説明

音声再生装置

【課題】従来の技術による諸問題を解決するため、分離型記憶ユニットを有する音声再生装置を提供する。
【解決手段】音声再生装置は第一モジュールと第二モジュールを含む。第一モジュールは、第一ハウジングと、第一接続ポートと、音声データを保存する記憶ユニットとを備える。第二モジュールは、第二ハウジングと、音声再生装置の操作を制御するコントローラーと、音声データを保存するフラッシュメモリーと、第一接続ポートと分離できるように接続される第二接続ポートと、ユーザーの入力に応じて信号をコントローラーに送信し、第二モジュールのフラッシュメモリーまたは第一モジュールの記憶ユニットに保存される音声データを選択するためのユーザーインターフェイスと、選択された音声ファイルを音声信号に変換するデコーダーと、変換された音声信号を出力する音声出力ポートとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は音声再生装置に関し、特に分離型記憶ユニットを有する音声再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタル音楽ファイルは小容量であって携帯型不揮発メモリーで保存することが可能であり、MP3プレイヤーなどの携帯型再生装置の発展に伴って普及している。
【0003】
MP3プレイヤーは内蔵の記憶装置により、フラッシュメモリー型とハードディスク(HDD)型と大別される。フラッシュメモリー型MP3プレイヤーは軽量かつ省電力である一方、容量が制限されている。例えば64MBのフラッシュメモリーは約1時間のMP3ファイルしか記録できず、長距離旅行など長時間使用の場合、容量不足が特に問題となる。一方、HDD型MP3プレイヤーは大容量でありながら、重量と高消費電力以外にも、耐震性の不足も欠点であると指摘されている。このような従来技術の欠点を改善するため、軽量、省電力かつ大容量のMP3プレイヤーの開発は重要な課題とされている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明は前述の問題を解決するため、分離型記憶ユニットを有する音声再生装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明は分離型記憶ユニットを有する音声再生装置を提供する。該音声再生装置は第一モジュールと第二モジュールとを含む。第一モジュールは、第一ハウジングと、第一ハウジングに設けられる第一接続ポートと、第一ハウジング内に設けられて第一接続ポートにカップリングされ、デジタル音声データを保存する記憶ユニットとを備える。第二モジュールは、第二ハウジングと、第二ハウジング内に設けられ、音声再生装置の操作を制御するコントローラーと、第二ハウジング内に設けられてコントローラーにカップリングされ、デジタル音声データを保存するフラッシュメモリーと、第二ハウジング内に設けられてコントローラーにカップリングされ、第一接続ポートと分離できるように接続される第二接続ポートと、コントローラーにカップリングされ、ユーザーの入力に応じて信号をコントローラーに送信し、第二モジュールのフラッシュメモリーに保存されるデジタル音声データを選択するか、または第一接続ポートと第二接続ポートを介して第一モジュールの記憶ユニットに保存されるデジタル音声データを選択するためのユーザーインターフェイスと、ユーザーインターフェイスで選択されたデジタル音声ファイルを音声信号に変換するデコーダーと、デコーダーに変換された音声信号を出力する音声出力ポートとを備える。
【発明の効果】
【0006】
この発明はフラッシュメモリー型とHDD型MP3プレイヤーの特長を兼ね備えたものである。大量な音楽を鑑賞する場合は拡充記憶装置に相当する第一モジュールと音声再生装置の本体である第二モジュールを接続し、そうでない場合は第二モジュールを単独に使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
かかる装置の特徴を詳述するために、具体的な実施例を挙げ、図面を参照して以下説明する。
【0008】
図1と図2を参照する。図1はこの発明による音声再生装置10の外観図であり、図2は音声再生装置10のブロック図である。音声再生装置10は例えばMP3プレイヤーであり、第一モジュール12と第二モジュール20とを備える。そのうち第一モジュール12は少なくとも第一ハウジング14と、第一接続ポート16と、記憶ユニット18と、電力供給ユニット19とを含み、第二モジュール20は少なくとも第二ハウジング22と、コントローラー24と、フラッシュメモリー26と、第二接続ポート28と、ユーザーインターフェイス30と、デコーダー32と、音声出力ポート34と、表示装置36と、メモリーカードスロット38と、ラジオレシーバー40と、電力供給ユニット42とを含む。
【0009】
第一モジュール12の第一接続ポート16は第一ハウジング14内に設けられる。記憶ユニット18はデジタル音声データを保存するものであり、第一ハウジング14内に設けられ、第一接続ポート16とカップリングされる。記憶ユニット18は例えばIDEまたはUSBインターフェイスを有するHDDである。電力供給ユニット19は電池など第一モジュール12に必要な電力を供給する。
【0010】
コントローラー24は第二ハウジング内22に設けられ、音声再生装置10の操作を制御する。フラッシュメモリー26はNAND型フラッシュメモリーなどデジタル音声データを保存するものであり、第二ハウジング22内に設けられてコントローラー24に接続される。第二接続ポート28は第二ハウジング22に設けられ、第一モジュール12の第一接続ポート16と接続する。ユーザーインターフェイス30はコントローラー24にカップリングされ、ユーザーの入力に応じて信号をコントローラー24に送信し、第二モジュール20のフラッシュメモリー26に保存されるデジタル音声データを選択するか、または第一接続ポート16と第二接続ポート28を通して第一モジュール12の記憶ユニット18に保存されるデジタル音声データを選択するためのものである。デコーダー32はユーザーインターフェイス30で選出されたMP3またはWMAデジタル音声ファイルを音声信号に変換するものである。音声出力ポート34はデコーダー32に変換された音声信号を出力して再生中の音声を聞かせるためのイヤホンジャックまたはスピーカーである。表示装置36は再生中の曲名、ラジオ局、電池残量など音声再生装置10の操作状態を表示する液晶表示器である。メモリーカードスロット38は外付けメモリーカードのデータを読み取るものである。ラジオレシーバー40はFMまたはAMラジオ局からのラジオ信号を受信して相応する音声信号を音声出力ポート34に送信する。電力供給ユニット42は電池または外部電力供給装置からの電力を受けて第一モジュール20に必要な電力を供給するものである。第一モジュール12の電力供給ユニット19は、第二モジュール20の電力供給ユニット42からの電力を受けて第一モジュール21に提供することも可能である。
【0011】
音声再生装置10は第一モジュール12と第二モジュール20との二部分に分けられる。第一モジュール12と第二モジュール20は第一接続ポート16と第二接続ポート28でデータを送受信する。第一接続ポート16と第二接続ポート28はUSB1.0、USB2.0、USB OTG、IEEE1394またはIDEなどの規格に準拠する。第一モジュール12の記憶ユニット18がIDEインターフェイスを有するHDDである場合、データ変換を実行するため第一モジュール12にUSB/IDE変換器を増設することも可能である。図1において第一接続ポート16と第二接続ポート28はそれぞれ雄コネクターと雌コネクターであるが、この発明の範囲はそれに限らない。第一モジュール12と第二モジュール20が第一接続ポート16と第二接続ポート28によって接続されるとき、ユーザーはユーザーインターフェイス30で第二モジュール20のフラッシュメモリー26に保存されるデジタル音声データを選択するか、または第一接続ポート16と第二接続ポート28の接続を通して第一モジュール12の記憶ユニット18に保存されるデジタル音声データを選択することができる。こうして音声再生装置10の容量はフラッシュメモリー26と記憶ユニット18の合計容量にまで拡充できる。第一モジュール12と第二モジュール20の組み合わせは従来のHDD型MP3プレイヤーと類似し、第一モジュール12は外付けHDDに相当する。実際の使用では、まず第一モジュール12をコンピューターに接続して、コンピューターからデジタル音楽をその記憶ユニット18にダウンロードして保存する。保存を完成したら、第一モジュール12はコンピューターと接続が切断され、第二モジュール20と接続し始める。第二モジュール20のコントローラー24が第一接続ポート16と第二接続ポート28の接続を検出したら、第一モジュール12はスレイブ装置となり、ユーザーは第二モジュール20のユーザーインターフェイス30で第一接続ポート16と第二接続ポート28を介して第二モジュール20のフラッシュメモリー26に保存されるデジタル音声データを選択するか、または第一モジュール12の記憶ユニット18に保存されるデジタル音声データを選択する、または第一モジュール12の記憶ユニット18に保存されるデジタル音声データをフラッシュメモリー26にバックアップすることができる。長時間使用の場合、使用者は第一モジュール12を第二モジュール20と接続するだけで充足な容量を確保することができる。
【0012】
第一モジュール12を第二モジュール20からはずすと、コントローラー24は第一接続ポート16と第二接続ポート28の接続が切断されたのを検出し、ユーザーはユーザーインターフェイス30で第二モジュール20のフラッシュメモリー26に保存されるデジタル音声データを選択する。この場合、第二モジュール20は従来のフラッシュメモリー型MP3プレイヤーに相当する。なお、第二モジュール20はメモリーカードスロット38で別添のメモリーカードのデータを読み込むこともできる。音楽再生装置が再生するデータは、第一接続ポート16と第二接続ポート28が接続されるとき、第一モジュール12の記憶ユニット18からダウンロードされ第二モジュール20のフラッシュメモリー26に保存されたデジタル音楽データ、またはメモリーカードスロット38で読み込まれたメモリーカードのデジタル音楽データである。したがって、大量な音楽データを鑑賞する以外の場合、第二モジュール20を単独に使用することもできる。
【0013】
以上はこの発明に好ましい実施例であって、この発明の実施の範囲を限定するものではない。よって、当業者のなし得る修正、もしくは変更であって、この発明の精神の下においてなされ、この発明に対して均等の効果を有するものは、いずれもこの発明の特許請求の範囲に属するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0014】
この発明はフラッシュメモリー型とHDD型MP3プレイヤーの特長を兼ね備えたものである。大量な音楽を鑑賞する場合は拡充記憶装置に相当する第一モジュールと音声再生装置の本体である第二モジュールを接続し、そうでない場合は第二モジュールを単独に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明による音声再生装置の外観図である。
【図2】この発明による音声再生装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0016】
10 音声再生装置
12 第一モジュール
14 第一ハウジング
16 第一接続ポート
18 記憶ユニット
19 電力供給ユニット
20 第二モジュール
22 第二ハウジング
24 コントローラー
26 フラッシュメモリー
28 第二接続ポート
30 ユーザーインターフェイス
32 デコーダー
34 音声出力ポート
36 表示装置
38 メモリーカードスロット
40 ラジオレシーバー
42 電力供給ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分離型記憶ユニットを有する音声再生装置であって、
第一ハウジングと、
第一ハウジングに設けられる第一接続ポートと、
第一ハウジング内に設けられて第一接続ポートにカップリングされ、デジタル音声データを保存する記憶ユニットとを備える第一モジュールと、
第二ハウジングと、
第二ハウジング内に設けられ、音声再生装置の操作を制御するコントローラーと、
第二ハウジング内に設けられてコントローラーにカップリングされ、デジタル音声データを保存するフラッシュメモリーと、
第二ハウジング内に設けられてコントローラーにカップリングされ、第一接続ポートと分離できるように接続される第二接続ポートと、
コントローラーにカップリングされ、ユーザーの入力に応じて信号をコントローラーに送信し、第二モジュールのフラッシュメモリーに保存されるデジタル音声データを選択するか、または第一接続ポートと第二接続ポートを介して第一モジュールの記憶ユニットに保存されるデジタル音声データを選択するためのユーザーインターフェイスと、
ユーザーインターフェイスで選択されたデジタル音声ファイルを音声信号に変換するデコーダーと、
デコーダーに変換された音声信号を出力する音声出力ポートを備える第二モジュールとを含むことを特徴とする音声再生装置。
【請求項2】
前記第一接続ポートと第二接続ポートはUSB、IEEE1394またはIDEインターフェイスであることを特徴とする請求項1記載の音声再生装置。
【請求項3】
前記第一モジュールの記憶ユニットがハードディスクドライブであることを特徴とする請求項1記載の音声再生装置。
【請求項4】
前記第一モジュールの記憶ユニットがUSBインターフェイスを有するハードディスクドライブであることを特徴とする請求項3記載の音声再生装置。
【請求項5】
前記第二モジュールのフラッシュメモリーがNAND型フラッシュメモリーであることを特徴とする請求項1記載の音声再生装置。
【請求項6】
前記第二モジュールのデコーダーがMP3デコーダーであることを特徴とする請求項1記載の音声再生装置。
【請求項7】
前記第二モジュールの音声出力ポートがイヤホンジャックであることを特徴とする請求項1記載の音声再生装置。
【請求項8】
前記第二モジュールは更に、音声再生装置の操作状態を表示する表示装置を含むことを特徴とする請求項1記載の音声再生装置。
【請求項9】
前記第二モジュールは更に、メモリーカードのデータを読み込むメモリーカードスロットを含むことを特徴とする請求項1記載の音声再生装置。
【請求項10】
前記第二モジュールは更に、ラジオ信号を受信して相応する音声信号を音声出力ポートに出力するラジオレシーバーを含むことを特徴とする請求項1記載の音声再生装置。

【図1】
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【図2】
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