靴下
【課題】 皮膚の敏感な病人や老人にも快適に履くことのできる靴下を提供する。
【解決手段】 筒状の両端が開口されてその一端部が履口部(30)とされ、側面略く字形状をなしてその曲成外側部分が踵を覆う踵部(34)となった靴下であって、連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層(10)及び靴下内層(20)の二重構造に構成され、靴下外層及び靴下内層の踵部を除く部分は1本以上の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込まれる一方、靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成されている。
【解決手段】 筒状の両端が開口されてその一端部が履口部(30)とされ、側面略く字形状をなしてその曲成外側部分が踵を覆う踵部(34)となった靴下であって、連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層(10)及び靴下内層(20)の二重構造に構成され、靴下外層及び靴下内層の踵部を除く部分は1本以上の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込まれる一方、靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は靴下に関し、特に皮膚の敏感な病人や老人にも快適に履くことができるようにした靴下に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な靴下では図11に示されるように、レッグ部31、足甲部32、底部33、爪先部35及び踵部34についてはその裏糸のカバリーングヤーン、具体的にはナイロン巻ポリウレタンの適度な伸縮弾性により、靴下を履いた人の脚や足にフィットさせる一方、履口部30については更にゴム糸を編み込み、ゴム糸の大きな伸縮弾性によって靴下のずり落ちを防止するようにしている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
しかし、上述の靴下では履口部30又は靴下全体の伸縮弾性を大きくして靴下のずれを確実に防止しようとすると、履口の部位や足全体がきつく締め付けられ、長時間にわたって履いていると苦痛を感じる一方、履口部30又は靴下全体の伸縮弾性を小さくすると、窮屈感は解消されるが、靴下がフィットせず、ずれが発生しやすい。
【0004】
これに対し、本件出願人は、連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層及び凸した内層の二重構造となし、靴下外層及び靴下内層の少なくとも足甲部、底部、レッグ部及び履口部は1本以上の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編みにて編成するとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込む一方、靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成するようにした靴下を開発し提案するに至った(特許文献3)。
【0005】
この靴下は健常者にはふんわりと包み込んで窮屈な装着感や苦痛感を感じることがなく、又足にピッタリとフィットし、非常に履き心地のよい靴下であることが分かった。
【0006】
【特許文献1】特開平10−168605号公報
【特許文献2】特開平10−158903号公報
【特許文献3】特開2002−38304た号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献3記載の靴下は皮膚の感覚の敏感な病人や老人にとっては依然として圧迫感を感じる部分があることが分かった。
【0008】
本発明はかかる点に鑑み、皮膚の敏感な病人や老人にも快適に履くことができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明に係る靴下は、筒状の両端が開口されてその一端部が履口部とされ、側面略く字形状をなしてその曲成外側部分が踵を覆う踵部となった靴下であって、連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層及び靴下内層の二重構造に構成され、上記靴下外層及び靴下内層の踵部を除く部分は1本以上の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込まれる一方、上記靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成されていることを特徴とする。
【0010】
足の立体的な形状を観察すると、同じ大きさの足であっても甲高で幅広、甲高で幅狭、甲低で幅広、甲低で幅狭などさまざまな形状が存在し、しかも甲高や甲低、幅広や幅狭といってもその程度が人によって異なっている。したがって、上記特許文献3記載の編み方をした靴下で編んでも足の寸法によって靴下の大きさを規定すると、装着感が異なり、病人や老人など皮膚の感覚が敏感な人には依然として圧迫感があったものと考えられる。
【0011】
他方、靴下の基本的な機能は爪先から足首(あるいは下脚)までの部分を覆って保護し保温するというものであり、それゆえに略く字状に構成されているが、足の踵と足首の部分を靴下で覆えば足の保護と保温という機能をほぼ達成できる。なお、本件出願人は1本以上の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編みにて編成し、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込み、脚のレッグ部分をカバーする筒状サポータを開発し提案している(特願2004−175494号)
【0012】
本発明の特徴の1つは靴下を側面略く字状の筒状となし、足の爪先、甲及び足裏、又は足の爪先、甲及び土踏まずを靴下の先端から突き出させるようにした点にある。
【0013】
これにより、皮膚の感覚の敏感な病人や老人が靴下によって感じる圧迫感を確実に解消できる。また、足先を骨折した人の場合、靴下の爪先が閉じていると、治療用石膏などに起因して非常に履き難いが、上述のように両端の開口した筒状とすると、足先に石膏があっても軽く履くことができる。
【0014】
パイル編みのシンカー乗せ編みによる編み生地は伸縮弾性が小さく、伸びがパイル編みや平編みに比して2倍〜3倍以上にもなるが、編み生地を二重構造にすると、その大きな伸び特性はほとんど損なわれず、しかも全体として適度な伸縮弾性、従って適度な締め付け力を得ることができる。
【0015】
また、パイル編みのシンカー乗せ編みに代え、平編みのシンカー乗せ編みを採用しても、パイル編みのシンカー乗せ編みと同様に、大きな伸び特性と適度な伸縮弾性が得られることが分かった。但し、平編みのシンカー乗せ編みの場合には編み針の数をパイル編みのシンカー乗せ編みの場合に比して多くする必要がある。例えば、パイル編みのシンカー乗せ編みの場合に編み針を140とすると、平編みのシンカー乗せ編みの場合には編み針を160程度にする必要がある。
【0016】
本発明の他の特徴は靴下外層と靴下内層の二重構造とし、しかも内外層の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みとするようにした点にある。これにより、大きな伸び特性と適度の締め付け力とによって身体、例えば足や脚、手をふんわりと包み込むような快い着用感が得られ、同時に適度の締め付け力によって筒状編成体がずり落ちるのを確実に防止できる。
【0017】
その結果、履口部にゴム糸を編み込んで履口部の締め付け力を大きくする必要はなく、履口の部位がきつく食い込んで苦痛を感じることもなくなる。なお、履口部は必要に応じて適度な伸縮弾性のゴム糸を編み込むこともできる。
【0018】
また、パイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みによる大きな伸び特性により、小さな力で靴下の全体が大きく伸びるので、手足の筋力が弱った老人や病人にも容易に履くことができ、又脱ぐ時にも簡単に脱ぐことができる。
【0019】
靴下には足の踵から荷重が最も加わりやすく、靴下全体をパイル編みのシンカー乗せ編みや平編みのシンカー乗せ編みの二重構造にすると、踵部から加わった荷重に起因して靴下外層が靴下内層に対して前方にずれやすく、靴下に皺がよって脱げてしまいやすい。
【0020】
本発明のさらに他の特徴は踵部に平編みを採用するようにした点にある。これにより、平編みによる編み生地では二重に重ねた部位に荷重を作用させても相互のずれはパイル編みのシンカー乗せ編みや平編みのシンカー乗せ編みの場合に比して小さく靴下の着用中に靴下外層が靴下内層に対して前方にずれることは少なくできる。
【0021】
圧迫感を確実に解消する上で、筒状先端開口の位置を足の立体的形状や石膏の大きさなどに応じて適宜変えるのがよい。即ち、靴下外層及び靴下内層はその他端開口が踵の直前方、土踏まず又は爪先直後方に位置するような寸法となっているのが好ましい。
【0022】
また、靴下の履口部の高さは足首から膝上までの間で任意に選択できる。即ち、靴下外層及び靴下内層はその履口部が足首直上、ふくらはぎ、膝、膝直下又は膝直上に位置するような寸法とすることができる。
【0023】
また、ゴム糸又はカバリーングヤーンをパイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みにおいて裏糸としてコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込むようにしたのは、適度な伸縮弾性を確保するためであり、3目以上になると、伸縮弾性が小さくなり過ぎて使用に耐えないおそれがある。
【0024】
本発明では特に編み糸の材質については限定されず、綿糸、綿アクリル混紡糸、毛糸、毛アクリル混紡糸、絹糸、絹アクリル混紡糸等を用いることができるが、外層の編み糸を綿糸、内層の編み糸を絹糸とすると、綿糸による優れた吸湿性と、絹糸による優れた吸湿・吸熱性とにより、夏期には着用していて涼しく、又二重構造をなす外層と内層との間には空気による断熱層が構成され、冬期には着用していて暖かい、という優れた着用感が得られる。
【0025】
また、平編みのシンカー乗せ編みと裏糸をコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込む編み組織は通常の靴下に適用すると、健常者にはふんわりと包み込んで窮屈な装着感や苦痛感を感じることがなく、又足にピッタリとフィットし、非常に履き心地のよい靴下となる。
【0026】
そこで、本発明に係る靴下は、爪先部、足甲部、底部、踵部、レッグ部及び履口部からなる靴下において、連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層及び靴下内層の二重構造となし、上記靴下外層及び靴下内層の足甲部、レッグ部及び履口部は1本以上の表糸を平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込まれる一方、上記靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成されていることを特徴とする。
【0027】
この場合、靴下外層及び靴下内層の爪先部は他の部位と同様に1本以上の表糸を平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込んで構成してもよく、あるいは平編みに編成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3は本発明に係る靴下の好ましい実施形態を示す。図1ないし図3に示されるように、靴下は靴下外層10と靴下内層20の二重構造をなし、その先端側の靴下外層10の開口と靴下内層20の開口とは相互に縫合され、又靴下外層10及び靴下内層20はともに履口部30、レッグ部31、足甲部32、底部33及び踵部34から構成されている。
【0029】
また、靴下外層10の履口部30、レッグ部31、足甲部32及び底部33は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の綿糸を用い、パイル編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸として1本の90番ないし100番のゴム糸を用いて1目ないし3目飛ばしで編み込まれている。
【0030】
また、靴下外層10の踵部34は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の綿糸を用いて平編みにて編成されている。
【0031】
他方、靴下内層20の履口部30、レッグ部31、足甲部32及び底部33は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の絹糸を用い、パイル編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸として1本の90番又は100番のゴム糸を用いて1目ないし3目飛ばしで編み込まれている。
【0032】
また、靴下内層20の踵部34は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の絹糸を用いて平編みにて編成されている。
【0033】
ここで、本例におけるパイル編みのシンカー乗せ編みを説明すると、図4に示されるように、パイル編みにおける裏糸41を表糸40と同様にシンカー50の頭51に乗せて編む方法であって、この場合には両糸40、41とも表糸となり、ゴム糸44が裏糸の代わりをすることとなる。
【0034】
他方、パイル編みを説明すると、表糸40はシンカー50の頭51に乗せ、裏糸41は乗せずに編成する一方、ゴム糸44はシンカー50の頭に乗せずにコース方向に適当な目数飛ばしながら編み込んでいる。従って、パイル43の高さは図4の(a) における高さtによって決まる。
【0035】
従って、シンカー乗せ編みではパイル編みのようなパイルはできないが、伸縮弾性が小さく、パイル編みと同じ大きさでありながら、伸びが2倍ないし3倍と大きく、締付けが小さくなる。
【0036】
本例の靴下を製造する場合、靴下編み機を用い、靴下外層10及び靴下内層20をその履口部30、レッグ部31、足甲部32及び底部33がパイル編みのシンカー乗せ編み、踵部35が平編みとなるようにして1本の筒状に編成する。得られた筒状編成体は2つに折り返すとともに、靴下外層10及び靴下内層20の先端の開放部分を同時に縫合すると、本例の靴下が得られる。
【0037】
本例の靴下では足の爪先、甲及び足裏及び土踏まずを靴下の先端から突き出させるようにしたので、足先は全く自由となり、皮膚の感覚の敏感な病人や老人が靴下によって感じる圧迫感を確実に解消できる。
【0038】
また、足先を骨折した人の場合、靴下の爪先が閉じていると、治療用石膏などに起因して非常に履き難いが、靴下の両端が開口しているので、足先に石膏があっても軽く履くことができる。
【0039】
本例の靴下では靴下を外層10と内層20の二重構造とし、履口部30、レッグ部31、足甲部32及び底部33をパイル編みのシンカー乗せ編みとしているので、パイル編みのシンカー乗せ編みの特性である大きな伸びと適度の締め付け力とを得ることができ、靴下を履くと足や脚をふんわりと覆うような快い装着感が得られる。
【0040】
また、適度の締め付け力とによって靴下がずり落ちるのを確実に防止でき、履口部30にゴム糸を編み込んで履口部30の締め付け力を大きくする必要はなくなり、靴下履口の不快な食い込み感を解消できる。
【0041】
また、パイル編みのシンカー乗せ編みによる大きな伸び特性により、小さな力で靴下全体が大きく伸びるので、手足の筋力が弱った老人や病人にも容易に履くことができ、又脱ぐ時にも靴下を簡単に脱ぐことができる。
【0042】
さらに、踵部34には平編みを採用しているので、パイル編みのシンカー乗せ編みに起因する靴下外層10と靴下内層20との間のずれを平編みの特性によって阻止でき、靴下に皺がよって脱げるのを防止できる。
【0043】
また、靴下外層10の編み糸40、41を綿糸、靴下内層20の編み糸40、41を絹糸としているので、靴下外層10はその綿糸によって優れた吸湿性を、靴下内層20はその絹糸によって優れた吸湿・吸熱性を示す。その結果、例えば夏期において、足が発汗すると、絹糸が汗を素早く吸い取り、絹糸の湿気は綿糸によって素早く吸い取られて周囲に放散され、しかも絹糸自体はさらさらとしているので、履いていて涼しい。
【0044】
また、本例の靴下は二重構造をなし、その靴下外層10と靴下内層20との間には図4に示されるように、空気による断熱層が構成されるので、冬期には周囲の冷気が靴下を透過しようとしても靴下内外層10、20の間で遮断され、冷気が足に達することはなく、履いていて暖かい。
【0045】
図5は第2の実施形態を示し、図1ないし図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では足甲部32及び底部33の寸法を長くし、土踏まずの半分以上が靴下で覆われるようにしている。
【0046】
図6は第3の実施形態を示し、図1ないし図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では足甲部32及び底部33の寸法を第2の実施形態よりもさらに長くし、足先だけが靴下から突き出るようにしている。
【0047】
図7は第4の実施形態を示し、図1ないし図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例ではレッグ部31を第1〜第3の実施形態に比して短くし、足首直上が靴下で覆われるようにしている。
【0048】
図8は第5の実施形態を示し、図1ないし図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例ではレッグ部31を第1〜第3の実施形態に比して長くし、膝直下、膝又は膝直上まで靴下で覆われるようにしている。
【0049】
上記の例ではパイル編みのシンカー乗せ編みを採用したが、これに代え、図9に示される平編みのシンカー乗せ編みを採用することもできる。平編みのシンカー乗せ編みは図9の(a)に示されるように、平編みにおける裏糸71を表糸70と同様にシンカー60の頭61に乗せて編む方法である。この場合には両糸70、71とも表糸となり、ゴム糸73が裏糸の代わりをすることとなる。
【0050】
従って、平編みのシンカー乗せ編みはパイル編みのシンカー乗せ編みに類似した編み組織となる。
【0051】
図10は第5の実施形態を示す。本例の靴下は爪先部35、足甲部32、底部33、踵部34、レッグ部31及び履口部30からなる側面略く字状をなし、連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層10及び靴下内層20の二重構造に構成されている。
【0052】
靴下外層10及び靴下内層20の爪先部35、足甲部32、レッグ部31及び履口部30は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の綿糸を用い、平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸として1本の90番ないし100番のゴム糸を用いて1目ないし3目飛ばしで編み込まれている。
【0053】
また、靴下外層10及び靴下内層20の踵部34は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の綿糸を用いて平編みにて編成されている。さらに、靴下外層10及び靴下内層20の爪先部35は袋状に縫合されている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る靴下の好ましい実施形態を示す図である。
【図2】上記実施形態における靴下の一部を切り欠いた状態を示す図である。
【図3】上記実施形態の作用を説明するための図である。
【図4】パイル編みのシンカー乗せ編みを説明するための図である。
【図5】第2の実施形態を示す図である。
【図6】第3の実施形態を示す図である。
【図7】第3の実施形態を示す図である。
【図8】第4の実施形態を示す図である。
【図9】平編みのシンカー乗せ編みを説明するための図である。
【図10】第5の実施形態を示す図である。
【図11】一般的な靴下を説明するための図である。
【符号の説明】
【0055】
10 靴下外層 20 靴下内層
30 履口部 31 レッグ部
32 足甲部 33 底部
34 踵部
【技術分野】
【0001】
この発明は靴下に関し、特に皮膚の敏感な病人や老人にも快適に履くことができるようにした靴下に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な靴下では図11に示されるように、レッグ部31、足甲部32、底部33、爪先部35及び踵部34についてはその裏糸のカバリーングヤーン、具体的にはナイロン巻ポリウレタンの適度な伸縮弾性により、靴下を履いた人の脚や足にフィットさせる一方、履口部30については更にゴム糸を編み込み、ゴム糸の大きな伸縮弾性によって靴下のずり落ちを防止するようにしている(特許文献1、特許文献2)。
【0003】
しかし、上述の靴下では履口部30又は靴下全体の伸縮弾性を大きくして靴下のずれを確実に防止しようとすると、履口の部位や足全体がきつく締め付けられ、長時間にわたって履いていると苦痛を感じる一方、履口部30又は靴下全体の伸縮弾性を小さくすると、窮屈感は解消されるが、靴下がフィットせず、ずれが発生しやすい。
【0004】
これに対し、本件出願人は、連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層及び凸した内層の二重構造となし、靴下外層及び靴下内層の少なくとも足甲部、底部、レッグ部及び履口部は1本以上の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編みにて編成するとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込む一方、靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成するようにした靴下を開発し提案するに至った(特許文献3)。
【0005】
この靴下は健常者にはふんわりと包み込んで窮屈な装着感や苦痛感を感じることがなく、又足にピッタリとフィットし、非常に履き心地のよい靴下であることが分かった。
【0006】
【特許文献1】特開平10−168605号公報
【特許文献2】特開平10−158903号公報
【特許文献3】特開2002−38304た号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上記特許文献3記載の靴下は皮膚の感覚の敏感な病人や老人にとっては依然として圧迫感を感じる部分があることが分かった。
【0008】
本発明はかかる点に鑑み、皮膚の敏感な病人や老人にも快適に履くことができるようにすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこで、本発明に係る靴下は、筒状の両端が開口されてその一端部が履口部とされ、側面略く字形状をなしてその曲成外側部分が踵を覆う踵部となった靴下であって、連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層及び靴下内層の二重構造に構成され、上記靴下外層及び靴下内層の踵部を除く部分は1本以上の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込まれる一方、上記靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成されていることを特徴とする。
【0010】
足の立体的な形状を観察すると、同じ大きさの足であっても甲高で幅広、甲高で幅狭、甲低で幅広、甲低で幅狭などさまざまな形状が存在し、しかも甲高や甲低、幅広や幅狭といってもその程度が人によって異なっている。したがって、上記特許文献3記載の編み方をした靴下で編んでも足の寸法によって靴下の大きさを規定すると、装着感が異なり、病人や老人など皮膚の感覚が敏感な人には依然として圧迫感があったものと考えられる。
【0011】
他方、靴下の基本的な機能は爪先から足首(あるいは下脚)までの部分を覆って保護し保温するというものであり、それゆえに略く字状に構成されているが、足の踵と足首の部分を靴下で覆えば足の保護と保温という機能をほぼ達成できる。なお、本件出願人は1本以上の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編みにて編成し、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込み、脚のレッグ部分をカバーする筒状サポータを開発し提案している(特願2004−175494号)
【0012】
本発明の特徴の1つは靴下を側面略く字状の筒状となし、足の爪先、甲及び足裏、又は足の爪先、甲及び土踏まずを靴下の先端から突き出させるようにした点にある。
【0013】
これにより、皮膚の感覚の敏感な病人や老人が靴下によって感じる圧迫感を確実に解消できる。また、足先を骨折した人の場合、靴下の爪先が閉じていると、治療用石膏などに起因して非常に履き難いが、上述のように両端の開口した筒状とすると、足先に石膏があっても軽く履くことができる。
【0014】
パイル編みのシンカー乗せ編みによる編み生地は伸縮弾性が小さく、伸びがパイル編みや平編みに比して2倍〜3倍以上にもなるが、編み生地を二重構造にすると、その大きな伸び特性はほとんど損なわれず、しかも全体として適度な伸縮弾性、従って適度な締め付け力を得ることができる。
【0015】
また、パイル編みのシンカー乗せ編みに代え、平編みのシンカー乗せ編みを採用しても、パイル編みのシンカー乗せ編みと同様に、大きな伸び特性と適度な伸縮弾性が得られることが分かった。但し、平編みのシンカー乗せ編みの場合には編み針の数をパイル編みのシンカー乗せ編みの場合に比して多くする必要がある。例えば、パイル編みのシンカー乗せ編みの場合に編み針を140とすると、平編みのシンカー乗せ編みの場合には編み針を160程度にする必要がある。
【0016】
本発明の他の特徴は靴下外層と靴下内層の二重構造とし、しかも内外層の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みとするようにした点にある。これにより、大きな伸び特性と適度の締め付け力とによって身体、例えば足や脚、手をふんわりと包み込むような快い着用感が得られ、同時に適度の締め付け力によって筒状編成体がずり落ちるのを確実に防止できる。
【0017】
その結果、履口部にゴム糸を編み込んで履口部の締め付け力を大きくする必要はなく、履口の部位がきつく食い込んで苦痛を感じることもなくなる。なお、履口部は必要に応じて適度な伸縮弾性のゴム糸を編み込むこともできる。
【0018】
また、パイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みによる大きな伸び特性により、小さな力で靴下の全体が大きく伸びるので、手足の筋力が弱った老人や病人にも容易に履くことができ、又脱ぐ時にも簡単に脱ぐことができる。
【0019】
靴下には足の踵から荷重が最も加わりやすく、靴下全体をパイル編みのシンカー乗せ編みや平編みのシンカー乗せ編みの二重構造にすると、踵部から加わった荷重に起因して靴下外層が靴下内層に対して前方にずれやすく、靴下に皺がよって脱げてしまいやすい。
【0020】
本発明のさらに他の特徴は踵部に平編みを採用するようにした点にある。これにより、平編みによる編み生地では二重に重ねた部位に荷重を作用させても相互のずれはパイル編みのシンカー乗せ編みや平編みのシンカー乗せ編みの場合に比して小さく靴下の着用中に靴下外層が靴下内層に対して前方にずれることは少なくできる。
【0021】
圧迫感を確実に解消する上で、筒状先端開口の位置を足の立体的形状や石膏の大きさなどに応じて適宜変えるのがよい。即ち、靴下外層及び靴下内層はその他端開口が踵の直前方、土踏まず又は爪先直後方に位置するような寸法となっているのが好ましい。
【0022】
また、靴下の履口部の高さは足首から膝上までの間で任意に選択できる。即ち、靴下外層及び靴下内層はその履口部が足首直上、ふくらはぎ、膝、膝直下又は膝直上に位置するような寸法とすることができる。
【0023】
また、ゴム糸又はカバリーングヤーンをパイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みにおいて裏糸としてコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込むようにしたのは、適度な伸縮弾性を確保するためであり、3目以上になると、伸縮弾性が小さくなり過ぎて使用に耐えないおそれがある。
【0024】
本発明では特に編み糸の材質については限定されず、綿糸、綿アクリル混紡糸、毛糸、毛アクリル混紡糸、絹糸、絹アクリル混紡糸等を用いることができるが、外層の編み糸を綿糸、内層の編み糸を絹糸とすると、綿糸による優れた吸湿性と、絹糸による優れた吸湿・吸熱性とにより、夏期には着用していて涼しく、又二重構造をなす外層と内層との間には空気による断熱層が構成され、冬期には着用していて暖かい、という優れた着用感が得られる。
【0025】
また、平編みのシンカー乗せ編みと裏糸をコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込む編み組織は通常の靴下に適用すると、健常者にはふんわりと包み込んで窮屈な装着感や苦痛感を感じることがなく、又足にピッタリとフィットし、非常に履き心地のよい靴下となる。
【0026】
そこで、本発明に係る靴下は、爪先部、足甲部、底部、踵部、レッグ部及び履口部からなる靴下において、連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層及び靴下内層の二重構造となし、上記靴下外層及び靴下内層の足甲部、レッグ部及び履口部は1本以上の表糸を平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込まれる一方、上記靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成されていることを特徴とする。
【0027】
この場合、靴下外層及び靴下内層の爪先部は他の部位と同様に1本以上の表糸を平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込んで構成してもよく、あるいは平編みに編成してもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3は本発明に係る靴下の好ましい実施形態を示す。図1ないし図3に示されるように、靴下は靴下外層10と靴下内層20の二重構造をなし、その先端側の靴下外層10の開口と靴下内層20の開口とは相互に縫合され、又靴下外層10及び靴下内層20はともに履口部30、レッグ部31、足甲部32、底部33及び踵部34から構成されている。
【0029】
また、靴下外層10の履口部30、レッグ部31、足甲部32及び底部33は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の綿糸を用い、パイル編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸として1本の90番ないし100番のゴム糸を用いて1目ないし3目飛ばしで編み込まれている。
【0030】
また、靴下外層10の踵部34は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の綿糸を用いて平編みにて編成されている。
【0031】
他方、靴下内層20の履口部30、レッグ部31、足甲部32及び底部33は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の絹糸を用い、パイル編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸として1本の90番又は100番のゴム糸を用いて1目ないし3目飛ばしで編み込まれている。
【0032】
また、靴下内層20の踵部34は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の絹糸を用いて平編みにて編成されている。
【0033】
ここで、本例におけるパイル編みのシンカー乗せ編みを説明すると、図4に示されるように、パイル編みにおける裏糸41を表糸40と同様にシンカー50の頭51に乗せて編む方法であって、この場合には両糸40、41とも表糸となり、ゴム糸44が裏糸の代わりをすることとなる。
【0034】
他方、パイル編みを説明すると、表糸40はシンカー50の頭51に乗せ、裏糸41は乗せずに編成する一方、ゴム糸44はシンカー50の頭に乗せずにコース方向に適当な目数飛ばしながら編み込んでいる。従って、パイル43の高さは図4の(a) における高さtによって決まる。
【0035】
従って、シンカー乗せ編みではパイル編みのようなパイルはできないが、伸縮弾性が小さく、パイル編みと同じ大きさでありながら、伸びが2倍ないし3倍と大きく、締付けが小さくなる。
【0036】
本例の靴下を製造する場合、靴下編み機を用い、靴下外層10及び靴下内層20をその履口部30、レッグ部31、足甲部32及び底部33がパイル編みのシンカー乗せ編み、踵部35が平編みとなるようにして1本の筒状に編成する。得られた筒状編成体は2つに折り返すとともに、靴下外層10及び靴下内層20の先端の開放部分を同時に縫合すると、本例の靴下が得られる。
【0037】
本例の靴下では足の爪先、甲及び足裏及び土踏まずを靴下の先端から突き出させるようにしたので、足先は全く自由となり、皮膚の感覚の敏感な病人や老人が靴下によって感じる圧迫感を確実に解消できる。
【0038】
また、足先を骨折した人の場合、靴下の爪先が閉じていると、治療用石膏などに起因して非常に履き難いが、靴下の両端が開口しているので、足先に石膏があっても軽く履くことができる。
【0039】
本例の靴下では靴下を外層10と内層20の二重構造とし、履口部30、レッグ部31、足甲部32及び底部33をパイル編みのシンカー乗せ編みとしているので、パイル編みのシンカー乗せ編みの特性である大きな伸びと適度の締め付け力とを得ることができ、靴下を履くと足や脚をふんわりと覆うような快い装着感が得られる。
【0040】
また、適度の締め付け力とによって靴下がずり落ちるのを確実に防止でき、履口部30にゴム糸を編み込んで履口部30の締め付け力を大きくする必要はなくなり、靴下履口の不快な食い込み感を解消できる。
【0041】
また、パイル編みのシンカー乗せ編みによる大きな伸び特性により、小さな力で靴下全体が大きく伸びるので、手足の筋力が弱った老人や病人にも容易に履くことができ、又脱ぐ時にも靴下を簡単に脱ぐことができる。
【0042】
さらに、踵部34には平編みを採用しているので、パイル編みのシンカー乗せ編みに起因する靴下外層10と靴下内層20との間のずれを平編みの特性によって阻止でき、靴下に皺がよって脱げるのを防止できる。
【0043】
また、靴下外層10の編み糸40、41を綿糸、靴下内層20の編み糸40、41を絹糸としているので、靴下外層10はその綿糸によって優れた吸湿性を、靴下内層20はその絹糸によって優れた吸湿・吸熱性を示す。その結果、例えば夏期において、足が発汗すると、絹糸が汗を素早く吸い取り、絹糸の湿気は綿糸によって素早く吸い取られて周囲に放散され、しかも絹糸自体はさらさらとしているので、履いていて涼しい。
【0044】
また、本例の靴下は二重構造をなし、その靴下外層10と靴下内層20との間には図4に示されるように、空気による断熱層が構成されるので、冬期には周囲の冷気が靴下を透過しようとしても靴下内外層10、20の間で遮断され、冷気が足に達することはなく、履いていて暖かい。
【0045】
図5は第2の実施形態を示し、図1ないし図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では足甲部32及び底部33の寸法を長くし、土踏まずの半分以上が靴下で覆われるようにしている。
【0046】
図6は第3の実施形態を示し、図1ないし図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例では足甲部32及び底部33の寸法を第2の実施形態よりもさらに長くし、足先だけが靴下から突き出るようにしている。
【0047】
図7は第4の実施形態を示し、図1ないし図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例ではレッグ部31を第1〜第3の実施形態に比して短くし、足首直上が靴下で覆われるようにしている。
【0048】
図8は第5の実施形態を示し、図1ないし図4と同一符号は同一又は相当部分を示す。本例ではレッグ部31を第1〜第3の実施形態に比して長くし、膝直下、膝又は膝直上まで靴下で覆われるようにしている。
【0049】
上記の例ではパイル編みのシンカー乗せ編みを採用したが、これに代え、図9に示される平編みのシンカー乗せ編みを採用することもできる。平編みのシンカー乗せ編みは図9の(a)に示されるように、平編みにおける裏糸71を表糸70と同様にシンカー60の頭61に乗せて編む方法である。この場合には両糸70、71とも表糸となり、ゴム糸73が裏糸の代わりをすることとなる。
【0050】
従って、平編みのシンカー乗せ編みはパイル編みのシンカー乗せ編みに類似した編み組織となる。
【0051】
図10は第5の実施形態を示す。本例の靴下は爪先部35、足甲部32、底部33、踵部34、レッグ部31及び履口部30からなる側面略く字状をなし、連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層10及び靴下内層20の二重構造に構成されている。
【0052】
靴下外層10及び靴下内層20の爪先部35、足甲部32、レッグ部31及び履口部30は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の綿糸を用い、平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸として1本の90番ないし100番のゴム糸を用いて1目ないし3目飛ばしで編み込まれている。
【0053】
また、靴下外層10及び靴下内層20の踵部34は表糸として1本ないし2本の5番ないし15番の綿糸を用いて平編みにて編成されている。さらに、靴下外層10及び靴下内層20の爪先部35は袋状に縫合されている。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明に係る靴下の好ましい実施形態を示す図である。
【図2】上記実施形態における靴下の一部を切り欠いた状態を示す図である。
【図3】上記実施形態の作用を説明するための図である。
【図4】パイル編みのシンカー乗せ編みを説明するための図である。
【図5】第2の実施形態を示す図である。
【図6】第3の実施形態を示す図である。
【図7】第3の実施形態を示す図である。
【図8】第4の実施形態を示す図である。
【図9】平編みのシンカー乗せ編みを説明するための図である。
【図10】第5の実施形態を示す図である。
【図11】一般的な靴下を説明するための図である。
【符号の説明】
【0055】
10 靴下外層 20 靴下内層
30 履口部 31 レッグ部
32 足甲部 33 底部
34 踵部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の両端が開口されてその一端部が履口部とされ、側面略く字形状をなしてその曲成外側部分が踵を覆う踵部となった靴下であって、
連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層及び靴下内層の二重構造に構成され、
上記靴下外層及び靴下内層の踵部を除く部分は1本以上の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込まれる一方、上記靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成されていることを特徴とする靴下。
【請求項2】
上記靴下外層及び靴下内層はその他端開口が踵の直前方、土踏まず又は爪先直後方に位置するような寸法となっている請求項1記載の靴下。
【請求項3】
上記靴下外層及び靴下内層はその履口部が足首直上、ふくらはぎ、膝、膝直下又は膝直上に位置するような寸法となっている請求項1記載の靴下。
【請求項4】
爪先部、足甲部、底部、踵部、レッグ部及び履口部からなる靴下において、
連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層及び靴下内層の二重構造となし、
上記靴下外層及び靴下内層の足甲部、レッグ部及び履口部は1本以上の表糸を平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込まれる一方、上記靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成されていることを特徴とする靴下。
【請求項5】
上記靴下外層及び靴下内層の爪先部は1本以上の表糸を平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込んで構成されている請求項4記載の靴下。
【請求項1】
筒状の両端が開口されてその一端部が履口部とされ、側面略く字形状をなしてその曲成外側部分が踵を覆う踵部となった靴下であって、
連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層及び靴下内層の二重構造に構成され、
上記靴下外層及び靴下内層の踵部を除く部分は1本以上の表糸をパイル編みのシンカー乗せ編み又は平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込まれる一方、上記靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成されていることを特徴とする靴下。
【請求項2】
上記靴下外層及び靴下内層はその他端開口が踵の直前方、土踏まず又は爪先直後方に位置するような寸法となっている請求項1記載の靴下。
【請求項3】
上記靴下外層及び靴下内層はその履口部が足首直上、ふくらはぎ、膝、膝直下又は膝直上に位置するような寸法となっている請求項1記載の靴下。
【請求項4】
爪先部、足甲部、底部、踵部、レッグ部及び履口部からなる靴下において、
連続した筒状に編成されて折り返されることにより靴下外層及び靴下内層の二重構造となし、
上記靴下外層及び靴下内層の足甲部、レッグ部及び履口部は1本以上の表糸を平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込まれる一方、上記靴下外層及び靴下内層の踵部は平編みにて編成されていることを特徴とする靴下。
【請求項5】
上記靴下外層及び靴下内層の爪先部は1本以上の表糸を平編みのシンカー乗せ編みにて編成されるとともに、裏糸としてゴム糸又はカバリーングヤーンをコース方向に1目ないし3目飛ばしながら編み込んで構成されている請求項4記載の靴下。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−283258(P2006−283258A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−108766(P2005−108766)
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(593106228)ナカイニット株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月5日(2005.4.5)
【出願人】(593106228)ナカイニット株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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