説明

非晶化セルロースの製造方法

【課題】セルロース含有原料から、セルロースI型結晶化度を低下させた非晶化セルロースを効率的に得られる生産性に優れた方法を提供すること。
【解決手段】下記計算式で示されるセルロースI型結晶化度が33%を超えるセルロース含有原料から非晶化セルロースを製造する方法であって、該セルロース含有原料が、嵩密度が100〜500kg/m3、平均粒径が0.01〜1mmのものであり、かつ該原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上であって、該セルロース含有原料を粉砕機で処理して、該セルロースI型結晶化度を33%以下に低減する、非晶化セルロースの製造方法である。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100
〔I22.6はX線回折における格子面(002面)の回折強度、I18.5はアモルファス部の回折強度を示す〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非晶化セルロースの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パルプ等のセルロース含有原料を粉砕して得られるセルロースは、セルロースエーテルの原料、化粧品、食品、バイオマス材料等の工業原料に用いられる。これらの工業原料としては、セルロース結晶構造が非晶化されたセルロースが特に有用である。
例えば、シート状パルプを粉砕機で機械的に処理して、粉末状パルプを製造する方法が知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかし、これらの特許文献にはセルロースの結晶化度について記載はない。
また、パルプを粉砕機で機械的に処理して、セルロースの結晶化度を低減する方法が知られている(例えば、特許文献3〜6参照)。
特許文献3の実施例1及び4には、シート状パルプを振動ボールミル又は二軸押出機で処理する方法が開示されている。
特許文献4の実施例1〜3には、パルプをボールミルで処理する方法が開示されている。
特許文献5の実施例1及び2には、パルプを加水分解等の化学的処理をして得られたセルロース粉体を、ボールミルさらには気流式粉砕機で処理する方法が開示されている。
特許文献6には、パルプを水に分散させた状態で振動ボールミル等の媒体ミルで処理する方法が開示されている。
しかし、これらの方法は、セルロースの結晶化度を低減させるにあたり効率性および生産性が満足できるものではない。
【0003】
【特許文献1】特開平5−168969号公報
【特許文献2】特開2001−354701号公報
【特許文献3】特開昭62−236801号公報
【特許文献4】特開2003−64184号公報
【特許文献5】特開2004−331918号公報
【特許文献6】特開2005−68140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、セルロース含有原料からセルロースI型結晶化度を低下させた非晶化セルロースを効率的に得ることができる、生産性に優れた製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、嵩密度が100〜500kg/m3、平均粒径が0.01〜1mmのセルロース含有原料を粉砕機で処理することにより、前記課題を解決できることを見出した。
【0006】
すなわち、本発明は、下記計算式(1)で示されるセルロースのセルロースI型結晶化度が33%を超えるセルロース含有原料から非晶化セルロースを製造する方法であって、該セルロース含有原料が、嵩密度が100〜500kg/m3、平均粒径が0.01〜1mmのものであり、かつ該原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上であって、該セルロース含有原料を粉砕機で処理して、該セルロースI型結晶化度を33%以下に低減する、非晶化セルロースの製造方法である。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、及びI18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
【発明の効果】
【0007】
本発明の非晶化セルロースの製造方法は、生産性に優れ、セルロース含有原料から、セルロースI型結晶化度を低下させた非晶化セルロースを効率良く得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、下記計算式(1)で示されるセルロースのセルロースI型結晶化度が33%を超えるセルロース含有原料から非晶化セルロースを製造する方法であって、該セルロース含有原料が、嵩密度が100〜500kg/m3、平均粒径が0.01〜1mmのものであり、かつ該原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上であって、該セルロース含有原料を粉砕機で処理して、該セルロースI型結晶化度を33%以下に低減する、非晶化セルロースの製造方法である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本明細書において、セルロースのセルロースI型結晶化度を単に「結晶化度」ということがある。
【0009】
〔セルロース含有原料〕
本発明に用いられるセルロース含有原料は、該原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上、好ましくは40質量%以上、より好ましくは60質量%以上のものである。
本発明に用いられるセルロース含有量とはセルロース量及びヘミセルロース量の合計量を意味する。
前記セルロース含有原料には特に制限はなく、各種木材チップ;木材から製造されるウッドパルプ、綿の種子の周囲の繊維から得られるコットンリンターパルプ等のパルプ類;新聞紙、ダンボール、雑誌、上質紙等の紙類;稲わら、とうもろこし茎等の植物茎・葉類;籾殻、パーム殻、ココナッツ殻等の植物殻類等が挙げられる。
市販のパルプの場合、水を除いた残余の成分中のセルロース含有量は、一般には75〜99質量%であり、他の成分はリグニン等を含む。また市販のパルプのセルロースI型結晶化度は、通常60%以上である。
セルロース含有原料中の水分含量は、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましく、10質量%以下が特に好ましい。セルロース含有原料中の水分含量が20質量%以下であれば、容易に粉砕できるとともに、粉砕処理により結晶化度を容易に低下させることができる。
【0010】
〔セルロースI型結晶化度〕
本発明により製造される非晶化セルロースは、セルロースI型結晶化度を33%以下に低下させたものである。結晶化度は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したもので、下記計算式(1)により定義される。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
結晶化度が33%以下であれば、セルロースの化学反応性が向上し、例えば、セルロースエーテルの製造において、アルカリを加えた際にアルカリセルロース化が容易に進行し、結果としてセルロースエーテル化反応の反応転化率を向上させることができる。この観点から、結晶化度としては、20%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、分析でI型結晶が検出されない0%が特に好ましい。なお、計算式(1)で定義されたセルロースI型結晶化度では計算上マイナスの値になる場合があるが、マイナスの値の場合はセルロースI型結晶化度は0%とする。
【0011】
ここで、セルロースI型結晶化度とは、セルロースの結晶領域量の全量に対する割合のことである。また、セルロースI型とは、天然セルロースの結晶形のことである。結晶化度は、セルロースの物理的、化学的性質とも関係し、その値が大きいほど、セルロースの結晶性が高く、非結晶部分が少ないため、硬度、密度等は増すが、伸び、柔軟性、水や溶媒に対する溶解性、化学反応性は低下する。
【0012】
本発明の非晶化セルロースの製造方法としては、嵩密度が100〜500kg/m3、平均粒径が0.01〜1mmのセルロース含有原料を用いる。嵩密度が100kg/m3未満のセルロース含有原料を用いる場合には前処理を行い、嵩密度を100〜500kg/m3にすることが好ましい。
前処理として押出機処理を行うことができる。該押出機へセルロース含有原料を投入する際には、チップ状に粗粉砕しておくことが好ましい。チップ状にしたセルロース含有原料の大きさとしては、好ましくは1〜50mm角、より好ましくは1〜30mm角である。1〜50mm角のチップ状に粗粉砕することにより、押出機処理を効率良く容易に行うことができる。
【0013】
セルロース含有原料をチップ状に粗粉砕する方法としては、シュレッダー又はロータリーカッターを使用する方法が挙げられる。ロータリーカッターを使用する場合、得られるチップ状セルロース含有原料の大きさは、スクリーンの目開きを変えることにより、制御することができる。スクリーンの目開きは、1〜50mmが好ましく、1〜30mmがより好ましい。スクリーンの目開きが1mm以上であれば、セルロース含有原料が綿状化することがなく、後の押出機処理に用いるセルロース含有原料として適度な嵩高さを有するために取扱い性が向上する。スクリーンの目開きが50mm以下であれば、後の押出機処理に用いるセルロース含有原料として適度な大きさを有するために押出機処理において負荷を低減することができる。
【0014】
前記セルロース含有原料を押出機で処理することにより、所望の嵩密度を有するセルロース含有原料を得ることができる。更に押出機で処理することにより、セルロース含有原料に圧縮せん断力を作用させ、セルロースの結晶構造を破壊して粉末化させることができる。
圧縮せん断力を作用させてセルロース含有原料を機械的に粉砕する方法として、従来よく用いられる衝撃式の粉砕機、例えば、カッターミル、ハンマーミル、ピンミル等では、セルロース含有原料が綿状化して嵩高くなり、取扱い性を損ない、質量ベースの処理能力が低下する。一方、押出機を用いることにより、所望の嵩密度及び平均粒径を有するセルロース含有原料が得られ、取扱い性が向上する。
【0015】
押出機としては、単軸、二軸のどちらの形式でもよいが、搬送能力を高める等の観点から、二軸押出機が好ましい。
二軸押出機としては、シリンダの内部に2本のスクリューが回転自在に挿入された押出機であり、従来から公知のものが使用できる。2本のスクリューの回転方向は、同一でも逆方向でもよいが、搬送能力を高める観点から、同一方向の回転が好ましい。
また、スクリューの噛み合い条件としては、完全噛み合い、部分噛み合い、非噛み合いの各形式の押出機のいずれでもよいが、処理能力を向上させる観点から、完全噛み合い型、部分噛み合い型が好ましい。
【0016】
押出機としては、強い圧縮せん断力を加える観点から、スクリューのいずれかの部分に、いわゆるニーディングディスク部を備えることが好ましい。
ニーディングディスク部とは、複数のニーディングディスクで構成され、これらを連続して、一定の位相で、例えば90°ずつに、ずらしながら組み合わせたものであり、スクリューの回転にともなって、狭い隙間にセルロース含有原料を強制的に通過させることで極めて強いせん断力を付与することができる。スクリューの構成としては、ニーディングディスク部と複数のスクリューセグメントとが交互に配置されることが好ましい。二軸押出機の場合、2本のスクリューが、同一の構成を有することが好ましい。
【0017】
処理方法としては、セルロース含有原料、好ましくは前記チップ状セルロース含有原料を押出機に投入し、連続的に処理する方法が好ましい。せん断速度としては、10sec-1以上が好ましく、20〜30000sec-1がより好ましく、50〜3000sec-1が特に好ましい。せん断速度が10sec-1以上であれば、有効に高嵩密度化が進行する。その他の処理条件としては、特に制限はなく、好ましくは処理温度5〜200℃である。
また、押出機によるパス回数としては、1パスでも十分効果を得ることができるが、セルロース含有原料を高嵩密度化する観点から、1パスで不十分な場合は、2パス以上行うことが好ましい。また、生産性の観点からは、1〜10パスが好ましい。パスを繰返すことにより、粗大粒子が粉砕され、粒径のばらつきが少ない粉末状セルロース含有原料を得ることができる。2パス以上行う場合、生産能力を考慮し、複数の押出機を直列に並べて処理を行ってもよい。
【0018】
〔非晶化処理〕
本発明において、嵩密度が100〜500kg/m3、平均粒径が0.01〜1mmのセルロース含有原料を粉砕機で処理して、該セルロース中のセルロースI型結晶化度を33%以下に低減する。高嵩密度のセルロース含有原料を粉砕機で処理することにより、セルロース含有原料を粉砕して、結晶化度を低下させ、セルロースを効率的に非晶化させることができる。
【0019】
粉砕機に供給するセルロース含有原料の嵩密度としては、100kg/m3以上であり、好ましくは120kg/m3以上、より好ましくは150kg/m3以上である。この嵩密度が100kg/m3以上であれば、セルロース含有原料が適度な容積を有するために取扱い性が向上する。また、粉砕機へ原料仕込み量を多くすることができるので、処理能力が向上する。一方、この嵩密度の上限としては、取扱い性及び生産性の観点から、500kg/m3以下であり、好ましくは400kg/m3以下、より好ましくは350kg/m3以下である。これらの観点から、この嵩密度としては、100〜500kg/m3であり、好ましくは120〜400kg/m3、より好ましくは150〜350kg/m3である。
【0020】
また、粉砕機に供給するセルロース含有原料の平均粒径としては、1mm以下であり、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.5mm以下である。この平均粒径が1mm以下であれば、粉砕機中に供給する際に、粉砕機中にセルロース含有原料を効率的に分散させることができ、長時間を要することなく所定の粒径に到達することができる。一方、この平均粒径の下限としては、生産性の観点から、0.01mm以上であり、好ましくは0.05mm以上である。これらの観点から、この平均粒径としては、0.01〜1mmであり、好ましくは0.01〜0.7mm、より好ましくは0.05〜0.5mmである。なお、セルロース含有原料の嵩密度及び平均粒径は、実施例に記載の方法により測定することができる。
【0021】
粉砕機としては媒体式粉砕機を好ましく用いることができる。媒体式粉砕機には容器駆動式粉砕機と媒体撹拌式粉砕機とがある。容器駆動式粉砕機としては転動ミル、振動ミル、遊星ミル、遠心流動ミル等が挙げられる。この中で、粉砕効率が高く、生産性の観点から、振動ミルが好ましい。媒体撹拌式粉砕機としてはタワーミル等の塔型粉砕機;アトライター、アクアマイザー、サンドグラインダー等の撹拌槽型粉砕機;ビスコミル、パールミル等の流通槽型粉砕機;流通管型粉砕機;コボールミル等のアニュラー型粉砕機;連続式のダイナミック型粉砕機等が挙げられる。この中で、粉砕効率が高く、生産性の観点から、撹拌槽型粉砕機が好ましい。媒体攪拌式粉砕機を用いる場合の攪拌翼の先端の周速は、好ましくは0.5〜20m/s、より好ましくは1〜15m/sである。
粉砕機の種類は「化学工学の進歩 第30集 微粒子制御」(社団法人 化学工学会東海支部編、1996年10月10日発行、槇書店)を参照することができる。
処理方法としては、バッチ式、連続式のどちらでも良い。
【0022】
粉砕機の媒体の材質としては、特に制限はなく、例えば、鉄、ステンレス、アルミナ、ジルコニア、炭化珪素、チッ化珪素、ガラス等が挙げられる。
粉砕機が振動ミルであって、媒体がボールの場合には、ボールの外径としては、好ましくは0.1〜100mm、より好ましくは0.5〜50mmの範囲である。ボールの大きさが上記の範囲であれば、所望の粉砕力が得られるとともに、ボールのかけら等が混入してセルロース含有原料が汚染されることなく効率的にセルロースを非晶化させることができる。媒体としては、ボール以外にもロッドやチューブ等の媒体を用いることができる。
ボールの充填率は、振動ミルの機種により好適な充填率が異なるが、好ましくは10〜97%、より好ましくは15〜95%の範囲である。充填率がこの範囲内であれば、セルロース含有原料とボールとの接触頻度が向上するとともに、媒体の動きを妨げずに、粉砕効率を向上させることができる。ここで充填率とは、振動ミルの攪拌部の容積に対するボールの見かけの体積をいう。
処理時間としては、振動ミルの種類、ボールの種類、大きさ及び充填率等により一概に決定できないが、結晶化度を低下させる観点から、好ましくは0.01〜50hr、より好ましくは0.05〜20hr、更に好ましくは0.1〜10hrである。処理温度は、特に制限はないが、熱による劣化を防ぐ観点から、好ましくは5〜250℃、より好ましくは10〜200℃である。
【0023】
上記の処理方法により、セルロース含有原料を出発原料として、セルロースI型結晶化度が33%以下の非晶化セルロースを効率よく得ることができ、また、粉砕機処理の際に、粉砕機の内部にセルロース含有原料が固着せずに、乾式にて処理することができる。
得られる非晶化セルロースの平均粒径は、この非晶化セルロースを工業原料として用いる際の化学反応性及び取扱い性の観点から、好ましくは25〜150μm、より好ましくは30〜100μmである。特に平均粒径が25μm以上であれば、非晶化セルロースを水などの液体と接触させたときに「ママコ」になることを抑えることができる。
【実施例】
【0024】
セルロース含有原料及び非晶化セルロースの平均粒径、嵩密度、X線回折強度及びセルロース含有量の測定は、下記に記載の方法で行った。
(1)平均粒径の測定
平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置「LA−920」(株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。測定条件は、粒径測定前に超音波で1分間処理し、測定時の分散媒体として水を用い、体積基準のメジアン径を、温度25℃にて測定した。
(2)嵩密度の測定
嵩密度は、ホソカワミクロン株式会社製の「パウダーテスター」を用いて測定した。測定は、ふるいを振動させて、サンプルをシュートを通じ落下させ、規定の容器(容量100mL)に受け、該容器中のサンプルの質量を測定することにより算出した。ただし綿状化したサンプルについては、ふるいを通さずにシュートを通じ落下させ、規定の容器(容量100mL)に受け、該容器中のサンプルの質量を測定することにより算出した。
【0025】
(3)結晶化度の算出
セルロースI型結晶化度は、サンプルのX線回折強度を、株式会社リガク製の「Rigaku RINT 2500VC X-RAY diffractometer」を用いて以下の条件で測定し、前記計算式に基づいて算出した。
測定条件は、X線源:Cu/Kα−radiation,管電圧:40kv,管電流:120mA,測定範囲:回折角2θ=5〜45°で測定した。測定用サンプルは面積320mm2×厚さ1mmのペレットを圧縮し作製した。X線のスキャンスピードは10°/minで測定した。
(4)水分含量の測定
水分含量は、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製、「FD−610」)を使用し、150℃にて測定を行った。
(5)セルロース含有量の測定
セルロース含有量は、社団法人日本分析化学会編、分析化学便覧(改訂四版、平成3年11月30日、丸善株式会社発行)の1081頁〜1082頁に記載のホロセルロース定量法により測定した。
【0026】
実施例1
〔シュレッダー処理〕
セルロース含有原料として、シート状木材パルプ(Borregard社製「Blue Bear Ultra Ether」、800mm×600mm×1.5mm、結晶化度81%、セルロース含有量96質量%(セルロース含有原料から水を除いた残余の成分中の含有量、以下同じ)、水分含量7質量%)、をシュレッダー(株式会社明光商会製、「MSX2000−IVP440F」)にかけ、約10mm×5mm×1.5mmのチップ状パルプにした。
【0027】
〔押出機処理〕
得られたチップ状パルプを二軸押出機(株式会社スエヒロEPM製、「EA−20」)に2kg/hrで投入し、せん断速度660sec-1、スクリュー回転数300rpm、外部から冷却水を流しながら、1パス処理した。なお、前記二軸押出機は、完全噛み合い型同方向回転二軸押出機であり、2列に配置されたスクリューは、スクリュー径40mmのスクリュー部と、互い違い(90°)に12ブロックを組み合わせたニーディングディスク部とを有し、2本のスクリューは、同じ構成を有するものである。また、二軸押出機の温度は、処理にともなう発熱により、30〜70℃であった。
押出機処理後に得られたパルプは、平均粒径120μm、嵩密度219kg/m3であった。
【0028】
〔粉砕機処理〕
得られたパルプを、粉砕機としてバッチ式撹拌槽型粉砕機(五十嵐機械社製「サンドグラインダー」:容器容積800mL、5mmφジルコニアビーズを720g充填、充填率25%、攪拌翼径70mm)に130g投入した。容器ジャケットに冷却水を通しながら、攪拌回転数2000rpmで、2.5時間粉砕処理を行い、非晶化セルロースを得た。操作の際の温度は、30〜70℃の範囲であった。
処理終了後、撹拌槽型粉砕機内の壁面や底部にパルプの固着物等は見られなかった。得られた非晶化セルロースを前記撹拌槽型粉砕機から取り出し、75μm目開きの篩をかけたところ、篩下品として、117g(投入量の90質量%)が得られた。得られた篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表1に示す。
【0029】
実施例2
実施例1において、バッチ撹拌槽型粉砕機を、バッチ式振動ミル(中央化工機株式会社製「MB−1」、容器容積2.8L、20mmφジルコニアボールを7.6kg充填、充填率80%)に代えて、処理条件として投入量200g、振動数20Hz、全振幅8mm、処理時間4時間としたこと以外は、実施例1と同様の方法及び条件で、非晶化セルロースを得た。粉砕終了後、振動ミル内の壁面や底部にパルプの固着物等は見られなかった。得られた非晶化セルロースを75μm目開きの篩をかけたところ、篩下品として、142g(投入量の71質量%)が得られた。得られた篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表1に示す。
【0030】
実施例3
実施例1において、バッチ撹拌槽型粉砕機を、転動ミル(日陶科学株式会社製、「ポットミル ANZ−51S」、容器容積1.0L、10mmφジルコニアボールを1.8kg充填、充填率53%)に代えて、処理条件として、投入量100g、回転数100rpmの条件で48時間処理したこと以外は、実施例1と同様の方法及び条件で、非晶化セルロースを得た。粉砕終了後、転動ミル内の壁面や底部にパルプの固着物等は見られなかった。得られた非晶化セルロースを75μm目開きの篩をかけたところ、篩下品として、63g(投入量の63質量%)が得られた。得られた篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表1に示す。
【0031】
比較例1
実施例1と同様に、シュレッダー処理、次いで二軸押出機処理を行い、粉砕機処理を行わずに粉末パルプを得た。得られた粉末パルプの嵩密度及び平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表2に示す。
【0032】
比較例2
実施例1と同様にシュレッダー処理を行い、チップ状パルプを得た。次に、このチップ状パルプを、押出機処理を行わずに、前記バッチ式撹拌槽型粉砕機に投入した。前記チップ状パルプは、嵩高く、実施例1の半分の量である65gしか投入することができなかった。投入後、実施例1と同じ条件でバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を行い、粉末パルプを得た。処理後の撹拌槽型粉砕機内底部にパルプの固着物が見られた。得られた粉末パルプを75μm目開きの篩をかけたところ、篩下品として、16.9g(投入量の26.0質量%)が得られた。得られた篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表2に示す。
【0033】
比較例3
実施例1と同様にシュレッダー処理を行い、チップ状パルプを得た。次に、このチップ状パルプを、押出機処理を行わずに、カッターミル(株式会社ダルトン製、「パワーミルP−02S型」)に500g投入し、回転数3000rpmの条件で0.5時間処理した。
得られたパルプは、綿状化し、嵩密度は33kg/m3であった。次に、この綿状化したパルプを、前記バッチ式撹拌槽型粉砕機に投入した。このパルプは嵩高く、30gしか投入することができなかった。投入後、実施例1と同じ条件でバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を行い、粉末パルプを得た。処理後の撹拌槽型粉砕機内部にパルプの付着物は見られなかった。得られた粉末パルプを75μm目開きの篩をかけたところ、篩下品として、23.4g(投入量の78.0質量%)が得られた。得られた篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表2に示す。
【0034】
比較例4
実施例1と同様にシュレッダー処理を行い、チップ状パルプを得た。次に、このチップ状パルプを、転動ミル(日陶科学株式会社製、「ポットミル ANZ−51S」、容器容積1.0L、10mmφジルコニアボールを1.8kg充填、充填率53%)に100g投入した。回転数100rpmの条件で48時間処理したこと以外は、実施例1と同様の方法及び条件で、転動ミル処理を行った。得られたパルプは、粉末化が起こらず、殆どチップ状のままだった。前記の方法により、得られたパルプのX線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表2に示す。
【0035】
比較例5
実施例1と同様にシュレッダー処理を行い、チップ状パルプを得た。次に、このチップ状パルプを、カッターミル(株式会社ダルトン製、「パワーミルP−02S型」)に500g投入し、回転数3000rpmの条件で0.5時間処理を行った。得られた粉砕品は、綿状化してしまい、非晶化セルロースを得ることはできなかった。得られた粉砕品のX線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表2に示す。
【0036】
比較例6
実施例1と同様にシュレッダー処理を行い、チップ状パルプを得た。次に、このチップ状パルプを、ハンマーミル(株式会社ダルトン製、「SAMPLE―MILL」)に500g投入し、回転数13500rpmの条件で0.5時間処理を行った。得られた粉砕品は、綿状化してしまい、非晶化セルロースを得ることはできなかった。前記の方法により、得られた粉砕品のX線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表2に示す。
【0037】
比較例7
実施例1と同様にシュレッダー処理を行い、チップ状パルプを得た。次に、このチップ状パルプを、ピンミル(ホソカワミクロン株式会社製、「コロプレックス」)に500g投入し、回転数13000rpmの条件で0.25時間処理を行った。得られた粉砕品は、綿状化してしまい、非晶化セルロースを得ることはできなかった。前記の方法により、得られた粉砕品のX線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表2に示す。
【0038】
【表1】

【0039】
【表2】

【0040】
実施例4
セルロース含有原料として、ダンボール〔セルロース含有量84質量%、水分含量7.2質量%〕を用いて、実施例1と同様にシュレッダー処理を行い、約10mm×5mm×1.5mmのチップ状にした。
次に、得られたチップ状セルロース含有原料を用いて、実施例1と同様に押出機処理を行い、結晶化度が71%の粉末状のセルロース含有原料を得た。
次に、実施例1で使用したバッチ式撹拌槽型粉砕機に、得られた粉末状セルロース含有原料100gを投入し、処理時間を4時間としたこと以外は、実施例1と同様に粉砕機処理を行った。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
【0041】
実施例5
セルロース含有原料として、稲わら(セルロース含有量55質量%、水分含量8.0質量%)を用い、シュレッダー処理を行わなかったこと以外は、実施例4と同様に、二軸押出機処理を行い、結晶化度が54%の粉末状セルロース含有原料を得た。
次に、この粉末状セルロース含有原料を用いたバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を、実施例4と同様に行った。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
【0042】
実施例6
セルロース含有原料として、もみ殻(セルロース含有量60質量%、水分含量13.6質量%)を用いたこと以外は、実施例5と同様に、二軸押出機処理を行い、結晶化度が47%の粉末状セルロース含有原料を得た。
次に、この粉末状セルロース含有原料を用いて、処理時間を2.5時間としたこと以外は、実施例4と同様にバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を行った。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
【0043】
実施例7
セルロース含有原料として、実施例4で使用したダンボールを用いて、同様にシュレッダー処理及び二軸押出機を行い、結晶化度が71%の粉末状セルロース含有原料を得た。
次に、この粉末状セルロース含有原料を用いたバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を、実施例6と同様の条件で行った。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
【0044】
実施例8
セルロース含有原料として、上質紙(セルロース含有量70質量%以上、水分含量5.7質量%)を用いたこと以外は、実施例4と同様に、シュレッダー処理及び二軸押出機を行い、結晶化度が71%の粉末状セルロース含有原料を得た。
次に、この粉末状セルロース含有原料を用いたバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を、実施例6と同様の条件で行った。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
【0045】
実施例9
セルロース含有原料として、新聞紙(セルロース含有量83質量%、水分含量7.7質量%)を用いたこと以外は、実施例4と同様に、シュレッダー処理及び二軸押出機を行い、結晶化度が56%の粉末状セルロース含有原料を得た。
次に、この粉末状セルロース含有原料を用いたバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を、実施例6と同様の条件で行った。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
【0046】
実施例10
セルロース含有原料として、実施例6で使用したもみ殻を用いて、同様に二軸押出機処理を行い、粉末状にした。
次に、実施例2で使用したバッチ式振動ミルに、得られた粉末状セルロース含有原料100gを投入したこと以外は、実施例2と同様に粉砕機処理を行った。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
【0047】
実施例11及び12
セルロース含有原料として、実施例5で使用した稲わら(実施例11)、実施例9で使用した新聞紙(実施例12)を用いて、同様に実施例11では二軸押出機処理、実施例12ではシュレッダー処理及び二軸押出機処理を行い、粉末状にした。
次に、得られた粉末状セルロース含有原料用いて、実施例10と同様にバッチ式振動ミルを使用して粉砕機処理を行った。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
【0048】
実施例13
セルロース含有原料として、雑誌(VoCE(講談社)、With(講談社)、MORE(集英社)の混合物、セルロース含有量60質量%以上、水分含量4.5質量%)を用いたこと以外は、実施例4と同様にシュレッダー処理、二軸押出機処理を行い、粉末状にした。この二軸押出機処理後に得られたセルロース含有原料の結晶化度は67%であった。
次に、この粉末状セルロース含有原料を用いて、処理時間を5時間としたこと以外は、実施例4と同様にバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を行った。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表3に示す。
【0049】
比較例8〜13
セルロース含有原料として、実施例6で使用したもみ殻(比較例8)、実施例5で使用した稲わら(比較例10)を用いて、同様に二軸押出機処理を行った。
また、セルロース含有原料として、実施例4で使用したダンボール(比較例9)、実施例13で使用した雑誌(比較例11)、実施例8で使用した上質紙(比較例12)、実施例9で使用した新聞紙(比較例13)を用いて、同様にシュレッダー処理及び二軸押出機処理を行った。
上記二軸押出機処理後に得られた粉末状セルロース含有原料の嵩密度及び平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表4に示す。
【0050】
比較例14
セルロース含有原料として、実施例8で使用した上質紙を用いて、同様にシュレッダー処理を行った。次に、得られた粗粉砕品を、押出機処理を行わずに、カッターミル(株式会社ダルトン製、「パワーミルP−02S型」)に500g投入し、回転数3000rpmの条件で0.5時間処理した。得られたセルロース含有原料は、綿状化し、嵩密度は32kg/m3であった。次に、この綿状化したセルロース含有原料を、前記バッチ式撹拌槽型粉砕機に投入した。この原料は嵩高く、22gしか投入することができなかった。投入後、実施例1と同じ条件でバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を行った。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表4に示す。
【0051】
比較例15
セルロース含有原料として、実施例9で使用した新聞紙を用いて、同様にシュレッダー処理を行った。次に、得られた粗粉砕品を、比較例14と同様にカッターミル処理、次いでバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を行った。カッターミル処理後に得られたセルロース含有原料は、綿状化し、嵩密度は32kg/m3と嵩高く、バッチ式撹拌槽型粉砕機への原料投入量は23gであった。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表4に示す。
【0052】
比較例16
実施例4と同様に、セルロース含有原料としてダンボールを用いてシュレッダー処理を行った。次に、得られた粗粉砕品を、比較例14と同様にカッターミル処理、次いでバッチ式撹拌槽型粉砕機処理を行った。カッターミル処理後に得られたセルロース含有原料は、綿状化し、嵩密度は33kg/m3と嵩高く、バッチ式撹拌槽型粉砕機への原料投入量は20gであった。得られた粉砕品を75μm目開きの篩をかけ、篩下品の平均粒径を測定し、X線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表4に示す。
【0053】
比較例17〜18
セルロース含有原料として、実施例9で使用した新聞紙(比較例17)、実施例4で使用したダンボール(比較例18)を用いて同様にシュレッダー処理を行った。
次に、上記で得られた粗粉砕品を、カッターミル(株式会社ダルトン製、「パワーミルP−02S型」)に500g投入し、回転数3000rpmの条件で1.5時間処理を行った。得られた粉砕品は、綿状化してしまい、非晶化セルロースを得ることはできなかった。得られた粉砕品のX線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表4に示す。
【0054】
比較例19〜20
セルロース含有原料として、実施例5で使用した稲わら(比較例19)、実施例6で使用したもみ殻(比較例20)を用いた。
次に、上記セルロース含有原料を用いて、処理時間を0.5時間に変更したこと以外は、比較例17と同様の条件でカッターミル処理を行った。得られた粉砕品中には、粗大粒子が含まれ、非晶化セルロースを得ることはできなかった。得られた粉砕品のX線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表4に示す。
【0055】
比較例21〜23
セルロース含有原料として、実施例9で使用した新聞紙(比較例21)、実施例4で使用したダンボール(比較例22)、実施例8で使用した上質紙(比較例23)を用いて同様にシュレッダー処理を行った。
次に、上記で得られた粗粉砕品を、ハンマーミル(株式会社ダルトン製、「SAMPLE―MILL」)に500g投入し、回転数13500rpmの条件で0.5時間処理を行った。得られた粉砕品は、綿状化してしまい、非晶化セルロースを得ることはできなかった。得られた粉砕品のX線回折強度から結晶化度を算出した。結果を表4に示す。
【0056】
【表3】

【0057】
【表4】

【0058】
表1〜4から、実施例1〜13の非晶化セルロースの製造方法は、比較例1〜23に比べて、セルロースの結晶化度を低下させた非晶化セルロースを効率的に得ることができ、生産性に優れることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明の非晶化セルロースの製造方法は、生産性に優れ、セルロースI型結晶化度を33%以下に低下させた非晶化セルロースを効率的に得ることができる。得られた非晶化セルロースは、セルロースエーテルの原料、化粧品、食品、バイオマス材料等の工業原料に特に有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記計算式(1)で示されるセルロースのセルロースI型結晶化度が33%を超えるセルロース含有原料から非晶化セルロースを製造する方法であって、該セルロース含有原料が、嵩密度が100〜500kg/m3、平均粒径が0.01〜1mmのものであり、かつ該原料から水を除いた残余の成分中のセルロース含有量が20質量%以上であって、該セルロース含有原料を粉砕機で処理して、該セルロースI型結晶化度を33%以下に低減する、非晶化セルロースの製造方法。
セルロースI型結晶化度(%)=〔(I22.6−I18.5)/I22.6〕×100 (1)
〔I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、及びI18.5は、アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
【請求項2】
セルロース含有原料が、押出機で処理された原料である、請求項1に記載の非晶化セルロースの製造方法。
【請求項3】
押出機が二軸押出機である、請求項2に記載の非晶化セルロースの製造方法。
【請求項4】
粉砕機が媒体式粉砕機である、請求項1〜3のいずれかに記載の非晶化セルロースの製造方法。
【請求項5】
媒体式粉砕機が、容器駆動式粉砕機又は媒体撹拌式粉砕機である、請求項4に記載の非晶化セルロースの製造方法。
【請求項6】
セルロース含有原料がパルプである、請求項1〜5のいずれかに記載の非晶化セルロースの製造方法。

【公開番号】特開2009−161718(P2009−161718A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−35118(P2008−35118)
【出願日】平成20年2月15日(2008.2.15)
【特許番号】特許第4160109号(P4160109)
【特許公報発行日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】