説明

音声処理装置、音声処理方法、ならびに、プログラム

【課題】プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力する。
【解決手段】プレイヤーは、所定位置に配置される複数の操作対象のいずれか1つ以上を押圧する。音声出力部201A,201Bは、それぞれ音声を出力する。検知部202は、複数の操作対象のそれぞれに対する、プレイヤーによる押圧操作の有無を検知する。音量変化部203は、複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、音声出力部201A,201Bのそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。例えば、音量変化部203は、音声出力部201A,201Bのうち、押圧操作がなされていると検知された操作対象から遠いほうの音声出力部から出力される音声の音量を相対的に大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力するために好適な音声処理装置、音声処理方法、ならびに、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プレイヤーが現実空間において移動しながらプレイするゲームがある。例えば特許文献1には、プレイヤーが音楽と踏み動作のタイミング指示とに合わせてパネルを踏みながら移動すると、プレイヤーがダンス感覚を楽しむことができるゲーム装置が開示されている。このゲーム装置は、踏みセンサを内蔵する踏み台部へのプレイヤーによる踏み操作を検出し、プレイヤーの踏み動作についての評価結果を提示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3003851号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、音楽などを出力するスピーカーは、所定の位置に固定されていることが多い。そのため、特許文献1のようにプレイヤーが移動しながらプレイするゲームでは、プレイヤーのいる場所によっては音声が聞こえづらくなってしまうことがあった。例えば、ステレオ音声などのように複数チャンネルの音声を出力するために複数のスピーカーが配置されているケースでは、プレイヤーが場所を移動すると特定のスピーカーから遠く離れることがあるため、音声の大きさのバランスが崩れてしまい、音声が聞き取りづらくなってしまうことがあった。
【0005】
本発明はこのような課題を解決するものであり、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力するために好適な音声処理装置、音声処理方法、ならびに、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の目的を達成するため、本発明の原理にしたがって、下記の発明を開示する。
【0007】
本発明の第1の観点に係る音声処理装置は、複数の音声出力部、検知部、音量変化部を備える。
複数の音声出力部は、音声を出力する。
検知部は、所定位置に配置される複数の操作対象のそれぞれに対するプレイヤーによる押圧操作の有無を検知する。
音量変化部は、複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。
【0008】
音声処理装置は、例えばゲーム、映画、広告などの音声を出力する。各音声出力部には、少なくとも1つのスピーカーが対応付けられる。音声処理装置は、複数のスピーカーを使って多チャンネル音声を出力できる。音声処理装置には、プレイヤーによる押圧操作の有無を検知するデバイス(一般にはコントローラと呼ばれる)が繋がれている。例えば、コントローラは、床に設置するマット型の形状をしており、表面にはプレイヤーによる押圧操作を受け付けるボタンが複数配置されている。ボタンのそれぞれを操作対象ともいう。
【0009】
音声処理装置は、コントローラに配置される複数のボタンのうち、プレイヤーによってどのボタンが押圧されたかに応じて、各スピーカーから出力される音声の音量比を変化させる。言い換えれば、音声処理装置は、プレイヤーがどこにいるかに応じて、各スピーカーから出力される音声の音量比を変化させる。音量比は任意に設定できる。例えば、音声処理装置は、押圧されたボタンから遠いスピーカーの音量を他のスピーカーの音量よりも相対的に大きくしてもよい。
【0010】
一般に、音量を一定にすると仮定すると、スピーカーから離れるほど音声は小さく聞こえる。しかし、プレイヤーによって押圧されたボタンから遠いほどスピーカーの音量を相対的に大きくすると、プレイヤーから離れているスピーカーからは大きな音量で音声が出力され、スピーカーから離れても音声が聞き取りやすくなる。本発明によれば、プレイヤーによって押圧されたボタンに応じて音量バランスが変化するので、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力することができる。
【0011】
音声処理装置は、複数の操作対象のうち当該プレイヤーにより押圧操作がなされるべき操作対象と、タイミングと、を対応付ける課題情報を予め記憶する記憶部を更に備えていてもよい。
そして、音量変化部は、検知部により押圧操作が検知されていない間であって、記憶されるタイミングでは、当該押圧操作がなされるべき操作対象に基づいて音量比を変化させてもよい。
【0012】
本発明の音声処理装置は、仮想空間におけるゲームを実行し、ゲームの音声を出力することができる。音声処理装置で実行されるゲームには、プレイヤーが達成(クリア)すべきゲーム課題が用意されている。ゲーム課題とは、プレイヤーが押圧すべきボタンと、プレイヤーが押圧すべきタイミング(ゲーム内時刻)と、を対応付ける情報である。プレイヤーは、ゲーム課題で指定されたボタンを、ゲーム課題で指定されたタイミングで押圧することが望ましい。
【0013】
プレイヤーは、複数のボタンのいずれか1つ以上を任意のタイミングで押圧することが可能である。つまり、プレイヤーの操作の仕方(ゲームの進め方)によっては、プレイヤーによっていずれのボタンも押圧されないことがある。そこで、本発明では、プレイヤーによる押圧操作が検知されない間、ゲーム課題が示すタイミングになると、ゲーム課題が示すボタンに応じて音量バランスが変化する。
【0014】
例えば、プレイヤーがゲーム課題が示す通りにボタンを押圧しようとしたものの、踏み外してしまった場合、プレイヤーは、押圧しようとしたボタンの近くにいる可能性が高いと推定される。そこで、音声処理装置は、ボタンが押圧されない場合には、プレイヤーがいる可能性が比較的高いと推定される場所、あるいは、プレイヤーがいることが望ましい場所で聞き取りやすい音量バランスに設定する。本発明によれば、押圧操作が検知されていなくても、プレイヤーが聞き取りやすいと推定される音量バランスで音声を出力することができる。
【0015】
音声処理装置は、検知部により検知された押圧操作の有無と、記憶部に記憶される課題情報と、に基づいて、課題情報についての当該プレイヤーの成績を判定する成績判定部を更に備えていてもよい。
そして、成績判定部により成績が優れていると判定された場合、音量変化部は、複数の操作対象のうち現在時刻より後であって現在時刻に最も近いタイミングに対応付けて記憶される操作対象に基づいて、複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させ、
そうでない場合、音量変化部は、複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させてもよい。
【0016】
本発明の音声処理装置は、予め定義されるゲーム課題と、プレイヤーによる押圧操作と、に基づいて、プレイヤーの成績を判定する。例えば、ゲーム課題が示すボタンをプレイヤーが押圧したタイミングが、ゲーム課題が示すタイミングに近いほど、成績が優れていると判定する。
【0017】
音声処理装置は、あるゲーム課題について成績が優れていると判定すると、次のゲーム課題が示すボタン(プレイヤーが次に押圧すべきボタン)が存在する場所において聞き取りやすい音量バランスに変化させる。プレイヤーは、ゲームの成績が優れていると、自然と音量バランスが良い音声を聞くことができる。本発明によれば、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力することができる。
【0018】
音量変化部は、複数の音声出力部のうち押圧されたことが検知された操作対象から遠い音声出力部によって出力される音声の音量を相対的に大きくしてもよい。
【0019】
すなわち、プレイヤーによって押圧されたボタンから遠いスピーカーほど、出力される音声の音量を大きくする。プレイヤーから離れているスピーカーからは大きな音量で音声が出力されるので、プレイヤーは、スピーカーから離れていても音声が聞き取りやすくなる。本発明によれば、音声処理装置は、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力することができる。プレイヤーは、次のゲーム課題を達成するためには音声バランスが整っている位置の近くに移動すればよい、というゲームを攻略するためのヒントを得ることができる。
【0020】
音量変化部は、複数の音声出力部のうち押圧されたことが検知された操作対象に近い音声出力部によって出力される音声の音量を相対的に大きくしてもよい。
【0021】
すなわち、プレイヤーによって押圧されたボタンに近いスピーカーほど、出力される音声の音量を大きくする。本発明によれば、プレイヤーは、次のゲーム課題を達成するためには音量が大きい位置の近くに移動すればよい、というゲームを攻略するためのヒントを得ることができる。
【0022】
本発明のその他の観点に係る音声処理装置は、記憶部、複数の音声出力部、音量変化部を備える。
記憶部は、所定位置に配置される複数の操作対象のうちプレイヤーにより押圧操作がなされるべき操作対象と、タイミングと、を対応付ける課題情報を予め記憶する。
複数の音声出力部は、音声を出力する。
音量変化部は、複数の操作対象のうち記憶されるタイミングと現在時刻とを用いて定まるタイミングに対応付けられる操作対象に基づいて、複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。
【0023】
本発明の音声処理装置は、上述の音声処理装置と同様に、仮想空間におけるゲームを実行し、ゲームの音声を出力する。音声処理装置で実行されるゲームには、プレイヤーが達成すべきゲーム課題が用意されている。
【0024】
音声処理装置は、コントローラに配置される複数のボタンのうち次のゲーム課題が示すボタンがどれであるかに応じて、各スピーカーから出力される音声の音量比を変化させる。言い換えれば、音声処理装置は、プレイヤーが次にどこにいるべきかに応じて、各スピーカーから出力される音声の音量比を変化させる。音量比は任意に設定できる。
【0025】
音声処理装置は、プレイヤーが次に挑戦するゲーム課題が示すボタンに応じて音量バランスを変化させる。音声処理装置は、プレイヤーがいる可能性が比較的高いと推定される場所、あるいは、プレイヤーがいることが望ましい場所で聞き取りやすい音量バランスに設定する。本発明によれば、ゲーム課題に挑戦しているプレイヤーが聞き取りやすいと推定される音量バランスで音声を出力することができる。
【0026】
音量変化部は、複数の操作対象のうち、現在時刻より後であって現在時刻に最も近いタイミングに対応付けて記憶部に記憶される操作対象に基づいて、複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させてもよい。
【0027】
ここで、現在時刻より後であって現在時刻に最も近いタイミングに対応付けて記憶される操作対象とは、プレイヤーが次に挑戦するゲーム課題が示すボタンのことである。つまり、本発明では、次のゲーム課題が示すボタンに応じて、各スピーカーから出力される音声の音量比が変化する。プレイヤーは、ゲーム課題をクリアしようとすると、自然と音量バランスが良い音声を聞くことができる。本発明によれば、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力することができる。
【0028】
音量変化部は、複数の音声出力部のうち、現在時刻より後であって現在時刻に最も近いタイミングに対応付けて記憶部に記憶される操作対象から遠い音声出力部によって出力される音声の音量を相対的に大きくしてもよい。
【0029】
すなわち、次のゲーム課題が示すボタンから遠いスピーカーほど、出力される音声の音量を大きくする。プレイヤーが次に移動すると予測される位置から離れているスピーカーからは大きな音量で音声が出力されるので、プレイヤーは、次のゲーム課題に挑戦する際には音声が聞き取りやすくなる。本発明によれば、音声処理装置は、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力することができる。
【0030】
音量変化部は、複数の音声出力部のうち、現在時刻より後であって現在時刻に最も近いタイミングに対応付けて記憶部に記憶される操作対象に近い音声出力部によって出力される音声の音量を相対的に大きくしてもよい。
【0031】
すなわち、次のゲーム課題が示すボタンに近いスピーカーほど、出力される音声の音量を大きくする。本発明によれば、プレイヤーは、次のゲーム課題を達成するためには音量が大きい位置の近くに移動すればよい、というゲームを攻略するためのヒントを得ることができる。
【0032】
本発明のその他の観点に係る音声処理方法は、複数の音声出力部、検知部、音量変化部を有する音声処理装置にて実行される音声処理方法であって、音声出力ステップ、検知ステップ、音量変化ステップを備える。
音声出力ステップでは、複数の音声出力部のそれぞれが、音声を出力する。
検知ステップでは、検知部が、所定位置に配置される複数の操作対象のそれぞれに対するプレイヤーによる押圧操作の有無を検知する。
音量変化ステップでは、音量変化部が、複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。
【0033】
本発明によれば、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力することができる。
【0034】
本発明のその他の観点に係る音声処理方法は、記憶部、複数の音声出力部、音量変化部を有する音声処理装置にて実行される音声処理方法であって、音声出力ステップ、音量変化ステップを備える。
記憶部には、所定位置に配置される複数の操作対象のうちプレイヤーにより押圧操作がなされるべき操作対象と、タイミングと、を対応付ける課題情報が予め記憶される。
音声出力ステップでは、複数の音声出力部のそれぞれが、音声を出力する。
音量変化ステップでは、音量変化部が、複数の操作対象のうち記憶されるタイミングと現在時刻とを用いて定まるタイミングに対応付けられる操作対象に基づいて、複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。
【0035】
本発明によれば、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力することができる。
【0036】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、複数の音声出力部、検知部、音量変化部として機能させる。
複数の音声出力部は、音声を出力する。
検知部は、所定位置に配置される複数の操作対象のそれぞれに対するプレイヤーによる押圧操作の有無を検知する。
音量変化部は、複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。
【0037】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作する音声処理装置として機能させることができる。
【0038】
本発明のその他の観点に係るプログラムは、コンピュータを、記憶部、複数の音声出力部、音量変化部として機能させる。
記憶部は、所定位置に配置される複数の操作対象のうちプレイヤーにより押圧操作がなされるべき操作対象と、タイミングと、を対応付ける課題情報を予め記憶する。
複数の音声出力部は、音声を出力する。
音量変化部は、複数の操作対象のうち記憶されるタイミングと現在時刻とを用いて定まるタイミングに対応付けられる操作対象に基づいて、複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。
【0039】
本発明によれば、コンピュータを上述のように動作する音声処理装置として機能させることができる。
また、本発明のプログラムは、コンパクトディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、光磁気ディスク、ディジタルビデオディスク、磁気テープ、半導体メモリ等のコンピュータ読取可能な情報記憶媒体に記録することができる。
上記プログラムは、プログラムが実行されるコンピュータとは独立して、コンピュータ通信網を介して配布・販売することができる。また、上記情報記憶媒体は、コンピュータとは独立して配布・販売することができる。
【発明の効果】
【0040】
本発明によれば、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力するために好適な音声処理装置、音声処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の音声処理装置が実現される典型的な情報処理装置の概要構成を示す図である。
【図2】音声処理装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図3】コントローラ、モニター、スピーカーの配置例を示す図である。
【図4】コントローラ、モニター、スピーカーの配置例を示す図である。
【図5】コントローラ、モニター、スピーカーの配置例を示す図である。
【図6】音量比を定義する情報の構成例を示す図である。
【図7】音声処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】実施形態2において、音声処理装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図9】音声処理装置にて実行されるゲームの画面の構成例を示す図である。
【図10】音声処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】実施形態3において、音声処理装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図12】音声処理を説明するためのフローチャートである。
【図13】実施形態4において、音声処理装置の機能的な構成を説明するための図である。
【図14】音声処理を説明するためのフローチャートである。
【図15】(a)〜(c)は、経過時間と音量の変化との関係を示す図である。
【図16】コントローラ、モニター、スピーカーの配置例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
(実施形態1)
本発明の実施形態を説明する。以下では、理解を容易にするため、ゲーム用の情報処理装置を利用して本発明が実現される実施形態を説明するが、以下の実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。したがって、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。
【0043】
図1は、プログラムを実行することにより、本発明の音声処理装置の機能を果たす典型的な情報処理装置100の概要構成を示す模式図である。以下、本図を参照して説明する。
【0044】
情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)101と、ROM(Read Only Memory)102と、RAM(Random Access Memory)103と、インターフェース104と、コントローラ105と、外部メモリ106と、DVD−ROM(Digital Versatile Disk - Read Only Memory)ドライブ107と、画像処理部108と、音声処理部109と、NIC(Network Interface Card)110と、を備える。
【0045】
ゲーム用のプログラムおよびデータを記憶したDVD−ROMをDVD−ROMドライブ107に装着して、情報処理装置100の電源を投入することにより、当該プログラムが実行され、本実施形態の音声処理装置が実現される。
【0046】
CPU 101は、情報処理装置100全体の動作を制御し、各構成要素と接続され制御信号やデータをやりとりする。また、CPU 101は、レジスタ(図示せず)という高速アクセスが可能な記憶域に対してALU(Arithmetic Logic Unit)(図示せず)を用いて加減乗除等の算術演算や、論理和、論理積、論理否定等の論理演算、ビット和、ビット積、ビット反転、ビットシフト、ビット回転等のビット演算などを行うことができる。さらに、マルチメディア処理対応のための加減乗除等の飽和演算や、三角関数等、ベクトル演算などを高速に行えるように、CPU 101自身が構成されているものや、コプロセッサを備えて実現するものがある。
【0047】
ROM 102には、電源投入直後に実行されるIPL(Initial Program Loader)が記録され、これが実行されることにより、DVD−ROMに記録されたプログラムをRAM 103に読み出してCPU 101による実行が開始される。また、ROM 102には、情報処理装置100全体の動作制御に必要なオペレーティングシステムのプログラムや各種のデータが記録される。
【0048】
RAM 103は、データやプログラムを一時的に記憶するためのもので、DVD−ROMから読み出したプログラムやデータ、その他ゲームの進行やチャット通信に必要なデータが保持される。また、CPU 101は、RAM 103に変数領域を設け、当該変数に格納された値に対して直接ALUを作用させて演算を行ったり、RAM 103に格納された値を一旦レジスタに格納してからレジスタに対して演算を行い、演算結果をメモリに書き戻す、などの処理を行う。
【0049】
インターフェース104を介して接続されたコントローラ105は、プレイヤーがダンスゲームやサッカーゲームなどのゲームの実行の際に行う操作入力を受け付ける。インターフェース104には、複数のコントローラ105が接続されていてもよい。
【0050】
インターフェース104を介して着脱自在に接続された外部メモリ106には、ゲームのプレイ状況(過去の成績等)を示すデータ、ゲームの進行状態を示すデータ、ネットワークを用いたゲームのチャット通信のログ(記録)のデータなどが書き換え可能に記憶される。プレイヤーは、コントローラ105を介して操作入力を行うことにより、これらのデータを適宜外部メモリ106に記録することができる。
【0051】
DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMには、ゲームを実現するためのプログラムとゲームに付随する画像データや音声データが記録される。CPU 101の制御によって、DVD−ROMドライブ107は、これに装着されたDVD−ROMに対する読み出し処理を行って、必要なプログラムやデータを読み出し、これらはRAM 103等に一時的に記憶される。
【0052】
画像処理部108は、DVD−ROMから読み出されたデータをCPU 101や画像処理部108が備える画像演算プロセッサ(図示せず)によって加工処理した後、これを画像処理部108が備えるフレームメモリ(図示せず)に記録する。フレームメモリに記録された画像情報は、所定の同期タイミングでビデオ信号に変換され画像処理部108に接続されるモニター(図示せず)へ出力される。これにより、各種の画像表示が可能となる。
【0053】
画像演算プロセッサは、2次元の画像の重ね合わせ演算やαブレンディング等の透過演算、各種の飽和演算を高速に実行できる。
【0054】
また、仮想3次元空間に配置され、各種のテクスチャ情報が付加されたポリゴン情報を、Zバッファ法によりレンダリングして、所定の視点位置から仮想3次元空間に配置されたポリゴンを所定の視線の方向へ俯瞰したレンダリング画像を得る演算の高速実行も可能である。
【0055】
さらに、CPU 101と画像演算プロセッサが協調動作することにより、文字の形状を定義するフォント情報にしたがって、文字列を2次元画像としてフレームメモリへ描画したり、各ポリゴン表面へ描画することが可能である。
【0056】
また、ゲームの画像などの情報をDVD−ROMに用意しておき、これをフレームメモリに展開することによって、ゲームの様子などを画面に表示することができるようになる。
【0057】
音声処理部109は、DVD−ROMから読み出した音声データをアナログ音声信号に変換し、これに接続されたスピーカー(図示せず)から出力させる。また、CPU 101の制御の下、ゲームの進行の中で発生させるべき効果音や楽曲データを生成し、これに対応した音声をスピーカーから出力させる。
【0058】
音声処理部109では、DVD−ROMに記録された音声データがMIDIデータである場合には、これが有する音源データを参照して、MIDIデータをPCMデータに変換する。また、ADPCM(Adaptive Differential Pulse Code Modulation)形式やOgg Vorbis形式等の圧縮済音声データである場合には、これを展開してPCMデータに変換する。PCMデータは、そのサンプリング周波数に応じたタイミングでD/A(Digital/Analog)変換を行って、スピーカーに出力することにより、音声出力が可能となる。
【0059】
NIC 110は、情報処理装置100をインターネット等のコンピュータ通信網(図示せず)に接続するためのものであり、LAN(Local Area Network)を構成する際に用いられる10BASE−T/100BASE−T規格にしたがうものや、電話回線を用いてインターネットに接続するためのアナログモデム、ISDN(Integrated Services Digital Network)モデム、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)モデム、ケーブルテレビジョン回線を用いてインターネットに接続するためのケーブルモデム等と、これらとCPU 101との仲立ちを行うインターフェース(図示せず)により構成される。
【0060】
このほか、情報処理装置100は、ハードディスク等の大容量外部記憶装置を用いて、ROM 102、RAM 103、外部メモリ106、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROM等と同じ機能を果たすように構成してもよい。
【0061】
次に、上記構成を有する情報処理装置100により実現される、本実施形態の音声処理装置200の機能的な構成について説明する。
【0062】
本実施形態の音声処理装置200は、音声処理装置200が実行する音楽ゲームの音声を出力する。ただし、音声処理装置200は、他の任意のゲームの音声を出力してもよいし、映画や広告など様々なコンテンツの音声を出力してもよい。
【0063】
図2は、音声処理装置200の機能的な構成を説明するための図である。音声処理装置200は、複数の音声出力部201(図2では201A,201Bの2つ)、検知部202、音量変化部203を備える。
【0064】
音声出力部201A,201Bには、それぞれスピーカーが対応付けられている。音声出力部201A,201Bは、変換されたPCMデータ等の再生音をスピーカーから出力する。
【0065】
詳細には、CPU 101は、DVD−ROMドライブ107に装着されるDVD−ROMから音楽データを読み出し、所定のアルゴリズムに従って音声処理部109に音楽データをデコードさせ、音声データを再生して音声をスピーカーから出力させる。なお、後述するように、CPU 101は、プレイヤーが存在すると推定される位置やゲームの進行に従って、それぞれのスピーカーから出力される音声の音量比を変更することができる。CPU 101と音声処理部109が協働して音声出力部201A,201Bとして機能する。
【0066】
各スピーカーは、現実空間における所定の位置に固定される。例えば、音声出力部201Aのスピーカーは、音声処理装置200に接続されるモニターのプレイヤーから見て左側に配置され、プレイヤーの左側から聞こえることが望ましい左音声(L音)を出力する。また、音声出力部201Bのスピーカーは、音声処理装置200に接続されるモニターのプレイヤーから見て右側に配置され、プレイヤーの右側から聞こえることが望ましい右音声(R音)を出力する。
【0067】
音声処理装置200は、3つ以上の音声出力部201を備えていてもよい。例えば、音声処理装置200は、6つの音声出力部201を備え、いわゆる5.1チャンネルサラウンドシステムを実現するものであってもよい。それぞれの音声出力部201には、少なくとも1つのスピーカーが対応付けられるものとする。
【0068】
なお、以下では、音声処理装置200が2つの音声出力部201A,201Bを備えている実施形態を説明する。
【0069】
検知部202は、プレイヤーによるコントローラ105の押圧操作の有無を検知する。CPU 101とコントローラ105が協働して検知部202として機能する。
【0070】
図3は、床に置かれたコントローラ105を真上から見たときの配置を示す図である。本実施形態のコントローラ105は、床の上に置かれるマット型コントローラである。コントローラ105の所定位置には、“左”を指示する入力をプレイヤーから受け付けるボタン301、“下”を指示する入力をプレイヤーから受け付けるボタン302、“上”を指示する入力をプレイヤーから受け付けるボタン303、“右”を指示する入力をプレイヤーから受け付けるボタン304、がそれぞれ配置されている。プレイヤーは、ボタン301乃至304を任意のタイミングで押圧することができる。
【0071】
プレイヤーによってボタン301乃至304への押圧操作がなされている状態を「押圧状態」と呼び、押圧操作がなされていない状態を「非押圧状態」と呼ぶ。CPU 101は、ボタン301乃至304のそれぞれについて、押圧状態か非押圧状態かを検知する。
【0072】
図3に示すコントローラ105の矢印Y3方向にモニター310が配置される。モニター310には、音声処理装置200が実行するゲームの画面が表示される。基本的に、プレイヤーは、モニター310の表示面320のある方向(Y3方向)を正面にして立つような姿勢をとってゲームをプレイする。矢印Y1方向がプレイヤーの左手側、矢印Y2方向がプレイヤーの背面側、矢印Y4方向がプレイヤーの右手側である。ただし、プレイヤーの押圧の仕方やプレイヤーの体勢によっては、プレイヤーの向きはその都度変化することがある。
【0073】
音声処理装置200には、2つ以上のコントローラ105を接続することが可能である。図4は、音声処理装置200に2つのコントローラ105A,105Bを接続したときの外観図である。例えば、2人のプレイヤーが一緒に同じゲームをプレイするとき、コントローラ105Aを第1のプレイヤーが操作し、コントローラ105Bを第2のプレイヤーが操作する。あるいは、1人のプレイヤーがコントローラ105A,105Bの両方を使ってゲームをプレイすることもできる。
【0074】
ボタン301〜304、ボタン301A〜304A、ボタン301B〜304Bを、それぞれ「操作対象」ともいう。例えば、操作対象は、接触型のセンサを備え、接触している場合が押圧状態(ON)であり、接触していない場合が非押圧状態(OFF)である。
【0075】
CPU 101は、操作対象(ボタン301〜304、ボタン301A〜304A、ボタン301B〜304B)のそれぞれが押圧状態か非押圧状態かを検知し、検知結果をRAM 103の所定領域に一時記憶する。CPU 101は、典型的には垂直同期(VSYNC)のタイミングなどの定期的な時間間隔で、それぞれの操作対象が押圧状態か非押圧状態かを検知する。
【0076】
音量変化部203は、複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、音声出力部201A,201Bのそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。CPU 101と音声処理部109が協働して音量変化部203として機能する。
【0077】
より詳細には、CPU 101は、音声出力部201A,201Bのうち、押圧されたことが検知された操作対象(つまり押圧状態の操作対象)から遠い音声出力部によって出力される音声の音量を、他の音声出力部によって出力される音声の音量よりも相対的に大きくする。
【0078】
例えば、図3に示すように音声処理装置200に1つのコントローラ105が接続されている場合において、ボタン301のみが押圧状態であり、その他のボタン302〜304が非押圧状態であるとき、CPU 101は、2つのスピーカー330A,330Bのうち、押圧状態のボタン301から遠いスピーカー330Bによって出力される音声の音量を大きくする。CPU 101は、他方のスピーカー330Aから出力される音声の音量を、そのまま変更しなくてもよいし、あるいは小さくしてもよい。
【0079】
ボタン301のみが押圧状態であるとき、プレイヤーは、片足でボタン301を踏んでおり(もしくは両足でボタン301を踏んでおり)、体の位置がY1方向に寄っている、と推定される。このとき、もし音量を変化させないと、プレイヤーの頭の位置とスピーカー330Bの位置との距離は、プレイヤーの頭の位置とスピーカー330Aの位置との距離よりも長い。そのため、コントローラ105を操作するプレイヤーは、スピーカー330Bから聞こえる音声が、スピーカー330Aから聞こえる音声よりも小さく聞こえる、と推定される。
【0080】
一般に、ゲームの制作者は、プレイヤーがスピーカー330A,330Bの両方から等距離の基準位置350(つまりコントローラ105の中央付近の位置)にいると仮定し、左右の音量バランスやステレオ効果などを考慮して、音声データを制作することが多い。そのため、2つのスピーカー330A,330Bから聞こえる音声の大きさにばらつきがあると、プレイヤーは音声を聞き取りづらくなってしまったりL音とR音のうち片方しか聞こえなかったりしてしまう恐れがある。そこで、CPU 101は、プレイヤーから遠いと推定されるスピーカーから出力される音声の音量を、他のスピーカーから出力される音声の音量よりも相対的に大きくすることにより、音量バランスを保ち、プレイヤーが聞き取りやすい音声を出力するように制御する。
【0081】
例えば、図4に示すように音声処理装置200に2つのコントローラ105A,105Bが接続されている場合において、ボタン304Bのみが押圧状態であり、その他のボタン301A〜304A,301B〜303Bが非押圧状態であるとき、CPU 101は、2つのスピーカー330A,330Bのうち、押圧状態のボタン304Bから遠いスピーカー330Aによって出力される音声の音量を大きくする。CPU 101は、他方のスピーカー330Bから出力される音声の音量を、そのまま変更しなくてもよいし、あるいは小さくしてもよい。
【0082】
ボタン304Bのみが押圧状態であるとき、プレイヤーは、モニター310の表示面320に向かって右側に寄って立っていると推定される。プレイヤーの頭の位置とスピーカー330Aの位置との距離は、プレイヤーの頭の位置とスピーカー330Bの位置との距離よりも長い。そのため、コントローラ105を操作するプレイヤーは、スピーカー330Aから聞こえる音声が、スピーカー330Bから聞こえる音声よりも聞こえづらい、と推定される。そこで、CPU 101は、プレイヤーから遠いと推定されるスピーカー330Aから出力される音声の音量を、他方のスピーカー330Bから出力される音声の音量よりも相対的に大きくすることにより、音量バランスを保ち、プレイヤーが聞き取りやすい音声を出力するように制御する。
【0083】
なお、CPU 101は、音声出力部201A,201Bのうち、押圧されたことが検知された(つまり押圧状態の)操作対象に近い音声出力部によって出力される音声の音量を、他の音声出力部によって出力される音声の音量よりも相対的に大きくしてもよい。例えば、図3において、ボタン301のみが押圧状態であり、その他のボタン302〜304が非押圧状態であるとき、CPU 101は、2つのスピーカー330A,330Bのうち、押圧状態のボタン301に近いスピーカー330Aによって出力される音声の音量を大きくしてもよい。CPU 101は、他方のスピーカー330Bから出力される音声の音量を、そのまま変更しなくてもよいし、あるいは小さくしてもよい。
【0084】
スピーカーの数は2個に限定されない。例えば図5は、音声処理装置200に2つのコントローラ105A,105Bが接続されており、且つ、多チャンネルサラウンド(図5ではいわゆる5.1チャンネルサラウンド)システムを採用している実施形態を示す図である。音声出力部201とスピーカーとの対応付けは次の通りである。
【0085】
(1)第1の音声出力部:左前方に配置されるスピーカー530A。
(2)第2の音声出力部:右前方に配置されるスピーカー530B。
(3)第3の音声出力部:左後方に配置されるスピーカー530C。
(4)第4の音声出力部:右後方に配置されるスピーカー530D。
(5)第5の音声出力部:前方中央(正面)に配置されるスピーカー530E。
(6)第6の音声出力部:低音出力サブウーファー用のスピーカー530F。
【0086】
CPU 101は、ボタン301A〜304A,301B〜304Bのそれぞれについて、所定の定期的なタイミングで押圧状態か非押圧状態かを検知する。そして、CPU 101は、第1,第2,第3,第4の各音声出力部のうち、押圧状態のボタンから遠い音声出力部によって出力される音声の音量を、他の音声出力部によって出力される音声の音量よりも相対的に大きくする。
【0087】
CPU 101は、第1,第2,第3,第4の各音声出力部によって出力される音声の音量を、押圧状態のボタンから遠いほど大きくしてもよい。
【0088】
図6は、スピーカー530A〜530Dから出力される音声の音量比を定義する情報の構成例を示す図である。この情報は、DVD−ROMや外部メモリ106等に予め格納されている。
【0089】
典型的には、操作対象が配置される位置にプレイヤーが存在するときに最も良い音量バランスとなる音量比を、音声データの制作者が予め求めておく。そして、予め求められた音量比を定義する情報がDVD−ROM等に記憶される。
【0090】
もしくは、操作対象が配置される位置にプレイヤーが存在するときに最も良い音量バランスとなる音量比を、プレイヤー自身が予め求めておく。そして、予め求められた音量比を定義する情報が外部メモリ106に記憶される。
【0091】
CPU 101は、押圧状態の操作対象、もしくは、押圧状態の操作対象の組み合わせに対応する音量比をDVD−ROM等から読み出して、スピーカー530A〜530Dから出力される音声の音量を設定する。
【0092】
例えば、ボタン301Aのみが押圧状態である場合、CPU 101は、第1の音声出力部、第2の音声出力部、第3の音声出力部、第4の音声出力部によって出力される音声の音量の比を、「1:2:1:2」に設定する。このとき、プレイヤーがモニター310の表示面320に向かって左後方に寄って立っていると推定されるため、CPU 101は、左後方から遠いスピーカーの音量を相対的に大きく設定する。従って、プレイヤーの位置が中央からずれているときにおいても、プレイヤーは、決められた方向から聞こえるべき音声を聞き取りやすくなる。
【0093】
なお、CPU 101は、第1,第2,第3,第4の各音声出力部のうち、押圧状態のボタンに近い音声出力部によって出力される音声の音量を、他の音声出力部によって出力される音声の音量よりも相対的に大きくしてもよい。
【0094】
図6に示す音声の音量比を定義する情報は、一つの例に過ぎず、任意に音量比を変更することが可能である。また、音量を変更する対象となるスピーカーの数や位置も自由に変更できる。
【0095】
次に、上述の各部が実行する音声処理について、図7のフローチャートを用いて説明する。ここでは、コントローラ105A,105B、モニター310、スピーカー530A〜530Fが図5に示すように配置されているものとする。
【0096】
まず、CPU 101は、各操作対象(ボタン301A〜304A及びボタン301B〜304B)の押圧状態・非押圧状態を検知する(ステップS701)。
【0097】
CPU 101は、押圧状態の操作対象があるか否かを判別する(ステップS702)。
【0098】
押圧状態の操作対象がないと判別された場合(ステップS702;NO)、CPU 101はステップS704の処理に進む。
【0099】
押圧状態の操作対象があると判別された場合(ステップS702;YES)、CPU 101は、押圧状態の操作対象に基づいて、音量比を変化させる(ステップS703)。
【0100】
例えば、CPU 101は、図6に例示するような音声の音量比を定義する情報に基づいて、押圧状態の操作対象の組み合わせに対応する音量比を取得する。そして、CPU 101は、取得した音量比になるように、スピーカー530A〜530Fの音量を設定する。
【0101】
そして、CPU 101は、音声処理部109を制御して、ステップS703で設定した音量、もしくは、既定の音量で、音声を出力させる(ステップS704)。
【0102】
CPU 101は、例えば音声データの再生が楽曲の最後に達するまで、ステップS701乃至S704の処理を繰り返す。
【0103】
本実施形態によれば、音声処理装置200は、プレイヤーがコントローラ105のどの場所にいても、プレイヤーにとって聞き取りやすい音声を出力することができる。例えば、プレイヤーがコントローラ105の片隅に寄って立っており、プレイヤーと各スピーカーとの距離が均一でない状況になっても、プレイヤーにとって聞き取りやすい音量バランスで音声を出力することができる。
【0104】
図5に示すような配置では、基準位置350は、コントローラ105A,105Bに挟まれる場所にある。通常、ゲーム中にコントローラ105A,105Bのいずれも存在しない場所にプレイヤーが立つことは無いため、もし音量比を変化させないとすると、プレイヤーが最も良い音量バランスで音声を聞くことはほとんどないと考えられる。しかし、本実施形態によれば、プレイヤーの動きに合わせて音量比が変化するため、プレイヤーは音量バランスが良い音声を聞けるようになる。
【0105】
(実施形態2)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、音声処理装置200において仮想空間内におけるゲームが実行され、操作対象がいずれも押圧状態でない場合であっても、各スピーカーから出力される音声の音量を変化させる。以下詳述する。
【0106】
本実施形態では、コントローラ105A,105B、モニター310、スピーカー530A〜530Fが図5に示すように配置されているものとする。
【0107】
図8は、本実施形態の音声処理装置200の機能的な構成を示す図である。音声処理装置200は、記憶部801を更に備える。
【0108】
音声処理装置200は、スピーカー530A〜530Fのそれぞれに対応する音声出力部201A〜201Fを備える。
【0109】
図9は、音声処理装置200が実行するゲームの画面の構成例である。
まず、本実施形態の音声処理装置200が実行するゲームの概略について説明する。
【0110】
ゲームの画面には、画面内の所定位置に固定して描画される静止マーク901乃至908、描画位置が時間の経過と共に移動する踏み位置指示マーク910(本図中では910A,910B,910C,910D,910E,910F,910G,910Hの8種類)、プレイヤーがゲームで獲得したトータルの点数を表すスコア920、ゲームの盛り上がり度を表すゲージ930、その他の背景画像などが表示される。
【0111】
ゲームでは、音声処理装置200により音楽が再生される。プレイヤーは、足譜と呼ばれる指示マークに合わせてボタンを押圧することにより、再生される音楽に合わせてダンスができる。例えば、1人のプレイヤーは、2つのコントローラ105A,105Bを使ってダンスゲームをプレイすることができる。
【0112】
踏み位置指示マーク910は、再生される音楽に合わせてスクロール表示される。踏み位置指示マーク910には、ボタン301A〜304A,301B〜304Bに対応する上下左右のいずれかの矢印が描かれている。
【0113】
静止マーク901〜908は、それぞれ、ボタン301A〜304A,301B〜304Bをプレイヤーが押圧すべきタイミング(以下「課題時刻」ともいう。)を指示するマークである。静止マーク901〜908には、上下左右のいずれかの矢印の画像が描かれている。
【0114】
踏み位置指示マーク910は、静止マーク901〜908が描画されている位置に向かって音楽の再生速度に合わせて移動していく。静止マーク901〜908と同じ位置に踏み位置指示マーク910が移動してきたときに、静止マーク901〜908に描かれる矢印の向きに対応するボタン301A〜304A,301B〜304Bのいずれかをプレイヤーが押圧すると、プレイヤーのスコア920に所定点数が加算されたり、ゲージ930が示す値がアップしたりする。
【0115】
CPU 101は、予め決められた課題時刻に対応付けられているボタンがプレイヤーによって押圧されると、ゲーム成績が優れていると評価し、ゲージ930が示す値を増加させたりスコア920が示す値を増加させたりする。また、CPU 101は、ボタンが押圧された時刻が、予め決められた課題時刻に近いほど、ゲーム成績がより優れていると評価する。
【0116】
例えば、踏み位置指示マーク910が静止マーク901〜908のいずれかと重なる位置に移動してきたときに、移動してきた踏み位置指示マーク910に示される矢印に対応するボタン(ボタン301A〜304A,301B〜304Bのいずれか)をプレイヤーが片足で押圧すると、再生されている音楽に合った模範的なダンスステップを踏むことができるようになっている。
【0117】
次に、音声処理装置200の機能的な構成を説明する。上述の実施形態と同じ構成については説明を省略する。
【0118】
記憶部801は、課題情報850を記憶する。CPU 101は、DVD−ROMから課題情報850を読み出し、RAM 103に一時記憶する。CPU 101とRAM 103が協働して記憶部801として機能する。
【0119】
課題情報850は、具体的には、複数の操作対象(ボタン)のうちプレイヤーにより押圧操作がなされるべき操作対象とタイミングとを対応付ける情報である。
【0120】
操作対象とタイミングとの1組の組み合わせのことを「ゲーム課題」と呼ぶ。課題情報850には、1つ以上のゲーム課題が含まれる。
【0121】
1つのゲーム課題は[数1]のように表される。
【0122】
P(i) = (T(i),B(x)) ・・・[数1]
【0123】
ただし、本実施形態では、ゲーム内にN個(Nは1以上の整数)のゲーム課題が存在することとする。P(i)は先頭からi番目(iは1以上N以下の整数)のゲーム課題を表す。T(i)はゲーム課題P(i)に対応する課題時刻を表す。B(x)は課題内容を表す。
【0124】
課題内容B(x)には、ボタン301Aを示す値B(LA)、ボタン302Aを示す値B(DA)、ボタン303Aを示す値B(UA)、ボタン304Aを示す値B(RA)、ボタン301Bを示す値B(LB)、ボタン302Bを示す値B(DB)、ボタン303Bを示す値B(UB)、ボタン304Bを示す値B(RB)、のいずれかが指定される。
【0125】
例えば、あるゲーム課題が、[数2]のように表される。
P(i) = (T(i),B(LA)) ・・・[数2]
このとき、i番目のゲーム課題P(i)は「課題時刻T(i)にコントローラ105Aのボタン301Aを押圧すること」である。プレイヤーは、ゲーム内の時間がT(i)になったとき、ボタン301Aを足で踏めばよい。
【0126】
1つの課題時刻に、複数の課題内容を対応付けることも可能である。例えば課題時刻T(i)に2つの課題内容B(LA),B(UA)を対応付ける場合、ゲーム課題は[数4]のように表される。
【0127】
P(i) = (T(i),B(LA),B(UA)) ・・・[数4]
【0128】
あるいは、[数5]と[数6]に示すように、2つの異なるゲーム課題として表してもよい。
【0129】
P(i) = (T(i),B(LA)) ・・・[数5]
P(i+1) = (T(i),B(UA)) ・・・[数6]
【0130】
[数4]、又は、[数5]と[数6]の組み合わせ、で表される、i番目のゲーム課題P(i)は、「課題時刻T(i)に、コントローラ105Aのボタン301Aを押圧し、且つ、コントローラ105Aのボタン303Aを押圧すること」である。プレイヤーは、ゲーム内の時間がT(i)になったとき、ボタン301Aを一方の足で踏み、且つ、ボタン303Aを他方の足で踏めば、i番目のゲーム課題P(i)を達成したことになる。
【0131】
音量変化部203は、検知部202により押圧操作が検知されている間、上述したように、複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、複数の音声出力部201A〜201Fのそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。
【0132】
また、音量変化部203は、検知部202により押圧操作が検知されていない間、記憶部801に記憶される課題情報850で示されるタイミングにおいて、押圧操作がなされるべき操作対象に基づいて、音量比を変化させる。
【0133】
例えば、ゲーム課題P(i)が[数2]で表されるとき、ゲーム内の時間がT(i)になると、CPU 101は、押圧操作がなされるべき操作対象、すなわちボタン301Aに基づいて、スピーカー530A〜530Dから出力される音声の音量比を変化させる。
【0134】
具体的には、CPU 101は、図6に示される音量比を定義する情報を参照し、押圧操作がなされるべきボタン301Aに対応する音量比「1:2:1:2」を取得する。そして、CPU 101は、スピーカー530A〜530Dから出力する音声の音量を、取得した音量比に従って設定し、音声を出力する。
【0135】
つまり、ゲーム内の時間がT(i)のとき、プレイヤーによってボタン301A〜304A,301B〜304Bのいずれも押圧状態になっていなくても、プレイヤーが存在すべき位置において聞き取りやすい音量バランスで、音声が出力される。
【0136】
ゲーム内の時間がT(i)のときにプレイヤーがボタン301Aを押圧しようと試みたものの踏み外してしまった場合、押圧操作は検知されないものの、プレイヤーの位置はボタン301Aの近くであると推定される。そこで、CPU 101は、プレイヤーが存在する可能性が比較的高いと推定される位置付近において聞き取りやすい音量バランスになるように、音量を制御する。
【0137】
なお、ゲーム内の時間がT(i)のときに、押圧されるべきボタン301A以外の他のボタン(ボタン302A〜304A,301B〜304Bのいずれか)が押圧された場合、CPU 101は、押圧されるべきボタン301Aに基づいて音量比を変化させてもよいし、実際に押圧されたボタンに基づいて音量比を変化させてもよい。
【0138】
例えば、押圧されるべきボタン301Aに基づいて音量比を変化させることとすると、ゲーム課題が達成されたときに最も聞き取りやすい音量バランスになる。プレイヤーは、聞き取りやすい音量バランスになっているかどうかを判断することにより、自分の成績(ゲーム課題を達成できたか否か)を推測することができる。プレイヤーは、自分の成績を画面で確認する必要がない。
【0139】
例えば、実際に押圧されたボタンに基づいて音量比を変化させることとすると、ボタンを押圧したときに最も聞き取りやすい音量バランスになる。プレイヤーは、どのボタンを押圧しても(どの位置にいても)、音声が聞き取りやすくなる。
【0140】
次に、本実施形態の音声処理について、図10のフローチャートを用いて説明する。
【0141】
まず、CPU 101は、各操作対象(ボタン301A〜304A及びボタン301B〜304B)の押圧状態・非押圧状態を検知する(ステップS1001)。
【0142】
CPU 101は、押圧状態の操作対象があるか否かを判別する(ステップS1002)。
【0143】
押圧状態の操作対象があると判別された場合(ステップS1002;YES)、CPU 101は、押圧状態の操作対象に基づいて、音量比を変化させる(ステップS1003)。
【0144】
例えば、CPU 101は、図6に例示するような音声の音量比を定義する情報に基づいて、押圧状態の操作対象の組み合わせに対応する音量比を取得する。CPU 101は、取得した音量比になるように、スピーカー530A〜530Dの音量を設定する。
【0145】
そして、CPU 101は、音声処理部109を制御して、ステップS1003で設定した音量で音声を出力させる(ステップS1004)。
【0146】
押圧状態の操作対象がないと判別された場合(ステップS1002;NO)、CPU 101は、現在のゲーム内時刻が、課題情報850に含まれるいずれかのゲーム課題で指定される課題時刻と合致するか否かを判別する(ステップS1005)。
【0147】
合致すると判別した場合(ステップS1005;YES)、CPU 101は、合致した課題時刻に対応付けられる課題内容が示す操作対象(ボタン)に基づいて、音量比を変化させ(ステップS1006)、ステップS1006で設定した音量で音声を出力させる(ステップS1004)。
【0148】
なお、CPU 101は、現在のゲーム内時刻が、課題時刻の前後の所定期間内にある場合に、ゲーム内の時間と課題時刻とが合致すると判別する。例えば、課題時刻が「楽曲の第1小節の第4拍目」である場合、ゲーム内の時間が「楽曲の第1小節の第4拍目の前後1拍分」の期間が、合致すると判別される期間である。
【0149】
ただし、この所定期間は任意に定義できる。所定期間は、秒単位で定義されてもよい。また、所定期間は、課題時刻の前後ではなく、課題時刻より後の期間のみ、あるいは、課題時刻より前の期間のみ、で表されてもよい。
【0150】
一方、合致しないと判別した場合(ステップS1005;NO)、CPU 101は、既定値で設定した音量で音声を出力させる(ステップS1004)。
【0151】
CPU 101は、例えば音声データの再生が楽曲の最後に達するまで、ステップS1001乃至S1006の処理を繰り返す。
【0152】
本実施形態によれば、音声処理装置200は、プレイヤーがコントローラ105のどの場所にいてもプレイヤーにとって聞き取りやすい音声を出力することができる。例えば、プレイヤーがコントローラ105の片隅に寄って立っており、プレイヤーと各スピーカーとの距離が均一でない状況になっても、プレイヤーにとって聞き取りやすい音量バランスで音声を出力することができる。その際、操作対象が押圧状態になっていなくても(プレイヤーがボタンを押圧していなくても)、音声処理装置200は、プレイヤーが存在すると推測される位置もしくはプレイヤーが存在すべき位置において聞き取りやすい音量バランスで音声を再生することができる。
【0153】
(実施形態3)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、音量バランスの変化が、音声処理装置200において実行されるゲームをプレイヤーがクリアしやすくなるようなヒントにもなり得る。ここでは、コントローラ105、モニター310、スピーカー330A,330Bが図3に示すように配置されているものとして説明する。
【0154】
図11は、本実施形態の音声処理装置200の機能的な構成を示す図である。音声処理装置200は、記憶部801、複数の音声出力部201(図11では201A,201Bの2つ)、音量変化部203を備える。
【0155】
記憶部801と音声出力部201A,201Bの構成は、上記実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0156】
本実施形態の音量変化部203は、複数の操作対象(ボタン)のうち、記憶部801に記憶されるタイミング(課題時刻)とゲーム内の現在のゲーム内時刻とを用いて定まるタイミングに対応付けられる操作対象に基づいて、音声出力部201A,201Bのそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。
【0157】
より詳細には、音量変化部203は、ボタン301〜304のうち、現在のゲーム内時刻より後であって現在のゲーム内時刻に最も近い課題時刻に対応付けて記憶される課題内容が示すボタンに基づいて、音声出力部201A,201Bのそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。
【0158】
言い換えれば、音声の音量比は、プレイヤーが次に達成すべきゲーム課題が示すボタンに基づいて変化する。
【0159】
例えば、i番目のゲーム課題P(i)が[数7]で表され、i+1番目のゲーム課題P(i+1)が[数8]で表されるとする。
【0160】
P(i) = (T(i),B(L)) ・・・[数7]
P(i+1) = (T(i+1),B(R)) ・・・[数8]
【0161】
ゲーム課題P(i)は「ゲーム内時刻T(i)にボタン301を押圧すること」である。ゲーム課題P(i+1)は「ゲーム内時刻T(i+1)にボタン304を押圧すること」である。
【0162】
ゲーム内時刻がT(i)からT(i+1)までの間、CPU 101は、プレイヤーが次に達成すべきゲーム課題P(i+1)が示すボタン304Bに対応付けられる音量比を取得し、取得した音量比に従って音量を設定し、音声を出力する。
【0163】
CPU 101は、音声出力部201Aと音声出力部201Bのうち、次に達成すべきゲーム課題が示すボタンから遠い音声出力部によって出力される音声の音量を、他の音声出力部によって出力される音声の音量よりも相対的に大きくする。
【0164】
例えば、CPU 101は、スピーカー330A,330Bから出力される音声の音量比を定義する情報を参照し、押圧操作がなされるべきボタン304に対応する音量比(例えば「スピーカー330Aの音量:スピーカー330Bの音量=2:1」など)を取得する。そして、CPU 101は、スピーカー330A,330Bから出力する音声の音量を、取得した音量比に従って設定し、音声を出力する。
【0165】
このとき、スピーカー330Bから出力される音声の音量は、ゲーム課題P(i)の後も変わらない。一方、スピーカー330Aから出力される音声の音量は、ゲーム課題P(i)の後、ゲーム課題P(i+1)の前まで、スピーカー330Bから出力される音声の音量よりも相対的に大きくなる。
【0166】
プレイヤーは、左からの音量が大きくなったことから、次のゲーム課題P(i+1)が、音声バランスが良くなる向き、すなわちモニター310に向かって右向きに移動すべき内容である、と推測することができる。
【0167】
あるいは、CPU 101は、音声出力部201Aと音声出力部201Bのうち、次に達成すべきゲーム課題が示すボタンに近い音声出力部によって出力される音声の音量を、他の音声出力部によって出力される音声の音量よりも相対的に大きくしてもよい。この場合、プレイヤーは、次のゲーム課題P(i+1)が、音量が相対的に大きくなった向きに移動すべき内容である、と推測することができる。
【0168】
次に、本実施形態の音声処理装置200が実行する音声処理について、図12のフローチャートを用いて説明する。
【0169】
まず、CPU 101は、次のゲーム課題が示す操作対象を求める(ステップS1201)。次のゲーム課題とは、課題時刻に達していないゲーム課題であって、課題時刻が現在のゲーム内時刻に最も近いゲーム課題のことである。
【0170】
CPU 101は、ステップS1201で求めた操作対象に基づいて音量比を変化させ(ステップS1202)、スピーカー530A〜530Dの音量を設定する。
【0171】
例えば、CPU 101は、ゲーム内時刻が次のゲーム課題が示す課題時刻に達するまでの間、次のゲーム課題が示すボタンから遠い音声出力部によって出力される音声の音量を、他の音声出力部によって出力される音声の音量よりも相対的に大きくする。
【0172】
そして、CPU 101は、設定した音量で音声を出力する(ステップS1203)。
【0173】
すべてのゲーム課題が終了していない場合(ステップS1204;NO)、CPU 101は、上記ステップS1201乃至S1203の処理を繰り返す。
【0174】
すべてのゲーム課題が終了した場合(ステップS1204;YES)、CPU 101は、音声処理を終了する。
【0175】
本実施形態によれば、音声処理装置200は、プレイヤーがゲーム課題を達成するために相応しい位置で聞き取りやすい音声を出力することができる。プレイヤーは、次のゲーム課題を達成するためには音声バランスが整っている位置の近くにいればよい、というゲームを攻略するためのヒントを得ることができる。
【0176】
なお、ステップS1202において、CPU 101は、ゲーム内時刻が次のゲーム課題が示す課題時刻に達するまでの間、次のゲーム課題が示すボタンに近い音声出力部によって出力される音声の音量を、他の音声出力部によって出力される音声の音量よりも相対的に大きくしてもよい。この場合、音声処理装置200は、音量バランスを変えることにより、次のゲーム課題を達成するために相応しいプレイヤーの位置の目安をプレイヤーに提示することができる。プレイヤーは、次のゲーム課題を達成するためには音声が大きく聞こえる位置の近くにいればよい、というゲームを攻略するためのヒントを得ることができる。
【0177】
(実施形態4)
次に、本発明のその他の実施形態について説明する。本実施形態では、プレイヤーのゲーム成績に応じて音量バランスが変化する。ここでは、コントローラ105A,105B、モニター310、スピーカー530A〜530Fが図5に示すように配置されているものとして説明する。
【0178】
図13は、本実施形態の音声処理装置200の機能的な構成を示す図である。音声処理装置200は、成績判定部1301を更に備える。
【0179】
成績判定部1301は、検知部202により検知された押圧操作の有無と、記憶部801に記憶される課題情報850と、に基づいて、課題情報850に含まれるゲーム課題についてのプレイヤーの成績を判定する。ゲーム課題が複数の場合には、成績判定部1301はゲーム課題のそれぞれについて成績を判定する。CPU 101が成績判定部1301として機能する。
【0180】
具体的には、CPU 101は、i番目のゲーム課題P(i)が示すゲーム内時刻T(i)に、ゲーム課題P(i)が示す課題内容B(x)に対応する操作対象が押圧状態である場合、ゲーム課題P(i)がプレイヤーによって達成されたと判定する。
【0181】
一方、CPU 101は、ゲーム課題P(i)が示すゲーム内時刻T(i)に、ゲーム課題P(i)が示す課題内容B(x)に対応する操作対象が非押圧状態である場合、ゲーム課題P(i)がプレイヤーによって達成されていないと判定する。
【0182】
ゲーム課題P(i)がプレイヤーによって達成されていることを、ゲーム課題P(i)についてプレイヤーの成績が優れている、とも表現する。また、ゲーム課題P(i)がプレイヤーによって達成されていないことを、ゲーム課題P(i)についてプレイヤーの成績が優れていない(もしくは劣っている)、とも表現する。
【0183】
あるいは、CPU 101は、ゲーム課題P(i)が示すゲーム内時刻T(i)の前後の所定期間内に、ゲーム課題P(i)が示す課題内容B(x)に対応する操作対象が押圧状態である場合、ゲーム課題P(i)がプレイヤーによって達成されたと判定してもよい。つまり、課題時刻T(i)の前後の期間に、プレイヤーの成績が優れていると判定される許容範囲が設けられてもよい。プレイヤーは、課題時刻T(i)と完全に一致するタイミングでなくても、課題内容B(x)が示す操作対象をこの許容範囲内で押圧状態にすれば、ゲーム課題P(i)を達成したことになる。
【0184】
許容範囲を設ける場合、CPU 101は、単にゲーム課題P(i)が達成されたか否かを判定するのではなく、どの程度の正確さで達成されたかを示す達成率(達成度合い)を判定してもよい。
【0185】
例えば、課題時刻T(i)の前後の期間に設けられる第1の許容範囲以内に、ゲーム課題P(i)が示す操作対象が押圧された場合には、CPU 101は、スコア920に第1の得点を加算する。また、課題時刻T(i)の前後に設けられる第2の許容範囲以内に、ゲーム課題P(i)が示す操作対象が押圧された場合には、CPU 101は、スコア920に第2の得点を加算する。第2の許容範囲は第1の許容範囲よりも長い期間であり、第2の得点は第1の得点よりも少ないことが望ましい。
【0186】
音量変化部203は、成績判定部1301により成績が優れていると判定された場合、複数の操作対象(ボタン301〜304)のうち現在時刻より後であって現在時刻に最も近いタイミングに対応付けて記憶部801に記憶される操作対象に基づいて、音声出力部201A,201Bのそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。言い換えれば、音量比は、プレイヤーが挑戦する次のゲーム課題が示す操作対象に基づいて変化する。
【0187】
また、音量変化部203は、成績判定部1301により成績が優れていないと判定された場合、複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、音声出力部201A,201Bのそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる。
【0188】
例えば、連続する4つのゲーム課題が[数9]〜[数12]のように表されるとする。
【0189】
P(i) = (T(i),B(LA)) ・・・[数9]
P(i+1) = (T(i+1),B(RA)) ・・・[数10]
P(i+2) = (T(i+2),B(LB)) ・・・[数11]
P(i+3) = (T(i+3),B(RB)) ・・・[数12]
【0190】
[数9]〜[数12]が示すゲーム課題は、「ボタン301A→ボタン304A→ボタン301B→ボタン304Bの順に押圧すること」である。これらのゲーム課題が達成されるとき、プレイヤーは、モニター310に向かって左端から右端まで移動することになる。
【0191】
CPU 101は、i番目のゲーム課題P(i)が達成されたと判定すると、ゲーム課題P(i)が達成されたと判定したときから、ゲーム内時刻が次のゲーム課題P(i+1)の課題時刻T(i+1)に到達するまで、の間、スピーカー530A〜530Dから出力される音声の音量比を、次のゲーム課題P(i+1)が示す操作対象に対応付けられる音量比に変化させる。
【0192】
あるいは、CPU 101は、i番目のゲーム課題P(i)が達成されたと判定すると、ゲーム課題P(i)が達成されたと判定したときから、次のゲーム課題P(i+1)についての成績判定がなされるまで、の間、スピーカー530A〜530Dから出力される音声の音量比を、次のゲーム課題P(i+1)が示す操作対象に対応付けられる音量比に変化させてもよい。
【0193】
また、CPU 101は、ゲーム課題が所定回数だけ連続して(いわゆる“コンボ”で)達成された場合に、成績が優れていると判定し、次のゲーム課題に対応付けられる音量比に変化させてもよい。すなわち、CPU 101は、i番目のゲーム課題P(i)とi+1番目のゲーム課題P(i+1)が続けて達成されたと判定すると、ゲーム課題P(i+1)が達成されたと判定したときから、ゲーム内時刻が次のゲーム課題P(i+2)の課題時刻T(i+2)に到達するまで、の間、スピーカー530A〜530Dから出力される音声の音量比を、次のゲーム課題P(i+2)が示す操作対象に対応付けられる音量比に変化させてもよい。
【0194】
つまり、プレイヤーが続けてゲーム課題を達成すると、CPU 101は、プレイヤーの位置の動きに合わせるように音量比を変化させる。プレイヤーは、ゲーム課題を続けて達成すると、自分の動きに合った聞き取りやすい音量バランスで音声を聞くことができる。
【0195】
この所定回数(コンボの回数)は任意である。例えば、所定回数を3回とした場合、CPU 101は、i番目のゲーム課題P(i)とi+1番目のゲーム課題P(i+1)とi+2番目のゲーム課題P(i+2)が続けて達成されたと判定すると、ゲーム課題P(i+2)が達成されたと判定したときから、ゲーム内時刻が次のゲーム課題P(i+3)の課題時刻T(i+3)に到達するまで、の間、スピーカー530A〜530Dから出力される音声の音量比を、次のゲーム課題P(i+3)が示す操作対象に対応付けられる音量比に変化させる。
【0196】
CPU 101は、i番目のゲーム課題P(i)とi+1番目のゲーム課題P(i+1)とが続けて達成されたものの、i+2番目のゲーム課題P(i+2)が示す課題時刻T(i+2)に、課題内容が示す操作対象ではない他の操作対象が押圧されたことにより、ゲーム課題P(i+2)が達成されなかったと判定すると、ゲーム課題P(i+2)が達成されなかったと判定したときから、ゲーム内時刻が次のゲーム課題P(i+3)の課題時刻T(i+3)に到達するまで、の間、スピーカー530A〜530Dから出力される音声の音量比を、押圧された他の操作対象に対応付けられる音量比に変化させる。
【0197】
また、CPU 101は、i番目のゲーム課題P(i)とi+1番目のゲーム課題P(i+1)とが続けて達成されたものの、i+2番目のゲーム課題P(i+2)が示す課題時刻T(i+2)に、いずれの操作対象も押圧されなかったことにより、ゲーム課題P(i+2)が達成されなかったと判定すると、ゲーム課題P(i+2)が達成されなかったと判定したときから、ゲーム内時刻が次のゲーム課題P(i+3)の課題時刻T(i+3)に到達するまで、の間、スピーカー530A〜530Dから出力される音声の音量比を、既定の音量比に変化させる。既定の音量比は、典型的には、基準位置350において最も音量バランス良く音声を聞き取れることができる音量比である。
【0198】
記憶部801と音声出力部201A〜201F,検知部202の構成は、上記実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0199】
次に、本実施形態の音声処理装置200が実行する音声処理について、図14のフローチャートを用いて説明する。
【0200】
まず、CPU 101は、ゲーム課題P(i)をプレイヤーに提示し、操作対象の押圧状態・非押圧状態を検知し、ゲーム課題P(i)についてのプレイヤーの成績が優れているか否かを判定する(ステップS1401)。
【0201】
例えば、CPU 101は、課題時刻T(i)の前後の所定許容範囲内に、ゲーム課題P(i)の課題内容が示す操作対象が押圧状態になった場合に、ゲーム課題P(i)についてのプレイヤーの成績が優れていると判別し、そうでない場合に、ゲーム課題P(i)についてのプレイヤーの成績が優れていないと判定する。
【0202】
ゲーム課題P(i)についてのプレイヤーの成績が優れていると判定した場合(ステップS1401;YES)、CPU 101は、次のゲーム課題P(i+1)が示す操作対象に対応付けられる値に音量比を変化させる(ステップS1402)。
【0203】
例えば、ゲーム課題P(i),P(i+1)がそれぞれ[数9],[数10]で表されるとき、CPU 101は、ゲーム課題P(i)についてのプレイヤーの成績が優れていると判定した場合、ゲーム課題P(i)の成績を判定してから次のゲーム課題P(i+1)の成績を判定するまでの間、ゲーム課題P(i+1)が示す操作対象に対応付けられる値に音量比を変化させる。
【0204】
一方、ゲーム課題P(i)についてのプレイヤーの成績が優れていないと判定した場合(ステップS1401;NO)、CPU 101は、押圧された操作対象に対応付けられる値、又は、既定値に、音量比を変化させる(ステップS1403)。
【0205】
ここで、CPU 101は、ゲーム課題P(i)が示す課題時刻T(i)に、課題内容が示す操作対象ではない他の操作対象が押圧されたことにより、ゲーム課題P(i)の成績が優れていない、と判定した場合には、押圧された他の操作対象に対応付けられる音量比に変化させる。
【0206】
また、CPU 101は、ゲーム課題P(i)が示す課題時刻T(i)に、いずれの操作対象も押圧されなかったことにより、ゲーム課題P(i)の成績が優れていない、と判定した場合には、既定値の音量比に変化させる。
【0207】
そして、CPU 101は、ステップS1402又はS1403で設定した音量で音声を出力する(ステップS1404)。
【0208】
CPU 101は、すべてのゲーム課題が終了したか否かを判別する(ステップS1405)。
【0209】
すべてのゲーム課題が終了していない場合(ステップS1405;NO)、CPU 101はステップS1401の処理に戻り、次のゲーム課題P(i+1)の成績が優れているか否かを判定する。一方、すべてのゲーム課題が終了した場合(ステップS1405;YES)、CPU 101は音声処理を終了する。
【0210】
本実施形態によれば、音声処理装置200は、プレイヤーがゲーム課題を達成できると、次のゲーム課題を達成するために相応しい位置で聞き取りやすい音声を出力する。プレイヤーは、次のゲーム課題を達成するためには音声バランスが整っている位置の近くにいればよい、というゲームを攻略するためのヒントを得ることができる。また、音声処理装置200は、プレイヤーがゲーム課題を達成できないと、失敗した位置で聞き取りやすい音声を出力する。プレイヤーは、現在いる位置で聞き取りやすい音量バランスで音声を聞くことができる。
【0211】
本発明は、上述した実施形態に限定されず、種々の変形及び応用が可能である。また、上述した実施形態の各構成要素を自由に組み合わせることも可能である。
【0212】
図15(a),(b),(c)は、経過時間と、あるスピーカーから出力される音声の音量と、の関係をグラフ化して表した図である。CPU 101は、あるスピーカーの音量を変化させるとき、図15(a)に示すように音量を非連続的に変化させてもよいし、図15(b),(c)に示すように音量を連続的に(滑らかに)変化させてもよい。
【0213】
例えば時刻T1に押圧状態の操作対象があると判別した場合(ステップS702;YES)、CPU 101は、ステップS703において、図15(a)に示すように、押圧された操作対象から最も遠いスピーカーの音量をV1からV2へ瞬時に大きくしてもよい。
【0214】
あるいは、CPU 101は、図15(b)に示すように、押圧された操作対象から最も遠いスピーカーの音量をV1からV2へ収束するように徐々に大きくしてもよい。
【0215】
音量を小さくする場合も同様である。すなわち、CPU 101は、図15(c)に示すように、押圧された操作対象に最も近いスピーカーの音量をV3からV4へ収束するように徐々に小さくしてもよい。
【0216】
音声処理装置200によって実行されるゲームの内容は、上述した音楽ゲームに限定されない。本発明は、複数の操作対象を有するコントローラ105を用いる任意のゲームに適用することが可能である。また、ゲームに限らず、映画の上映など、音声出力を伴う映像をユーザに提供する様々な装置において、ユーザの位置に応じて適した音量バランスに調整するための手法として用いることが可能である。
【0217】
コントローラ105の形状や操作対象(ボタン)の配置の仕方は、上述したものに限定されない。例えば、コントローラ105は、図16に示すように、表面の任意の押圧位置(接触位置)を検出することができる絨毯のような形状でもよい。コントローラ105の表面には所定の座標系(典型的にはX−Y座標系)が定義され、CPU 101は、押圧位置の座標値を取得し、取得した座標値に対応付けられる音量比になるように音声の音量を変化させる。これは、コントローラ105にCPU 101が認識可能な無数の論理的な操作対象1600があることに実質的に等しい。
【0218】
音声処理装置200の全部又は一部としてコンピュータを動作させるためのプログラムを、メモリカード、CD−ROM、DVD、MO(Magneto Optical disk)などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、これを別のコンピュータにインストールし、上述の手段として動作させ、あるいは、上述の工程を実行させてもよい。
【0219】
さらに、インターネット上のサーバ装置が有するディスク装置等にプログラムを格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、コンピュータにダウンロード等するものとしてもよい。
【0220】
以上説明したように、本発明によれば、プレイヤーが聞き取りやすい音量バランスで音声を出力するために好適な音声処理装置、音声処理方法、ならびに、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0221】
100 情報処理装置
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 インターフェース
105,105A,105B コントローラ
106 外部メモリ
107 DVD−ROMドライブ
108 画像処理部
109 音声処理部
110 NIC
200 音声処理装置
201,201A,201B 音声出力部
202 検知部
203 音量変化部
301〜304,301A〜304A,301B〜304B 操作対象(ボタン)
310 モニター
320 モニターの表示面
330A,330B,530A〜530F スピーカー
350 基準位置
801 記憶部
850 課題情報
901〜908 静止マーク
910A〜910H 踏み位置指示マーク
920 スコア
930 ゲージ
1301 成績判定部
1600 論理的な操作対象

【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声を出力する複数の音声出力部と、
所定位置に配置される複数の操作対象のそれぞれに対するプレイヤーによる押圧操作の有無を検知する検知部と、
前記複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、前記複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる音量変化部と、
を備えることを特徴とする音声処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の音声処理装置であって、
前記複数の操作対象のうち当該プレイヤーにより押圧操作がなされるべき操作対象と、タイミングと、を対応付ける課題情報を予め記憶する記憶部を更に備え、
前記音量変化部は、前記検知部により押圧操作が検知されていない間であって、前記記憶されるタイミングでは、当該押圧操作がなされるべき操作対象に基づいて前記音量比を変化させる、
ことを特徴とする音声処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の音声処理装置であって、
前記検知部により検知された押圧操作の有無と、前記記憶部に記憶される課題情報と、に基づいて、前記課題情報についての当該プレイヤーの成績を判定する成績判定部を更に備え、
前記成績判定部により成績が優れていると判定された場合、前記音量変化部は、前記複数の操作対象のうち現在時刻より後であって現在時刻に最も近いタイミングに対応付けて記憶される操作対象に基づいて、前記複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させ、
そうでない場合、前記音量変化部は、前記複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、前記複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる、
ことを特徴とする音声処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の音声処理装置であって、
前記音量変化部は、前記複数の音声出力部のうち押圧されたことが検知された操作対象から遠い音声出力部によって出力される音声の音量を相対的に大きくする、
ことを特徴とする音声処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の音声処理装置であって、
前記音量変化部は、前記複数の音声出力部のうち押圧されたことが検知された操作対象に近い音声出力部によって出力される音声の音量を相対的に大きくする、
ことを特徴とする音声処理装置。
【請求項6】
所定位置に配置される複数の操作対象のうちプレイヤーにより押圧操作がなされるべき操作対象と、タイミングと、を対応付ける課題情報を予め記憶する記憶部と、
音声を出力する複数の音声出力部と、
前記複数の操作対象のうち前記記憶されるタイミングと現在時刻とを用いて定まるタイミングに対応付けられる操作対象に基づいて、前記複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる音量変化部と、
を備えることを特徴とする音声処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の音声処理装置であって、
前記音量変化部は、前記複数の操作対象のうち、現在時刻より後であって現在時刻に最も近いタイミングに対応付けて前記記憶部に記憶される操作対象に基づいて、前記複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる、
ことを特徴とする音声処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の音声処理装置であって、
前記音量変化部は、前記複数の音声出力部のうち、現在時刻より後であって現在時刻に最も近いタイミングに対応付けて前記記憶部に記憶される操作対象から遠い音声出力部によって出力される音声の音量を相対的に大きくする、
ことを特徴とする音声処理装置。
【請求項9】
請求項7に記載の音声処理装置であって、
前記音量変化部は、前記複数の音声出力部のうち、現在時刻より後であって現在時刻に最も近いタイミングに対応付けて前記記憶部に記憶される操作対象に近い音声出力部によって出力される音声の音量を相対的に大きくする、
ことを特徴とする音声処理装置。
【請求項10】
複数の音声出力部、検知部、音量変化部を有する音声処理装置にて実行される音声処理方法であって、
前記複数の音声出力部のそれぞれが、音声を出力する音声出力ステップと、
前記検知部が、所定位置に配置される複数の操作対象のそれぞれに対するプレイヤーによる押圧操作の有無を検知する検知ステップと、
前記音量変化部が、前記複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、前記複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる音量変化ステップと、
を備えることを特徴とする音声処理方法。
【請求項11】
記憶部、複数の音声出力部、音量変化部を有する音声処理装置にて実行される音声処理方法であって、
前記記憶部には、所定位置に配置される複数の操作対象のうちプレイヤーにより押圧操作がなされるべき操作対象と、タイミングと、を対応付ける課題情報が予め記憶され、
前記複数の音声出力部のそれぞれが、音声を出力する音声出力ステップと、
前記音量変化部が、前記複数の操作対象のうち前記記憶されるタイミングと現在時刻とを用いて定まるタイミングに対応付けられる操作対象に基づいて、前記複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる音量変化ステップと、
を備えることを特徴とする音声処理方法。
【請求項12】
コンピュータを、
音声を出力する複数の音声出力部、
所定位置に配置される複数の操作対象のそれぞれに対するプレイヤーによる押圧操作の有無を検知する検知部、
前記複数の操作対象のうち押圧操作がなされていると検知された操作対象に基づいて、前記複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる音量変化部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
コンピュータを、
所定位置に配置される複数の操作対象のうちプレイヤーにより押圧操作がなされるべき操作対象と、タイミングと、を対応付ける課題情報を予め記憶する記憶部、
音声を出力する複数の音声出力部、
前記複数の操作対象のうち前記記憶されるタイミングと現在時刻とを用いて定まるタイミングに対応付けられる操作対象に基づいて、前記複数の音声出力部のそれぞれから出力すべき音声の音量比を変化させる音量変化部、
として機能させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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