説明

非甘味系バインダー組成物、ならびにその製造方法および使用方法

【課題】水性の非甘味系バインダー組成物、該バインダー組成物を含む食品、および該バインダー組成物を含む食品を調製する方法を提供すること。
【解決手段】食品構成成分と混合させるために効果的な第1の温度で第1の粘性を有し、また、食品構成成分を結合させるために効果的な第2の温度で第2の粘性を有する、可溶性繊維、タンパク質、および脂肪を含み、添加される高カロリーの甘味料を本質的に含まない水性の非甘味系バインダー組成物を用いることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バインダー組成物、および、より具体的には、非甘味系バインダー組成物、該バインダー組成物を含む食品、ならびに、該バインダー組成物を含む食品を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、軽食または食事代替用のバーおよび/またはクラスターに使用される従来のバインダー組成物は、必要とされる粘性および凝集力を保持させるために大量のコーンシロップまたはその他の炭水化物を一般的に含む。しかしながら、該バインダー組成物には多くの欠点がある。第1に、食品中に多量の糖類を混入させることは、より高いカロリーをもたらすので望ましくない。第2に、従来のバインダー組成物は、風味の特徴において甘くなる傾向にあり、一般的に、非甘味系食品および/または辛味系食品に対する適用性を制限する結果となる。第3に、多くの消費者は、糖類のより少ないタンパク質および/または繊維の高い栄養価を提供する軽食用および/または食事代替用のバーを含む食品を望んでいる。
【0003】
より低いカロリーの食品は、主に、大量の糖アルコール(グリセリン、マルチトール、ソルビトール、エリトリトールなど)を含むバインダー組成物を用いて製造されてきた。これら食品は、一般的に、高い糖アルコール含有量のために、いかなる目標最大カロリー含有量であっても重さおよび量をより小さくしなければならない。さらに、食品中の糖アルコールの添加レベルが高いと、消費者にとっては、消化障害または不調という結果になることが知られている。
【0004】
糖シロップおよび/または糖アルコールのレベルを減少させつつ結合要件を十分な程度にしつつそのレベルを維持することによって非甘味系食品および/または辛味系食品中で従来のバインダー組成物を使用しようとする試みはあったが、少なくともいくぶん甘味は残るので、一般的に成功してこなかった。実際、1つには満足な非甘味系バインダー技術がないという理由で、辛味系食品バーおよび/またはクラスターは、現在、市場にほとんど存在していない。
【0005】
したがって、伝統的なバインダーの粘性、凝集力、および機能的な特性を提供するが、高いカロリー含有量、ならびに糖および/または糖アルコールの甘味を有しない、改善されたバインダー組成物の必要性が求められている。さらに、有意なレベルのタンパク質および繊維を有利に提供する該バインダー組成物の必要性が求められている。理想的には、このような系は、中間水分含有食品系(すなわち、水分活性が約0.2から約0.8の範囲である)で、および高水分含有系(すなわち、水分活性が約0.8を超える)でも、また、使用可能であるべきである。本発明は、本発明の実施形態の以下の記載から明白であるように、これらの必要性およびその他の必要性および利点を履行するために使用することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、水性の非甘味系バインダー組成物、該水性の非甘味系バインダー組成物を含む食品、および、該水性の非甘味系バインダー組成物を含む食品を調製する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様にしたがって、水性の非甘味系バインダー組成物を含む食品が提供される。バインダー組成物は、可溶性繊維、タンパク質、および脂肪を含み、添加される高カロリーの甘味料を本質的に含まない。バインダー組成物は、食品構成成分と混合させるために効果的な第1の温度で第1の粘性を有し、バインダー組成物は、食品構成成分を結合させるために効果的な第2の温度で第2の粘性を有する。
【0008】
さらに別の態様にしたがって、水性の非甘味系バインダー組成物を含む食品を調製する方法が提供される。バインダー組成物は、可溶性繊維、タンパク質、および脂肪を含み、添加される高カロリー甘味料を本質的に含まない。その方法は、バインダー組成物が、食品構成成分と混合させるために効果的な第1の粘性を有する程度の第1の温度までバインダー組成物を加熱すること、バインダー組成物と凝集した食品構成成分の混合物を形成するために加熱されたバインダー組成物を食品構成成分と混合すること、および、バインダー組成物が凝集した食品構成成分を結合するのに効果的な第2の粘性を有する程度の第2の温度までその混合物を冷却することを含む。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書に使用されている通り、用語「バインダー」は、緩く集合した成分において凝集力を発揮し、または凝集を促進する物質を意味する。本明細書に記載のバインダー組成物は、食品の製造において使用されることを前提とするので、好ましくは、食用のバインダーである。
【0010】
より具体的には、本発明は、タンパク質および繊維の混合物を含むバインダー組成物を提供する。その混合物は水溶液系において高溶解性であり、コーンシロップに類似する粘性および機能的な特性を与える。しかしながら、本発明のバインダー組成物は、好ましくは、高カロリー甘味料の添加を本質的に含まない。本明細書に使用されている通り、「本質的に含まない」とは、5重量%未満、好ましくは1重量%未満、および最も好ましくは全く含まないことを意味する。「高カロリー甘味料」とは、糖、糖アルコール、等を意味する。このように、本発明のバインダー組成物は、従来のコーンシロップベースのバインダーの高カロリー含有量および甘さを与えることなしに、所望の粘性および凝集力を与える。軽食用バーで使用される代表的な糖ベースのバインダー(バインダー組成物を約40〜50%含む食品の40グラムの提供サイズに基づき)は、1本分につき約90カロリーになることがあるが、本発明のバインダー組成物は、1本分につきその約半分(すなわち、約45カロリーにしか)にしかならない。その上、従来の糖ベースのバインダーは、ほとんど、または、全く、タンパク質または繊維を含まないが、本発明のバインダー組成物は、有意なレベルのタンパク質および繊維、好ましくは1本分につきタンパク質約1〜2グラム、および1本分につき繊維約5〜8グラムを与えるので有利である。このように、本発明のバインダー組成物は、低カロリーの人工甘味料を添加して、非甘味系食品および/または辛味系食品における使用に特に有利であるが、それは、従来のバインダーより高い繊維およびタンパク質の含有量、および、より少ないカロリーを有する甘いバインダー系を提供するためにも使用できるので好都合である。
【0011】
本発明のバインダー組成物は、好ましくは、繊維を約10重量%から約70重量%、好ましくは約20重量%から約60重量%、および最も好ましくは約30重量%から約50重量%含む。本発明と共に使用するのに適した繊維は、植物、動物、微生物または合成生成物からなることができる。例えば、フルクトオリゴ糖およびイヌリンを含む可溶性オリゴ糖、多糖、親水コロイド、シクロデキストリン、難消化性でんぷん、難消化性マルトデキストリン、とうもろこし繊維等の可溶性繊維が好ましい。1つの好ましい形態において、可溶性繊維は、オリゴフルクトース、アカシアゴム、およびポリデキストロースの混合物を含む。好ましくは、バインダー組成物は、オリゴフルクトースを約10から約30重量%、アカシアゴムを約10から約30重量%、およびポリデキストロースを約5から約20重量%含む。1つの形態において、オリゴフルクトース、アカシアゴム、およびポリデキストロースの好ましい割合は、約1:1:0.5である。
【0012】
本発明のバインダー組成物は、好ましくは、タンパク質を約2重量%から約20重量%、より好ましくは約5重量%から約10重量%含む。適切なタンパク質は、例えば、乳タンパク質、大豆タンパク質、小麦タンパク質、ならびに米およびとうもろこしなどの種子タンパク質を含む。1つの形態において、タンパク質は、好ましくは、加水分解された、もしくは加水分解されていない乳タンパク質および/または加水分解された、もしくは加水分解されていない大豆タンパク質を含む。
【0013】
バインダー組成物は、好ましくは、脂肪を約20重量%未満、より好ましくは約2重量%から約20重量%、および最も好ましくは約5重量%から約15重量%含む。別の形態において、バインダー組成物は脂肪を本質的に含まない。好ましくはバインダー組成物それ自身が脂肪を約20重量%未満含み、一方でバインダー組成物を含む完成食品の脂肪の総脂肪含有量は、追加的な成分および/または食品構成成分に応じてより高くなってよい。脂肪は、液体、固体、および/または半固体であってよい。脂肪は、植物、動物、または合成生成物に由来してよい。本発明における使用に適する脂肪の例は、食用の分画された脂肪、部分的に分画された脂肪、硬化油、部分硬化油、ならびに、例えばキャノーラ油、ココナッツ油、椰子油、パーム核油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、大豆油、とうもろこし油、モノグリセリドおよび/またはレシチン等の不飽和油を含む。1つの好ましい形態において、脂肪はひまわり油を含む。
【0014】
バインダー組成物は、好ましくは水性であり、好ましくは水分約10重量%から約50重量%、および、より好ましくは約20重量%から約30重量%含む。水分含有量は、添加された水、およびいかなる成分(例えば、果汁、スープストック等)中に含まれるいかなる水も含む。
【0015】
バインダー組成物は、バインダーの所望の機能に干渉しない限り、グリセリン、乳化剤、甘味抑制剤、塩、香味料、ビタミン、ミネラル、天然または人工甘味料、ならびにω−3脂肪酸、生物活性剤、および酸化防止剤などの健康促進剤(health and wellness enablers)などの任意の成分を、約5%まで含んでよい。
【0016】
1つの好ましい形態において、バインダー組成物は、オリゴフルクトースを約10から約30重量%、アカシアゴムを約10から約30重量%、ポリデキストロースを約5から約20重量%、タンパク質を約5から約15重量%、脂肪を約5から約25重量%、および水を約10から約40重量%含む。
【0017】
本発明のバインダー組成物は、従来のバインダーを使用して通常は得られない程度まで、甘味/非甘味のレベルを調節することが望まれるバインダーを必要とする食品中に、有利に組み込むことができる。該食品は、例えば、軽食、または、食事代替用のバー、ミックス、および/もしくはクラスターを含んでよい。このように、本発明の別の態様にしたがって、本明細書に記載の通りのバインダー組成物を含む食品が提供される。
【0018】
本明細書に記載のバインダー組成物は、成分を凝集させ、完成食品の成形を促進するために、いかなる適切な食品(すなわち、バインダーを必要とする製品)にも組み込むことができる。代替方法として、または、それに加えて、バインダー組成物は、形成された食品の表面上にインレー(inlays)を付着させるため、光沢剤のように使用されてよい。本発明の基本的なバインダー組成物は、好ましくは薄味および/または非甘味であるので、完成食品の味または風味にほとんど、または全く影響を与えない。これは、いかなる望まない味または風味の導入も有利に最小化し、いかなる所望の天然および/または人工の風味も、より低い濃度で検出可能にし、より広い範囲の適用可能な風味、特に非甘味系および/または辛味系風味を許容する。1つの形態において、バインダー組成物は、所望の風味のための担体として使用されてよい。本明細書において提示されるバインダー組成物は甘味を持たないので、辛味系食品(辛味系の軽食用食品など)、ぱりぱりした歯ざわりのよい食品および/または塩味の食品(塩味の軽食用食品など)の調製に、有利に使用することができる。もちろん、本発明のバインダー組成物はまた、望まれるならば、甘いことを意図される食品中にも使用することができる。実際、本バインダー組成物は、食品それ自身、バインダー組成物、またはその両者に、所望の食品構成成分ならびにいずれかの所望の甘味料および/または甘味抑制剤を、単に添加することによって、甘い食品から非甘味系食品まで広範囲な食品を達成するために使用することができる。
【0019】
本発明のバインダー組成物は、例えば、チーズおよび乳製品、チーズ代用品、生または乾燥果物および/または野菜片、スパイス、ナッツ、種子、穀類、大豆クリスプ、米クリスプ、小麦またはブランのフレーク、小片のパンまたはクラッカー、小片の肉、乾燥肉製品、または肉模造品、タンパク質ナゲット、シリアル、グラノーラ、天然および/または人工香味料等、また、それらの混合物など、多様な食品構成成分に添加することができる。バインダーが軽食用および/または食事代替用の、バーおよび/またはクラスターに添加されるとき、それはバーおよび/またはクラスターの成分を結合するのに有用である。本発明のバインダー組成物を組み込む調製された食品は、冷蔵または解凍で分解しない、その結果、食品の結合は維持される。
【0020】
バー、ミックス、および/またはクラスターは、本発明のバインダー組成物の好ましい適用の数例であるが、バインダー組成物を正常に組み込むいかなる他の種類の食品も、本明細書において意図されている。もちろん、バインダー組成物の濃度は、その使用、またはそれが組み込まれる製品によって適応させることができる。
【0021】
本発明のさらに別の態様にしたがって、凝集した食品構成成分の食品中に、本発明のバインダー組成物を組み込む方法が提供される。いずれかの適切な方法が、バインダー組成物および食品構成成分の所望の混合を許容するレベル(一般的に、約500cpから約5000cpまでの範囲、より好ましくは約500cpから約3000cpまでの範囲)まで、バインダー組成物の粘性を上げ、次に、凝集した形態に食品構成成分を結合するために、バインダーが構成することを許容するレベル(一般的に、約1000cpから約5000cpの範囲)まで、粘性を低下させるために使用されてよいが、1つの好ましい方法は、バインダー組成物が、バインダーおよびその他の成分の混合を許容する粘性を有する温度(一般的に約150°F(65.6℃)から約200°F(93.8℃)、好ましくは約160°F(71.1℃)から約180°F(82.2℃))まで、本発明のバインダー組成物を加熱すること、加熱されたバインダー組成物を食品構成成分と混合すること、および、バインダー組成物が、食品構成成分を凝集するために、完成品の構造を維持するのに十分な粘性を有する温度(一般的に約120°F(48.8℃)未満、および好ましくは約50°F(10℃)から約100°F(37.8℃))まで、混合物を冷却させることを含む。
【0022】
バインダー組成物は、製造され、必要とされるまで貯蔵することができる。代替方法として、バインダー組成物は、連続的に製造され、食品構成成分に直接添加することができる。食品構成成分にバインダー組成物を添加し、食品構成成分の満足な被膜および凝集を促進するために、バインダー組成物は、食品構成成分を完全に被膜させる粘性で、おおむね均質な塊の中へ成分を可溶化するのに効果的な温度まで(一般的に、約150〜200°F(65.6〜93.3℃)で、約10〜15分を超えて)、好ましくは最初に加熱される。1つの好ましい形態において、加熱は、攪拌とともに、スチームジャケットケトル内で実施される。次に、乾燥食品構成成分(例えば、大豆クリスプ、米クリスプ、カラスムギ、ナッツ、種子、小麦フレークなど)が、加熱されたバインダーに添加され、混合されて、所望の混合および被膜を提供する。混合は、水平または垂直ミキサー内で、数分、一般的に約2から約8分間、(食品構成成分を粉砕しないように)穏やかに混合することによって、好ましくは実施される。混合物は凝集させ、その混合物を所望の製品に成形または形成させるレベルまで、(一般的に、自然熱伝達によって、または冷却ローラーの使用によって)最初に冷却する(一般的に約120°F(48.8℃)未満、好ましくは約50°F(10℃)から約100°F(37.8℃)の温度)。一旦、成形または形成されると、混合物は貯蔵温度(一般的に、該混合物が、例えば、切断または薄片にする技術による以外には簡単に形成または成形されることのない周囲温度)まで冷却される。本発明のバインダー組成物を含む食品は、好ましくは常温で安定(すなわち周囲温度で安定)である。肉、チーズ、および/または野菜小片、風味化合物、ならびにビタミンおよびミネラルなどの辛味系のインレーは、使用される装置によって、乾燥食品構成成分とともに、または個別に、添加されてよい。
【0023】
単一ステップ製造方法は、また、本バインダー組成物を使用して実行可能である。例えば、バインダー成分および乾燥食品構成成分は、温度調節をしてスチームジャケットケトルに添加される。その混合物は、持続的であるが穏やかな攪拌を使用して、ケトル内で約5分間、約160°F(71.1℃)まで加熱される。次に、結果として生じる混合物は、ドライアイスで約100°F(37.8℃)未満に冷却される。代替方法として、冷却能力を有するジャケットケトルもまた、使用することができる。次に、冷却された混合物は、加圧、冷却、および切断を含むバーシーティングライン上に沈着される。
【0024】
1つの好ましい形態において、完成食品は、バインダー組成物を、約20重量%から約60重量%、および食品構成成分を、約40重量%から約80重量%含む。もちろん、バインダー組成物の割合は、食品構成成分のサイズおよび所望の質感(すなわち、腰が強い、または歯ざわりのよい)を含む、それが組み込まれる食品の特徴によって、適応させることができる。例えば、乾燥食品成分が小さいかけらで含まれるところでは、所望の混合物を得るために、より少ないバインダーが一般的に必要とされる。しかしながら、食品構成成分がより大きなかけらであるところでは、一般的により多くのバインダーが必要とされる。
【0025】
結果として生じる食品は、所望の水分活性および/または水分含有量に到達するために、(一般的に、約250°F(121.1℃)から約325°F(162.8℃)で、約1分から約10分間)乾燥してよい。1つの好ましい形態において、食品のAwは、約0.30から約0.70の範囲にある。食品の水分含有量は、好ましくは、約3%から約20%、より好ましくは、約8%から約12%である。
【0026】
以下の実施例は、本発明の様々な特徴を、さらに説明するが、添付の特許請求の範囲に述べられる通り、本発明の範囲を限定することを意図しない。別途指示のない限り、全てのパーセンテージおよび割合は、重量による。
【実施例1】
【0027】
辛味系クルトンバーを、表1に提供される処方にしたがって調製した。
【0028】
【表1】

【0029】
乾燥バインダー成分(すなわち、オリゴフルクトース、加水分解された乳タンパク質、アカシアゴム、およびポリデキストロース)を、垂直ミキサー内で組み合わせ、混合した。次に、液体バインダー成分を添加し、バインダー組成物を、約180°F(82.2℃)まで(約5〜10分を超えて)加熱した。加熱されたバインダー組成物は、(粘性約1000〜2000cpを有する)液体を形成し、凝集体を形成するため、その液体に食品構成成分を添加し、混合した。混合の後、結果として生じる生成物は、約100°F(37.8℃)まで冷却し、既知のシーティングおよびローラー法を使用して、バー状に形成した。形成されたバーは、300°F(148.9℃)で、5分間乾燥し、所望のAw約0.40および水分含有量約9.5%を達成した。結果として生じる40グラムのバーにおいて、バインダー組成物は、約30カロリー、繊維6グラム、およびタンパク質1グラムとなった。
【実施例2】
【0030】
トマト片入りの辛味系バーを、表2に提供される処方にしたがって調製した。
【0031】
【表2】

【0032】
乾燥バインダー成分(オリゴフルクトース、加水分解された乳タンパク質、アカシアゴム、およびポリデキストロース)を、垂直ミキサー内で組み合わせ、混合した。次に、液体バインダー成分を添加し、バインダー組成物を、約180°F(82.2℃)まで、約5〜10分を超えて加熱した。加熱されたバインダー組成物は液体を形成し、凝集体を形成するため、その液体に食品構成成分を添加し、混合した。その混合物は、約100°F(37.8℃)まで冷却した後、既知のシーティングおよびローラー法を使用して、バー状に形成した。形成されたバーは、300°F(148.9℃)で、5分間乾燥し、所望のAw約0.35および水分含有量約9.0%を達成した。結果として生じる40グラムのバーにおいて、バインダー組成物は、約21カロリー、繊維4グラム、およびタンパク質1グラムとなった。
【実施例3】
【0033】
チーズおよびベーコン入りの辛味系バーを、表3に提供される処方にしたがって調製した。
【0034】
【表3】

【0035】
乾燥バインダー成分(オリゴフルクトース、加水分解された乳タンパク質、アカシアゴム、およびポリデキストロース)を、垂直ミキサー内で組み合わせ、混合した。次に、液体バインダー成分を添加し、バインダー組成物を、約180°F(82.2℃)まで、約5〜10分を超えて加熱した。加熱されたバインダー組成物は液体を形成し、凝集体を形成するため、その液体に食品構成成分を添加し、混合した。その混合物は、約100°F(37.8℃)まで冷却した後、既知のシーティングおよびローラー法を使用して、バー状に形成した。形成されたバーは、300°F(148.9℃)で、5分間乾燥し、所望のAw約0.48および水分含有量約12%を達成した。結果として生じる40グラムのバーにおいて、バインダー組成物は、約37カロリー、繊維8.3グラム、およびタンパク質1.3グラムとなった。
【実施例4】
【0036】
チーズおよびトマト入りの辛味系バーを、表4に提供される処方にしたがって調製した。
【0037】
【表4】

【0038】
乾燥バインダー成分(オリゴフルクトース、加水分解された乳タンパク質、アカシアゴム、およびポリデキストロース)を垂直ミキサー内で組み合わせ、混合した。次に、液体バインダー成分を添加し、バインダー組成物を、約180°F(82.2℃)まで、約5〜10分を超えて加熱した。加熱されたバインダー組成物は液体を形成し、凝集体を形成するため、その液体に食品構成成分を添加し、混合した。その混合物は、約100°F(37.8℃)まで冷却した後、既知のシーティングおよびローラー法を使用して、バー状に形成した。形成されたバーは、300°F(148.9℃)で、5分間乾燥し、所望のAw約0.48および水分含有量約13%を達成した。結果として生じる40グラムのバーにおいて、バインダー組成物は、約37カロリー、繊維8.3グラム、およびタンパク質1.3グラムとなった。
【0039】
実施例1〜4の結果として生じる食品を、6人のパネリストによって味覚テストした。全てが、(9が最高である)0から9段階評価で、およそ7.5の評価を取得する優秀な風味および質感を有すると判断された。食品は、甘味がなくはっきりした風味、甘味がなく素晴らしい辛味系風味の印象、辛味系食品と比べて素晴らしい歯ざわりのある質感、および辛味系製品に特に適した独自性を有するとのことであった。
【0040】
実施例1〜4の食品はバー状に形成されたが、それは、それらがいかなる所望の形状および/またはサイズにも形成されることができたこと、または、例えばスープまたはサラダに適用する使用のために、粉々に破壊または粉砕できることは、当業者によって理解される。
【0041】
本発明は、好ましい実施形態に関して説明されてきたが、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、当業者にとって明白な多数の変更および改変が可能であることは明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可溶性繊維、タンパク質および脂肪を含み、添加される高カロリー甘味料を本質的に含まない水性の非甘味系バインダー組成物を含む食品であって、
前記バインダー組成物は、食品構成成分と混合するために効果的な第1の温度で第1の粘性を有し、食品構成成分を結合するために効果的な第2の温度で第2の粘性を有することを特徴とする食品。
【請求項2】
可溶性繊維は、オリゴ糖、多糖、親水コロイド、シクロデキストリン、難消化性でんぷん、難消化性マルトデキストリン、とうもろこし繊維、および、それらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項3】
可溶性繊維は、オリゴフルクトース、アカシアゴム、およびポリデキストロースの混合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項4】
可溶性繊維は、オリゴフルクトース、アカシアゴム、およびポリデキストロースの混合物を含み、オリゴフルクトースは、バインダー組成物の約10から約30重量パーセントを構成し、アカシアゴムは、バインダー組成物の約10から約30重量パーセントを構成し、ポリデキストロースは、バインダー組成物の約5から約20重量パーセントを構成することを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項5】
可溶性繊維は、オリゴフルクトース、アカシアゴム、およびポリデキストロースの混合物を、約1:1:0.5の割合で含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項6】
バインダー組成物は、一食分40gにつき、約45カロリー未満となることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項7】
バインダー組成物は、タンパク質を、少なくとも約5重量パーセント含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項8】
バインダー組成物は、繊維を、少なくとも約20重量パーセント含むことを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項9】
第1の温度は、約150°F(65.6℃)から約200°F(93.3℃)の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項10】
第2の温度は、約50°F(10℃)から約100°F(37.8℃)の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項11】
第1の粘性は、約500cpから約3000cpの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項12】
第2の粘性は、約1000cpから約5000cpの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の食品。
【請求項13】
可溶性繊維、タンパク質、脂肪を含み、添加される高カロリー甘味料を本質的に含まない水性の非甘味系バインダー組成物を含む食品を調製する方法であって、
バインダー組成物が、食品構成成分と混合するために効果的な第1の粘性を有する程度の第1の温度まで、バインダー組成物を加熱すること、
バインダー組成物および凝集した食品構成成分の混合物を形成するために、加熱されたバインダー組成物を食品構成成分と混合すること、および
バインダー組成物が、凝集した食品構成成分を結合するのに効果的な第2の粘性を有する程度の第2の温度まで、その混合物を冷却することを含むことを特徴とする方法。
【請求項14】
可溶性繊維は、オリゴ糖、多糖、親水コロイド、シクロデキストリン、難消化性でんぷん、難消化性マルトデキストリン、可溶性とうもろこし繊維、およびそれらの混合物からなる群から選択されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
可溶性繊維は、オリゴフルクトース、アカシアゴム、およびポリデキストロースの混合物を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項16】
可溶性繊維は、オリゴフルクトース、アカシアゴム、およびポリデキストロースの混合物を含み、オリゴフルクトースは、バインダー組成物の約10から約30重量パーセントを構成し、アカシアゴムは、バインダー組成物の約10から約30重量パーセントを構成し、ポリデキストロースは、バインダー組成物の約5から約20重量パーセントを構成することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項17】
可溶性繊維は、オリゴフルクトース、アカシアゴム、およびポリデキストロースの混合物を、約1:1:0.5の割合で含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項18】
バインダー組成物は、一食分40gにつき約45カロリー未満となることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項19】
バインダー組成物は、一食分約40gにつきタンパク質が少なくとも約1gとなることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項20】
バインダー組成物は、一食分約40gにつき繊維が少なくとも約3gとなることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項21】
第1の温度は、約150°F(65.6℃)から約200°F(93.3℃)の範囲であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項22】
第2の温度は、約50°F(10℃)から約100°F(37.8℃)の範囲であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項23】
第1の粘性は、約500cpから約3000cpの範囲であることを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項24】
第2の粘性は、約1000cpから約5000cpの範囲であることを特徴とする請求項13に記載の方法。