巻板18は、空気支援式噴霧ノズル16を取り付けるために、それを通るボア240をもつ。渦巻板18は、高温に耐える実質的に任意の材料で作ることができ、好ましい材料はステンレス鋼である。
【0036】
中心ボア255は壁244によって画定される。一般的に言って、渦巻板の長手方向軸から任意の径方向の距離に配置されたジェットの各タイプは、中心ボア255から任意の距離で同心円に沿って、ほぼ90°の間隔を置いて配置された4つの部材(時々はジェットの「組」と呼ばれる)をもつ。3つの組の乱流ジェット248、249および250は空気を中心ボア255に向かって導く。内側および外側の組の渦巻ジェット242および253は、それぞれ、渦巻板18の外円周256から、ならびにバーナの方向でそれぞれの四分円内の渦巻板の直径を通る線3C−3Cまたは4E−4E(図3C)にほぼ平行に空気を導く。
【0037】
ジェットの正確な寸法および角度方向はバーナの内径によって変化し、本明細書で説明された実施形態では約4インチである。本明細書での説明を与えられて、当分野の技術者は、様々な寸法のバーナで使用する渦巻板を構成できるであろう。
【0038】
ジェットの方向は、渦巻板257の正面に対して、渦巻板18の長手方向軸241に対して、かつ渦巻板18を4つの四分円に分割する図3Cの線3C−3Cおよび4E−4Eに対して説明される。6つの同心円244および244aからe(図3C)が、内側から、中心ボア255を画定する壁244から始めて、渦巻板18の外側円周244eに同心円的に延びて、示される。本明細書で説明された実施形態では、中心ボアは内径が1.25インチまたは内半径が0.625インチである。第1の同心円244aは、壁244から0.0795インチであり、第2の同心円244bは、壁244から0.5625インチであり、第3の同心円244cは、壁244から1.125インチであり、第4の同心円244dは、壁244から1.3125インチであり、また第5の同心円244eは、壁244から1.4375インチである。
【0039】
外側渦巻ジェットの組は、242および242a、b、cと名前を付けられる。内側渦巻ジェットの組は、253および253a、b、cと名前を付けられる。外側渦巻ジェットの組242および242aからcならびに内側渦巻ジェットの組253および253aからcは、渦巻板18の表面257に対して同じ角度z(図3B)をもち、好ましくは25°の角度である。好ましい実施形態では、外側渦巻ジェットの組242および242aからcならびに内側渦巻ジェットの組253および253aからcの両方は内径5/16インチをもつ。外側渦巻ジェットの組242は、燃料噴射側59の渦巻板18の外側円周256に沿った入口点242xから、バーナ側60の円244bに沿った出口点242yまで空気を導く。外側渦巻ジェット242の長手方向軸は、それぞれの4半円内で線3C−3Cおよび4E−4Eに平行であり、それらから0.44インチ間隔を置いて配置される。内側渦巻ジェットの組253は、燃料噴射側59の円244bに沿った入口点から、中心ボア244に沿ったバーナ側60の出口点まで空気を導く。内側渦巻ジェット253の長手方向軸も、それぞれの4半円内で、線3C−3Cおよび4E−4Eに平行である。
【0040】
空気シュラウド・ジェット250は、円244bに沿った点から、直接内向きに、中心ボア255の中心に向かって空気を導く。空気シュラウド・ジェット250の長手方向軸は、線(3C−3Cおよび4E−4E)に沿って走る。渦巻板18の長手方向軸241に対する空気シュラウド・ジェット250の長手方向軸251の角度a(図3D)は43.5°である。空気シュラウド・ジェット250は、好ましくは、内径約1/4インチをもつ。渦巻板18のバーナ側60の外側渦巻ジェット242の出口点242yは、好ましくは、長手方向にまたは渦巻板の長手方向軸241に平行に、渦巻板18の燃料噴射側59の空気シュラウド・ジェット250の入口点と一直線になる。
【0041】
空気シュラウド・ジェット250は、火炎が空気支援式噴霧ノズル16に接触することを防止することに主に役割がある。空気シュラウド・ジェット250から流れる空気は、燃料噴射器16(図1および2)の前の位置で収束し、空気の円錐形シュラウドを作り出し、それが低圧力領域を渦巻板18の燃料噴射側59(図1)に、高圧力領域を渦巻板18のバーナ側60にもたらす。燃料噴射側59の低圧力領域は燃料を燃料管210に引き込むのを助け、一方、バーナ側60の高圧力領域は、バーナの火炎が空気支援式噴射器16の面に付着するのを防止し、ノズル16のコーキングおよび過熱を防ぐ。好ましい実施形態では、空気シュラウド・ジェット250はノズル16の前から、約0.5cmから約1cmのところで収束する。
【0042】
燃焼管210はいくつかの火花点火器220(図2参照)を備えている。好ましい実施形態では、3つの実質的に等間隔で配置された点火器220が、渦巻板18によって作られたガス「渦巻径路」内の燃焼管の円周の周りに配置される。好ましい実施形態では、これらの点火器220は海用の点火プラグである。
【0043】
低い揮発度の燃料の燃焼に適した別の実施形態では、燃焼管210は噴射ノズル16から約1フィート下流側に配置されたセラミック・フォームをさらに含む。実質的に任意の適切なフォーム、好ましくは、例えば、Ultra−Met Corporation、Pacoima、CA91331から市販されている10孔/インチのSiCフォームを使用することができる。
【0044】
燃料噴射器および渦巻板の相互干渉
バーナ60および燃料噴射器16は、実質的に継続した、「効率的な化学量論的燃焼」を提供するために一緒に働く。本明細書で使用されるように、用語「効率的な化学量論的燃焼」は、燃料噴射器の実質的なコーキングなしで、燃焼管の壁の完全性を維持する燃焼のことを指す。その結果、バーナは、保守の必要なく、実質的に持続して化学量論的に少なくとも200時間稼働する。好ましい実施形態では、最小限の保守で、バーナは実質的に持続して化学量論的に少なくとも1500時間稼働する。最小限の保守は点火プラグの交換のみを意味する。
【0045】
燃料噴射器16(上記)の設計は、渦巻板18の主要な特徴を考慮する。すなわち、
【0046】
1)外側乱流ジェット248および249(断面3C−3C)は、火炎が継続して燃焼管210の内壁に接触することを防止する。バーナ60が継続的に、かつ長期間にわたって化学量論的に(最も熱い空気/燃料比の動作点)動作するので、燃焼管210の壁の完全性を維持することが必要である。現在、INCONEL燃焼管210は、劣化の証拠を示さずに、1500時間の動作を超えてさらされた。この特徴は実質的に燃料噴射に影響を与えない。
【0047】
(2)内側渦巻ジェット242はバーナ内の全体の渦巻パターンを設定する。渦巻ジェット242を出る空気は、渦巻板18の約3インチ下流側で燃焼管210の内壁と衝突し、燃料噴射器16からの燃料の噴霧と直接相互作用をする。
【0048】
(3)内側乱流ジェット250は時々「空気シュラウド」ジェットと呼ばれる。内側乱流ジェット250を出る空気は燃料噴射器16の前から、0.75インチのところで収束する。この特徴は2つの非常に重要な機能を提供する。収束点は、バーナの火炎が燃料噴射器16に付着することを防止する(コーキングを防止)バーナ60内に高圧力点を作る。燃料噴射と直接相互作用をし、火炎品質に影響を与える第2の機能は、それは、それらがバーナ火炎に入るとき、残っている大きな液滴を剪断することである。
【0049】
バーナ60からの排気は熱交換器70に送られる。熱交換器70は当分野の技術者にはよく知られている任意の従来設計のものでよい。排気生成物は次に油噴射セクション110(図1)に送られる。油噴射セクションは、それが触媒に到達する前に、油を気化し酸化するために十分に小さい直径をもつ油の液滴を含む噴霧化された油噴霧を提供する。油噴射システムはバーナの下流側の任意のところに配置することができる。
【0050】
非エンジン・ベースの熱源と共に使用されるのに適したデータ獲得および制御システムが提供される。システムは、好ましくは、点火、燃料噴射のための空気支援、補助空気、燃料供給、送風機空気供給、油噴射など(以下により詳細に説明する)を制御するための手段を提供する。適切な制御システムの例は、例えば、燃料計量を制御するための比例積分偏差(PID)制御ループであるだろう。
【0051】
FOCAS(登録商標)rigなどのNEBECRASのバーナ・システムを、燃焼室に実質的な損傷なしで、化学量論的、濃厚、また希薄の熱いガス状態を生成するために使用することができる。好ましい実施形態では、燃焼室は、燃料の燃焼の間、火炎が供給部材に付着するのを防止するのに効果的な空気シュラウドを含む、供給ストリームの流路を生成する化学量論的空燃比(AFR)においても効率的である渦巻板を含む。供給ストリームの流路は、好ましくは、燃料の燃焼の間、火炎が燃焼室の内壁と継続して接触し続けることも防止する。熱は、ガソリンで動力を与えられたエンジンによってではなく、NEBECRASによって生成された排気生成物を介して供給される。
【0052】
「交互に代わる状態」を含む試験を行うための非エンジン・ベースの熱源の使用
本出願は、「交互に代わる状態」を含む試験を行うための非エンジン・ベースの熱源の使用が対象とされる。語句「交互に代わる状態」は、加速エージング状態および運転サイクル状態からなる群から選択される状態以外の実質的に任意の状態を指す。好ましい実施形態では、交互に代わる状態はRAT−Aサイクル状態以外であり、FTP−75状態以外である。より好ましい実施形態では、交互に代わる状態は、振動状態、温度分布状態、熱応力状態、急冷状態、着火状態および空燃比掃引状態からなる群から選択される状態である。
【0053】
加速エージング試験「RAT−Aサイクル状態」以外
「交互に代わる状態」は「加速エージング状態」ではない。以下は加速エージング状態の簡潔な説明である。
【0054】
より高い触媒温度で動作することによって、触媒コンバータの熱の非活性化が起こる速度が速くなる、触媒コンバータの熱エージングは効率的に加速することができる。「加速エージング状態」は、一般に高温の触媒の入口温度、化学反応に誘導された熱エクスカーション(不発火事象をシミュレートする)、試験構成要素の加速エージングに効率的な平均空気/燃料比(AFR)の組合せを含む。「RAT−Aサイクル」はGeneral Motors社の「Rapid Aging Test Cycle」の中の状態の組合せを指す。GM RAT−Aサイクルにおける100時間のエージングは耐久性のレベルを示すと一般に理解される。
【0055】
RAT−Aサイクルは、主に、定常状態、短い熱エクスカーションを伴う化学量論的動作を特徴とする。熱エクスカーションは、2次空気(約3%の酸素、O2)を触媒の前に噴射しながら、約3%の一酸化炭素(CO)を生成するために、濃厚で動作されることによって作られる。過剰な還元剤および酸化剤は触媒と反応して、熱の形状で化学エネルギーを放出する。触媒入口温度および排気生成物の流量も、試験サイクルの設定を特定するために使用される。流れは、標準立方フィート/分(scfm)で特定され、一般に75scfmである。C.Webb and B.Bykowskiによる「Development of Methodology to Separate Thermal Oil Aging of Catalyst Using a Gasoline−Fueled Burner System」SAE2003−01−0663が参照として本明細書に組み込まれる。
【0056】
エンジンに関し、エンジン速度を調節することが、流れの仕様を設定する。触媒への入口でのガス温度は、定常状態、サイクルの化学量論部分の間、エンジン負荷を調節することによって達成される。熱エクスカーションは、サイクルの濃厚部分の間、エンジン動作AFRを調節し、かつ3%のCOおよびO2仕様を達成するために空気噴射を調節することによって作られる。(以下の)表は、サイクル用の設定状態を提供する。触媒入口温度は、サイクルの化学量論部分の間で特定されるが、発熱(および触媒入口温度でない)を作り出す排気生成物の濃度は、サイクルの熱エクスカーション部分の間で特定されることに留意すべきである。2つの仕様は触媒の内部に温度分布を作り出す。
【0057】
【表1】
【0058】
運転サイクル・シミュレーション試験または「FTP−75状態」以外
「交互に代わる状態」は「運転サイクル状態」でもない。以下は運転サイクル状態の簡潔な説明である。
【0059】
運転サイクル状態の間、以下の状態のすべて、排気流量、排気生成物温度、排気生成物化学量論比が実際の運転をシミュレートするために変化される。FTP−75状態は、
1)FTPの間中、試験車両の排気の流量をシミュレートするために、好ましくは、0から約200標準立方フィート/分(scfm)の範囲で排気の流量を変化させるステップと、
2)FTPの間中、触媒の入口で、排気生成物温度をシミュレートするために、好ましくは、約20から約900℃の範囲で、排気生成物温度を変化させるステップと、
3)FTPの間中、車両の排気生成物化学量論比をシミュレートするために、好ましくは、約10から約40AFRの範囲で、より好ましくは、約10から約20AFRの範囲で、排気生成物化学量論比を変化させるステップとを含む。
システムの排気生成物の混合物は、理想的には、FTP試験間の任意の時間に車両の排気に見られるような炭化水素、一酸化炭素、および窒素酸化物の類似した濃度を含む。
【0060】
ガソリン・エンジンの代わりにNEBECRASを使用して行うことができる複数の標準的な試験が存在する。実質的に、自動車および非自動車の構成要素を含めて、任意の構成要素を、本出願の方法を使用して試験することができる。好ましい構成要素は、自動車の構成要素であり、好ましくは、車両の排気システムの構成要素である。より好ましい構成要素は触媒コンバータである。他のそのような構成要素は、必ずしもそれだけには限らないが、排気マニホルド、排気圧力センサ、すべてのタイプの触媒、すべてのタイプの粒子フィルタ、EGR弁、EGR冷却器、EGRシステムおよび構成要素、排気システム構成要素、フランジ、管、ガスケット、継手、振動分離器、流れダイバータ、酸素センサ、排気管、マフラおよびそれらの組合せを含む。他のタイプの触媒は、必ずしもそれだけには限らないが、3元触媒(TWC)、希薄NOx触媒(LNC)、希薄NOxトラップ(LNT)、選択触媒還元(SCR)、炭化水素トラップ、吸収器、吸収器を含む。触媒付きおよび触媒なしのDPFを含めてディーゼル粒子フィルタもこの方法を使用して試験されたが、別の出願の主題である。
【0061】
非エンジン・ベースの試験システム、好ましくはFOCAS(登録商標)システムを非活性化することができ、システムは周囲状態に数分のうちに冷却でき、冷却後すぐに、システムを追加の試験を行うために使用できる。システムは改良された再現性および低減された冷却時間を提供する。システムはまた、定期保守(オイル交換、チューンナップ)および時間のかかる修理を必要とするガソリン・エンジンと比べると比較的簡単な保守を提供する。システムは比較的簡単(より少ない可動部品および摩擦領域)で、希薄で動作するときには、改良された燃費で動作できる。これらの利点がそれを研究および開発ツールとして大いに望ましくする。
【0062】
「交互に代わる状態」の例
「交互に代わる状態」は加速エージング状態および運転サイクル状態とは異なり、それは、一般に、
(a)温度、温度における変化の間の時間間隔、空燃比およびそれらの組合せとからなる群から選択される1つまたは複数の動作状態を変化させるステップと、
(b)温度、空燃比およびそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは実質的に一定の複数の動作状態を維持しながら、1つまたは複数の他の状態を変化させるステップとを含む。
【0063】
以下のことは、カテゴリ(a)および(b)に当たる複数の試験の特定の説明である。説明は例示だけのものであり、特許請求の範囲を好ましい実施形態に限定するものとして解釈するべきではない。
【0064】
a)温度、温度における変化の間の時間間隔、空燃比およびそれらの組合せとからなる群から選択される動作状態を変化
カテゴリ(a)の試験は、必ずしもそれだけには限らないが、耐久性試験を含む設計検証試験を含む。そのような試験は、加速エージング試験および運転サイクル試験と比べて、1つまたは複数の異なるパラメータを含む。「異なるパラメータ」の例は、必ずしもそれだけには限らないが、階段状温度、温度サイクルのより短い間隔、増幅された大きさの温度サイクル、前述のタイプのサイクルの複数の繰り返し、それらの組合せからなる群から選択されるパラメータを含む。
【0065】
カテゴリ(a)における試験の特定の例は、必ずしもそれだけには限らないが、シェル変形試験と温度分布試験と熱サイクル試験とコンバータ着火試験と空燃比掃引とを含む。前述の試験は以下により詳細に説明される。
【0066】
シェル変形試験
触媒コンバータは、一般に、触媒担体がシェル内部にケースに入れられるように構成される。一体式触媒担体は、一般に、脆弱で容易に損傷を受けやすいセラミックから形成される。損傷を防ぐために、触媒は一般に、シェル内部に弾性的に支持される。
【0067】
本出願は、非エンジン・ベースの試験システムを使用して、一般にシェル変形試験と呼ばれる、シェルが膨張する傾向を評価するための方法を提供する。シェル変形試験では、NEBECRAS、好ましくはFOCAS(登録商標)rigによって生成された熱い排気生成物に流体連通する容器を含む触媒コンバータ(図1の330)はいくつかの昇温および冷却期間にさらされる。言い換えれば、交互に代わる応力状態は、構成要素を排気生成物に第1温度に第1期間さらすステップと、構成要素を排気生成物に第2温度に第2期間さらすステップとを含む。第1および第2温度に対する構成要素(好ましくは触媒コンバータおよびシェルを含む)の動的および恒常的反応を評価するために、第1温度は第2温度と十分に異なる。
【0068】
温度分布試験
温度分布試験は、内部(触媒)および外部(カンの表面)の温度勾配情報を得るために、好ましくは、定常AFRおよび流量状態で、1つまたは複数の構成要素を高温(定常状態)階段状の増加にさらすことを引き起こす。温度は漸進的に低減させることもできるが、交互に代わる状態は、一般に温度勾配状態を作るために、排気生成物の温度を漸進的に増加させることを含む。言い換えれば、触媒コンバータは第1温度に第1期間さらされ、第2温度に第2期間さらされ、第3温度に第3期間などにさらされる。構成要素は、温度勾配にさらすことの外部および内部の影響を決めるために、知られている方法を用いて評価される。
【0069】
熱サイクル
本出願は熱サイクル試験用の熱い排気生成物を生成するためにNEBECRASを使用する。
【0070】
熱サイクルは、急速にかつ繰り返し試験構成要素の温度を変えることによって、構成要素に極度に応力を加える。試験構成要素、好ましくは、触媒コンバータは、第1温度に第1期間さらされ、それから第2温度に第2期間などにさらされる。構成要素に熱的に応力を加えるために、第1温度および第2温度は十分に異なっている。
【0071】
熱サイクルは、一体式触媒の耐久性も試験する。従来のセラミック体式触媒は、一般に、実際は触媒がその上に付着されるコーティングを備えるセラミック・サポートからなる。実質的な密度および強度を得るために、セラミック材料は普通高温で焼かれねばならない。そのような高温の燃焼は必然的にセラミック材料を焼結させて、非常に小さい表面積をもたらす。したがって、セラミックは、より大きな表面積、ならびに触媒の付着に必要な特定の化学的特徴をもつ別の材料で被覆されなければならない。大きい表面積の被覆または「薄め塗膜」および下のセラミック材料は、一般に異なる熱膨張係数をもつ。構成要素が熱サイクルにさらされるとき、大きい表面積の被覆が下のセラミック・サポートから剥がれる傾向がある。
【0072】
着火試験
着火試験は、触媒コンバータが触媒的に活性化される温度を決定する。迅速な触媒着火は、コールド・スタート排気を低減させるために、一般に望ましい。本出願はNEBECRAS、好ましくはFOCAS(登録商標)rigを着火試験の間、熱源として使用する方法を提供する。
【0073】
「着火」試験の間、触媒コンバータは、初期温度の排気生成物にさらされ、それから温度が、着火温度より大きい温度に増加される。排気生成物構成要素の濃度は、触媒コンバータにさらされる前および触媒コンバータにさらされる後で、実質的に継続して測定される。
【0074】
熱い排気生成物の初期温度は試験触媒の着火温度より低い。着火温度は特定の触媒コンバータと共に、また排気生成物の組成と共に変化するであろう。排気生成物がガソリンから生成される場合、初期温度は約200℃またはそれより低く、好ましくは200℃より低い。
【0075】
触媒コンバータ用の「着火」点は、触媒層温度が入口温度を超えるとき指摘されたように、変換効率が増加する点である。排気生成物がガソリンから生成される場合、触媒の着火は一般に約250℃で起こる。
【0076】
空燃比掃引
本出願はNEBECRASが、空燃比掃引の間、排気生成物発生器および熱源として使用される方法を提供する。触媒コンバータを異なるAFRで評価するために、AFRを希薄から濃厚(へまたはその反対に)調節しながら、AFR排気成分が測定される。階段状AFR掃引試験では、各AFRは定常状態動作が達成されるまで、維持される。連続AFR試験では、AFRは所定の速度で連続して調節される。図6は、ベンチ・エンジン試験セルを用いた、空燃比掃引の結果をグラフとして示す。
【0077】
(b)温度、空燃比およびそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは実質的に一定の複数の動作状態を維持しながら、1つまたは複数の他の状態を変化
カテゴリ(b)の試験は、1つまた複数の構成要素物理的完全性を評価する一般に耐久性試験である。そのような試験では、交互に代わる状態は、一般に、排気生成物を介した熱を含み、熱応力以外の追加の応力状態を含む。追加の応力状態の例は、必ずしもそれだけには限らないが、液体にさらすこと、振動にさらすこと(加速度または加速度力にさらすこと)、構成要素の方向を変えること、前述の任意のものに繰り返しさらすこと、およびそれらの組合せを含む。熱い振動試験および急冷試験は例示的であり、以下により詳細に説明する。
【0078】
熱い振動試験
熱い振動試験では、FOCAS(登録商標)rigまたは他のNEBECRASが、ガソリン・エンジンまたは本明細書に参照として組み込まれる米国特許6298729号などの、熱い振動試験リグにおいて知られている他の加熱装置に置き換えられる。図5を参照して、排気生成物は、配管310を介して試験取付具320に流体連通されたNEBECRASによって生成される。装置は振動発生器330に、好ましくは、振動分離継手340を介して機械的に伝達される。1つまたは複数の構成要素330は、NEBECRAS、好ましくはFOCAS(登録商標)rigによって生成された熱い排気生成物に流体連通される振動発生器330、好ましくは振動テーブルに機械的に伝達される試験取付具320の中に配置される。好ましい実施形態では、1つまたは複数の試験構成要素は、振動分離継手340を介して排気生成物配管310と摺動的に係合する加振テーブルに固定される。加振テーブルおよび/またはそれに付けられた取付部品は、垂直、水平および角度を付けた構成要素の方向を提供するように構成される。1つまたは複数の試験構成要素は、長期間の振動ならびに定常状態および過渡的な熱い排気生成物の流れにさらされる。
【0079】
熱い振動試験の好ましい実施形態では、構成要素は加振テーブルに固定され、熱い排気生成物にさらされる。加振テーブルは、所定の振動周波数および振幅で振動するために起動され、構成要素の加速度は構成要素(図示せず)に固定して取り付けられた検出器によって決定される。励起エネルギーの振幅は、構成要素が、実際の車両で遭遇すると予想される運動の範囲をシミュレートする。加えられた振動の入力振幅は、試験の激しさを加速するために増加することができ、振動の周波数分布を特定の自動車用のまたは特定の車両動作状態用の排気システムの振動状態に合致するように設定することができる。
【0080】
構成要素を横切って伝達される力は、ロードセルによって検出され、試験が進むにつれて集められ、分析される。
【0081】
振動発生器は任意の適切な構成でよい。例えば、米国特許第6672434号、米国特許出願20040025608を参照。
【0082】
急冷試験
急冷試験は、車両の触媒コンバータが水さらされる状態、例えば、車両が水たまりまたは洪水領域を通って運転される場合をシミュレートする。急冷試験では、構成要素は比較的一定の排気生成物温度にさらされるが、構成要素の表面は、噴霧によりまたはそれに沈めることによって、液体、好ましくは水で急速に冷却される。液体が水の場合、水は真水または塩水でよく、汚染物を含んでもよい。
【0083】
水冷却試験を行うために使用されるリグは、液体源および試験構成要素表面、好ましくは触媒コンバータ表面に流体連通する液体供給部材を含む。液体供給部材は試験の間、一度または繰り返し、表面を液体にさらすために、起動される。好ましい実施形態では、液体供給部材、好ましくはノズルまたはマニホルド装置は、構成要素の表面を液体で噴霧し、または液体内に構成要素を沈めるのに効果的である。それから、構成要素は、構成要素上の表面冷却の影響を評価するために、知られている方法を用いて評価される。
【0084】
上で見たように、好ましい交互に代わる状態は、必ずしもそれだけには限らないが、繰り返しの加熱および冷却の期間と、階段状の温度増加と、急激な温度変化と、外部液体にさらすステップと、任意の触媒コンバータの着火までの漸進的な温度増加と、漸進的な空燃比の増加を使用した掃引試験と、それらの組合せとを含む。
【0085】
当分野の技術者は、本出願の趣旨および範囲を逸脱することなく、本出願に多くの修正を加えることができることがわかるであろう。本明細書に記載された実施形態は説明のためだけのものであり、特許請求の範囲の中で定義される本出願を限定するものとしてとるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本システムの1つの実施形態の概略図である。
【図2A】非エンジン・ベースの熱源での使用に適したバーナの好ましい実施形態の図である。
【図2B】図2Aのバーナの円で囲まれた部分の拡大図である。
【図3A】バーナの燃焼セクションに入る空気に渦巻運動を与える渦巻板(swirl plate)の正面図である。
【図3B】図3Aおよび図3Cの渦巻板を通る断面図である。
【図3C】図3Aの渦巻板の背面図である。
【図3D】図3Aおよび図3Cの渦巻板を通る断面図である。
【図3E】図3Aおよび図3Cの渦巻板を通る断面図である。
【図4A】空気支援式燃料噴霧ノズルの1つの実施形態の分解図である。
【図4B】空気噴射開口の配置を示す図4Aの空気支援式燃料噴霧ノズルの雄の取付部品のフランジ端部の正面図である。
【図4C】図4Bの空気支援式燃料噴霧ノズルの対向する端部の正面図である。
【図4D】好ましい空気支援式燃料噴霧ノズルの図である。
【図4E】図4Dの空気支援式燃料噴霧ノズルの雄の取付部品のフランジ端部の正面図である。
【図4F】図4Dの空気支援式燃料噴霧ノズルの対向する端部の正面図である。
【図5】本方法による交互に代わる応力状況を提供するように備えられているシステムのボックス・ダイアグラムである。
【図6】ベンチ・エンジンを使用した空燃比掃引試験の間に生成されたデータのグラフである。
【技術分野】
【0001】
本発明の出願は、本明細書に参照として組み込まれた、US 2003−0079520 Al(係属中)として2003年5月1日に公告された、2002年8月6日に出願された米国特許出願10/213890の一部継続出願である。
【0002】
本発明は、一般に、1つまたは複数の構成要素を評価するために、ヒート・ソースとして非エンジン・ベースの試験システムを使用するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
様々な試験が車両の排気システムの構成要素を評価するために使用される。一般に、試験は熱い排気生成物に構成要素をさらすことを必要とする。一般に、熱い排気生成物はガソリン・ベンチ・エンジンを使用して、生成される。
【0004】
ベンチ・エンジンの使用は比較的労働集約的であり、必要な1つまたは複数の流量および温度を維持するために一人または複数の技術者の持続した存在を必要とする。労働のコストおよびガソリンのコストがベンチ・エンジン試験を比較的高価にする。
【0005】
構成要素を評価するために、あまり労働集約的でなく、よりコストがかからない方法および装置が必要とされている。
【発明の要約】
【0006】
本出願は、非エンジン・ベースの試験システムを用いて1つまたは複数の構成要素を評価するための方法を提供する。本方法は、1つまたは複数の構成要素と流体連通する燃焼室(combustor)を含む非エンジン・ベースの試験システムを提供するステップと、制御された空燃比(AFR)を含む供給状態の下で燃焼室に燃料および空気を供給するステップであって、前記供給状態が供給ストリームの流路を生成するステップと、燃焼室への実質的な損傷を防止する一方で、排気生成物を生成する燃焼状態の下で、供給ストリームの流路中の燃料の少なくとも一部を燃焼するステップと、加速エージング状態または運転サイクル状態以外の交互に代わる状態(alternate conditions)の下で、1つまたは複数の構成要素を排気生成物にさらすステップとを含む。
【0007】
自動車排気物質(automotive exhaust emission)を低減させるための開発の2つの一般的な領域は、(1)エンジンにより生成させられる排気物質を低減させること、および(2)エンジンにより生成させられる排気物質の後処理を最適化させることである。一般に、排気の後処理は、エンジンの排気径路に1つまたは複数の触媒コンバータを含む。
【0008】
エンジンの性能を最適化するために制御される主要なエンジン動作パラメータは、空気流量、燃料流量(または空燃比または「AFR」)および点火時期である。全炭化水素の排出は、より迅速な触媒着火(catalyst light−off)で低減される。しかし、AFR、点火時期などを調節することによって触媒加熱を増加させることは、一般に、より高い排気放出率をもたらすことになる。全排出を最小限に抑えるためには、触媒着火時には、化学量論的燃焼にシフトすることが望ましい。触媒コンバータの変換効率を最適化することは、AFRおよび触媒エネルギー(温度)を制御することを一般に必要とする。
【0009】
本出願は、非エンジン・ベースの熱源を使用して、前述のパラメータおよび他のものを正確に試験するための方法を提供する。
【0010】
例示的な非エンジン・ベースの熱源
例示的な非エンジン・ベースの熱源はFOCAS(登録商標)rigである。FOCAS(登録商標)rigは、Southwest Research Instituteの登録商標である。FOCAS(登録商標)rigは、エージング試験を行うために、すなわち、長期的な触媒コンバータの性能への個々の変数の長期的な影響を評価するために開発された。FOCAS(登録商標)rigは、自動車の内燃機関によって生成されたものに対応する組成および温度を備える排気生成物を生成することができる。
【0011】
FOCAS(登録商標)rig内のバーナ・システムなどの非エンジン・ベースの熱源を、それだけには限らないが、検証試験および耐久試験を設計することを含めて、様々な他の試験を行うのに必要とされる熱を供給するために使用することができる。以下に詳細に説明されるFOCAS(登録商標)rigは試験のために好ましい非エンジン・ベースの熱源ではあるが、任意の機能的で効率的な非エンジン・ベースの熱源を、本明細書中に説明された原理にしたがった使用に適合できることが当分野の技術者には明らかであるだろう。非エンジン・ベースの熱源は、自動車の内燃機関によって生成されたものに対応する組成および温度を備えるシミュレーションされた排気生成物を生成する。
【0012】
好ましくは、非エンジン・ベースの熱源は、ガソリン;合成ガソリン;ディーゼル;石炭、泥炭または同様な材料から作られた液化燃料;メタノール;圧縮天然ガスまたは液化石油ガスなどのガソリンまたは他の燃料の燃焼から油のない排気を提供する。非エンジン・ベースの熱源は、正確な空燃比制御と、好ましくは、燃料および様々な消費率および酸化状態における潤滑剤の影響の決定的な分離のための別の油噴霧化システムとを提供する。非エンジン・ベースの熱源は、好ましくは、様々な状態にわたって動作することができ、エンジン動作の様々なモード、例えば、コールド・スタート、定常状態で化学量論的、希薄、濃厚、周期的摂動などをシミュレートすることを可能にする。
【0013】
好ましい実施形態では、非エンジン・ベースの熱源は、(1)バーナに燃焼のための空気を提供する空気供給システムと、(2)バーナに燃料を提供する燃料システムと、(3)空気と燃料の混合物を燃焼させ、かつ適切な排気生成物成分を提供するバーナ・システムと、(4)排気生成物の温度を制御する熱交換器と、(5)コンピュータ化された制御システムとを含む。1つの実施形態では、非エンジン・ベースの熱源は、油噴射システムをさらに含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
FOCAS(登録商標)rig
空気供給システム
次に、図面を、説明の目的で最初に図1を参照すると、FOCAS(登録商標)rigの概略図が示される。送風機30は入口空気フィルタ20を通して周辺空気を吸気し、加圧空気流を排気する。送風機30および質量空気流量センサ50は、当分野の技術者にはよく知られている任意の従来設計でよい。好ましい実施形態では、送風機30は、Fuji Electric Model VFC404A Ring Blowerなどの電気遠心送風機であり、質量空気流量センサ50は、大抵の小売自動車部品店で入手可能なBosh Model Number 0280214001などの自動車用入口空気流量センサである。供給される空気の体積はバイパス弁40を調節することによって設定されて、質量流量センサ50によって測定される空気の望ましい流量を生成する。
【0015】
燃料供給システム
標準自動車燃料ポンプ10は、燃料系路12を通って、電子的に作動された燃料制御弁14に、それから(以下に詳細に説明された)バーナ60に自動車燃料をポンプ輸送する。本明細書中で使用されるように、用語「自動車燃料」は、必ずしもそれだけには限らないが、ガソリン;合成ガソリン;ディーゼル;石炭、泥炭または同様な材料から作られた液化燃料;メタノール;圧縮天然ガスまたは液化石油ガスを含めた、自動車の内燃機関用の燃料として使用できる任意の物質を意味する。
【0016】
別のタイプの制御弁を使用することもできるが、好ましい燃料制御弁14はコンピュータの制御システムからパルス幅変調信号を受け、かつパルス幅に比例してバーナへの燃料の流れを調整する電磁弁である。電子的に作動する電磁弁14は、当分野の技術者にはよく知られているパルス幅変調信号によって動作する設計でよい。好ましい実施形態では、電子的に作動する燃料制御弁14は、大抵の小売自動車部品供給店で入手可能なBosch周波数弁のモデル番号0280 150 306−850である。燃料制御弁14から、燃料は、(以下に説明される)バーナ・アセンブリ内の空気支援式燃料噴霧ノズル16にパイプで送られる。
【0017】
バーナ
バーナは燃料および空気の化学量論的燃焼をもたらすために以下に示すように特別に製造される。好ましい実施形態では、バーナ60は、自動車燃料の継続した化学量論的燃焼を発生させることができる渦巻式安定化バーナである。
【0018】
次に、好ましい実施形態の図2を参照して、バーナはプレナム・チャンバ200と燃焼管210とを含む。渦巻板18が、プレナム・チャンバ200を燃焼管210から分離する。燃焼管210は極度の高温に耐えることができる材料から構成される。好ましい材料は、必ずしもそれだけには限らないが、インコネル、またはステンレス綱を含み、任意選択で、得られる火炎のパターンを視覚的に観察するためにインコネル管の代わりに石英管を備えることができる。
【0019】
空気および燃料は別々にバーナ60に導入される。質量流れセンサ50からの空気はプレナム・チャンバ200(図2)に、それから、渦巻板18を通って燃焼管に導管で送られる。渦巻板18は燃料噴射器16を備えている。
【0020】
燃料噴射器
第1実施形態では、空気支援式燃料噴霧ノズル16は、従来の手段を用いて渦巻板18の中心のところで、プレナム・チャンバ200(図2)の内部に係合される。燃料供給系路14からの燃料は、空気支援式燃料噴霧ノズル16に供給され、そこで空気系路15からの圧縮空気と混合され、燃焼管210(図2)の中に噴霧される。圧縮空気系路15は、燃料の噴霧化を支援するために高い圧力を提供する。
【0021】
図4Aは、空気支援式燃料噴霧ノズル16の1つの実施形態である。図4Aからわかるように、空気支援式燃料噴霧ノズル16は渦巻板18に係合される雄と雌の取付部品を含む。様々な適切な係合の方法が当分野の技術者に知られている。雌の取付部品250は、フランジ端部252と、実質的に管状の延長部251とをもつ。雄の取付部品254は、フランジ端部256と、対向する端部268をもつ実質的に円筒形延長部253とをもつ。円筒形延長部は、その長さに沿って雌の取付部品の管状延長部の内部に嵌合する。好ましい実施形態では、管状の延長部251の内壁259と管状延長部253の外壁263との間のクリアランス270は好ましくは1/8インチである。クリアランス270は、燃料噴射孔264と連通する、燃料の噴射用の円周上の溝257を作り出す。
【0022】
空気噴射ボア262(好ましくは約1/16インチ)は、フランジ端部256を通って、雄の取付部品の管状延長部253の軸に実質的に平行に、渦巻板18とインターフェースをもつボア260へ延びる。燃料噴射ボア264は外壁263から空気噴射ボア262に隣接して、径方向内向きに延びる。空気噴射ボア262は空気系路15と任意の適切な方法で係合させられる。燃料噴射ボア264は燃料系路12と任意の適切な方法で係合させられる。
【0023】
図4Bは空気噴射ボア262の配置を説明する雄の取付部品のフランジ端部254の正面図である。図4Bからわかるように、5つの空気噴射ボア262aからdおよび265がゲームのサイコロの上の数字の「5」に類似して配置される。特に、図4Bで5x−5xに沿って引かれた線と比較されたとき、中心の空気孔265の中心を通り、かつ隅の空気孔262aからdの任意の1つの中心を通って引かれた線は45°の角度をもつ。言い換えれば、隅の空気孔262aからdの中心は、中心の空気孔265の周囲に描かれた正方形の4つの隅に見いだされる。
【0024】
係合された場合の、空気支援式噴射ノズル16のすべての部分の対向する端部の正面図が図4Cに示される。この「丸窓」図では、内円は雌の取付部品のボア260であり、次の同心リングは雄の取付部品の管状延長部253の対向する端部268であり、次の同心リングは雌の取付部品の管状延長部251と雄の取付部品の延長部253との間のクリアランスによって形成された環状溝270であり、最も外側のリングはポート255を画定するフランジ252である。
【0025】
燃料噴射器16(図4DからF)の好ましい実施形態では、図4Aから4Cのように、同じ部品は同じ番号が付けられている。図4Dを参照して、燃料ジェットを通って直接通過する噴射された空気で、燃料噴射ボア264を通って供給された燃料を剪断しながら、空気噴射ボア262は、混合および保護用に空気シュラウドに燃料を導くために角度が付けられている。燃料噴射ボア264は、好ましくは、混合および保護のために空気シュラウド内に直接向けられている。噴射角度は、空間の要求内で燃料の噴霧化を最大にし、渦巻板18と共に働く。
【0026】
空気支援式燃料噴霧ノズル16は、従来の手段を使用して渦巻板18の中心に係合される。空気支援式燃料噴霧ノズル16は、渦巻板18内の中心ボア244(図3C)と組み合わせるように構成されたフランジ式の雄の取付部品252を含む。好ましい実施形態では、空気支援式噴霧ノズルの外壁254aと渦巻板18の中心ボアの壁281との間の同心円のクリアランス270は、好ましくは、約0.2インチから約0.75インチまでであり、最も好ましくは約0.25インチである。空気支援式燃料噴霧ノズル16はY−Y’で表される長手方向軸をもつ空気噴射ボア262を画定する。線Y−Y’は、渦巻板の内壁280に沿って引かれた線5F−5Fに対して角度x、x’を形成する。角度x、x’は、好ましくは約65°から約80°までであり、好ましくは約76°である。空気噴射ボア262は、実質的に任意の構成をもってよい。好ましい構成では、空気噴射ボア262は、円筒形ボアである。
【0027】
空気噴射ボア262は、供給端部298から噴射端部299まで延び、燃料の適切な流れを可能にするのに効率的な内径をもつ。好ましい実施形態では、空気噴射ボア262は、約0.060インチから約0.080インチまでの、好ましくは約0.070インチの内径をもつ。空気噴射ボア262は、供給端部298から噴射端部299上の燃焼管210(図2)まで延びる。
【0028】
空気支援式燃料噴霧ノズル16は渦巻板18の外壁282と組み合わせられるように構成された第1フランジ端部252aを含む。第1フランジ端部252aと外壁282の位置合わせは、相補的な溝、相補的な角度、他のタイプの組み合わせられた機械の取付部品など多くの構成をとることができる。好ましい実施形態では、第1フランジ端部252aおよび外壁282は実質的に平らであり、互いに平行であり、長手方向軸A−Bに対して実質的に垂直な線に沿って互いに当接する。好ましい実施形態では、第1フランジ端部252aは、径方向に、線A−Bによって示される長手方向軸から外向きに、そこから約0.38インチから約0.65まで、好ましくは、約0.38インチの距離延びる。
【0029】
第2フランジ端部は必ずしも必要というわけではない。しかし、好ましい実施形態では、空気支援式噴霧ノズル16は径方向に、線A−Bによって画定される長手方向軸から外向きに、そこから約0.3インチから約0.45インチまで、好ましくは、約0.38インチの距離延びる第2フランジ端部252bをさらに含む。
【0030】
図4Dに示すように、第1フランジ端部252aおよび第2フランジ端部252bは供給端部298にポート255を含む流れチャンバ297を画定する。ポート255が、流れチャンバ297を通って、空気支援式噴霧ノズル16によって画定される燃料噴射ボア264への燃料の適切な量の流れを可能にするならば、このポート255の構成および寸法はそれほど重要ではない。空気支援式噴霧ノズル16の噴射端部299は、流れチャンバ297から空気噴射ボア262の開口291まで延びる燃料噴射ボア264を画定する。燃料噴射ボア264は、それらが燃料の適切な流れを供給する限り、実質的に任意の構成でよい。燃料噴射ボア264は、線5F−5Fに対して角度z、z’を形成する線R−R’で示される長手方向軸をもつ。好ましい実施形態では、燃料噴射ボア264は、円筒形であり、約0.020インチから約0.040インチまでの、好ましくは約0.031インチの直径をもつ。好ましくは、角度z、z’は約60°から約80°までで、好ましくは約73°である。
【0031】
動作では、燃料は、ポート255を通り、流れチャンバ297を通り、燃料噴射ボア264および開口291を通って流れ、空気噴射ボア262に噴射され、したがって、空気支援式燃料噴霧ノズル16の噴射端部299のところで空気および燃料の同時噴射をもたらす。燃料は開口291のところで、空気と衝突し、空気のシュラウドと衝突するのに効率的な流れのジェットをもたらす。噴霧ノズル16のすべての構成要素のための構成の材料および寸法は、プロセスの動作状態に基づいて変化するであろう。
【0032】
図4Eに示すように、空気噴射ボア262は、噴射端部299にゲームのサイコロの上の数字の「4」に類似して配置された開口262aからdを含む。開口262aからdは、ABおよびA’B’によって示されるように互い同士ほぼ90°の角度で間隔を置いて好ましくは配置される。
【0033】
図4Fは空気支援式燃料噴霧ノズル16の供給端部298の正面図である。この「丸窓」図では、内円はボア260であり、残りの同心リングは第2フランジ端部252bの外面261を含む。燃料は、燃料系路12からポート255を通って噴霧ノズル16に、そして燃料の流れチャンバ297の中に流れ、そして燃料噴射ボア264を通って空気噴射ボア262に流れる。
【0034】
渦巻板
好ましい実施形態では、図3AからEに示されるように、渦巻板18は、燃焼領域に壊れた円錐形および渦巻流の複雑なパターンを提供するために、極度に乱れた渦巻状の燃焼を生成することができる。渦巻板18によって生み出された流れのパターンは、渦巻ジェット242および242aからcと、253および253aからc、ならびに乱流ジェット248および248aからcと、249および249aからcと、250および250aからcの多数の相互作用を含む。これらのジェットの相互作用は、好ましくは燃焼管210の内径に実質的に等しい長さの間隔で壊れまた膨張する渦巻流を生み出す。好ましい実施形態では、燃焼管210の内径は4インチであり、渦巻流が壊れまた膨張する間隔は4インチ毎である。パターンは燃焼管210の壁に沿った流路を明白に画定し、したがってこれが燃焼管210に沿った点火器220の位置を画定する。本明細書で説明された実施形態では、点火器は、内部渦巻ジェット(253a、b、c)の径路に沿った第1および第2の完全膨張のところで配置される。
【0035】
図3Aから3Eに示された好ましい実施形態では、渦巻板18は空気の流れのパターンを固定し、かつ燃料噴射器を保護するのに効果的であるための「空気シュラウド」を生み出すのに十分な厚さをもつほぼ円形のディスクである。厚さは一般に約1/2インチかそれ以上である。渦巻板18は中心ボア255をもつ。空気支援式噴霧ノズル16は、適切な手段を用いて、この中心ボア255のところで渦巻板18に嵌合される。説明された実施形態では、渦巻板18は、空気支援式噴霧ノズル16を取り付けるために、それを通るボア240をもつ。渦巻板18は、高温に耐える実質的に任意の材料で作ることができ、好ましい材料はステンレス鋼である。
【0036】
中心ボア255は壁244によって画定される。一般的に言って、渦巻板の長手方向軸から任意の径方向の距離に配置されたジェットの各タイプは、中心ボア255から任意の距離で同心円に沿って、ほぼ90°の間隔を置いて配置された4つの部材(時々はジェットの「組」と呼ばれる)をもつ。3つの組の乱流ジェット248、249および250は空気を中心ボア255に向かって導く。内側および外側の組の渦巻ジェット242および253は、それぞれ、渦巻板18の外円周256から、ならびにバーナの方向でそれぞれの四分円内の渦巻板の直径を通る線3C−3Cまたは4E−4E(図3C)にほぼ平行に空気を導く。
【0037】
ジェットの正確な寸法および角度方向はバーナの内径によって変化し、本明細書で説明された実施形態では約4インチである。本明細書での説明を与えられて、当分野の技術者は、様々な寸法のバーナで使用する渦巻板を構成できるであろう。
【0038】
ジェットの方向は、渦巻板257の正面に対して、渦巻板18の長手方向軸241に対して、かつ渦巻板18を4つの四分円に分割する図3Cの線3C−3Cおよび4E−4Eに対して説明される。6つの同心円244および244aからe(図3C)が、内側から、中心ボア255を画定する壁244から始めて、渦巻板18の外側円周244eに同心円的に延びて、示される。本明細書で説明された実施形態では、中心ボアは内径が1.25インチまたは内半径が0.625インチである。第1の同心円244aは、壁244から0.0795インチであり、第2の同心円244bは、壁244から0.5625インチであり、第3の同心円244cは、壁244から1.125インチであり、第4の同心円244dは、壁244から1.3125インチであり、また第5の同心円244eは、壁244から1.4375インチである。
【0039】
外側渦巻ジェットの組は、242および242a、b、cと名前を付けられる。内側渦巻ジェットの組は、253および253a、b、cと名前を付けられる。外側渦巻ジェットの組242および242aからcならびに内側渦巻ジェットの組253および253aからcは、渦巻板18の表面257に対して同じ角度z(図3B)をもち、好ましくは25°の角度である。好ましい実施形態では、外側渦巻ジェットの組242および242aからcならびに内側渦巻ジェットの組253および253aからcの両方は内径5/16インチをもつ。外側渦巻ジェットの組242は、燃料噴射側59の渦巻板18の外側円周256に沿った入口点242xから、バーナ側60の円244bに沿った出口点242yまで空気を導く。外側渦巻ジェット242の長手方向軸は、それぞれの4半円内で線3C−3Cおよび4E−4Eに平行であり、それらから0.44インチ間隔を置いて配置される。内側渦巻ジェットの組253は、燃料噴射側59の円244bに沿った入口点から、中心ボア244に沿ったバーナ側60の出口点まで空気を導く。内側渦巻ジェット253の長手方向軸も、それぞれの4半円内で、線3C−3Cおよび4E−4Eに平行である。
【0040】
空気シュラウド・ジェット250は、円244bに沿った点から、直接内向きに、中心ボア255の中心に向かって空気を導く。空気シュラウド・ジェット250の長手方向軸は、線(3C−3Cおよび4E−4E)に沿って走る。渦巻板18の長手方向軸241に対する空気シュラウド・ジェット250の長手方向軸251の角度a(図3D)は43.5°である。空気シュラウド・ジェット250は、好ましくは、内径約1/4インチをもつ。渦巻板18のバーナ側60の外側渦巻ジェット242の出口点242yは、好ましくは、長手方向にまたは渦巻板の長手方向軸241に平行に、渦巻板18の燃料噴射側59の空気シュラウド・ジェット250の入口点と一直線になる。
【0041】
空気シュラウド・ジェット250は、火炎が空気支援式噴霧ノズル16に接触することを防止することに主に役割がある。空気シュラウド・ジェット250から流れる空気は、燃料噴射器16(図1および2)の前の位置で収束し、空気の円錐形シュラウドを作り出し、それが低圧力領域を渦巻板18の燃料噴射側59(図1)に、高圧力領域を渦巻板18のバーナ側60にもたらす。燃料噴射側59の低圧力領域は燃料を燃料管210に引き込むのを助け、一方、バーナ側60の高圧力領域は、バーナの火炎が空気支援式噴射器16の面に付着するのを防止し、ノズル16のコーキングおよび過熱を防ぐ。好ましい実施形態では、空気シュラウド・ジェット250はノズル16の前から、約0.5cmから約1cmのところで収束する。
【0042】
燃焼管210はいくつかの火花点火器220(図2参照)を備えている。好ましい実施形態では、3つの実質的に等間隔で配置された点火器220が、渦巻板18によって作られたガス「渦巻径路」内の燃焼管の円周の周りに配置される。好ましい実施形態では、これらの点火器220は海用の点火プラグである。
【0043】
低い揮発度の燃料の燃焼に適した別の実施形態では、燃焼管210は噴射ノズル16から約1フィート下流側に配置されたセラミック・フォームをさらに含む。実質的に任意の適切なフォーム、好ましくは、例えば、Ultra−Met Corporation、Pacoima、CA91331から市販されている10孔/インチのSiCフォームを使用することができる。
【0044】
燃料噴射器および渦巻板の相互干渉
バーナ60および燃料噴射器16は、実質的に継続した、「効率的な化学量論的燃焼」を提供するために一緒に働く。本明細書で使用されるように、用語「効率的な化学量論的燃焼」は、燃料噴射器の実質的なコーキングなしで、燃焼管の壁の完全性を維持する燃焼のことを指す。その結果、バーナは、保守の必要なく、実質的に持続して化学量論的に少なくとも200時間稼働する。好ましい実施形態では、最小限の保守で、バーナは実質的に持続して化学量論的に少なくとも1500時間稼働する。最小限の保守は点火プラグの交換のみを意味する。
【0045】
燃料噴射器16(上記)の設計は、渦巻板18の主要な特徴を考慮する。すなわち、
【0046】
1)外側乱流ジェット248および249(断面3C−3C)は、火炎が継続して燃焼管210の内壁に接触することを防止する。バーナ60が継続的に、かつ長期間にわたって化学量論的に(最も熱い空気/燃料比の動作点)動作するので、燃焼管210の壁の完全性を維持することが必要である。現在、INCONEL燃焼管210は、劣化の証拠を示さずに、1500時間の動作を超えてさらされた。この特徴は実質的に燃料噴射に影響を与えない。
【0047】
(2)内側渦巻ジェット242はバーナ内の全体の渦巻パターンを設定する。渦巻ジェット242を出る空気は、渦巻板18の約3インチ下流側で燃焼管210の内壁と衝突し、燃料噴射器16からの燃料の噴霧と直接相互作用をする。
【0048】
(3)内側乱流ジェット250は時々「空気シュラウド」ジェットと呼ばれる。内側乱流ジェット250を出る空気は燃料噴射器16の前から、0.75インチのところで収束する。この特徴は2つの非常に重要な機能を提供する。収束点は、バーナの火炎が燃料噴射器16に付着することを防止する(コーキングを防止)バーナ60内に高圧力点を作る。燃料噴射と直接相互作用をし、火炎品質に影響を与える第2の機能は、それは、それらがバーナ火炎に入るとき、残っている大きな液滴を剪断することである。
【0049】
バーナ60からの排気は熱交換器70に送られる。熱交換器70は当分野の技術者にはよく知られている任意の従来設計のものでよい。排気生成物は次に油噴射セクション110(図1)に送られる。油噴射セクションは、それが触媒に到達する前に、油を気化し酸化するために十分に小さい直径をもつ油の液滴を含む噴霧化された油噴霧を提供する。油噴射システムはバーナの下流側の任意のところに配置することができる。
【0050】
非エンジン・ベースの熱源と共に使用されるのに適したデータ獲得および制御システムが提供される。システムは、好ましくは、点火、燃料噴射のための空気支援、補助空気、燃料供給、送風機空気供給、油噴射など(以下により詳細に説明する)を制御するための手段を提供する。適切な制御システムの例は、例えば、燃料計量を制御するための比例積分偏差(PID)制御ループであるだろう。
【0051】
FOCAS(登録商標)rigなどのNEBECRASのバーナ・システムを、燃焼室に実質的な損傷なしで、化学量論的、濃厚、また希薄の熱いガス状態を生成するために使用することができる。好ましい実施形態では、燃焼室は、燃料の燃焼の間、火炎が供給部材に付着するのを防止するのに効果的な空気シュラウドを含む、供給ストリームの流路を生成する化学量論的空燃比(AFR)においても効率的である渦巻板を含む。供給ストリームの流路は、好ましくは、燃料の燃焼の間、火炎が燃焼室の内壁と継続して接触し続けることも防止する。熱は、ガソリンで動力を与えられたエンジンによってではなく、NEBECRASによって生成された排気生成物を介して供給される。
【0052】
「交互に代わる状態」を含む試験を行うための非エンジン・ベースの熱源の使用
本出願は、「交互に代わる状態」を含む試験を行うための非エンジン・ベースの熱源の使用が対象とされる。語句「交互に代わる状態」は、加速エージング状態および運転サイクル状態からなる群から選択される状態以外の実質的に任意の状態を指す。好ましい実施形態では、交互に代わる状態はRAT−Aサイクル状態以外であり、FTP−75状態以外である。より好ましい実施形態では、交互に代わる状態は、振動状態、温度分布状態、熱応力状態、急冷状態、着火状態および空燃比掃引状態からなる群から選択される状態である。
【0053】
加速エージング試験「RAT−Aサイクル状態」以外
「交互に代わる状態」は「加速エージング状態」ではない。以下は加速エージング状態の簡潔な説明である。
【0054】
より高い触媒温度で動作することによって、触媒コンバータの熱の非活性化が起こる速度が速くなる、触媒コンバータの熱エージングは効率的に加速することができる。「加速エージング状態」は、一般に高温の触媒の入口温度、化学反応に誘導された熱エクスカーション(不発火事象をシミュレートする)、試験構成要素の加速エージングに効率的な平均空気/燃料比(AFR)の組合せを含む。「RAT−Aサイクル」はGeneral Motors社の「Rapid Aging Test Cycle」の中の状態の組合せを指す。GM RAT−Aサイクルにおける100時間のエージングは耐久性のレベルを示すと一般に理解される。
【0055】
RAT−Aサイクルは、主に、定常状態、短い熱エクスカーションを伴う化学量論的動作を特徴とする。熱エクスカーションは、2次空気(約3%の酸素、O2)を触媒の前に噴射しながら、約3%の一酸化炭素(CO)を生成するために、濃厚で動作されることによって作られる。過剰な還元剤および酸化剤は触媒と反応して、熱の形状で化学エネルギーを放出する。触媒入口温度および排気生成物の流量も、試験サイクルの設定を特定するために使用される。流れは、標準立方フィート/分(scfm)で特定され、一般に75scfmである。C.Webb and B.Bykowskiによる「Development of Methodology to Separate Thermal Oil Aging of Catalyst Using a Gasoline−Fueled Burner System」SAE2003−01−0663が参照として本明細書に組み込まれる。
【0056】
エンジンに関し、エンジン速度を調節することが、流れの仕様を設定する。触媒への入口でのガス温度は、定常状態、サイクルの化学量論部分の間、エンジン負荷を調節することによって達成される。熱エクスカーションは、サイクルの濃厚部分の間、エンジン動作AFRを調節し、かつ3%のCOおよびO2仕様を達成するために空気噴射を調節することによって作られる。(以下の)表は、サイクル用の設定状態を提供する。触媒入口温度は、サイクルの化学量論部分の間で特定されるが、発熱(および触媒入口温度でない)を作り出す排気生成物の濃度は、サイクルの熱エクスカーション部分の間で特定されることに留意すべきである。2つの仕様は触媒の内部に温度分布を作り出す。
【0057】
【表1】
【0058】
運転サイクル・シミュレーション試験または「FTP−75状態」以外
「交互に代わる状態」は「運転サイクル状態」でもない。以下は運転サイクル状態の簡潔な説明である。
【0059】
運転サイクル状態の間、以下の状態のすべて、排気流量、排気生成物温度、排気生成物化学量論比が実際の運転をシミュレートするために変化される。FTP−75状態は、
1)FTPの間中、試験車両の排気の流量をシミュレートするために、好ましくは、0から約200標準立方フィート/分(scfm)の範囲で排気の流量を変化させるステップと、
2)FTPの間中、触媒の入口で、排気生成物温度をシミュレートするために、好ましくは、約20から約900℃の範囲で、排気生成物温度を変化させるステップと、
3)FTPの間中、車両の排気生成物化学量論比をシミュレートするために、好ましくは、約10から約40AFRの範囲で、より好ましくは、約10から約20AFRの範囲で、排気生成物化学量論比を変化させるステップとを含む。
システムの排気生成物の混合物は、理想的には、FTP試験間の任意の時間に車両の排気に見られるような炭化水素、一酸化炭素、および窒素酸化物の類似した濃度を含む。
【0060】
ガソリン・エンジンの代わりにNEBECRASを使用して行うことができる複数の標準的な試験が存在する。実質的に、自動車および非自動車の構成要素を含めて、任意の構成要素を、本出願の方法を使用して試験することができる。好ましい構成要素は、自動車の構成要素であり、好ましくは、車両の排気システムの構成要素である。より好ましい構成要素は触媒コンバータである。他のそのような構成要素は、必ずしもそれだけには限らないが、排気マニホルド、排気圧力センサ、すべてのタイプの触媒、すべてのタイプの粒子フィルタ、EGR弁、EGR冷却器、EGRシステムおよび構成要素、排気システム構成要素、フランジ、管、ガスケット、継手、振動分離器、流れダイバータ、酸素センサ、排気管、マフラおよびそれらの組合せを含む。他のタイプの触媒は、必ずしもそれだけには限らないが、3元触媒(TWC)、希薄NOx触媒(LNC)、希薄NOxトラップ(LNT)、選択触媒還元(SCR)、炭化水素トラップ、吸収器、吸収器を含む。触媒付きおよび触媒なしのDPFを含めてディーゼル粒子フィルタもこの方法を使用して試験されたが、別の出願の主題である。
【0061】
非エンジン・ベースの試験システム、好ましくはFOCAS(登録商標)システムを非活性化することができ、システムは周囲状態に数分のうちに冷却でき、冷却後すぐに、システムを追加の試験を行うために使用できる。システムは改良された再現性および低減された冷却時間を提供する。システムはまた、定期保守(オイル交換、チューンナップ)および時間のかかる修理を必要とするガソリン・エンジンと比べると比較的簡単な保守を提供する。システムは比較的簡単(より少ない可動部品および摩擦領域)で、希薄で動作するときには、改良された燃費で動作できる。これらの利点がそれを研究および開発ツールとして大いに望ましくする。
【0062】
「交互に代わる状態」の例
「交互に代わる状態」は加速エージング状態および運転サイクル状態とは異なり、それは、一般に、
(a)温度、温度における変化の間の時間間隔、空燃比およびそれらの組合せとからなる群から選択される1つまたは複数の動作状態を変化させるステップと、
(b)温度、空燃比およびそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは実質的に一定の複数の動作状態を維持しながら、1つまたは複数の他の状態を変化させるステップとを含む。
【0063】
以下のことは、カテゴリ(a)および(b)に当たる複数の試験の特定の説明である。説明は例示だけのものであり、特許請求の範囲を好ましい実施形態に限定するものとして解釈するべきではない。
【0064】
a)温度、温度における変化の間の時間間隔、空燃比およびそれらの組合せとからなる群から選択される動作状態を変化
カテゴリ(a)の試験は、必ずしもそれだけには限らないが、耐久性試験を含む設計検証試験を含む。そのような試験は、加速エージング試験および運転サイクル試験と比べて、1つまたは複数の異なるパラメータを含む。「異なるパラメータ」の例は、必ずしもそれだけには限らないが、階段状温度、温度サイクルのより短い間隔、増幅された大きさの温度サイクル、前述のタイプのサイクルの複数の繰り返し、それらの組合せからなる群から選択されるパラメータを含む。
【0065】
カテゴリ(a)における試験の特定の例は、必ずしもそれだけには限らないが、シェル変形試験と温度分布試験と熱サイクル試験とコンバータ着火試験と空燃比掃引とを含む。前述の試験は以下により詳細に説明される。
【0066】
シェル変形試験
触媒コンバータは、一般に、触媒担体がシェル内部にケースに入れられるように構成される。一体式触媒担体は、一般に、脆弱で容易に損傷を受けやすいセラミックから形成される。損傷を防ぐために、触媒は一般に、シェル内部に弾性的に支持される。
【0067】
本出願は、非エンジン・ベースの試験システムを使用して、一般にシェル変形試験と呼ばれる、シェルが膨張する傾向を評価するための方法を提供する。シェル変形試験では、NEBECRAS、好ましくはFOCAS(登録商標)rigによって生成された熱い排気生成物に流体連通する容器を含む触媒コンバータ(図1の330)はいくつかの昇温および冷却期間にさらされる。言い換えれば、交互に代わる応力状態は、構成要素を排気生成物に第1温度に第1期間さらすステップと、構成要素を排気生成物に第2温度に第2期間さらすステップとを含む。第1および第2温度に対する構成要素(好ましくは触媒コンバータおよびシェルを含む)の動的および恒常的反応を評価するために、第1温度は第2温度と十分に異なる。
【0068】
温度分布試験
温度分布試験は、内部(触媒)および外部(カンの表面)の温度勾配情報を得るために、好ましくは、定常AFRおよび流量状態で、1つまたは複数の構成要素を高温(定常状態)階段状の増加にさらすことを引き起こす。温度は漸進的に低減させることもできるが、交互に代わる状態は、一般に温度勾配状態を作るために、排気生成物の温度を漸進的に増加させることを含む。言い換えれば、触媒コンバータは第1温度に第1期間さらされ、第2温度に第2期間さらされ、第3温度に第3期間などにさらされる。構成要素は、温度勾配にさらすことの外部および内部の影響を決めるために、知られている方法を用いて評価される。
【0069】
熱サイクル
本出願は熱サイクル試験用の熱い排気生成物を生成するためにNEBECRASを使用する。
【0070】
熱サイクルは、急速にかつ繰り返し試験構成要素の温度を変えることによって、構成要素に極度に応力を加える。試験構成要素、好ましくは、触媒コンバータは、第1温度に第1期間さらされ、それから第2温度に第2期間などにさらされる。構成要素に熱的に応力を加えるために、第1温度および第2温度は十分に異なっている。
【0071】
熱サイクルは、一体式触媒の耐久性も試験する。従来のセラミック体式触媒は、一般に、実際は触媒がその上に付着されるコーティングを備えるセラミック・サポートからなる。実質的な密度および強度を得るために、セラミック材料は普通高温で焼かれねばならない。そのような高温の燃焼は必然的にセラミック材料を焼結させて、非常に小さい表面積をもたらす。したがって、セラミックは、より大きな表面積、ならびに触媒の付着に必要な特定の化学的特徴をもつ別の材料で被覆されなければならない。大きい表面積の被覆または「薄め塗膜」および下のセラミック材料は、一般に異なる熱膨張係数をもつ。構成要素が熱サイクルにさらされるとき、大きい表面積の被覆が下のセラミック・サポートから剥がれる傾向がある。
【0072】
着火試験
着火試験は、触媒コンバータが触媒的に活性化される温度を決定する。迅速な触媒着火は、コールド・スタート排気を低減させるために、一般に望ましい。本出願はNEBECRAS、好ましくはFOCAS(登録商標)rigを着火試験の間、熱源として使用する方法を提供する。
【0073】
「着火」試験の間、触媒コンバータは、初期温度の排気生成物にさらされ、それから温度が、着火温度より大きい温度に増加される。排気生成物構成要素の濃度は、触媒コンバータにさらされる前および触媒コンバータにさらされる後で、実質的に継続して測定される。
【0074】
熱い排気生成物の初期温度は試験触媒の着火温度より低い。着火温度は特定の触媒コンバータと共に、また排気生成物の組成と共に変化するであろう。排気生成物がガソリンから生成される場合、初期温度は約200℃またはそれより低く、好ましくは200℃より低い。
【0075】
触媒コンバータ用の「着火」点は、触媒層温度が入口温度を超えるとき指摘されたように、変換効率が増加する点である。排気生成物がガソリンから生成される場合、触媒の着火は一般に約250℃で起こる。
【0076】
空燃比掃引
本出願はNEBECRASが、空燃比掃引の間、排気生成物発生器および熱源として使用される方法を提供する。触媒コンバータを異なるAFRで評価するために、AFRを希薄から濃厚(へまたはその反対に)調節しながら、AFR排気成分が測定される。階段状AFR掃引試験では、各AFRは定常状態動作が達成されるまで、維持される。連続AFR試験では、AFRは所定の速度で連続して調節される。図6は、ベンチ・エンジン試験セルを用いた、空燃比掃引の結果をグラフとして示す。
【0077】
(b)温度、空燃比およびそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは実質的に一定の複数の動作状態を維持しながら、1つまたは複数の他の状態を変化
カテゴリ(b)の試験は、1つまた複数の構成要素物理的完全性を評価する一般に耐久性試験である。そのような試験では、交互に代わる状態は、一般に、排気生成物を介した熱を含み、熱応力以外の追加の応力状態を含む。追加の応力状態の例は、必ずしもそれだけには限らないが、液体にさらすこと、振動にさらすこと(加速度または加速度力にさらすこと)、構成要素の方向を変えること、前述の任意のものに繰り返しさらすこと、およびそれらの組合せを含む。熱い振動試験および急冷試験は例示的であり、以下により詳細に説明する。
【0078】
熱い振動試験
熱い振動試験では、FOCAS(登録商標)rigまたは他のNEBECRASが、ガソリン・エンジンまたは本明細書に参照として組み込まれる米国特許6298729号などの、熱い振動試験リグにおいて知られている他の加熱装置に置き換えられる。図5を参照して、排気生成物は、配管310を介して試験取付具320に流体連通されたNEBECRASによって生成される。装置は振動発生器330に、好ましくは、振動分離継手340を介して機械的に伝達される。1つまたは複数の構成要素330は、NEBECRAS、好ましくはFOCAS(登録商標)rigによって生成された熱い排気生成物に流体連通される振動発生器330、好ましくは振動テーブルに機械的に伝達される試験取付具320の中に配置される。好ましい実施形態では、1つまたは複数の試験構成要素は、振動分離継手340を介して排気生成物配管310と摺動的に係合する加振テーブルに固定される。加振テーブルおよび/またはそれに付けられた取付部品は、垂直、水平および角度を付けた構成要素の方向を提供するように構成される。1つまたは複数の試験構成要素は、長期間の振動ならびに定常状態および過渡的な熱い排気生成物の流れにさらされる。
【0079】
熱い振動試験の好ましい実施形態では、構成要素は加振テーブルに固定され、熱い排気生成物にさらされる。加振テーブルは、所定の振動周波数および振幅で振動するために起動され、構成要素の加速度は構成要素(図示せず)に固定して取り付けられた検出器によって決定される。励起エネルギーの振幅は、構成要素が、実際の車両で遭遇すると予想される運動の範囲をシミュレートする。加えられた振動の入力振幅は、試験の激しさを加速するために増加することができ、振動の周波数分布を特定の自動車用のまたは特定の車両動作状態用の排気システムの振動状態に合致するように設定することができる。
【0080】
構成要素を横切って伝達される力は、ロードセルによって検出され、試験が進むにつれて集められ、分析される。
【0081】
振動発生器は任意の適切な構成でよい。例えば、米国特許第6672434号、米国特許出願20040025608を参照。
【0082】
急冷試験
急冷試験は、車両の触媒コンバータが水さらされる状態、例えば、車両が水たまりまたは洪水領域を通って運転される場合をシミュレートする。急冷試験では、構成要素は比較的一定の排気生成物温度にさらされるが、構成要素の表面は、噴霧によりまたはそれに沈めることによって、液体、好ましくは水で急速に冷却される。液体が水の場合、水は真水または塩水でよく、汚染物を含んでもよい。
【0083】
水冷却試験を行うために使用されるリグは、液体源および試験構成要素表面、好ましくは触媒コンバータ表面に流体連通する液体供給部材を含む。液体供給部材は試験の間、一度または繰り返し、表面を液体にさらすために、起動される。好ましい実施形態では、液体供給部材、好ましくはノズルまたはマニホルド装置は、構成要素の表面を液体で噴霧し、または液体内に構成要素を沈めるのに効果的である。それから、構成要素は、構成要素上の表面冷却の影響を評価するために、知られている方法を用いて評価される。
【0084】
上で見たように、好ましい交互に代わる状態は、必ずしもそれだけには限らないが、繰り返しの加熱および冷却の期間と、階段状の温度増加と、急激な温度変化と、外部液体にさらすステップと、任意の触媒コンバータの着火までの漸進的な温度増加と、漸進的な空燃比の増加を使用した掃引試験と、それらの組合せとを含む。
【0085】
当分野の技術者は、本出願の趣旨および範囲を逸脱することなく、本出願に多くの修正を加えることができることがわかるであろう。本明細書に記載された実施形態は説明のためだけのものであり、特許請求の範囲の中で定義される本出願を限定するものとしてとるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本システムの1つの実施形態の概略図である。
【図2A】非エンジン・ベースの熱源での使用に適したバーナの好ましい実施形態の図である。
【図2B】図2Aのバーナの円で囲まれた部分の拡大図である。
【図3A】バーナの燃焼セクションに入る空気に渦巻運動を与える渦巻板(swirl plate)の正面図である。
【図3B】図3Aおよび図3Cの渦巻板を通る断面図である。
【図3C】図3Aの渦巻板の背面図である。
【図3D】図3Aおよび図3Cの渦巻板を通る断面図である。
【図3E】図3Aおよび図3Cの渦巻板を通る断面図である。
【図4A】空気支援式燃料噴霧ノズルの1つの実施形態の分解図である。
【図4B】空気噴射開口の配置を示す図4Aの空気支援式燃料噴霧ノズルの雄の取付部品のフランジ端部の正面図である。
【図4C】図4Bの空気支援式燃料噴霧ノズルの対向する端部の正面図である。
【図4D】好ましい空気支援式燃料噴霧ノズルの図である。
【図4E】図4Dの空気支援式燃料噴霧ノズルの雄の取付部品のフランジ端部の正面図である。
【図4F】図4Dの空気支援式燃料噴霧ノズルの対向する端部の正面図である。
【図5】本方法による交互に代わる応力状況を提供するように備えられているシステムのボックス・ダイアグラムである。
【図6】ベンチ・エンジンを使用した空燃比掃引試験の間に生成されたデータのグラフである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非エンジン・ベースの試験システムを用いて1つまたは複数の構成要素を評価するための方法において、
前記1つまたは複数の構成要素と流体連通する燃焼室を含む非エンジン・ベースの試験システムを提供するステップと、
制御された空燃比(AFR)を含む供給状態の下で前記燃焼室に燃料および空気を供給するステップであって、前記供給状態が供給ストリームの流路を生成するステップと、
前記燃焼室への実質的な損傷を防止する一方で、排気生成物を生成する燃焼状態の下で、供給ストリームの流路中の燃料の少なくとも一部を燃焼するステップと、
加速エージング状態または運転サイクル状態以外の交互に代わる状態の下で、前記1つまたは複数の構成要素を前記排気生成物にさらすステップとを含む方法。
【請求項2】
前記供給状態が第1コラプス、第2膨張および第2コラプスを含む供給ストリームの流路を生成し、前記供給ストリームの流路が、前記燃料の燃焼の間、火炎が供給部材に付着することを防止し、かつ前記燃料の燃焼の間、火炎が前記燃焼室の内壁に継続した接触を保つことを防止する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の構成要素が触媒コンバータを含む請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記構成要素への前記排気生成物および前記交互に代わる状態の影響を評価するステップをさらに含む請求項1から2および3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記交互に代わる状態が、
(a)温度、温度における変化の間の時間間隔、AFRおよびそれらの組合せとからなる群から選択される1つまたは複数の動作状態を変化させるステップと、
(b)温度、AFRおよびそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは実質的に一定の複数の動作状態を維持しながら、1つまたは複数の他の状態を変化させるステップとからなる群から選択される請求項1から3および4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記交互に代わる状態が、設計検証状態である請求項1から4および5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記供給状態が、前記排気生成物を生成するために、空気および燃料の混合供給ストリームおよび前記供給ストリーム内に実質的に連続した効率的な化学量論的な燃焼燃料を作る請求項1から5および6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記交互に代わる状態がRAT−Aサイクル状態以外で、かつFTP−75シミュレーション状態以外である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記交互に代わる状態がRAT−Aサイクル状態以外であり、前記RAT−Aサイクル状態が定常状態、化学量論的動作状態と熱エクスカーション状態とを含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記RAT−Aサイクル状態が
第1閉ループ時間のための約800℃の触媒入口温度を含む第1閉ループ化学量論的状態と、
第1開ループ、燃料濃厚時間のための熱エクスカーションをシミュレートするのに効果的な第1開ループ、燃料濃厚状態と、
第2開ループ、燃料濃厚時間のための2次空気流を含む第2開ループ、燃料濃厚状態と、
第2閉ループ時間のための2次空気流を含む第2閉ループ、化学量論状態とを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1閉ループ時間が約40秒であり、
前記第1開ループ、燃料濃厚状態が約3%のCOを含み、前記第1開ループ、燃料濃厚時間が約6秒であり、
前記第2開ループ、燃料濃厚状態が約3%のCOを含み、前記第2開ループ、燃料濃厚時間が約10秒であり、
前記第2閉ループ時間が約4秒である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記交互に代わる状態がFTP−75シミュレーション状態ではなく、FTP−75シミュレーション状態が、
0から約200標準立方フィート/分(scfm)まで排気の流量を変化させるステップと、
約20℃から約900℃まで、排気生成物温度を変化させるステップと、
約10から約40AFRまで、排気生成物化学量論比を変化させるステップとを含む請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記排気生成物化学量論比を前記変化させるステップが約10から約20AFRまでであり、
前記温度が約200℃から約1050℃までに維持される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記交互に代わる状態が、振動状態、温度分布状態、熱応力状態、急冷状態、着火状態および空燃比掃引状態からなる群から選択される請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記交互に代わる状態が、車両内の前記触媒コンバータの運動の範囲をシミュレートするのに効果的である振動状態である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記触媒コンバータを前記排気生成物および振動状態に前記さらすステップであって、
負荷セルに機械的に伝達される振動テーブルに前記触媒コンバータを固定するステップと、
所定の振動周波数および振幅で振動させるために前記振動テーブルを起動するステップと、
前記触媒コンバータを横切って伝達される力を測定するステップとを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1つまたは複数の構成要素が、シェルに内に入れられた触媒一体式触媒の触媒コンバータを含む方法において、
第1温度に第1期間、前記触媒コンバータをさらすステップと、第2温度に第2期間、前記触媒コンバータをさらすステップとを含む温度分布状態の下に前記排気生成物に前記触媒コンバータをさらしながら、前記供給状態を一定に維持するステップとを含む方法であって、
供給状態の下で、前記第1温度および前記第2温度に対する前記一体式触媒および前記シェルの動的および恒常的反応を評価するために、前記第1温度が前記第2温度と十分に異なる請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記第2温度が前記第1温度より大きい方法であって、1つまたは複数の続いて起こる温度に1つまたは複数の続いて起こる期間、前記排気生成物に前記触媒コンバータをさらし、前記一体式触媒および前記シェルを評価するための温度勾配情報を生み出す状態の下で、各連続して続いて起こる温度が、前記以前の温度より大きいステップをさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1つまたは複数の構成要素が、シェルに内に入れられた触媒一体式触媒の触媒コンバータを含む方法において、
第1温度に第1期間、前記触媒コンバータをさらすステップと、第2温度に第2期間、前記触媒コンバータをさらすステップとを含む熱応力状態の下に前記排気生成物に前記触媒コンバータをさらしながら、前記供給状態を一定に維持するステップとを含む方法であって、
前記第1温度が前記第2温度と十分に異なり、第1期間および第2期間の持続時間が、前記触媒コンバータに熱的に応力を与えるには十分に短い請求項7に記載の方法。
【請求項20】
1つまたは複数の続いて起こる温度に、1つまたは複数の続いて起こる期間、前記触媒コンバータを前記排気生成物にさらすステップであって、前記1つまたは複数の続いて起こる温度が十分な差異をもち、前記1つまたは複数の続いて起こる期間が、前記一体式触媒および前記シェルに熱的応力を加えるには十分に短い継続時間をもつステップをさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記1つまたは複数の構成要素が触媒コンバータを含み、前記方法が前記排気生成物を実質的に一定の温度に維持するステップと前記触媒コンバータ・シェルを水にさらすステップとを含む請求項7に記載の方法。
【請求項22】
水に前記触媒コンバータ・シェルをさらす前記ステップが、前記触媒コンバータ・シェル上に水を噴霧するステップを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたは複数の構成要素が、触媒構成要素を含む方法であって、
初期温度より大きい試験温度で排気生成物を生成するのに効率的な燃焼状態の下で、前記供給ストリームの流路中の燃料の少なくとも一部を燃焼させるステップと、
前記初期温度および、触媒コンバータ用の着火状態を決定するのに効率的な燃焼状態の下、1つまたは複数の試験温度で、排気生成物の組成を測定するステップとを含む請求項7に記載の方法。
【請求項24】
前記着火状態が前記初期温度より大きい触媒層温度を含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記燃料がガソリンであり、前記初期温度が約200℃またはそれより小さい請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記1つまたは複数の構成要素が触媒コンバータを含み、前記燃焼状態が初期AFRを含む方法であって、
初期AFRで生成された排気生成物に前記触媒コンバータをさらしながら、排気生成物の組成を測定するステップと、
前記初期AFRを1つまたは複数の異なる試験AFRに変化させ、1つまたは複数の異なる試験AFRで生成された排気生成物に前記触媒コンバータをさらしながら、排気生成物の組成を測定するステップとを含む請求項7に記載の方法。
【請求項27】
前記初期のAFRが希薄であり、前記1つまたは複数の異なる試験のAFRが濃厚である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記初期のAFRおよび前記1つまたは複数の異なる試験のAFRが定常状態動作が達成されるまで維持される請求項26および27に記載の方法。
【請求項29】
前記1つまたは複数の異なる試験のAFRが所定の速度で継続して調節される請求項28に記載の方法。
【請求項1】
非エンジン・ベースの試験システムを用いて1つまたは複数の構成要素を評価するための方法において、
前記1つまたは複数の構成要素と流体連通する燃焼室を含む非エンジン・ベースの試験システムを提供するステップと、
制御された空燃比(AFR)を含む供給状態の下で前記燃焼室に燃料および空気を供給するステップであって、前記供給状態が供給ストリームの流路を生成するステップと、
前記燃焼室への実質的な損傷を防止する一方で、排気生成物を生成する燃焼状態の下で、供給ストリームの流路中の燃料の少なくとも一部を燃焼するステップと、
加速エージング状態または運転サイクル状態以外の交互に代わる状態の下で、前記1つまたは複数の構成要素を前記排気生成物にさらすステップとを含む方法。
【請求項2】
前記供給状態が第1コラプス、第2膨張および第2コラプスを含む供給ストリームの流路を生成し、前記供給ストリームの流路が、前記燃料の燃焼の間、火炎が供給部材に付着することを防止し、かつ前記燃料の燃焼の間、火炎が前記燃焼室の内壁に継続した接触を保つことを防止する請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記1つまたは複数の構成要素が触媒コンバータを含む請求項1および2のいずれかに記載の方法。
【請求項4】
前記構成要素への前記排気生成物および前記交互に代わる状態の影響を評価するステップをさらに含む請求項1から2および3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
前記交互に代わる状態が、
(a)温度、温度における変化の間の時間間隔、AFRおよびそれらの組合せとからなる群から選択される1つまたは複数の動作状態を変化させるステップと、
(b)温度、AFRおよびそれらの組合せからなる群から選択される1つまたは実質的に一定の複数の動作状態を維持しながら、1つまたは複数の他の状態を変化させるステップとからなる群から選択される請求項1から3および4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記交互に代わる状態が、設計検証状態である請求項1から4および5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記供給状態が、前記排気生成物を生成するために、空気および燃料の混合供給ストリームおよび前記供給ストリーム内に実質的に連続した効率的な化学量論的な燃焼燃料を作る請求項1から5および6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
前記交互に代わる状態がRAT−Aサイクル状態以外で、かつFTP−75シミュレーション状態以外である請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記交互に代わる状態がRAT−Aサイクル状態以外であり、前記RAT−Aサイクル状態が定常状態、化学量論的動作状態と熱エクスカーション状態とを含む請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記RAT−Aサイクル状態が
第1閉ループ時間のための約800℃の触媒入口温度を含む第1閉ループ化学量論的状態と、
第1開ループ、燃料濃厚時間のための熱エクスカーションをシミュレートするのに効果的な第1開ループ、燃料濃厚状態と、
第2開ループ、燃料濃厚時間のための2次空気流を含む第2開ループ、燃料濃厚状態と、
第2閉ループ時間のための2次空気流を含む第2閉ループ、化学量論状態とを含む請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1閉ループ時間が約40秒であり、
前記第1開ループ、燃料濃厚状態が約3%のCOを含み、前記第1開ループ、燃料濃厚時間が約6秒であり、
前記第2開ループ、燃料濃厚状態が約3%のCOを含み、前記第2開ループ、燃料濃厚時間が約10秒であり、
前記第2閉ループ時間が約4秒である請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記交互に代わる状態がFTP−75シミュレーション状態ではなく、FTP−75シミュレーション状態が、
0から約200標準立方フィート/分(scfm)まで排気の流量を変化させるステップと、
約20℃から約900℃まで、排気生成物温度を変化させるステップと、
約10から約40AFRまで、排気生成物化学量論比を変化させるステップとを含む請求項7に記載の方法。
【請求項13】
前記排気生成物化学量論比を前記変化させるステップが約10から約20AFRまでであり、
前記温度が約200℃から約1050℃までに維持される請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記交互に代わる状態が、振動状態、温度分布状態、熱応力状態、急冷状態、着火状態および空燃比掃引状態からなる群から選択される請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記交互に代わる状態が、車両内の前記触媒コンバータの運動の範囲をシミュレートするのに効果的である振動状態である請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記触媒コンバータを前記排気生成物および振動状態に前記さらすステップであって、
負荷セルに機械的に伝達される振動テーブルに前記触媒コンバータを固定するステップと、
所定の振動周波数および振幅で振動させるために前記振動テーブルを起動するステップと、
前記触媒コンバータを横切って伝達される力を測定するステップとを含む請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記1つまたは複数の構成要素が、シェルに内に入れられた触媒一体式触媒の触媒コンバータを含む方法において、
第1温度に第1期間、前記触媒コンバータをさらすステップと、第2温度に第2期間、前記触媒コンバータをさらすステップとを含む温度分布状態の下に前記排気生成物に前記触媒コンバータをさらしながら、前記供給状態を一定に維持するステップとを含む方法であって、
供給状態の下で、前記第1温度および前記第2温度に対する前記一体式触媒および前記シェルの動的および恒常的反応を評価するために、前記第1温度が前記第2温度と十分に異なる請求項7に記載の方法。
【請求項18】
前記第2温度が前記第1温度より大きい方法であって、1つまたは複数の続いて起こる温度に1つまたは複数の続いて起こる期間、前記排気生成物に前記触媒コンバータをさらし、前記一体式触媒および前記シェルを評価するための温度勾配情報を生み出す状態の下で、各連続して続いて起こる温度が、前記以前の温度より大きいステップをさらに含む請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記1つまたは複数の構成要素が、シェルに内に入れられた触媒一体式触媒の触媒コンバータを含む方法において、
第1温度に第1期間、前記触媒コンバータをさらすステップと、第2温度に第2期間、前記触媒コンバータをさらすステップとを含む熱応力状態の下に前記排気生成物に前記触媒コンバータをさらしながら、前記供給状態を一定に維持するステップとを含む方法であって、
前記第1温度が前記第2温度と十分に異なり、第1期間および第2期間の持続時間が、前記触媒コンバータに熱的に応力を与えるには十分に短い請求項7に記載の方法。
【請求項20】
1つまたは複数の続いて起こる温度に、1つまたは複数の続いて起こる期間、前記触媒コンバータを前記排気生成物にさらすステップであって、前記1つまたは複数の続いて起こる温度が十分な差異をもち、前記1つまたは複数の続いて起こる期間が、前記一体式触媒および前記シェルに熱的応力を加えるには十分に短い継続時間をもつステップをさらに含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記1つまたは複数の構成要素が触媒コンバータを含み、前記方法が前記排気生成物を実質的に一定の温度に維持するステップと前記触媒コンバータ・シェルを水にさらすステップとを含む請求項7に記載の方法。
【請求項22】
水に前記触媒コンバータ・シェルをさらす前記ステップが、前記触媒コンバータ・シェル上に水を噴霧するステップを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記1つまたは複数の構成要素が、触媒構成要素を含む方法であって、
初期温度より大きい試験温度で排気生成物を生成するのに効率的な燃焼状態の下で、前記供給ストリームの流路中の燃料の少なくとも一部を燃焼させるステップと、
前記初期温度および、触媒コンバータ用の着火状態を決定するのに効率的な燃焼状態の下、1つまたは複数の試験温度で、排気生成物の組成を測定するステップとを含む請求項7に記載の方法。
【請求項24】
前記着火状態が前記初期温度より大きい触媒層温度を含む請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記燃料がガソリンであり、前記初期温度が約200℃またはそれより小さい請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記1つまたは複数の構成要素が触媒コンバータを含み、前記燃焼状態が初期AFRを含む方法であって、
初期AFRで生成された排気生成物に前記触媒コンバータをさらしながら、排気生成物の組成を測定するステップと、
前記初期AFRを1つまたは複数の異なる試験AFRに変化させ、1つまたは複数の異なる試験AFRで生成された排気生成物に前記触媒コンバータをさらしながら、排気生成物の組成を測定するステップとを含む請求項7に記載の方法。
【請求項27】
前記初期のAFRが希薄であり、前記1つまたは複数の異なる試験のAFRが濃厚である請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記初期のAFRおよび前記1つまたは複数の異なる試験のAFRが定常状態動作が達成されるまで維持される請求項26および27に記載の方法。
【請求項29】
前記1つまたは複数の異なる試験のAFRが所定の速度で継続して調節される請求項28に記載の方法。
【図1】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6】
【公表番号】特表2008−513733(P2008−513733A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−525787(P2007−525787)
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/028541
【国際公開番号】WO2006/020763
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(500553730)サウスウエスト リサーチ インスティテュート (9)
【住所又は居所原語表記】6220 CULEBRA ROAD SAN ANT ONIO,TEXAS 78238 USA
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【国際出願番号】PCT/US2005/028541
【国際公開番号】WO2006/020763
【国際公開日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【出願人】(500553730)サウスウエスト リサーチ インスティテュート (9)
【住所又は居所原語表記】6220 CULEBRA ROAD SAN ANT ONIO,TEXAS 78238 USA
【Fターム(参考)】
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