説明

非衝撃式印刷方法及びこの方法による物品

表面にマークを付すためのラベル(70)であって、a)支持部(77)と、b)支持部と少なくとも部分的に接触するワニス(85)と、c)ワニスと少なくとも部分的に接触するプライマー(90)と、d)プライマーと少なくとも部分的に接触するインク(95)と、e)インクと少なくとも部分的に接触する任意的な接着剤(99)と、を含み、このラベルが、少なくともラベルを加熱することによって表面に少なくとも部分的に貼付され得る、ラベル。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
熱転写ラベルは当該技術分野において以前から既知である。このようなラベルは様々な容器、瓶、又はパッケージなどに使用されてきた。熱転写ラベリング方法では、ラベル支持ウェブを熱にさらし、ラベルを物品上に押し付けて、インクデザイン層を物品と直接的に接触させてもよい。ラベル支持ウェブが熱にさらされると、ろう層が溶け始める。これにより、ろう層の一部分が物品上にインクデザイン層によって転写されるとともに、ろう層の一部分が紙シートに残留した状態で、紙シートをインクデザイン層から剥離することができる。デザインを物品に転写した後、紙シートを除去し、デザインを物品に付着させたまま転写されたろうを環境に露出してもよい。熱転写ラベルは、インクデザイン上に付着した接着剤層(例えば、ポリアミド又はポリエステル接着剤を含む)を更に含んで、表面上、及び/又はろう剥離層とインク層との間に差し挟まれた保護用ラッカー層上へのラベルの接着を容易にしてもよい。
【0002】
熱転写ラベルを製作するために、様々なタイプのラベル印刷方法が用いられてきた。グラビア印刷、スクリーン印刷、及びフレキソ印刷をはじめとする様々な印刷方法が用いられている。しかしながら、これらの方法のいずれも、印刷物を迅速に変更又は改変することはできなかった。これらの方法では、ラベルの製造のために面倒な段取りが求められ、間違いがあったり変更が必要となったりした場合には更なる段取りが必要となる。今日のビジネスに要求される柔軟性を考えれば、このタイプの印刷において必要とされるダウンタイムはコストを引き上げる結果となり、そのコストは消費者が負うか又は企業が被ることとなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
迅速に実行し得る印刷方法及びそのような印刷方法により製作される物品が必要とされている。更に、画像及び/又はテキストが迅速に変更できるデジタル方法を用いて印刷できるラベルが必要とされている。本発明は、これらの要求を満たすものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によれば、本発明は、表面にマークを付すためのラベルであって、a)支持部と、b)支持部と少なくとも部分的に接触するワニスと、c)ワニスと少なくとも部分的に接触するプライマーと、d)プライマーと少なくとも部分的に接触するインクと、e)インクと少なくとも部分的に接触する任意的な接着剤と、を含み、このラベルが、少なくともラベルを加熱することによって表面に少なくとも部分的に貼付され得るラベルに関する。
【0005】
別の実施形態によれば、本発明は、表面にマークを付すための方法であって、a)表面に付着され得るラベルであって、このラベルが、1)支持部と、2)支持部と少なくとも部分的に接触するワニスと、3)ワニスと少なくとも部分的に接触するプライマーと、4)プライマーと少なくとも部分的に接触するインクと、5)インクと少なくとも部分的に接触する接着剤と、を含む、ラベルを提供することと、b)ラベルを表面と接触させて配置することと、c)ラベルを加熱してラベルを表面上に少なくとも部分的に貼付することと、d)ラベルから支持部を除去することと、を含む、方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明のラベルを製作する方法を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0008】
「発明を実施するための形態」で引用したすべての文献は、関連部分において参照することにより本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する範囲については、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0009】
本明細書は、本発明を詳細に示し、かつ、はっきりと請求することによって終結しているが、本発明は次の記述によって更によく理解されるものと思われる。
【0010】
本発明の装置、器具、方法、構成要素、及び/又は組成物は、本発明の構成要素並びに本明細書に記載したその他の成分を含むか、本発明の構成要素並びに本明細書に記載したその他の成分から実質的になるか又はなることができる。本明細書で使用するとき、「実質的になる」とは、装置、器具、方法、構成要素、及び/又は組成物が、追加の成分を含んでよいことを意味する。ただし、追加の要素によって、請求する装置、器具、方法、構成要素、及び/又は組成物の基本的かつ新規な特徴が実質的に変わらない場合に限る。
【0011】
特に指示のない限り、本明細書で使用される百分率及び比率は、すべて総組成物の重量を基準とし、測定は、すべて25℃で行われる。1度は、完全回転の1/360の大きさと等しい角度の平面単位である。
【0012】
本明細書で使用されるすべての測定値は、特に指定のない限り、メートル法である。
【0013】
本発明は、表面にマークを付すためのラベルであって、支持部と、支持部と少なくとも部分的に接触するワニスと、ワニスと少なくとも部分的に接触するプライマーと、プライマーと少なくとも部分的に接触するインクと、インクと少なくとも部分的に接触する任意的な接着剤と、を含み、このラベルが、ラベルを加熱することによって表面に少なくとも部分的に貼付され得る、ラベルに関する。本発明はまた、表面にマークを付すための方法であって、表面に付着され得るラベルであって、このラベルが、支持部と、支持部と少なくとも部分的に接触するワニスと、ワニスと少なくとも部分的に接触するプライマーと、プライマーと少なくとも部分的に接触するインクと、インクと少なくとも部分的に接触する接着剤と、を含む、ラベルを提供することと、ラベルを表面と接触させて配置することと、ラベルを加熱してラベルを表面上に少なくとも部分的に貼付することと、ラベルから支持部を除去することと、を含む、方法に関する。
【0014】
理論に束縛されるものではないが、このようなラベルを印刷するために、アナログコーティング方法と組み合わせてデジタル印刷方法を用いることができると考えられる。デジタル印刷方法、例えばHP Indigoタイプのプリンターを用いるものは、本発明のラベルとともに用いた場合、印刷がにじんだり、流れたり、又は耐久性が不十分であるなど、以前から問題が多かった。デジタル印刷を用いる場合の他の問題には、デジタルプリンターの転写ドラムからラベルへと転写される印刷画像を改善するために、転写媒体中に適切な表面エネルギーを確保することも挙げられる。ラベル構造内にプライマー層を組み込むことにより、インクのラベルへの接着性が向上し、結果として、デジタル印刷方法を改良しつつ、各層の耐久性を向上できることとなった。
【0015】
デジタルプリンター
一実施形態によれば、本発明はデジタル印刷方法を用いる。デジタル印刷方法としては、コンピュータ操作によってインクをラベルに付加する、任意の方法が挙げられる。このような操作を実現するための技術としては、インクジェット印刷、レーザー印刷、エレクトロインク印刷などが挙げられる。一実施形態によれば、本発明において用いられるデジタル印刷は非衝撃式印刷である。
【0016】
安定で物理的な固定した画像担体を必要とせず、原理的には印刷ごとに異なる画像を生成することが可能な印刷技術を、非衝撃式印刷と呼ぶ。電子写真技術は、非衝撃式印刷技術の一実施形態である。レーザーが中間担体、すなわち光伝導性のコーティングに、衝撃を与えることなく情報を送る。このドラム上に記録された帯電潜像にトナーが付与され、基材に転写される。当然、インク(トナー)が付された情報担体と基材とは印刷中に接触するが、情報は衝撃によって転写されるわけではない。主流技術は電子写真及びインクジェット印刷である。イオノグラフィー、マグネトグラフィー、及びサーモグラフィーもまた非衝撃式印刷に用いられる。固定した画像担体を用いる印刷法と違って、これらの非衝撃式印刷技術では、回転ごとに全く異なる印刷画像を生成することができ、したがって各印刷画像ごとに機械的マスターを製作する必要はない。非衝撃式印刷技術は、オンデマンド印刷及びパーソナライズ又はカスタマイズを可能にする。このような非衝撃式印刷技術についての更なる技術的記述はHandbook of Print Media edited by Helmut Kpphan ISBN3−540−67326−1 Springer−Verlag Berlin(2001)に見られ、その内容は参照することにより全体として本明細書に組み込まれる。
【0017】
デジタル印刷が可能な代表的な装置は、HP(登録商標)Indigo印刷プレスシリーズである。HP(登録商標)Indigo印刷プレスは、液体インクの電子転写に依存するものであり、最終画像を備え付けブランケットからラベルのワニス上に1回の通過で転写する。ブランケットを約800ボルトの公称値まで負に帯電させる。符号化ユニットにより印刷領域を約−100ボルトまで減圧することで、データがアートワークファイルから直接ブランケットに転送され、約−400ボルトの定格電圧を有するインクがブランケットの低圧領域に引き付けられる。色はステップアンドリピート動作により順次付加される。
【0018】
基材コーティング方法
本発明の各層は、1つ以上のアナログコーティング方法によって塗布される。アナログコーティング方法と称したのは、これらの方法を、ラベルにインクを付与するために用いるデジタル印刷と区別する意図である。代表的アナログコーティング方法としては、フラッドコーティング及びスポットコーティングが挙げられる。フラッドコーティングは、本発明のコーティング又は層を付与するための、印刷業界内では周知の技術である。フラッドコーティング方法においては、基材が通過する際に、コーティング物質がノズルを介して基材に付与される。過剰な物質をその後ドクターブレードによって排除し、ろ過した後で再循環させる。スポットコーティングもまた周知の技術であり、これによって、本発明の一部にのみコーティング及び層を付与し得る。スポットコーティングでは一般に、層の重ね合わせと厚さのより正確な制御が可能である。スポットコーティングは、グラビア、フレキソ印刷、又はスクリーン印刷などの従来のアナログ印刷法を用いて付与することができる。
【0019】
フラッドコーティング及びスポットコーティングは、本発明の基材に接着剤、ワニス、プライマー、及び基材コーティングを付与して本発明のラベルを形成するために、様々な実施形態において用いられる。フラッドコーティング及びスポットコーティングのいかなる組み合わせも、本発明の様々なコーティング工程において所望の結果を得るために用いることができる。一実施形態においては、実質的に、デジタル印刷方法によってインクを付与する領域に、プライマーをスポットコーティングする。
【0020】
ラベルを形成するための様々な方法は、連続、バッチ、又は混合(連続及びバッチ)の様式で遂行し得る。非限定的な実施例では、一実施形態における支持部の形成が、連続方法により実施される。支持部はその後、ラベルの残り部分を製作する準備が整うまで保存され、準備が整った時点で、本明細書に記述するように第2の連続方法で追加の工程が実施され、ラベルが形成される。
【0021】
当業者に既知の様々な表面処理、プレプリントコーティング処理、及びポストプリントコーティング処理を、本発明とともに用い得ることもまた想到される。代表的な処理には、加熱方法、冷却方法、コロナ処理、表面研磨などが挙げられる。
【0022】
支持部
本発明の支持部は、少なくとも1つの基材と、少なくとも1つのコーティングとを含む。ラベル構成要素を所定の配列で無期限に固定し得るものであれば、いずれの材料も好適な基材として挙げられる。基材には、紙、不織布、プラスチック、織材などが挙げられる。プラスチック基材には、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフチレン(napthylene)など)、ポリオレフィン(例えばポリエチレン及びポリプロピレンなど)、並びにポリアミドが挙げられる。一実施形態では、支持部は透明なプラスチックフィルムである。別の実施形態では、支持部は半透明のプラスチックフィルムである。不透明のフィルムもまた想到される。一実施形態では、基材はロール上に収められ、これにより、基材はこのロールから少なくとも半連続的な態様で送り出される。別の実施形態では、基材は、ラベル形成を容易にするために、控えめなサイジングで、例えば10cm×10cmの基材として提供される。
【0023】
本発明の支持部はまた、基材コーティングを含む。理論に束縛されるものではないが、基材コーティングは、ラベルを表面に付与する際に加熱されることにより、基板をラベルの残部から離脱し易くすると考えられる。このような機能を促進するものであれば、いずれの基材コーティングも想到される。このようなコーティングとしては、ろう、パラフィン、シリコーン、ポリエチレンなどが挙げられる。一実施形態では、このコーティングは約0.01〜10マイクロメートル、別の実施形態では約0.02マイクロメートル〜約1マクロメートルの厚さを有する。
【0024】
ワニス
一実施形態では、ワニス又はラッカー層が、少なくとも部分的に支持部とプライマーとの間に配置される。一実施形態では、ワニスが、少なくとも部分的にコーティングとプライマーとの間に配置される。例えば米国特許第5,800,656号に記載されるフェノキシワニス、又は米国特許出願第09/093,150号に記載される架橋フェノキシワニスのようなワニスが想到される。理論に束縛されるものではないが、ワニス層は表面上に配置された後、引っかき及び擦りなどに対する耐性を向上させることでラベルを保護すると考えられる。
【0025】
一実施形態では、ワニスに美的変性剤を少なくとも部分的に混合する。美的変性剤は視覚、触感、又は香りの付加的要素をラベルに与えることによって最終的なラベルを修正する。付加的な視覚的要素を与える美的変性剤としては、光沢剤、真珠光沢添加剤、希釈剤などが挙げられる。付加的な触感要素を与える美的変性剤としては、グリット及びサンドなどが挙げられる。付加的な香り要素を与える美的変性剤としては、香料及び香料マイクロカプセルなどが挙げられる。
【0026】
一実施形態では、ワニスは約1.0マイクロメートル〜約2マイクロメートルの厚さでラベルに付加される。
【0027】
プライマー
本発明のデジタル印刷方法においては、ワニスの少なくとも一部にプライマーを塗布することで、インクの適切な転写及び基材への接着が確実に行われるようにする。一実施形態では、プライマーは基材1平方メートル当たり約0.1〜約2.0グラムの厚さを有する。一実施形態では、プライマーはワニスに予め混合される。好適なプライマー組成物はまた、米国特許第6,767,588号、同第6,743,480号、及び同第7,014,974号にも記載されている。代表的なプライマーとしては、アクリル系モノマーが挙げられる。更に、代表的なプライマーとして、ポリエチレンイミン(PEI)が挙げられる。
【0028】
実質的に均一な薄いプライマーのコーティングが、グラビア印刷方法を用いて本発明のラベルに付与されるが、当該技術分野において既知である他のコーティング方法を用いてもよい。プライマーはプラスチックによく接着するが、プライマーを塗布した表面には、例えばLandaらに付与された米国特許第5,407,771号に記載されるもののような液体トナーを用いて印刷することが可能である。同文献の記述は参照することにより全体として本明細書に組み込まれる。トナーとしてはNetherlandsのIndigo N.V.が製造及び販売するElectroInk(登録商標)、例えばElectroInk(登録商標)EI−Mark 3.0及びEI−Mark 3.1などが好適である。他のトナーも使用可能である。
【0029】
プライマーを形成するための他の構成要素としては、Styrofan、Acronal 866、又はStyronal D808の分散相が挙げられる。Styrofan及びStyronalは、BASFが販売するスチレンブタジエン系の水性ポリマー分散剤の商標名である。AcronalはBASFが販売する、分散形態のアクリレートホモポリマー及びコポリマーの商標名である。これらの材料について、水分散液は、Styrofan、Acronal 866又はStyronal D808の分散層が、好ましくは8重量%±4重量%である。MP4990を用いて生成される分散剤の場合には、Styrofan、Acronal、又はStyronalにより生成される分散剤は、溶液に対する分散剤の重量部と等しい重量部の6%ポリエチレンイミン溶液と混合することが好ましい。本発明の一実施形態によれば、一定量のStyrofan、Acronal、又はStyronal系の分散剤を一定量のポリエチレンイミン溶液と混合し、プライマー中のポリエチレンイミンに対するStyrofan、Acronal、又はStyronalの分散相の比が1〜5の範囲であるようなプライマーを得ることができる。水、非水性溶媒、界面活性剤、レオロジー変性剤などをはじめとする他の構成要素も本発明のプライマーに混合し得る。好ましい実施形態に関連して上述したプライマーの調製方法は、例として挙げたものであることに注意されたい。材料を混合してプライマーを調製するための、当該技術分野において既知の他の方法も用いることが可能である。
【0030】
本発明とともに用いて好適な他のプライマーは、米国特許第6,767,588号、同第6,743,480号、及び同第7,014,974号に挙げられており、これらの文献の開示は参照することにより本明細書に組み込まれる。代表的なプライマーとしては、DigiPrime(登録商標)(Michelman製造の水性プライマー)及びSaphire(登録商標)(Indigo Electronic Printing Systems Ltd.製造の溶剤型プライマー)が挙げられる。
【0031】
インク
本発明のインクは、単一のインク層又は複数のインク層を実際に含み得る。本発明のインクは1つ以上の従来のインク、例えばポリエステルインク、ポリエステル/ビニルインク、ポリアミドインク及び/又はアクリルインクを用いて製造し得る。当業者であれば、利用可能なインクがたくさんあることを容易に理解し、また必要に応じてこれらのインクをラベルに用いることができよう。染料及び顔料の双方、並びにこれらの組み合わせから生成されるインクもまた想到される。一実施形態によれば、本発明のインクはデジタル印刷に用いるのに適している。
【0032】
接着剤
一実施形態によれば、本発明の接着剤は、熱活性型接着剤、圧力活性型接着剤、又は熱/圧力活性型接着剤を含む。代表的な接着剤としてポリエステル系接着剤があるが、他のタイプの接着剤、例えば水性アクリル接着剤(例えば米国特許出願第09/093,153号参照。同出願は参照することにより本明細書に組み込まれる)、フェノキシ接着剤(例えば米国特許出願第09/189,277号参照。同出願は参照することにより本明細書に組み込まれる)などもまた好適である。一実施形態によれば、接着剤層は、沈着、グラビア印刷などにより、(i)インク層25、(ii)プライマー層の露出部、及び/又は(iii)ワニス層の露出部上に形成される。
【実施例】
【0033】
図1は、本発明のラベル70を例示する。本発明は、アナログコーティング方法の知識をデジタル印刷の柔軟性と結合させたハイブリッドシステム83に関する。本実施形態においては、ラベルはプレプリントコーティング処理40、デジタル印刷50、及びポストプリントコーティング処理60の組み合わせにより製造される。
【0034】
プレプリントコーティング処理40において、基材75にまず、基材コーティング方法10で少なくとも1つの基材コーティング80を塗布し、支持部77を形成する。基材75には複数の、同一又は異なる基材コーティング80を塗布し得る。
【0035】
基材75に少なくとも1つの基材コーティングを塗布した後、ワニス塗布方法20で基材コーティング80の上にワニス85を塗布する。次いで、プライマーコーティング方法30でプライマー90をワニス85上に塗布する。
【0036】
プライマーコーティング方法90が完了した時点で、デジタル印刷方法50において、インク95をプライマー90上に所望の配置と形態で印刷する。インク95の印刷後、仕上げコーティング方法60において、所望により任意に接着剤層99を塗布してもよい。ポストプリントコーティング処理60の最中及び/又は終了後における、ラベル70の更なる処理としては、コロナ処理などが挙げられる。
【0037】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく制限されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0038】
本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのようなより小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含むことを理解すべきである。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように含む。本明細書全体を通じて記載される数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るそれよりも狭いあらゆる数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲がすべて本明細書に明確に記載されているかのように含む。
【0039】
「発明を実施するための形態」で引用したすべての文献は、その関連部分において参照することにより本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に関して先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。この文書における用語の任意の意味又は定義が、参照することにより組み込まれる文献における用語の任意の意味又は定義と矛盾する範囲については、本文書における用語に与えられた意味又は定義が適用される。
【0040】
本発明の特定の実施形態について説明し記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正が可能であることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのようなすべての変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面にマークを付すためのラベルであって、
a)支持部と、
b)前記支持部と少なくとも部分的に接触するワニスと、
c)前記ワニスと少なくとも部分的に接触するプライマーと、
d)前記プライマーと少なくとも部分的に接触するインクと、
e)前記インクと少なくとも部分的に接触する任意的な接着剤と、を含み、
前記ラベルは、少なくとも前記ラベルを加熱することによって前記表面に少なくとも部分的に貼付され得る、ラベル。
【請求項2】
前記ワニス及びプライマーは、前記支持部と接触する前に相互に混合される、請求項1に記載のラベル。
【請求項3】
前記支持部は基材及び少なくとも1つの基材コーティングを含み、前記基材は紙、不織布、プラスチック、織材、又はこれらの組み合わせを含む、請求項1又は2に記載のラベル。
【請求項4】
前記ワニスはフェノキシワニスを含む、請求項1、2、又は3に記載のラベル。
【請求項5】
前記プライマーはアクリル系モノマー又はポリエチレンイミンを含む、請求項1、2、3、又は4に記載のラベル。
【請求項6】
表面にマークを付すための方法であって、
a)前記表面に付着され得るラベルであって、前記ラベルは、
1)支持部と、
2)前記支持部と少なくとも部分的に接触するワニスと、
3)前記ワニスと少なくとも部分的に接触するプライマーと、
4)前記プライマーと少なくとも部分的に接触するインクと、
5)前記プライマーと少なくとも部分的に接触する接着剤と、を含む、ラベルを提供することと、
b)前記ラベルを前記表面と接触させて配置することと、
c)前記ラベルを加熱して前記ラベルを前記表面上に少なくとも部分的に貼付することと、
d)前記ラベルから前記支持部を除去することと、を含む、方法。
【請求項7】
a〜dの工程が連続プロセスで実施される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
a〜dの工程がバッチプロセスで実施される、請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
1〜4の工程が連続プロセスで実施される、請求項6、7、又は8に記載の方法。
【請求項10】
4の工程がデジタル印刷プロセスで実施される、請求項6、7、8、又は9に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2011−524996(P2011−524996A)
【公表日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−512653(P2011−512653)
【出願日】平成21年6月4日(2009.6.4)
【国際出願番号】PCT/US2009/046277
【国際公開番号】WO2009/152034
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】