説明

鞍乗り型車両

【課題】本発明は、キャリアに物が積載されている状態であっても、通信ユニットの送受信感度を良好に保つことができる鞍乗り型車両を提供することを課題とする。
【解決手段】自動二輪車10に、乗員シート34の後方に物を積載するリヤキャリア41が配置され、このリヤキャリア41の下方に通信ユニット65が配置されている。リヤキャリア41は、物を載せる積載面51を有する積載部52と、積載面51よりも上方に突出されると共に乗員シート34との間に設けられる上方突出部47と、からなり、通信ユニット65に、アンテナ部81が備えられ、リヤキャリア41の下方に配置されるアンテナ部81は、リヤキャリア41のうち、乗員シート側の端部34bに配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両後部に通信ユニットが配置されている鞍乗り型車両の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
車両後部に物を載せるリヤキャリアが設けられ、このリヤキャリアの下方に通信ユニットが配置されている鞍乗り型車両が知られている(例えば、特許文献1(図4)参照。)。
【0003】
特許文献1の図4において、車両後部にキャリア(46)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)が設けられ、このキャリアの積載面(46a)よりも下方に収納ボックス(74)が配置され、この収納ボックス(74)内に通信ユニットが配置されている。
【0004】
しかしながら、キャリアの積載面(46a)には、様々な物が積載される。例えば、金属製の荷物等がキャリア(46)に積載されると、収納ボックス(74)に収納されている通信ユニットの上方が遮蔽されるため、通信ユニットの送受信感度が低下する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−74290公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、キャリアに物が積載されている状態であっても、通信ユニットの送受信感度を良好に保つことができる鞍乗り型車両を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明は、乗員が着座する乗員シートの後方に物を積載するリヤキャリアが配置され、このリヤキャリアの下方に車両外部との間で各種信号の授受を行う通信ユニットが配置されている鞍乗り型車両において、リヤキャリアは、車両長手方向水平に延ばされ物を載せる積載面を有する積載部を備え、通信ユニットに、各種信号の送受信を行うアンテナ部が備えられ、リヤキャリアの下方に配置されるアンテナ部は、リヤキャリアのうち、乗員シート側の端部に配置されていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に係る発明では、リヤキャリアは、積載面よりも上方に突出されると共に乗員シートとの間に設けられ乗員シート側に物が積載されることを防止する上方突出部が備えられていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に係る発明は、鞍乗り型車両に、車体フレームを含み、通信ユニットに、ハーネスが接続されるコネクタ部が備えられ、通信ユニットの後方に、リヤキャリアを車体フレームへ締結する締結部が備えられ、コネクタ部は、通信ユニットに備えられている後面で、且つ、締結部に対向する位置に形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項4に係る発明は、乗員シートの一部は、通信ユニットの一部を覆うように配置され、車体フレームに、通信ユニットを車体フレームに取付ける取付ステーが備えられ、この取付ステーに乗員シートが通信ユニットに当たることを防止するシート規制部が備えられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に係る発明では、通信ユニットは、車両の位置情報を測定すると共にこの位置情報を無線送信する盗難対策装置であり、リヤキャリアの下方に、通信ユニットを覆うリヤカウルが配置されると共に、このリヤカウルに、通信ユニットの位置する部分に対応する位置で上方に膨出する膨出部を形成することを特徴とする。
【0012】
請求項6に係る発明では、通信ユニットは、位置情報を検出するGPS部と、検出した前記位置情報を送信する衛星携帯電話通信部と、を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に係る発明では、通信ユニットは、位置情報を検出するGPS部と、検出した前記位置情報を送信する衛星携帯電話通信部と、盗難を検出する加速度センサと、これらのGPS部、衛星携帯電話通信部及び加速度センサを統合制御する制御部と、各部に電力を供給する内部電源とを一体のユニット内に備えることを特徴とする。
【0014】
請求項8に係る発明では、盗難対策装置は、盗難を検知した場合に、エンジンの始動を停止するエンジン停止機能と、灯火器を作動させて警報を発する警報機能とを有し、盗難対策装置を車体に備える電装系統に接続することにより、エンジン停止機能及び警報機能が作動可能であることを特徴とする。
【0015】
請求項9に係る発明では、通信ユニットは、ボックス状に形成され、ボックスの最も大きな面が水平又は水平に近い状態で配置されていることを特徴とする。
【0016】
請求項10に係る発明では、通信ユニットは、自動料金収受システムであり、この自動料金収受システムに備えられている乗員シート側の側面に、カード挿入口が配置されていると共に、乗員シートが開閉自在に備えられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に係る発明では、アンテナ部は、リヤキャリアのうち、乗員シート側の端部に配置されている。リヤキャリアに物が積載されている状態であっても、乗員シート側のアンテナ部上方の開放空間が確保されるので、アンテナ部の送受信性能が確保される。
【0018】
請求項2に係る発明では、リヤキャリアに乗員シート側に物が積載されることを防止する上方突出部が備えられている。このような上方突出部により、積載物が乗員シートの側に張り出すことを抑制できる。したがって、キャリアに物が積載されている状態であっても、通信ユニットの送受信感度を良好に保つことができる。
【0019】
請求項3に係る発明では、コネクタ部は、通信ユニットの後面で、且つ締結部に対向する位置に形成されている。コネクタ部に挿入されているソケットに車両後方へ移動する力が作用した場合であっても、ソケットがコネクタ部の後方に配置されている締結部に当接するので、ソケットが通信ユニットからの抜けを防止することができる。すなわち、コネクタ部は、締結部に対向位置されているので、ソケットの抜けが防止され、通信ユニットへのいたずら防止を図ることができる。
【0020】
請求項4に係る発明では、車両を上方から見たときに、通信ユニットは、その一部が乗員シートの側にかかるように配置されているので、アンテナ部と積載物を離して、アンテナ部上方の開放空間を確保することができ、通信ユニットの送受信感度をさらに良好にすることができる。
【0021】
加えて、取付ステーにシート規制部が備えられているので、乗員シートの後端に大きな荷重が作用する場合であっても、シート規制部により、通信ユニットに乗員シートの荷重を直接作用させることを回避できる。
また、シート規制部は、取付ステーと一体的に設けられているので、部品点数の増加を抑えることができ、車両のコストアップが抑制される。
【0022】
請求項5に係る発明では、リヤカウルに、リヤキャリアの下方で、通信ユニットの上方に配置され、この通信ユニットの上方に位置する部分が上方に膨出する膨出部が形成されるので、通信ユニットの上方に相当する位置でリヤカウルが膨出し、盗難対策装置の存在を外観上確認し易くなり、車両の盗難抑止効果を高めることができる。加えて、通信ユニット以外のリヤカウルをコンパクトに形成できるので、リヤカウルの軽量化を図ることができる。
【0023】
請求項6に係る発明では、通信ユニットは、GPS部と、衛星携帯電話通信部とを備え、リヤカウルの下方で、且つ、乗員シートの側の端部に配置されている。このようなGPS部と、衛星携帯電話通信部とを備えている通信ユニットを請求項1〜請求項4のように配置することで、アンテナ部の上方に金属製の構造物が配置されることなく開放させることが可能となる。
【0024】
アンテナ部の上方が開放されていれば、GPS部信号の受信及び位置情報の送信に関して、送受信感度が良好なものとなる。したがって、スペースに制約があり、ユニット部材の配置自由度の低い鞍乗り型車両であっても通信ユニットを配置することが可能になる。
【0025】
請求項7に係る発明では、盗難対策装置は一体のユニット内に備えられているので、車両への組付性を高めることができる。盗難対策装置は、GPS部と衛星携帯電話通信部と加速度センサと制御部と各部に電力を供給する内部電源とからなるので、ユニットが大型化する。このような大型化したユニットであっても、請求項1〜請求項4のように盗難対策装置を配置することで、車両を大型化させることなく盗難対策装置の配置が可能になる。
【0026】
請求項8に係る発明では、盗難対策装置を車体に具備されている電装系統に接続することにより、エンジン停止機能と警報機能とを作用させることが可能になる。したがって、新たな機能部品の配置や配線の取り回しが不要となる。加えて、請求項1〜請求項4のように配置することにより、車両の基本配線への盗難対策装置の接続が、短い専用配線で済むため、車両の軽量化及びコンパクト化を図ることができる。
【0027】
請求項9に係る発明では、ハウジングが、ボックス状に形成され、ボックスの最も大きな面が水平又は水平に近い状態で配置されているので、盗難対策装置内の機能部品の配置を最適化した上で、GPS及び携帯電話通信部に備えるアンテナの面積を確保することができ、送受信を良好に行うことができる車両への搭載が可能になる。
【0028】
請求項10に係る発明では、通信ユニットが、自動料金収受システムであり、カードの抜き差しは、乗員シートを開いて行うようにしたので、カード挿入口が露出することを抑制すると共に自動料金収受システムの使い勝手を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る自動二輪車の左側面図である。
【図2】リヤカウルとこのリヤカウルの上方に設けられるリヤキャリアの平面図である。
【図3】自動二輪車の要部平面図(リヤキャリア及びリヤカウルが取外されている状態)である。
【図4】自動二輪車の要部左側面図である。
【図5】通信ユニットの取付構造を説明する分解斜視図である。
【図6】通信ユニット及びその関連部品を示す説明図である。
【図7】本発明に係る通信ユニットのブロック図である。
【図8】図2の別実施例図である。
【図9】図8の要部断面図である。
【図10】シートロック機構の説明図及び別実施例に係る作用説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中及び実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
【実施例1】
【0031】
先ず、本発明の実施例1を図面に基づいて説明する。
図1に示されているように、自動二輪車10は、車体フレーム11がヘッドパイプ12と、このヘッドパイプ12から後方に延びているメインフレーム13と、このメインフレーム13の後部上部から後方に延びているシートレール14と、ヘッドパイプ12から斜め下後方に延びているダウンフレーム15と、このダウンフレーム15の後方に設けられメインフレーム13の後部から略下方に延びているピボットフレーム16と、このピボットフレーム16の下部とシートレール14の間に掛け渡したサブフレーム17と、から構成されている鞍乗り型車両である。
【0032】
ヘッドパイプ12から斜め前下方に、フロントフォーク21が延びており、このフロントフォーク21の下端部に前輪22が取付けられ、フロントフォーク21の上端部に前輪22を操向する操向ハンドル23が取付けられている。
【0033】
ピボットフレーム16に、車幅方向にピボット軸25が設けられ、このピボット軸25から後方にスイングアーム26が揺動自在に延びており、このスイングアーム26の後端部に、後輪27が取付けられ、このスイングアーム26の後部からシートレール14に向けクッションユニット28が延びており、このクッションユニット28の上端部は、シートレール14に取付けられている。
【0034】
駆動源としてのエンジン18は、車体フレーム11に懸架されている。詳しくは、エンジン18の前部は、エンジンハンガ35を介してダウンフレーム15に取付けられ、エンジン18の後部は、ピボットフレーム16に取付けられている。エンジン18の出力は、ドライブスプロケット30とドリブンスプロケット31の間に巻き掛けたチェーン32によりドリブンスプロケット31と一体の後輪27に伝達される。
【0035】
メインフレーム13の前部に、燃料タンク33が跨るように取付けられ、この燃料タンク33の後方で車体フレーム11に設けられているシートレール14に、乗員が着座する乗員シート34が取付けられている。
【0036】
フロントフォーク21にフロントフェンダ35が設けられ、ヘッドパイプ12の前部にフロントカウル36が取付けられ、このフロントカウル36にヘッドライト37が取付けられている。
【0037】
車両後方へ延びているシートレール14に、乗員シート34が取付けられると共に車体の後部を覆うリヤカウル38が設けられている。
乗員シート34の後方で、且つ、リヤカウル38の上方に、物を積載するリヤキャリア41が配置されている。このリヤキャリア41は、クッションユニット28の上端取付部28aに共締めされている。リヤキャリア41は、シートレール14に取付けられている部材ということもできる。次図にて、リヤキャリア41の構成について説明する。
【0038】
図2に示されるように、リヤキャリア41は、クッションユニットの上端取付部(図1、符号28a、車両右側の符号28aを含む。)から車両後方へ延ばされている左右の支持腕46L、46Rと、これらの左右の支持腕46L、46Rの前部から上方に延ばされた後、車幅方向に延びている上方突出部47と、この上方突出部47の高さ方向中間部(図1、符号47m)から車両長手方向水平に延ばされ物を載せる積載面51を有する積載部52とからなる。
【0039】
図1を併せて参照して、積載部52の後部は、左右の支持腕46L、46Rの後端部によって支持されている。ここで、上方突出部47は、積載面51よりも上方に突出されると共に乗員シート34との間に設けられ乗員シート34側に物が積載されることを防止する機能を有する部材である。
【0040】
積載部52は、車両平面視で、先端部が上方突出部47の中間部47mの左右に接続され、この中間部47mの左右から車両長手方向後方に延ばされ車両後方が閉じている略コ字状を呈するコ字部材55と、このコ字部材55の中間部で、車幅方向にコ字部材55に渡されている前後の渡し部材56、57と、これらの前後の渡し部材56、57の間で、且つ、車両長手方向左右に渡される左右の渡し部材58、59とからなり、これらの左右の渡し部材58、59の間に、リヤキャリア41をシートレール(図1、符号14)に後締結部材44、44で固定するキャリアステー61が渡されている。
【0041】
なお、リヤキャリアの構成については、本実施例に限定されることはなく、車体フレーム側に固定されていれば、コ字部材を利用しなくても良い。また、渡し部材の要素数等を含め適宜変更することは差し支えない。
リヤキャリア41の下方に、車体後部を覆うリヤカウル38が配置されている。このリヤカウル38は、左リヤカウル38Lと右リヤカウル38Rとを車幅方向中心で突き合わせてなる部材であり、ボルト63、63にて車体フレーム11へ着脱可能となっている。
【0042】
次に、通信ユニット及びその周辺部の構成について、リヤキャリア及びリヤカウルを取り外したときのシートレール上面の要素配置について説明する。
図3に示されているように、車体フレーム11の構成要素としてのシートレールの上面14aに、車両外部との間で各種信号の授受を行う通信ユニット65が配置され、この通信ユニットの後方に、上方に張り出しリヤカウルが取付けられる凸部66を含むカウルブラケット67が配置されている。
【0043】
図4に示されているように、通信ユニット65は、シートレール14の上面に固着された取付ステー71に取付けられている。この取付ステー71には、乗員シート34が通信ユニット65に当たることを防止するため縦壁状を呈するシート規制部72が付設されている。
【0044】
同じく、シートレールの上面14aには、凸部66を有するカウルブラケット67がボルト63を介して取付けられ、このカウルブラケット67の凸部66に、緩衝部材としてのブッシュ74が配置され、前記ブッシュ74にリヤカウル38が取付けられている。併せて、ブッシュ74の上面にリヤキャリヤ41が有するステー68が載置され、このステー68は締結部材75により前記凸部66に締結されている。
【0045】
図3を併せて参照して、通信ユニット65に、ハーネス76が接続されるコネクタ部77、78が備えられ、通信ユニット65の後方に、リヤキャリア41を車体フレーム11へ締結する締結部としてのカウルブラケット67が備えられ、通信ユニット65のコネクタ部77、78は、通信ユニット65に備えられている後面65bに形成されると共にカウルブラケット67に対向する位置に形成されている。
【0046】
通信ユニット65の後面65bに、コネクタ部77、78が設けられ、コネクタ部77、78にソケット部107、108が接続され、これらのソケット部107、108からハーネス76が車両後方へ延ばされている。このハーネス76は、通信ユニット65の後方で、カウルブラケット67の前方を通るように配置されているので、ハーネス76の長さを短縮することができると共に良好な取付作業性が確保される。
【0047】
また、通信ユニット65に、各種信号の送受信を行うアンテナ部81が備えられ、このアンテナ部81は、リヤキャリア41の下方で、且つ、乗員シート34の側の端部34bの近傍に配置されている。
【0048】
次に、通信ユニットを着脱可能にし、リヤカウル、キャリアステーを取付可能にする取付ステーの構造等について説明する。
図5に示されているように、シートレール14の後部上面に、取付ステー71が取付けられ、この取付ステー71に、弾性部材83を介して通信ユニット65が着脱可能に設けられている。また、取付ステー71の後方に、カウルブラケット67が配置されている。取付ステー71は、溶接によりシートレールの上面14aに固着され、カウルブラケット67は、4本のボルト63によりシートレールの上面14aに取付けられている。
【0049】
取付ステー71は、例えば、薄板鋼板をプレス加工により折り曲げ形成されている部材であり、基部86と、この基部86の前部が折り曲げられて上方に突設され乗員シート34の下方への移動を規制するシート規制部72と、このシート規制部72から分岐し且つこのシート規制部72の後方で上方に突設される第1突設部87と、基部86の左部が折り曲げられ上方に突設される第2突設部88と、基部86の右部が折り曲げられ上方に突設される第3突設部89と、からなる。
【0050】
通信ユニット65に、ケース体としてのハウジング95が備えられ、このハウジング95の周囲は、弾性部材83によって縦横に囲われている。この弾性部材83に、3つの凸部90が設けられ、これらの凸部90に、取付ステー71に設けた突設部87、88、89と係合する第1係合穴91〜第3係合穴93が設けられている。
【0051】
そして、ハウジング95に弾性部材83を取り付け、この弾性部材83に形成されている第1〜第3係合穴91、92、93を第1〜第3突設部87、88、89に各々差し込むことで、通信ユニット65をシートレール14の後端部に設けられている取付ステー71に取り付けるようにした。
【0052】
図6(a)に通信ユニット65の平面図が示されており、図6(b)に図6(a)の(b)矢視図が示されており、図6(c)に図6(a)の(c)−(c)断面図が示されている。
通信ユニット65の外側を覆うハウジング95は、上面96と下面97と前面98と後面99と左面101と右面102とからなる直方体のケース体であり、後面99に、コネクタ部77、78が設けられ、これらのコネクタ部77、78にソケット部107、108が接続されている。
【0053】
弾性部材83は、ハウジング95の左面101と上面96と右面102と下面97とを囲う第1保持部111と、この第1保持部111から前方に延設されハウジング95の上面96と前面98と下面97とを囲う第2保持部112と、第1保持部111から後方へ延出されコネクタ部77、78の周囲を覆うカバー部115からなる部材であり、前面98に沿って第2保持部112に、第1係合穴91を有する凸部90が設けられ、左面101に沿って第1保持部111に、第2係合穴92を有する凸部90が設けられ、右面102に沿って第1保持部111に、第3係合穴93を有する凸部90が設けられている。これらの第1係合穴91、第2係合穴92、第3係合穴93は、各々、第1〜第3突設部(図5、符号87、88、89)に係合される。
【0054】
このように、第1係合穴91、第2係合穴92、第3係合穴93を有する弾性部材83でハウジング95を拘束したので、この弾性部材83により車両の振動が吸収され、通信ユニット65に車両の振動を伝達し難くすることができる。加えて、ハウジング95をステー部材の突設部(図5、符号87、88、89)に確実に固定することができる。
【0055】
次に、通信ユニットの一形態としての盗難対策装置の構成について説明する。
図7に示されるように、通信ユニットの一形態としての盗難対策装置141は、複数の人工衛星から軌道情報を受信することにより車両の現在位置を検出するGPS部(Global Positioning System)121(「全地球測位システム121」とも云う。)と、盗難時に車体に加えられた振動を検出する加速度センサ122と、これらのGPS部121からの位置情報JP、加速度センサ122からの加速度信号SAを受けて盗難対策を指令する制御部123と、この制御部123との交信指令SCに基づいて携帯電話基地局124へ位置情報JPを送信する衛星携帯電話通信部125と、制御部123からのエンジン制御信号SECに基づきエンジン18(図1参照)の点火装置126に点火停止信号SSSを送って点火装置126の作動を停止させる、即ち、エンジン18を停止させるエンジン制御部128と、制御部123からの警報制御信号SACに基づき警報装置131(ヘッドランプ、ウインカ、テールランプなどの灯火器、ホーン)に警報信号SAを送って灯火器、ホーンを作動させる警報発生部132と、GPS部121、制御部123、衛星携帯電話通信部125、エンジン制御部128及び警報発生部132へ電力を供給する内部電源133とからなり、これらのGPS部121及び衛星携帯電話通信部125等に電力を供給する内部電源133とを1つのハウジング95(ユニット95)内に備える。
【0056】
1つのハウジング95内に通信ユニット65のシステムが収納されているため、車両への組付性を向上させることができる。この場合に、ハウジング95が大型化しても、上記のような盗難対策装置配置構造を採用することで、車両全体の大型化を防止することができる。
【0057】
すなわち、通信ユニット65は、盗難を検知した場合に、エンジン18の始動を停止するエンジン停止機能と、灯火器としてのヘッドライト(図1、符号37)を作動させて警報を発する警報機能とを有し、通信ユニット65を車体に備える電装系統に接続することにより、エンジン停止機能及び警報機能が作動可能となっている。
【0058】
上記構成によれば、例えば、ヘッドライト37やエンジン制御部128など車体に備える電装系統に通信ユニットとしての盗難対策装置141を接続することにより、エンジン停止機能と警報機能とを作動させることができるため、新たな機能部品を配置したり、配線を増やしたりする必要がなく既存の部品を盗難対策装置141の一部として有効に活用することができる。
【0059】
図4に戻って、通信ユニット65は、ボックス状に形成され、ボックスの最も大きな面としての上面65cが水平又は水平に近い状態で配置されている。
ここで、通信ユニット65の最も大きな上面65cが水平に近い状態とは、例えば、水平面に対して通信ユニット65の傾斜角度が0°〜30°の範囲をいう。
【0060】
図7を併せて参照して、リヤカウル38及び乗員シート34はいずれも樹脂製であるから、盗難対策装置141に備えるGPS部121や衛星携帯電話通信部125が上空の人工衛星と通信する際に通信電波が遮られず、更に、リヤカウル38が自動二輪車の各部のうちでも比較的高い位置に配置されているため、この位置に配置された盗難対策装置141のGPS部121及び衛星携帯電話通信部125の通信電波が遮られ難く、良好な通信環境を得ることができる。
【0061】
ハウジング95が、ボックス状に形成され、ボックスの最も大きな面であるハウジングの上面96が水平に近い状態で配置されているので、通信ユニット65内の機能部品の配置を最適化した上で、GPS部121(全地球測位システム)及び衛星携帯電話通信部125に備えるアンテナ部81の面積を確保することができ、送受信を良好に行うことができる。
【0062】
通信ユニットの一形態としての盗難対策装置141は、車両の位置情報を測定すると共にこの位置情報を無線送信するリヤキャリア41の下方に、通信ユニット65を覆うリヤカウル38が配置されると共に、このリヤカウル38に、通信ユニット65の位置する部分に対応する位置で上方に膨出される膨出部142が備えられている。
【0063】
リヤキャリア41の下方に、盗難対策装置141の上方に膨出部142が備えられ盗難対策装置141を覆うリヤカウル38が配置されている。リヤカウル38に膨出部142が備えられているので、盗難対策装置141の存在を外方から車両を見たときに確認し易くなり、車両の盗難防止効果を高めることができる。加えて、盗難対策装置141以外のリヤカウル38をコンパクトに形成できるので、リヤカウル38の軽量化を図ることができる。
【0064】
通信ユニットとしての盗難対策装置141は、GPS部121と、衛星携帯電話通信部125とを備え、アンテナ部81の上方に金属製の構造物が配置されることなく開放されているので、GPS信号の受信及び位置情報の送信に関して、送受信感度が良好なものとなり、配置自由度の低い鞍乗り型車両であっても盗難対策装置141の配置が可能になる。
【0065】
以上に述べた鞍乗り型車両の作用を次に述べる。
図4に戻って、自動二輪車10に、乗員シート34の後方にリヤキャリア41が配置され、このリヤキャリア41の下方に盗難対策装置141が配置されている。
盗難対策装置141に、アンテナ部81が備えられ、このアンテナ部81は、リヤキャリア41のうち、乗員シート側の端部34bに配置されている。
【0066】
リヤキャリア41の乗員シート側は金属等を含む積載物により電波が遮断されないため、リヤキャリア41の下方に配置されるアンテナ部81の送受信性能が確保される。
加えて、リヤキャリア41に乗員シート側に物が積載されることを防止する上方突出部47が備えられている。このような上方突出部47であれば、物が乗員シート34の側に積載物が張り出し、乗員シート34の側に積載物が配置される心配はない。
【0067】
このような上方突出部47により、例えば、積載物(物)が乗員シート34の側に移動する力が作用しても、積載物が上方突出部47に当たるので、乗員シート34側に積載物が張り出すという心配はない。乗員シート34の側に積載物が張り出す心配はないので、乗員シート34の側の端部34bに配置されているアンテナ部81の上方が積載物で完全に覆われることはなくなる。アンテナ部81の上方が積載物で完全に覆われる心配はないので、リヤキャリア41に物が積載されている状態であっても、盗難対策装置141の送受信感度が損なわれる心配はなく、送受信を良好に保つことができる。
【0068】
詳しくは、盗難対策装置141は、その一部が乗員シート34の側にかかるように配置されている。乗員シート34の下方に対応する位置に、盗難対策装置141のアンテナ部81が配置されるようにすれば、盗難対策装置141の送受信感度を一層良好にすることができる。
【0069】
さらに、取付ステー71にシート規制部72が備えられている。このようなシート規制部72であれば、乗員シートの後端34bに大きな荷重が作用する場合であっても、シート規制部72により、盗難対策装置141に作用する荷重を抑制することができる。さらにまた、シート規制部72は、取付ステー71と一体的に設けられているので、部品点数を増加させることがなく、車両のコストアップが抑制される。
【0070】
図3に戻って、コネクタ部77、78は、盗難対策装置141の後面99で、且つ締結部としてのカウルブラケット67に対向する位置に配置されている。コネクタ部77、78に挿入されたソケット部107、108に車両後方へ移動する力が作用したときに、ソケット部107、108がカウルブラケット67に当接することで、ソケット部107、108の車両後方への移動を防ぐことができる。
【0071】
ソケット部107、108が車両後方への移動が防止されれば、ソケット部107、108を盗難対策装置141から抜けることを防止することができる。カウルブラケット67の前方で、且つ、対向する位置にソケット部107、108を配置することで、カウルブラケット67がソケット部107、108の抜け止めとして作用し、盗難対策装置141からのソケット部107、108の抜けを防止することができる。盗難対策装置141からのソケット部107、108の抜け止めが施されることで、盗難対策装置141へのいたずら防止を図ることができる。
【0072】
図4に戻って、盗難対策装置141の上方に相当する位置でリヤカウル38が膨出されていれる。リヤカウル38が膨出されていれば、盗難対策装置の存在を外観上確認し易くなり、車両の盗難抑止効果を高めることができる。加えて、盗難対策装置141以外の部分に対応するリヤカウル38をコンパクトに形成できるので、リヤカウル38の軽量化を図ることができる。
【0073】
図7を併せて参照して、通信ユニットとしての盗難対策装置141は、GPS部121と、衛星携帯電話通信部125とを備え、リヤカウル38の下方で、且つ、乗員シート34の側の端部34bに配置されている。このようなGPS部121と、衛星携帯電話通信部125とを備えている盗難対策装置141をシートレールの上面14aに配置することで、アンテナ部81の上方に金属製の構造物が配置される心配がなくなる。アンテナ部81の上方が開放されていれば、GPS信号の受信及び位置情報の送信に関して、送受信感度が良好なものとなる。したがって、スペースに制約があり、ユニット部材の配置自由度の低い鞍乗り型車両であっても盗難対策装置141を配置することが可能になる。
【0074】
盗難対策装置141は一体のユニット内に備えられているので、車両への組付性を高めることができる。盗難対策装置141は、GPS部121と衛星携帯電話通信部125と加速度センサ122と制御部123と各部に電力を供給する内部電源133とからなるので、ユニットが大型化する。このような大型化したユニットであっても、シートレールの上面14aに盗難対策装置141を配置することで、車両を大型化させることなく盗難対策装置141の配置が可能になる。
【0075】
盗難対策装置141を車体に具備されている電装系統に接続することにより、エンジン停止機能と警報機能とを作用させることが可能になる。したがって、新たな機能部品の配置や配線の取り回しが不要となる。加えて、シートレールの上面14aに配置することにより、車両の基本配線への盗難対策装置141の接続が、短い専用配線で済むため、車両の軽量化及びコンパクト化を図ることができる。
【0076】
ハウジング95が、ボックス状に形成され、ボックスの最も大きな面が水平又は水平に近い状態で配置されているので、盗難対策装置内の機能部品の配置を最適化した上で、GPS部及び携帯電話通信部に備えるアンテナの面積を確保することができ、送受信を良好に行うことができる車両への搭載が可能になる。
【実施例2】
【0077】
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図8に示されているように、シートレール14Bの上面14Bbに、通信ユニット65Bがその前部がシート底板151の下方にかかる位置に配置されると共に取付けられている。本実施例において、通信ユニット65Bは、自動料金収受システム152であり、この自動料金収受システム152に備えられている乗員シート側の側面としての前面98Bに、カード挿入口153が配置されている。
【0078】
乗員シートの底板151の後部に、車両前方に凹ませた後壁154が設けられ、この後壁154に対向するようにカード挿入口153が設けられている。乗員シートの底板151の後壁154を車両前方へ凹ませることで、自動料金収受システム152を乗員シート34B寄りに配置することが可能になる。
【0079】
図9に示されているように、シートレール14Bの左右に、上方に向け突設され乗員シート34Bを受けるシートキャッチ156L、156Rが設けられ、これらのシートキャッチ156L、156Rの間に連結ロッド155が渡されている。シートキャッチ156L、156Rの内側左右には、乗員シート34Bにかかる荷重を支持するシート受けラバー157L、157Rが設けられ、これらのシート受けラバー157L、157Rの内側で、車幅方向中央に自動料金収受システム152が配置されている。
乗員シート34Bの底板151に、シートキャッチ156L、156Rに係合するシートストライカ158L、158Rが取付けられている。
【0080】
以下の説明では、車両左側に設けられているストライカ及びシートキャッチについて説明する。車両右側に設けられているストライカ及びシートキャッチの構成は、左側の構成と同様なものであり説明を省略する。
図10に示されているように、シートレール14Bにシートキャッチ156が取付けられている。シートキャッチ156は、縦板161と、この縦板161の上端部に形成した係合部162と、縦板161に設けた左右の連結ピン163、164と、左の連結ピン163に回動可能に設け係合部162にシートストライカ158が係合したときに、このシートストライカ158を保持するフック部材165と、右の連結ピン164に回動可能に設けフック部材165を駆動するレバー166と、このレバー166とフック部材165との間に渡したスプリング167と、レバー166に連結されレバー166に力を付与するワイヤ部168と、から構成されており、シートキャッチ機構とシートロック機構169を兼ねている。上記構成により、乗員シート34Bの後部はロック可能になっている。一方、乗員シート34Bの前部は、車体フレームへ差し込むことにより固定される(不図示)。なお、左の連結ピン163は、連結ロッド155と連結されている。
【0081】
上記構成により、乗員シートの前部が車体フレーム側へ固定可能となり、乗員シートの後部は車体フレーム側にロック可能としたので、乗員シート34Bは、車体フレーム11に開閉自在となる。
図9を併せて参照して、車体フレーム11の左右に、シートストライカ158L、158Rと係合するシートキャッチ156L、156Rを設けたので、乗員シート34Bを無理にこじ開けること等が困難になり、盗難防止効果を高めることができる。
【0082】
また、シートロック機構169は、車両幅方向左右対称に振り分けて配置することにより、自動料金収受システム152を車両幅方向中心に配置することができ、偏りの少ない良好な送受信感度を得ることができる。
【0083】
以下、実施例2の作用説明を行う。
図10において、自動料金収受システム152からカードCを抜くときは、シートロック機構169に設けられているフック部材165を図矢印a方向に回動させ、シートロックを解除した状態で、乗員シート34Bを矢印(1)の如く取り外す。次に、カード挿入口153からカードCを矢印(2)方向に外すことで、カードCの取り外し操作は完了する。逆に、カードCを自動料金収受システム152に差し込む操作は、上記と反対の順序で操作を行えば良く、説明を省略する。
【0084】
このように、カードCの抜き差しは、乗員シート34Bを開いて行うようにしたので、カード挿入口153が露出することを抑制すると共に自動料金収受システム152の使い勝手を高めることができる。
【0085】
尚、本発明は、実施の形態では鞍乗り型三輪車(いわゆる、三輪バギー)にも適用可能であり、一般の鞍乗り型車両に適用することは差し支えない。
【産業上の利用可能性】
【0086】
本発明は、通信ユニットが備えられている自動二輪車に好適である。
【符号の説明】
【0087】
10…鞍乗り型車両(自動二輪車)、11…車体フレーム、34…乗員シート、38…リヤカウル、41…リヤキャリア、47…上方突出部、51…積載面、52…積載部、65…通信ユニット、65b…通信ユニットに備えられている後面、67…締結部(カウルブラケット)、71…取付ステー、72…シート規制部、76…ハーネス、77…コネクタ部、78…コネクタ部、81…アンテナ部、121…GPS部、122…加速度センサ、123…制御部、125…衛星携帯電話通信部、133…内部電源、141…盗難対策装置、142…膨出部、152…自動料金収受システム、153…カード挿入口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗員が着座する乗員シート(34)の後方に物を積載するリヤキャリア(41)が配置され、このリヤキャリア(41)の下方に車両外部との間で各種信号の授受を行う通信ユニット(65)が配置されている鞍乗り型車両において、
前記リヤキャリア(41)は、車両長手方向水平に延ばされ物を載せる積載面(51)を有する積載部(52)を備え、
前記通信ユニット(65)に、各種信号の送受信を行うアンテナ部(81)が備えられ、
前記リヤキャリア(41)の下方に配置される前記アンテナ部(81)は、前記リヤキャリア(41)のうち、前記乗員シート側の端部(34b)に配置されていることを特徴とする鞍乗り型車両。
【請求項2】
前記リヤキャリア(41)は、前記積載面(51)よりも上方に突出されると共に前記乗員シート(34)との間に設けられ前記乗員シート側に物が積載されることを防止する上方突出部(47)が備えられていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項3】
前記鞍乗り型車両(10)に、車体フレーム(11)を含み、
前記通信ユニット(65)に、ハーネス(76)が接続されるコネクタ部(77、78)が備えられ、
前記通信ユニット(65)の後方に、前記リヤキャリア(41)を前記車体フレーム(11)へ締結する締結部(67)が備えられ、
前記コネクタ部(77、78)は、前記通信ユニット(65)に備えられている後面で、且つ、前記締結部(67)に対向する位置に形成されていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
【請求項4】
前記乗員シート(34)の一部は、前記通信ユニット(65)の一部を覆うように配置され、
前記車体フレーム(11)に、前記通信ユニット(65)を前記車体フレーム(11)に取付ける取付ステー(71)が備えられ、この取付ステー(71)に前記乗員シート(34)が前記通信ユニット(65)に当たることを防止するシート規制部(72)が備えられていることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。
【請求項5】
前記通信ユニット(65)は、車両の位置情報を測定すると共にこの位置情報を無線送信する盗難対策装置(141)であり、
前記リヤキャリア(41)の下方に、前記通信ユニット(65)を覆うリヤカウル(38)が配置されると共に、このリヤカウル(38)で前記通信ユニット(65)の位置する部分が上方に膨出する膨出部(142)を形成することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3記載の鞍乗り型車両。
【請求項6】
前記通信ユニット(65)は、位置情報を検出するGPS部(121)と、検出した前記位置情報を送信する衛星携帯電話通信部(125)と、を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の鞍乗り型車両。
【請求項7】
前記通信ユニット(65)は盗難対策装置(141)であり、この盗難対策装置(141)に、位置情報を検出する前記GPS部(121)と、検出した前記位置情報を送信する衛星携帯電話通信部(125)と、盗難を検出する加速度センサ(122)と、これらのGPS部(121)、衛星携帯電話通信部(125)及び加速度センサ(122)を統合制御する制御部(123)と、前記各部に電力を供給する内部電源(133)とが一体のユニット内に備えられていることを特徴とする請求項5記載の鞍乗り型車両。
【請求項8】
前記盗難対策装置(141)は、盗難を検知した場合に、エンジン(18)の始動を停止するエンジン停止機能と、灯火器を作動させて警報を発する警報機能とを有し、前記盗難対策装置(141)を車体に備える電装系統に接続することにより、前記エンジン停止機能及び前記警報機能が作動可能であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項記載の鞍乗り型車両。
【請求項9】
前記通信ユニット(65)は、ボックス状に形成され、ボックスの最も大きな面が水平又は水平に近い状態で配置されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の鞍乗り型車両。
【請求項10】
前記通信ユニット(65)は、自動料金収受システム(152)であり、この自動料金収受システム(152)に備えられている前記乗員シート側の側面に、カード挿入口(153)が配置されていると共に、前記乗員シート(34)が開閉自在に備えられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の鞍乗り型車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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