説明

非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置

【課題】高出力の超短パルスを効率よく発生させることができる非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置を提供する。
【解決手段】非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、薄型(マイクロチップ)レーザー媒質8および非線形光学結晶9をレーザー共振器内に備え、出力ミラー5にはレーザー発振光の10%以上を外部に透過する反射膜とレーザー発振光の第二高調波の波長に対する全反射膜が形成されており、前記非線形光学結晶9より発生した第二高調波は前記レーザー共振器内で全反射で前記出力ミラー5まで到達するように各共振器ミラーに反射膜が形成されたレーザー装置であって、前記非線形光学結晶9の厚みを0.1mm〜2mmと小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な加工用途、特に融点の高い難加工物質の加工や周辺への熱影響を嫌う加工において高出力でパルス幅が短く、尖頭値光強度の高いレーザー光を出射できる固体レーザー装置が要求されている。そのために、レーザーの共振器内にQスイッチ素子と呼ばれる電気的なシャッターを挿入し、一時的にエネルギーを固体レーザー媒質内に蓄積させる方法もよく知られているが、さらに短いパルス幅の光を得る方法として光の強度により屈折率が変化するカーレンズ素子と呼ばれるものを挿入したり、固体レーザー媒質自体が持つカーレンズ効果を利用したりする方法が知られている。また、さらに最近では外部からの電気エネルギーを必要とせず簡単な構成で安定な光パルスを得る方法として、光強度により透過率が変化する可飽和吸収体と呼ばれる媒質、例えばSESAM(半導体可飽和吸収体)やCrを添加した媒質を共振器内に挿入する方法もよく用いられている。
【非特許文献1】電子情報通信学会論文誌 C,Vol.J84−C,No.10,pp.918−925,2001年10月
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、可飽和吸収体を利用した方法では、共振器内に吸収体が存在することによる損失が大きく、高出力化する場合には可飽和吸収体での発熱や損傷が実用化への妨げになっている。そこで、外部からの電気エネルギーを必要とせず、しかも吸収による発熱のない媒質を用いる方法として、レーザー発振器の内部に第二高調波発生(Second harmonic generation:SHG)用に位相整合条件を満足した非線形光学結晶を挿入し、非線形光学結晶より発生した第二高調波をレーザー発振光(基本波)との位相を制御して非線形光学結晶に戻すことで、実効的に光強度により反射率を変えることができ、パルス動作を行わせる方法が注目されている。この方法では非線形光学結晶内で発熱がないため高出力動作時でも安定した短パルス動作が期待されている。
【0004】
しかし、この方法においては、非線形光学結晶から発生した第二高調波を非線形光学結晶に戻す際に、レーザー発振光との位相を合わせるために非線形光学結晶と出力ミラーの距離を安定したパルスが得られる位置に調整する必要がある。ところが、一般に出力ミラーの位置を移動させると、共振器内、特にレーザー媒質内でのレーザー発振モードが変化し、レーザー出力や出力ビームの形状(ビーム径や放射角)が大きく変化してしまう問題があった。そこで出力ミラーの位置を移動しても共振器内でのレーザー発振モードの変化が小さい共振器を構成する必要がある。さらに非線形光学結晶から発生した第二高調波光を効率よく元の非線形光学結晶に戻すために、それらの光路に当たるミラーには第二高調波の波長に対し高い反射率を持たせる必要がある。
【0005】
また一方、最近、半導体レーザー(LD)で励起可能で短パルス動作が可能な高効率な固体レーザー媒質として、Yb:YAGを代表とする、発光中心元素としてYbを添加した媒質が注目されている。しかしながら、この媒質はレーザー発振特性の温度依存性が大きく、励起による発熱によって熱がレーザー媒質内にこもり温度が上昇すると出力が大きく低下したり、発振が停止したりすることがあった。そこで、最近ではレーザー媒質の一面を金属などのヒートシンクに密着あるいは接合させ、レーザー光をヒートシンクに密着した面に相対する面を通して取り出すことで、レーザー媒質内で発生した熱を効率よく排熱することが可能になり、高出力動作時においても発振特性の劣化が少ないレーザー媒質の形状、励起方法が考案されている。このときヒートシンクに接合する面には予めレーザー光に対し高い反射率の膜を形成しておき、接合していない面からレーザー媒質中を透過したレーザー光はそこで反射されて再び同じ面から出射されるような構成(反射型)で用いられる。この構成ではレーザー媒質内での温度の分布がレーザー光に対し垂直に形成されるためにレーザー光が面内で受ける熱的な影響が少なく、さらにレーザー媒質の厚みを薄くすることで温度上昇もさらに小さくなりしかもレーザー媒質内でレーザー光が透過する距離が短いため、レーザー光が受ける分散の影響も小さくなるためより短いパルスの発生も可能になる。
【0006】
本発明は、上記状況に鑑みて、高出力の超短パルスを効率よく発生させることができる非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、薄型(マイクロチップ)レーザー媒質および非線形光学結晶をレーザー共振器内に備え、出力ミラーにはレーザー発振光の10%以上を外部に透過する反射膜とレーザー発振光の第二高調波の波長に対する全反射膜が形成されており、前記非線形光学結晶より発生した第二高調波は前記レーザー共振器内で全反射で前記出力ミラーまで到達するように各共振器ミラーに反射膜が形成されたレーザー装置であって、前記非線形光学結晶の厚みを0.1mm〜2mmと小さくすることを特徴とする。
【0008】
〔2〕上記〔1〕記載の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、前記非線形光学結晶はレーザー発振光の波長により位相整合が可能でしかも非線形光学常数の大きな結晶であることを特徴とする。
【0009】
〔3〕上記〔1〕記載の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、前記非線形光学結晶はLBO結晶であることを特徴とする。
【0010】
〔4〕上記〔1〕記載の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、前記非線形光学結晶はBBO結晶であることを特徴とする。
【0011】
〔5〕上記〔1〕記載の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、前記薄型(マイクロチップ)レーザー媒質の裏面にヒートシンクが接合されることを特徴とする。
【0012】
〔6〕上記〔1〕記載の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、前記共振器ミラーは凹面ミラーからなり、前記出力ミラーとは反対側の光路の終端部に平面終端ミラーを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0014】
薄型(マイクロチップ)レーザー媒質および非線形光学結晶をレーザー共振器内に備え、出力ミラーにはレーザー発振光の10%以上を外部に透過する反射膜とレーザー発振光の第二高調波の波長に対する全反射膜が形成されており、前記非線形光学結晶より発生した第二高調波は前記レーザー共振器内で全反射で前記出力ミラーまで到達するように各共振器ミラーに反射膜が形成されたレーザー装置であって、非線形光学結晶の厚みを0.1mm〜2mmと小さくすることにより、位相整合許容波長幅が広くなるため、モード同期をかけた際に時間領域ではより短い、フェムト秒領域のパルスが出せるようになる。さらに、薄型(マイクロチップ)レーザー媒質と組み合わせることで高出力の超短パルスを効率よく発生させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置は、薄型(マイクロチップ)レーザー媒質および非線形光学結晶をレーザー共振器内に備え、出力ミラーにはレーザー発振光の10%以上を外部に透過する反射膜とレーザー発振光の第二高調波の波長に対する全反射膜が形成されており、前記非線形光学結晶より発生した第二高調波は前記レーザー共振器内で全反射で前記出力ミラーまで到達するように各共振器ミラーに反射膜が形成されたレーザー装置であって、前記非線形光学結晶の厚みを0.1mm〜2mmと小さくする。
【実施例】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の実施例を示す非線形光学素子を備えた超短パルスレーザー装置の模式図である。
【0018】
この図に示すように、共振器を有するレーザー装置は、凹面ミラー1〜4(M1、M2、M3、M4)および平面出力ミラー5(OC)、平面終端ミラー6(EM)、一方の面がヒートシンク7に接合され、相対する面よりレーザー光を外部に入出射する反射型の薄型(マイクロチップ)レーザー媒質8(LC)よりなり、共振器内には非線形光学結晶9(NC)が挿入されている。10はレーザー発振光光路である。
【0019】
このように、薄型(マイクロチップ)レーザー媒質8および非線形光学結晶9をレーザー共振器内に備え、出力ミラー5にはレーザー発振光の10%以上を外部に透過する反射膜とレーザー発振光の第二高調波の波長に対する全反射膜が形成されており、非線形光学結晶9より発生した第二高調波は共振器内で全反射で出力ミラー5まで到達するように各共振器ミラー1〜4(M1、M2、M3、M4)に反射膜が形成されたレーザー装置において、特に、非線形光学結晶9の厚みを0.1mm〜2mmと小さくするようにしたので、位相整合許容波長幅が広くなり、モード同期をかけた際に時間領域ではより短い、超短パルスが出せるようになる。結晶を短くした場合は、非線形効果を引き起こすのにより強いパワーが求められる。一方で、短いパルスを得るには結晶を短くする必要があり、両者を満たすのは困難とされていた。また、従来はYbではなく、Ndレーザーが中心であったためパワーが不足し、帯域幅も狭く、非線形結晶を無理して短くする必要が無かった。さらに、薄型(マイクロチップ)レーザー媒質と組み合わせることで高出力の超短パルスを効率よく発生させることができる。
【0020】
例えば、4つの凹面ミラー1〜4(M1、M2、M3、M4)の代表的な曲率半径としては凹面ミラー1,2(M1、M2)が1m、凹面ミラー3,4(M3、M4)が0.1mである。また、共振器ミラーの間隔としては、凹面ミラー1(M1)−平面終端ミラー6(EM)間が0.3m、レーザー媒質8(LC)−凹面ミラー1(M1)間が0.9m、凹面ミラー2(M2)−レーザー媒質8(LC)間が0.6m、凹面ミラー2,3(M2−M3)間が0.3m、凹面ミラー3,4(M3、M4)間が0.1m、位相を合わせるために距離を変化させる凹面ミラー4(M4)−出力ミラー5(OC)間は代表的には0.2mであるが、0.1mから0.5mまで変化させてもレーザー発振モードに大きな変化は起こらない。非線形光学結晶9(NC)としては、例としてここでは長さ0.1mm〜2mmの短いLBO結晶を用いた。LBO結晶はレーザー発振光(基本波)波長に対し、第二高調波を発生させる角度および温度の位相整合条件を満足しており、レーザー発振光が通過する面には基本波と第二高調波に対し全反射する誘電体多層膜が形成されている。レーザー媒質の構成としては、後述する図5に代表的な構成を示す。
【0021】
この構成により安定したパルス動作を得るために出力ミラー5(OC)の位置を移動しても、共振器中の非線形光学結晶9(NC)やレーザー媒質8(LC)における発振モードの変化が小さいために、レーザー発振特性の変化が小さく、かつレーザー光に対し媒質の熱影響を受けることが少ないレーザー媒質構成を用いているため高出力においても安定した短パルス動作が得られる。また、この構成では平面終端ミラー6(EM)を凹面ミラー1(M1)との光軸に沿って移動させてもレーザー発振モードに大きな変化が起こらないことから、出力ミラー5(OC)を動かしたことによりレーザーの共振器長が変化するために出力パルスの繰り返し周波数は変化するが、平面終端ミラー6(EM)の位置を調節することにより同様に共振器長を調整することができるために、繰り返し周波数を所望の値に合わせることができる。平面終端ミラー6(EM)を動かしても非線形光学結晶9(NC)における基本波と第二高調波の位相関係は変化しないために独立に調整することができる。
【0022】
図2は本発明の第2実施例を示す非線形光学素子を備えた超短パルスレーザー装置の模式図である。
【0023】
この実施例では、図1に示した共振器を有するレーザー装置の終端ミラー6(EM)のミラーを省略した構成になっている。それ以外の構成は、図1と同一である。
【0024】
この構成により、少ない数のミラーで高出力、短パルス動作が得られる。
【0025】
図3は本発明の第3実施例を示す非線形光学素子を備えた超短パルスレーザー装置の模式図である。
【0026】
この実施例では、図2に示した共振器を有するレーザー装置の凹面ミラー1(M1)のミラーを省略した構成になっている。ここで、凹面ミラー2(M2)−薄型レーザー媒質8(LC)間は0.5mで、それ以外の構成は図2と同一である。
【0027】
この構成により、さらに少ない数のミラーで高出力、短パルス動作が得られる。
【0028】
図4は本発明の第4実施例を示す非線形光学素子を備えた超短パルスレーザー装置の模式図である。
【0029】
この実施例では、図3に示した共振器を有するレーザー装置の凹面ミラー2(M2)を省略した構成になっている。凹面ミラー3(M3)−レーザー媒質8(LC)間は0.7mでそれ以外の構成は図1と同じである。
【0030】
この構成により、さらに少ない数のミラーで高出力、短パルス動作が得られる。
【0031】
図5は本発明における、一方の面がヒートシンクに接合され、相対する面よりレーザー光を外部に入出射する反射型のレーザー媒質の一例を示す模式図である。
【0032】
これらの図において、11は励起用半導体レーザー、12はFAコリメートレンズ、13はSA集光レンズ、14はFA集光レンズ、14Aは励起光、15はヒートシンク、16はそのヒートシンク15上に配置されるレーザー装置である。このレーザー装置16は、中央に位置する円筒状の固体レーザー媒質17と、この固体レーザー媒質17の周囲に配置される励起光ガイド18を有し、その励起光ガイド18の側面に励起光14Aが照射される励起光窓19が設けられる。 そこで、励起光窓19から励起光14Aを励起光ガイド18に導入し、固体レーザー媒質17を励起する。レーザー発振光は固体レーザー媒質17のレーザー光出力20として取り出される。
【0033】
ここでレーザー媒質17は母材としてガーネット結晶(YAG,YAO,YSO,GSGG,GGG)でもよいし、フッ化物結晶(YLF、LiSAF、LiCAF)でも、タングステート結晶(KGW、KYW)、バナデート結晶(YVO4 、GdVO4 など)でも良い。またレーザー発振元素はYbでもNdでもTm、Ho、Cr、Ti、Pdでもよい。例えばYb:YAGを選択した場合にはレーザー発振光(基本波)の波長の代表例としては1030nmであり、第二高調波としては515nmが選択される。また励起用のLDの波長は940nmが代表的である。
【0034】
また非線形光学結晶NCとしてLBOをあげたが、他にBBO、CBO、CLBO、YCOB、GdCOB、GdYCOB、KTP、KTA、KDP、LiNbO3 でもよい。なお、BBOは、求めない非線形効果が小さいので、LBOよりも望ましい。これまでは結晶を厚くする必要が有ったので、ウォークオフが強く敬遠されていたが、Yb:YGAマイクロチップレーザーとの組み合わせでは結晶を短くできることから有効となる。レーザー発振光の波長により位相整合が可能でしかも非線形光学常数の大きな結晶を選択すればより高い効率的で短パルスの発生が可能になる。特に、ErレーザーとPPMgLN(周期分極反転マグネシウ添加ニオブ酸リチウム)の組み合わせが良好である。
【0035】
したがって、レーザー媒質内では大きなTEM00モード、逆に非線形光学結晶内では小さなTEM00モードで動作させることができ大出力で、高効率の非線形現象を実現することができる。さらに出力ミラー(OC)を路光に沿って前後に移動してもそれらのモードの変化が少ないために非線形光学ミラーモードロック動作を行わせる際に良好なレーザー特性を維持したまま、基本波とSHGの分散を補正することができる。
【0036】
本発明によれば、理化学用はもちろん加工などの産業分野においても必要とされている高出力で高品位、高信頼性なレーザー装置を高効率で提供することができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。例えば本発明における共振器構成において、レーザー共振器のサイズを小さくするために光路内に平面ミラーを1枚あるいは複数枚導入して光路を折り返しても、基本的な構成は本発明による範疇に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明の非線形光学素子を備えた超短パルスレーザー装置は、理化学用はもちろんのこと加工用などの産業分野においても利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施例を示す非線形光学素子を備えた超短パルスレーザー装置の模式図である。
【図2】本発明の第2実施例を示す非線形光学素子を備えた超短パルスレーザー装置の模式図である。
【図3】本発明の第3実施例を示す非線形光学素子を備えた超短パルスレーザー装置の模式図である。
【図4】本発明の第4実施例を示す非線形光学素子を備えた超短パルスレーザー装置の模式図である。
【図5】本発明における、一方の面がヒートシンクに接合され、相対する面よりレーザー光を外部に入出射する反射型のレーザー媒質の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
【0040】
1〜4 凹面ミラー1〜4(M1、M2、M3、M4)
5 平面出力ミラー(OC)
6 平面終端ミラー(EM)
7,15 ヒートシンク
8 反射型の薄型(マイクロチップ)レーザー媒質(LC)
9 非線形光学結晶(NC)
10 レーザー発振光光路
11 励起用半導体レーザー
12 FAコリメートレンズ
13 SA集光レンズ
14 FA集光レンズ
14A 励起光
16 レーザー装置
17 固体レーザー媒質
18 励起光ガイド
19 励起光窓
20 レーザー光出力

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄型(マイクロチップ)レーザー媒質および非線形光学結晶をレーザー共振器内に備え、出力ミラーにはレーザー発振光の10%以上を外部に透過する反射膜とレーザー発振光の第二高調波の波長に対する全反射膜が形成されており、前記非線形光学結晶より発生した第二高調波は前記レーザー共振器内で全反射で前記出力ミラーまで到達するように各共振器ミラーに反射膜が形成されたレーザー装置であって、前記非線形光学結晶の厚みを0.1mm〜2mmと小さくすることを特徴とする非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置。
【請求項2】
請求項1記載の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、前記非線形光学結晶はレーザー発振光の波長により位相整合が可能でしかも非線形光学常数の大きな結晶であることを特徴とする非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置。
【請求項3】
請求項1記載の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、前記非線形光学結晶はLBO結晶であることを特徴とする非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置。
【請求項4】
請求項1記載の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、前記非線形光学結晶はBBO結晶であることを特徴とする非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置。
【請求項5】
請求項1記載の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、前記薄型(マイクロチップ)レーザー媒質の裏面にヒートシンクが接合されることを特徴とする非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置。
【請求項6】
請求項1記載の非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置において、前記共振器ミラーは凹面ミラーからなり、前記出力ミラーとは反対側の光路の終端部に平面終端ミラーを具備することを特徴とする非線形光学結晶を備えた超短パルスレーザー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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