説明

靴底の清掃装置

【課題】商業施設や病院等の建物の入口を通過する人の靴底や車椅子・手押し車・ショッピングカー・ストレッチャー等の車輪に付着した汚れを靴底清掃装置において除去する。
【解決手段】歩廊面に複数個の配置孔Aを要した上部板(踏板)9を設け、その配置孔Aよりも少し大きめか小さめのどちらか一方の径の複数個の上面から見て左右に回転する清掃ブラシ1・ブラシ保持具21を垂直方向の回転軸4・4aを介して具備し、その複数個の清掃ブラシ1・ブラシ保持具21・回転軸4・4aは垂直方向下部槽(中間板10と下部板11の間)の1段と2段からなる複数個のギアー6の組み合わせとベアリング7を介して回転し、そして上部板(踏板)9の配置孔Aと清掃ブラシ1・ブラシ保持具21の隙間から落下する塵埃は上部板(踏板)9と中間板10との間のいわゆる上部槽に堆積され上部槽端部に設置された吸引集塵装置で吸引先端パイプを介して収集される。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、人の靴底や車椅子・手押し車・ショッピングカー・ストレッチャー等似車輪に付着した汚れを、清潔かつ塵埃も周囲に飛散されることの無い吸引集塵装置を有する清掃装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商業施設や病院等の建物の入口には一般的に玄関マットが設置されており、ここを通過する人の靴や人以外の車椅子・ショッピングカー・ストレッチャー等類似の車輪に付着した土や砂等の汚れを取り除く役割を果たしている。
しかし、靴底等に付着している土・砂・塵埃等を擦り落とすためには故意に人がそういった動作をしなければ除去できないことになり、その為に靴底等に付着した汚れがそのまま建物内に運びこまれ易いという難点があった。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このように建物の入口に設置してある従来のマットでは、人が故意に靴底をマットに擦り付ける動作をすればある程度の除去効果はあるが、車椅子等類似車輪についてはその動作は難しく車輪に付着した汚れを落とすということも多くは期待できないのが現状である。
この難点を解消するために、実開平6−52765号公報にはベルトによる伝達で複数個の清掃ブラシを回転させて靴底・車椅子の車輪等を払拭する装置が提案されているが、ベルト伝達のための各清掃ブラシ間の取付ピッチが大きめで前記のマット同様、靴底や車椅子の車輪に付着した汚れを落とすにはやや難がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するための本開発に係る靴底清掃装置は次の構成を備えている。
駆動・吸引・清掃ブラシ回転部である。
駆動部はモーター・減速機を介しひとつの回転軸に動力を伝達することにより、それに噛み合った多数個のギアーが回転し、清掃ブラシが左右回転することになる。
次に吸引装置は、上部槽の下部端部に位置し上部槽には複数の吸引用パイプを配備し、その吸引用パイプは吸引全体のバランスを考慮した色々な径の吸引孔があり、さらに上部槽端には各吸引用パイプにバルブを具備し、さらなる吸引バランスを調整可能としている。
そして清掃ブラシ回転部は大きく分けて上部板(踏板)・中間板・下部板の3種類の板で構成されている。上部板(踏板)には平面的に規則性をもって配列された複数個の配置孔を有し、各複数個の配置孔にはそれより少し大きめか小さめのどちらか一方の径の左右に平面回転する複数個の清掃ブラシとブラシ保持具、例えば金属・非鉄金属・樹脂・木・竹・セラミック製等でこれにマグネットを介して連結された垂直方向の回転軸が中間板と下部板の各々に取付されたベアリングカバーを介してベアリングに納められており、さらに回転軸には下部槽(中間板と下部板の間)で1段と2段からなる複数個のギアーの組合せが配列され駆動部からの伝達で左右回転すると共に上槽部に落下堆積された塵埃は上部槽端部に備えられた吸引集塵装置で収集することを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0005】
以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明する。
図1 靴底清掃装置の全体平面図
図2 装置の断面図
図3 清掃ブラシ部図
図4 上部槽吸引パイプと複数個ギアー回転の駆動元受部図
【0006】
第1図乃至第4図において、上部板(踏板)9には平面的に規則性を持って配列された複数個の配置孔Aを有し、各複数個の配置孔Aにはその配置孔Aよりも少し小さめか大きめのどちらか一方の径の複数個の左右に平面回転する清掃ブラシ1・ブラシ保持具21が垂直方向にある回転軸4・4aと共に配備されている。ブラシ保持具21は、例えば金属・非鉄金属・樹脂・木・竹・セラミック等で下部に着脱自在用のための鉄もしくはマグネットを埋め込む細ミゾ2をさらに左右回転の横揺れ防止ミゾ22を設け回転軸4・4aとの嵌合を密にしている。ここで回転軸4・4aは上部にはミゾ23を設けマグネット3・3aを嵌め込み、さらに下部側は段付にしてベアリングカバー5・8を介してベアリング7に嵌入する。そして上部板(踏板)9は周囲の取付ビスを外すことにより上部板(踏板)9は簡単に取外しができる構造である。次に中間板10は上部板(踏板)9と同様複数個の回転軸4・4a用の孔があり、回転軸4・4aを円滑に回転及び組立容易化のため円錐形状のベアリング受け5を具備しベアリング7が内蔵され、さらに中間板10の上面にはゴムパッキン16を備えており、下部槽に塵埃が進入するのを防いでいる。そして中間板10も上部板(踏板)9同様取外しが可能である。次に下部板11は上部板(踏板)9・中間板10と異なり複数個の配置穴は存在せず、回転軸4・4aの底端部にベアリングカバー8が中間板10のベアリング7と同一軸線上になるべく多数配置されている。
そして下部板11と中間板10の空間の下部槽には1段及び2段からなる複数個のギアー6が回転軸4・4aに組み合わさって固定され、お互いが噛み合い清掃用ブラシ1を左右方向回転させる伝達元をなしていると同時に、この下部槽は密封構造になっていてこの下部槽に潤滑油が注入できギアー6による騒音防止にもなっている。また上部板(踏板)9の配置孔Aと清掃ブラシ保持具22の隙間から落下する塵埃は上部槽に堆積され、上部槽端部に設置された吸引集塵装置18で収集される設備を備えてある。
【発明の効果】
【0007】
以上説明したように本発明に係る靴底清掃装置は複数個の上面から見て接近して左右に平面回転するブラシ保持具頂部がR付(R部中心は床面から少し上り周囲は床面より少し下がっている)の清掃ブラシを具備して靴底や車輪の汚れを除去する。
また、汚れ除去時の塵埃を周囲に飛散されることのないよう吸引収集する。そして装置の保守点検が容易なる構成にしており、加えて人の感知センサーを設置することにより非通過時には清掃ブラシは不回転で経済的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】靴底清掃装置の全体平面図である。
【図2】靴底清掃装置の断面図である。
【図3】靴底清掃装置の清掃ブラシ部図である。
【図4】靴底清掃装置の上部槽吸引パイプと複数個ギアー回転の駆動元受け部図である。
【符号の説明】
1 清掃ブラシ 15 駆動伝達ベルト
2 細ミゾ 16 ゴムパッキン
3・3a マグネット 17 吸引先端パイプ吸引孔
4・4a 回転軸 18 吸引集塵装置
5 上部ベアリング受け 19 バルブ
6 ギアー 20 総吸引口
7 ベアリング 21 ブラシ保持具
8 下部ベアリング受け 22 横触れ防止ミゾ
9 上部板 23 回転軸上部ミゾ
10 中間板 A 配置孔
11 下部板
12 モーター
13 減速機
14 吸引先端パイプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩廊面に複数個の配置孔を要した上部板(踏板)を設け、その配置孔よりも少し大きめか小さめのどちらか一方の径の複数個の上面から見て左右に回転する清掃ブラシ・ブラシ保持具を垂直方向の回転軸を介して具備し、その複数個の清掃ブラシ・ブラシ保持具・回転軸は垂直方向下部槽(中間板と下部板の間)の1段と2段からなる複数個のギアーの組み合わせとベアリングを介して回転し、そして上部板(踏板)の配置孔と清掃ブラシ・ブラシ保持具の隙間から落下する塵埃は上部板(踏板)と中間板との間のいわゆる上部槽に堆積され上部槽端部に設置された吸引集塵装置で吸引先端パイプを介して収集されることを特徴とする靴底清掃装置。
【請求項2】
前記清掃ブラシを保持する保持具頂部に清掃効果向上目的でR部を設けたことを特徴とする請求項1記載の靴底清掃装置。
【請求項3】
前記清掃ブラシの交換・掃除容易化のため清掃ブラシ保持具と回転軸接続部にマグネットの埋め込み・凹凸の溝を設けた構造を特徴とする請求項1記載の靴底清掃装置。
【請求項4】
前記清掃ブラシ回転用の組み合わせギアー・ベアリングが収納されている下部槽に潤滑油が投入できる構造を特徴とする請求項1記載の靴底清掃装置。
【請求項5】
前記清掃装置本体の上部板(踏板)と中間板が取外し可能になることを特徴とする請求項1記載の靴底清掃装置。
【請求項6】
前記清掃装置本体の中間板部の多数個のベアリングカバーを組立を考慮して円錐形状にした事を特徴とする請求項1記載の靴底清掃装置。
【請求項7】
前記清掃装置本体の中間板の複数個の回転軸の通し部孔上部にゴムパッキンを設け土砂塵埃が下部槽に進入する事を防ぎ複数個配列された駆動系に支障をきたさない事を特徴とする請求項1記載の靴底清掃装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−291588(P2009−291588A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−187878(P2008−187878)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【出願人】(593000155)株式会社 藤原工業 (4)
【Fターム(参考)】