説明

頚管拡張モニター

出産の第1段階の妊婦の子宮頚管の拡張を測定するシステムにおいて、本発明のシステムは、2個の対向した把持部材と外側にバイアスされた復帰部材とを有する拡張可能な把持装置を有し、把持装置は、前記復帰部材が把持部材を互いに離す方向に押し、前記把持装置が頚管を拡張している間、頚管を把持する。本発明のシステムは、その上に配置された校正目盛りを有する第1細長部材と、第2細長部材とを有する。前記第2細長部材の一部は、前記校正目盛りに沿って配置され、前記第2細長部材の前記一部は、その上に配置されたインディケータを有し、前記第1細長部材と第2細長部材とは、機械的に前記把持装置に取り付けられ、前記把持装置は、拡張途中の頚管と共に拡張し、相対的な線形移動が、前記第1細長部材と前記第2細長部材の一部との間で行われ、前記インディケータが前記校正目盛りに対し動くことにより、拡張状態の頚管を測定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療装置に関し、特に、頚管拡張モニターに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、産婦人科医は頚管の拡張を計測するために通常の膣の検査を実現し、これにより出産の第1段階の間分娩の進行状態を評価する。頚管は、出産のこの段階においては、約10cmに広がり、且つ非常に薄い層なる。しかし、この検査は患者にとって苦痛であり、不正確で他覚的且つ子宮を感染させるリスクがある。これらの不都合な点は、一連の検査が異なる産婦人科医により行われた時に増大する。
【0003】
【特許文献1】米国特許第5,658,295号明細書
【特許文献2】米国特許第4,141,345号明細書
【特許文献3】米国特許第4,476,871号明細書
【特許文献4】米国特許第6,423,000号明細書
【0004】
本発明に関連するものとして特許文献1が挙げられる。特許文献1は、拡張を計るスケール(目盛り)を具備したカリパス副木(calipers)と類似の構造の機器を教示する。同文献の装置は、連続的な検査のために、配置したままに出来るようなものではない。さらにこの機器は、廃棄可能ではなく、繰り返し殺菌して使用する必要がある。
【0005】
本発明に最も関連するものは特許文献2である。同文献は、拡張可能なV字型のカリパス副木機器を開示しする。拡張はストレイン・ゲージを用いて測定される。このシステムの欠点は、システムは廃棄可能ではなく、繰り返し殺菌する必要がある点である。
【0006】
本発明にさらに関連するものとして特許文献3,4が挙げられる。両特許文献は、頚管の拡張をモニターするシステムを教示している。しかし、両システムは廃棄可能ではなく、高価且つ患者にとって侵襲性である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
それ故に、安価且つ廃棄可能な頚管拡張モニターが必要とされている。また患者にとって容易に適合可能で、苦痛でなく、安全なものであり、頚管の薄肉化を考慮に入れると、正確で連続的で他覚的に、頚管の拡張を測定できる頚管拡張モニターを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明は、頚管拡張モニターの構成とその操作方法を提供する。
【0009】
本発明の教示によれば、本発明は、出産の第1段階の妊婦の子宮頚管の拡張を測定するシステムは(a)2個の対向した把持部材と、外側にバイアスされた復帰部材とを有する拡張可能な把持装置と、(b)その上に配置された校正目盛りを有する第1細長部材と、(c)第2細長部材と、を有し、前記把持装置は、前記復帰部材が把持部材を互いに離す方向に押し、前記把持装置が頚管を拡張している間、頚管を把持し、前記第2細長部材の一部は、前記校正目盛りに沿って配置され、前記第2細長部材の前記一部は、その上に配置されたインディケータを有し、前記第1細長部材と第2細長部材とは、機械的に前記把持装置に取り付けられ、前記把持装置は、拡張途中の頚管と共に拡張し、相対的な線形移動が、前記第1細長部材と前記第2細長部材の一部との間で行われ、前記インディケータが前記校正目盛りに対し動くことにより、拡張状態の頚管を測定することを特徴とする。
【0010】
本発明のさらなる特徴によれば、前記第2細長部材は、「ひも」である。
【0011】
本発明のさらなる特徴によれば、前記把持部材の少なくとも1つは、拡張可能であり、頚管が薄肉化する間、頚管の一部を把持する。
【0012】
本発明のさらなる特徴によれば、本発明のシステムは(d)前記把持装置が頚管に接触している間、前記把持部材を拡張状態に維持する挿入装置をさらに有する。
【0013】
本発明のさらなる特徴によれば、前記第1細長部材は、中空であり、前記挿入装置は、一部が前記第1細長部材内に配置されていることを特徴とする。
【0014】
本発明のさらなる特徴によれば、前記挿入装置は、チューブであり、前記把持部材と復帰部材が、前記チューブ内に挿入される。
【0015】
本発明のさらなる特徴によれば、前記把持装置は、2個のフレキシブルな結合要素を有し、前記各結合要素は、前記把持部材の一方を前記復帰部材に機械的に取り付ける。
【0016】
本発明のさらなる特徴によれば、前記第1細長部材は、中空であり、半透明な部分を有し、前記半透明部分は、前記校正目盛りを有し、前記第2細長部材の一部は、前記第1細長部材内に配置される。
【0017】
本発明のさらなる特徴によれば、前記第1細長部材は、中空であり、前記第1細長部材は、第1端と第2端とを有し、前記第1端は、前記復帰部材に機械的に取り付けられ、前記第2細長部材は、前記第1端から第2端に延在する。
【0018】
本発明のさらなる特徴によれば、前記第2細長部材は、その上に制御要素を有し、前記制御要素は、オペレータが前記第2細長部材を移動させ、前記把持装置が頚管に適合するよう、収縮させることができる。
【0019】
本発明のさらなる特徴によれば、前記第2細長部材は、前記復帰部材と前記把持部材の一方に機械的に結合される。
【0020】
本発明のさらなる特徴によれば、前記第2細長部材は、前記把持部材の両方に機械的に結合される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明は、頚管拡張モニターの構成とその操作方法に関する。
【0022】
本発明の頚管拡張モニターの原理と動作を以下図面を参照して説明する。
【実施例】
【0023】
図1−5を参照すると、図1は、本発明の一実施例により構成可能且つ動作可能な頚管拡張モニター10の斜視図である。図2は、図1の頚管拡張モニター10の正面図である。図3は、図1の頚管拡張モニター10の上面図である。図4は、完全に拡張状態にある図1の頚管拡張モニター10の正面図である。図5は、完全に拡張状態にある図1の頚管拡張モニター10の上面図である。頚管拡張モニター10は、拡張可能な把持装置12を有する。この拡張可能な把持装置12は、2個の対向した把持部材14と外側にバイアスされた復帰部材16とを有する。把持装置12は、復帰部材16が把持部材14を互いに引き離す方向に押す。その結果、把持装置12は、頚管が拡張している間、頚管を把持する。
【0024】
図1,2,3は、収縮状態の頚管拡張モニター10を示し、これは、頚管拡張モニター10が患者の体内に適合した時の状態である。これに関しては、図10−12を用いて後で説明する。図4,5は、完全に拡張した状態の頚管拡張モニター10を示す。各把持部材14は、頚管が薄くなって間、頚管の一部を把持するために、拡張可能な構造となっている。これは、図13−15で最もよく示されている。拡張可能な把持装置12は、2個のフレキシブルな結合要素18を有する。この結合要素18は、把持部材14の一方を復帰部材16の端部に独自な方法で機械的に結合する。この結合要素18により、把持部材14と復帰部材16との間の動きが可能となる。この動きは、拡張途中の頚管(徐々に上方に移動する)と把持部材14との相対的位置の変化に関し重要である。
【0025】
図6を参照すると、結合要素18は、把持部材14(図2)と復帰部材16を貫通する繊維状のストリップ(1個の片)である。それ故に、把持装置12は、通常繊維状の1個の片の上部に生物適合プラスチック材料あるいはシリコンを選択的にモールドすることにより形成され、これにより把持部材14と復帰部材16と結合要素18を形成する。フレキシブルな結合要素18は、通常合成繊維例えばナイロンから形成される。合成繊維は、通常5mm−10mmの範囲の幅を有する。把持部材14と復帰部材16の厚さは、通常2mm−5mmの間である。
【0026】
再び図1−5を参照すると、頚管拡張モニター10は細長部材20を有する。この細長部材20はその上に校正目盛り22が配置されている。細長部材20は、通常中空である。細長部材20は半透明あるいは透明な部分24を有する。この部分24は校正目盛り22を有する。細長部材20は、2つの端部すなわち端部26と端部28を有する。端部26は、復帰部材16のほぼ中央に結合されている。細長部材20は、校正目盛り22が患者の体外に出る程度に十分長い。細長部材20は透明なプラスチックから形成され、頚管拡張モニター10が、使用中患者に対し、苦痛とならない程度の柔軟性を有する。
【0027】
頚管拡張モニター10は、細長部材30を有する。細長部材30は細長部材20の機能を実現するさまざまな方法で実現できる。しかし、本発明の最も好ましい実施例においては、細長部材30は「ひも」であり、通常ナイロン製のひもで、厚さ/太さが0.5mm−2.5mmの範囲にある。細長部材30の長さは通常、45cmである。「ひも」は、ひもと同様な機能を実現する等価な要素、例えばコード、ケーブル、ひも、ワイヤ、ストリング、リボン、フレキシブルな細長い片であるが、必ずしもこれには限定されない。細長部材30の一部は、校正目盛り22に沿って、細長部材20内に配置される。細長部材30のこの部分は、端部26から端部28に延びる。細長部材30のこの部分は、インディケータ32とその上に配置された制動器34とを有する。インディケータ32と制動器34は、通常プラスチック製のビーズで、細長部材30を形成するひもに機械的に固定される。インディケータ32は、拡張した頸部の測定値を示す。制動器34は、細長部材30が子宮内に延び過ぎるのを阻止する。例えば、頚管拡張モニター10が完全に拡張した後では、制動器34は細長部材30がさらに伸びるのを阻止する(図4)。細長部材20と細長部材30は、把持装置12に機械的に取り付けられる。この取り付け方法は、把持装置12が拡張途中の頚管と共に拡張すると、相対的な線形の動きが細長部材20と細長部材30の間で行われ、これによりインディケータ32は校正目盛り22に対して移動し、頚管の拡張状態を測定する。本発明の最も好ましい実施例においては、インディケータ32により移動する距離は、頚管の拡張した状態の大きさに線形関数である。
【0028】
本発明の最も好ましい実施例によれば、細長部材30の端部36は、通常復帰部材16の一端に機械的に取り付けられる。細長部材30は、一方の把持部材14上に配置されたループ38を貫通する。その後細長部材30は細長部材20内を通過する。それ故に、頚管が拡張すると、復帰部材16は把持部材14を離す方向に押し、これにより、把持部材14の間に配置された細長部材30の長さが増加する。それ故に頚管が拡張すると、細長部材30とインディケータ32は、細長部材20の端部26の方向に向かって移動する。そのため、インディケータ32の校正目盛り22に対する位置は、頚管の拡張状態の測定値を与える。細長部材30はさまざまな方法で把持装置12に機械的に取り付けられる。例えば、これに限定されるわけではないが、細長部材30の一端を、復帰部材16の一端にあるいは把持部材14の一端に機械的に取り付けること、および細長部材30を復帰部材16の他端上あるいは別の把持部材14の他端上に配置されたループを貫通させることにである。
【0029】
図7−8を参照する。図7は、挿入装置40が搭載された状態の図1の正面図である。図8は、挿入装置40が搭載された状態の図1の側面図である。頚管拡張モニター10を拡張途中の頚管に適合させる前に、把持部材14を、各把持部材14のトップ部分42が把持部材14のボトム部分50にほぼ直交するよう、伸ばす。それ故に、頚管拡張モニター10は挿入装置40を有する。この挿入装置40は、把持装置12を頚管に適合させ間、把持部材14を伸ばした状態に維持する。挿入装置40は、ロッド44と2本のアーム46とハンドル58とから構成される。アーム46は、ロッド44の一端に機械的に取り付けられる。ハンドル58は、ロッド44の他端に機械的に取り付けられる。アーム46は、自然位置を有し、それによりアーム46が一緒に押されるよう構成される。アーム46は、必要によっては、別々に引かれるよう構成することも可能である。ハンドル58を用いて挿入装置40を頚管拡張モニター10に挿入したり取り外したりすることができる。通常挿入装置40は、プラスチック製の単一部品として形成される。挿入装置40を押すと、挿入装置40が細長部材20を貫通して挿入される。挿入装置40が挿入され、アーム46は細長部材20の端部26から出る。
【0030】
把持部材14は、トップ部分42とボトム部分50との間に配置されたホール48を有する。アーム46は分離し、各アーム46はホール48の1つを独自に貫通し、トップ部分42の一方を支持する。それ故に、挿入装置40は、細長部材20内に一部が配置され、アーム46は細長部材20の外側に配置される。ロッド44とアーム46は、通常、剛性部品要素として形成される。ロッド44とアーム46との間の機械的結合は、十分剛性があり、把持部材14をトップ部分42を支持するアーム46で拡張状態に維持できる。しかし、ロッド44とアーム46との間の機械的結合は、十分フレキシブルで、把持部材14は復帰部材16の動きにより、アーム46が離れる方向に移動でき、それ故に、把持部材14が離れる方向に移動できる。このことは、頚管拡張モニター10が拡張途中の頚管に適合する時(図11に詳細を示す)に必要である。挿入装置40は、通常、頚管拡張モニター10内に、頚管拡張モニター10の製造の一部として挿入される。それ故に、頚管拡張モニター10は、通常挿入装置40が挿入された状態ですぐに使用できるよう、頚管拡張モニター10が殺菌された状態で供給(市販)される。シール56(図8)が、細長部材20の端部26と復帰部材16の間に配置され、制動器34(図7)が既存の細長部材20から端部26を介して移動するのを阻止する。細長部材20の端部26は、復帰部材16の周囲の端部26を整形することにより、細長部材20内への液体のリークを減らすよう構成される。
【0031】
図9を参照する。細長部材20は2つの部分、すなわち部分52と54に分割される。部分52は細長部材30用で、部分54は挿入装置40用である。
【0032】
図10,11を次に参照する。図10は、頚管に適合した状態の図1の頚管拡張モニター10の正面図である。図11は、拡張途中の頚管に適合した状態の図1の頚管拡張モニター10の正面図である。細長部材30は制御要素60を有する。この制御要素60は細長部材30の上に配置され、細長部材20の外側で患者の体外にある。制御要素60は、通常クリップであり、産婦人科医が細長部材30を移動できるよう構成され、これにより頚管に適合するために、把持装置12を収縮したり拡張したりすることができる。制御要素60は、必要によっては、細長部材30に対し着脱可能で、細長部材30を所定の位置にクランプして、産婦人科医が制御要素60あるいは細長部材30を常に保持している必要を無くす。さらに、制御要素60は、産婦人科医が細長部材30を引いたり解放したりできるよう把持表面を具備する。
【0033】
頚管拡張モニター10を患者に挿入する前に、把持装置12は細長部材30を引くことにより収縮状態にしておく。これは製造プロセスの一部である。挿入装置40をその後頚管拡張モニター10内に挿入し、これも製造プロセスの一部であり、把持部材14を伸ばした状態に維持する。産婦人科医は一方の手で頚管拡張モニター10を掴み、他方の手で頚管の状態を観察する。頚管が部分的に拡張した状態(図11)においては、細長部材30は、把持部材14のトップ部分42が頚管の壁に接触するまで、ゆっくりと解放する必要がある。産婦人科医はその後、ゆっくりと挿入装置40を頚管拡張モニター10から取り外して、把持部材14が頚管に接触し、把持するようにする(図12)。すると、頚管拡張モニター10は適合し、頚管の拡張を連続的に、正確に、他覚的に、頚管の拡張を監視できる。監視は、外科医以外の人、特に患者の家族も行うことができる。さらにまた、頚管拡張モニター10は繰り返し膣内診する必要性をなくす。
【0034】
次に、図13,14,15を参照する。図13は、頚管が30mmに拡張した後の図1の詳細図である。図14は、頚管が50mmに拡張した後の図1の詳細図である。図15は、頚管が完全に拡張した後の図1の詳細図である。図1−5で議論したように、頚管が拡張すると、復帰部材16は把持部材14を離間する方向に押して、その結果、把持部材14は連続的に頚管を把持する。さらに、把持部材14の間に配置された細長部材30の長さは、頚管が拡張するに連れて、長くなる。フレキシブルな結合要素18により、把持部材14と復帰部材16の間の動きが可能となり、把持部材14と復帰部材16の形状変化が可能となる。さらに結合要素18により、把持部材14と復帰部材16の間の動きが可能となり、これにより拡張途中の頚管(徐々に上方に移動する)と把持部材14の相対的位置の変更が可能となる。頚管は拡張すると薄くなる。それ故に、把持部材14は連続的に収縮し、頚管の拡張と薄肉化の間、頚管上にそれらを保持する。
【0035】
次に図16を参照する。同図において、頚管拡張モニター62は頚管拡張モニター10とほぼ同一方法で実現されるが、頚管拡張モニター62においては、細長部材30は復帰部材16の一端に機械的に結合され、細長部材30は、その後復帰部材16の他端に配置されたループを通して供給される点が異なる。
【0036】
次に図17を参照する。同図において、頚管拡張モニター68は頚管拡張モニター10とほぼ同一方法で実現されるが、頚管拡張モニター68においては、細長部材30が一方の把持部材14に機械的に取り付けられ、細長部材30は、その後他方の把持部材14に配置されたループを通して供給される点が異なる。
【0037】
次に図18を参照する。同図において、頚管拡張モニター70は頚管拡張モニター10とほぼ同一方法で実現されるが、頚管拡張モニター70においては、細長部材30は細長部材30の一端で閉鎖ループ72を形成する。細長部材30の閉鎖ループ72は、復帰部材16に、復帰部材16の一端にあるループ74で、復帰部材16の他端に別のループ76で、機械的に結合される。
【0038】
図19,20を参照する。図19は、把持部材14の第1の他の実施例で実現された収縮状態にある復帰部材16の正面図である。図20は、拡張状態にある図19の頚管拡張モニター10の正面図である。同図において、把持部材78は、把持部材14の反転したプロファイルと類似するプロファイル(形状)を有する。
【0039】
図21,22を参照する。図21は、把持部材14の第2の他の実施例で実現された収縮状態にある復帰部材16の正面図である。図22は、拡張状態にある図21の頚管拡張モニター10の正面図である。同図において、把持部材80は、把持部材14よりより大きな把持表面を具備する。さらに、復帰部材16と把持部材80は、埋設された繊維状ストリップを有さない。この実施例においては、フレキシブルな結合要素18は、2個のフレキシブルな結合要素106で置換されている。各結合要素106は、何回も折り畳むことができるような柔軟性のある細長い片から形成される。
【0040】
次に図23−26を参照する。図23は、本発明の第4の他の実施例により構成可能且つ動作可能な挿入装置84を有する頚管拡張モニター10の正面図である。図24は、図23の頚管拡張モニター10の側面図である。図25は、収縮状態にある図23の頚管拡張モニター10の把持部材14の正面図である。図26は、拡張状態にある図23の頚管拡張モニター10の正面図である。同図において、頚管拡張モニター82は、頚管拡張モニター10とほぼ同一方法で実現されるが、但し次の点が異なる。頚管拡張モニター82は、外側に向けてバイアスされたV字型の復帰部材88を有する。復帰部材88と復帰部材16(図1)との相違点は、復帰部材88は、2本のアーム90を有し、各アーム90は、剛性がありほぼその全長にわたって直線状である。復帰部材88は、金属ストリップ92(図23)が埋設されている。この金属ストリップ92が復帰部材88の中央部分に配置され、復帰部材88に対し外側にバイアスする力で柔軟性を与える。
【0041】
把持部材86は、頚管拡張モニター10(図1)の把持部材14とは反転したプロファイルを有する。各把持部材86は埋設した金属ストリップ98(図23)を有し、把持部材86に内側にバイアスする力で柔軟性を与える。細長部材30(図26)は、復帰部材88の一端と機械的に結合され、細長部材30は、さらに復帰部材88の他端に配置されたループを通して供給される。挿入装置84は、挿入装置40と同一の機能を実現する。挿入装置84は、細長部材20の外側に配置される。挿入装置84は2本のアーム94を有し、それらは把持部材86内の2個のホール96の一方を貫通し、頚管拡張モニター82が頚管に適合している間、把持部材86を拡張した状態に維持する。
【0042】
次に、図27,28を参照する。図27は、本発明の第5の他の実施例により構成可能且つ動作可能な、収縮状態にある頚管拡張モニター10の正面図である。図28は、拡張状態にある図27の正面図である。同図において、頸部拡張モニター100は、頚管拡張モニター82(図23−26)と同一方法で実現されるが、但し以下の点が異なる。細長部材30は、剛性のあるロッド102と2本の剛性のあるアーム104で置換される。ロッド102の一部は、細長部材20内に配置される。ロッド102のこの部分は、その上に配置されたインディケータ(図示せず)を有する。このインディケータは、細長部材20上の校正目盛り22(図示せず)を拡張状態の測定用に用いる。ロッド102の一端は、細長部材20の端部26から延びる。ロッド102のこの端部は、アーム104の一端に機械的に結合される。アーム104の他端は、復帰部材88のアーム90の中央部分に機械的に固定される。アーム104との機械的結合は、アーム104がアーム104に結合された構成要素に対しスイング(振れる)できるように、構成される。それ故に、頚管が拡張すると、復帰部材88は把持部材86を離す方向に押し、これによりアーム104とロッド102との間の機械的結合部分が、細長部材20の端部26に近づく方向に移動する。頚管が拡張すると、ロッド102は、細長部材20の端部26から離れる方向に押される。それ故に、ロッド102のこの位置が頚管の拡張状態の測定値を与える。
【0043】
次に図29−31を参照する。図29は、本発明の第6の他の実施例により構成可能且つ動作可能な、拡張状態にある頚管拡張モニター10の正面図である。図30は、挿入チューブに挿入された状態の図29の頚管拡張モニター10の正面図である。図31は、挿入チューブから押し出された状態の図30の頚管拡張モニター10の正面図である。同図において、挿入チューブ110は、頸部拡張モニター108をガイドし、頚管上に頸部拡張モニター108の搭載を容易にするような導管として機能する。次に動作について説明する。頸部拡張モニター108の復帰部材16が最初に収縮して、挿入チューブ110内に入るよう収縮する。同時に把持部材14は、拡張状態に保持され、頸部拡張モニター108が挿入チューブ110内に配置されている間は、完全に開いた状態にある(図30)。それにより把持部材14が、頸部拡張モニター108が挿入チューブ110から押し出された時は、拡張した頚管上に容易に配置できるようにする。
【0044】
次に、把持部材14のトップ部分42が最初に出て、頸部拡張モニター108を挿入チューブ110(図31))から押し出される。頸部拡張モニター108が、挿入チューブ110から出るようにスライドし続けると、把持部材14のトップ部分42は、挿入チューブ110によりもはや拡張状態ではなくなる。把持部材14のトップ部分42は横方向に動いて収縮を開始し、これにより把持部材14のトップ部分42は頚管の内側側面を把持する。この時点では、把持部材14のボトム部分50は、ボトム部分50が挿入チューブ110により依然として保持されている間、拡張状態を維持する。頸部拡張モニター108が挿入チューブ110からさらに押し出されると、把持部材14のボトム部分50は挿入チューブ110から解放される。把持部材14のボトム部分50は急激に収縮し、頚管の円蓋、外側を把持する。把持部材14が頚管上に配置され、反対方向を向き、拡張頚管にピッタリと接着し、頚管の組織を擦る。最後に挿入チューブ110が産道から取り出される。
【0045】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号(後で付与された場合)は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本発明の一実施例による構成/動作可能な頚管拡張モニターの斜視図。
【図2】図1の頚管拡張モニターの正面図。
【図3】図1の頚管拡張モニターの上面図。
【図4】完全に拡張状態にある図1の頚管拡張モニターの正面図。
【図5】完全に拡張状態にある図1の頚管拡張モニターの上面図。
【図6】図2の線A−Aに沿った断面図。
【図7】挿入装置が搭載された状態の図1の頚管拡張モニターの正面図。
【図8】挿入装置が搭載された状態の図1の頚管拡張モニターの側面図。
【図9】図7の線B−Bに沿った断面図。
【図10】頚管に適合させた図1の頚管拡張モニターの正面図。
【図11】拡張途中の頚管に適合させた図1の頚管拡張モニターの正面図。
【図12】頚管に適合後の状態の図1の頚管拡張モニターの把持装置の詳細図。
【図13】頚管が30mm拡張した後の図1の頚管拡張モニターの詳細図。
【図14】頚管が50mm拡張した後の図1の頚管拡張モニターの詳細図。
【図15】頚管が完全に拡張した後の図1の頚管拡張モニターの詳細図。
【図16】本発明の第1の他の実施例による構成/動作可能な頚管拡張モニターの斜視図。
【図17】本発明の第2の他の実施例による構成/動作可能な頚管拡張モニターの斜視図。
【図18】本発明の第3の他の実施例による構成/動作可能な頚管拡張モニターの斜視図。
【図19】把持部材の第1の他の実施例で実現された収縮状態にある図16のの頚管拡張モニターの正面図。
【図20】拡張状態にある図19の頚管拡張モニターの正面図。
【図21】把持部材の第2の他の実施例で実現された収縮状態にある図16のの頚管拡張モニターの正面図。
【図22】拡張状態にある図21の頚管拡張モニターの正面図。
【図23】本発明の第4の他の実施例による構成/動作可能な外部挿入装置を有する頚管拡張モニターの正面図。
【図24】図23の頚管拡張モニターの側面図。
【図25】収縮状態にある図23の頚管拡張モニターの把持部材の正面図。
【図26】拡張状態にある図23の頚管拡張モニターの正面図。
【図27】本発明の第5の他の実施例により構成/動作可能な、収縮状態にある頚管拡張モニターの正面図。
【図28】拡張状態にある図27の頚管拡張モニターの正面図。
【図29】本発明の第6の他の実施例による構成/動作可能な、拡張状態にある頚管拡張モニターの正面図。
【図30】挿入チューブに挿入された図29の頚管拡張モニターの正面図。
【図31】挿入チューブから押し出された図30の頚管拡張モニターの正面図。
【符号の説明】
【0047】
10 頚管拡張モニター
12 把持装置
14 把持部材
16 復帰部材
18 フレキシブルな結合要素
20 細長部材
22 校正目盛り
24 部分
26 端部
28 端部
30 細長部材
32 インディケータ
34 制動器
36 端部
38 ループ
40 挿入装置
42 トップ部分
44 ロッド
46 アーム
48 ホール
50 ボトム部分
52 部分
54 部分
56 シール
58 ハンドル
60 制御要素
62,68,70,82 頚管拡張モニター
72 閉鎖ループ
74,76 ループ
78、80、86 把持部材
84 挿入装置
88 復帰部材
90 アーム
92,98 金属ストリップ
94 アーム
96 ホール
100、108 頸部拡張モニター
102 ロッド
104 アーム
106 結合要素
110 挿入チューブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出産の第1段階の妊婦の子宮頚管の拡張を測定するシステムにおいて、
(a) 2個の対向した把持部材と、外側にバイアスされた復帰部材とを有する拡張可能な把持装置と、
(b) その上に配置された校正目盛りを有する第1細長部材と、
(c) 第2細長部材と、
を有し、
前記把持装置は、前記復帰部材が把持部材を互いに離す方向に押し、前記把持装置が頚管を拡張している間、頚管を把持し、
前記第2細長部材の一部は、前記校正目盛りに沿って配置され、
前記第2細長部材の前記一部は、その上に配置されたインディケータを有し、
前記第1細長部材と第2細長部材とは、機械的に前記把持装置に取り付けられ、
前記把持装置は、拡張途中の頚管と共に拡張し、
相対的な線形移動が、前記第1細長部材と前記第2細長部材の一部との間で行われ、 前記インディケータが前記校正目盛りに対し動くことにより、拡張状態の頚管を測定する
ことを特徴とする出産の第一段階の女性の子宮頸部の拡張測定システム。
【請求項2】
前記第2細長部材は、「ひも」である
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記把持部材の少なくとも1つは、拡張可能であり、頚管が薄肉化する間、頚管の一部を把持する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項4】
(d) 前記把持装置が頚管に接触している間、前記把持部材を拡張状態に維持する挿入装置
をさらに有する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記第1細長部材は、中空であり、
前記挿入装置は、一部が前記第1細長部材内に配置されている
ことを特徴とする請求項4記載のシステム。
【請求項6】
前記挿入装置は、チューブであり、
前記把持部材と復帰部材が、前記チューブ内に挿入される
ことを特徴とする請求項4記載のシステム。
【請求項7】
前記把持装置は、2個のフレキシブルな結合要素を有し、
前記各結合要素は、前記把持部材の一方を前記復帰部材に機械的に取り付ける
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記第1細長部材は、中空であり、半透明な部分を有し、前記半透明部分は、前記校正目盛りを有し、
前記第2細長部材の一部は、前記第1細長部材内に配置される
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項9】
前記第1細長部材は、中空であり、
前記第1細長部材は、第1端と第2端とを有し、
前記第1端は、前記復帰部材に機械的に取り付けられ、
前記第2細長部材は、前記第1端から第2端に延在する
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項10】
前記第2細長部材は、その上に制御要素を有し、
前記制御要素は、オペレータが前記第2細長部材を移動させ、前記把持装置が頚管に適合するよう、収縮させることができる
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項11】
前記第2細長部材は、前記復帰部材と前記把持部材の一方に機械的に結合される
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項12】
前記第2細長部材は、前記把持部材の両方に機械的に結合される
ことを特徴とする請求項1記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公表番号】特表2007−527730(P2007−527730A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507620(P2006−507620)
【出願日】平成16年5月4日(2004.5.4)
【国際出願番号】PCT/IL2004/000373
【国際公開番号】WO2004/098375
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(505368988)
【出願人】(505368999)
【出願人】(505369000)
【Fターム(参考)】