説明

非線形劣化補償方法および装置

【課題】逆伝搬部の各段階における乗算パラメータを計算することにより、乗法子を構成することによって、同じ性能を有しながらも、段階数が少なくてすむ逆伝搬部が利用され得て、これにより、複雑さがさらに低下される。
【解決手段】非線形劣化補償方法は、入力時間領域信号に基づいて、入力信号への非線形劣化を示す複数の乗算パラメータを計算することと、複数の乗算パラメータを使用して、複数の乗法子を構成することと、入力時間領域信号を遅延させることと、複数の乗法子を使用して、遅延した入力時間領域信号を補償することとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非線形劣化を補償する方法および装置に係わり、例えば、偏波コヒーレント光通信システムにおける非線形劣化を補償または抑制する技術に適用可能である。
【背景技術】
【0002】
自己位相変調(SPM:self-phase modulation)またはチャネル内の非線形性に起因する位相ノイズ及び波形劣化は、長距離伝送光通信システムの主要なコスト要因の1つである。コヒーレント光通信システムにおいて、自己位相変調の非線形劣化を補償するために、コヒーレント受信器のデジタルの逆伝搬部(BP:back-propagation)を利用することがある。同様に、逆伝搬部の非線形補償は、光ファイバ送信リンクによって生じる非線形劣化を除去するために、送信器においても利用され得る。
【0003】
図1は、逆伝搬技術を利用する受信器のブロック図を示す。図1に示すように、逆伝搬技術を利用する受信器において、逆伝搬部は、フロントエンド処理された信号の逆伝搬処理を行う。逆伝搬部は、非線形補償のために主として利用されるため、本明細書において、非線形劣化補償装置とも呼ばれる。
【0004】
受信器は、通常、直列に接続された複数の逆伝搬部(図面中×Mとして、すなわちM段の逆伝搬部を有することを示す)を含む。図1に示すように、各段階の逆伝搬部は、線形劣化、すなわち波長分散劣化を補償する波長分散補償器(CDC:chromatic dispersion compensator)と、非線形劣化、すなわち自己位相変調劣化を補償する非線形補償器(NLC:nonlinear compensator)とを含む。図1に示す受信器における等化、偏波分離、周波数オフセット補償、位相再生、及びデータ再生のためのその他の構成要素は、全て公知の技術であり、その構成については、特許文献1ならびに特許文献2に記載されている。これらの2つの特許文献は、参照により、その全内容が本明細書に記載されているものとして、本出願に取り込まれるものとする。
【0005】
図2は、非線形補償器(NLC)の構成を示す。図2に示すように、非線形補償器は2つの部分、すなわち、様々な非線形劣化を計算する非線形劣化計算器と、非線形劣化計算器からの出力を利用することにより、信号内の非線形劣化を除去する非線形劣化除去器からなる。
【0006】
図3は、従来の非線形補償器(NLC)における非線形劣化計算器の構成を示す。信号の瞬時電力の和を非線形劣化の大きさとして、

で表す。図4は、従来の非線形補償器(NLC)における非線形劣化除去器の構成を示す。指数演算後、図3において計算された非線形劣化

は、非線形劣化を除去するために、信号のX偏波状態及びY偏波状態へそれぞれ乗算される。非線形劣化は、乗算によって最終的に除去されるため、かかる

は、乗算パラメータと呼ばれ得る。
【0007】
図5は、従来の非線形劣化計算器を改良した構成を示す。加重平均後の信号の瞬時電力の和が、非線形劣化の大きさとなる。非線形劣化計算器によって計算された非線形劣化の大きさは、図4に示すように、非線形劣化除去器によって除去され得る。
【0008】
これら従来の逆伝搬方法の不利な点は、精度が高くなく、非常に多くの段数が要求されることである。したがって、かかる方法は、実際の偏波通信システムにおいて実用化できないものである。
【0009】
本発明を理解するうえで有用な文献を以下に列挙するが、これらは参照により、その全内容が本明細書に記載されているものとして、本出願に取り込まれるものとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】中国出願番号:200710196347.8
【特許文献2】中国出願番号:200710188795.3
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Ezra Ip, JLT, vol 26, no 20, pp3416 (2008);
【非特許文献2】Shoichiro Oda, OFC2009, paper OThR6;
【非特許文献3】X. Wei, Opt. Lett., vol 31, no 17, pp2544(2006);
【非特許文献4】A. Mecozzi, PTL, vol 12, no4, pp392 (2000);
【非特許文献5】Lei Li, OFC2011, paper OWW3.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、従来技術における上記の課題を鑑みて、その制限や不利な点から生じる1または複数の問題点を解決または緩和し、少なくとも1の有益な選択肢を提供するためになされるものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するために、本発明の一態様において、非線形劣化補償方法が提供される。本発明の1つの態様の非線形劣化補償方法は、偏波多重通信システムにおいて利用される方法であって、入力時間領域信号に基づいて、入力信号への非線形劣化を示す複数の乗算パラメータを計算することと、複数の乗算パラメータを使用して、複数の乗法子を構成することと、複数の乗法子を使用して、入力時間領域信号を補償することとを含む。
【0014】
本発明の他の態様において、非線形劣化補償装置が提供される。本発明の他の態様の非線形劣化補償装置は、偏波多重通信システムにおいて利用される装置であって、入力時間領域信号に基づいて、入力時間領域信号への劣化を示す複数の乗算パラメータを計算する乗算パラメータ計算部と;複数の乗算パラメータを使用して、複数の乗法子を構成する乗法子構成部と、複数の乗法子を使用して、入力時間領域信号を補償する補償部とを含む。
【発明の効果】
【0015】
本出願の実施形態は、時間領域と偏波との両方に対応する非線形補償方法と装置を提供する。逆伝搬部の各段階における乗算パラメータを計算することにより乗法子を構成することを通じて、同じ性能を有しながらも段階数が少なくてすむ逆伝搬部が用いられ得、これにより、複雑さがさらに低下される。
【0016】
本発明に関する上記の、及びその他の目的、特徴ならびに有利な点については、図面を参照しながら以下の本発明の詳細な説明に基づき、より明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】逆伝搬技術を利用する受信器のブロック図である。
【図2】非線形補償器(NLC)の構成を示す図である。
【図3】従来の非線形補償器における非線形劣化計算器の構成を示す図である。
【図4】従来の非線形補償器における非線形劣化除去器の構成を示す図である。
【図5】改良された従来の非線形劣化計算器の構成を示す図である。
【図6】本発明の実施形態の非線形補償器の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の実施形態の乗算パラメータ計算部の概略図である。
【図8】本発明の他の実施形態の乗算パラメータ計算部の概略図である。
【図9】本発明のさらに他の実施形態の乗算パラメータ計算部の概略図である。
【図10】図9に示す乗算パラメータ計算部の変形図である。
【図11】本発明のさらに他の実施形態の乗算パラメータ計算部の概略図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態の乗算パラメータ計算部の概略図である。
【図13】本発明の実施形態の乗法子取得部の概略図である。
【図14】本発明の他の実施形態の乗法子取得部の概略図である。
【図15】本発明のさらに他の実施形態の乗法子取得部の概略図である。
【図16】本発明の実施形態の乗算補償部を示す図である。
【図17】2のパラメータw12及びw21のみが計算される場合の乗算補償部の概略図である。
【図18】実施形態の非線形補償部を使用する逆伝搬部の構成図である。
【図19】別の実施形態の非線形補償部を使用する逆伝搬部の構成図である。
【図20】さらに別の実施形態の非線形補償部を使用する逆伝搬部の構成図である。
【図21】図18に示す非線形補償装置と、従来の非線形補償装置とがそれぞれ利用された場合の典型的な長距離コヒーレント光伝送システムにおける性能の比較を示す図である。
【図22】実施形態の非線形補償方法を示すフローチャートである。
【図23】実施形態の逆伝搬部を含む送信器の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明について図面とともに詳細に説明する。これらの図面及び詳細な説明は、本発明の保護の範囲を限定するものではなく、単に例示的なものである。
本出願によって提供される非線形劣化の計算方法及び除去方法は、mPSK、mQAM、mAPSK等の変調フォーマット、及びサブキャリア多重、またはOFDM技術において好適であるが、これらに限定されない。
【0019】
図6は、本発明の実施形態の非線形補償器の構成を示すブロック図である。図6に示すように、本発明に係る非線形補償器600は、乗算パラメータ計算部601、乗法子取得部602、及び乗算補償部603を含んでいる。
【0020】
乗算パラメータ計算部601は、フロントエンド処理及びその段階の波長分散補償器(CDC)によって行われる波長分散補償を経て、時間領域信号(入力信号とも呼ばれる)に基づいて複数の乗算パラメータを計算する。乗法子取得部602は、複数の乗算パラメータを使用することによって、複数の乗法子を構成する。乗算補償部603は、複数の乗法子を使用することによって、入力信号を補償する。乗算パラメータ計算部601は、非線形劣化計算器に対応している。
【0021】
乗算パラメータ計算部601について、以下記載するが、これは非線形歪み計算器とも呼ばれる。
図7は、本発明の実施形態の乗算パラメータ計算部601の概略図である。
【0022】
図7に示すように、第1偏波信号Ex(t)がパワー計算器701に入力され、パワー計算器701は、信号の絶対値を計算し、その絶対値を2乗して、第1偏波信号のパワーを取得する。第1偏波信号のパワーが、乗算器702に入力され、乗算器702において、パワーに第1非線形係数γ1を乗算し、その乗算結果が加算器714に入力される。一方、第2偏波信号Ey(t)がパワー計算器711に入力され、パワー計算器711は、信号の絶対値を計算し、その絶対値を2乗して、第2偏波信号のパワーを取得する。第2偏波信号のパワーが、乗算器712に入力され、乗算器712において、かかるパワーに第2非線形係数γ2を乗算し、その乗算結果が加算器714に入力される。加算器714は、乗算器702及び712の乗算結果を加算して、第1偏波状態における信号への劣化を示す第1乗算パラメータを取得するが、かかるパラメータは第1偏波状態における位相劣化乗算パラメータとも呼ばれ得る。また、本明細書では、記載上の便宜のために、第1位相劣化乗算パラメータとも呼ぶ。
【0023】
一方、第2偏波信号のパワー(すなわち、パワー計算器711の出力)が、さらに乗算器713に出力され、乗算器713において、かかるパワーに第3非線形係数γ3を乗算し、その乗算結果が加算器715に入力される。第1偏波信号のパワーが、さらに乗算器703に入力され、かかる乗算器703において、かかるパワーに第4非線形係数γ4を乗算し、その乗算結果が加算器715に入力される。かかる加算器715は、乗算器703及び713の乗算結果を加算して、第2偏波状態における信号への劣化を示す第2乗算パラメータを取得するが、かかるパラメータは第2偏波状態における位相劣化乗算パラメータとも呼ばれ得る。また、本明細書では、記載上の便宜のために、第2位相劣化乗算パラメータとも呼ぶ。
【0024】
一方、第1偏波信号Ex(t)が乗算器704にさらに入力される。同時に、第2偏波信号Ey(t)が共役演算器705に入力され、共役演算器705は第2偏波信号を共役させ、その共役を乗算器704へ入力する。乗算器704において、第1偏波信号に第2偏波信号の共役を乗算し、その乗算結果が乗算器706に入力され、乗算結果に第5非線形係数γ5を乗算して、第2偏波状態における信号による第1偏波状態における信号へのクロストークを示す第3の乗算パラメータwxy(t)を取得するが、かかるパラメータは第2偏波状態から第1偏波状態への偏波クロストークの乗算パラメータとも呼ばれ得る。また、本明細書では、記載上の便宜のために、第1クロストーク乗算パラメータとも呼ぶ。
【0025】
一方、第1偏波信号Ex(t)が共役演算器708にさらに入力され、かかる共役演算器708は第1偏波信号を共役させ、その共役を乗算器709へ入力する。同時に、第2偏波信号Ey(t)も、乗算器709へ入力される。かかる乗算器709において、第2偏波信号に第1偏波信号の共役を乗算し、乗算結果が乗算器710に入力され、かかる乗算結果に第6非線形係数γ6を乗算して第1偏波状態における信号による第2偏波状態における信号へのクロストークを示す第4の乗算パラメータwyx(t)を取得するが、かかるパラメータは第1偏波状態から第2偏波状態への偏波クロストークの乗算パラメータとも呼ばれ得る。また、本明細書では、記載上の便宜のために、第2クロストーク乗算パラメータとも呼ぶ。
【0026】
位相劣化乗算パラメータ及びクロストーク乗算パラメータは、ともに、非線形劣化を示すパラメータであるため、これらは非線形劣化乗算パラメータとも呼ばれる。
好ましい実施形態において、第1非線形係数γ1は、第3非線形係数γ3と同じに設定され、第2非線形係数γ2は、第4非線形係数γ4と同じに設定され、及び/または第5非線形係数γ5は、第6非線形係数γ6と同じに設定される。さらに好ましい実施形態において、第1非線形係数γ1は、第2非線形係数γ2と第5非線形係数γ5との和になるよう、設定される。この場合、第2非線形係数γ2は、第4非線形係数γ4と第6非線形係数γ6との和に等しくなることは明らかである。
【0027】
図7とこれに関する説明が、本発明の範囲を限定するものではなく、単なる例示に過ぎないことが認識されるだろう。乗算器704と706との位置を交換するなど、図7に対する様々な変形が合理的に考慮され得る。したがって、本明細書の記載において、3つの数の乗算を実装するための2つの乗算器が、時に乗算部と呼ばれる。例えば、乗算器704及び706は、一般的に第1乗算部と呼ばれ、乗算器709及び710は、一般的に第2乗算部と呼ばれる。

は、時に

と表され、

は、時に

と表される。
【0028】
図8は、本発明の他の態様の乗算パラメータ計算部601の概略図を示す。
図8に示す乗算パラメータ計算部は、図7に示すものと実質的に同じであるが、乗算パラメータは、平滑器716から719によって、それぞれ平滑処理がなされる。
【0029】
平滑器は、加重平均部、デジタルフィルタ(例えば、FIRフィルタ、IIRフィルタなど)、または周波数領域に対応するフィルタとして、具体的に実現される。前記平滑器の係数h(0,t)は、例えば、非特許文献4及び非特許文献3に記載するように、リンク条件に応じて予め計算され得る。
【0030】
図9は、本発明のさらに他の実施形態の乗算パラメータ計算部601の概略図を示す。
図9に示すように、第1偏波信号Ex(t)が、パワー計算器901に入力され、信号の絶対値を計算し、その絶対値を2乗して、第1偏波信号のパワーを取得する。第1偏波信号のパワーが、乗算器902に入力され、乗算器902においてパワーに第1非線形係数γ1を乗算し、その乗算結果が平滑器911に入力される。平滑器911において、第1偏波状態における信号への劣化を示す第1乗算パラメータを取得するために、前記パワーが平滑化されるが、かかるパラメータは第1偏波状態における位相劣化乗算パラメータとも呼ばれ得る。また、本明細書では、記載上の便宜のために、第1位相劣化乗算パラメータとも呼ぶ。
【0031】
一方、第2偏波信号Ey(t)が、パワー計算器909に入力され、パワー909が信号の絶対値を計算し、その絶対値を2乗して、第2偏波信号のパワーを取得する。第2偏波信号のパワーが、乗算器910に入力され、乗算器910において、かかるパワーに第2非線形係数γ2を乗算し、その乗算結果が平滑器914に入力される。かかる平滑器914において、前記パワーが平滑化されて、第2偏波状態における信号への劣化を示す第2乗算パラメータを取得するが、かかるパラメータは第2偏波状態における位相劣化乗算パラメータとも呼ばれ得る。また、本明細書では、記載上の便宜のために、第2位相劣化乗算パラメータとも呼ぶ。
【0032】
また、一方、第1偏波信号Ex(t)が乗算器903にさらに入力される。同時に、第2偏波信号Ey(t)が共役演算器904に入力され、かかる共役演算器904は第2偏波信号を共役させ、その共役を乗算器903へ入力する。かかる乗算器903において、第1偏波信号に第2偏波信号の共役を乗算し、その乗算結果が乗算器905に入力され、第2偏波状態における信号による第1偏波状態における信号へのクロストークを示す第3の乗算パラメータwxy(t)を取得するために、第3非線形係数γ3を乗算し、その乗算結果が平滑器912によって平滑化されるが、かかるパラメータは第2偏波状態から第1偏波状態への偏波クロストークの乗算パラメータとも呼ばれ得る。また、本明細書では、記載上の便宜のために、第1クロストーク乗算パラメータとも呼ぶ。
【0033】
一方、第1偏波信号Ex(t)が共役演算器906にさらに入力され、共役演算器906は第1偏波信号を共役させ、その共役を乗算器907へ入力する。同時に、第2偏波信号Ey(t)も、乗算器907へ入力される。乗算器907において、第2偏波信号に第1偏波信号の共役を乗算し、その乗算結果が乗算器908に入力され、かかる乗算結果は第1偏波状態における信号による第2偏波状態における信号へのクロストークを示す第4の乗算パラメータwyx(t)を取得するために第4非線形係数γ4を乗算するが、かかるパラメータは第1偏波状態から第2偏波状態への偏波クロストークの乗算パラメータとも呼ばれ得る。また、本明細書では、記載上の便宜のために、第2クロストーク乗算パラメータとも呼ぶ。
【0034】
好ましい実施形態において、第3非線形係数γ3は、第4非線形係数γ4と同じに設定される。さらなる好ましい実施形態において、第1非線形係数γ1と、第2非線形係数γ2は、第4非線形係数γ4よりも大きくなるよう、設定される。この場合、第1非線形係数γ1と、第2非線形係数γ2も第3非線形係数γ3よりも大きいことは明らかである。
【0035】
変形された実施形態において、乗算器902と910とは、省略することができる。
さらに変形された実施形態において、平滑器911から914は、省略することができる。
【0036】
図10は、図9に示す乗算パラメータ計算部601の変形を示す。明らかに、図10に示す変形において、乗算器902と910ならびに平滑器911から914は、全て省略されている。
【0037】
4の乗算パラメータを計算する条件については上記の通りであるが、これらに限定されない。本発明の実施形態によれば、より多くの、あるいはより少ない数の乗算パラメータも計算され得る。
【0038】
図11は、本発明のさらに他の実施形態の乗算パラメータ計算部601の概略図を示す。
図7及び図10に示す乗算パラメータ計算部601に対して、図11に示す乗算パラメータ計算部601は、第1または第2位相劣化乗算パラメータを計算しない。
【0039】
明らかに、図11の乗算パラメータ計算部は、2つの計算されたクロストーク乗算パラメータを平滑化するための2つの平滑器を備えていてもよい。
【0040】
図12は、本発明のさらに他の実施形態の乗算パラメータ計算部601の概略図を示す。
【0041】
図12に示すように、第1偏波信号Ex(t)がパワー計算器1201に入力され、パワー計算器1201が信号の絶対値を計算し、その絶対値を2乗して第1偏波信号のパワーを取得する。第1偏波信号のパワーが、乗算器1202に入力され、乗算器1202において、かかるパワーに第1非線形係数γ1を乗算し、乗算結果が加算器1207に入力される。一方、第2偏波信号Ey(t)がパワー計算器1204に入力され、パワー計算器1204が信号の絶対値を計算し、その絶対値を2乗して、第2偏波信号のパワーを取得する。第2偏波信号のパワーが、乗算器1205に入力され、乗算器1205において、かかるパワーに第2非線形係数γ2を乗算し、その乗算結果が加算器1207に入力される。加算器1207は、乗算器1202及び1205の乗算結果を加算して、第1乗算パラメータ、すなわち、第1位相劣化乗算パラメータ

を取得する。
【0042】
一方、第2偏波信号のパワーは、乗算器1206にさらに出力され、乗算器1206において、かかるパワーに第3非線形係数γ3を乗算し、その乗算結果が加算器1208に入力される。第1偏波信号のパワーが、乗算器1203にさらに出力され、乗算器1203において、かかるパワーに第4非線形係数γ4を乗算し、その乗算結果が加算器1208に入力される。加算器1208は、乗算器1206及び1203の乗算結果を加算して、第2乗算パラメータ、すなわち、第2位相劣化乗算パラメータ

を取得する。
【0043】
図12に示す乗算パラメータ計算部は、第1または第2のクロストーク乗算パラメータを計算しない。
【0044】
明らかに、図12の乗算パラメータ計算部は、2つの計算された位相劣化乗算パラメータを平滑化するための2つの平滑器を備えていてもよい。
【0045】
好ましい実施形態において、第1非線形係数は、第3非線形係数と同じであり、第2非線形係数は、第4非線形係数と同じである。さらに、第1及び第3非線形係数は、第2及び第4非線形係数よりも大きい。
上記の実施形態において、係数がゼロのものはない。
【0046】
第1位相劣化乗算パラメータ計算部は、パワー計算器(701、901)、乗算器(702、712、902)、加算器(714)、平滑器(716、911)などの第1位相劣化乗算パラメータの計算に関連するハードウェアによって構成される。
【0047】
同様に、第2位相劣化乗算パラメータ計算部は、第2位相劣化乗算パラメータの計算に関連するハードウェアによって構成される。第1クロストーク乗算パラメータ計算部は、第1クロストーク乗算パラメータの計算に関連するハードウェアによって構成される。第2クロストーク乗算パラメータ計算部は、第2クロストーク乗算パラメータの計算に関連するハードウェアによって構成される。
【0048】
上記の乗算パラメータが計算される際に、いくつかのパラメータは、偏波合成方法を使用して計算される。すなわち、前記乗算パラメータの計算過程で、2つの偏波状態にある信号が使用される。各乗算パラメータが、2つの偏波状態にある信号を使用して計算されることが好適である。特に、第1及び第2のクロストーク乗算パラメータは、それぞれ2つの偏波状態にある信号を使用して計算される。
【0049】
乗法子取得部602及び乗算補償部603について、以下記載する。
図13は、本発明の実施形態の乗法子取得部602の概略図である。
図13において、乗算パラメータ計算部が4つの乗算パラメータを計算する場合の乗法子取得部602の概略図が示される。
【0050】
図13に示すように、第1位相劣化補償乗法子計算部1301は、第1位相劣化乗算パラメータ

の第1乗法子w11として、第1位相劣化補償乗法子を計算する。第2位相劣化補償乗法子計算部1302は、第2位相劣化乗算パラメータ

の第2乗法子w22として、第2位相劣化補償乗法子を計算する。第1クロストーク乗法子計算部1303は、第1クロストーク乗算パラメータwxyの第3乗法子w12として、第1クロストーク補償乗法子を計算する。第2クロストーク補償乗法子計算部1304は、第2クロストーク乗算パラメータwyxに基づく第4乗法子w21として、第2クロストーク補償乗法子を計算する。
【0051】
第1位相劣化補償乗法子計算部1301、第2位相劣化補償乗法子計算部1302、第1クロストーク補償乗法子計算部1303及び第2クロストーク補償乗法子計算部1304は、様々なアルゴリズムを使用して演算を行い得る。
【0052】
一実施形態において、位相劣化補償乗法子は、指数演算により取得された位相劣化乗算パラメータを使用することによって構成され、クロストーク補償乗法子は、乗算により取得されたクロストーク乗算パラメータを使用することによって構成される。具体的には、第1位相劣化補償乗法子計算部1301は、式

【0053】
により、第1乗法子w11として第1位相劣化補償乗法子を取得する。第2位相劣化補償乗法子計算部1302は、式

により、第2乗法子w22として第2位相劣化補償乗法子を取得する。式-jwxyにより、第1クロストーク補償乗法子計算部1303は、第3の乗法子w12として、すなわち、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号へのクロストーク補償乗法子として、第1クロストーク補償乗法子を取得する。式-jwyxにより、第2クロストーク補償乗法子計算部1304は、第4の乗法子w21として、すなわち、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号へのクロストーク補償乗法子として、第2クロストーク補償乗法子を取得する。
【0054】
他の実施形態において、第1位相劣化補償乗法子計算部1301は、式

による第1乗法子w11として第1位相劣化補償乗法子を取得する。第2位相劣化補償乗法子計算部1302は、

による第2乗法子w22として第2位相劣化補償乗法子を取得する。式-jwxyにより、第1クロストーク補償乗法子計算部1303は、第3乗法子w12として、すなわち、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号へのクロストーク補償乗法子として、第1クロストーク補償乗法子を取得する。式-jwyxにより、第2クロストーク補償乗法子計算部1304は、第4乗法子w21として、すなわち、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号へのクロストーク補償乗法子として、第2クロストーク補償乗法子を取得する。
【0055】
他の実施形態において、第1位相劣化補償乗法子計算部1301は、式
【数1】

により、第1乗法子w11としての第1位相劣化補償乗法子を取得する。第2位相劣化補償乗法子計算部1302は、式
【数2】

により、第2乗法子w22としての第2位相劣化補償乗法子を取得する。式-jwxyにより、第1クロストーク補償乗法子計算部1303は、第3の乗法子w12として、すなわち、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号へのクロストーク補償乗法子として、第1クロストーク補償乗法子を取得する。式-jwyxにより、第2クロストーク補償乗法子計算部1304は、第4の乗法子w21として、すなわち、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号へのクロストーク補償乗法子として、第2クロストーク補償乗法子を取得する。
【0056】
上記のアルゴリズムは、本発明の範囲を限定するものではなく、単なる例示にすぎない。例えば、式
【数3】

を適用すると、より高次の項目(例えば、4次の項)も、実際の要求に応じて計算され得る。式
【数4】

を適用した場合も同様である。
【0057】
図14は、本発明の他の実施形態の乗法子取得部602の概略図を示す。
図13に示す乗法子取得部602と比較すると、図14に示す乗法子取得部602は、第1振幅補償乗法子計算部1305、乗算器1306、第2振幅補償乗法子計算部1307、及び乗算器1308をさらに含む。その他の部品については図13に示すものと同様であるので、本明細書ではその記載を省略する。
【0058】
第1振幅補償乗法子計算部1305は、第2クロストーク乗算パラメータwyxに基づいて第1振幅補償乗法子を計算し、計算された第1振幅補償乗法子を乗算器1306に出力する。乗算器1306は、第1位相劣化補償乗法子計算部1301からの第1位相劣化補償乗法子と第1振幅補償乗法子とを乗算して第1乗法子w11を取得する。第2振幅補償乗法子計算部1307は、第1クロストーク乗算パラメータwxyに基づいて第2振幅補償乗法子を計算し、計算された第2振幅補償乗法子を乗算器1308へ出力する。乗算器1308は、第2位相劣化補償乗法子計算部1302からの第2位相劣化補償乗法子と第2振幅補償乗法子とを乗算して、第2乗法子w22を取得する。
【0059】
1の実施形態において、第1振幅補償乗法子計算部1305は、式
【数5】

によって第2クロストーク乗算パラメータwyxに基づく第1振幅補償乗法子を計算する。第2振幅補償乗法子計算部1307は、式
【数6】

によって第1クロストーク乗算パラメータwxyに基づく第2振幅補償乗法子を計算する。
【0060】
他の実施形態において、第1振幅補償乗法子計算部1305は、式
【数7】

によって第2クロストーク乗算パラメータwyxに基づく第1振幅補償乗法子を計算する。第2振幅補償乗法子計算部1307は、式
【数8】

によって第1クロストーク乗算パラメータwxyに基づく第2振幅補償乗法子を計算する。
【0061】
上記のアルゴリズムは、本発明の範囲を限定するものではなく、単なる例示にすぎない。例えば、式
【数9】

を適用すると、より高次の項目(例えば、8次の項)も、実際の要求に応じて計算され得る。式
【数10】

を適用した場合も同様である。
【0062】
図15は、本発明のさらに他の実施形態の乗法子取得部602の概略図を示す。
図14に示す乗法子取得部602と比較すると、図15に示す乗法子取得部602は、クロストーク等化乗法子計算部1309、乗算器1310、及び乗算器1311をさらに含む。その他の部品については図14に示すものと同様であるので、本明細書ではその記載を省略する。
【0063】
クロストーク等化乗法子計算部1309は、第1及び第2位相劣化乗算パラメータに基づくクロストーク等化乗法子を計算する。乗算器1311は、第1クロストーク補償乗法子計算部1303とクロストーク等化乗法子とを乗算して、第3の乗法子w12を取得する。乗算器1310は、第2クロストーク補償乗法子計算部1304の出力とクロストーク等化乗法子とを乗算して、第4乗法子w21を取得する。
【0064】
例えば、クロストーク等化乗法子計算部1309は、式
【数11】

によって、クロストーク等化乗法子を計算し得る。
【0065】
明らかに、図15に示す実施形態は変形され得る。例えば、第1振幅補償乗法子及び/または第2振幅補償乗法子は、計算しないこともできる。すなわち、クロストーク等化乗法子計算部1309及びこれに対応する乗算器は、図13に示す実施形態と単に結合され得る。
【0066】
4つの乗算パラメータの条件については、上記の通りであるが、対応する乗法子は、2、3またはそれ以上の数のパラメータが計算される場合に、類似のアルゴリズムによって決定され得る。例えば、

及び

が単に計算される場合は、w11及びw22のみが計算され得る。wxy及びwyxが単に計算される場合は、w12及びw21のみが計算され得る。



及びwxyが単に計算される場合は、w11、w22及びw12のみが計算され得る。かかる条件において、第2振幅補償乗法子も計算され得る、等である。
【0067】
一実施形態において、乗法子取得部602は、第1クロストーク乗算パラメータwxyと、第2偏波状態において遅延した信号とを乗算し、その後、第1偏波状態において遅延した信号で除算する。除算結果は、第1位相劣化クロストーク乗算パラメータに加算され、平滑化される。平滑値は、指数演算処理されて(e-j*は平滑値を示す)、第1乗法子を取得する。同時に、乗法子取得部602は、また、第2クロストーク乗算パラメータwyxと第1偏波状態における遅延した信号とを乗算し、その後、第2偏波状態における信号で除算する。除算結果は、第2位相劣化クロストーク乗算パラメータに加算され、平滑化される。平滑値は、指数演算処理されて(e-j*は平滑値を示す)第2乗法子を取得する。理解を助けるために図20を参照することができる。
【0068】
乗算補償部603について、以下記載する。
記載上の便宜のために、4つの乗法子w11、w12、w21及びw22が計算される場合について記載する。
【0069】
図16は、本発明の実施形態の乗算補償部603を示す。図16に示すように、本発明の実施形態の乗算補償部603は、第1乗算器1601、第2乗算器1602、第3乗算器1603、第4乗算器1604、第1加算器1605及び第2加算器1606を含む。
【0070】
第1偏波状態における信号は、第1乗算器において第1乗法子w11によって乗算され、第3乗算器において第4乗法子w21によって乗算される。第2偏波状態における信号は、第4乗算器において第2乗法子w22によって乗算され、第2乗算器において第3乗法子w12によって乗算される。第2乗算器の出力は、第1加算器1605において第1乗算器の出力と加算され、第1偏波状態の補償された信号Ex’(t)を取得する。
【0071】
第3乗算器の出力は、第2加算器1606において第4乗算器の出力と加算され、第2偏波状態における補償された信号Ex’(t)を取得する。
【0072】
図16の実装は、行列表示として
【数12】

と記載され得る。
【0073】
実際には、これは行列乗算であり、行列W=
【数13】

が、乗法子取得部602によって提供される。例えば、行列は様々な形態で現れ得る。上記の実施形態を以下に示すが、完全ではなく、現れ得る行列は以下を含む。
【数14】

かかる行列において、振幅補償が実行される。
【0074】
【数15】

かかる行列において、振幅補償の他の形態が実行される。
【0075】
【数16】

かかる行列において、実行される振幅補償はない。
【0076】
【数17】

かかる行列において、振幅補償が実行され、異なるアルゴリズムが適用されて位相補償乗法子を計算する。
【0077】
【数18】

【数19】

【数20】

かかる行列において、クロストーク等化が実行され、クロストーク等化は、パワー維持を実現し、性能を改良する。
【0078】
上記記載は、本発明の保護の範囲を限定するものではなく、単なる例示に過ぎない。w11及びw22のみの場合など、少数の乗法子しかない場合は、その他の乗法子は、行列を構成する1であるとみなされ得る。その他の場合(例えば、w12及びw21のみの場合など)も同様に取り扱われる。
【0079】
図17は、2つのパラメータw12及びw21のみが計算される場合における乗算補償部603の概略図を示す。図17に示すように、第1偏波状態における信号が、第3乗算器1603において第4乗法子w21によって乗算され、第2偏波状態における信号が第2乗算器1602において第3乗法子w12によって乗算され、第2乗算器の出力は、第1加算器において第1偏波状態の信号と加算されて、第1偏波状態の補償された信号を取得する。第3乗算器の出力は、第2加算器において第2偏波状態の信号と加算されて第2偏波状態の補償された信号を取得する。
その他の乗法子は、類似の方法で部分的に計算され得る。
【0080】
図18は、上記の実施形態を利用した逆伝搬部の概略構成図を示す。かかる図18において、遅延部が図面中2つの乗算器に入力された信号を同期させ、実施形態によってはこれが省略され得る。上記実施形態において、乗法子生成部602によって生成された乗法子w11、w12、w21及びw22は、
【数21】

で示した状態を構成する。
図面中、乗算パラメータ計算部は、上記の様々な方法で実装され得る。
【0081】
図19は、上記のように他の実施形態を使用する逆伝搬部の構成図を示すが、かかる図19において、乗法子取得部602によって生成された乗法子w11、w12、w21及びw22が、
【数22】

において示される状態を構成する。
【0082】
図20は、上記のさらに他の実施形態を使用する逆伝搬部の構成図を示すが、逆伝搬部において、乗法子取得部602が第1クロストーク乗算パラメータと第2偏波状態における遅延した信号とを乗算した後、第1偏波状態における遅延した信号で除算する。除算結果は、第1位相劣化クロストーク乗算パラメータに加算され、平滑化される。平滑値は、指数演算処理されて(e-j*は平滑値を示す)、第1乗法子を取得する。同時に、乗法子取得部602は、第2クロストーク乗算パラメータと第1偏波状態における遅延した信号を乗算し、その後、第2偏波状態における信号で除算する。除算結果は、第2位相劣化クロストーク乗算パラメータに加算され、平滑化される。平滑値は、指数演算処理されて(e-j*は平滑値を示す)、第2乗法子を取得する。乗算補償部603は、これと第2偏波状態における遅延した信号とを乗算する(行列W内のw12及びw21の位置に0を代入することに対応)。図面中の平滑部は、なくすこともできる。加えて、図面中、方程式にて示す、位相劣化計算部の出力と非線形クロストーク計算部の出力とが平滑化され得ることは明らかである。
【0083】
生成された乗法子w11、w12、w21及びw22は、
【数23】

で示す状態を構成する。
【0084】
図21は、図18(乗算パラメータ計算部は、図8に示すようにして構成される)に示す非線形補償装置及び従来の非線形補償装置がそれぞれ適用された場合の典型的な長距離コヒーレント光伝送システムにおける性能の比較を示す。従来の方法で利用された非線形補償のための25段の装置の性能を達成するために、実施形態の方法においては僅か2段の装置ですむことがわかる。複雑さは、当初の複雑さの10%まで低下する。
【0085】
図22は、本発明の実施形態による非線形劣化補償方法のフローチャートを示す。図22に示すように、まず、ステップS2201において、複数の乗算パラメータが入力信号に基づいて計算される。次にステップS2202において、複数の乗法子が複数の乗算パラメータを使用することによって構成される。同時に、ステップS2203において、入力信号が遅延する。遅延時間はステップS2201及びS2202における処理時間に適応させる。かかる遅延ステップは、ときに省略できる。最後にステップS2204において、入力信号は、複数の乗法子を使用することによって補償される。
【0086】
好ましい実施形態において、1または複数の乗算パラメータは、入力信号の2の偏波状態における時間領域信号を使用することによって取得される。
詳細な処理については、乗算パラメータ計算部601、乗法子取得部602、乗算補償部603の記載を参照することができる。
【0087】
本明細書に記載する実施形態において、乗算パラメータは、非線形劣化を記載するために使用されるパラメータを指し、乗法子はこれらのパラメータを使用することによって取得され得る。かかる乗法子は、行列を構成すること及び入力信号によって乗算されることにより、非線形劣化を除去する数値を指す。行列構成は、補数をとった後の行列を形成することを含み、補数をとることとは、行列において1または0の乗法子を有しない場所を設定することを意味する。
【0088】
非線形劣化計算器(乗算パラメータ計算部)は、様々な非線形劣化の大きさを計算する点に注意が必要である。その出力は、非線形劣化を補償するための非線形劣化除去器への入力として、または伝搬システムの状態をモニタリングするなどその他の目的のためのいずれかとして、及び非線形効果の影響をシミュレーションするために伝搬システムのシミュレーションツールとしても利用され得る。
【0089】
本発明の逆伝搬部は、さらに送信器において利用され得る。図23は、かかる送信器内の逆伝搬部の位置を示す。
本発明の実施形態の記載において、方法及びステップの記載は、装置及び部(ユニット)を理解するうえで有用であり、装置及び部(ユニット)の記載は、方法及びステップを理解するうえで有用である。
【0090】
したがって、本発明を要約すると、少なくとも以下の付記の実施形態を開示することとなる。
(付記1)
偏波多重通信システムにおいて使用される非線形劣化補償方法であって、
入力時間領域信号に基づいて、前記入力信号への非線形劣化を示す複数の乗算パラメータを計算することと、
前記複数の乗算パラメータを使用して、複数の乗法子を構成することと、
前記入力時間領域信号を遅延させることと、
前記複数の乗法子を使用して、遅延した前記入力時間領域信号を補償することと、
を含む、非線形劣化補償方法。
(付記2)
1つまたは複数の乗算パラメータが、2つの偏波状態における入力時間領域信号の信号を使用することにより取得されることを特徴とする、付記1に記載の非線形劣化補償方法。
(付記3)
1つまたは複数の乗算パラメータが、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号への偏波クロストークのための乗算パラメータ、及び/または、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号への偏波クロストークのための乗算パラメータを含むことを特徴とする、付記2に記載の非線形劣化補償方法。
(付記4)
乗算パラメータを計算することが
第1乗算パラメータとして、第1偏波状態における入力時間領域信号の位相劣化を計算することと、
第2乗算パラメータとして、第2偏波状態における入力時間領域信号の位相劣化を計算することと、
第3乗算パラメータとして、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号への偏波クロストークを計算することと、
第4乗算パラメータとして、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号への偏波クロストークを計算することと、
を含むことを特徴とする、付記1に記載の非線形劣化補償方法。
(付記5)
第1から第4乗算パラメータが
第1偏波状態における信号の絶対値の2乗値を取得することと、
第2偏波状態における信号の絶対値の2乗値を取得することと、
第1偏波状態における信号の共役を取得することと、
第2偏波状態における信号の共役を取得することと、
第1偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第1係数との積を第2偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第2係数との積に加算することによって、第1乗算パラメータを取得することと、
第2偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第3係数との積を第1偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第4係数との積に加算することによって、第2乗算パラメータを取得することと、
第1偏波状態における信号と第2偏波状態における信号の共役との積をゼロでない第5係数で乗算することによって、第3乗算パラメータを取得することと、
第2偏波状態における信号と第1偏波状態における信号の共役との積をゼロでない第6係数で乗算することによって、第4乗算パラメータを取得することと、
により計算されることを特徴とする、付記4に記載の非線形劣化補償方法。
(付記6)
第1係数が第3係数に等しく、第2係数が第4係数に等しく、かつ、第5係数が第6係数に等しいことを特徴とする、付記5に記載の非線形劣化補償方法。
(付記7)
第1係数が、第2係数と第5係数との和に等しいことを特徴とする、付記6に記載の非線形劣化補償方法。
(付記8)
第1から第4乗算パラメータが
第1偏波状態における信号の絶対値の2乗値を取得することと、
第2偏波状態における信号の絶対値の2乗値を取得することと、
第1偏波状態における信号の共役を取得することと、
第2偏波状態における信号の共役を取得することと、
第1偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第1係数とを乗算することによって、第1乗算パラメータを取得することと、
第2偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第2係数とを乗算することによって、第2乗算パラメータを取得することと、
第1偏波状態における信号と第2偏波状態における信号の共役との積をゼロでない第3係数で乗算することによって、第3乗算パラメータを取得することと、
第2偏波状態における信号と第1偏波状態における信号の共役との積をゼロでない第4係数で乗算することによって、第4乗算パラメータを取得することと、
により計算されることを特徴とする、付記4に記載の非線形劣化補償方法。
(付記9)
第1乗算パラメータを平滑化することと、
第2乗算パラメータを平滑化することと、
第3乗算パラメータを平滑化することと、
第4乗算パラメータを平滑化することと、
をさらに含むことを特徴とする、付記4に記載の非線形劣化補償方法。
(付記10)
各平滑化が、加重平均器、デジタルフィルタ、または周波数領域フィルタを使用することで実行されることを特徴とする、付記9に記載の非線形劣化補償方法。
(付記11)
乗法子を構成することが
第1乗算パラメータに基づいて第1位相劣化補償乗法子を構成することであって、前記第1位相劣化補償乗法子は、第1偏波状態における信号の位相を補償する乗法子であり、
第2乗算パラメータに基づいて第2位相劣化補償乗法子を構成することであって、前記第2位相劣化補償乗法子は、第2偏波状態における信号の位相を補償する乗法子であり、
第3乗算パラメータに基づいて第1クロストーク補償乗法子を構成することであって、前記第1クロストーク補償乗法子は、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号へのクロストークを補償するための乗法子として使用され、
第4乗算パラメータに基づいて第2クロストーク補償乗法子を構成することであって、前記第2クロストーク補償乗法子は、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号へのクロストークを補償するための乗法子として使用され、
ることを含むことを特徴とする、付記4に記載の非線形劣化補償方法。
(付記12)
乗法子を構成することが
第1乗算パラメータ及び第3乗算パラメータに基づいて第1振幅劣化補償乗法子を構成することであって、前記第1振幅劣化補償乗法子が、第1偏波状態における信号の振幅を補償するための乗法子であり、
第2乗算パラメータ及び第4乗算パラメータに基づいて第2振幅劣化補償乗算器を構成することであって、前記第2振幅劣化補償乗法子が、第2偏波状態における信号の振幅を補償するための乗法子である、
ものをさらに含むことを特徴とする、付記11に記載の非線形劣化補償方法。
(付記13)
乗法子を構成することが
第3乗算パラメータと第2偏波状態における遅延した信号とを乗算し、第1偏波状態における遅延した信号で除算し、除算された結果を第1乗算パラメータに加算した後、が平滑値を表すe-j*を平滑化し指数演算処理し、第1乗法子としての演算処理結果を得ることと、
第4乗算パラメータと第1偏波状態における遅延した信号とを乗算し、第2偏波状態における遅延した信号で除算し、除算された結果を第2乗算パラメータに加算した後、が平滑値を表すe-j*を平滑化し指数演算処理し、第2乗法子としての演算処理結果を得ることと、
を含むことを特徴とする、付記4に記載の非線形劣化補償方法。
(付記14)
補償において、複数の乗法子が使用されて行列を構成し、かつ、前記行列に遅延した入力信号を乗算して前記入力信号を補償することを特徴とする、付記1に記載の非線形劣化補償方法。
(付記15)
偏波多重通信システムにおいて使用される非線形劣化補償装置であって、
入力時間領域信号に基づいて、入力信号への非線形劣化を示す複数の乗算パラメータを計算する乗算パラメータ計算部と、
前記複数の乗算パラメータを使用して、複数の乗法子を構成する乗法子構成部と、
前記入力時間領域信号を遅延させる遅延部と、
前記複数の乗法子を使用して、遅延した入力時間領域信号を補償する補償部と、
を含むことを特徴とする非線形劣化補償装置。
(付記16)
乗算パラメータ計算部が
第1乗算パラメータとして、入力時間領域信号の第1偏波状態における信号への位相劣化を計算する第1偏波状態位相劣化計算部と、
第2乗算パラメータとして、入力時間領域信号の第2偏波状態における信号への位相劣化を計算する第2偏波状態位相劣化計算部と、
第3乗算パラメータとして、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号への偏波クロストークを計算する第1偏波クロストーク計算部と、
第4乗算パラメータとして、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号への偏波クロストークを計算する第2偏波クロストーク計算部と、
を含むことを特徴とする、付記15に記載の非線形劣化補償装置。
(付記17)
乗法子構成部が
第1乗算パラメータに基づいて第1位相劣化補償乗法子を構成し、前記第1位相劣化補償乗法子は、第1偏波状態における信号の位相を補償する乗法子であり、
第2乗算パラメータに基づいて第2位相劣化補償乗法子を構成し、前記第2位相劣化補償乗法子は、第2偏波状態における信号の位相を補償する乗法子であり、
第3乗算パラメータに基づいて第1クロストーク補償乗法子を構成し、前記第1クロストーク補償乗法子は、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号へのクロストークを補償するための乗法子として使用され、
第4乗算パラメータに基づいて第2クロストーク補償乗法子を構成し、前記第2クロストーク補償乗法子は、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号へのクロストークを補償するための乗法子として使用される、
ことを特徴とする、付記16に記載の非線形劣化補償装置。
(付記18)
乗法子構成部が
第1乗算パラメータ及び第3乗算パラメータに基づいて第1振幅劣化補償乗法子を構成し、前記第1振幅劣化補償乗法子は、第1偏波状態における信号の振幅を補償する乗法子であり、
第2乗算パラメータ及び第4乗算パラメータに基づいて第2振幅劣化補償乗法子を構成し、前記第2振幅劣化補償乗法子は、第2偏波状態における信号の振幅を補償する乗法子である、
ことを特徴とする、付記17に記載の非線形劣化補償装置。
(付記19)
乗法子構成部が
第3乗算パラメータと第2偏波状態における遅延した信号とを乗算し、第1偏波状態における遅延した信号で除算し、除算された結果を第1乗算パラメータに加算した後、が平滑値を表すe-j*を平滑化し、指数演算処理して、第1乗法子としての演算処理結果を得て、
第4乗算パラメータと第1偏波状態における遅延した信号とを乗算し、第2偏波状態における遅延した信号で除算し、除算された結果を第2乗算パラメータに加算した後、が平滑値を表すe-j*を平滑化し、指数演算処理して、第2乗法子としての演算処理結果を得る、
ことを特徴とする、付記16に記載の非線形劣化補償装置。
【0091】
本発明に係る装置および方法は、ハードウェア、またはハードウェアとソフトウェアの組合せで実装してもよい。また、本発明は、論理部分によって実装されたときに、その論理部分に上記の装置またはその構成要素を実装させ、或いは上記の方法またはその中のステップを実装させる論理部分読取可能コンピュータプログラムにも係わる。例えば、論理部分は、フィールドプログラム可能な論理部分、マイクロプロセッサ、コンピュータプロセッサ等でもある。さらに、本発明は、上記のプログラムを格納する、ハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、DVD、フラッシュメモリ、磁気光ディスク、メモリカード、メモリスティックなどの格納媒体にも係わる。
【0092】
本発明は、上記詳述された実施形態と関係づけて記載されているが、それらの記載は例示的なものであって本発明の保護範囲を限定しないことは、当業者には明らかである。また、当業者であれば、本発明の精神および原理から離れることなく様々な変形または変更を行うことは可能であり、そのような変形または変更も本発明の保護範囲に属する。
【0093】
本出願において使用される「有する/有している」、「含む/含んでいる」という語は、特徴、要素、ステップ、またはアセンブリが存在することを意味し、1または複数のその他の特徴、要素、ステップ、またはアセンブリの存在または追加を排除するものではない。
【0094】
図面とともに、上記の一般的な記載及び以下に記載する発明の詳細な詳細は、本発明の保護の範囲を限定するものではなく、単なる例示に過ぎない。
上記の一般的な記載ならびに図面を伴う以下の詳細な説明は、本発明の保護の範囲を限定するものではなく、単に例示的なものである。
【符号の説明】
【0095】
600 非線形補償器
601 乗算パラメータ計算部
602 乗法子取得部
603 乗算補償部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
偏波多重通信システムにおいて使用される非線形劣化補償方法であって、
入力時間領域信号に基づいて、前記入力信号への非線形劣化を示す複数の乗算パラメータを計算することと、
前記複数の乗算パラメータを使用して、複数の乗法子を構成することと、
前記複数の乗法子を使用して、前記入力時間領域信号を補償することと、
を含む、非線形劣化補償方法。
【請求項2】
1つまたは複数の乗算パラメータが、2つの偏波状態における入力時間領域信号の信号を使用することにより取得されることを特徴とする、請求項1に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項3】
1つまたは複数の乗算パラメータが、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号への偏波クロストークのための乗算パラメータ、及び/または、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号への偏波クロストークのための乗算パラメータを含むことを特徴とする、請求項2に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項4】
乗算パラメータを計算することが
第1乗算パラメータとして、第1偏波状態における入力時間領域信号の位相劣化を計算することと、
第2乗算パラメータとして、第2偏波状態における入力時間領域信号の位相劣化を計算することと、
第3乗算パラメータとして、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号への偏波クロストークを計算することと、
第4乗算パラメータとして、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号への偏波クロストークを計算することと、
を含むことを特徴とする、請求項1に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項5】
第1から第4乗算パラメータが
第1偏波状態における信号の絶対値の2乗値を取得することと、
第2偏波状態における信号の絶対値の2乗値を取得することと、
第1偏波状態における信号の共役を取得することと、
第2偏波状態における信号の共役を取得することと、
第1偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第1係数との積を第2偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第2係数との積に加算することによって、第1乗算パラメータを取得することと、
第2偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第3係数との積を第1偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第4係数との積に加算することによって、第2乗算パラメータを取得することと、
第1偏波状態における信号と第2偏波状態における信号の共役との積をゼロでない第5係数で乗算することによって、第3乗算パラメータを取得することと、
第2偏波状態における信号と第1偏波状態における信号の共役との積をゼロでない第6係数で乗算することによって、第4乗算パラメータを取得することと、
により計算されることを特徴とする、請求項4に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項6】
第1係数が第3係数に等しく、第2係数が第4係数に等しく、かつ、第5係数が第6係数に等しいことを特徴とする、請求項5に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項7】
第1係数が、第2係数と第5係数との和に等しいことを特徴とする、請求項6に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項8】
第1から第4乗算パラメータが
第1偏波状態における信号の絶対値の2乗値を取得することと、
第2偏波状態における信号の絶対値の2乗値を取得することと、
第1偏波状態における信号の共役を取得することと、
第2偏波状態における信号の共役を取得することと、
第1偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第1係数とを乗算することによって、第1乗算パラメータを取得することと、
第2偏波状態における信号の絶対値の2乗値と第2係数とを乗算することによって、第2乗算パラメータを取得することと、
第1偏波状態における信号と第2偏波状態における信号の共役との積をゼロでない第3係数で乗算することによって、第3乗算パラメータを取得することと、
第2偏波状態における信号と第1偏波状態における信号の共役との積をゼロでない第4係数で乗算することによって、第4乗算パラメータを取得することと、
により計算されることを特徴とする、請求項4に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項9】
第1乗算パラメータを平滑化することと、
第2乗算パラメータを平滑化することと、
第3乗算パラメータを平滑化することと、
第4乗算パラメータを平滑化することと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項4に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項10】
各平滑化が、加重平均器、デジタルフィルタ、または周波数領域フィルタを使用することで実行されることを特徴とする、請求項9に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項11】
乗法子を構成することが
第1乗算パラメータに基づいて第1位相劣化補償乗法子を構成することであって、前記第1位相劣化補償乗法子は、第1偏波状態における信号の位相を補償する乗法子であり、
第2乗算パラメータに基づいて第2位相劣化補償乗法子を構成することであって、前記第2位相劣化補償乗法子は、第2偏波状態における信号の位相を補償する乗法子であり、
第3乗算パラメータに基づいて第1クロストーク補償乗法子を構成することであって、前記第1クロストーク補償乗法子は、第2偏波状態における信号から第1偏波状態における信号へのクロストークを補償するための乗法子として使用され、
第4乗算パラメータに基づいて第2クロストーク補償乗法子を構成することであって、前記第2クロストーク補償乗法子は、第1偏波状態における信号から第2偏波状態における信号へのクロストークを補償するための乗法子として使用され、
ることを含むことを特徴とする、請求項4に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項12】
乗法子を構成することが
第1乗算パラメータ及び第3乗算パラメータに基づいて第1振幅劣化補償乗法子を構成することであって、前記第1振幅劣化補償乗法子が、第1偏波状態における信号の振幅を補償するための乗法子であり、
第2乗算パラメータ及び第4乗算パラメータに基づいて第2振幅劣化補償乗算器を構成することであって、前記第2振幅劣化補償乗法子が、第2偏波状態における信号の振幅を補償するための乗法子である、
ものをさらに含むことを特徴とする、請求項11に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項13】
乗法子を構成することが
第3乗算パラメータと第2偏波状態における遅延した信号とを乗算し、第1偏波状態における遅延した信号で除算し、除算された結果を第1乗算パラメータに加算した後、が平滑値を表すe-j*を平滑化し指数演算処理し、第1乗法子としての演算処理結果を得ることと、
第4乗算パラメータと第1偏波状態における遅延した信号とを乗算し、第2偏波状態における遅延した信号で除算し、除算された結果を第2乗算パラメータに加算した後、が平滑値を表すe-j*を平滑化し指数演算処理し、第2乗法子としての演算処理結果を得ることと、
を含むことを特徴とする、請求項4に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項14】
補償において、複数の乗法子が使用されて行列を構成し、かつ、前記行列に入力信号を乗算して前記入力信号を補償することを特徴とする、請求項1に記載の非線形劣化補償方法。
【請求項15】
偏波多重通信システムにおいて使用される非線形劣化補償装置であって、
入力時間領域信号に基づいて、入力信号への非線形劣化を示す複数の乗算パラメータを計算する乗算パラメータ計算部と、
前記複数の乗算パラメータを使用して、複数の乗法子を構成する乗法子構成部と、
前記複数の乗法子を使用して、入力時間領域信号を補償する補償部と、
を含むことを特徴とする非線形劣化補償装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図22】
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【図23】
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【図21】
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