説明

面格子及びその面格子を備えた建物

【課題】単なる防犯だけのための使用にとどまらず、更なる改良を加えて居住性を向上させるのに寄与することのできる面格子を提供する。
【解決手段】建物の開口部12に対応した室内側にはブラケット26を固定し、ブラケット26に面格子本体22を取り付ける。面格子本体22を構成する左縦枠23、右縦枠24及び多数の横枠25をいずれも管体によって構成することにより、面格子本体22内に温水が循環する循環路46を形成する。そして、面格子本体22には弾性チューブ51を介して温水供給装置を接続し、温水供給装置から循環路46へ温水を供給するように構成することで、面格子21に暖房機能を付与する。これにより、開口部12におけるコールドドラフト現象の発生が抑制される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、面格子及びその面格子を備えた建物に関する。
【背景技術】
【0002】
建物において、窓等の開口部には、防犯の観点から面格子が設けられる場合がある。面格子は、通常は開口部の屋外側に取り付けられるが、建物の外観を損なわないように屋内側に取り付けられるものも提案されている。このような屋内側に取り付けられる面格子にあっては、緊急時において脱出ルートを確保する観点から開口部を開放可能とされた面格子も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平6−33700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、面格子が窓等の開口部に配設されることに着目し、単なる防犯だけのための使用にとどまらず、更なる改良を加えて居住性を向上させるのに寄与することのできる面格子及びその面格子を備えた建物を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記課題を解決するのに有効な手段につき、必要に応じて作用、効果、より踏み込んだ具体的手段等を示しつつ説明する。なお、理解を容易にするため、発明の実施の形態において対応する主要な構成を括弧書きで適宜示すが、この括弧書きで示した具体的構成に限定されない。
【0005】
本発明は、建物の開口部(開口部12)に対向して設けられるとともに、格子を形成する枠体(縦枠23,24、横枠25)によって面格子本体(面格子本体22)が構成された面格子(面格子21)であって、熱発生手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
本発明によれば、熱発生手段から発生される熱により、建物の開口部の温度を高めることができる。これにより、開口部はそれ以外の壁部分よりも断熱性能が劣るものの、これを温水による温度上昇により補完することができ、建物全体の保温性能を向上させることができる。また、開口部における所謂コールドドラフト現象の発生を抑制することができる。しかも、上記のような開口部を暖める機能を、別途暖房機を設置することにより得るのではなく、面格子によって得ているため、スペースの有効利用を図ることができる。
【0007】
上記熱発生手段の一例として、前記枠体の少なくとも一部を管体により形成し、その管体内を熱媒体の流通路(循環路46)とすることができる。このように熱媒体の流通路を備えた面格子では、温水供給装置(温水供給装置62)から供給される温水を通す給排管(弾性チューブ51)と接続される接続部(左縦枠23下端部の突部31)を面格子に備えたものであることが好ましい。
【0008】
これにより、面格子本体の内部に熱媒体の流通路を形成して当該熱媒体を流通させることにより、面格子本体が暖房機能を有することとなり、上記したのと同様の効果が期待できる。しかも、このように面格子本体を構成する枠体内に熱媒体を通すものであるから、スペース低減効果は一層際立ったものとなるし、美観上も好ましい。さらに、熱媒体として温水を用いることとすれば、他の給湯用などに用いる温水供給装置を兼用させることができ、本発明の面格子を大幅なコストアップなく採用することができる。
【0009】
以上の面格子を建物に設置する場合、面格子本体は、建物壁の開口部周辺に設けられた取付部(ブラケット26)に取り付けられる。
【0010】
そして、上記建物においては、前記開口部を面格子本体により覆った状態から開放させるべく、前記取付部を中心として前記面格子本体の一部又は全部を回動可能とする回動軸(左縦枠23及びその上下両端の突部31)を備えることが好ましい。また、このように面格子本体を回動させる機能を有する場合にあっては、前記取付部に対して前記面格子本体を回動不能にロックするロック手段(右縦枠24の上下両端の突部31)を備えることが一層好ましい。
【0011】
このように構成することにより、開口部を面格子により覆った状態から開放することができ、非常時の脱出ルートを確保することができ、開口部に設けられる窓等の清掃にも便利である等の利点がある。また、ロック手段を設けた場合には、開口部を面格子本体で覆った状態を確実に維持することができる。
【0012】
また、上記建物には、温水供給装置(温水供給装置62)から供給される温水を通す給排管(弾性チューブ51)を備え、当該給排管が前記面格子本体の回動軸に接続されていることが好ましく、当該給排管はフレキシブルチューブによって構成されていることが一層好ましい。
【0013】
このように面格子本体の回動軸に給排管が接続されることで、面格子本体を開口部から開放する場合の取扱いが容易になる。特に、給排管をフレキシブルチューブによって構成した場合には、面格子本体の回動に伴いフレキシブルチューブが捩れることで回動軸との接続部分の変位を吸収することができるので、面格子本体を回動させる操作時に特に接続部分の外れその他の問題を気にしなくて済み、操作性が高まる。
【0014】
さらに、面格子は建物の屋内側に設置することができ、この場合には前記取付部を建物壁の屋内側(屋内側壁面14)に設け、前記面格子本体を前記開口部の屋内側に対向して設けることにより実現することができる。
【0015】
このように屋内側に面格子を設置した場合には、上記したコールドドラフト現象の低減効果が著しく、また上記した面格子本体の開閉機能を付与したとしても上記したロック機能さえあれば防犯性能は十分維持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、発明を具体化した実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は面格子の正面図、図2は面格子の右側面図、図3は面格子の左側面図、図4は面格子の平面図である。なお、各図においては、説明の便宜上、一部を切り欠き、また補助線等を加えてある。
【0017】
図1乃至図4に示すように、建物は屋内外を仕切る壁11を有しており、壁11内に断熱材が設けられることにより高度の断熱性が確保されている。壁11には各所に開口部12が設けられ、開口部12にはそれぞれ窓13が設けられている。開口部12の屋内側には、面格子21が取り付けられている。特に、本実施形態では、面格子21は壁11の特に屋内側壁面14に設けられている。なお、壁11、開口部12、窓13のそれぞれについては全体像を示す概略図として仮想的に示している。
【0018】
以下、面格子21の構成について説明する。面格子21の主要部を構成する面格子本体22は、所定間隔をおいて配置され上下方向へ延びる左縦枠23及び右縦枠24と、これ
ら両縦枠23,24間に掛け渡されるように連結された複数本の横枠25とを備えている。横枠25は本実施形態では8本設けられ、互いに平行となるように配置されている。したがって、面格子本体22は、一対の縦枠23,24及び複数の横枠25により、全体として矩形の枠体となるように一体に設けられている。なお、以下の説明では、各横枠25を個別に特定する必要がある場合、最上段から最下段に向けて順に第1横枠25−1(最上段の横枠)、第2横枠25−2、・・・、第8横枠25−8(最下段の横枠)と称する。
【0019】
面格子本体22の四隅位置に対応してブラケット26がそれぞれ設けられている。各ブラケット26は、壁11の屋内側壁面14又は開口部12周辺の窓用サッシ枠(図示せず)にビス27により固定されている。各ブラケット26には上下方向に貫通する貫通孔28がそれぞれ形成され、上下に対応するブラケット26同士では両貫通孔28が同軸上にかつ各縦枠23,24の長さと同一幅の間隔となるように配置されている。貫通孔28は、その孔径が各縦枠23,24の外径よりも小さくなるように形成されている。
【0020】
一方、面格子本体22には、各縦枠23,24の上下両端部に円柱形状の突部31が形成されている。突部31はその外径が貫通孔28の径とほぼ同一となるように形成されている。すなわち、各縦枠23,24と突部31との間には径の違いにより段差部32が形成されている。各縦枠23,24に設けられた突部31はそれぞれ同軸上に配されており、それぞれ対応するブラケット26の貫通孔28に挿入されている。したがって、面格子本体22は、段差部32がブラケット26の貫通孔28周辺部に当接又は近接された状態にて当該ブラケット26に支持されている。
【0021】
前記各突部31のうち、左縦枠23側の上下一対の突部31は当該左縦枠23に固定されている。したがって、ブラケット26を取り外さない限り、左縦枠23側の突部31はブラケット26の貫通孔28に挿入支持された状態が維持されるようになっている。
【0022】
一方、右縦枠24側の上下一対の突部31は当該右縦枠24とは別体として設けられ、その基端部に拡径部33が一体形成されている。右縦枠24の上下両端部には各拡径部33を収容する収容空間部34が形成されている。拡径部33は収容空間部34内において一定範囲の上下移動が許容されており、収容空間部34に収容された付勢手段としてのコイルスプリング35によって常に突部31が突出する側へと付勢されている。右縦枠24には、収容空間部34に連通しかつ上下方向へ延びる長孔状のガイド孔36が形成されており、拡径部33には操作レバー37がガイド孔36より突出するようにして設けられている。
【0023】
したがって、操作レバー37をコイルスプリング35の付勢力に抗して反ブラケット26側へ移動操作すると、突部31がブラケット26の貫通孔28から離脱し、右縦枠24を上下のブラケット26から取り外すことができる。そして、この状態では、図4の2点鎖線で示すように、左縦枠23の上下軸線を中心として面格子本体22が屋内側に回動させることができる。このように回動させることにより、窓13を含む開口部12が面格子21による被覆状態から開放される。
【0024】
さて、本実施形態では、面格子本体22内を温水が流通できるように構成されている。そこで、かかる構成について、以下に説明する。
【0025】
面格子本体22の各縦枠23,24及び各横枠25は、いずれも内部が中空となった管体により形成されている。そして、左縦枠23と各横枠25との各連結部、及び右縦枠24と各横枠25との各連結部は、いずれも内部で連通されている。
【0026】
右縦枠24の内部では、第2横枠25−2と第3横枠23−3との間、第4横枠25−4と第5横枠25−5との間、第6横枠25−6と第7横枠25−7との間が、それぞれ上下内部空間を仕切る第1仕切板部41によって区画されている。
【0027】
また、左縦枠23の内部では下側の突部31も中空の管体により形成されており、左縦枠23の内部に連通されている。当該突部31は第2仕切板部42により長手方向にみて流路が2分されている。第2仕切板部42は左縦枠23内の上端部付近まで至り、最上段の第1横枠25−1とその直下の第2横枠25−2との間を第3仕切板部43によって仕切っている。したがって、第2仕切板部42及び第3仕切板部43により区画された一方の流路は最上部の第1横枠25−1に連通されている。
【0028】
第2仕切板部42により区画された他方の流路は最下部の第8横枠25−8に連通されているが、当該他方の流路は第1横枠28−1と第2横枠25−2との間、第3横枠25−3と第4横枠25−4との間、第5横枠25−5と第6横枠25−6との間、第7横枠25−7と第8横枠25−8との間が、それぞれ上下内部空間を仕切る第4仕切板部44によって区画されている。この区画は、右縦枠24の内部における第1仕切板部41による区画位置とは互い違いとなっている。
【0029】
以上の構成により、面格子本体22内では、図1に示すように、左縦枠23の下端に設けられた突部31内の第2仕切板部42で区画された一方の流路から左縦枠23内へ、そこから最下段の第8横枠25−8へ、そこから右縦枠24内を介して第7横枠25−7へ、そこから左縦枠23内を介して第6横枠25−6へ、と順次蛇行しながら上側の横枠25を通過していく。そして、最上段の第1横枠25−1を通過して左縦枠23内の上下へ貫通した流路を介して、その下端に設けられた突部31内の他方の流路を通過する一連の循環路46が形成されている。すなわち、各縦枠23,24、各横枠25、さらには左縦枠23下端の突部31は循環路46の形成部材を兼ねている。
【0030】
ここで、左縦枠23の下端の突部31は他の突部31よりも長く形成されており、ブラケット26の下端よりも下方に突出されている。そして、その下方突出部には弾性変形可能な弾性チューブ47の一端が接続されている。弾性チューブ51内には、同じく弾性変形可能な往路管52及び復路管53が設けられている。往路管52は面格子本体22に設けられた循環路46の入口側、すなわち横枠25のうち第8横枠25−8と最初に連通される側に接続されており、復路管53は面格子本体22に設けられた循環路46の出口側、すなわち横枠25のうち第1横枠25−1と最初に連通される側に接続されている。
【0031】
弾性チューブ51の先端部には袋ナット54が設けられており、当該袋ナット54を締め付けることにより、弾性チューブ51は壁11に取り付けられる接続アダプタ55にパッキン56を介して接続されている。なお、前記パッキン56は、弾性チューブ51と接続アダプタ55との間のシールのみならず、往路管52と復路管53との間のシールも行っている。接続アダプタ55には供給管57と回収管58とがそれぞれ接続されている。そして、往路管52と供給管57とが接続アダプタ55を介して接続されるとともに、復路管53と回収管58とが接続アダプタ55を介して接続されている。
【0032】
供給管57及び回収管58は、屋内側壁面14に形成された壁孔61を介して壁11内に導かれており、例えば屋外に設置された温水供給装置62にそれぞれ接続されている。なお、屋内側において、前記接続アダプタ55、供給管57、回収管58及び壁孔61は、化粧カバー63によって覆われており、これにより屋内の美観が維持されている。
【0033】
このように構成された面格子21を備えた建物では、温水供給装置62から温水が供給管57を介して供給され、その温水が往路管52を経て面格子本体22に導入される。面
格子本体22内では、既述のとおり蛇行した経路を辿る循環路46を温水が通過する。その後、復路管53を介して面格子本体22から排出された温水は、回収管58を介して温水供給装置62に戻される。
【0034】
以上説明した構成及び作用により、本実施形態の面格子21及びこれを開口部12に備えた建物においては、以下に示す有利な効果が得られる。
【0035】
面格子本体22の内部に循環路46を形成して温水を通すようにしたことにより、面格子本体22が暖房機能を有することになり、建物の開口部12及びここを覆う窓13周辺の屋内側温度を高めることができる。これにより、開口部12はそれ以外の壁11部分よりも断熱性能が劣るものの、これを温水による温度上昇により補完することができ、建物全体の保温性能を向上させることができる。
【0036】
また、上記効果とも関連するが、一般に、冬季においては、開口部12周辺の温度が屋内の平均温度よりも極端に下がって、開口部12の屋内空気が冷却される。すると、そこでは下降気流が発生し、床を伝って居住者に冷気が及ぶ所謂コールドドラフト現象が発生し易い。この点、開口部12付近の温度を面格子本体22によって高めることができ、コールドドラフト現象の発生を抑制することができる。以上により、冬季における快適な住環境を面格子21によって提供することができる。
【0037】
しかも、上記のような開口部12を屋内側から暖める機能を、別途暖房機を設置することにより得るのではなく、面格子21によって得ているため、スペースの有効利用を図ることができる。特に、面格子21に外的付加として暖房機能を設けるのではなく、枠23〜25内に温水の循環路46を形成することによって実現しているので、単に面格子21を設置する場合に比べ、殆どスペース増大がないから、スペースの一層の有効活用が可能である。
【0038】
また、面格子21に温水を供給することとし、この温水は建物に設置された温水供給装置62を利用することとした。ここで、温水供給装置62は、建物内に設けられる各所の蛇口への温水供給や、浴槽への温水供給に用いるものを兼用することができる。したがって、温水供給装置62を有する住宅においては本実施形態の面格子21を大幅なコストアップなく採用することができる。
【0039】
また、面格子本体22はその左縦枠23を中心に回動可能とされ、開口部12を面格子21による被覆状態から開放することができる。これにより、非常時の脱出ルートを確保することができ、窓13の清掃にも便利であり、開口部12にカーテン等の目隠しを施す場合の対応も容易になる。しかも、面格子本体22は右縦枠24側においてロック状態とすることができるため、開口部12を面格子本体22で覆った状態を確実に維持することができる。
【0040】
さらに、面格子本体22の回動中心軸線を左縦枠23に設定し、そこに弾性チューブ51を接続したので、面格子本体22を開口部12から開放する場合に弾性チューブ51を外す必要はないし、左縦枠23の回動に伴う弾性チューブ51上端の変位は当該弾性チューブ51自身の捩れによって吸収することができるので、面格子本体22を回動させる操作が簡単になる。
【0041】
なお、以上説明した実施形態に限らず、例えば以下に別例として示した形態で実施することもできる。
【0042】
・面格子本体22を、一対の縦枠23,24と複数の横枠25とにより構成したが、そ
れ以外の構成により面格子本体を構成してもよい。例えば、一対の横枠と、両横枠間に掛け渡される複数の縦枠とから面格子本体を構成してもよい。また、矩形枠内にて斜めに延びる枠材を複数本取り付け、さらには当該枠材が交差するようにして取り付けることもできる。
【0043】
・面格子本体22の左右一側である左縦枠23を中心に面格子本体22を側方へ回動させたが、最上段又は最下段の横枠25を中心に面格子本体22を上下へ回動させるように構成してもよい。また、面格子本体22の全体が回動するように構成したが、面格子本体22の一部が回動するように構成してもよい。このような一部が回動する構成は、面格子本体22の一部を固定格子部とし、その他の部分を固定格子部に対して回動可能に支持された回動格子部とすることにより実現できる。
【0044】
・面格子本体22を構成する全ての縦枠23,24及び横枠25を管体によって構成してこれら全てを温水が通過する循環路46を形成したが、それらの一部についてのみ温水を循環させる循環路を形成するようにしてもよい。また、熱媒体としては温水に限らず、不凍液等の他の液体を用いてもよく、不凍液を用いた場合には寒冷地などにおいて凍結のおそれがない点で好ましい。
【0045】
・面格子本体22の内部に温水等の熱媒体を循環させるのに代えて、他の熱源を利用してもよい。他の熱源としては、縦枠23,24や横枠25に電気ヒータを内蔵したり熱線を通す例が考えられる。この場合、面格子本体22の回動軸線を形成する左縦枠23の下端に、前記電気ヒータや熱線に電源を供給するために電源コードが接続されるようにすれば、面格子本体22を回動させた際に電源コードが外れたり切断されるおそれがない。
【0046】
・面格子21を建物の屋内に取り付けた例について説明したが、建物の屋外に設けることも可能である。この場合であっても、屋外側の窓13を含む開口部12の温度が高められることにより屋内側との温度差が小さくなって、コールドドラフト現象の低減に寄与する。但し、屋内側に設ける場合よりもその効果は低くなる。一方、豪雪地などでは、面格子21に積もる雪や付着した氷を溶かす役割も期待でき、開口部12の屋外側に設けることの利点は大きい。なお、面格子21を屋外側に設ける場合には、防犯の観点から面格子本体22を回動できないようにするか、施錠装置を取り付けて通常は施錠しておき屋内側からのみ解錠できるようにしておくことが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】面格子の正面図。
【図2】面格子の右側面図。
【図3】面格子の左側面図。
【図4】面格子の平面図。
【符号の説明】
【0048】
11…壁、12…開口部、13…窓、14…屋内側壁面、21…面格子、22…面格子本体、23…枠体及び回動軸としての左縦枠、24…枠体としての右縦枠、25…枠体としての横枠、26…取付部としてのブラケット、28…貫通孔、31…接続部、回動軸及びロック手段としての突部、46…循環路、51…給排管及びフレキシブルチューブとしての弾性チューブ、62…温水供給装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の開口部に対向して設けられるとともに、格子を形成する枠体によって面格子本体が構成された面格子であって、熱発生手段を備えたことを特徴とする面格子。
【請求項2】
建物の開口部に対向して設けられるとともに、格子を形成する枠体によって面格子本体が構成された面格子であって、前記枠体の少なくとも一部を管体により形成し、その管体内を熱媒体の流通路としたことを特徴とする面格子。
【請求項3】
温水供給装置から供給される温水を通す給排管と接続される接続部が設けられている請求項1又は2記載の面格子。
【請求項4】
建物壁の開口部周辺に取付部を設け、当該取付部に請求項1乃至3のいずれかに記載の面格子における面格子本体を取り付けたことを特徴とする建物。
【請求項5】
前記開口部を面格子本体により覆った状態から開放させるべく、前記取付部を中心として前記面格子本体の一部又は全部を回動可能とする回動軸を備えた請求項4記載の建物。
【請求項6】
前記取付部に対して前記面格子本体を回動不能にロックするロック手段を備えた請求項5記載の建物。
【請求項7】
温水供給装置から供給される温水を通す給排管を備え、当該給排管が前記面格子本体の回動軸に接続されている請求項5又は6記載の建物。
【請求項8】
前記給排管はフレキシブルチューブによって構成されている請求項7記載の建物。
【請求項9】
前記取付部は建物壁の屋内側に設けられ、前記面格子本体は前記開口部の屋内側に対向して設けられる請求項4乃至8のいずれかに記載の建物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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