説明

非接触型リライトサーマルラベルの記録方法

【課題】非接触方式により、情報の記録、消去を繰り返し行っても、記録材料の記録面へ与える損傷が少なく、1000回以上の繰り返し使用が可能な、非接触型リライトサーマルラベルの記録方法を提供する。
【解決手段】光走査装置を用い、非接触型リライトサーマルラベルに収束されたレーザビームを照射して所定の描画を行うに際し、前記光走査装置を、レーザ光の発振を行うことなく連続駆動させ、レーザ光を発振した場合に想定されるレーザビームの軌跡(仮想レーザビーム)が実質上等速運動している場合のみに、レーザ光を発振させてレーザ光の走査を行い、描画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非接触型リライトサーマルラベルの記録方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、非接触方式により、情報の記録、消去を繰り返し行っても、記録材料の記録面へ与える損傷が少なく、1000回以上の繰り返し使用が可能な、非接触型リライトサーマルラベルの記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、物品の管理に使用されているラベル、例えば食品を輸送するプラスチックコンテナに貼るラベル、電子部品の管理に用いるラベル、段ボールなどに貼る物流管理ラベルなどは、感熱記録材料が主流となっている。この感熱記録材料は、支持体上に電子供与性の通常無色ないし淡色の染料前駆体と電子受容性の顕色剤とを主成分とする感熱記録層が設けられており、熱ヘッド、熱ペン等で加熱することにより、染料前駆体と顕色剤とが瞬時に反応し記録画像が得られるものである。このような感熱記録材料として、画像を形成し、その部分を消去して再度記録できるリライト方式ラベルの普及が広まってきた。この場合、被着体に付けたラベルをそのままリライトするためには、被着体にラベルが貼られたまま、一度記録した情報を消去した後に、再度記録するときに通常のプリンターにラベル付き被着体を通す必要がある。これを実現させるためには、非接触で画像情報の消去と書き込みを行う必要がある。
したがって、近年ラベルを繰り返し利用するために、画像の形成及び消去が可能な可逆性感熱記録材料、例えば(1)支持体上に温度に依存して透明度が可逆的に変化する有機低分子物質と樹脂からなる感熱層を設けてなる可逆性感熱記録材料、(2)支持体上に染料前駆体と可逆性顕色剤を含む感熱発色層を設けてなる可逆性感熱記録材料などが開発されている。
しかしながら、従来の非接触型リライトサーマルラベルでは、繰り返し使用によって記録材料の記録面に損傷が蓄積する。この記録面の損傷によって、繰り返し使用回数が少なくなる問題が発生する欠点があった。また、ベタ画像のような線の集合である画像を記録する場合、近接する線を記録する際に、連続してレーザ光を走査し記録すると、最初に記録した画像部分が消色して、鮮明な画像が得られない問題が発生する欠点があった。
具体的には、従来のレーザ光の走査方法では、文字や図形を構成する何本もの線1本1本について、軌跡上の座標データに基づいてX軸スキャナー及びY軸スキャナーを動作させていたため、次のような問題があった。一つの線の描き始め(始点)と描き終わり(終点)でX軸スキャナー及びY軸スキャナーを停止させるため、始点と終点付近で各軸のスキャナーに加速と減速が生じる。この加減速期間中もレーザビームを一定の出力で照射するため、始点と終点付近では他の軌跡点より多くのレーザエネルギーを照射することとなり、基材劣化が特に顕著に現れてしまうという問題がある。また、線と線を繋げて文字を描画する際に、一度描いた線の上に再度レーザビームの照射を受けてしまうため、重なった部分が重複照射され、基材劣化が生じてしまうという問題点がある。さらに、バーコードなどの線の集まりを描く際に、隣接する線を描くまでの時間とレーザビーム照射による基材の温度の関係により、隣の線を描く際に最初に記録したバーコードの線が消色や濃度低下を起こしてしまうという問題がある。なおここで、スキャナーとは、スキャニングミラーのことである。
【特許文献1】特開2003−118238号公報
【特許文献2】特開2002−215038号公報
【特許文献3】特開2003−320694号公報
【特許文献4】特開2003−320695号公報
【特許文献5】特開2004−90026号公報
【特許文献6】特開2004−94510号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、このような従来の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法が有する問題点を解決し、非接触方式により、情報の記録、消去を繰り返し行っても、記録材料の記録面へ与える損傷が少なく、1000回以上の繰り返し使用が可能な、非接触型リライトサーマルラベルの記録方法を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、光走査装置を用い、前記非接触型リライトサーマルラベルに収束されたレーザビームを照射して所定の描画を行うに際し、前記光走査装置を、レーザ光の発振を行うことなく連続駆動させ、仮想レーザビームが実質上等速運動している場合のみに、レーザ光を発振させてレーザ光の走査を行い描画することにより、記録材料の記録面へ与える損傷を少なくすることができ、その目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)非接触型リライトサーマルラベルにレーザビームを照射して記録する方法であって、光走査装置を用い、前記非接触型リライトサーマルラベルに収束されたレーザビームを照射して所定の描画を行うに際し、前記光走査装置を、レーザ光の発振を行うことなく連続駆動させ、レーザ光を発振した場合に想定されるレーザビームの軌跡(仮想レーザビーム)が実質上等速運動している場合のみに、レーザ光を発振させてレーザ光の走査を行い、描画することを特徴とする非接触型リライトサーマルラベルの記録方法、
(2)描画するに際し、線が重複する箇所は、前に描いた線を通り越してから、次の線を描くようにレーザ光を走査する上記(1)項に記載の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法、
(3)折線を描画するに際し、レーザ光を走査して所定の線を描画し、折り返し点に到達した時点でレーザ光の走査を中断すると共に、光走査装置は、仮想レーザビームが前記折り返し点を起点にしてループを描くように連続駆動させ、該仮想レーザビームが前記折り返し点を通り越してから、次の線を描くようにレーザ光を走査する上記(1)項に記載の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法、
(4)光走査装置が、レーザ光源と、それから発振するレーザ光を走査するための回転駆動可能なスキャニングミラーと、スキャニングミラーにより走査されたレーザ光を収束させる焦点距離補正光学系を有し、前記非接触型リライトサーマルラベルに収束されたレーザビームを照射して所定の描画を行うに際し、前記スキャニングミラーを連続駆動させると共に、該スキャニングミラーが実質上等速駆動している場合のみに、レーザ光を発振させてレーザ光の走査を行い描画する上記(1)ないし(3)項のいずれかに記載の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法、
(5)光走査装置において、回転駆動可能なスキャニングミラーが、ガルバノミラー、ポリゴンミラー又はレゾナントミラーである上記(4)項に記載の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法、及び
(6)光走査装置において、焦点距離補正光学系が、f−θレンズである上記(4)又は(5)項に記載の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0005】
本発明によれば、非接触方式により、情報の記録、消去を繰り返し行っても、記録材料の記録面へ与える損傷が少なく、1000回以上の繰り返し使用が可能な、非接触型リライトサーマルラベルの記録方法を提供することができる。
また、ベタ画像のような線の集合である画像を記録する場合、最初に記録した画像が隣接する画像を形成するために走査し照射したレーザ光によって、消色や濃度低下を起こさない鮮明な画像が得られる非接触型リライトサーマルラベルの記録方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法は、光走査装置を用いて、該非接触型リライトサーマルラベルにレーザビームを照射することにより、所定の描画を行う記録方法であって、前記光走査装置を、レーザ光の発振を行うことなく連続駆動させ、レーザ光を発振した場合に想定されるレーザビームの軌跡(仮想レーザビーム)が実質上等速運動している場合のみに、レーザ光を発振させてレーザ光の走査を行い、描画することを特徴とする。
そして、描画するに際し、線が重複する箇所は、前に描いた線を通り越してから、次の線を描くようにレーザ光を走査することが好ましく、また、折線を描画するに際し、レーザ光を走査して所定の線を描画し、折り返し点に到達した時点でレーザ光の走査を中断すると共に、光走査装置は、仮想レーザビームが前記折り返し点を起点にしてループを描くように連続駆動させ、該仮想レーザビームが前記折り返し点を通り越してから、次の線を描くようにレーザ光を走査することが好ましい。
なお、本発明において、「レーザ光の発振」とは、レーザ光発生装置であるレーザ光発振器をONにしてレーザ光を発生させる操作を指す。「レーザ光の走査」とは、発振されたレーザ光を、所定の位置に照射されるレーザビームが得られるように、光走査装置を駆動させて、走査することを指す。また「レーザビームの照射」とは、前記の走査されたレーザ光を収束して、非接触型リライトサーマルラベルに照射することを指す。
前記光走査装置としては、特に制限はないが、例えばレーザ光源と、それから発振するレーザ光を走査するための回転駆動可能なスキャニングミラーと、スキャニングミラーにより走査されたレーザ光を収束させる焦点距離補正光学系を有する装置を用いることができる。
前記光走査装置におけるレーザ光源としては、後で説明するように、本発明では、一般に波長が700〜1500nmの範囲にある近赤外レーザビームが用いられるので、該波長のレーザ光を発振し得るものであればよく、特に制限はないが、半導体レーザ(830nm)及びYAGレーザ(1064nm)が好ましく用いられる。
また、このレーザ光源から発振するレーザ光を走査するための回転駆動可能なスキャニングミラーとしては、ガルバノミラー、ポリゴンミラー、レゾナントミラーなどを用いることができる。前記ガルバノミラーは、マグネットの付いたミラーを外部磁界で制御するタイプのものであり、ポリゴンミラーは、多面体のミラーを回転するタイプのものである。一方、レゾナントミラーは、ガルバノミラーと原理は同じであるが、共振周波数で駆動するタイプのものである。
【0007】
当該光走査装置において、前記スキャニングミラーにより走査されたレーザ光を収束させる焦点距離補正光学系としては、例えばf−θレンズを用いた光学系を挙げることができる。
図1は、スキャニングミラーとしてガルバノミラーを用いた光走査装置の1例の概略説明図である。
レーザ発振器11から発振されたレーザ光は、レーザ光のスポット径を大きくするためのレンズ12を通って、モータ13a及び13bによって回転駆動されるY軸走査用ガルバノミラー14a及びX軸走査用ガルバノミラー14bで反射され、f−θレンズなどを用いた焦点距離補正光学系15によって、所定径のレーザビーム16に収束されたうえで、非接触型リライトサーマルラベル17に照射される。
本発明の記録方法においては、例えば前記光走査装置を用い、非接触型リライトサーマルラベルに収束されたレーザビームを照射して所定の描画を行うに際し、前記ガルバノミラーを連続駆動させると共に、該ガルバノミラーが実質上等速駆動している場合のみに、レーザ光の走査を行い、描画する方式を採用することができる。
具体的には、文字を描画する場合、該文字を描画する少し手前で、レーザ発振器をオフにした状態にてガルバノミラーを駆動させ、仮想レーザビームが文字の始点に達した時点では、該ガルバノミラーは、実質上等速駆動するように調整する。そして、仮想レーザビームが文字の始点に達した時点で、レーザ発振器をオンにして描画を開始する。描画中は、該ガルバノミラーは実質上等速駆動する。
文字の終点においてレーザ発振器をオフにして描画を中止するが、ガルバノミラーは連続駆動させた状態で、そのままの駆動速度若しくは駆動速度を変えて、仮想レーザビームが次の文字の始点に到達するようにガルバノミラーの駆動を調整する。
このような方式を採用することにより、従来の方式では、以下に示すように文字の始点付近及び終点付近において、過度のレーザエネルギーが照射されていたのを回避することができる。
【0008】
従来の記録方式では、一つの線の描き始め(始点)と描き終わり(終点)でX軸スキャニングミラー及びY軸スキャニングミラーの駆動を停止させるため、始点と終点付近で各軸のスキャニングミラーの駆動に加速と減速が生じる。この加減速期間中もレーザビームを一定の出力で照射するため、始点と終点付近では他の軌跡点より多くのレーザエネルギーを照射することとなり、基材劣化が特に顕著に現れてしまうという問題があった。
本発明の記録方式を採用することにより、このような問題を回避することができる。
また、本発明の記録方法においては、描画するに際し、線が重複する箇所は、前に描いた線を通り越してから、次の線を描くようにレーザ光を走査することが望ましい。すなわち、線と線を繋げて文字を描画する場合、二重に重なる点は、再度その上を走査する際、一度描かれた線に重ならないように、レーザ発振器をオフの状態で、仮想レーザビームが通過するようにスキャニングミラーを駆動させ、通過した時点からレーザ発振器をオンにして描画する。これにより線の重なる部分はレーザビームの照射が行われず、基材の劣化を抑制することができる。
従来の記録方式では、線と線を繋げて文字を描画する際に、一度描いた線の上に再度レーザビームの照射を受けてしまうため、重なった部分が重複照射され、基材劣化が生じてしまうという問題点があったが、上記の記録方式を採用することにより、このような問題を回避することができる。
【0009】
さらに、本発明の記録方法においては、折線を描画するに際し、レーザ光を走査して所定の線を描画し、折り返し点に到達した時点でレーザ光の走査を中断すると共に、スキャニングミラーは、仮想レーザビームが前記折り返し点を起点にしてループを描くように連続駆動させ、該仮想レーザビームが前記折り返し点を通り越してから、次の線を描くようにレーザ光を走査することが望ましい。これにより、鋭角な折り返し点における過度のレーザエネルギー照射を回避することができる。
また、文字を描く際、一度レーザ光を走査したのち、すぐに隣の文字を描画するのではなく、レーザ発振器をオフにした状態で、スキャニングミラーを駆動させる部分を設けることによって、次の画像を描くまでの時間を設けることが望ましい。これによって、隣接する画像の消去や濃度低下を防止することができる。
従来の記録方式では、バーコードなどの線の集まりを描く際に、隣接する線を描くまでの時間とレーザビーム照射による基材の温度の関係により、隣の線を描く際に最初に記録したバーコードの線が消色や濃度低下を起こしてしまうという問題があったが、上記の記録方式を採用することにより、このような問題を回避することができる。
次に、本発明の記録方式の理解を深めるために、本発明の記録方式による印字方法と、従来の記録方式による印字方法の差異を、文字「A」を印字する場合について、図2に示す。
図2は、文字Aを印字する場合における、本発明の記録方式による印字方法と、従来の記録方式による印字方法の差異を示す説明図であり、左側部分が、本発明の方式による印字方法を示し、右側部分が従来の方式による印字方法を示す。
この図2に基づいて、本発明の方式による印字方法及び従来の方式による印字方法を説明する。
まず、本発明の方式による印字方法(図2の(1))について説明する。
本発明の方式による印字方法においては、まず(a)ガルバノミラーの走査を開始し、仮想レーザビームが文字始点に達する時点まで動かす。(b)文字始点でレーザ光の発振をONにして、レーザビームを照射して線を描く。(c)Aの文字の頂点に達した時点(文字折り返し地点)で、レーザ光の発振をOFFにして、仮想レーザビームが点線を示すループを描くようにガルバノミラーを走査する。(d)前記(b)で描いた終点を越えた時点で、レーザ光の発振をONにして、レーザビームを照射し、前に描いた線上を重複せず、次の線を描く。
(e)前記(d)で描いた線の終点(Aの文字の右側下端部、文字折り返し地点)に達した時点で、レーザ光の発振をOFFにすると共に、仮想レーザビームが点線を示すようにガルバノミラーを走査する。(f)仮想レーザビームが、前記(d)で描いた線を越えた時点でレーザ光の発振をONにして、レーザビームを照射し、線を描き、前記(b)で描いた線(A文字の左側の線)に達する直前でレーザ光の発振をOFFにする。(g)仮想レーザビームが点線を示すようにガルバノミラーを走査する。このようにして、A文字が印字される。
その後、ガルバノミラーはONの状態のままで、仮想レーザビームが次の文字まで高速で達するように走査する。
次に、従来の方式による印字方法(図2の(2))について説明する。
従来の方式による印字方法においては、まず(a1)ガルバノミラーを走査し、仮想レーザビームが文字始点に到達した時点で、ガルバノミラーの走査を停止し、一瞬待機させる。(a)ガルバノミラーを走査させると共に、レーザ光の発振をONにしてレーザビームを照射し線を描く。(a2)Aの文字の頂点に達した時点で、ガルバノミラーの走査停止と、レーザ光の発振OFFを同時に行う。(b1)ガルバノミラーを走査し、仮想レーザビームが次の文字の始点に達した時点で、ガルバノミラーの走査を停止し、一瞬待機させる。
(b)ガルバノミラーを走査させると共に、レーザ光の発振をONにしてレーザビームを照射し、前に描いた線上を重複して次の線を描く。(b2)前記(b)で描いた線の終点(Aの文字の右側下端部)に達した時点で、ガルバノミラーの走査停止とレーザ光の発振OFFを同時に行う。(c1)ガルバノミラーを走査し、仮想レーザビームが次の文字の始点に達した時点で、ガルバノミラーの走査を停止し、一瞬待機させる。(c)ガルバノミラーを走査させると共に、レーザ光の発振をONにしてレーザビームを照射し、前に描いた線上を重複して、次の線を描く。(c2)前記(c)で描いた線の終点に達した時点で、ガルバノミラーの走査停止とレーザ光の発振OFFを同時に行う。このようにしてA文字が印字される。
【0010】
本発明で用いるレーザビームは波長が700〜1500nmの範囲にある近赤外レーザビームを照射することが好ましい。波長が700nmより短いものは視認性及び光学反射読み取り記号の読み取り性が低下するため好ましくない。波長が1500nmより長いものは、パルス単位あたりのエネルギーが高く、熱の影響が大きいため光吸収熱変換層が徐々に破壊され、繰り返し記録、消去を行う耐久性が低下するため好ましくない。
本発明の記録方式としては、前述のようにスキャニングミラーを連続駆動させると共に、該スキャニングミラーが実質上等速駆動している場合のみに、レーザ光の走査を行い描画する記録方式が用いられる。
本発明の方法において、記録を行う際の、リライトサーマルラベル表面とレーザ光源の距離は、スキャンスピード及び照射出力によって異なるが、基材の劣化防止、文字濃度(バーコード読み取り性)、文字の大きさを考慮して選定する必要がある。好ましくは記録の際はレーザ出力が3.0〜3.6W、照射距離200〜210mm、デューティ65〜75%、消去の際はレーザ出力が8W、照射距離420〜425mm、デューティ100%である。なお、スキャンスピードについては、印字性能又は消去性能を損なわない範囲で速くすることが好ましい。
【0011】
記録用レーザビームを照射した後に、冷却風などによって急冷することにより、良好な画像を得ることができる。この冷却作業は、レーザ光の走査と冷却風によって急冷することを交互に行ってもよいし、同時に行うこともできる。
本発明の方法における記録画像の消去方法は、リライトサーマルラベルの情報を新しい情報に書き直すために行う。この場合、先ず、記録されたラベル表面に700〜1500nmの近赤外レーザビームを照射する。所定のエネルギー量によるレーザビームの照射に加えて、熱ロールなどを接触させる方法、熱風を吹き付ける方法などによって冷却速度を更に遅くすることにより画像残存率を更に低減することができる。
加熱ロールは、該ラベル表面を、記録消去をする際のレーザ光照射開始時から開始後4秒以内に100〜140℃程度に加熱することができ、該ラベル表面を損傷しないものであれば、特に制限することなく公知の加熱ロールを使用することができる。例えば、ゴムロール、ステンレスロールなどを使用することができる。特に耐熱性に優れるシリコーンゴムロールを好適に使用することができる。ゴム硬度は40度以上が好ましい。40度未満の柔らかいゴムロールになると、例えば光吸収熱変換層への付着力が強くなり、光吸収熱変換層がゴムロールに取られるなどの問題が発生するおそれがある。
また、熱風を送風することにより、記録画像を消去することができる。この場合、80〜140℃程度の熱風を10〜60秒間程度送風する。
本発明における書き換え方法は、画像消去後、再び画像記録を行う場合、最初の記録と同様に記録を行う。特にこの場合、被着体に貼られたままのリライトサーマルラベルであっても、非接触の状態でレーザビームを照射することにより、書き換えを実現することができる。
なお、本発明の記録方法が適用される非接触型リライトサーマルラベルについては特に制限はなく、従来公知のものの中から任意のものを適宜選択することができ、例えば、特開2003−118238号公報に記載のものなどを用いることができる。通常光学的刺激により光吸収熱変換層に発生する熱によって可逆性感熱発色層を発色又は脱色させ、非接触で記録(書き込み・印字)及び消去を繰り返し、リライト(再書き込み)ができるラベルが好ましく用いられる。
【実施例】
【0012】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
製造例1 感熱発色層形成用塗工液(A液)の調製
染料前駆体として、トリアリールメタン系化合物である3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)−4−アザフタリド100重量部、可逆性顕色剤として4−(N−メチル−N−オクタデシルスルホニルアミノ)フェノール30重量部、分散剤のポリビニルアセタール1.5重量部及び希釈溶剤としてテトラヒドロフラン2500重量部を、粉砕機及びディスパーにより粉砕、分散させて、感熱発色層形成用塗工液(A液)を調製した。
製造例2 光吸収熱変換層形成用塗工液(B液)の調製
近赤外光吸収熱変換剤(ニッケル錯体系色素)[(株)トスコ製、商品名「SDA−5131」]を1重量部、紫外線硬化型バインダー(ウレタンアクリレート)[大日精化工業(株)製、商品名「PU−5(NS)」]100重量部及び無機顔料(シリカ)[日本アエロジル工業(株)製、商品名「アエロジルR−972」]3重量部をディスパーにより分散させて、光吸収熱変換層形成用塗工液(B液)を調製した。
製造例3 剥離シート付き粘着剤層の作製
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製、商品名「ルミラーT−60」]上に、触媒を添加したシリコーン樹脂[東レ・ダウコーニング(株)製、商品名「SRX−211」]を、乾燥後の厚みが0.7μmになるように塗布した剥離シートを作製した。
この剥離シートのシリコーン樹脂層上に、アクリル系粘着剤[東洋インキ製造(株)製、商品名「オリバインBPS−1109」]100重量部に、架橋剤[日本ポリウレタン工業(株)製、商品名「コロネートL」]を3重量部添加した粘着剤塗液を、乾燥後の厚みが30μmになるようにロールナイフコーター方式で塗布した。この粘着剤塗布フィルムを温度100℃のオーブンで2分間乾燥して、剥離シート付き粘着剤層を作製した。
【0013】
実施例1
(1)記録用サンプルの作製
基材として厚さ100μmの発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製、商品名「クリスパーK2424」]上に、製造例1で調製したA液をグラビア方式にて乾燥後の厚さが4μmとなるように塗布し、60℃のオーブンで5分間乾燥させ、感熱発色層を形成した。次いで、この感熱発色層上に、製造例2で調製したB液を、乾燥後の厚さが1.2μmになるようにフレキソ方式にて塗布し、60℃のオーブンで1分間乾燥させた後、紫外線を光量220mJ/cm2で照射して光吸収熱変換層を作製し、リライトサーマルラベル用基材とした。
製造例3で作製した剥離シート付き粘着剤層をラミネーターで、前記リライトサーマルラベル用基材の感熱発色層及び光吸収熱変換層が形成されていない面と貼り合わせ、記録用サンプルとした。
(2)記録・消去
(イ)上記(1)で得た記録用サンプルに、下記の記録(印字)方法により、数字の「4」を図3に示すレーザ光の走査方式(本発明の方式)に従って記録を行った。
<記録(印字)方法>
レーザビームを照射するレーザマーカーとして、YAGレーザ(波長1064nm)[サンクス(株)製、商品名「LP−F10W」]を用いて、記録を行った。
照射距離210mm、レーザ出力3.3W、デューティ70%、スキャンスピード3000mm/秒、パルス周期100μs、線幅0.1mm、塗りつぶし間隔0.05mmになるように調節した。
図3において、まず、スキャニングミラーをA点にて駆動開始し、仮想レーザビームが文字始点aに達した時点でレーザ発振器をオンにして描画を開始し、線bを描く。文字の折り返し点cにて、レーザ発振器をオフにすると共に、スキャニングミラーを、仮想レーザビームが点線で示すループを描くように駆動させ、該仮想レーザビームがc'点に達した時点でレーザ発振器をオンにして再び描画を開始し、線dを描く。
次いで、文字の折り返し点eにて、レーザ発振器をオフにすると共に、スキャニングミラーを、仮想レーザビームが点線で示すループを描くように駆動させ、該仮想レーザビームがe'点に達した時点でレーザ発振器をオンにして再び描画を開始し、線fを描く。g点にてレーザ発振器をオフにし、仮想レーザビームがg'点に達した時点でレーザ発振器をオンにして再び描画を開始し、線hを描く。文字の終点であるi点にて、レーザ発振器をオフにして描画を終了する。
スキャニングミラーは、仮想レーザビームが点線を描きB点に達した時点で駆動を停止する。このようにして、数字「4」が記録される。
なお、レーザ発振器がオンの状態のときには、スキャニングミラーは、実質上等速駆動の状態である。
次に、このようにして記録した文字を、下記の消去方法により、消去した。
<消去方法>
130℃の熱風を20秒間送風したのち、常温環境下で自然放冷して印字の消去を行った。
(ロ)上記(1)で得た記録用サンプルに、バーコードを本発明のレーザ光の走査方式に従って記録した。
バーコードの太線は線の集合であり、その一本一本の線の記録方法を図4に従って説明する。
<記録(印字)方法>
レーザビームを照射するレーザマーカーとして、YAGレーザ(波長1064nm)[サンクス(株)製、商品名「LP−F10W」]を用いて、記録を行った。
照射距離210mm、レーザ出力3.3W、デューティ70%、スキャンスピード3000mm/秒、パルス周期100μs、線幅0.1mm、塗りつぶし間隔0.05mmになるように調節した。
図4において、まず、スキャニングミラーをA点にて駆動開始し、仮想レーザビームが始点aに達した時点でレーザ発振器をオンにして描画を開始し、線bを描く。c点にて、レーザ発振器をオフにすると共に、スキャニングミラーを、仮想レーザビームが点線で示すループを描くように駆動させ、該仮想レーザビームがd点に達した時点でレーザ発振器をオンにして再び描画を開始し、線eを描く。
次いで、f点にて、レーザ発振器をオフにすると共に、スキャニングミラーを、仮想レーザビームが点線で示すループを描くように駆動させ、該仮想レーザビームがg点に達した時点でレーザ発振器をオンにして再び描画を開始し、線hを描く。i点にてレーザ発振器をオフにすると共に、スキャニングミラーを、仮想レーザビームが点線で示すループを描くように駆動させ、該仮想レーザビームがj点に達した時点でレーザ発振器をオンにして再び描画を開始し、線kを描く。文字の終点であるm点にて、レーザ発振器をオフにして描画を終了する。
スキャニングミラーは、仮想レーザビームが点線を描きB点に達した時点で駆動を停止する。このようにして、バーコードが記録される。
なお、レーザ発振器がオンの状態のときには、スキャニングミラーは、実質上等速駆動の状態である。
このような記録方式によると、隣の線を描く際に、最初に記録したバーコードの線が消色や濃度低下を起こすことがなかった。
<消去方法>
上記(イ)と同様にして消去を行った。
(3)評価
上記(2)(イ)の記録及び消去を、50回、500回及び1000回繰り返し、文字の始点a、終点i、及び重複部分のc−c'、e−e'、g−g'における基材表面の状態を観察した。また、上記(2)(ロ)の記録及び消去を、500回及び1000回繰り返し後のバーコード読み取り性を評価した。その結果を第1表に示す。
【0014】
実施例2
(1)記録用サンプルの作製
基材として厚さ100μmの発泡ポリエチレンテレフタレートフィルム[東洋紡績(株)製、商品名「クリスパーK2424」]上に、製造例1で調製したA液2631.5重量部と、製造例2で調製したB液104重量部を混ぜ合わせ、乾燥後の厚さが5.0μmになるようにフレキソ方式にて塗布乾燥し、紫外線を照射して感熱発色剤、光吸収熱変換剤混合層からなる感熱発色層を作製し、リライトサーマルラベル基材とした。
以下、実施例1(1)と同様にして記録用サンプルを作製した。
(2)記録・消去
上記(1)で得た記録用サンプルに、実施例1(2)と同様にして、数字「4」またはバーコードの記録を行い、さらに消去を行った。
(3)評価
上記(2)の数字「4」の記録及び消去を50回、500回及び1000回繰り返し、またバーコードの記録及び消去を500回及び1000回繰り返した後、実施例1(3)と同様の評価を行った。その結果を第1表に示す。
【0015】
比較例1
(1)記録用サンプルの作製
実施例1(1)と同様にして記録用サンプルを作製した。
(2)記録・消去
(イ)上記(1)で得た記録用サンプルに、下記の記録(印字)方法により、数字の「4」を図5に示すレーザ光の走査方式に従って記録を行った。
<記録(印字)方法>
レーザビームを照射するレーザマーカーとして、YAGレーザ(波長1064nm)[サンクス(株)製、商品名「LP−F10」]を用いて、記録を行った。
照射条件は、照射距離180mm、レーザ出力2.0W、スキャンスピード1000mm/s、パルス周期100μs、線幅0.1mm、塗りつぶし間隔0.05mmである。
図4において、まず、スキャニングミラーを駆動させ、仮想レーザビームが文字始点pに到達した時点でスキャニングミラーの駆動を停止し、一瞬待機させたのち、スキャニングミラーを駆動させると共に、レーザ発振器をオンにして描画を開始し、線qを描く。r点に到達した時点で、スキャニングミラーの駆動停止とレーザ発振器のオフを同時に行う。
次いで、r点において、一瞬待機させたのち、スキャニングミラーを駆動させると共に、レーザ発振器をオンにして描画を開始し、線sを描く。t点に到達した時点で、スキャニングミラーの駆動停止とレーザ発振器のオフを同時に行う。
次いで、t点において、一瞬待機させたのち、スキャニングミラーを駆動させると共に、レーザ発振器をオンにして描画を開始し、線uを描く。線uが、先に描画した線qと点vで交ったのち、文字の終点wに到達した時点で、スキャニングミラーの駆動停止とレーザ発振器のオフを同時に行う。このようにして数字「4」が記録される。
次に、このようにして記録した文字を、下記の消去方法により、消去した。
<消去方法>
130℃の熱風を20秒間送風したのち、常温環境下で自然放冷して印字の消去を行った。
(ロ)上記(1)で得た記録用サンプルに、下記の記録(印字)方式により、バーコードの記録を行なった。バーコードの太線は線の集合であり、その一本一本の線の記録方法を図6に従って説明する。
<記録(印字)方法>
レーザビームを照射するレーザマーカーとして、YAGレーザ(波長1064nm)[サンクス(株)製、商品名「LP−F10」]を用いて記録を行なった。
照射条件は、照射距離180mm、レーザ出力2.0 W、スキャンスピード1000mm/s、パルス周期100μs、線幅0.1mm、塗りつぶし間隔0.05mmである。
図6において、まず、スキャニングミラーを駆動させ、仮想レーザビームが線の始点nに到達した時点でスキャニングミラーの駆動を停止し、一瞬待機させた後、スキャニングミラーを駆動させると共に、レーザ発振器をオンにして描画を開始し、線oを描く。レーザビームがp点に到達した時点で、スキャニングミラーの駆動停止とレーザ発振器のオフを同時に行なう。
次いで、スキャニングミラーを、仮想レーザビームが点線を描くように駆動させ、仮想レーザビームがq点に到達した時点でスキャニングミラーの駆動を停止し、一瞬待機させた後、スキャニングミラーを駆動させるとともに、レーザ発振器をオンにして描画を開始し、線rを描く。レーザビームがs点に到達した時点で、スキャニングミラーの駆動停止とレーザ発振器のオフを同時に行なう。
次いで、スキャニングミラーを、仮想レーザビームが点線を描くように駆動させ、仮想レーザビームがt点に到達した時点でスキャニングミラーの駆動を停止し、一瞬待機させた後、スキャニングミラーを駆動させるとともに、レーザ発振器をオンにして描画を開始し、線uを描く。レーザビームがv点に到達した時点で、スキャニングミラーの駆動停止とレーザ発振器のオフを同時に行なう。
次いで、スキャニングミラーを、仮想レーザビームが点線を描くように駆動させ、仮想レーザビームがw点に到達した時点でスキャニングミラーの駆動を停止し、一瞬待機させた後、スキャニングミラーを駆動させるとともに、レーザ発振器をオンにして描画を開始し、線xを描く。レーザビームがy点に到達した時点で、スキャニングミラーの駆動停止とレーザ発振器のオフを同時に行なう。
このようにしてバーコードが記録される。
<消去方法>
上記(イ)と同様にして消去を行った。
(3)評価
上記(2)(イ)の記録及び消去を、50回、500回及び1000回繰り返し、文字の始点p、終点w、及び重複部分のr、t、vにおける基材表面の状態を観察した。また、上記(2)(ロ)の記録及び消去を500回繰り返し後のバーコード読み取り性を評価した。その結果を第1表に示す。
【0016】
比較例2
(1)記録用サンプルの作製
実施例2(1)と同様にして記録用サンプルを作製した。
(2)記録・消去
上記(1)で得た記録用サンプルに、比較例1(2)と同様にして、数字「4」又はバーコードの記録を行い、さらに消去を行った。
(3)評価
上記(2)の数字「4」の記録及び消去を50回、500回及び1000回繰り返し、またバーコードの記録及び消去を500回繰り返した後、比較例1(3)と同様の評価を行った。その結果を第1表に示す。
【0017】
【表1】

【0018】
(注)
(1)基材表面の状態
○:基材破壊なし
×:基材破壊あり
(2)バーコード読み取り性
500回及び1000回書き換え後のバーコード読み取り性を、下記の方法に従って評価した。
波長660nmのレーザ光を発する手持型のバーコード検証機[和泉データロジック(株)製、「RJSインスペクター3000」]を、1次元バーコードシンボル上を行き来させることによりスキャンを行う。10往復スキャンさせ、その平均を評価結果とする。バーコードシンボルの印字品質は、スキャンすることにより、バーとスペースの反射率、ボイド又はスポットの有無、エレメントの寸法精度で決定され、ANSI(American National Standards Institute:アメリカ規格協会)に基づいて読み取り性の良いものから、A、B、C、Dと位置づけられ、全く読み取れないものはFとなる。
○:ANSI評価A〜D
×:ANSI評価F
なお、上述のバーとは黒い線、スペースとはバーの間の白い空白の部分、ボイドはバーの中の小さな欠陥(白い抜け)、スポットは黒い線の中のさらに大きな欠陥を意味する。バーとスペースの反射率はバーと空白部の反射率差で判断され、ボイド又はスポットの有無については、これらの存在の程度で判断される。
第1表から分かるように、本発明の記録方式によると、感熱発色層と光吸収熱変換層を積層した場合(実施例1)及び光吸収熱変換剤を含む感熱発色層の単層の場合(実施例2)のいずれにおいても、500回の記録及び消去が可能であり、500回記録・消去後の基材表面の破壊はなく、再記録が可能である。また、バーコードの読み取りも良好である。なお、1000回書き換え後の基材表面の状態は、500回書き換え後の基材表面の状態とほとんど同じであった。
これに対し、従来の記録方式によると、感熱発色層と光吸収熱変換層を積層した場合(比較例1)及び光吸収熱変換剤を含む感熱発色層の単層の場合(比較例2)のいずれにおいても、50回の記録及び消去は可能であるが、500回及び1000回の記録・消去で、基材表面に破壊が生じ、またバーコード読み取り性も不良であった。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の非接触型リライトサーマルラベルの記録方式によると、非接触方式により、情報の記録、消去を繰り返し行っても、記録材料の記録面へ与える損傷が少なく、1000回以上の繰り返し使用が可能である。
本発明の記録方式は、例えば食品を輸送するプラスチックコンテナ(通い箱)に貼るラベル、電子部品の管理に用いるラベル、段ボールなどに貼る物流管理ラベルなどに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法において用いられる、光走査装置の1例の概略説明図である。
【図2】本発明の記録方式による印字方法と、従来の記録方式による印字方法の差異を示す説明図である。
【図3】実施例における文字描画において、レーザ光の走査方式を示す説明図である。
【図4】実施例におけるバーコード描画において、レーザ光の走査方式を示す説明図である。
【図5】比較例における文字描画において、レーザ光の走査方式を示す説明図である。
【図6】比較例におけるバーコード描画において、レーザ光の走査方式を示す説明図である。
【符号の説明】
【0021】
11 レーザ発振器
12 レーザ光のスポット径を大きくするためのレンズ
13a、13b モータ
14a Y軸走査用ガルバノミラー
14b X軸走査用ガルバノミラー
15 焦点距離補正光学系
16 レーザビーム
17 非接触型リライトサーマルラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触型リライトサーマルラベルにレーザビームを照射して記録する方法であって、光走査装置を用い、前記非接触型リライトサーマルラベルに収束されたレーザビームを照射して所定の描画を行うに際し、前記光走査装置を、レーザ光の発振を行うことなく連続駆動させ、レーザ光を発振した場合に想定されるレーザビームの軌跡(仮想レーザビーム)が実質上等速運動している場合のみに、レーザ光を発振させてレーザ光の走査を行い、描画することを特徴とする非接触型リライトサーマルラベルの記録方法。
【請求項2】
描画するに際し、線が重複する箇所は、前に描いた線を通り越してから、次の線を描くようにレーザ光を走査する請求項1に記載の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法。
【請求項3】
折線を描画するに際し、レーザ光を走査して所定の線を描画し、折り返し点に到達した時点でレーザ光の走査を中断すると共に、光走査装置は、仮想レーザビームが前記折り返し点を起点にしてループを描くように連続駆動させ、該仮想レーザビームが前記折り返し点を通り越してから、次の線を描くようにレーザ光を走査する請求項1に記載の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法。
【請求項4】
光走査装置が、レーザ光源と、それから発振するレーザ光を走査するための回転駆動可能なスキャニングミラーと、スキャニングミラーにより走査されたレーザ光を収束させる焦点距離補正光学系を有し、前記非接触型リライトサーマルラベルに収束されたレーザビームを照射して所定の描画を行うに際し、前記スキャニングミラーを連続駆動させると共に、該スキャニングミラーが実質上等速駆動している場合のみに、レーザ光を発振させてレーザ光の走査を行い描画する請求項1ないし3のいずれかに記載の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法。
【請求項5】
光走査装置において、回転駆動可能なスキャニングミラーが、ガルバノミラー、ポリゴンミラー又はレゾナントミラーである請求項4に記載の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法。
【請求項6】
光走査装置において、焦点距離補正光学系が、f−θレンズである請求項4又は5に記載の非接触型リライトサーマルラベルの記録方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−306063(P2006−306063A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−88790(P2006−88790)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000102980)リンテック株式会社 (1,750)
【出願人】(000106221)サンクス株式会社 (578)
【Fターム(参考)】