説明

音声再生制御装置

【課題】ユーザに違和感を覚えさせることなく、効果的な効果音と反射除去音の再生を行い、以て快適な音響空間の形成を可能とする音声再生制御装置を提供する。
【解決手段】音源から出力される直接音の所定空間内における反射音を減少させるための反射除去音を形成する反射除去音形成部と、直接音の音量に関する指示を受け付ける音量指示受付部と、音量指示受付部が受け付けた指示音量に基づいて、反射除去音の音量を制御する音量制御部と、を備える音声再生制御装置であって、音量制御部は、音量指示受付部が受け付けた指示音量が所定指示音量を超えた場合の、該音量制御部による反射除去音の増減率を、該指示音量が該所定指示音量以下である場合の該反射除去音の増減率より小さくなるように制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の空間内にいるユーザに対して音声を再生する音声再生制御装置であって、特にユーザに良好な音響特性を提供するために反射除去音を再生する音声再生制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両室内等の閉空間においてユーザに対して音声を再生する場合、ユーザの頭や耳近傍にスピーカを配置させることで、良好な音響効果を得ることが可能である。しかし、このような配置のスピーカでは、スピーカとユーザの頭や耳の相対位置関係が容易に変化し、そしてその変化にともなって良好な音響効果を得ることが難しくなる。そこで、ユーザの頭の位置を自動的に検知して、その頭の位置に応じてスピーカからの音声の音量を補正することで、良好な音響効果を維持しようとする技術が公開されている。(例えば、特許文献1を参照。)。
【0003】
また、カラオケ装置での音量を制御する装置において、楽曲の音量に応じて残響音処理を変化させる技術が公開されている(例えば、特許文献2を参照。)。この技術においては、楽曲の音量に応じて残響音量を調整することで、楽曲の音量と残響音のバランスを良好な状態とすることで、ユーザが歌を歌いやすくすることができる。
【特許文献1】特公平7−75578号公報
【特許文献2】特開平9−62284号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
所定の空間内に滞在するユーザに対して音声を再生するとき、場合によってはユーザが臨場感や空間の広がり感を得るための残響音等が付与された音が直接音として該ユーザに対して供給される。一方で、その音声が所定空間内の壁面等で反射した反射音によってユーザが感じる、空間の閉塞感等を取り除くべく、反射音を減少・除去するための反射除去音の再生も同時に行われる場合がある。これにより、不要な反射音が減少されることで、ユーザに対して快適な音響空間を提供することが可能となる。
【0005】
この反射除去音は、不要な反射音を効果的に減少させるためにユーザの耳に直接入射されるのが好ましい。ここで、ユーザが空間に提供される音声の音量を調整するとき、反射除去音の音量を本来の音声である直接音とともに調整しようとすると、該反射除去音については直接音と位相がずれた音声であるため、その音量が過剰に大きくなるとユーザが違和感を覚える虞がある。
【0006】
本発明では、上記した問題に鑑み、ユーザに違和感を覚えさせることなく、効果的な反射除去音の再生を行い、以て快適な音響空間の形成を可能とする音声再生制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明では、上記した課題を解決するために、直接音と反射除去音の音量をまとめて制御するのではなく、それぞれを必要に応じて独立して制御することとした。反射除去音に関する音声の音量が大きくなるに従い、ユーザが違和感を覚えるという点を考慮したものである。
【0008】
詳細には、本発明は、音声再生制御装置であって、音源から出力される直接音の所定空
間内における反射音を減少させるための反射除去音を形成する反射除去音形成部と、前記直接音の音量に関する指示を受け付ける音量指示受付部と、前記音量指示受付部が受け付けた指示音量に基づいて、前記反射除去音の音量を制御する音量制御部と、を備え、前記音量制御部は、前記音量指示受付部が受け付けた指示音量が所定指示音量を超えた場合の、該音量制御部による前記反射除去音の増減率を、該指示音量が該所定指示音量以下である場合の該反射除去音の増減率より小さくなるように制御する。
【0009】
本発明に係る音声再生制御装置では、反射除去音形成部による反射除去音の形成が、音源から出力される直接音に対して行われ、これらの音によりユーザに上記所定空間での快適な音響特性を提供することができる。ここで、所定空間での直接音の音量は、音量指示受付部が受け付けた指示音量に従って行われるが、本発明に係る音声再生制御装置では、音量制御部が、この指示音量と所定の相関関係をもって反射除去音形成部によって形成された反射除去音の音量を制御することになる。
【0010】
詳細には、音量制御部は、指示音量が所定指示音量を超えた場合と該指示音量が該指示音量以下である場合とで、その音量制御部による反射除去音の音量の増減率を異ならしめる。これは、反射除去音は、その性質上本来ユーザが聞くべき音声と位相が反転しているため、反射除去音の音量が過剰に大きくなるとユーザが違和感を覚えることを考慮したものである。このように反射除去音の音量の増加率を指示音量の大きさで切換えることで、指示音量が比較的大きくなったとき反射除去音の音量が過剰に大きくなってユーザが違和感を覚えるのを回避可能とする。
【0011】
尚、この場合、指示音量の増加に対する直接音の音量の増加率については、ユーザの嗜好に応じた制御が行われればよい。一般に、指示音量の増加はユーザの希望によるものであると考えられるので、直接音の音量の増減は指示音量の増減に比例させて行えばよいが、必ずしもこれに限られるものではない。このようにユーザに提供される反射除去音の音量と指示音量との相関を、直接音との関係において独立して制御することで、過剰な反射除去音によるユーザの違和感低減を図ることが可能となり、以て好適な音響空間の提供ができる。
【0012】
より具体的な反射除去音の音量制御の一例として、前記音量制御部は、前記音量指示受付部が受け付けた指示音量の増減に従い前記反射除去音の音量を増減させ、該指示音量が前記所定指示音量を超える場合には、該指示音量にかかわらず該反射除去音の音量を所定の音量に維持するようにしてもよい。
【0013】
即ち、反射除去音の音量について、指示音量が所定指示音量以下である場合には、その音量制御は、指示音量の増減と連動して行われるが、指示音量が所定指示音量を超えると、反射除去音音量は一定の所定の音量となり、更に指示音量が増加したとしても反射除去音音量は所定の音量を超えない。このようにすることで、反射除去音が過剰となることでユーザが感じる違和感を回避することが可能となる。尚、上記所定指示音量は、反射除去音の音量に対するユーザの違和感の程度の相関に基づいて、適宜設定することが可能な指示音量の閾値である。また、上記所定の音量は、ユーザに違和感を覚えさせない程度の、最も大きく設定し得る反射除去音の音量である。
【0014】
ここで、上記の課題を解決するために、本発明に係る音声再生制御装置は、次のようにも構成できる。即ち、該音声再生制御装置は、音源から出力される直接音の所定空間内における反射音を減少させるための反射除去音を形成する反射除去音形成部と、前記直接音の音量に関する指示を受け付ける音量指示受付部と、前記音量指示受付部が受け付けた指示音量に基づいて、前記反射除去音の音量を制御する音量制御部と、を備え、前記音量制御部は、前記音量指示受付部が受け付けた指示音量にかかわらず前記反射除去音の音量を
所定の音量に維持するものである。
【0015】
即ち、上述までの音声再生制御装置と異なる点は、音量制御部による制御において、反射除去音の音量を指示音量にかかわらず所定の音量に、常時一定に維持する点である。この所定の音量とは、ユーザに違和感を覚えさせない程度の反射除去音の音量であり、更に好ましくは、指示音量の変動範囲に対応する直接音の変動範囲において、不要反射音の除去が可及的に効果的に行われ得る音量である。このように構成された音声再生制御装置によると、反射除去音が過剰となることでユーザが感じる違和感を回避することが可能となる。
【0016】
ここで上述までの音声再生制御装置において、前記所定空間は、シートが設けられた車室内の空間であって、前記反射除去音は、前記シート又は該シートの近傍に配置されたスピーカから出力されるようにしてもよい。即ち、反射除去音をユーザの耳に効果的に届けることが可能な位置にスピーカを配置するものである。
【0017】
また、このスピーカを備える上記音声再生制御装置において、前記音源からの直接音が、前記スピーカからも出力されるか否かを判定する音源判定部を、更に備え、前記音量制御部は、前記音源判定部による判定結果に基づいて、前記スピーカから出力される前記反射除去音の音量を制御するようにしてもよい。ここで、音源からの音声信号の種類によっては、上記スピーカから直接音が出力される場合がある。例えば、音源からの音声信号が2ch音源の信号である場合は出力する音声の種類数が少ないため、その直接音は上記スピーカから出力はされず、該スピーカから出力されるのは上記反射除去音である。一方で、音源からの音声信号が5.1ch音源の信号である場合には、その音響効果を効率的に挙げるため、シートやその近傍に設けられた上記スピーカから直接音を出力する場合も考えられる。このように上記スピーカからは、反射除去音だけでなく音源からの直接音も出るケースが存在する。
【0018】
そして、上記スピーカは、反射除去音をユーザの耳に対して効果的に供給するためのスピーカであるので、そのスピーカから反射除去音に加えて直接音が出力されると両音が干渉しあいユーザに対して違和感を与えてしまう虞がある。そこで、上記スピーカから直接音が出力されるか否かに応じて、出力音声における反射除去音の音量の程度を制御するものである。好ましくは、上記スピーカから直接音も出力される場合は、該スピーカから直接音が出力されない場合と比べて、反射除去音の音量を小さくする。これは、反射除去音による反射音の低減よりも、直接音による音響的効果に重点を置いたものである。もちろん、上記スピーカからの直接音の出力の有無に応じた反射除去音の音量制御はこの態様に限られず、様々な目的に応じて、反射除去音の音量制御を具体的に行うことは可能である。これにより、ユーザの立場を重視した、より快適な音響空間の形成が可能となる。
【発明の効果】
【0019】
ユーザに違和感を覚えさせることなく、効果的な効果音と反射除去音の再生を行い、以て快適な音響空間の形成を可能とする音声再生制御装置を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
ここで本発明に係る音声再生制御装置としての、車両に搭載され車両室内のユーザ(操縦者等)に音声を再生し、提供する車載機の実施の形態について図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0021】
図1は、本発明が適用される音声再生制御装置1が搭載される車両2の概略図である。車両2には室内空間3が設けられ、そこには車両2の操縦者4を含む搭乗者が滞在可能で
ある。ここで、車両2の前後方及び側方には音声再生制御装置1から出力された音声信号を音声に変換するスピーカ5a〜5hが設けられている。具体的には、車両2の前方左側には前方左側スピーカ5aが、車両2の前方右側には前方右側スピーカ5bがそれぞれ設けられ、また、車両2の後方左側には後方左側スピーカ5eが、車両2の後方右側には後方右側スピーカ5fがそれぞれ設けられている。更に、操縦者4の周辺の補助スピーカとして、操縦者4の前方左側には前方左側補助スピーカ5cが、前方右側には前方右側補助スピーカ5dが設けられ、また、操縦者4の座席シートの左側肩口には肩口左側補助スピーカ5gが、および該座席シートの右側肩口には肩口右側補助スピーカ5hが設けられている。
【0022】
音声再生制御装置1は、供給される音声信号に基づいて音楽や車両2の運転に有用な情報等に関する音声を再生し、室内空間3に滞在する搭乗者に提供する装置であり、該音声は上記スピーカ5a〜5hから再生される。各スピーカから再生される音声については、提供される音楽や情報の種類、または操縦者4の音響空間の形成に関する嗜好性等に基づいて、適宜調整される。例えば、操縦者4が室内空間3のどの位置に音像を定位させるか、または直接音に対してどのような残響音等の効果音を再生させることで室内空間3内の音の広がり感を形成させるか、等に基づいて、各スピーカからの再生音声が調整されることになる。この点の詳細は、後述する。しかし、その中でもスピーカ5gおよび5hについては、室内空間3内に出力されるこれら以外のスピーカからの直接音に起因する反射音を除去するための反射除去音が再生されるようになっている。スピーカ5g、5hは座席シートの肩口に設けられているため、その反射除去音を操縦者4の耳に直接届けることが可能で、それにより操縦者4が反射音によって感じる閉塞感等を払拭することが可能である。更に、スピーカ5g、5hは、上記直接音に対する効果音も再生することが可能なスピーカでもある。これらの反射除去音と効果音の形成については、後述する。
【0023】
以下に、車両2に搭載される音声再生制御装置1の構成、および室内空間3における音響空間の形成について説明する。図2は、音声再生制御装置1の概略構成を示す。音声再生制御装置1は、ナビゲーション装置10、ヘッドユニット20、制御部30、アンプ40、41とから構成される。ナビゲーション装置10は車両2のナビゲーションを行う装置であり、ナビゲーション情報を表示する表示部を有している。この表示部でのナビゲーション情報の表示に合わせて、操縦者4にナビゲーション情報を音声で伝える。このナビゲーション情報の音声については、音声信号がナビゲーション装置10から図2中の信号線L1に沿って制御部30に出力されるとともに、この音声信号に対して音像の定位制御や、効果音としての残響音の再生を行う空間制御が行われるべく、制御用信号がナビゲーション装置10から図2中の信号線L2に沿って制御部30に出力される。該音声信号に対する定位制御や空間制御については、後述する。
【0024】
またヘッドユニット20は、室内空間3においてDVDやCD等の音声や音楽を再生する装置であり、その再生時にはナビゲーション装置10の有する上記表示部に画像情報を表示するとともに、該画像情報の表示に合わせて、操縦者4に音声等を上記スピーカを通じて提供する。この音声等については、音声信号がヘッドユニット20から図2中の信号線L3に沿って制御部30に出力されるとともに、上述した定位制御や空間制御が行われるべく制御用信号がヘッドユニット20から図2中の信号線L4に沿って制御部30に出力される。
【0025】
次に、制御部30で行われる処理について、主に図3に基づいて説明する。図3は、制御部30に送られる音声信号と制御用信号の流れに沿って、該制御部30内に形成される各機能部をイメージ化したものである。また、制御部30内にはマイクロコンピュータ(以下、「マイコン」)が備えられており、そこで実行されるプログラムによって、参照番号301〜311の各機能部は形成される。そして、図3では、信号線L1、L3から入
力される音声信号の、制御部30内での流れを実線の矢印線で表し、信号線L2、L4から入力される、制御用信号の流れを点線の矢印線で表している。
【0026】
制御部30は、各スピーカにつながるアンプ40、41に供給すべき音声信号を形成する。先ず、直接音に対する効果音と反射除去音を出力するスピーカ5g、5hにつながるアンプ41に対しては、信号線L1とL3から入力された音声信号が、アナログ信号である場合にはA/Dコンバータ305を経由して、入力信号がデジタル信号である場合には該A/Dコンバータ305を経由せずに入力され、その入力信号が、それぞれ効果音形成部301と反射除去音形成部302にそれぞれ分配される。効果音形成部301は、直接音に対する効果音を形成する機能部であり、主にFIRフィルタ301aとマイクアンプ301bを含んで構成される。また、反射除去音形成部302は、直接音に起因する反射除去音を形成する機能部であり、主にFIRフィルタ302a、マイクアンプ302b、位相調整部302cを含んで構成される。そして、これらの効果音形成部301と反射除去音形成部302によって形成された音声信号が、音源生成部303によって組み合わされ、更にアナログ変換されて、アンプ41へ供給されることになる。
【0027】
ここで、効果音形成部301および反射除去音形成部302について説明する。効果音形成部301によって形成される効果音は、スピーカ5a〜5fから再生された音声に対して、ユーザの嗜好に合わせた残響音等の音響効果を付与するために、ユーザの耳に直接入射されるようにスピーカ5g、5hから再生される音声である。また、反射除去音形成部302によって形成される反射除去音は、スピーカ5a〜5fから再生された音声が室内空間3の壁面等で反射することで生じる反射音の一部を打ち消すべく、スピーカ5g、5fから操縦者4の耳に直接に入射する。不要な反射音は、音声の壁面からの反射時に位相の逆転が生じることや該壁面が近くにあることを搭乗者が覚えることで、閉塞感等の不快感の原因となり、反射除去音はこれを解消するための音声である。従って、FIRフィルタ301a、302aは、音声信号に対して定位制御および空間制御を施すフィルタであり、前者は効果音形成を目的としてフィルタの係数が設定され、後者は反射除去音形成を目的としてフィルタの係数が設定される。
【0028】
より詳細には、FIRフィルタ301aでは、搭乗者4から制御部30に対して与えられた効果音に関する指示に基づいて、搭乗者4の嗜好を満たすべく効果音形成のためのフィルタ係数が設定される。その後、マイクアンプ301bでフィルタリング後の音声信号の音量調整が行われ、音源生成部303に引き渡される。
【0029】
一方で、FIRフィルタ302aは、室内空間3に設けられスピーカ5a〜5fから再生された直接音をピックアップ可能なマイクを介して実音声取得部304が取得した直接音の実音声に基づいて、入力された音声信号に対してフィルタリングを行うべくフィルタ係数が設定される。その後、マイクアンプ302bでフィルタリング後の音声信号の音量調整が行われ、更に、位相調整装部302cによる位相の調整が行われる。この位相調整部302cは、上記反射音の打消し用の音声を形成するために、フィルタリングされた音声信号の位相の反転および遅れ時間の付加を行うものである。この位相調整後に、音声信号は、音源生成部303に引き渡される。
【0030】
また、定位制御について説明すると、音声信号に対応する音像が、制御用信号に従った所定の位置に定位するべく、各FIRフィルタのフィルタ係数が設定される。その一例として、制御信号のうち定位制御用信号が操縦者4の右側の近距離に音像を定位するという信号である場合には、スピーカ5c及び5d、または5g及び5hの出力による音像の定位位置が操縦者4の右側の近距離となるべく、各スピーカの該定位位置から操縦者4までの頭部伝達関数に対応したフィルタ係数が設定される。その結果、各FIRフィルタによってデジタル信号はフィルタ係数に応じた畳み込み演算されることで、定位制御が行われ
る。
【0031】
空間制御については、音声信号に対応して制御用信号に従った残響音が再生されるべく、各FIRフィルタのフィルタ係数が設定される。その一例として、コンサートホール、ライブハウス、教会、スタジアムのようにそれぞれ音の広がり感が異なる場所の残響音のうちいずれかを操縦者4が選択し、その選択結果に基づいて、その選択された音の広がり感に応じた残響音が再生され得るフィルタ係数が設定される。その結果、各FIRフィルタによってデジタル信号に空間制御が施される。
【0032】
このように、効果音形成部301と反射除去音形成部302で形成された音声信号が、アンプ41に送られ、その後増幅されて、スピーカ5g、5hから出力される。
【0033】
一方で、スピーカ5a〜5fからの音声の再生については、図3ではその詳細は示していないが、各スピーカからの出力に必要な定位制御や空間制御が行われるように、図示されないFIRフィルタ等でフィルタリングされる。尚、図3には、入力された音声信号がデジタル信号である場合、アンプ40への出力信号をアナログ化するためのD/Aコンバータ311のみ示している。これらのスピーカから出力される音声は、操縦者4に対する直接音となり得る。
【0034】
次に、各アンプに送られる音声信号の音量制御に関する機能部について、更に図3に基づいて説明する。本実施例では、信号線L2、L4から入力される各制御用信号に対応するべく、制御部30内に音量指示受付部306、音源判定部307、操縦者高さ検知部308が形成され、これらの各機能部からの出力結果が音量制御部309に渡される。
【0035】
先ず、音量指示受付部306は、音声再生制御装置1の操作パネル(図示せず)を介して操縦者4から得られる音声の音量に関する指示を受け付ける機能部である。操縦者4は自己の嗜好に応じて室内空間3内での音声の音量を、この操作パネルを介して音声再生制御装置1に与える結果、その音量指示が音量指示受付部306によって受け付けられる。ここで、操縦者4からの指示による音量を指示音量Vxと称する。
【0036】
次に音源判定部307は、ナビゲーション装置10又はヘッドユニット20から制御部30に送られる、直接音となる音声信号が、2ch音源か5.1ch音源かの何れかを判断する機能部である。何れの音源であるかの判断は、実際に送られてくる音声信号に基づいて行われる。また、操縦者高さ検知部308は、車両2の操縦を行う者として操縦者席に座った操縦者4の高さを検知する機能部である。具体的には、車両2の操縦者席の座席シートの位置(前後位置)を検出するセンサ(図示せず)からの位置信号を、高さ検知信号として受信することで、操縦者4の高さが検知される。これは、一般的には、操縦者の身長が高くなるに従い、該座席シートの位置が後方にスライドされて位置調整されることによる。
【0037】
これらの音量指示受付部306、音源判定部307、操縦者高さ検知部308によって得られた結果は、音量制御部309に渡される。音量制御部309は、各機能部から得られた結果に基づいて得られる指示音量に従って、音声再生制御装置1で再生される音声の音量を制御する機能部である。ここで、スピーカ5g、5hから再生される音声には、上述のとおり不要反射音を除去するための音声が含まれる。この反射除去音は、本来の音声と比べて位相が反転しているため、その音量が過剰に大きくなると、室内空間3に滞在する操縦者4が違和感を覚える虞がある。そこで、このような違和感を操縦者4が覚えるのを回避するために、音量制御部309が、反射除去音形成部302中のマイクアンプ302aを介して反射除去音の音量を制御することで、ユーザの違和感を回避する。また、音量制御部309は、効果音形成部301中のマイクアンプ301bを介して効果音の音量
も制御することも可能である。
【0038】
更に、この音量制御部309は、本来的な機能として、指示音量に従って直接音となり得るスピーカ5a〜5fで再生される音声の音量を、マイクアンプ310を介して制御する。
【0039】
ここで、この音量制御部309による、スピーカ5g、5hから出力される音声の音量制御を伴う音声再生処理の詳細について、図4に基づいて以下に説明する。尚、図4に示す音声再生処理は、制御部30内のマイコンによって一定のサイクルで繰り返し実行されるルーチンである。先ず、S101では、ナビゲーション装置10又はヘッドユニット20からの音声信号の入力受付が行われる。S101の処理が終了すると、S102へ進む。S102では、音量指示受付部306を介して、操縦者4からの音量に関する指示が指示音量Vxとして受け付けられる。S102の処理が終了すると、S103へ進む。S103では、音源判定部307を介して、入力受付された音声信号の音源の種類が判定される。本実施例では、当該音声信号が2ch音源のものであるか、5.1ch音源のものであるかが判定される。そして、本実施例に係る音声再生制御装置1では、当該音声信号が2ch音源のものである場合は、スピーカ5g、5hから上記反射除去音と効果音のみが出力され、当該音声信号が5.1ch音源のものである場合は、スピーカ5g、5hからは、上記反射除去音と効果音に加えて5.1ch音源特有の音響効果を形成するための直接音、例えばリアサラウンド音声も出力される。S103の処理が終了すると、S104へ進む。
【0040】
S104では、S101で入力受付された音声信号に基づいて効果音が形成される。具体的には、上述した効果音形成部301による空間制御および定位制御による処理が行われる。ここで、S104の処理が行われるとき、更にS105による処理も行われる。S105では、S104で形成された効果音の音量である効果音音量Veの決定が、S102で受け付けられた指示音量VxとS103で判定され取得された音声信号の音源の種類とに基づいて行われる。
【0041】
効果音音量Veの具体的な決定については、図5A(a)に基づいて説明する。図5A(a)は、効果音音量Veを決定するためのマップであり、S103で判定される各音源に対応して、指示音量Vxと効果音音量Veとの相関を示す二つの音量決定線L1とL2が示されている。音量決定線L1は音声信号が5.1ch音源のものであるときの相関線であって、音量決定線L2は音声信号が2ch音源のものであるときの相関線である。同一の指示音量Vxに対応して決定される効果音音量Veは、音量決定線L1に従う場合より音量決定線L2に従う方が大きくなる。これは、音声信号が2ch音源のものである場合は、スピーカ5g、5hからは上記効果音と後述する反射除去音が再生され、当該音声信号が5.1ch音源のものである場合には、その音源の音響効果を奏するべくリアサラウンド音声がスピーカ5g、5hから再生されることを考慮したものである。即ち、スピーカ5g、5hから直接音であるリサラウンド音声と反射除去音および効果音が合わさって出力されると、操縦者4が違和感を覚える虞があるため、そのような場合は反射除去音と効果音の音声の音量を、そうではない場合と比べて低くすることで、操縦者4の違和感を解消させるものである。尚、反射除去音の音量調整については後述する図5A(b)に示すとおりである。
【0042】
また、音量決定線L1、L2のいずれにせよ、指示音量Vxの採り得る全範囲で、指示音量Vxと効果音音量Veの相関は、比例関係にある。即ち、効果音音量Veは、指示音量Vxが増加するに従い該効果音音量Veも増加するという両者の相関に従って、該効果音音量Veが決定される。例えば、指示音量がV0である場合、音量決定線L1に従えば効果音音量VeはVe01に、音量決定線L2に従えば効果音音量VeはVe02(>V
e01)に決定される。S105の処理が終了すると、S106へ進む。
【0043】
S106では、更に反射除去音の形成が行われる。具体的には、上述した反射除去音形成部302による処理が行われる。ここで、S106の処理が行われるとき、更にS107〜S109による処理も行われる。S107では、S102で受け付けられた指示音量Vxが、所定指示音量V0を超えているか否かが判定される。この所定指示音量V0は、指示音量Vxに基づいて反射除去音音量Vrが決定されたとき、当該反射除去音音量Vrが過剰に大きくなり操縦者4が違和感を覚える虞が生じるときの、指示音量Vxの閾値である。そこで、本音声再生処理においては、指示音量Vxがこの所定指示音量V0以下である場合と、所定指示音量V0を超える場合とで、反射除去音音量Vrの決定方法を異ならしめる。
【0044】
S107で指示音量Vxが所定指示音量V0を超えないと判断された場合、即ち指示音量Vxが所定指示音量V0以下である場合にはS108の処理が行われる。S108では、図5A(b)に示すように、反射除去音音量Vrを、指示音量Vxとの相関が比例となる条件下で決定する。即ち、指示音量Vxが所定指示音量V0以下である場合には、効果音音量Veの決定の場合と同様に、指示音量Vxが増加するに従い該反射除去音音量Vrも増加するという両者の相関に従って、該反射除去音音量Vrが決定される。
【0045】
尚、反射除去音音量Vrも、効果音音量Veの場合と同様に、音声信号が5.1ch音源のものである場合には音量決定線L1に従い、2ch音源のものである場合には音量決定線L2に従って、その音量の値が決定される。即ち、同一の指示音量Vxに対応して決定される反射除去音音量Vrは、音量決定線L1に従う場合より音量決定線L2に従う方が大きくなる。例えば、指示音量VxがV0のときは、音声信号が5.1ch音源のものである場合には反射除去音音量VrはVr01となり、音声信号が2ch音源のものである場合には反射除去音音量VrはVr02(>Vr01)となる。
【0046】
一方で、S107で指示音量Vxが所定指示音量V0を超えると判断された場合、S109の処理が行われる。S109では、図5A(b)に示すように、反射除去音音量Vrを、一定値Vr0に維持する。即ち、指示音量Vxが所定指示音量V0を超える場合は、その大きさにかかわらず常に反射除去音音量Vrは、音声信号が5.1ch音源のものである場合には反射除去音音量VrはVr01に固定され、音声信号が2ch音源のものである場合には反射除去音音量VrはVr02(>Vr01)に固定される。S108又はS109の処理が終了すると、S110へ進む。
【0047】
S110では、S105で決定された効果音音量Veに従った効果音と、S108又はS109で決定された反射除去音音量Vrに従った反射除去音とが合成され、その合成音声が再生される。
【0048】
本音声再生処理によると、指示音量Vxについて所定指示音量V0を境として、効果音音量Veと反射除去音音量Vrの決定方法が異なる。より詳細には、効果音音量Veについては、指示音量Vxの全変動範囲において、指示音量Vxの増加に対する反射除去音音量Vrの増加の割合は一定であるが、反射除去音音量Vrについては、指示音量Vxが所定指示音量V0を超えると、それ以下である場合より、指示音量Vxの増加に対する反射除去音音量Vrの増加率が小さく(本実施例では反射除去音音量Vrの増加率は零)なる。これにより、指示音量Vxの増加を基礎とした、操縦者4の嗜好に沿った音響空間の形成は効果音音量Veによって維持されつつ、過剰な反射除去音音量Vrの増加を抑制することによる操縦者4の違和感の回避を達成することが可能となる。
【0049】
尚、スピーカ5a〜5fから出力される音声の、音量制御部309による音量制御につ
いては、効果音の音量制御と実質的に同様に、指示音量Vxに比例した音量で、各スピーカから音声が出力される。
【0050】
尚、反射除去音音量Vrの決定については、図5B(a)、(b)に示す指示音量Vxと反射除去音音量Vrとの相関に基づいて行ってもよい。尚、この図5Bには、図5A(b)に示すような音声信号の音源毎に設定される、指示音量Vxと反射除去音音量Vrとの相関(即ち、音量決定線L1、L2毎の相関)は省略しているが、そのような音源毎の相関の設定を排除するものではない。また、図5Bに示す両ケースにおいても、効果音音量Veの決定については、図5A(a)に示す場合と同様である。図5B(a)の相関に従う反射除去音音量Vrの決定については、指示音量Vxが所定指示音量V0を超える場合において、図5A(b)に示す決定方法と異なる。即ち、指示音量Vxが所定指示音量V0を超える場合には、指示音量Vxの増加に対する反射除去音音量Vrの増加率が、指示音量Vxが所定指示音量V0以下である場合と比べて小さく、且つ零ではない値となり、この指示音量Vxと反射除去音音量Vrとの相関に従って、反射除去音音量Vrが決定される。これにより、過剰な反射除去音音量Vrの増加を抑制することによる搭乗者の違和感の回避を達成することが可能となる。
【0051】
更に、図5B(b)の相関に従う反射除去音音量Vrの決定については、指示音量Vxの全変動範囲において、反射除去音音量Vrを一定の値Vr1に維持する。尚、一定値Vr1は、反射除去音音量Vrが過剰となるのを防止し得る音量であるのはもちろんであるが、この一定値Vr1の設定においては、特に指示音量Vxが所定指示音量V0よりも更に低い値のとき、反射除去音音量Vrが過度に大きくなることで操縦者が違和感を覚えないような値とすることと、指示音量Vxの全範囲における効果的な不要反射音の除去とのバランスに留意する。
【実施例2】
【0052】
本発明に係る音声再生制御装置1において実行される音声再生処理の第二の実施例について、図6に基づいて説明する。尚、図6に示す音声再生処理は、図4に示す音声再生処理と同様に、制御部30のマイコンによって一定のサイクルで繰り返し実行されるルーチンであって、処理中同一の処理内容については同一の参照番号を付すことで、その詳細な説明は省略する。
【0053】
本制御においては、S108又はS109の処理が終了すると、S201の処理が行われる。S201では、上記操縦者高さ検知部308を介して、車両2に搭乗した操縦者4の高さTuを検知する。この操縦者4の高さは、操縦者4が座席シートに座ったときの操縦者4の耳の位置に関連付けられる高さである。操縦者の高さは、上述したように座席シートの位置に基づいて検知されてもよく、また該座席シートに備えられているヘッドレストの高さに基づいてもよい。その他に、操縦者による自身の身長の入力や操縦者の位置を検知する赤外線式等の物体センサ等による検出値に基づいて、操縦者の高さを得るようにしてもよい。
【0054】
ここで、上述したように、スピーカ5g、5hから再生される音声には、不要反射音を除去するための音声であって、そのために操縦者4の耳に直接に入射されるべき音声が含まれる。しかし、スピーカ5g、5hは座席シートの肩口に固定的に取り付けられているため、操縦者4の耳の位置が基準となる位置、即ちスピーカ5g、5hによる不要反射音の除去が最も効果的に行われる位置からずれると、不要反射音の除去が効果的に行われないばかりか、その除去のための音声により操縦者4が違和感を覚えてしまう虞がある。ここで、操縦者4の身長が高く、そのため耳の位置が基準位置より離れると結果的に不要反射音除去のための音声が小さくなるため操縦者4が違和感を覚える可能性は低いが、操縦者4の身長が低く、そのため耳の位置が基準位置からスピーカ5g、5hの方に近づくと
不要反射音除去のための音声が大きくなるため操縦者4が違和感を覚える可能性が高くなる。そこで、本制御では、操縦者4の耳の位置を考慮して、更に反射除去音音量Vrの決定を行うものである。S201の処理が終了すると、S202へ進む。
【0055】
S202では、S201で検知された操縦者4の高さTuが、基準身長T0より低いか否かが判定される。基準身長T0は、上述した耳の基準位置と一義的に関連付けられた操縦者の身長であり、操縦者4の身長Tuが基準身長T0より低いことは、その耳の位置が基準位置よりスピーカ5g、5hに近いところに位置することを意味する。S202で操縦者高さTuが基準身長T0より低いと判断されると、S203へ進み、操縦者高さTuが基準身長T0より低くないと判断されると、S204へ進む。
【0056】
S203では、S108又はS109で決定された反射除去音音量Vrの値を、80%の値に補正する。即ち、操縦者4の耳の位置が基準位置よりスピーカ5g、5hに近いところに位置するため、反射除去音音量Vrの値を更に小さくすることで、操縦者4が違和感を覚えるのを回避する。一方で、S204では、S108又はS109で決定された反射除去音音量Vrの値をそのまま使用する。これは、操縦者4の耳の位置が基準位置、もしくはそこよりスピーカ5g、5hから離れたところに位置するため、操縦者4が違和感を覚える虞が小さいからである。尚、S203における反射除去音音量Vrの補正のための係数は80%に限られるものではなく、100%未満の値を適宜設定すればよい。S203又はS204の処理後は、S110の処理が行われる。
【0057】
本制御によると、実施例1で示した効果に加えて、操縦者4の耳の位置を加味した音量制御が可能となり、操縦者が違和感を覚える虞を可及的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施例に係る音声再生制御装置が搭載される車両、およびそこに搭載されるスピーカの配置の概略を示す図である。
【図2】本発明の実施例に係る音声再生制御装置の概略構成を示す図である。
【図3】本発明の実施例に係る音声再生制御装置を構成する制御部で発揮される各機能を、機能部としてイメージ化した機能ブロック図である。
【図4】本発明の実施例に係る音声再生制御装置で実行される音声再生処理の第一のフロー図である。
【図5A】図4に示す音声再生処理において行われる効果音音量および反射除去音音量を決定するためのマップである。
【図5B】図4に示す音声再生処理において行われる反射除去音音量を決定するためのマップである。
【図6】本発明の実施例に係る音声再生制御装置で実行される音声再生処理の第二のフロー図である。
【符号の説明】
【0059】
1・・・・音声再生制御装置
2・・・・車両
3・・・・室内空間
4・・・・操縦者
5a〜5h・・・・スピーカ
10・・・・ナビゲーション装置
20・・・・ヘッドユニット
30・・・・制御部
40、41・・・・アンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音源から出力される直接音の所定空間内における反射音を減少させるための反射除去音を形成する反射除去音形成部と、
前記直接音の音量に関する指示を受け付ける音量指示受付部と、
前記音量指示受付部が受け付けた指示音量に基づいて、前記反射除去音の音量を制御する音量制御部と、を備え、
前記音量制御部は、前記音量指示受付部が受け付けた指示音量が所定指示音量を超えた場合の、該音量制御部による前記反射除去音の増減率を、該指示音量が該所定指示音量以下である場合の該反射除去音の増減率より小さくなるように制御する
ことを特徴とする音声再生制御装置。
【請求項2】
前記音量制御部は、前記音量指示受付部が受け付けた指示音量の増減に従い前記反射除去音の音量を増減させ、該指示音量が前記所定指示音量を超える場合には、該指示音量にかかわらず該反射除去音の音量を所定の音量に維持する
ことを特徴とする請求項1に記載の音声再生制御装置。
【請求項3】
音源から出力される直接音の所定空間内における反射音を減少させるための反射除去音を形成する反射除去音形成部と、
前記直接音の音量に関する指示を受け付ける音量指示受付部と、
前記音量指示受付部が受け付けた指示音量に基づいて、前記反射除去音の音量を制御する音量制御部と、を備え、
前記音量制御部は、前記音量指示受付部が受け付けた指示音量にかかわらず前記反射除去音の音量を所定の音量に維持する
ことを特徴とする音声再生制御装置。
【請求項4】
前記所定空間は、シートが設けられた車室内の空間であって、
前記反射除去音は、前記シート又は該シートの近傍に配置されたスピーカから出力される
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の音声再生制御装置。
【請求項5】
前記音源からの直接音が、前記スピーカからも出力されるか否かを判定する音源判定部を、更に備え、
前記音量制御部は、前記音源判定部による判定結果に基づいて、前記スピーカから出力される前記反射除去音の音量を制御する
ことを特徴とする請求項4に記載の音声再生制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−4937(P2009−4937A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−162103(P2007−162103)
【出願日】平成19年6月20日(2007.6.20)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】