説明

音響再生システム

【課題】左右一対のフロントスピーカーと、視聴位置の前方および後方にそれぞれ一つ以上の効果音再生用スピーカーを配置し、上方に定位すべき音、広がるべき音の成分を抽出、特定の処理を施した後、その信号を、前記効果音再生用スピーカーの前後両方のスピーカーから出力し、設置性を損なうことなく、音場を上下方向に広げる、あるいは、音像を上方向に持ち上げる効果をもたらし、臨場感を高めることができる音響再生システムを提供する。
【解決手段】視聴位置の前方および後方に配置した効果音再生用スピーカー15、16の両方から特定の処理を施した信号を出力することにより、音源の前後位置を特定することが困難になり、音響心理学の作用により、音の臨場感が増しTV画面と音との乖離を減らすことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、映像再生装置と組み合わせて使用される家庭用の音響再生システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自宅で映画館のような臨場感を実現する、一般にホームシアターシステムと呼ばれる音響再生システムが種々提案され普及しつつあり、ユーザはそれによりDVDの5.1chなどのマルチチャンネル音声を容易に楽しむことが出来るようになってきた。
【0003】
これらホームシアターシステムでは、その設置性を考慮し、低音再生専用のサブウーハースピーカーを組み合わせることにより、マルチチャンネル音声再生用に低音再生能力の低い小さなスピーカーを使用することができるようになっているものや、特に最近では、TVの薄型化、大画面化に伴い、TVを上に乗せることができるTVラック型ホームシアターシステムが注目されている。
【0004】
また、これらホームシアターシステムでは、設置性を向上させるため、視聴位置後方にサラウンド再生用スピーカーを設置せず、前方2つのフロントスピーカーだけで後方の音場も再現する簡易方式(一般に2.1chシアターシステムと呼ばれている)を採用しているものも多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−207597号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような従来のホームシアターシステムにおいては、図8、図9(サラウンドスピーカーは図示せず)に示すように、視聴者の前方に設置されたTVの下、もしくはTVの横のTV台の空きスペースなどにスピーカーが配置されるため、TV画面が大きくなればなるほどスピーカーの位置はTV画面の中央に対し相対的に下がることになり、反射音や残響音を再生することにより音に広がりを与えるサラウンドスピーカーを後方に配置したとしても、前方を含めた全体の音場は上方向に広がりにくいと言う課題がある。特に、TV画面とそこから聞こえるべき音との乖離が大きくなると、非常に違和感がある。
【0007】
この課題に対しては、図10のように前方左右上方の壁などに音場拡大用のスピーカーを追加する方法が考えられるが、そうすると設置の容易性が損なわれてしまうという問題が発生する。
【0008】
本発明は、かかる従来の課題を解決するものであり、設置性を損なうことなく、音場を上下方向に広げる、あるいは、音像を上方向に持ち上げる効果をもたらし、臨場感を高めることができる音響再生システムを提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の音響再生システムは、映像再生装置の左右に設置された左右一対のフロントスピーカーと、視聴位置の前方および後方にそれぞれ一つ以上の効果音再生用スピーカーを配置し、上方に定位すべき音、広がるべき音の成分を抽出、特定の処理を施した後、その信号を、前記効果音再生用の前後両方のスピーカーから出力することを特徴とする。
【0010】
また、既に音響再生システムが5.1chなどのマルチチャンネル再生用にセンタースピーカー、および、サラウンドスピーカーを備えている場合は、これらを前記効果音再生用スピーカーとして使用することができる。
【0011】
更に、2.1chシアターシステムのように視聴位置後方のサラウンドスピーカーが左右フロントスピーカーから出力される音声信号によりバーチャル化されたものであっても、前方に追加設置した効果音再生用スピーカーとそのバーチャル化されたサラウンドスピーカーを用いて同様の音響再生システムを構成することが出来る。
【発明の効果】
【0012】
本発明の音響再生システムは、映像再生装置の左右に設置された左右一対のフロントスピーカーと、視聴位置の前方および後方にそれぞれ一つ以上の効果音再生用スピーカーを配置し、上方に定位すべき音、広がるべき音の成分を抽出、特定の処理を施した後、その信号を前記効果音再生用スピーカーの前後両方のスピーカーから出力する。これにより、前後の効果音再生用スピーカーから出力されている音の前後位置を特定することが困難になり、「方向のわかりにくい音の方向識別は経験則や視覚情報に頼る」という音響心理学理論、聴覚心理上の特性により、例えば、雷や雨の音、ヘリコプターの音は経験則から頭上に広がって感じられるようになり、音の臨場感が増す。また、TV画面に歌手が歌っているシーンが映っていれば、歌手の声は見ている画面の方向から聞こえるようになり、TV画面と音との乖離を減らすことができる。
【0013】
また、既に音響再生システムがセンタースピーカー、および、サラウンドスピーカーを備えている場合は、前記、前後の効果音再生用スピーカーから出力されるべき音をセンタースピーカー、および、サラウンドスピーカーを流用して出力することができ、設置性を妨げず、また、追加のコストもかからない。
【0014】
更に、視聴位置後方のサラウンドスピーカーが左右フロントスピーカーから出力される音声信号によりバーチャル化されたものであっても、そこに前方の効果音再生用スピーカーを追加することで同様の音響再生システムを構成することが出来るため、視聴位置後方に一切スピーカーを設置しなくても同様の効果が実現可能である。
【0015】
このように、本発明によれば、設置性を損なうことなく、音場を上下方向に広げる、あるいは、音像を上方向に持ち上げる効果をもたらし、映像との一体感、音場の臨場感を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態1における映像音声視聴システムの構成図
【図2】本発明の実施の形態2における映像音声視聴システムの構成図
【図3】本発明の実施の形態3における映像音声視聴システムの構成図
【図4】本発明の実施の形態4における映像音声視聴システムの構成図
【図5】本発明の実施の形態5における映像音声視聴システムの構成図
【図6】本発明の実施の形態5における映像音声視聴システムの設置例を示す図
【図7】本発明の実施の形態5における映像音声視聴システムの別の設置例を示す図
【図8】従来のTVラック型ホームシアターシステムの構成図
【図9】従来のマルチチャンネル再生ホームシアターシステムの構成図
【図10】従来のTVラック型ホームシアターシステムでの改善例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の音響再生システムを実施するための最良の形態について、図1から図7を用いて詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1の音響再生システムの構成を示す。DVDプレーヤなどの信号ソース21から入力された音声信号は、第1の信号処理部22により左右フロントからのステレオ再生用信号として処理され、左チャンネル用アンプ24を介してフロント左チャンネルスピーカー11から出力され、同様に右チャンネル用アンプ25を介してフロント右チャンネルスピーカー12から出力される。同時に、信号ソース21から入力された音声信号は、第2の信号処理部23により効果音信号として処理され、前方効果音用アンプ26を介して前方効果音再生用スピーカー15から出力され、同様に、後方効果音用アンプ27を介して後方効果音再生用スピーカー16から出力されるようになっている。スピーカーの位置関係を示すため、視聴者17も図示している。第1および第2の信号処理部での処理の詳細については後ほど説明する。
【0018】
ここで、本発明では、音の方向識別に関する音響心理学理論を応用しているため、予め、人間がどのようにして音の方向を識別しているのかを簡単に説明する。
【0019】
先ず、左右方向(水平面)の識別について説明する。ある方向から音が発せられている場合、左右の耳にその音が達するまでの時間差は「位相差」として検知される。また、左右の耳までの距離の差、および、頭部によって遮蔽されることにより「音量差」が検知される。 これらの差により、人間は音が左右方向のどの方向から聞こえてくるのかを非常に敏感に感じ取ることが出来る。特に、両耳の間の長さに近い波長の音(500〜3000Hz)の中音域に対する方向識別には位相差が支配的で、それよりも短い波長の音の高音域については音量差が支配的になる。
【0020】
一方、上下、前後方向(正中面)については、人間の耳が左右同じ高さに対称に付いているため、両耳間の差は役に立たず、それだけでは音の方向識別は困難である。しかし、耳(耳介)は複雑な形状をしており、上下、及び、前後から聞こえてくる音に対し、周波数に依存した音の強さの変化が現れる(頭部伝達関数と呼ばれ、耳の形状だけではなく、頭の形や、鼻などにより影響を受ける)。
【0021】
この微小な変化は音の上下方向の角度により異なり、その差を脳内で解析することで上下の方向を識別していると言われているが、その変化が微小なため、方向の判断が付きにくい場合は、脳は更に経験則や視覚情報を頼りに方向を判断しようとする。これは、音の方向が曖昧なほど頻著に現れ、例えば、「雷鳴は上から聞こえてくるはず」という経験則や、「ドラマの演者の声は前方から聞こえてくるはず」という視覚情報により方向の判断が瞬時に行われる。
【0022】
このように、左右方向の音の識別能力に比べ、上下、前後の音の方向識別の能力は鈍いため、例えば、前方から聞こえてくる音と類似した音を後方からも鳴らした場合、また、その逆の場合、その音の前後位置を特定することが困難になり、音源の位置が定まらないと感じた時点で、聴覚だけに頼らず、経験や視覚を基に「聞こえるべき方向から音が聞こえている」と感じるようになる。
【0023】
本発明の音響再生システムはこれを応用しており、音の方向を識別し難くすることで、その音を上方向に感じさせやすくしようとするものである。
【0024】
以下、再度、図1を用いて実施の形態1について動作を説明する。
【0025】
先ず、コンサートホールのような広い空間で演奏されている映像を見ている状態で、演奏されている楽器の上方向の音の広がりを再現する場合を考える。
【0026】
「上方向に広げるべき音」は、すなわち「前方中央には定位させたくない音」であり、2チャンネルのステレオ音声信号の中では左右のチャンネルに同相で存在せず、また、同一信号レベルで存在しない成分であるため、(L−R)の差成分に多く含まれている。
【0027】
そのため、先ず、第1の信号処理部22では信号ソース21より入力された音声信号の左チャンネルと右チャンネルの差、すなわち、位相差、レベル差がある成分を減衰、もしくは排除し、それぞれ左右フロントチャンネル用アンプ24、25を介して左右フロントスピーカー11、12より音声を出力する。一方、第2の信号処理部23では、信号ソース21より入力された音声信号の左チャンネルと右チャンネルの差、すなわち、位相差、レベル差がある成分を抽出し、同一の信号をそれぞれ前方効果音用アンプ26を介して前方効果音再生用スピーカー15から、後方効果音用アンプ27を介して後方効果音再生用スピーカー16から出力する。
【0028】
この時、前後の効果音再生用スピーカー15、16から同じ信号成分が出力されるため、視聴者17はその音が前方から聞こえるのか後方から聞こえるのか区別が出来ず、前記音響心理学的効果により、見ている映像がコンサートホールでの演奏であり、また、楽器の音が広がりを持った音であることから、再生される音は上方も含め周囲全体を包み込むように聞こえていると感じるようになる。
【0029】
なお、本実施例では、前方および後方の効果音再生用スピーカーをそれぞれ1つとしているが、複数個使用しても構わない。
【0030】
次に、ドラマ番組を視聴している状態で演者のセリフをTV画面内から実在感を持って聞こえるようにする場合を考える。
【0031】
「画面内に定位させるべき音」は、すなわち「前方中央に定位させたい音」であり、2チャンネルのステレオ音声信号の中では左右のチャンネルに同相で存在し、また、同一信号レベルで存在する成分であるため、(L+R)の和成分に多く含まれている。
【0032】
そのため、先ず、第1の信号処理部22では信号ソース21からの音声信号の内、同相、且つ、同信号レベルの成分を減衰、もしくは排除した左チャンネル信号成分を左フロントチャンネル用アンプ24を介して左フロントスピーカー11から出力し、同様に、右チャンネル信号成分を右フロントチャンネル用アンプ25を介して右フロントスピーカー12から出力する。一方、第2の信号処理部23では、信号ソース21より入力された音声信号の内、同相、且つ、同信号レベルの成分のみを抽出し、それぞれ、前方効果音用アンプ26を介して前方効果音再生用スピーカー15から、後方効果音用アンプ27を介して後方効果音再生用スピーカー16から出力する。
【0033】
この時、前後の効果音再生用スピーカー15、16から同じ信号成分が出力されるため、視聴者17はその音が前方から聞こえるのか後方から聞こえるのか区別が出来ず、前記音響心理学的効果により、見ている映像がドラマであり、画面の中で演者が話をしている場面であることから、再生される音は演者の口元から聞こえていると感じるようになる。
【0034】
以上、実施の形態1について動作を説明したが、音の方向が上下に変化した場合に人間の聴覚特性では6k〜9k付近の周波数帯域成分の音のレベルが大きく変化し、それが音の上下位置を識別する大きな要因となっていることから、前後効果音再生用スピーカー15、16から出力する信号を抽出する際に、信号処理部22、23により8kHz付近の周波数帯域の信号レベルを強調するようにすれば、より音が上方向から聞こえやすくなり、効果的である。
(実施の形態2)
実施の形態1に対して、音声信号に遅延をかけるための遅延制御部を追加した実施の形態2を図2に示す。左フロントチャンネル用遅延制御部34、右フロントチャンネル用遅延制御部35、前方効果音用遅延制御部36、後方効果音用遅延制御部37がそれぞれ追加されている。他の部分に関しては実施の形態1と同じため説明を省略する。
【0035】
このように、音声信号に遅延をかけ、位相の調整ができるようにすれば、それぞれのスピーカーから耳に到達する時点での位相を合わせることで更に音の方向識別は困難となり良好な効果を得ることが出来るようになる。
(実施の形態3)
実施の形態1に対して、音声信号の音量レベルをそれぞれ調整できるように音量制御部を追加した実施の形態3を図3に示す。左フロントチャンネル用音量制御部44、右フロントチャンネル用音量制御部45、前方効果音用音量制御部46、後方効果音用音量制御部47がそれぞれ追加されている。他の部分に関しては実施の形態1と同じため説明を省略する。
【0036】
このように、左右チャンネルの他、前後の効果音再生用スピーカーからの音量をそれぞれ調整できるようにすれば、視聴位置の差による効果の変化を調整する、あるいは好みにより効果の大小を調整することができるようになる。
(実施の形態4)
次に、実施の形態4について図4の構成図を用いて説明する。本実施の形態では、音響再生システムは5.1chなどのマルチチャンネル再生が可能となっており、信号ソース21からのマルチチャンネル音声信号は、信号処理部22によりマルチチャンネルデコード処理され、左、右、センター、右サラウンド、左サラウンド、そしてサブウーハ用信号(図示せず)に分解され、それぞれ左フロントチャンネル用アンプ24を介して左フロントスピーカー11から、右フロントチャンネル用アンプ25を介して右フロントスピーカー12から、センターチャンネル用アンプ26を介してセンタースピーカー15から、左サラウンドチャンネル用アンプ27Lを介して左サラウンドスピーカー16Lから、右サラウンドチャンネル用アンプ27Rを介して右サラウンドスピーカー16Rから出力される。
【0037】
この時、同時に、実施の形態1と同様の効果音用信号成分が信号処理部22にて抽出され、センターチャンネル用音声信号、および、左右サラウンドチャンネル用音声信号に重畳する形で合成され、出力される。つまり、センタースピーカー15からは、マルチチャンネル再生用のセンターチャンネル信号成分に加え、実施の形態1での前方効果音再生用スピーカー15から出力されるのと同じ音声も出力されることになる。同様に、左右サラウンドスピーカー16L、16Rからは、マルチチャンネル再生用の左右サラウンド信号成分に加え、実施の形態1での後方効果音再生用スピーカー16から出力されるのと同じ音声も出力される。
【0038】
本実施例では、既にセンタースピーカー15および、左右サラウンドスピーカー16L、16Rがマルチチャンネル再生用に設置されているため、特に追加でスピーカーを設置することなく、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
(実施の形態5)
図5は実施の形態5の構成図である。本実施例での音響再生システムは、視聴位置後方にサラウンド再生用スピーカーを設置せず、前方2つのフロントスピーカーだけで後方の音場も再現する2.1ch方式を採用している。
【0039】
信号ソース21からのマルチチャンネル音声信号は、信号処理部22で一旦マルチチャンネルデコードされ、5.1chなどのマルチチャンネル信号に分解される。
この時、同時に、実施の形態1と同様の効果音用信号成分が信号処理部22にて抽出され、左右サラウンドチャンネル用音声信号に重畳する形で合成され、出力される。
【0040】
その後、センターチャンネル成分は一定の比率で左右フロントチャンネルに分配され、また、サラウンドチャンネル成分は頭部伝達関数などを利用したバーチャル化技術を用いて左右フロントチャンネル信号に重畳され、左右フロントチャンネル用アンプ24、25を介し、左右フロントスピーカー11、12から出力される。図5には、バーチャル化されたサラウンドスピーカーのイメージ16も図示している。
【0041】
一方、前記信号処理部22で抽出された効果音用信号成分はそれぞれ左前方効果音用アンプ26Lを介して左前方効果音再生用スピーカー15Lから、右前方効果音用アンプ26Rを介して右前方効果音再生用スピーカー15Rから出力される。
【0042】
本実施例では、前方に効果音再生用スピーカーを追加するだけで、サラウンドチャンネル用スピーカーがバーチャル化されていても、後方効果音用スピーカーから再生される音もバーチャル化されて出力されることで、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0043】
また、本実施例では図6に示すように前方に設置する効果音再生用スピーカーを2本としているが、別途スピーカーを追加せずに、図7のようにTVのスピーカーを流用することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は、視聴者の前方に設置されたTVの下、もしくはTV台のTVの左右の空きスペースなどにスピーカーが配置され、全体の音場が上方向に広がりにくい場合であっても、映像再生装置の左右に設置された左右一対のフロントスピーカーと、視聴位置の前方および後方にそれぞれ一つ以上の効果音再生用スピーカーを配置し、上方に定位すべき音、広がるべき音の成分を抽出、特定の処理を施した後、その信号を、前記効果音再生用の前後両方のスピーカーから出力することで、設置性を損なうことなく、音場を上下方向に広げる、あるいは、音像を上方向に持ち上げる効果をもたらし、臨場感を高めることができるという作用を有し、家庭で使用するホームシアターシステムとして広く利用可能なものである。
【符号の説明】
【0045】
10 TVラック型ホームシアター
11 左フロントスピーカー
12 右フロントスピーカー
13 センタースピーカー
14 サブウーハー
15 前方効果音再生用スピーカー
15L 前方効果音再生用左スピーカー
15R 前方効果音再生用右スピーカー
16 後方効果音再生用スピーカー
16L 後方効果音再生用左スピーカー
16R 後方効果音再生用右スピーカー
17 視聴者
18 バーチャル化されたサラウンドスピーカー
19 TV台
20 音場イメージ
21 信号ソース
22 信号処理部
23 信号処理部
24 左フロントチャンネル用アンプ
25 右フロントチャンネル用アンプ
26 前方効果音用アンプ
27 後方効果音用アンプ
27L 後方効果音左チャンネル用アンプ
27R 後方効果音右チャンネル用アンプ
30 TV
34 左フロントチャンネル用遅延制御部
35 右フロントチャンネル用遅延制御部
36 前方効果音用遅延制御部
37 後方効果音用遅延制御部
44 左フロントチャンネル用音量制御部
45 右フロントチャンネル用音量制御部
46 前方効果音用音量制御部
47 後方効果音用音量制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
信号ソースからの信号を音声信号処理部で処理して、映像再生装置の左右に設置された左右一対のフロントスピーカから再生する音響再生システムであって、
視聴位置の前方及び後方にそれぞれ少なくとも一つの効果音再生用スピーカを備え、
前記音声信号処理部は、効果音を抽出して前記効果音再生用スピーカに出力することを特徴とする音響再生システム。
【請求項2】
前記音声信号処理部は、上方に定位すべき音あるいは上方に広がるべき音の成分を抽出することを特徴とする請求項1の音響再生システム。
【請求項3】
前記前方および後方の効果音再生用スピーカーが、マルチチャンネル再生用ホームシアターシステムのセンタースピーカー、および、サラウンドスピーカーである請求項1に記載の音響再生システム
【請求項4】
前記効果音再生用スピーカーの内、後方に配置される効果音再生用スピーカーが、左右フロントスピーカーから出力される音声信号によりバーチャル化されたサラウンドスピーカーである請求項1の音響再生システム
【請求項5】
前記効果音再生用スピーカーから出力される音声信号の内、一方、または両方に遅延をかけるための音声遅延処理部を設けたことを特徴とする請求項1から3の音響再生システム
【請求項6】
前記効果音再生用スピーカーから出力される音声信号の内、一方、または両方に音量レベル調整部を設けたことを特徴とする請求項1から4の音響再生システム
【請求項7】
前記前方に設置する効果音再生用スピーカーとしてTVのスピーカーを使用することを特徴とする請求項1から5の音響再生システム

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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