説明

非水分散型塗料用樹脂組成物及び塗料

【課題】 非水分散型塗料において、耐汚染性と耐水性を共に向上する。
【解決手段】 (A)有機溶剤に可溶な共重合体と、(B)有機溶剤に不溶性の共重合体とからなる非水分散型塗料用樹脂組成物であって、共重合体(B)が、フッ素含有モノマー(a−1)及びポリシロキサン含有モノマー(a−2)の少なくとも一方よりなる成分(a)と、解離性の基を有しない親水性モノマー(b)と、架橋性モノマー(c)とを重合して得られる共重合体であり、且つ、成分(a)と(b)の比率が、b/a=67〜1200重量部/100重量部の非水分散型塗料用樹脂組成物である。コアの共重合体(B)を成分(a)〜(c)で構成し、且つ、成分(a)と(b)の重量バランスを適正化するため、この重量バランスと架橋作用で塗膜表面の親水化による耐汚染性の向上と耐水性の確保を共に達成できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は非水分散型塗料用樹脂組成物並びに塗料に関して、溶剤への溶解性を良好に担保しながら、耐汚染性と耐水性を共に向上できるものを提供する。
【背景技術】
【0002】
従来から、親水化による耐汚染性の付与を目的として、フッ素含有モノマーやシリコーン系モノマーと、親水モノマーとの共重合体を使用する塗料用樹脂組成物の開発が進められているが、当該樹脂組成物は溶剤に溶解するタイプのものが多く、例えば、特許文献1には、防汚性を改善することを目的として(段落1)、フッ素化オレフィン系重合体(I)(ベース樹脂)と、フッ化(メタ)アクリレート及び親水性モノマー(不飽和カルボン酸、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルなど;段落37)及びその他のモノマーからなる共重合体(II)と、加水分解性シリル基を有する化合物(III)(テトラメトキシシランなど;段落66)を含有し、これらを有機溶剤(段落73;参考例1ではメチルイソブチルケトン)に溶解した塗料組成物が開示されている(請求項1)。
上記特許文献1の重合体はいずれも、メチルイソブチルケトンやメチルエチルケトンのような極性の高い溶剤(強溶剤)でなければ充分に溶解しないが、これらの強溶剤は、近年、VOCの規制対象ともなっている。
そこで、ミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素系溶剤(弱溶剤)を使用した低汚染性の塗料用樹脂組成物の開発が要請されているが、上記重合体は弱溶剤に対する溶解性が低く、充分な表面親水化が得られないという問題がある。
また、フッ素含有モノマーと親水性モノマーだけの共重合体では架橋性がないために充分な造膜性が得られず、耐水性などが不足し、塗膜表面性にも問題がある。
【0003】
さらに、特許文献2には、塗膜の親水性を損なわずに、防汚染付着性を向上することを目的として、塗料用樹脂と、加水分解脱離基を有する少なくとも2種の有機金属化合物(A)及び(B)を含有する塗料用組成物が開示されている(請求項1、段落15)。
同文献2の実施例1を見ると、テトラフルオロエチレン共重合体(塗料用樹脂)を有機溶剤(酢酸ブチル)に溶解し、さらに上記化合物(A)及び(B)を溶解して塗料用組成物を調製しており(段落303)、同文献2の塗料はやはり溶剤に溶解するタイプである。
【0004】
一方、特許文献3には、低汚染性、塗装作業性などの向上を目的として(段落7)、弱溶剤に溶解又は分散しない含フッ素共重合体(A)(コア部)と、弱溶剤に溶解又は分散する含フッ素共重合体(B)(シェル部)とからなり、シェル部がフルオロオレフィンと重合性モノマーの共重合体であり、フルオロオレフィンのフッ素含有量や重合性モノマーの水酸基含有量などを特定化した非水分散型塗料組成物が開示されている(請求項1)。
上記コア部の共重合体の構成モノマーには、フッ素含有モノマー、クロロトリフルオロエチレン、N−ビニルピロリドンなどを使用した例(表2の非水分散液C〜E、段落54〜56)が記載されているが、フッ素含有モノマーが多くて親水性モノマーとのバランスが良くないため、実際には、塗膜の耐水性は確保できるが、耐汚染性、特に、雨垂れ汚染性を防止するには充分でないという問題が残る。
【0005】
また、特許文献4には、耐候性及び耐汚染性を改善する目的で(段落26や段落136)、有機溶剤に溶解されたシリコーン化合物含有硬化性重合体(A)(シェル部)の存在下で、ビニル系モノマー(b)を重合してビニル系重合体(B)(コア部)を得るとともに、硬化剤(ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂、多価エポキシ化合物など;段落76)及び有機シリケート化合物(メチルオルトシリケートなどのパーフルオロアルキルオルトシリケートなど;段落86)を含有する塗料組成物を開示されている(請求項1〜2)。
上記塗料は非水分散型ではあるが、塗膜表面に良好な親水性を発現できないため、耐汚染性の付与が充分ではない。これには、同文献4で使用するシリコーン系化合物がシリケート型(Si−OR結合を有する)であり、表面エネルギーの低い表面を形成する偏析能力が小さく、塗膜表面に充分に配向できないため、塗膜表面が充分に親水化されないことも大きく影響している。
【0006】
特許文献5には、耐候性などの向上を目的として(段落8)、有機溶剤に溶解する重合体(B)(シェル部)の存在下で、ビニル系単量体を重合して有機溶剤に溶解しないビニル系重合体(A)(コア部)を得る非水ディスパージョン型樹脂組成物において、上記重合体(B)がシリコーン化合物で変性されており、且つ、当該シリコーン化合物を約1〜60重量%の範囲内で含有したものが開示されている(請求項1)。
しかしながら、同文献5のビニル系重合体(A)には親水性モノマーを使用せず(段落19)、また、重合体(B)に使用されるシリコーン化合物も、同文献5の一般式(I)に見る通りシリケート型(Si−OR結合を有する)のものであることから(請求項4〜5、段落11)、特許文献4と同様に偏析能力が低いため、塗膜表面に充分な親水層を形成できず、良好な耐汚染性を得ることはできない。
【0007】
特許文献6には、塗膜に長期且つ充分な親水性を付与することを目的として(段落8)、(メタ)アクリロイルモルホリンなどの不飽和基含有モルホリンアミドモノマー(段落13)と、(メタ)アクリル酸エステル基含有ポリジメチルシロキサンなどの不飽和基含有オルガノシロキサンモノマー(段落15)とを少なくとも重合した共重合物を含んでなる熱硬化被膜形成組成物用の表面調整剤が開示されている(請求項1〜3)。
同文献6の樹脂は前記特許文献1〜2と同様に溶剤に溶解するタイプであるが、これらの文献1〜2と同じように、弱溶剤に対する溶解性が低く、充分な表面親水性が得られないうえ、架橋性がないために造膜性が不足し、耐水性などが劣るという問題がある。
【0008】
【特許文献1】特開平10−36754号公報
【特許文献2】特開平10−237364号公報
【特許文献3】特開2004−285107号公報
【特許文献4】特開2001−106975号公報
【特許文献5】特開平9−52905号公報
【特許文献6】特開2005−146217号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、フッ素含有モノマーやシリコーン系モノマーと、親水性モノマーとの共重合体を非水分散型の樹脂組成物にすることで、弱溶剤に対する溶解性を担保するとともに、耐汚染性と耐水性を共に向上することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、フッ素系樹脂を強溶剤に溶解したタイプの樹脂組成物ではなく、使用する有機溶剤、特に弱溶剤を主体とする溶剤に不溶な共重合体(コア部)の周囲に、溶剤に可溶な共重合体(シェル部)が分散安定剤として存在する非水分散型の塗料用樹脂組成物を鋭意研究した結果、コア部の共重合体をフッ素含有モノマーと、所定の親水性モノマーと、さらには架橋性モノマーとから構成し、且つ、フッ素含有モノマーと親水性モノマーの重量バランスを適正化すると、シェル部の存在により樹脂組成物が弱溶剤にも容易に溶解すること、この重量バランスと架橋作用などで塗膜表面の親水化による耐汚染性の向上と耐水性の確保を共に達成できること、また、親水性の多官能性モノマーをコアの共重合体の構成モノマーに追加すると、塗膜性能をさらに向上できること、さらには、上記フッ素含有モノマーをポリシロキサン含有モノマーに代替し、或は併用しても同様の効果が得られることなどを突き止め、本発明を完成した。
【0011】
即ち、本発明1は、(A)有機溶剤に可溶な共重合体と、
(B)有機溶剤に不溶性の共重合体とからなる非水分散型塗料用樹脂組成物であって、
上記共重合体(B)が、フッ素含有モノマー(a−1)及びポリシロキサン含有モノマー(a−2)の少なくとも一方からなる成分(a)と、解離性の基を有しない親水性モノマー(b)と、架橋性モノマー(c)とを重合して得られる共重合体であり、且つ、
この共重合体(B)の構成成分のうち、成分(a)と親水性モノマー(b)の比率が、b/a=67〜1200重量部/100重量部であることを特徴とする非水分散型塗料用樹脂組成物である。
【0012】
本発明2は、上記本発明1において、さらに、共重合体(B)が親水性の多官能性モノマー(d)を構成成分とすることを特徴とする非水分散型塗料用樹脂組成物である。
【0013】
本発明3は、上記本発明1又は2において、共重合体(A)がフッ素含有モノマー及び/又はポリシロキサン含有モノマーを構成成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水分散型塗料用樹脂組成物である。
【0014】
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、共重合体(B)の構成成分の含有量のうち、成分(a)が5〜30重量%、親水性モノマー(b)が20〜60重量%、架橋性モノマー(c)が5〜20重量%であることを特徴とする非水分散型塗料用樹脂組成物である。
【0015】
本発明5は、上記本発明1〜4のいずれかにおいて、共重合体(A)と共重合体(B)の比率が、A/B=20重量部/80重量部〜50重量部/50重量部であることを特徴とする非水分散型塗料用樹脂組成物である。
【0016】
本発明6は、上記本発明1〜5のいずれかの樹脂組成物を含有する非水分散型塗料である。
【発明の効果】
【0017】
非水分散型樹脂のコア部を、フッ素含有モノマー(a−1)及びポリシロキサン含有モノマー(a−2)の少なくとも一方からなる成分(a)と、親水性モノマー(b)と、架橋性モノマー(c)とを構成成分とする共重合体で形成し、且つ、成分(a)と成分(b)の重量比率を特定化するため、成分(a)の有する空気界面への駆動作用で、塗膜が硬化する際に親水基が浮き上がって塗膜表面を親水化し、耐汚染性を高めるとともに、上記比率の特定化と架橋による造膜性の増進で塗膜を強靭にして耐水性などを向上できる。
また、コア部の構成成分に多官能性モノマーをさらに使用すると、分子量を増大させて耐水性などの塗膜組成の一層の向上を期待できる。
しかも、本発明の塗料用樹脂組成物並びに塗料は、フッ素含有樹脂及び/又はポリシロキサン含有樹脂を分散安定剤により溶剤中に溶解した分散形態であるため、上記特許文献1や6のような強溶剤に溶解した従来型とは異なり、ミネラルスピリットなどの脂肪族炭化水素系の溶剤にも容易に溶解するため、低汚染型で環境保全に資する。
【0018】
ちなみに、冒述の特許文献3の表2には、コア部の共重合体にフッ素含有モノマー(CTFE)と解離性の基を有しない親水性モノマー(N−ビニルピロリドン)が使用されており、CTFEの含有量は53重量%、ビニルピロリドンの含有量は11重量%であるため、その重量比率を見ると、親水性モノマー/フッ素含有モノマー=11%/53%=21部/100部となり、本発明の比率b/aの適正範囲から外れている。
【0019】
また、特許文献4で使用するシリコーン化合物はシリケート型(Si−OR結合を有する)であり、本発明のコア部の共重合体(B)の構成モノマー(a)に使用するポリシロキサン型(Si−R結合を有する)とは基本的に異なる。
当該特許文献4のようなシリケート型の場合、フッ素含有モノマー及びポリシロキサン含有モノマーのように表面エネルギーの低い表面を形成する偏析能力が小さいので、塗膜表面に充分に配向することができない。このため、塗膜表面の親水化が不足し、耐汚染性はあまり期待できない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明は、第一に、溶剤に溶解しない共重合体(コア部)と、溶解に溶解する共重合体(シェル部)からなる非水分散型塗料用樹脂組成物であって、コア部の共重合体(B)がフッ素含有モノマー(a−1)及びポリシロキサン含有モノマー(a−2)の少なくとも一方からなる成分(a)と、親水性モノマー(b)と、架橋性モノマー(c)とを構成成分とし、且つ、成分(a)と成分(b)の重量バランスを適正化したものであり、第二に、この樹脂組成物を含有する非水分散型塗料である。
【0021】
コア部の共重合体(B)の構成成分には、撥水性と親水性のバランスをとる見地から、成分(a)と親水性モノマー(b)が使用される。
成分(a)には、上述の通り、フッ素含有モノマー(a−1)又はポリシロキサン含有モノマー(a−2)のいずれかを単用しても良いし、フッ素含有モノマー(a−1)及びポリシロキサン含有モノマー(a−2)を併用しても良い。
上記フッ素含有モノマー(a−1)としては、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレートなどのフッ素化(メタ)アクリレートを初めとして、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンなどが挙げられる。
尚、(メタ)アクリレートは、アクリレートとメタクリレートを包含する概念である。
【0022】
上記ポリシロキサン含有モノマー(a−2)としては、下記の一般式(1)で表されるポリシロキサン含有(メタ)アクリレート、
【化1】

(式(1)中、R1及びR2はC1〜C4アルキル基、置換又は無置換のフェニル基である;R3は水素又はメチル基である;R4はC1〜C6アルキレン基である;縮合度nは3〜130である)
また、下記の一般式(2)で表されるポリシロキサン含有ジ(メタ)アクリレート
【化2】

(式(2)中、R1及びR2はC1〜C4アルキル基、置換又は無置換のフェニル基である;R3は水素又はメチル基である;R4はC1〜C6アルキレン基である;縮合度nは3〜130である)
などが挙げられる。
上記一般式(1)〜(2)の化合物では、R1又はR2はメチル基、ブチル基、フェニル基が好ましく、その数平均分子量(Mn)は約500〜10000が好ましい。
上記ポリシロキサン含有(メタ)アクリレートの市販品には、サイラプレーンFM−0711、0721、0725、TM−0701(以上、チッソ(株)製)、X−22−164A、X−22−174DX、X−22−2426(以上、信越化学工業(株)製)などがあり、上記ポリシロキサン含有ジ(メタ)アクリレートの市販品には、サイラプレーンFM−7711、FM−7721、FM−7725(以上、チッソ(株))などがある。
【0023】
上記親水性モノマー(b)は、解離性の基を有しない親水性モノマーであることが必要であり、ポリエチレングリコール(PEG)鎖やポリプロピレングリコール(PPG)鎖で延長した(メタ)アクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン、N−アクリロイルモルホリン、ビニルラクトンなどが挙げられる。当該親水性モノマー(b)は解離性の基を有しないため、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVA)などのヒドロキシアルキルビニルエーテル類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類等の水酸基含有モノマーや、アクリル酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸類は本発明の親水性モノマー(b)には含まれない。
【0024】
また、上記共重合体(B)の構成成分には、増膜性を高めて耐水性などを充分に確保する見地から、架橋性モノマー(c)が使用される。
当該架橋性モノマー(c)としては、酸化重合可能な脂肪酸を付加したモノマーや常温硬化可能なアルコキシシリル基を含有したモノマーなどが使用でき、具体的には、ジシクロペンタジエンオキシエチル(メタ)アクリレート、不飽和脂肪酸を付加した(メタ)アクリレートなどの酸化重合可能なラジカル重合性ビニルモノマーや、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシランなどのアルコキシシリル基含有ビニルモノマー等が挙げられる。
【0025】
本発明2に示すように、共重合体(B)の分子量を増大させて耐水性を向上するとともに、塗膜表面の親水化を促進する見地から、当該共重合体(B)の構成成分には、さらに親水性を有する多官能性モノマー(d)を使用することが好ましい。
親水性の多官能性モノマー(d)としては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
また、当該共重合体(B)の構成成分には、安定な分散体を得る見地から、溶剤との親和性が少ないその他のモノマーを使用できることは勿論である。
その他のモノマーの具体例を挙げると、エチルアクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、メチルメタクリレートなどであり、エチルアクリレートが好ましい。
尚、当該その他のモノマーとして、本発明の親水性モノマー(b)には属さない前記水酸基含有モノマーや不飽和カルボン酸などを使用することもできる。
ちなみに、上記共重合体(B)の構成モノマー(a)〜(d)並びにその他のモノマーは単用又は併用できることはいうまでもない。
【0026】
本発明では、撥水性と親水性のバランスをとる見地から、成分(a)と親水性モノマー(b)の重量比率が重要で、b/a=67〜1200重量部/100重量部であることが必要であり、200〜500重量部/100重量部が好ましい。従って、フッ素含有モノマー(a−1)及びポリシロキサン含有モノマー(a−2)を併用する場合には、これらの合計量が上記適正条件を満たす必要がある。
上記成分(a)の100重量部に対して、成分(b)が67重量部より少ないと親水性が不足し、同成分(b)が1200重量部より多いと耐水性が損なわれる恐れがある。
【0027】
また、本発明4に示すように、コア部の共重合体(B)を構成するモノマー成分(a)〜(c)の含有量は所定範囲に設定するのが好ましい。
即ち、成分(a)の含有量は5〜30重量%が好ましく、10〜20重量%がより好ましい。成分(a)が少なすぎると耐汚染性、耐水性が悪くなり、多すぎると塗膜表面の親水化が得られず、逆に撥水効果が出る。従って、成分(a)として、フッ素含有モノマー(a−1)及びポリシロキサン含有モノマー(a−2)を併用する場合、これらの合計量が上記適正範囲に含まれることが好ましい。
解離性の基を有しない親水性モノマー(b)の含有量は20〜60重量%が好ましく、40〜50重量%がより好ましい。成分(b)が少なすぎると塗膜表面の親水化が得られず、多すぎると耐水性が悪くなる。
架橋性モノマー(c)の含有量は5〜20重量%が好ましく、10〜15重量%がより好ましい。成分(c)の含有量が少なすぎると耐水性、耐汚染性が損なわれ、多すぎると非水分散樹脂の安定性が損なわれる。
さらに、共重合体(B)の構成成分として親水性の多官能性モノマー(d)を使用する場合、その含有量は0〜5重量%が好ましく、2重量%以下がより好ましい。
【0028】
本発明の非水分散型塗料用樹脂組成物のうち、シェル部の共重合体(A)は有機溶剤、特に弱溶剤に溶解するものである。
シェル部の共重合体(A)は、フッ素含有モノマー、シクロヘキシルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、メチルスチレンなどのスチレン類、(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステルなどの水酸基含有モノマー、不飽和カルボン酸類、アミド基含有モノマー、シリル基含有モノマーなどの公知のモノマーを公知の方法で重合して製造される。
特に、本発明3に示すように、このシェル部の共重合体(A)にあっては、フッ素含有モノマー及び/又はポリシロキサン含有モノマーを構成成分に含めることが好ましく、このフッ素含有モノマー又はポリシロキサン含有モノマーの使用により、空気界面への駆動力が増して(偏析作用を増進して)、塗膜表面の親水化を促進することができる。当該フッ素含有モノマー又はポリシロキサン含有モノマーには前記コア部の共重合体(B)で使用したフッ素含有モノマー(a−1)やポリシロキサン含有モノマー(a−2)と同様のものが選択できる。
【0029】
本発明の非水分散型塗料用樹脂組成物は、有機溶剤中でシェル部の共重合体(A)の存在下にて、コア部の共重合体(B)の構成モノマーを公知の方法で重合反応することを基本原理として製造される。
本発明5に示すように、共重合体(A)と共重合体(B)の比率は、A(コア)/B(シェル)=20重量部/80重量部〜50重量部/50重量部が好ましく、25重量部/75重量部〜40重量部/60重量部がより好ましい。
シェル部の共重合体(A)が20重量%より少ないと溶剤中での分散安定性が低下し、50重量%より多いと塗膜の表面親水性が得られない。
使用する有機溶剤は、ミネラルスピリット、石油エーテル、石油ベンジン、テレピン油などの天然系混合溶剤、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、イソホロンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミド、メチルセロソルブなどの極性溶剤などの任意のものが使用でき、特に制限はないが、環境保全の見地から弱溶剤(ミネラルスピリットなど)が好ましい。
【0030】
本発明の非水分散型塗料は、得られた塗料用樹脂組成物に、適量の有機溶剤を加え、さらには顔料、顔料分散剤、増粘剤、酸化重合剤、消泡剤、増膜助剤、紫外線吸収剤、防錆剤などの各種添加剤を添加して調製される(本発明6)。
本発明の塗料形態としては1液タイプが基本であるが、2液タイプを排除するものではない。
例えば、本発明の樹脂組成物において、コア部の共重合体(B)を構成する重合性モノマーの一部を、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸などのカルボキシル基含有モノマー、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、(メタ)アリルアルコールなどの水酸基含有モノマーにて1〜30重量%(好ましくは10〜20重量%)の割合で代替し、この架橋反応性の樹脂溶液に、ポリイソシアネート化合物、アミノ樹脂、ポリアミノ化合物、エポキシ化合物などの架橋剤(硬化剤)を配合することにより、2液タイプの塗料とすることができる。
しかしながら、一般に2液タイプは、使用前に混合操作が必要なこと、可使時間の制約があることなどの問題があり、作業性や経済性の観点から1液タイプが好ましい。
【実施例】
【0031】
以下、本発明の塗料用樹脂組成物のうち、シェル部の共重合体の製造例、当該製造例で得られたシェル部の存在下で、有機溶剤中でコア部の共重合体のモノマー成分を重合反応させた塗料用樹脂組成物の実施例、当該実施例で得られた樹脂組成物を含有する非水分散型塗料の調製例、当該塗料の評価性能試験例を順次説明する。製造例、実施例などの「部」、「%」は基本的に重量基準である。
尚、本発明は下記の製造例、実施例、調製例などに拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変形できることは勿論である。
【0032】
《シェル部の共重合体(A)の製造例》
(1)製造例A−1
反応容器中にミネラルスピリット(ニューソルベントA、新日本石油(株)製)を仕込んで100℃まで昇温した。
一方、図1に示す組成の混合モノマーと重合触媒(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサエート)を良く混合した後、この混合物を100℃で3時間かけて上記反応容器中に滴下して重合反応を行い、3時間後に反応を終了した。
得られた共重合体A−1の重量平均分子量は6万、不揮発分は50%であった。
【0033】
(2)製造例A−2
本製造例は、共重合体の構成成分にフッ素含有モノマー(オクタフルオロペンチルメタクリレート)を使用したものである。
即ち、上記製造例A−1を基本として、混合モノマーの組成を図1に示すように変更した以外は、製造例A−1と同様の条件で重合反応させて、共重合体A−2を得た。
共重合体A−2の重量平均分子量は6.5万、不揮発分は50%であった。
【0034】
(3)製造例A−3
本製造例は、共重合体の構成成分にポリシロキサン含有モノマー(ポリオルガノシロキサン)を使用したものである。
即ち、上記製造例A−1を基本として、混合モノマーの組成を図1に示すように変更した以外は、製造例A−1と同様の条件で重合反応させて、共重合体A−3を得た。
共重合体A−3の重量平均分子量は6.3万、不揮発分は50%であった。
【0035】
《非水分散型塗料用樹脂組成物の実施例》
下記の実施例1〜11のうち、実施例7ではシェル部(A)とコア部(B)の共重合体の重量比率A/Bは約75部/100部(シェル部(A)の重量は150部×不揮発分50%、コア部(B)の重量は100部)であり、他の実施例では比率A/Bは約45部/100部である。
実施例8はコア部の共重合体(B)の構成モノマーとして解離性の親水性モノマー(水酸基含有モノマー)を併用し、他の実施例は当該解離性のモノマーを使用しなかった。
また、実施例1〜8は成分(a)にフッ素含有モノマー(a−1)を使用した例である。実施例9〜11はポリシロキサン含有モノマー(a−2)の使用例であり、このうち、実施例9と11はポリシロキサン含有(メタ)アクリレートの使用例、実施例10はポリシロキサン含有ジ(メタ)アクリレートの使用例である。
上記実施例1〜7において、フッ素含有モノマー(a−1)の100部に対する親水性モノマー(b)の割合は247.5部〜250部であり、実施例8では172.5部である。実施例9〜11において、ポリシロキサン含有モノマー(a−2)の100部に対する親水性モノマー(b)の割合は247.5部〜250部である。
さらに、実施例6はフッ素含有モノマーをシェル部の共重合体(A)の構成モノマーに使用した例、実施例11はポリシロキサン含有モノマーを同シェル部の構成モノマーに使用した例である。
【0036】
一方、下記の比較例1〜6のうち、比較例1は共重合体(B)の構成成分にフッ素含有モノマー(a)を使用しないブランク例、比較例2は解離性の基を有しない親水性モノマー(b)を使用しないブランク例、比較例3は架橋性モノマー(c)を使用しないブランク例、比較例4は成分(a)の100部に対して成分(b)が67部より少ない例、比較例5は成分(a)の100部に対して成分(b)が1200部より多い例、比較例6は冒述の特許文献3に準拠して、親水性モノマーにビニルピロリドン(=成分(b))と水酸基含有モノマー(ヒドロキシブチルビニルエーテル)を併用し、成分(a)の100部に対して成分(b)だけでは67部より少ないが、成分(b)と水酸基含有モノマーの合計(つまり親水性モノマーの全体)では67部より多い例である。
また、比較例1〜6ではシェル部(A)とコア部(B)の共重合体の重量比率A/Bは約45部/100部である。
【0037】
尚、図2に示すコア部の共重合体(B)の構成モノマーのうち、オクタフルオロペンチルメタクリレートはフッ素含有モノマー(a−1)、ポリオルガノシロキサンはポリシロキサン含有モノマー(a−2)、N−ビニル−2−ピロリドンとメトキシポリエチレングリコールメタクリレートは解離性の基を有しない親水性モノマー(b)、脂肪酸付加メタクリレートと3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランは架橋性モノマー(c)、ポリエチレングリコールジアクリレートは親水性の多官能性モノマー(d)、エチルアクリレートとヒドロキシブチルビニルエーテルはその他のモノマーに相当する。
【0038】
(1)実施例1
反応容器中に前記製造例の共重合体A−1とミネラルスピリット(ニューソルベントA、新日本石油(株)製)を仕込み、100℃まで昇温した。
一方、図2に示す組成の共重合体(B)の混合モノマーと重合触媒(t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサエート)を良く混合した後、この混合物を100℃で3時間かけて上記反応容器中に滴下して重合反応を行い、3時間後に反応を終了させて、各塗料用樹脂組成物を得た。
【0039】
(2)実施例2〜11
上記実施例1を基本として、混合モノマーの組成を図2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の条件で重合反応させて、各塗料用樹脂組成物を得た。
【0040】
(3)比較例1〜6
上記実施例1を基本として、混合モノマーの組成を図2に示すように変更した以外は、実施例1と同様の条件で重合反応させて、各塗料用樹脂組成物を得た。
【0041】
《非水分散型塗料の調製例》
そこで、上記実施例1〜11及び比較例1〜6で得られた各塗料用樹脂組成物に、図3に示す組成で顔料、有機溶剤などを添加して非水分散型の塗料を調製した。
但し、架橋性モノマー(c)に脂肪酸付加メタクリレート(G−FA)を使用した場合には酸化重合剤としてオクテン酸塩を添加し、G−FAを使用しない場合には当該オクテン酸塩は添加しなかった。
【0042】
《非水分散型塗料の性能評価試験例》
上記調製例で得られた各塗料をアプリケーター8milでブリキ板(300mm×70mm×厚さ0.3mm)に塗布し、7日間、23℃の条件で乾燥させた後、下記の各種性能評価試験に供した。但し、下記の耐水性試験では、上記ブリキ板に替えてガラス板(150mm×70mm×厚さ3mm)に塗布し、これ以外は上記と同様の条件で試験した。
【0043】
(1)接触角測定試験
7日間乾燥させた試験板の表面に0.4μLの水滴を垂らし、接触角計(協和界面科学社製のDrop Master500)により、その接触角を測定した。
ちなみに、本試験では、塗膜表面の親水化が進むほど接触角は小さくなる。
【0044】
(2)耐水性試験
7日間乾燥させた試験板を水中に7日間浸漬した後、塗膜を目視観察して下記の基準で優劣を評価した。
○:塗膜に変化なし。
△:若干艶引けしていた。
×:激しく艶引けしていた。
【0045】
(3)耐汚染性試験
乾燥させた試験板を120゜に折り曲げて山形に形成し、折り曲げ面が南側に向くように固定して、屋外に3ケ月放置した後、塗膜を目視観察して下記の基準で優劣を評価した。
○:塗膜に変化なし。
△:若干汚れが認められた。
×:雨垂れの跡が黒く残り、激しく汚れていた。
【0046】
図4はその試験結果である。
同図4によると、コア部の共重合体(B)の構成成分に成分(a)(フッ素含有モノマー(a−1)又はポリシロキサン含有モノマー(a−2))を使用しない比較例1では、耐水性や耐汚染性が悪く、逆に、親水性モノマー(b)を使用しない比較例2では、塗膜表面の撥水性が勝って耐水性は良いが、当該表面の親水性不足で耐汚染性は後退した。また、架橋性モノマー(c)を使用しない比較例3では、塗膜の増膜性が不充分で耐水性、耐汚染性が共に良くなかった。
これに対して、コア部の共重合体(B)の構成モノマーに成分(a)〜(c)を使用した実施例1〜11では、概ね耐水性及び耐汚染性は共に良好であった。これにより、塗膜の耐水性と耐汚染性を共に改善する点で、コア部の共重合体(B)を成分(a)と特定の親水性モノマー(b)とさらには架橋性モノマー(c)から構成することの重要性が確認できた。
【0047】
また、コア部の共重合体(B)を成分(a)と特定の親水性モノマー(b)と架橋性モノマー(c)から構成しても、成分(a)と(b)の重量比率b/aが適正範囲の下限より少ない比較例4では、親水性成分が相対的に少なすぎて、上記比較例2と同様に塗膜表面の親水性不足で耐汚染性は良くなかった。逆に、成分(a)と(b)の重量比率b/aが適正範囲の上限より多い比較例5では、親水性成分が相対的に多すぎて、上記比較例1と同様に耐水性や耐汚染性が損なわれた。これにより、塗膜の耐水性と耐汚染性を共に改善するには、コア部の共重合体(B)の構成モノマーの組み合わせだけではなく、成分(a)と特定の親水性モノマー(b)の重量比率を適正化し、バランスさせることの重要性が明らかになった。
【0048】
さらには、冒述の特許文献3に準拠した比較例6を見ると、ビニルピロリドンと水酸基含有モノマーを併せた親水性モノマー全体とフッ素含有モノマーの重量比率は、本発明の比率b/aの範囲内にあるが(親水性モノマー全体/成分(a)としてのフッ素含有モノマー=73.8部/100部)、その耐汚染性の評価は良くないことから、耐水性と耐汚染性を共に改善するには、水酸基含有モノマーのような解離性の親水性モノマーではなく、解離性の基を有しない親水性モノマー(ビニルピロリドンなど)を、成分(a)(=フッ素含有モノマー)との比率において適正範囲内にバランスさせることが重要である点が確認できた。
【0049】
次いで、実施例1〜11の性能評価を詳細に検討する。
実施例1〜8は成分(a)にフッ素含有モノマー(a−1)を使用した例であり、これらの実施例においては、親水性モノマー(b)や架橋性モノマー(c)の種類を変化させ、或は、成分(b)に属するモノマーを単用又は併用しても、耐水性や耐汚染性は共に良好であった。また、実施例8のように、親水性モノマーとして本発明の成分(b)と水酸基含有モノマー(HBVE)を併用しても、成分(a)と(b)の比率が適正であれば、性能評価は他の実施例と同じく良好であった。
実施例7は他の実施例に比べて、シェル部(A)とコア部(B)の共重合体の重量割合が変化しているが、性能評価に差異はなく良好であった。
また、シェル部の共重合体(A)にフッ素含有モノマー(a)を使用した実施例6と、当該共重合体(A)にフッ素含有モノマーを使用せず、コア部の共重合体(B)のモノマー組成が共通する実施例1とを対比すると、性能評価に差異はなかった。
尚、実施例5の耐水性が△の評価であったのは、コア部の共重合体(B)の構成成分に多官能性モノマー(d)を使用しなかったため、塗膜を構成する分子量が他の実施例のそれには及ばなかったことに因るものと推定できる。
【0050】
一方、実施例9〜11は成分(a)にポリシロキサン含有モノマー(a−2)を使用した例であるが、フッ素含有モノマー(a−1)を使用した実施例1〜8と変わらない性能評価であり、特に、実施例9は実施例2を基本組成として、成分(a)を実施例2のフッ素含有モノマーからポリシロキサン含有モノマーに代替した例であるが、性能評価に差異は見られなかった。
また、ポリシロキサン含有(メタ)アクリレートを使用した実施例9と、ポリシロキサン含有ジ(メタ)アクリレートを使用した実施例10でも差異性は認められなかった。
さらに、シェル部の共重合体(A)にポリシロキサン含有モノマー(a)を使用した実施例11と、当該共重合体(A)にポリシロキサン含有モノマーを使用せず、コア部の共重合体(B)のモノマー組成が共通する実施例9とを対比すると、性能評価に差異はなかった。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】非水分散型塗料用樹脂組成物のシェル部の共重合体(製造例A−1〜A−3)のモノマー組成などをまとめた図表である。
【図2】非水分散型塗料用樹脂組成物(実施例1〜11及び比較例1〜6)のコア部の共重合体のモノマー組成、シェル部とコア部の共重合体の配合割合などをまとめた図表である。
【図3】非水分散型塗料を調製する場合の顔料、有機溶剤などの配合割合をまとめた図表である。
【図4】非水分散型塗料の性能評価試験の結果を示す図表である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)有機溶剤に可溶な共重合体と、
(B)有機溶剤に不溶性の共重合体とからなる非水分散型塗料用樹脂組成物であって、
上記共重合体(B)が、フッ素含有モノマー(a−1)及びポリシロキサン含有モノマー(a−2)の少なくとも一方からなる成分(a)と、解離性の基を有しない親水性モノマー(b)と、架橋性モノマー(c)とを重合して得られる共重合体であり、且つ、
この共重合体(B)の構成成分のうち、成分(a)と親水性モノマー(b)の比率が、b/a=67〜1200重量部/100重量部であることを特徴とする非水分散型塗料用樹脂組成物。
【請求項2】
さらに、共重合体(B)が親水性の多官能性モノマー(d)を構成成分とすることを特徴とする請求項1に記載の非水分散型塗料用樹脂組成物。
【請求項3】
共重合体(A)がフッ素含有モノマー及び/又はポリシロキサン含有モノマーを構成成分とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の非水分散型塗料用樹脂組成物。
【請求項4】
共重合体(B)の構成成分の含有量のうち、成分(a)が5〜30重量%、親水性モノマー(b)が20〜60重量%、架橋性モノマー(c)が5〜20重量%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水分散型塗料用樹脂組成物。
【請求項5】
共重合体(A)と共重合体(B)の比率が、A/B=20重量部/80重量部〜50重量部/50重量部であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水分散型塗料用樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物を含有する非水分散型塗料。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2008−201874(P2008−201874A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−38128(P2007−38128)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【出願人】(000233860)ハリマ化成株式会社 (167)
【Fターム(参考)】