音声再生装置、設置台、及び、収納ケース
【目的】 本体を大型化することなく、また外部スピーカを要することなく、大音量、高音質の音声を出力することができる、音声再生装置を提供する。
【構成】 携帯型映像音声再生装置1の筐体2には、LCDモニタ3、内蔵スピーカ4、イヤホン端子5、操作ボタン6、エキサイタユニット7、アンテナ8などが設置されている。エキサイタユニット7のエキサイタ7のコイル24に音声信号(電流)が流れると、その強さに応じてコイル24が動く。このエキサイタユニット7を机などの平板の上に設置すると、コイルの動きに基づく振動は平板(例えば、携帯型映像音声再生装置1を設置する台など)にも伝わり、平板が振動することにより音波が発生する。
【構成】 携帯型映像音声再生装置1の筐体2には、LCDモニタ3、内蔵スピーカ4、イヤホン端子5、操作ボタン6、エキサイタユニット7、アンテナ8などが設置されている。エキサイタユニット7のエキサイタ7のコイル24に音声信号(電流)が流れると、その強さに応じてコイル24が動く。このエキサイタユニット7を机などの平板の上に設置すると、コイルの動きに基づく振動は平板(例えば、携帯型映像音声再生装置1を設置する台など)にも伝わり、平板が振動することにより音波が発生する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声再生装置、この音声再生装置を設置する設置台、及び、この音声再生装置を収納する収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像を視聴できる携帯型の映像ビューワが普及し始めている(例えば、特許文献1)。携帯型の映像ビューワは、携帯型の音楽プレーヤとは異なり、複数人で視聴する場合もある。このようなとき、音声をスピーカ出力したいという要望が生じる。また、このような携帯型の映像ビューワであっても、大音量で映像を視聴したいというニーズもあるかもしれない。
【0003】
しかし、このような映像ビューワに大口径のスピーカを搭載すると機器が大型化してしまう。一方、小口径のスピーカだと、大音量が出ない、音質が悪い、といった問題がある。そこで、複数人で視聴したい場合、或いは大音量、高音質で視聴したい場合は、外付けのスピーカを使用することも考えられる。
【0004】
外付けのスピーカとしては、従来からあるコーン型スピーカに加え、近年では、小型化と高音質を両立した、NXT(登録商標)方式によるフラットパネルスピーカが普及し始めている。このフラットパネルスピーカは、磁気回路とボイスコイルを含むエキサイタと、このエキサイタによって励振される平板状の振動板により構成されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−251461
【特許文献2】特表2001−520836
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フラットパネルスピーカが小型であるといっても、外出先に持ち運びするには大きくて不便である。したがって、外出先で携帯型の映像ビューワで、複数人で視聴、或いは大音量、高音質で視聴したい場合であっても、そのような要求を満たすことは難しい。
【0006】
そこで、この発明は上記の事情に鑑み、本体を大型化することなく、また外部スピーカを要することなく、大音量、高音質の音声を出力することができる、音声再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の音声再生装置は、内部に音声信号を増幅する増幅器を有する本体と、前記本体上に設けられ、前記増幅器で増幅された音声信号に基づいて振動部を有する外部物体を励振させることにより音波を発生させる励振部とを備える。
【0008】
励振部は、例えば、磁気回路とボイスコイルを有するエキサイタを含むものである。また、励振部により励振された外部物体は音波を発生する。即ちこの音声再生装置は、外部物体をフラットパネルスピーカの振動板として機能させることにより、音声を出力することを特徴としたものである。励振される外部物体とは、好ましくは平板(アクリル板)であるが、振動により音波を発生できるものであれば、紙、雑誌、木材、鉄板、机などであっても良い。
【0009】
上記の音声再生装置によれば、本体を大型化することなく、また外部スピーカを要することなく、大音量、高音質の音声を出力することができる。
【0010】
好ましくは、前記励振部は、前記本体の下部に設けられ、該励振部により、前記本体の重量を支えることを特徴とする。このような音声再生装置を外部物体(例えば平板)の上に設置したとき、(エキサイタを含む)励振部に音声再生装置の本体の重量がかかることにより励振部と外部物体とが密着するので、励振部と外部物体を接着等しなくても、外部物体を振動板として機能させることができる。
【0011】
上記の音声再生装置を机などの平板の上に置いて使用するときは、励振部(例えば、エキサイタユニット)は音声再生装置の下側に配置することが望ましいが、音声再生装置を設置台などの上に設置する場合、下側に励振部があると邪魔なことが考えられる。そこで、前記励振部は、前記本体に対し相対的に変位可能であることが好ましい。しかし、励進部と本体に対して脱着可能とすると、使用者は励振部を紛失してしまうおそれがある。そこで、励振部は、前記本体に対して着脱不能であることが好ましい。
【0012】
好ましくは、前記本体は、前記励振部を該本体に対して着脱不能とせしめ、かつ前記励振部を該本体に対し相対的に変位可能にせしめるレール部材を有する。また、前記励振部は、前記エキサイタを収納する収納部材を有し、前記収納部材は、該励振部を前記レール部材に拘束せしめるための凹部、若しくは凸部を有する。
【0013】
本願発明の設置台は、上記の音声再生装置を設置するための設置台であって、前記エキサイタにより励振される平板状の振動板を備える。即ち、この設置台は、音声再生装置を支持すると共に、音声再生装置に附属するパネルスピーカとしての機能も備えている。
【0014】
上記設置台は、収納時、不使用時のスペースを節約するために、振動板はたたむことができることが望ましい。
【0015】
更に、前記振動板は、前記励進部と接触する第1の面を有する回動可能な第1、第2振動板を備え、前記第1振動板は、前記第1の面側に回転軸を有し、前記第2振動板は、前記第1の面とは反対側の面に回転軸を有することが望ましい。
【0016】
このような構成とすることにより、振動板が大きい場合であっても、振動板をたたむことができ、収納時、不使用時のスペースを節約することができる。
【0017】
本願発明の設置台は、前記音声再生装置への充電機能を備えていても良い。
【0018】
本願発明の収納ケースは、上記の音声再生装置を収納する、防水機能を備えた収納ケースであって、該収納ケースの筐体は前記励振部により励振される振動板としての機能を有する。
【発明の効果】
【0019】
本願発明の音声再生装置によれば、本体を大型化することなく、また外部スピーカを要することなく、大音量、高音質の音声を出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、携帯型映像音声再生装置1の外観を示す図である。この携帯型映像音声再生装置1は、本願発明の音声再生装置の一実施形態であり、デジタル放送を受信し、その視聴を可能とする携帯型の装置である。携帯型映像音声再生装置1の筐体2には、LCDモニタ3、内蔵スピーカ4、イヤホン端子5、操作ボタン6、エキサイタユニット7、アンテナ8などが設置されている。
【0021】
LCDモニタ3は、映像を表示する。内蔵スピーカ4は音声を出力する。イヤホン端子5には、イヤホンが接続される。操作ボタン6は、使用者が携帯型映像音声再生装置1に対する操作を行うためのものである。エキサイタユニット7は、筐体2の下側に設置される。
【0022】
エキサイタユニット7の中に内蔵されたエキサイタが振動すると、この振動は携帯型映像音声再生装置1が設置される平板50にも伝わり、この平板50が振動することで音波を発生する。
【0023】
なお、上記の、筐体2、LCDモニタ3、内蔵スピーカ4、イヤホン端子5、操作ボタン6、アンテナ8、及び筐体2の内部に設置される各種回路(図4を参照して、後で詳しく説明する)は、本願発明の音声再生装置における本体の一実施形態に相当する。また、エキサイタユニット7は、本願発明の音声再生装置における励振部の一実施形態に相当する。
【0024】
図2は、エキサイタユニット7の構成を示したものである。エキサイタユニット7は、エキサイタ10、弾性体11、ハウジング12などを有している。ハウジング12の内部には、弾性体11を介してエキサイタ10が取り付けられる。
【0025】
図3は、エキサイタ10の構成を示したものである。エキサイタ10は、ヨーク21、磁石22、フランジ23、コイル24などを有している。
【0026】
このコイル24は、携帯型映像音声再生装置1の内部回路と電気的に接続されている。コイル24に音声信号(電流)が流れると、その強さに応じてコイル24が動く。このコイルの動きに基づく振動はハウジング12に伝達される。したがって、エキサイタユニット7を机などの平板の上に設置すると、ハウジング12に伝達された振動は平板にも伝わり、平板が振動することにより音波が発生する。
【0027】
即ち、この携帯型映像音声再生装置1は、携帯型映像音声再生装置1が設置される平板をフラットパネルスピーカの振動板として機能させることにより、音声を出力することを特徴としたものである。
【0028】
また、エキサイタユニット7を筐体2の下部に設けた場合、エキサイタユニット7は、携帯型映像音声再生装置1の重量を支える役目も有している。このとき、携帯型映像音声再生装置1の自重によりエキサイタユニット7は平板に押し当てられる形となるので、平板に対しより効果的に振動を伝えることが可能となる。
【0029】
図4は、携帯型映像音声再生装置1の内部構成を示すブロック図である。携帯型映像音声再生装置1は、筐体2の内部に、CPU31、チューナ32、復調器33、分離部34、映像デコーダ35、音声デコーダ36、D/A変換器37、増幅器38、スイッチ39、などを有している。
【0030】
チューナ32は、アンテナ8が受信したRF信号から、所定チャンネルの信号を抽出する。所定チャンネルとは、例えば、携帯型映像装置1の使用者が操作ボタン6により選択したチャンネルのことである。
【0031】
復調器33は、チューナ32が抽出した信号を復調してトランスポートストリーム信号(TS信号)などを得る。
【0032】
分離部34は、復調器33での復調により得られたTS信号を、映像信号、音声信号などに分離する。分離された映像信号は映像デコーダ35へ、音声信号は音声デコーダ36へ送られる。
【0033】
映像デコーダ35は、符号化された映像信号(例えば、放送局側でMPEG2方式で符号化された信号)を復号する。復号された信号はLCDモニタ3に送信される。
【0034】
音声デコーダ36は、符号化された音声信号(例えば、放送局側でMPEG−AAC方式などで符号化された信号)を復号する。復号された信号は、D/A変換器37、増幅器38、及び、スイッチ39を介して、内蔵スピーカ4、又は、エキサイタ10へ送られる。スイッチ39は、携帯型映像装置1の使用者が操作ボタン6を操作することにより制御可能である。
【0035】
なお上記では、音声デコーダ36で復号された信号は、内蔵スピーカ4、又は、エキサイタ10の何れか一方に出力されるものとしたが、内蔵スピーカ4には常に出力されるものとし(携帯型映像装置1の電源がオンである限り)、携帯型映像装置1の使用者の操作に応じて、エキサイタ10にも出力するかどうかを切り換えても良い(図5参照)。
【0036】
或いは、携帯型映像装置が平板上に設置され、エキサイタユニットがこの携帯型映像装置を支持するような状態になったときに、自動的にデコーダにより復号化された音声信号をエキサイタに出力するようにしても良い。この場合、エキサイタユニットは、エキサイタユニットにかかる重量を測定する重量センサを有していても良い。
【0037】
或いは、イヤホンが接続された時は音声信号は常にイヤホン端子のみから出力されるようにし、イヤホンが接続されていない時に、内蔵スピーカ4へ音声信号を出力するか、エキサイタ10へ音声信号を出力するかを切り換えるようにしても良い。
【0038】
(第2の実施形態)
図6は、携帯型映像音声再生装置20の外観を示す図である。図6(a)は正面図であり、図6(b)は背面図である。携帯型映像音声再生装置20の構成や機能は携帯型映像音声再生装置1とほぼ同じであるが、エキサイタユニット7(7a、7b)が筐体2の下側ではなく、背面に設置されている点が異なる。同図において、Lは正面図(a)における左方向を示すものであり、Rは正面図(a)における右方向を示すものである。
【0039】
上記の携帯型映像音声再生装置20は、図7に示すようなクレードル9に設置して使用されるものである。このクレードル9は、携帯型映像音声再生装置20に取り付けられる電池を充電する機能も有している。
【0040】
クレードル9は、携帯型映像音声再生装置20へ充電用の電源を供給するためのコネクタ61、携帯型映像音声再生装置20の背面を支持するための部材62、エキサイタユニット7のエキサイタにより励振される振動板63(63L、63R)、AC/DC変換器や、携帯型映像音声再生装置20の電池を充電する充電器などを内部に備えた本体部64を有している。振動板63の材質は、例えばアクリル板などである。
【0041】
なお、上記の支持部材62、振動板63は、床面に対して傾斜しているもの(背面方向に傾いたもの)であっても良い。この場合、携帯型映像装置20のエキサイタユニット7には、携帯型映像装置20の本体の重量がかかるので、エキサイタユニット7と振動板63とが密着し、エキサイタユニット7の振動が振動板63に伝わりやすくなる。
【0042】
図8は、クレードル9に携帯型映像音声再生装置20を設置したときの様子を示す図である。図8(a)は正面図であり、図8(b)は正面図での右側から見たときの図である。携帯型映像音声再生装置20をクレードル9に設置したとき、携帯型映像音声再生装置20の背面にあるエキサイタユニット7は、振動板63と接触するようになっている。エキサイタユニット7aは振動板63Lと接触し、エキサイタユニット7bは振動板63Rと接触する。この実施形態では、エキサイタユニット7のエキサイタ10により、クレードル9に備えられた振動板63が励振されることで音波が発生する。
【0043】
(第3の実施形態)
図9は、クレードル90の外観を示す図である。図9(a)は正面図であり、図9(b)は上側から見たときの図である。このクレードル90もまた、携帯型映像音声再生装置20を充電するための充電台であるが、振動板が回動可能である点がクレードル9とは異なる。このクレードル90は、振動板をたたむことができるので、収納時、不使用時のスペースを節約することができる。
【0044】
振動板71Lは、支柱72Lにより支持されており、支柱72Lを軸として矢印A方向に回動可能である。振動板71Rは、支柱72Rにより支持されており、支柱72Rを軸として矢印B方向に回動可能である。
【0045】
図10は、クレードル90の振動板71を矢印A、B方向に回転させて畳んだ状態(収納状態)を示す図である。図10(a)は正面図であり、図10(b)は上側から見たときの図である。開いた状態(図9)の振動板71Lは、支柱72Lの周りを反時計回りに回転することにより畳んだ状態となる。振動板72Rは、支柱72Rの周りを反時計回りに回転することにより畳んだ状態となる。これらの振動板71を開くときは、振動板71を時計回りに回転させる。
【0046】
また、振動板71を開いた状態のとき、支柱72Lは振動板71Lの前方にあって、支柱72Rは振動板71Rの後方にある(図9参照)。
【0047】
或いは、クレードル90に携帯型映像音声再生装置20を設置したとき、エキサイタユニット7と対向する側の面を表面としたとき、支柱71Lは振動板72Lの表面側にあって、支柱71Rは振動板72Rの裏面側にある、ということもできる。
【0048】
振動板71と支柱72をこのような位置関係にしておけば、振動板71が大きい場合(振動板の水平方向の長さをy1、支柱72Lと支柱72Rの距離をy2としたとき、y1をy2/2よりも大きくした場合)であっても、振動板71L、71Rをたたむことができる(図10参照)。
【0049】
なお、y1がy2/2よりも小さいときであれば、振動板71L、71Rは、いわゆる観音開きの開閉が可能な構成であっても良い。
【0050】
(第4の実施形態)
図11は、携帯型映像音声再生装置20を収納することができる、防水機能を有する防水ケース100を示す図である。
【0051】
防水ケース100は、使用者が携帯型映像装置20のLCDパネルに表示される映像を視聴できるよう、少なくとも1つの面は透明である。防水ケース100の筐体80は、例えばアクリル板でできており、フラットパネルスピーカの振動板の機能も兼ねている。携帯型映像音声再生装置20を防水ケース100に入れたとき、携帯型映像音声再生装置20の背面に設けられたエキサイタユニット7内のエキサイタ10により防水ケース100の筐体80が励振されると音波が発生する。この防水ケース100は、エキサイタユニット7が防水ケース100の筐体80に確実に接触せしめるよう、ロック機構を有しても良い。このロック機構は、例えば、携帯型映像装置20の自重を用いるものであってもよい。
【0052】
このような防水ケース100に収納して携帯型映像音声再生装置20を使用すれば、例えば風呂場の中でも高音質の音声により映像を視聴することが可能となる。或いは、雨天時においても屋外で高音質の音声により映像を視聴することが可能となる。また、防水のため、通常のケースに携帯型映像再生装置を収納すると、イヤホンが使用できなかったり、ケースに入れたことで内蔵スピーカから出力される音声が不明瞭になる、といった不都合もあるが、このような携帯型映像音声再生装置20と、防水ケース100を用いることによりこのような問題は解決される。
【0053】
(第5の実施形態)
例えば、上記の携帯型映像再生装置を机などの平板の上に置いて使用するときは、エキサイタユニットは携帯型映像再生装置の下側に配置することが望ましいが、携帯型映像再生装置を充電台などの上に設置する場合、下側にエキサイタユニットがあると邪魔なことが考えられる。
【0054】
そこで、エキサイタユニットはその位置を動かせることが望ましい。しかし、本体(筐体)に対して脱着可能とすると、使用者はエキサイタユニットを紛失してしまうおそれがある。そこで、エキサイタユニットは、携帯型映像再生装置の本体に対して着脱不可能としながらも、本体に対して相対的に変位可能であることが好ましい。
【0055】
図12は、上記の要求を満たす、携帯型映像音声再生装置30の背面図を示すものである。同図のように、エキサイタ10(エキサイタユニット70)は移動可能なものであっても良い。例えば、携帯型映像音声再生装置30をクレードルに設置して使用する場合は、図12(a)のようにエキサイタユニット70は携帯型映像音声再生装置30の背面に配置される。携帯型映像音声再生装置30を机などに設置して使用する場合は、図12(b)のようにエキサイタユニット70(70a、70b)は携帯型映像音声再生装置30の下面に配置される。また、携帯型映像音声再生装置30は、エキサイタユニット70を固定し、かつエキサイタユニット70を移動可能とするためのレール301を有している。
【0056】
図13は携帯型映像音声再生装置30を上下方向に切断したと仮定した場合の断面図である。レール301は、エキサイタユニット70を挿入するための凹部304と、エキサイタユニット70を固定(拘束)する目的で設けられた凸部302、303を有する。
【0057】
図14は、本実施形態のエキサイタユニット70の外観を示す図である。エキサイタユニット70のハウジング82は、エキサイタユニット70をレール301により固定(拘束)せしめるための凹部821を有している。
【0058】
図15は、エキサイタユニット70をレール301に装着したときの図である。レール301の凸部302、303がエキサイタユニット70の凹部821に勘合することにより、エキサイタユニット70はレール301に固定され、かつレール301上で移動可能となる。
【0059】
なお、上記では、エキサイタユニット70のハウジング82に凹部を設けているが、ハウジング82を有さないエキサイタユニットの場合、エキサイタ10自体に凹部を設けても良い。
【0060】
(第6の実施形態)
図16は、携帯型映像音声再生装置40を示す図である。図16(a)は正面図であり、図16(b)は側面図である。携帯型映像音声再生装置40は、使用者がLCDパネル3を斜め上から視聴可能とするよう、床面に水平な軸の回りで回動可能な構成となっている。
【0061】
携帯型映像音声再生装置40は、筐体2を回動可能に支持する部材16を有している。部材16の両側面には、図16(b)のように、筐体2の回動の軸となる回動軸161が設けられている。同図のように、筐体2を回動可能な構成とすることにより、携帯型映像音声再生装置40の使用者は、LCDパネル3を斜め上から映像が視聴可能となる。
【0062】
また、第1の実施形態の携帯型映像音声再生装置1とは異なり、エキサイタユニット7は筐体2の下面ではなくて、部材16の下面に設けられている。
【0063】
(その他の変形例)
携帯型映像音声装置は内蔵スピーカを有さないものであってもよい。この場合、エキサイタにより励振された外部物体がスピーカの代わりをなす。このような構成の採用により、携帯型映像音声装置の更なる小型化が考えられる。
【0064】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0065】
例えば、上記では本願発明の音声再生装置の実施形態として、携帯型映像音声再生装置を例に説明したが、映像表示機能を有さない携帯型の音楽再生装置であっても良い。また、上記の携帯型映像音声再生装置はデジタル放送が視聴可能なものであったが、アナログ放送が視聴可能なものでも良いし、或いはチューナを内蔵しない携帯型映像音声再生装置であっても良い。また、いわゆる映像ビューワのようなものに限らず、本願発明の音声再生装置は、映像視聴が可能な携帯電話機であっても良い。或いは、撮影した画像をモニタで視聴可能なデジタルカメラであっても良い。
【0066】
また、上記では本願発明の設置台の実施形態として、携帯型映像音声再生装置を充電する充電台(クレードル9)を例に説明したが、充電機能を有しない設置台であっても良い。或いは、設置台は、テレビ放送を受信する受信機能、受信したテレビ放送番組を録画する録画機能、その録画データを携帯型映像音声再生装置に出力する機能を有するものであっても良い。
【0067】
また、本願発明の励振部の実施形態として、エキサイタユニット7、70を例に説明したが、その構造、及び形状は、本願発明が実施可能な態様であればよく、図を用いて説明した構造や形状とは異なるものであっても良い。
【0068】
また、上記では、設置台不使用時の収納効率性のため、設置台の振動板は回動可能であるとしたが、これに代えて振動板は左右方向にスライド可能であっても良い。
【0069】
また、上記では本願発明の音声再生装置の実施形態として、携帯型の映像音声再生装置を例に説明したが、本願発明は、携帯型ではない、据置型の映像音声再生装置、音楽再生装置等に用いるものであっても良い。
【0070】
また、上記では本願発明の音声再生装置は、映像信号を記録する機能や、音声信号を記録機能を有していても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】携帯型映像音声再生装置1の外観を示す図である。
【図2】エキサイタユニット7の構成を示したものである。
【図3】エキサイタ10の構成を示したものである。
【図4】携帯型映像音声再生装置1の内部構成を示すブロック図である。
【図5】携帯型映像音声再生装置1の他の内部構成例を示すブロック図である。
【図6】携帯型映像音声再生装置20の外観を示す図である。(a)は正面図であり、(b)は背面図である。
【図7】クレードル9の外観を示す図である。
【図8】クレードル9に携帯型映像音声再生装置20を設置したときの様子を示す図である。(a)は正面図であり、(b)は正面図での右側から見たときの図である。
【図9】クレードル90の外観を示す図である。(a)は正面図であり、(b)は上側から見たときの図である。
【図10】クレードル90の振動板71を畳んだ状態を示す図である。(a)は正面図であり、(b)は上側から見たときの図である。
【図11】携帯型映像音声再生装置20を収納することができる、防水機能を有する防水ケース100を示す図である。
【図12】携帯型映像音声再生装置30の背面図を示すものである。
【図13】携帯型映像音声再生装置30を上下方向に切断したときの断面図である。
【図14】エキサイタユニット70の外観を示す図である。
【図15】エキサイタユニット70をレール301に装着したときの図である。
【図16】携帯型映像音声再生装置40を示す図である。(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 携帯型映像再生装置
2 筐体
3 LCDモニタ
4 内蔵スピーカ
6 操作ボタン
7 エキサイタユニット
9 クレードル
10 エキサイタ
22 磁石
24 コイル
63 振動板
【技術分野】
【0001】
この発明は、音声再生装置、この音声再生装置を設置する設置台、及び、この音声再生装置を収納する収納ケースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、映像を視聴できる携帯型の映像ビューワが普及し始めている(例えば、特許文献1)。携帯型の映像ビューワは、携帯型の音楽プレーヤとは異なり、複数人で視聴する場合もある。このようなとき、音声をスピーカ出力したいという要望が生じる。また、このような携帯型の映像ビューワであっても、大音量で映像を視聴したいというニーズもあるかもしれない。
【0003】
しかし、このような映像ビューワに大口径のスピーカを搭載すると機器が大型化してしまう。一方、小口径のスピーカだと、大音量が出ない、音質が悪い、といった問題がある。そこで、複数人で視聴したい場合、或いは大音量、高音質で視聴したい場合は、外付けのスピーカを使用することも考えられる。
【0004】
外付けのスピーカとしては、従来からあるコーン型スピーカに加え、近年では、小型化と高音質を両立した、NXT(登録商標)方式によるフラットパネルスピーカが普及し始めている。このフラットパネルスピーカは、磁気回路とボイスコイルを含むエキサイタと、このエキサイタによって励振される平板状の振動板により構成されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2000−251461
【特許文献2】特表2001−520836
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フラットパネルスピーカが小型であるといっても、外出先に持ち運びするには大きくて不便である。したがって、外出先で携帯型の映像ビューワで、複数人で視聴、或いは大音量、高音質で視聴したい場合であっても、そのような要求を満たすことは難しい。
【0006】
そこで、この発明は上記の事情に鑑み、本体を大型化することなく、また外部スピーカを要することなく、大音量、高音質の音声を出力することができる、音声再生装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明の音声再生装置は、内部に音声信号を増幅する増幅器を有する本体と、前記本体上に設けられ、前記増幅器で増幅された音声信号に基づいて振動部を有する外部物体を励振させることにより音波を発生させる励振部とを備える。
【0008】
励振部は、例えば、磁気回路とボイスコイルを有するエキサイタを含むものである。また、励振部により励振された外部物体は音波を発生する。即ちこの音声再生装置は、外部物体をフラットパネルスピーカの振動板として機能させることにより、音声を出力することを特徴としたものである。励振される外部物体とは、好ましくは平板(アクリル板)であるが、振動により音波を発生できるものであれば、紙、雑誌、木材、鉄板、机などであっても良い。
【0009】
上記の音声再生装置によれば、本体を大型化することなく、また外部スピーカを要することなく、大音量、高音質の音声を出力することができる。
【0010】
好ましくは、前記励振部は、前記本体の下部に設けられ、該励振部により、前記本体の重量を支えることを特徴とする。このような音声再生装置を外部物体(例えば平板)の上に設置したとき、(エキサイタを含む)励振部に音声再生装置の本体の重量がかかることにより励振部と外部物体とが密着するので、励振部と外部物体を接着等しなくても、外部物体を振動板として機能させることができる。
【0011】
上記の音声再生装置を机などの平板の上に置いて使用するときは、励振部(例えば、エキサイタユニット)は音声再生装置の下側に配置することが望ましいが、音声再生装置を設置台などの上に設置する場合、下側に励振部があると邪魔なことが考えられる。そこで、前記励振部は、前記本体に対し相対的に変位可能であることが好ましい。しかし、励進部と本体に対して脱着可能とすると、使用者は励振部を紛失してしまうおそれがある。そこで、励振部は、前記本体に対して着脱不能であることが好ましい。
【0012】
好ましくは、前記本体は、前記励振部を該本体に対して着脱不能とせしめ、かつ前記励振部を該本体に対し相対的に変位可能にせしめるレール部材を有する。また、前記励振部は、前記エキサイタを収納する収納部材を有し、前記収納部材は、該励振部を前記レール部材に拘束せしめるための凹部、若しくは凸部を有する。
【0013】
本願発明の設置台は、上記の音声再生装置を設置するための設置台であって、前記エキサイタにより励振される平板状の振動板を備える。即ち、この設置台は、音声再生装置を支持すると共に、音声再生装置に附属するパネルスピーカとしての機能も備えている。
【0014】
上記設置台は、収納時、不使用時のスペースを節約するために、振動板はたたむことができることが望ましい。
【0015】
更に、前記振動板は、前記励進部と接触する第1の面を有する回動可能な第1、第2振動板を備え、前記第1振動板は、前記第1の面側に回転軸を有し、前記第2振動板は、前記第1の面とは反対側の面に回転軸を有することが望ましい。
【0016】
このような構成とすることにより、振動板が大きい場合であっても、振動板をたたむことができ、収納時、不使用時のスペースを節約することができる。
【0017】
本願発明の設置台は、前記音声再生装置への充電機能を備えていても良い。
【0018】
本願発明の収納ケースは、上記の音声再生装置を収納する、防水機能を備えた収納ケースであって、該収納ケースの筐体は前記励振部により励振される振動板としての機能を有する。
【発明の効果】
【0019】
本願発明の音声再生装置によれば、本体を大型化することなく、また外部スピーカを要することなく、大音量、高音質の音声を出力することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(第1の実施形態)
図1は、携帯型映像音声再生装置1の外観を示す図である。この携帯型映像音声再生装置1は、本願発明の音声再生装置の一実施形態であり、デジタル放送を受信し、その視聴を可能とする携帯型の装置である。携帯型映像音声再生装置1の筐体2には、LCDモニタ3、内蔵スピーカ4、イヤホン端子5、操作ボタン6、エキサイタユニット7、アンテナ8などが設置されている。
【0021】
LCDモニタ3は、映像を表示する。内蔵スピーカ4は音声を出力する。イヤホン端子5には、イヤホンが接続される。操作ボタン6は、使用者が携帯型映像音声再生装置1に対する操作を行うためのものである。エキサイタユニット7は、筐体2の下側に設置される。
【0022】
エキサイタユニット7の中に内蔵されたエキサイタが振動すると、この振動は携帯型映像音声再生装置1が設置される平板50にも伝わり、この平板50が振動することで音波を発生する。
【0023】
なお、上記の、筐体2、LCDモニタ3、内蔵スピーカ4、イヤホン端子5、操作ボタン6、アンテナ8、及び筐体2の内部に設置される各種回路(図4を参照して、後で詳しく説明する)は、本願発明の音声再生装置における本体の一実施形態に相当する。また、エキサイタユニット7は、本願発明の音声再生装置における励振部の一実施形態に相当する。
【0024】
図2は、エキサイタユニット7の構成を示したものである。エキサイタユニット7は、エキサイタ10、弾性体11、ハウジング12などを有している。ハウジング12の内部には、弾性体11を介してエキサイタ10が取り付けられる。
【0025】
図3は、エキサイタ10の構成を示したものである。エキサイタ10は、ヨーク21、磁石22、フランジ23、コイル24などを有している。
【0026】
このコイル24は、携帯型映像音声再生装置1の内部回路と電気的に接続されている。コイル24に音声信号(電流)が流れると、その強さに応じてコイル24が動く。このコイルの動きに基づく振動はハウジング12に伝達される。したがって、エキサイタユニット7を机などの平板の上に設置すると、ハウジング12に伝達された振動は平板にも伝わり、平板が振動することにより音波が発生する。
【0027】
即ち、この携帯型映像音声再生装置1は、携帯型映像音声再生装置1が設置される平板をフラットパネルスピーカの振動板として機能させることにより、音声を出力することを特徴としたものである。
【0028】
また、エキサイタユニット7を筐体2の下部に設けた場合、エキサイタユニット7は、携帯型映像音声再生装置1の重量を支える役目も有している。このとき、携帯型映像音声再生装置1の自重によりエキサイタユニット7は平板に押し当てられる形となるので、平板に対しより効果的に振動を伝えることが可能となる。
【0029】
図4は、携帯型映像音声再生装置1の内部構成を示すブロック図である。携帯型映像音声再生装置1は、筐体2の内部に、CPU31、チューナ32、復調器33、分離部34、映像デコーダ35、音声デコーダ36、D/A変換器37、増幅器38、スイッチ39、などを有している。
【0030】
チューナ32は、アンテナ8が受信したRF信号から、所定チャンネルの信号を抽出する。所定チャンネルとは、例えば、携帯型映像装置1の使用者が操作ボタン6により選択したチャンネルのことである。
【0031】
復調器33は、チューナ32が抽出した信号を復調してトランスポートストリーム信号(TS信号)などを得る。
【0032】
分離部34は、復調器33での復調により得られたTS信号を、映像信号、音声信号などに分離する。分離された映像信号は映像デコーダ35へ、音声信号は音声デコーダ36へ送られる。
【0033】
映像デコーダ35は、符号化された映像信号(例えば、放送局側でMPEG2方式で符号化された信号)を復号する。復号された信号はLCDモニタ3に送信される。
【0034】
音声デコーダ36は、符号化された音声信号(例えば、放送局側でMPEG−AAC方式などで符号化された信号)を復号する。復号された信号は、D/A変換器37、増幅器38、及び、スイッチ39を介して、内蔵スピーカ4、又は、エキサイタ10へ送られる。スイッチ39は、携帯型映像装置1の使用者が操作ボタン6を操作することにより制御可能である。
【0035】
なお上記では、音声デコーダ36で復号された信号は、内蔵スピーカ4、又は、エキサイタ10の何れか一方に出力されるものとしたが、内蔵スピーカ4には常に出力されるものとし(携帯型映像装置1の電源がオンである限り)、携帯型映像装置1の使用者の操作に応じて、エキサイタ10にも出力するかどうかを切り換えても良い(図5参照)。
【0036】
或いは、携帯型映像装置が平板上に設置され、エキサイタユニットがこの携帯型映像装置を支持するような状態になったときに、自動的にデコーダにより復号化された音声信号をエキサイタに出力するようにしても良い。この場合、エキサイタユニットは、エキサイタユニットにかかる重量を測定する重量センサを有していても良い。
【0037】
或いは、イヤホンが接続された時は音声信号は常にイヤホン端子のみから出力されるようにし、イヤホンが接続されていない時に、内蔵スピーカ4へ音声信号を出力するか、エキサイタ10へ音声信号を出力するかを切り換えるようにしても良い。
【0038】
(第2の実施形態)
図6は、携帯型映像音声再生装置20の外観を示す図である。図6(a)は正面図であり、図6(b)は背面図である。携帯型映像音声再生装置20の構成や機能は携帯型映像音声再生装置1とほぼ同じであるが、エキサイタユニット7(7a、7b)が筐体2の下側ではなく、背面に設置されている点が異なる。同図において、Lは正面図(a)における左方向を示すものであり、Rは正面図(a)における右方向を示すものである。
【0039】
上記の携帯型映像音声再生装置20は、図7に示すようなクレードル9に設置して使用されるものである。このクレードル9は、携帯型映像音声再生装置20に取り付けられる電池を充電する機能も有している。
【0040】
クレードル9は、携帯型映像音声再生装置20へ充電用の電源を供給するためのコネクタ61、携帯型映像音声再生装置20の背面を支持するための部材62、エキサイタユニット7のエキサイタにより励振される振動板63(63L、63R)、AC/DC変換器や、携帯型映像音声再生装置20の電池を充電する充電器などを内部に備えた本体部64を有している。振動板63の材質は、例えばアクリル板などである。
【0041】
なお、上記の支持部材62、振動板63は、床面に対して傾斜しているもの(背面方向に傾いたもの)であっても良い。この場合、携帯型映像装置20のエキサイタユニット7には、携帯型映像装置20の本体の重量がかかるので、エキサイタユニット7と振動板63とが密着し、エキサイタユニット7の振動が振動板63に伝わりやすくなる。
【0042】
図8は、クレードル9に携帯型映像音声再生装置20を設置したときの様子を示す図である。図8(a)は正面図であり、図8(b)は正面図での右側から見たときの図である。携帯型映像音声再生装置20をクレードル9に設置したとき、携帯型映像音声再生装置20の背面にあるエキサイタユニット7は、振動板63と接触するようになっている。エキサイタユニット7aは振動板63Lと接触し、エキサイタユニット7bは振動板63Rと接触する。この実施形態では、エキサイタユニット7のエキサイタ10により、クレードル9に備えられた振動板63が励振されることで音波が発生する。
【0043】
(第3の実施形態)
図9は、クレードル90の外観を示す図である。図9(a)は正面図であり、図9(b)は上側から見たときの図である。このクレードル90もまた、携帯型映像音声再生装置20を充電するための充電台であるが、振動板が回動可能である点がクレードル9とは異なる。このクレードル90は、振動板をたたむことができるので、収納時、不使用時のスペースを節約することができる。
【0044】
振動板71Lは、支柱72Lにより支持されており、支柱72Lを軸として矢印A方向に回動可能である。振動板71Rは、支柱72Rにより支持されており、支柱72Rを軸として矢印B方向に回動可能である。
【0045】
図10は、クレードル90の振動板71を矢印A、B方向に回転させて畳んだ状態(収納状態)を示す図である。図10(a)は正面図であり、図10(b)は上側から見たときの図である。開いた状態(図9)の振動板71Lは、支柱72Lの周りを反時計回りに回転することにより畳んだ状態となる。振動板72Rは、支柱72Rの周りを反時計回りに回転することにより畳んだ状態となる。これらの振動板71を開くときは、振動板71を時計回りに回転させる。
【0046】
また、振動板71を開いた状態のとき、支柱72Lは振動板71Lの前方にあって、支柱72Rは振動板71Rの後方にある(図9参照)。
【0047】
或いは、クレードル90に携帯型映像音声再生装置20を設置したとき、エキサイタユニット7と対向する側の面を表面としたとき、支柱71Lは振動板72Lの表面側にあって、支柱71Rは振動板72Rの裏面側にある、ということもできる。
【0048】
振動板71と支柱72をこのような位置関係にしておけば、振動板71が大きい場合(振動板の水平方向の長さをy1、支柱72Lと支柱72Rの距離をy2としたとき、y1をy2/2よりも大きくした場合)であっても、振動板71L、71Rをたたむことができる(図10参照)。
【0049】
なお、y1がy2/2よりも小さいときであれば、振動板71L、71Rは、いわゆる観音開きの開閉が可能な構成であっても良い。
【0050】
(第4の実施形態)
図11は、携帯型映像音声再生装置20を収納することができる、防水機能を有する防水ケース100を示す図である。
【0051】
防水ケース100は、使用者が携帯型映像装置20のLCDパネルに表示される映像を視聴できるよう、少なくとも1つの面は透明である。防水ケース100の筐体80は、例えばアクリル板でできており、フラットパネルスピーカの振動板の機能も兼ねている。携帯型映像音声再生装置20を防水ケース100に入れたとき、携帯型映像音声再生装置20の背面に設けられたエキサイタユニット7内のエキサイタ10により防水ケース100の筐体80が励振されると音波が発生する。この防水ケース100は、エキサイタユニット7が防水ケース100の筐体80に確実に接触せしめるよう、ロック機構を有しても良い。このロック機構は、例えば、携帯型映像装置20の自重を用いるものであってもよい。
【0052】
このような防水ケース100に収納して携帯型映像音声再生装置20を使用すれば、例えば風呂場の中でも高音質の音声により映像を視聴することが可能となる。或いは、雨天時においても屋外で高音質の音声により映像を視聴することが可能となる。また、防水のため、通常のケースに携帯型映像再生装置を収納すると、イヤホンが使用できなかったり、ケースに入れたことで内蔵スピーカから出力される音声が不明瞭になる、といった不都合もあるが、このような携帯型映像音声再生装置20と、防水ケース100を用いることによりこのような問題は解決される。
【0053】
(第5の実施形態)
例えば、上記の携帯型映像再生装置を机などの平板の上に置いて使用するときは、エキサイタユニットは携帯型映像再生装置の下側に配置することが望ましいが、携帯型映像再生装置を充電台などの上に設置する場合、下側にエキサイタユニットがあると邪魔なことが考えられる。
【0054】
そこで、エキサイタユニットはその位置を動かせることが望ましい。しかし、本体(筐体)に対して脱着可能とすると、使用者はエキサイタユニットを紛失してしまうおそれがある。そこで、エキサイタユニットは、携帯型映像再生装置の本体に対して着脱不可能としながらも、本体に対して相対的に変位可能であることが好ましい。
【0055】
図12は、上記の要求を満たす、携帯型映像音声再生装置30の背面図を示すものである。同図のように、エキサイタ10(エキサイタユニット70)は移動可能なものであっても良い。例えば、携帯型映像音声再生装置30をクレードルに設置して使用する場合は、図12(a)のようにエキサイタユニット70は携帯型映像音声再生装置30の背面に配置される。携帯型映像音声再生装置30を机などに設置して使用する場合は、図12(b)のようにエキサイタユニット70(70a、70b)は携帯型映像音声再生装置30の下面に配置される。また、携帯型映像音声再生装置30は、エキサイタユニット70を固定し、かつエキサイタユニット70を移動可能とするためのレール301を有している。
【0056】
図13は携帯型映像音声再生装置30を上下方向に切断したと仮定した場合の断面図である。レール301は、エキサイタユニット70を挿入するための凹部304と、エキサイタユニット70を固定(拘束)する目的で設けられた凸部302、303を有する。
【0057】
図14は、本実施形態のエキサイタユニット70の外観を示す図である。エキサイタユニット70のハウジング82は、エキサイタユニット70をレール301により固定(拘束)せしめるための凹部821を有している。
【0058】
図15は、エキサイタユニット70をレール301に装着したときの図である。レール301の凸部302、303がエキサイタユニット70の凹部821に勘合することにより、エキサイタユニット70はレール301に固定され、かつレール301上で移動可能となる。
【0059】
なお、上記では、エキサイタユニット70のハウジング82に凹部を設けているが、ハウジング82を有さないエキサイタユニットの場合、エキサイタ10自体に凹部を設けても良い。
【0060】
(第6の実施形態)
図16は、携帯型映像音声再生装置40を示す図である。図16(a)は正面図であり、図16(b)は側面図である。携帯型映像音声再生装置40は、使用者がLCDパネル3を斜め上から視聴可能とするよう、床面に水平な軸の回りで回動可能な構成となっている。
【0061】
携帯型映像音声再生装置40は、筐体2を回動可能に支持する部材16を有している。部材16の両側面には、図16(b)のように、筐体2の回動の軸となる回動軸161が設けられている。同図のように、筐体2を回動可能な構成とすることにより、携帯型映像音声再生装置40の使用者は、LCDパネル3を斜め上から映像が視聴可能となる。
【0062】
また、第1の実施形態の携帯型映像音声再生装置1とは異なり、エキサイタユニット7は筐体2の下面ではなくて、部材16の下面に設けられている。
【0063】
(その他の変形例)
携帯型映像音声装置は内蔵スピーカを有さないものであってもよい。この場合、エキサイタにより励振された外部物体がスピーカの代わりをなす。このような構成の採用により、携帯型映像音声装置の更なる小型化が考えられる。
【0064】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0065】
例えば、上記では本願発明の音声再生装置の実施形態として、携帯型映像音声再生装置を例に説明したが、映像表示機能を有さない携帯型の音楽再生装置であっても良い。また、上記の携帯型映像音声再生装置はデジタル放送が視聴可能なものであったが、アナログ放送が視聴可能なものでも良いし、或いはチューナを内蔵しない携帯型映像音声再生装置であっても良い。また、いわゆる映像ビューワのようなものに限らず、本願発明の音声再生装置は、映像視聴が可能な携帯電話機であっても良い。或いは、撮影した画像をモニタで視聴可能なデジタルカメラであっても良い。
【0066】
また、上記では本願発明の設置台の実施形態として、携帯型映像音声再生装置を充電する充電台(クレードル9)を例に説明したが、充電機能を有しない設置台であっても良い。或いは、設置台は、テレビ放送を受信する受信機能、受信したテレビ放送番組を録画する録画機能、その録画データを携帯型映像音声再生装置に出力する機能を有するものであっても良い。
【0067】
また、本願発明の励振部の実施形態として、エキサイタユニット7、70を例に説明したが、その構造、及び形状は、本願発明が実施可能な態様であればよく、図を用いて説明した構造や形状とは異なるものであっても良い。
【0068】
また、上記では、設置台不使用時の収納効率性のため、設置台の振動板は回動可能であるとしたが、これに代えて振動板は左右方向にスライド可能であっても良い。
【0069】
また、上記では本願発明の音声再生装置の実施形態として、携帯型の映像音声再生装置を例に説明したが、本願発明は、携帯型ではない、据置型の映像音声再生装置、音楽再生装置等に用いるものであっても良い。
【0070】
また、上記では本願発明の音声再生装置は、映像信号を記録する機能や、音声信号を記録機能を有していても良い。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】携帯型映像音声再生装置1の外観を示す図である。
【図2】エキサイタユニット7の構成を示したものである。
【図3】エキサイタ10の構成を示したものである。
【図4】携帯型映像音声再生装置1の内部構成を示すブロック図である。
【図5】携帯型映像音声再生装置1の他の内部構成例を示すブロック図である。
【図6】携帯型映像音声再生装置20の外観を示す図である。(a)は正面図であり、(b)は背面図である。
【図7】クレードル9の外観を示す図である。
【図8】クレードル9に携帯型映像音声再生装置20を設置したときの様子を示す図である。(a)は正面図であり、(b)は正面図での右側から見たときの図である。
【図9】クレードル90の外観を示す図である。(a)は正面図であり、(b)は上側から見たときの図である。
【図10】クレードル90の振動板71を畳んだ状態を示す図である。(a)は正面図であり、(b)は上側から見たときの図である。
【図11】携帯型映像音声再生装置20を収納することができる、防水機能を有する防水ケース100を示す図である。
【図12】携帯型映像音声再生装置30の背面図を示すものである。
【図13】携帯型映像音声再生装置30を上下方向に切断したときの断面図である。
【図14】エキサイタユニット70の外観を示す図である。
【図15】エキサイタユニット70をレール301に装着したときの図である。
【図16】携帯型映像音声再生装置40を示す図である。(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【符号の説明】
【0072】
1 携帯型映像再生装置
2 筐体
3 LCDモニタ
4 内蔵スピーカ
6 操作ボタン
7 エキサイタユニット
9 クレードル
10 エキサイタ
22 磁石
24 コイル
63 振動板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に音声信号を増幅する増幅器を有する本体と、
前記本体上に設けられ、前記増幅器で増幅された音声信号に基づいて振動部を有する外部物体を励振させることにより音波を発生させる励振部とを備えた、音声再生装置。
【請求項2】
前記励振部は、前記本体の下部に設けられ、該励振部により、前記本体の重量を支える、請求項1記載の音声再生装置。
【請求項3】
前記励振部は、前記本体に対し相対的に変位可能、かつ、前記本体に対して着脱不能である、請求項1又は2記載の音声再生装置。
【請求項4】
前記本体は、前記励振部を該本体に対して着脱不能とせしめ、かつ前記励振部を該本体に対し相対的に変位可能にせしめるレール部材を有し、
前記励振部は、前記エキサイタを収納する収納部材を有し、
前記収納部材は、該励振部を前記レール部材に拘束せしめるための凹部、若しくは凸部を有する、請求項3記載の音声再生装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1項に記載の音声再生装置を設置するための設置台であって、
前記励振部により励振される平板状の振動板を備える、設置台。
【請求項6】
前記振動板は、前記励進部と接触する第1の面を有する回動可能な第1、第2振動板を備え、
前記第1振動板は、前記第1の面側に回転軸を有し、
前記第2振動板は、前記第1の面とは反対側の面に回転軸を有する、請求項5記載の設置台。
【請求項7】
請求項1ないし4の何れか1項に記載の音声再生装置を収納する、防水機能を備えた収納ケースであって、
該収納ケースの筐体は前記励振部により励振される振動板としての機能を有する、収納ケース。
【請求項1】
内部に音声信号を増幅する増幅器を有する本体と、
前記本体上に設けられ、前記増幅器で増幅された音声信号に基づいて振動部を有する外部物体を励振させることにより音波を発生させる励振部とを備えた、音声再生装置。
【請求項2】
前記励振部は、前記本体の下部に設けられ、該励振部により、前記本体の重量を支える、請求項1記載の音声再生装置。
【請求項3】
前記励振部は、前記本体に対し相対的に変位可能、かつ、前記本体に対して着脱不能である、請求項1又は2記載の音声再生装置。
【請求項4】
前記本体は、前記励振部を該本体に対して着脱不能とせしめ、かつ前記励振部を該本体に対し相対的に変位可能にせしめるレール部材を有し、
前記励振部は、前記エキサイタを収納する収納部材を有し、
前記収納部材は、該励振部を前記レール部材に拘束せしめるための凹部、若しくは凸部を有する、請求項3記載の音声再生装置。
【請求項5】
請求項1ないし4の何れか1項に記載の音声再生装置を設置するための設置台であって、
前記励振部により励振される平板状の振動板を備える、設置台。
【請求項6】
前記振動板は、前記励進部と接触する第1の面を有する回動可能な第1、第2振動板を備え、
前記第1振動板は、前記第1の面側に回転軸を有し、
前記第2振動板は、前記第1の面とは反対側の面に回転軸を有する、請求項5記載の設置台。
【請求項7】
請求項1ないし4の何れか1項に記載の音声再生装置を収納する、防水機能を備えた収納ケースであって、
該収納ケースの筐体は前記励振部により励振される振動板としての機能を有する、収納ケース。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−253735(P2006−253735A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63176(P2005−63176)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】
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