説明

非ヒトTNF−ペプチドの担体コンジュゲートの医学上の使用

本発明は、分子生物学、ウイルス学、、免疫学および医学の分野に関連する。本発明は、自己免疫疾患および骨関連疾患の治療および免疫応答、特に抗体応答を効率よく誘導するためのワクチンの産生における使用のための、ウイルス様粒子(VLP)およびそれらに結合するTNFスーパーファミリーのポリペプチド由来の特定のペプチドを含有する修飾されたVLPを提供する。さらに本発明の組成物は、特に本明細書中に挙げる自己特異性免疫応答を効率よく誘導するために有用である。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) ウイルス様粒子(VLP)および、
(b) 保存されたドメインpfam00229(配列番号:1)のコンセンサス配列のアミノ酸残基3〜8に相同なペプチド配列、好ましくは保存されたドメインpfam00229(配列番号:1)のコンセンサス配列のアミノ酸残基1〜8に相同なペプチド配列、より好ましくは、保存されたドメインpfam00229(配列番号:1)のコンセンサス配列のアミノ酸残基1〜11に相同なペプチド配列、さらにより好ましくは、保存されたドメインpfam00229(配列番号:1)のコンセンサス配列のアミノ酸残基1〜13に相同なペプチド配列を含んでなる少なくとも一つの非ヒトTNF-ペプチド、
を含有し、
(a)と(b)が互いに連鎖していて、
自己免疫性疾患および/または骨関連の疾患の治療のための医薬の製造における修飾ウイルス様粒子の使用であって、好ましくは該自己免疫性疾患又は該骨関連の疾患が、
a) 乾癬;
b) 関節リウマチ;
c) 多発性硬化症;
d) 糖尿病;
e) 骨粗鬆症;
f) 強直性脊椎炎;
g) アテローム性動脈硬化;
h) 自己免疫肝炎;
i) 自己免疫甲状腺の疾患;
j) 骨癌疼痛;
k) 骨転移;
l) 炎症性腸疾患;
m) 多発性骨髄腫;
n) 重症筋無力症;
o) 心筋炎;
p) パジェット病;
q) 歯周疾患;
r) 歯周炎;
s) 周囲補綴骨変性;
t) 多発性筋炎;
u) 原発性胆管萎縮症;
v) 乾癬の関節炎;
w) シェーグレン症候群;
x) スティル病;
y) 全身性エリテマトーデス;および
z) 血管炎
からなる群から選択される、使用。
【請求項2】
前記TNF-ペプチドがTNFα、LTα、LTα/β、FasL、CD40L、TRAIL、RANKL、CD30L、4-1BBL、OX40L、LIGHT、GITRLおよびBAFF、CD27L、TWEAK、APRIL、TL1A、EDAからなる群から選択される、好ましくはTNFα、LTαおよびLTα/βからなる群から選択される、または、TRAILおよびRANKLからなる群から選択されるか、またはFasL、CD40L、CD30LおよびBAFFからなる群から選択されるか、または4-1BBL、OX40LおよびLIGHTからなる群から選択されるか、またはLTα、LTα/β、Fasl、CD40L、TRAIL、CD30L、4-1BBL、OX40L、LIGHT、GITRLおよびBAFFからなる群から選択される、非ヒト、脊椎動物のポリペプチドから得られる、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
前記修飾VLPが順に並び、反復性抗原アレイを形成する、請求項1ないし2の何れか一に記載の使用。
【請求項4】
前記VLP(a)および前記TNF-ペプチド(b)が共有的に連結される、請求項1ないし3の何れか一に記載の使用。
【請求項5】
前記修飾VLPの前記TNF-ペプチドが、6から75のアミノ酸残基の長さ、好ましくは6〜50のアミノ酸残基、より好ましくは6〜40のアミノ酸残基、さらにより好ましくは6〜30のアミノ酸残基、よりさらにより好ましくは6〜25のアミノ酸残基、よりさらに好ましくは6〜20のアミノ酸残基の長さのペプチドを含有する、請求項1ないし4の何れか一に記載の使用。
【請求項6】
前記修飾VLPの前記非ヒトTNF-ペプチドが、最も相同なヒトTNF-ペプチドの1〜10の位置で、より好ましくは2〜8の位置、さらにより好ましくは2〜6の位置で、さらにより好ましくは2〜4の位置で、最も好ましくは3〜4の位置で異なる、請求項1ないし5の何れか一に記載の使用。
【請求項7】
前記修飾VLPの前記非ヒトTNF-ペプチドが、最も相同なヒトTNF-ペプチドと75%〜98%の同一性、より好ましくは80%〜97%、さらにより好ましくは85%〜95%、および最も好ましくは90%〜95%の同一性である、請求項1ないし6の何れか一に記載の使用。
【請求項8】
前記非ヒトTNF-ペプチドが、脊椎動物のTNF-ペプチド、好ましくは真獣類TNF-ペプチド、そしてさらにより好ましくはネコ、イヌ、ウシ又はマウスTNF-ペプチド、最も好ましくはマウスTNF-ペプチドである、請求項1ないし7の何れか一に記載の使用。
【請求項9】
前記非ヒトTNF-ペプチドが、配列番号:2のアミノ酸残基13〜18、好ましくは配列番号:2のアミノ酸残基11〜18、より好ましくは配列番号:2のアミノ酸残基11〜23、より好ましくは配列番号:2のアミノ酸残基4〜23に相同ないしは同一なペプチド配列を含有する、ないしはからなる、請求項1ないし8の何れか一に記載の使用。
【請求項10】
前記修飾VLPの前記TNF-ペプチドが、脊椎動物のポリペプチド、好ましくは真獣類綱ポリペプチド由来のものであり、TNFα、LTαおよびLTα/βからなる群から選択されるものであり、自己免疫性疾患又は骨関連の疾患の治療のための医薬の製造のためのものであり、好ましくは該自己免疫性疾患または骨関連の疾患が:
a) 乾癬;
b) 関節リウマチ;
c) 乾癬の関節炎;
d) 炎症性腸疾患;
e) 全身性エリテマトーデス;
f) 強直性脊椎炎;
g) スティル病;
h) 多発性筋炎;
i) 血管炎;
j) 糖尿病;
k) 重症筋無力症;
l)シェーグレン症候群;および、
m) 多発性硬化症
からなる群から選択されるものである、請求項1ないし9の何れか一に記載の使用。
【請求項11】
前記TNF-ペプチドが、配列番号:2または配列番号:129を含有する、ないしは好ましくはからなるものであり、さらに好ましくは、該TNF-ペプチドが配列番号:129を含有する、ないしは好ましくはからなる、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
前記修飾VLPの前記TNF-ペプチドが、
(i) 関節リウマチおよび糖尿病からなる群から選択される自己免疫性疾患または骨関連の疾患の治療のための医薬の製造のためには脊椎動物のLIGHTポリペプチド;又は
(ii) 全身性エリテマトーデス、糖尿病、自己免疫甲状腺の疾患、多発性硬化症および自己免疫肝炎からなる群から選択される自己免疫性疾患又は骨関連の治療のための医薬の製造のためには脊椎動物のFasLポリペプチド;又は
(iii) 関節リウマチ、アテローム性動脈硬化、全身性エリテマトーデス、炎症性腸疾患およびシェーグレン症候群からなる群から選択される自己免疫性疾患又は骨関連の治療のための医薬の製造のためには脊椎動物のCD40Lポリペプチド;又は
(iv) 関節リウマチ、多発性硬化症および自己免疫甲状腺の疾患からなる群から選択される自己免疫性疾患又は骨関連の治療のための医薬の製造のためには脊椎動物のTRAILポリペプチド;又は
(v) 乾癬、関節リウマチ、骨粗鬆症、乾癬の関節炎、歯周炎、歯周病、前立腺周囲骨変性、骨異形、多発性骨髄腫、骨癌疼痛およびパジェット病からなる群から選択される自己免疫性疾患又は骨関連の治療のための医薬の製造のためには脊椎動物のRANKLポリペプチド
に由来するものである、請求項1ないし9の何れか一に記載の使用。
【請求項13】
前記TNF-ペプチドが、配列番号:22のアミノ酸残基164〜169、配列番号:22のアミノ酸残基162〜169、配列番号:22のアミノ酸残基162〜174、配列番号:22のアミノ酸残基160〜170、配列番号:22のアミノ酸残基160〜171、および配列番号:22のアミノ酸残基155〜174からなる群から選択されるペプチド配列を含有するおよび好ましくはからなり、さらに好ましくは前記TNF-ペプチドが、配列番号:3を含有するおよび好ましくはそれらからなる、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記修飾VLPの前記TNF-ペプチドが、
(i) 関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、自己免疫甲状腺の疾患、心筋炎、シェーグレン症候群および原発性胆管萎縮症からなる群から選択される自己免疫性疾患又は骨関連の治療のための医薬の製造のためには脊椎動物のCD30Lポリペプチド;又は
(ii) 関節リウマチ、炎症性腸疾患および心筋炎からなる群から選択される自己免疫性疾患又は骨関連の治療のための医薬の製造のためには脊椎動物の4-1BBLポリペプチド;又は
(iii) 関節リウマチ、多発性硬化症および炎症性腸疾患からなる群から選択される自己免疫性疾患又は骨関連の治療のための医薬の製造のためには脊椎動物のOX40Lポリペプチド;又は
(iv) 関節リウマチ、全身性エリテマトーデスおよびシェーグレン症候群からなる群から選択される自己免疫性疾患又は骨関連の治療のための医薬の製造のためには脊椎動物のBAFFポリペプチド
に由来するものである、請求項1ないし9の何れか一に記載の使用。
【請求項15】
前記VLPが、RNA-ファージの組換えタンパク質ないしはそれらの断片を含有するか、ないしは選択的にそれらからなり、好ましくは該RNA-ファージはRNA-ファージQβ、RNA-ファージfr又はRNA-ファージAP205であり、そして、さらに好ましくは該RNA-ファージがRNA-ファージQβである、請求項1ないし14の何れか一に記載の使用。
【請求項16】
前記組換えタンパク質が、RNAファージのコ−トタンパク質を含有するか、ないしは基本的にそれらからなるか、ないしは選択的にそれらからなり、好ましくはアミノ酸を有するRNAファージの該コートタンパク質が:
(a) 配列番号:4;
(b) 配列番号:4および配列番号:5の混合物;
(c) 配列番号:6;
(d) 配列番号:7;
(e) 配列番号:8;
(f) 配列番号:9;
(g) 配列番号:9および配列番号:10の混合物;
(h) 配列番号:11;
(i) 配列番号:12;
(k) 配列番号:13;
(l) 配列番号:14;
(m) 配列番号:15;
(n) 配列番号:16;および、
(o) 配列番号:28
からなる群から選択されるものである、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記組換えタンパク質が、RNAファージの突然変異体コートタンパク質を含有する、ないしは基本的にそれらからなる、ないしは選択的にそれらからなり、好ましくは前記RNA-ファージが:
(a) バクテリオファージQβ;
(b) バクテリオファージR17;
(c) バクテリオファージfr;
(d) バクテリオファージGA;
(e) バクテリオファージSP;
(f) バクテリオファージMS2;
(g) バクテリオファージM11;
(h) バクテリオファージMX1;
(i) バクテリオファージNL95;
(k) バクテリオファージf2;
(l) バクテリオファージPP7;および、
(m) バクテリオファージAP205
からなる群から選択されるものである、請求項1ないし15の何れか一に記載の使用。
【請求項18】
前記RNAファージの前記突然変異体コートタンパク質が、;
(i)置換による少なくとも一つのリジン残基の除去;
(ii)置換による少なくとも一つのリジン残基の添加;
(iii)少なくとも一つのリジン残基の欠失;および/または
(iv)挿入による少なくとも一つのリジン残基の添加
によって修飾されている、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記VLP(a)が、少なくとも一つの非ペプチド結合によって前記TNF-ペプチド(b)と連鎖している、請求項1ないし18の何れか一に記載の使用。
【請求項20】
前記TNF-ペプチドが前記VLPに融合しており、好ましくは前記TNF-ペプチドがVLPにそのC末端を介して、又は選択的にそのN末端を介して融合しているものである、請求項1ないし18の何れか一に記載の使用。
【請求項21】
さらに、前記VLP(a)と前記TNF-ペプチド(b)との間にアミノ酸リンカー(c)を含有し、(c)と(b)は共にヒトTNFαの配列を有するペプチドを形成せず、好ましくは、(c)と(b)は共にヒト又はマウスTNFαの配列を有するペプチドを形成しないものであり;好ましくは該アミノ酸リンカーが:
a) GGC;
b) GGC-CONH2;
c) GC;
d) GC-CONH2;
e) C;および、
f) C-CONH2
からなる群から選択されるものである、請求項1ないし20の何れか一に記載の使用。
【請求項22】
前記修飾VLPは、少なくとも一つの第一付着部位を有する前記VLPを含んでなり、該修飾VLPは少なくとも一つの第二付着部位を有する前記TNFペプチドを含んでなり、該第二付着部位は該第一付着部位に対合が可能であり;そして、好ましくは該TNFペプチドおよびVLPは該対合を介して作用して、順に並び、反復性抗原アレイを形成する、請求項1ないし21の何れか一に記載の使用。
【請求項23】
前記第一付着部位がアミノ基を含有するか好ましくはアミノ基であって、よりさらに好ましくは該第一付着部位がリジン残基のアミノ基である、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
前記第二付着部位がスルフヒドリル基を含有するか好ましくはスルフヒドリル基であって、よりさらに好ましくは該第二付着部位がシステイン残基のスルフヒドリル基である、請求項22ないし23の何れか一に記載の使用。
【請求項25】
前記第一付着部位がスルフヒドリル基でなく、好ましくはスルフヒドリル基を含有せず、さらに好ましくは前記第一付着部位はシステイン残基のスルフヒドリル基でなく、好ましくはシステイン残基のスルフヒドリル基を含有しない、請求項22ないし24の何れか一に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−501658(P2008−501658A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−513854(P2007−513854)
【出願日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【国際出願番号】PCT/EP2005/005935
【国際公開番号】WO2005/117963
【国際公開日】平成17年12月15日(2005.12.15)
【出願人】(304042375)サイトス バイオテクノロジー アーゲー (26)
【Fターム(参考)】