説明

頭皮洗浄シャワーヘッド

【課題】 頭皮洗浄と通常の洗浄を効果的かつ迅速に切り替えて行うことのできる頭皮シャワーヘッドを提供する。
【解決手段】 本発明のシャワーヘッド1では、頭皮洗浄時はシャワーヘッド上部筐体2にブラシ部4を取付け、ブラシ状ノズル21から噴出する高圧の水流を直接、頭皮に当接して洗浄することで、頭皮洗浄を効果的に行うことができる。通常の洗浄時にはスクリーン5を取付けて通常の水圧、水量でシャワーを利用できる。ブラシ部4とスクリーン5の着脱、取替えを簡単に行うことができるので、頭皮洗浄と通常洗浄を適切かつ迅速に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャワーヘッドに関し、特に通常の洗浄に加え、頭皮洗浄にも適した頭皮洗浄シャワーヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、頭髪のケアや育毛が注目されているが、頭髮のケアは大きく分けて1)髪の毛のケア、2)頭皮のケアに分かれる。従来は髪の毛のケアが中心で、シャンプー、リンス、育毛剤などを使って髪の毛に潤いを与えたり、枝毛を防いでいた。しかし最近では根本的な頭髪ケアが求められていることから、頭皮のケアに対する関心が高まっている。即ち頭皮に余分な皮脂や汚れ、あるいはカラーリング剤、シャンプー、リンスが残存すると、酸素を十分供給できず、抜け毛やふけ、かゆみの原因となり、髪の毛を丈夫に保つことができないことから、頭皮を日常的に清潔に保つ必要性が認識されてきた。
【0003】
そこで入浴の際にシャワーで洗髪する際の方法に関心が寄せられている。通常はシャンプーで頭髪を泡立ててシャワー水で洗浄するが、この方法は髪の毛の洗浄には有効でも、濡れた頭髪や水膜に阻まれて頭皮の毛穴の皮脂や汚れまで除去するのは難しい。爪やブラシで強くこするとかえって頭皮を傷つけることがある。即ち頭皮のケアが十分できていない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来から頭皮を洗浄するシャワー装置がいくつか提案されている。その1つに例えば浴室内に、ポンプなどを内蔵した頭皮洗浄器を設置し、ポンプで水道水の圧力を高めて吐水流を作り出すものがある(特許文献1を参照)。即ち強力な吐水流で頭皮をたたいて頭皮洗浄を行うもので、それなりの効果は想定されるが、浴室内に電動式の装置を設置し、洗髪後に該装置をセットして再洗浄するので面倒、充電に時間がかかる、浴室に電気器具をおくのは好ましくない、などの問題がある。
【0005】
またシャワーヘッドにブラシ状の突起を多数設け、それぞれ突起内部を空洞にしてその突起先端から水の細流を出すものが提案されている(特許文献2を参照)。ブラシ状の突起を直接、頭皮に当接させて洗髪することで、濡れた髪や水膜に妨げられずに頭皮を洗浄しようとするものである。しかしそのようなブラシを頭皮に当接しても、洗髪中は当然、頭皮は水(膜)で被われているので、それに抗して毛穴の皮脂や汚れを取るには、吐水流の水圧を高くしなければならない。しかし一般に浴室のシャワーヘッドは洗髪のみならず体も洗うためのものであり、水圧が高いと使い勝手が悪くなったり不快感を感じ、現実的には実施可能ではない。
【特許文献1】特許公開2003−210238
【特許文献2】特開平11−225827
【0006】
従がって本発明の目的は、電動式ポンプなどの特別な装置を使用せずに、頭皮を洗浄する際は水圧を増強し、ブラシ状突起から噴出する水流を直接頭皮に当接して頭皮の洗浄を効果的に行うことができると共に、体の洗浄を行うときは通常水圧に容易に切り替え可能にして、通常通りに使用するシャワーヘッドを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を解決するため、本発明の頭皮洗浄シャワーの実施態様によれば、内部に細孔を有して水を噴出する複数のブラシ状ノズルを有し、前記ノズル及び吐水を直接、頭皮に当接して頭皮を洗浄するシャワーヘッドにおいて、前記シャワーヘッドは更に、吐水側の外周にオスネジ部を有するシャワーヘッド筐体と、前記複数のブラシ状ノズルを一体に保持するブラシ部と、内側が前記オスネジ部と螺合するメスネジ部となった環状ホルダとを備え、頭皮を洗浄する際は、前記ブラシ部を前記オスネジ部と前記環状ホルダの間に挿入し、前記オスネジ部と前記環状ホルダのメスネジ部とを螺合することで前記ブラシ部を前記シャワーヘッドに固定する。
【0008】
更にシャワーとして通常水圧、通常水量を吐出する細孔を有するスクリーンを備え、通常の洗浄の際は、前記スクリーンを前記オスネジ部と前記環状ホルダの間に挿入して、前記オスネジ部と前記環状ホルダのメスネジ部とを螺合することで前記スクリーンを前記シャワーヘッドに固定する。
【0009】
なお、前記ブラシ部の細孔の数及び径は、前記スクリーンの細孔の数及び径よりも少なくかつ小さくして、高圧の水を吐出することが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
以上から電動ポンプを動力源とするような特別な装置を必要とせずに、高水圧のシャワー水により効果的に頭皮を洗浄できる。また通常水圧のシャワー水に簡単に切り替えられることで、体の洗浄も通常通りにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【実施例1】
【0011】
図1a、1bは頭皮洗浄シャワーヘッド1の外観を示し、図1aはその正面図を示し、図1bは側面図を示す。図2は該シャワーヘッド1の分解図で、図2aは頭皮洗浄時のシャワーヘッド1の分解図、図2bは通常洗浄時のシャワーヘッド1の分解図である。
【0012】
シャワーヘッド1は、基本的にシャワーヘッド上部筐体2と、シャワーヘッド中部筐体3とからなり、上部筐体2の一端と中部筐体3とをパッキン8を介して螺合接続し、中部筐体3はパッキン9を介してシャワーホースと接続する。中部筐体3の内部は空洞で、その内部に例えば水道水の塩素分を除去し、頭髪を保護する成分を含有するカートリッジ10を挿入する。
【0013】
ブラシ部4は複数のブラシ状ノズル41と、ブラシ保持部42とからなる。それぞれのブラシ状ノズル41はシリコンゴムなどの柔軟な素材で成形し、その共通基盤(図示せず)を介してブラシ保持部42に一体に固定する。それぞれのブラシ状ノズル41(およびブラシ保持部42)には内部を貫通する細穴(図示せず)が設けられていてシャワー水を通し、その先端からシャワー水を吐出する。
【0014】
シャワーヘッド上部筐体2の他端、すなわち吐水側の外周部はオスネジ部21となっている。ここで頭皮洗浄時には、ブラシ部4をオスネジ部21に嵌め込み、その上から、内側がオスネジ部21と螺合するメスネジとなった環状ホルダ7をオスネジ部21と螺合することで、ブラシ部4をシャワーヘッド上部筐体2に固定する(図2a)。
【0015】
一方、通常洗浄時には、オスネジ部21にパッキン6を介して通常の吐水スクリーン5を嵌め込み、その上から上記環状ホルダ7をオスネジ部21と螺合することで、吐水スクリーン5をシャワーヘッド1に固定する(図2b)。
【0016】
すなわちシャワー水は、シャワーホースからシャワーヘッド中部筐体3内のカートリッジ10を通過し、上部筐体2を経て、頭皮洗浄時にはブラシ部4から、通常の洗浄時には通常のスクリーン5から吐出される。
【0017】
ここでブラシ部4の細孔の数及び径は、通常の洗浄時のスクリーン5に比べて少なくかつ小さくなっている。すなわちブラシ部4を取付けて頭皮を洗浄する際は、ブラシ状ノズル41の先端からは、通常洗浄時に比べて強力な水圧の水が吐出される。
【0018】
すなわちブラシ状ノズル41を直接、頭皮に当接し、強力な水圧のシャワー水で洗浄することで、濡れた頭髪や水膜に阻まれずに、頭皮の毛穴の皮脂や汚れを効果的に除去することができる。
【0019】
一方、通常の洗浄時は、ブラシ部4を取付けたままシャワー水を吐出してもよいが、ブラシ部4の吐出水は高圧であって、通常の洗浄には使い勝手が悪く、不快感を生じやすい。水量を少なくして水圧を落とすと、利用者は物足らなさを感じる。そこの通常の洗浄時には、ホルダ7を逆回転させてブラシ部4を取り外し、代わりに通常のスクリーン5を取り付け、ホルダ7をオスネジ部21と螺合させることで、スクリーン5を固定する。
【0020】
すなわち通常の洗浄時には、通常のスクリーン5を通して、通常の水圧と水量でシャワーを浴びることができ、利用者は不快感や物足りなさを感じることはない。
【0021】
以上のように本発明のシャワーヘッド1により、頭皮洗浄時はブラシ部4を取付けることで、ブラシ状ノズル21から噴出する高圧水を直接、頭皮に当接して頭皮の洗浄を効果的に行うことができると共に、通常の洗浄時にはスクリーン5を取付けて通常の水圧、水量でシャワーを利用できる。更に、ブラシ部4とスクリーン5の着脱、取替えは簡単に行うことができるので、頭皮洗浄と通常洗浄を適切かつ迅速に行うことができる。
【0022】
更にシャワー水を中部筐体3内のカートリッジ10を通過させて塩素分を除去し、頭髪を保護する成分を賦与することで、頭皮、頭髪の総合的なケアが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1a】 本発明の実施例の頭皮洗浄シャワーヘッドの外観を示し、図1aはその正面図、である。
【図1b】 その側面図である。
【図2a】 本発明の実施例の頭皮洗浄シャワーヘッドの分解図で、図2aはブラシ部4を取付けて頭皮洗浄する際の分解図、である。
【図2b】 スクリーン5を取付けて通常の洗浄をする際の分解図である。
【符号の説明】
【0024】
1 シャワーヘッド
2 シャワーヘッド上部筐体
3 シャワーヘッド中部筐体
4 ブラシ部
41 ブラシ状ノズル
42 ブラシ保持部
5 スクリーン
6 パッキン
7 環状ホルダ
8 パッキン
9 パッキン
10 カートリッジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に細孔を有して水を噴出する複数のブラシ状ノズルを有し、前記ノズル及び吐水を直接、頭皮に当接して頭皮を洗浄するシャワーヘッドにおいて、
前記シャワーヘッドは更に、
吐水側の外周にオスネジ部を有するシャワーヘッド筐体と、
前記複数のブラシ状ノズルを一体に保持するブラシ部と、
内側が前記オスネジ部と螺合するメスネジ部となった環状ホルダとを備え、
頭皮を洗浄する際は、前記ブラシ部を前記オスネジ部と前記環状ホルダの間に挿入し、前記オスネジ部と前記環状ホルダのメスネジ部とを螺合することで前記ブラシ部を前記シャワーヘッドに固定することを特徴とする頭皮洗浄シャワーヘッド。
【請求項2】
更にシャワーとして通常水圧、通常水量を吐出する細孔を有するスクリーンを備え、
通常洗浄時は、前記スクリーンを前記オスネジ部と前記環状ホルダの間に挿入して、前記オスネジ部と前記環状ホルダのメスネジ部とを螺合することで前記スクリーンを前記シャワーヘッドに固定することを特徴とする請求項1の前記頭皮洗浄シャワーヘッド。
【請求項3】
前記ブラシ部の細孔の数及び径は、前記スクリーンの細孔の数及び径よりも少なくかつ小さく、高圧の水を吐出することを特徴とする請求項1ないし2の前記頭皮洗浄シャワーヘッド。

【図1a】
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【図1b】
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【図2a】
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【図2b】
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【公開番号】特開2007−185462(P2007−185462A)
【公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−31620(P2006−31620)
【出願日】平成18年1月13日(2006.1.13)
【出願人】(506045299)
【Fターム(参考)】