説明

非結晶性ビスオキサゾリジン

本発明は、それぞれポリイソシアネート、ポリウレタン用硬化剤としての非結晶性オキサゾリジンに関する。これらの硬化剤は、少なくとも2つのウレタン基を有する少なくとも1種のポリオキサゾリジンPOU及び少なくとも1つのカルボナート基を有する少なくとも1種のポリオキサゾリジンPOCの本質的に混合物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれポリイソシアネート、ポリウレタン用オキサゾリジン硬化剤の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
オキサゾリジン、特にビスオキサゾリジンは、ポリウレタン用の硬化剤として周知である。硬化剤として特に有用なものは、例えば、US 5,747,627、US 5,189,176及びGB 1463944に開示されているウレタン基により連結されているビスオキサゾリジンである。
【0003】
さらなる種類のオキサゾリジンは、カルボナート基により連結されているビスオキサゾリジンである。そのようなビスオキサゾリジンは、例えば、EP 0499188A1に開示されている。
【0004】
さらなる種類のオキサゾリジンは、例えば、US 5,126,421、WO 96/08308A1、WO 99/07762A1及びGB 1292455に開示されている二環式オキサゾリジンである。
【0005】
しかし、ポリオキサゾリジン全般、特にウレタン基を有するポリオキサゾリジンは、結晶化する傾向がある。これは、これらの化合物の貯蔵、輸送及び用途を考慮すると非常に不利である。この問題を解決するためのいくつかのアプローチが存在した。溶媒の使用は、機械的性質の低下及び溶媒(VOC:揮発性有機化合物)の放出などの不都合が生ずる。US 5,189,176は、ヘキサメチレン基によりともに連結された2つのウレタン基を有し、オキサゾリジン環の酸素原子と窒素原子の間に位置する炭素に結合した炭素数5〜8炭化水素置換基を有する非結晶性ビスオキサゾリジンを提案している。しかし、この非常に狭い群の化合物は、ポリオキサゾリジンの適切な特性の選択において非常に限定的である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】US 5,747,627
【特許文献2】US 5,189,176
【特許文献3】GB 1463944
【特許文献4】EP 0499188A1
【特許文献5】US 5,126,421
【特許文献6】WO 96/08308A1
【特許文献7】WO 99/07762A1
【特許文献8】GB 1292455
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明により解決すべき問題は、ポリオキサゾリジンの特性の広い選択を可能にする非結晶性ポリオキサゾリジンを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この問題は、請求項1の特徴による組成物により解決することができる。
【0009】
さらに、これらのポリオキサゾリジンは、溶媒をベースとせず、したがって、生態学的且つ経済的に有利である。最も重要な利点は、広範囲の既存の結晶性ポリオキサゾリジンを改質して、本発明による非結晶性ポリオキサゾリジン組成物を得ることができることである。これにより、硬化特性を顧客の必要に合わせる可能性が見込まれる。
【0010】
本発明のさらなる態様は、さらなる主要な請求項の対象である。好ましい実施形態は、従属請求項の対象である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、第1の態様において、
a)少なくとも2つのウレタン基を有する少なくとも1種のポリオキサゾリジンPOU及び
b)少なくとも1つのカルボナート基を有する少なくとも1種のポリオキサゾリジンPOC
を含む組成物に関する。
【0012】
POU、POC、BCOなどのような本文書におけるすべての太字表示は、情報提供のためにのみ用い、理解及び識別を助ける役割のみを果たす。
【0013】
「ウレタン基」という用語は、本文書において以下の式(a)
【0014】
【化1】

【0015】
の基を意味するものとする。
【0016】
点線は、本文書において他の置換基への結合部位を示す。
【0017】
「カルボナート基」という用語は、本文書において以下の式(b)
【0018】
【化2】

【0019】
の基を意味するものとする。
【0020】
「室温」という用語は、本文書において25℃の温度を意味するものとする。
【0021】
「二環式ポリオキサゾリジン」という用語は、本文書において縮合している2つのオキサゾリジン環を有する化合物、言い換えれば、以下の式(c)
【0022】
【化3】

【0023】
の構造要素を含む化合物を意味するものとする。
【0024】
「から本質的になる」という用語は、本文書において言及されている成分のほかには、他の成分が少量、すなわち、一般的に5重量%未満、特に1重量%未満しか存在しないことを意味するものとする。
【0025】
「ポリウレタン」という用語は、イソシアネート基が残るか否かに無関係に、ポリイソシアネート及びポリオール及び/又はポリメルカプタン及び最終的に水の付加反応の任意の生成物を意味するものとする。特に、イソシアネート基のために湿気により硬化し得るいわゆるポリウレタンプレポリマーも、NCO基が本質的に残っていない完全に硬化したポリマーと同様にポリウレタンとみなされる。
【0026】
この組成物は、少なくとも2つのウレタン基を有する少なくとも1種のポリオキサゾリジンPOUを含む。
【0027】
好ましくは、少なくとも2つのウレタン基を有するポリオキサゾリジンPOUは、以下の式(I)、特に式(Ia)
【0028】
【化4】

【0029】
[式中、
R1は、炭素数2〜5のアルキレン基、特にエチレン基であり、
R2及びR3は、個別にHあるいは任意選択で置換されている炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基又はアリール基であり、
R4は、n個のイソシアネート基の除去の後の150〜4000g/モル、特に160〜1000 g/モルの分子量のポリイソシアネートのn価残基であり、
n=2、3、4、5又は6である]
による構造を有する。
【0030】
好ましくはnは、2の値を表す。すなわち、ポリオキサゾリジンPOUは、好ましくはビスオキサゾリジンである。
【0031】
置換基R4は、好ましくは
【0032】
【化5A】

【化5B】

【0033】
又はその対応するジイソシアネートのイソシアヌレート若しくはビウレット若しくはウレトジオンからなる群から選択される。
【0034】
対応するジイソシアネートのイソシアヌレート又はビウレット又はウレトジオンに由来するそれらの置換基R4は、特に以下の構造式
【0035】
【化6】

【0036】
の1つを有する。
【0037】
これらの式において、Raは、2つのNCO基の除去の後の対応するジイソシアネートを表す。
【0038】
より好ましい置換基R4は、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート及びn個のNCO基の除去後のそのイソシアヌレート又はビウレット又はウレトジオンからなる群から選択される。
【0039】
少なくとも2つのウレタン基を有するポリオキサゾリジンPOUは、好ましくはポリイソシアネート、特に式(IA)のポリイソシアネートと、ヒドロキシル基を有する置換基を有するオキサゾリジン、特に式(IB)の、好ましくは式(IB-1)のオキサゾリジンとの反応により調製される。
【0040】
【化7】

【0041】
ヒドロキシル基を有する置換基を有するオキサゾリジンは、好ましくは、N-ヒドロアルキルエタノールアミン、特にジエタノールアミンと、それぞれ対応するケトンR2COR3、好ましくは対応するアルデヒドHCOR3との縮合反応により製造される。
【0042】
式(IA)の適切なポリイソシアネートは、特に1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2-メチルペンタメチレン1,5-ジイソシアネート、2,2,4-及び2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(TMDI)、1,10-デカメチレンジイソシアネート、1,12-ドデカメチレンジイソシアネート、リシンジイソシアネート及びリシンエステルジイソシアネート、シクロヘキサン1,3-及び1,4-ジイソシアネート並びにこれらの異性体の所望の混合物、1-メチル-2,4-及び-2,6-ジイソシアナトシクロヘキサン並びにこれらの異性体(HTDI又はH6TDI)の所望の混合物、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、ペルヒドロ-2,4'-及び-4,4'-ジフェニルメタンジイソシアネート(HMDI又はH12MDI)、1,4-ジイソシアナト-2,2,6-トリメチルシクロヘキサン(TMCDI)、1,3-及び1,4-ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m-及びp-キシリレンジイソシアネート(m-及びp-XDI)、m-及びp-テトラメチル-1,3-及び-1,4-キシリレンジイソシアネート(m-及びp-TMXDI)、ビス(1-イソシアナト-1-メチルエチル)ナフタレン、2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネート(TDI)、4,4'-、2,4'-及び2,2'-ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,3-及び1,4-フェニレンジイソシアネート、2,3,5,6-テトラメチル-1,4-ジイソシアナトベンゼン、ナフタレン1,5-ジイソシアネート(NDI)、3,3'-ジメチル-4,4'-ジイソシアナトジフェニル(TODI)、ジアニシジンジイソシアネート(DADI)、前述のイソシアネートのオリゴマー及びポリマー、並びに前述のイソシアネートの所望の混合物である。単量体ジイソシアネート、特にMDI、TDI、HDI、H12MDI及びIPDIが優先される。
【0043】
直前に言及したポリイソシアネートのイソシアヌレート又はビウレット又はウレトジオンもまた、式(IA)のポリイソシアネートとして適する。
【0044】
前述のポリイソシアネートとポリオール及び/又はポリアミンの反応生成物であるイソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーもまた、式(IA)のポリイソシアネートとして適する。
【0045】
式(IA)のポリイソシアネートとして特に好ましいものは、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネートからなる群から選択される。
【0046】
より好ましいポリイソシアネートは、ジイソシアネートであり、最も好ましいものは、HDI及びTDIである。
【0047】
最も好ましいものは、以下の式(IV)又は(IV')
【0048】
【化8】

【0049】
のビスオキサゾリジンであるポリオキサゾリジンPUCである。R2及びR3は、上で既に定義されている。R2は、最も好ましくはHを表す。
【0050】
少なくとも2つのウレタン基を有する上述のポリオキサゾリジンPOUは、一般的に室温で液体であり、低温での貯蔵時に結晶化する傾向がある。一般的に結晶化は、4℃の温度で1週間以内に起こる。種結晶は、この結晶化過程を促進することが知られている。
【0051】
該組成物は、少なくとも1つのカルボナート基を有する少なくとも1種のポリオキサゾリジンPOCを含む。
【0052】
好ましくは少なくとも1つのカルボナート基を有するポリオキサゾリジンPOCは、以下の式(II)、特に式(IIa)
【0053】
【化9】

【0054】
[式中、
R5は、炭素数2〜5のアルキレン基、特にエチレン基であり、
R6及びR7は、個別にHあるいは任意選択で置換されている炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基又はアリール基であり、
m=1、2、3、4、5又は6であり、
R8は、以下の式(III)
【0055】
【化10】

【0056】
の置換基を特に有する15〜1000g/モルの分子量のm価残基である]
による構造を有する。
【0057】
好ましくはmは、2の値を表す。すなわち、ポリオキサゾリジンPOCは、好ましくはビスオキサゾリジンである。
【0058】
ポリオキサゾリジンPOCは、好ましくは、有機カーボネート、最終的にポリオール、特に式(IIA)のポリオール、ヒドロキシル基を有する置換基を有するオキサゾリジン、特に式(IIB)の、好ましくは式(IIB-1)のオキサゾリジンの反応により調製される。
【0059】
【化11】

【0060】
この反応及び生成されるその生成物の詳細は、全開示が参照により本明細書に組み込まれている、EP 0499188A1に記載されている。
【0061】
式(IIA)のポリオールとして特に適するものは、1,2-エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタエリスリトール(=2,2-ビス-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール)、ジペンタエリスリトール(=3-(3-ヒドロキシ-2,2-ビスヒドロキシメチルプロポキシ)-2,2-ビスヒドロキシメチルプロパン-1-オール)、グリセロール(=1,2,3-プロパントリオール)、トリメチロールプロパン(=2-エチル-2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール)、トリメチロールエタン(=2-(ヒドロキシメチル)-2-メチル-1,3-プロパンジオール)、ジ(トリメチロールプロパン)(=3-(2,2-ビス(ヒドロキシメチル)ブトキシ)-2-エチル-2-ヒドロキシメチルプロパン-1-オール)、ジ(トリメチロールエタン)(=3-(3-ヒドロキシ-2-ヒドロキシメチル-2-メチルプロポキシ)-2-ヒドロキシメチル-2-メチルプロパン-1-オール)、ジグリセリン(=ビス(2,3-ジヒドロキシ-プロピル)エーテル;シクロヘキサン-1,2-ジイルジメタノール、シクロヘキサン-1,3-ジイルジメタノール、シクロヘキサン-1,4-ジイルジメタノール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,3,5-トリス(2-ヒドロキシエチル)-1,3,5-トリアジナン-2,4,6-トリオン、2,2',2"-ニトリロトリエタノール; (ポリ)エチレングリコール、(ポリ)プロピレングリコール及び(ポリ)ブチレングリコール(=ポリ(オキシ-1,4-ブタンジイル)-α-ヒドロ-ω-ヒドロキシル)からなる群のポリオールである。
【0062】
ヒドロキシル基を有する置換基を有するオキサゾリジンは、好ましくは、N-ヒドロキシアルキルエタノールアミン、特にジエタノールアミンと、それぞれ対応するケトンR6COR7、好ましくは対応するアルデヒドHCOR7との縮合反応により製造される。
【0063】
好ましいポリオキサゾリジンPOCは、
【0064】
【化12】

【0065】
[式中、R6及びR7は、個別にHあるいは任意選択で置換されている炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基又はアリール基、好ましくはメチル、エチル若しくはイソプロピル基である]
からなる群から選択されるものである。
【0066】
本発明の組成物は、
a)少なくとも2つのウレタン基を有する少なくとも1種のポリオキサゾリジンPOU及び
b)少なくとも1つのカルボナート基を有する少なくとも1種のポリオキサゾリジンPOC
を含む。
【0067】
好ましくは該組成物は、以下の式(IV)又は(IV')のビスオキサゾリジンであるポリオキサゾリジンPUC及び以下の式(V)のビスオキサゾリジンであるポリオキサゾリジンPOCを含むか又はそれらからなる。
【0068】
【化13】

【0069】
[式中、R2、R3、R6及びR7は、互いに独立にH又は炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基、特にメチル、エチル若しくはイソプロピル基、好ましくはイソプロピル基である]。
好ましくはR2及びR6はHである。
【0070】
本発明の1つの実施形態において、組成物は、少なくとも1種の二環式オキサゾリジンBCOをさらに含む。好ましい二環式オキサゾリジンBCOは、以下の式(VI)
【0071】
【化14】

【0072】
[式中、R9、R10、R11及びR12は、個別に、炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐ヒドロキシアルキル基、又は炭素数が好ましくは6〜12のアリール基若しくはシクロアルキル基であり、
R13は、H又は炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐ヒドロキシアルキル基であり、
R14、R15、R16及びR17は、個別に、H又は炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐ヒドロキシアルキル基である]
による構造を有するものである。好ましくは、R9及びR11はHである。
【0073】
そのような二環式オキサゾリジンBCOを調製する方法は公知である。調製の方法の詳細及び生成される生成物の詳細は、全開示が参照により本明細書に組み込まれている、US 5,126,421及びWO 96/08308A1に特に記載されている。
【0074】
二環式オキサゾリジンBCOとして特に好ましいものは、Angus Chemical Company(Buffalo Grove、USA)により商品名ZOLDINE(登録商標) RD-20のもとに商品化された化合物1-アザ-3,7-ジオキソ-2,8-ジイソプロピル-5-エチルビシクロ[3,3,0]オクタンであり、したがって、R9、R11、R14、R15、R16及びR17がすべてHであり、R10及びR12がイソプロピル基であり、R13がエチル基である式(VI)の構造を有する。
【0075】
好ましくは、すべてのポリオキサゾリジンPOC及び任意選択で存在するすべての二環式オキサゾリジンBCO並びにすべてのポリオキサゾリジンPOUの合計の量は、総組成物の重量に関して80〜100重量%、特に90〜100重量%、好ましくは95〜100重量%である。
【0076】
すべてのポリオキサゾリジンPOCの合計とすべてのポリオキサゾリジンPOUの合計の重量比が5:95〜95:5、特に10:90〜45:55、好ましくは25:75〜35:65であることが好ましい。
【0077】
第1の好ましい実施形態において、組成物は、ポリイソシアネート又はポリウレタンに添加するのに適する硬化剤として用いる。この実施形態において、組成物がポリオキサゾリジンPOC、ポリオキサゾリジンPOU及び任意選択で二環式オキサゾリジンBCOから本質的になる、好ましくはそれらのみからなることが好ましい。特に、組成物は、溶媒を成分として有さない。そのような硬化剤組成物は、室温で液体であり、ポリオキサゾリジンPOUと比較して結晶化する傾向が明らかに低い。これらの組成物は、著しくより良好な貯蔵及び輸送特性を有し、それほど費用がかからない貯蔵装置又は適用装置を必要とし、したがって、非常に有利である。
【0078】
前記組成物は、特に、それ自体は用いたときに結晶化する傾向がある商業的に公知のポリオキサゾリジンPOUも用いることにより、硬化特性を顧客の必要に合わせることができる広範囲の非結晶性硬化剤を今や提供することができるという点で既存のポリオキサゾリジンと比べて非常に有利である。
【0079】
したがって、本発明のさらなる態様は、ポリイソシアネート用の非結晶性硬化剤としての前述の組成物の使用に関する。
【0080】
さらなる好ましい実施形態において、前述の組成物は、ポリイソシアネート、特に少なくとも2つのNCO基を有するポリマーをさらに含む。言い換えれば、組成物のこの実施形態は、ポリイソシアネート又はポリウレタン組成物に添加された、第1の実施形態による組成物に対応する。
【0081】
この実施形態において、すべてのポリオキサゾリジンPOC及び二環式オキサゾリジンBCO並びにすべてのポリオキサゾリジンPOUの合計の量は、総組成物の重量に関して5〜20重量%、特に5〜15重量%、好ましくは6〜10重量%である。
【0082】
この実施形態のための追加のポリイソシアネートとして、少なくとも2つのウレタン基を有するポリオキサゾリジンPOUの製造に関して前述したそれらのポリイソシアネートを用いることができる。
【0083】
さらに、イソシアネート基を有するポリウレタンプレポリマーを追加のポリイソシアネートとして用いることができる。これらのポリウレタンプレポリマーは、好ましくは上述のポリイソシアネート及びポリオールから調製する。
【0084】
ポリウレタンプレポリマーの調製に特に適するポリオールは、以下のとおりである:
- 2個以上の活性水素原子を有する開始剤分子、例えば、水、アンモニア又は複数のOH若しくはNH基を有する化合物の助けを借りて重合される可能性がある、エチレンオキシド、1,2-プロピレンオキシド、1,2-若しくは2,3-ブチレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン又はそれらの混合物の重合生成物である、ポリオキシアルキレンポリオール又はオリゴエテロールとしても公知であるポリエーテルポリオール、例えば、1,2-エタンジオール、1,2-及び1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3-及び1,4-シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセロール、アニリン、並びに前記化合物の混合物。例えば、複金属シアン化物錯体触媒(DMC触媒)を用いて調製された低い不飽和度(ASTM D-2849-69に従って測定し、ポリオール1g当たりミリ当量の不飽和(meq/g)で報告する)を有するポリオキシアルキレンポリオール、又は例えば、NaOH、KOH、CsOH若しくはアルカリ金属アルコキシドなどのアニオン触媒の助けを借りて調製されたより高い不飽和度を有するポリオキシアルキレンポリオールを用いることが可能である。
【0085】
特に適するものは、ポリオキシエチレンポリオール及びポリオキシプロピレンポリオール、特にポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレントリオール及びポリオキシプロピレントリオールである。
【0086】
特に適するものは、0.02meq/gより低い不飽和度を有し、1000〜30000g/モルの範囲の分子量を有するポリオキシアルキレンジオール又はポリオキシアルキレントリオール、さらにまた400〜8000g/モルの分子量を有するポリオキシエチレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレンジオール及びポリオキシプロピレントリオールである。「分子量」又は「分子質量」は、本文書において分子量平均値Mnを意味すると常に理解される。
【0087】
同様に特に適するものは、いわゆるエチレンオキシド末端(「EOエンドキャップ」、エチレンオキシドエンドキャップ)ポリオキシプロピレンポリオールである。後者は、例えば、純ポリオキシプロピレンポリオール、特にポリオキシプロピレンジオール及び-トリオールをポリプロポキシル化反応の完了時にエチレンオキシドを用いてさらにアルコキシル化することにより得られ、結果として第一級ヒドロキシル基を有する特定のポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオールである。この場合、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンジオール及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオールが優先される。
- スチレン-アクリロニトリル-又はアクリロニトリル-メチルメタクリレート-グラフトポリエーテルポリオール。
- 例えば、二〜三価アルコール、例えば、1,2-エタンジオール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセロール、1,1,1-トリメチロールプロパン又は前述のアルコールの混合物から、有機ジカルボン酸又は無水物又はそのエステル、例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸及びヘキサヒドロフタル酸又は前述の酸の混合物を用いて調製されたオリゴエステロールとしても知られているpolCterpolyol、さらにまたラクトン、例えば、ε-カプロラクトンから生成したpolCterpolyol。
- 例えば、上述のアルコール(ポリエステルポリオールを生成するために用いる)とジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネート又はホスゲンとの反応により得られるポリカーボネートポリオール。
- ポリアクリレート-及びポリメタクリレートポリオール。
- ポリヒドロキシ官能性脂肪及び油、例えば、天然脂肪及び油、特にヒマシ油;又は天然脂肪及び油の化学修飾により得られるポリオール(オレオケミカルポリオールとして公知)、例えば不飽和油のエポキシ化及びその後のカルボン酸若しくはアルコールによる開環により得られるエポキシpolCter若しくはエポキシポリエーテル、又は不飽和油のヒドロホルミル化及び水素化により得られるポリオール;又はアルコール分解若しくはオゾン分解などの分解過程及びそれにより得られた分解生成物若しくはその誘導体の例えばエステル交換若しくは二量化によるその後の化学的連結により天然脂肪及び油から得られるポリオール。天然脂肪及び油の適切な分解生成物は、特に脂肪酸及び脂肪アルコール、さらにまた例えば、ヒドロキシ脂肪酸エステルへのヒドロホルミル化及び水素化により誘導体化することができる、脂肪酸エステル、特にメチルエステル(FAME)である。
- オリゴヒドロカルボノールとしても公知のポリ炭化水素ポリオール、例えば、Kraton Polymersにより製造されたようなポリヒドロキシ官能性エチレン-プロピレン、エチレン-ブチレン若しくはエチレン-プロピレン-ジエンコポリマー、又は1,3-ブタジエンなどのジエン若しくはジエン混合物とスチレン、アクリロニトリル若しくはイソブチレンなどのビニルモノマーとのポリヒドロキシ官能性コポリマー、又は例えば、1,3-ブタジエンとアリルアルコールの共重合により調製され、水素化することもできるポリヒドロキシ官能性ポリブタジエンポリオール。
- 例えば、エポキシド又はアミノアルコール及びカルボキシル末端アクリロニトリル/ブタジエンコポリマーから調製することができる、ポリヒドロキシ官能性アクリロニトリル/ブタジエンコポリマー(NoveonからHypro(登録商標)CTBN(以前はHycar(登録商標)CTBN)の名称のもとに市販されている)。
【0088】
前述のこれらのポリオールは、好ましくは250〜30000g/モル、特に1000〜30000g/モルの平均分子量を有し、好ましくは1.6〜3の範囲の平均OH官能性を有する。
【0089】
特に適するポリオールは、polCterpolyol及びポリエーテルポリオール、特にポリオキシエチレンポリオール、ポリオキシプロピレンポリオール及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオール、好ましくはポリオキシエチレンジオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンジオール及びポリオキシプロピレンポリオキシエチレントリオールである。
【0090】
前述のこれらのポリオールに加えて、少量の低分子量二価又は多価アルコール、例えば、1,2-エタンジオール、1,2-及び1,3-プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、異性体ジプロピレングリコール及びトリプロピレングリコール、異性体ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3-及び1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素化ビスフェノールA、二量体脂肪アルコール、1,1,1-トリメチロールエタン、1,1,1-トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、キシリトール、ソルビトール又はマンニトールなどの糖アルコール、ショ糖などの糖、他の高級多価アルコール、前述の二価及び多価アルコールの低分子量アルコキシル化生成物、並びに前述のアルコールの混合物を、ポリウレタンプレポリマーの調製にさらに用いることができる。
【0091】
これらの組成物は、充填剤、付着促進剤、安定剤、チキソトロープ剤、硬化触媒及びポリウレタン組成物の技術分野の技術者に公知である他の添加剤などの他の成分をさらに含んでいてよい。
【0092】
充填剤は、未硬化組成物のレオロジー特性と硬化組成物の機械的性質及び表面特性の両方に影響を及ぼす。適切な充填剤は、無機及び有機充填剤、例えば、脂肪酸、特にステアリン酸塩で任意選択で被覆されている天然、粉砕又は沈澱炭酸カルシウム、硫酸バリウム(BaSO4、バライト又は重晶石としても公知)、焼成カオリン、石英粉、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、シリカ、特に、熱分解法による高分散度シリカ、カーボンブラック、特に工業的に製造されたカーボンブラック、PVC粉末又は中空球である。好ましい充填剤は、硫酸バリウム及び炭酸カルシウム、カーボンブラック並びに難燃性充填剤、例えば、水酸化物又は水和物、特にアルミニウムの水酸化物又は水和物、好ましくは水酸化アルミニウムである。
【0093】
これらの組成物は、非常に速やかに硬化し、特に、ポリオキサゾリジンPUC及びポリオキサゾリジンPOCの構造の選択により硬化挙動を容易に変化させることができる点で利点を有する。
【0094】
該組成物は、広範囲の用途に、特にコーティング、接着剤、封止材として、床張り材又は成形品用組成物として用いることができる。
【0095】
これらの組成物は、修理、土木工学及び物品の工業的製造の分野に、特に自動車などの輸送手段の製造に用いるのに特に適している。
【実施例】
【0096】
以下の実施例は、上述の本発明を例示する役割を果たす。
【0097】
2-(2-イソプロピルオキサゾリジン-3-イル)エタノール(i-Pr-OE)の合成
1495.07g(14.2モル)のジエタノールアミン及び400gの軽質石油ナフサ溶媒を、撹拌機及び還流冷却器を装着した5リットル反応フラスコに加えた。加熱マントルを用いて混合物を40℃に加熱し、反応温度を60℃以下に維持しながら、1104.9g(15.3モル)のイソブチルアルデヒドを1時間にわたり徐々に加えた。イソブチルアルデヒドのすべてが添加された時点で、ディーン-スターク装置を反応容器に加え、混合物を85℃に加熱した。254.3gの水が留去されるまで、反応を80〜85℃に維持した。次に反応温度を125℃に上昇させ、溶媒及び過剰のイソブチルアルデヒドを減圧下(約0.8バール)で留去した。
【0098】
得られた2-(2-イソプロピルオキサゾリジン-3-イル)エタノール(i-Pr-OE)は、97.1%の純度(GCにより測定)を有する黄色油とした単離した。
【0099】
ポリオキサゾリジンPOU-1の合成
994.6g(6.3モル)の2-(2-イソプロピルオキサゾリジン-3-イル)エタノール(i-Pr-OE)及び0.12gのDBTDL触媒を1リットル反応容器に加えた。335.5g(1.9モル)のトルエンジイソシアネート(Desmophen T80)(2,4-及び2,6-トルエンジイソシアネートの80:20混合物)を2時間にわたって滴加した。緩やかな加熱を用いて反応混合物を90〜100℃に1.5〜2時間保持した。反応の終了は、IR分析及び2275cm-1におけるNCOピークの消失により判断した。最終ビスオキサゾリジン生成物POU-1は、Brookfieldにより20℃で測定した粘度が21.4Pa・s(214P)の粘稠な浅黄色液体として単離した。
【0100】
ポリオキサゾリジンPOC-1の合成
1081.98g(6.8モル)の2-(2-イソプロピルオキサゾリジン-3-イル)エタノール(i-Pr-OE)、912.9g(10.1モル)の炭酸ジメチル及び5.12gのカリウムtert-ブトキシドを還流冷却器を装着した2リットル反応フラスコに加え、80℃に加熱した。エステル交換を窒素中で80〜100℃で6時間実施し、その後、バッチを還流に設定し、80〜130℃でメタノールを除去した。112.3gのメタノールを収集した。収集された過剰な質量は、過剰の炭酸ジメチルに起因していた。最終ビスオキサゾリジン生成物POC-1は、48.2mPa・s (48.2cP)の粘度(用いた方法については、前記のPOU-1の合成を参照)を有し、77%の純度(GCにより測定)を有する自由流動性黄色液体として単離した。
【0101】
ポリオキサゾリジンPOU-2の合成
668.8g(4.2モル)の2-(2-イソプロピルオキサゾリジン-3-イル)エタノール(i-Pr-OE)及び0.08gのDBTDL触媒を1リットル反応容器に加えた。反応温度を100℃以下に維持しながら、331.1g(2.0モル)のヘキサメチレン1,6-ジイソシアネート(HDI)を1.5時間にわたり滴加した。次に、緩やかな加熱を用いて反応混合物を90〜100℃に2時間保持した。反応の終了は、IR分析及び2275cm-1におけるNCOピークの消失により判断した。最終ビスオキサゾリジン生成物POU-2は、15.4Pa・s(154P)の粘度(用いた方法は上のPOU-1の合成を参照)を有する粘稠な黄色液体として単離した。
【0102】
貯蔵安定性試験
ポリオキサゾリジンそれぞれの混合物(窒素中混合容器中でTable 1(表1)に示した混合比で2つのポリオキサゾリジンを60℃で30分混合することにより調製した)をそれらの貯蔵安定性を考慮して、それぞれそれらの結晶化する傾向について試験した。
【0103】
このために、比較例(Ref.1、Ref.2及びRef.3)並びに実施例(1、2、3及び4)を個別に4℃及び-12.5℃の密封容器中に貯蔵する。試料が結晶化したか否かを判断するために試料を定期的にチェックした。Table 1(表1)に試料が結晶化した(「C」)又は結晶化しなかった(「NC」)又は部分的に結晶化した(「PC」)かどうかを示した。
【0104】
さらなる一連の実験において、POU-2の少数の結晶を種結晶として各種試料のそれぞれに最初に加え、結晶化挙動を同様にしてチェックした。
【0105】
【表1】

【0106】
Table 1(表1)の結果から、実施例1、2及び3は少なくとも2つのウレタン基のみを有するポリオキサゾリジン(Ref.1及びRef.2)と比較してはるかに良好な貯蔵安定性を有することがわかる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)少なくとも2つのウレタン基を有する少なくとも1種のポリオキサゾリジンPOU及び
b)少なくとも1つのカルボナート基を有する少なくとも1種のポリオキサゾリジンPOC
を含む組成物。
【請求項2】
ポリオキサゾリジンPOUが以下の式(I)、特に式(Ia)
【化1】

[式中、
R1は、炭素数2〜5のアルキレン基、特にエチレン基であり、
R2及びR3は、個別にHあるいは任意選択で置換されている炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基又はアリール基であり、
R4は、n個のイソシアネート基の除去の後の150〜4000g/モル、特に160〜1000g/モルの分子量のポリイソシアネートのn価残基であり、
n=2、3、4、5又は6である]
による構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
R4
【化2】

又はその対応するジイソシアネートのイソシアヌレート若しくはビウレット若しくはウレトジオンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
R4が、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、1-イソシアナト-3,3,5-トリメチル-5-イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート又はIPDI)、2,4-トルエンジイソシアネート、2,6-トルエンジイソシアネート及びn個のNCO基の除去後のそのイソシアヌレート又はビウレット又はウレトジオンからなる群から選択されることを特徴とする、請求項2又は3に記載の組成物。
【請求項5】
ポリオキサゾリジンPOCが以下の式(II)、特に式(IIa)
【化3】

[式中、
R5は、炭素数2〜5のアルキレン基、特にエチレン基であり、
R6及びR7は、個別にHあるいは任意選択で置換されている炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐アルキル基又はアリール基であり、
m=1、2、3、4、5又は6、特に2であり、
R8は、以下の式(III)
【化4】

の置換基を特に有する15〜1000g/モルの分子量のm価残基である]
による構造を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
ポリオキサゾリジンPOCが
【化5】

[式中、R6及びR7は、個別にHあるいは任意選択で置換されている炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基又はアリール基、好ましくはメチル、エチル若しくはイソプロピル基である]
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
ポリオキサゾリジンPUCが以下の式(IV)又は(IV')のビスオキサゾリジンであり、ポリオキサゾリジンPOCが以下の式(V)
【化6】

[式中、R2、R3、R6及びR7は、互いに独立にH又は炭素数1〜10の直鎖若しくは分岐アルキル基、特にメチル、エチル若しくはイソプロピル基、好ましくはイソプロピル基である]
のビスオキサゾリジンであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
R2及びR6がHであることを特徴とする、請求項2から7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1種の二環式オキサゾリジンBCOをさらに含むことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
二環式オキサゾリジンBCOが以下の式(VI)
【化7】

[式中、R9、R10、R11及びR12は、個別に、炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐ヒドロキシアルキル基、又は炭素数が好ましくは6〜12のアリール基若しくはシクロアルキル基であり、
R13は、H又は炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐ヒドロキシアルキル基であり、
R14、R15、R16及びR17は、個別に、H又は炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は炭素数が好ましくは1〜8の直鎖若しくは分岐ヒドロキシアルキル基である]
による構造を有することを特徴とする、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
すべてのポリオキサゾリジンPOC及び任意選択で存在するすべての二環式オキサゾリジンBCO並びにすべてのポリオキサゾリジンPOUの合計の量が、総組成物の重量に関して80〜100重量%、特に90〜100重量%、好ましくは95〜100重量%であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
すべてのポリオキサゾリジンPOCの合計とすべてのポリオキサゾリジンPOUの合計の重量比が5:95〜95:5、特に10:90〜45:55、好ましくは25:75〜35:65であることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
ポリイソシアネート、特に少なくとも2つのNCO基を有するポリマーをさらに含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
すべてのポリオキサゾリジンPOC及び二環式オキサゾリジンBCO並びにすべてのポリオキサゾリジンPOUの合計の量が、総組成物の重量に関して5〜20重量%、特に5〜15重量%、好ましくは6〜10重量%であることを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
ポリイソシアネート用の非結晶性硬化剤としての、請求項1から12のいずれか一項に記載の組成物の使用。

【公表番号】特表2013−509370(P2013−509370A)
【公表日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−535755(P2012−535755)
【出願日】平成22年10月22日(2010.10.22)
【国際出願番号】PCT/EP2010/065998
【国際公開番号】WO2011/051191
【国際公開日】平成23年5月5日(2011.5.5)
【出願人】(504274505)シーカ・テクノロジー・アーゲー (227)
【Fターム(参考)】