頭部用バンド
【課題】頭蓋骨の矯正を容易且つ効果的に行うことができ、装着した状態での行動の制限を極力発生させない頭部用バンドを提供する。
【解決手段】この頭部用バンドの各第1構成部分10及び第2構成部分20は、各第1構成部分10の間を構成する第3構成部分30と、各第1構成部分10と第2構成部分20との間を構成する第4構成部分40と比較し、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が1/2以下である。このため、第3構成部分30及び各第4構成部分40が頭部1を内側に向かって押す力と比較し、各第1構成部分10及び第2構成部分20がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。
【解決手段】この頭部用バンドの各第1構成部分10及び第2構成部分20は、各第1構成部分10の間を構成する第3構成部分30と、各第1構成部分10と第2構成部分20との間を構成する第4構成部分40と比較し、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が1/2以下である。このため、第3構成部分30及び各第4構成部分40が頭部1を内側に向かって押す力と比較し、各第1構成部分10及び第2構成部分20がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭蓋骨のずれの補正や集中力の向上等のために頭部に装着する頭部用バンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭蓋骨は15種23個の骨の連結により形成されており、また、頭蓋骨を構成する各骨の間は縫合という骨間結合組織(繊維状組織)で結合されており、各骨の間は縫合を介してわずかに動くようになっている。
【0003】
縫合部が各骨間の動きを許容するようになっているので、頭蓋骨は、頭部に強い外力が加わった際に各骨間に動きをもたせることができ、加わった外力を分散させる機能や、脳圧を一定に保つために頭蓋骨の拡縮を許容し、脳内における血液や脳脊髄液の循環をスムーズに行わせる機能を有している。
【0004】
このため、この縫合にずれ(ゆがみ)が生じたり、縫合部の動きが悪くなると、頭蓋骨の前記動きがスムーズでなくなり、脳内における血液や脳脊髄液の循環もスムーズでなくなり、血管や神経の圧迫が生じ、体調不良を引き起こす場合がある。特に、脳脊髄液の循環異常は頭蓋内圧上昇の原因の1つと言われており、頭痛、嘔吐、痙攣、除脈、精神症状、視神経乳頭の浮腫・鬱血、外転神経麻痺などを引き起こす要因として指摘されている。
【0005】
また、脳内の血管が圧迫されると、脳内の虚血が生ずるとともに脳の働きが悪くなり、思考力、集中力等が低下する。さらに、虚血が特定の部位で生ずると、上記疾患以外にも注意欠陥・多動性障害等を引き起こす。
【0006】
さらに、縫合のずれは欠陥だけではなく、神経圧迫も引き起こすため、特に中枢神経系の機能低下が発生し易くなる。
【0007】
このように、頭蓋骨の縫合のずれは、軽い頭痛から重大な疾患まで関係があり、また、思考力や集中力の低下にも関係がある。
【0008】
現在では、頭蓋骨の縫合のずれを補正する方法としては、頭蓋療法、頭蓋仙骨療法、矯正法等があるが、これらは整体師等の専門家の施術を必要とするので、通院の手間や費用がかかる。重大な疾患に関する場合は費用や手間をかけても専門家の施術を受ける事が必要になるが、頭痛等の比較的軽い疾患の場合や、思考力や集中力が少し低下していると感じるだけの場合は、専門家の施術を受ける人は少ない。
【0009】
また、専門家の施術を要さずに頭蓋骨の矯正をする矯正器具として、頭部の周囲を囲む剛体の円形リングと、円形リングに互いに周方向に間隔をおいて螺合された複数のネジと、各ネジの一端に取付けられた押当て具と、各ネジの他端に取付けられたツマミとを備え、円形リングを頭部の外周面側に配置するとともに、ツマミを用いて各ネジを締込むことにより、各ネジの押当て具を頭蓋骨における前頭骨、後頭骨及び左右の側頭骨に押当てるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−117663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、前記矯正器具では、使用者が自らツマミによって各ネジを締込むことにより、各ネジの押当て具を頭蓋骨における前頭骨、後頭骨及び左右の側頭骨に押当てるようにしているが、素人にとって各ネジの締込み量を頭蓋骨の矯正に効果的な量に設定することは難しい。
【0012】
また、前記矯正器具では、頭部の周囲を囲む剛体の円形リングと、円形リングに互いに周方向に間隔をおいて螺合された複数のネジと、各ネジの一端に取付けられた押当て具と、各ネジの他端に取付けられたツマミとを備えているので、矯正器具が仰々しく、装着した状態で頭を枕に載せることもできなくなり、装着した状態での行動が大きく制限される。
【0013】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、頭蓋骨の矯正を容易且つ効果的に行うことができ、装着した状態での行動の制限を極力発生させない頭部用バンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は前記目的を達成するために、頭蓋骨における左右一対のテリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部と、後頭骨とを、頭部内側に向かって押すように頭部に装着可能な頭部用バンドであって、それぞれバンド長さ方向における所定範囲を構成し、各テリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部を頭部内側に向かって押すための左右一対の第1構成部分と、バンド長さ方向における所定範囲を構成し、後頭骨を頭部内側に向かって押すための第2構成部分と、バンド長さ方向における各第1構成部分の間を構成する弾性伸長可能な第3構成部分と、バンド長さ方向における各第1構成部分と第2構成部分との間を構成する左右一対の弾性伸長可能な第4構成部分とを備え、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際に、第1及び第2構成部分のバンド長さ方向の伸長率が、第3及び各第4構成部分のバンド長さ方向の伸長率の1/2以下となるように構成されている。
【0015】
このように、各第1構成部分及び第2構成部分は、各第1構成部分の間を構成する第3構成部分と、各第1構成部分と第2構成部分との間を構成する第4構成部分と比較し、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が1/2以下である。このため、第3構成部分及び各第4構成部分が頭部を内側に向かって押す力と比較し、各第1構成部分及び第2構成部分がテリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。即ち、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を効率的に押すことができる。また、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すことは、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力を向上させる効果が期待できるものである。
【0016】
また、本発明は、頭蓋骨における左右一対のテリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部と、後頭骨とを、頭部内側に向かって押すように頭部に装着可能な頭部用バンドであって、バンド長さ方向の3箇所が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が5%以上となるように弾性伸長可能な伸縮部から構成されるとともに、バンド長さ方向における各伸縮部間が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が前記伸長率の1/2以下となる押圧部から構成されている。
【0017】
このように、バンド長さ方向の3箇所の伸縮部が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が5%以上となるように弾性伸長可能であり、バンド長さ方向の3箇所の押圧部が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が伸縮部に比べて1/2以下であることから、各押圧部がテリオン縫合部及び後頭部を押すように該頭部用バンドを装着すると、各伸縮部が頭部を内側に向かって押す力と比較し、各押圧部がテリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。即ち、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を効率的に押すことができる。また、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すことは、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力を向上させる効果が期待できるものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の頭部用バンドによれば、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力は、弾性伸長可能な第3構成部分、各第4構成部分及び伸縮部が伸長した際の復元力によって生ずるので、素人でも頭蓋骨の矯正を容易且つ効果的に行うことができ、また、思考力や集中力を向上させる効果が期待できる。さらに、円環状のバンドの一部を用いて、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を効率的に発生させることができるので、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を発生させるための装置等を別途設ける必要がなく、装着した状態での行動の制限が発生し難い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態を示す頭部用バンドの正面斜視図
【図2】頭部用バンドの側方斜視図
【図3】頭部用バンドの背面斜視図
【図4】頭部用バンドの使用状態説明図
【図5】図1におけるA−A線断面図
【図6】図2におけるB−B線断面図
【図7】図2におけるC−C線断面図
【図8】図3におけるD−D線断面図
【図9】本発明の第2実施形態を示す頭部用バンドの側方斜視図
【図10】図9におけるE−E線断面図
【図11】図9におけるF−F線断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1実施形態の頭部用バンドを図1〜図8を参照しながら説明する。この頭部用バンドは、図1〜図4に示すように、押圧部としての左右一対の第1構成部分10と、押圧部としての第2構成部分20と、各第1構成部分10の間を構成する伸縮部としての第3構成部分30と、各第1構成部分10と第2構成部分20との間を構成する伸縮部としての左右一対の第4構成部分40とを備え、頭蓋骨における左右一対のテリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部と、ラムダ縫合部と、後頭骨とを、頭部外側から内側に向かって押すように、頭部1に装着されるものである。テリオン縫合部は、頭蓋骨における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨と側頭骨とが接合されているH形状の縫合部であり、ラムダ縫合部は、頭蓋骨における頭頂骨と後頭骨との縫合部である。
【0021】
第3構成部分30は頭部用バンドのバンド長さ方向の所定長さの範囲(例えば5〜12cmの範囲、好ましくは7〜10cmの範囲)を構成している。第3構成部分30は、図5に断面を示すように、頭部用バンドのバンド長さ方向に延びる帯状ゴム31と帯状ゴム31を覆う被覆布32とを有するゴム被覆ベルトから成る。該ゴム被覆ベルトは第3構成部分30、各第1構成部分10、各第4構成部分40、及び第2構成部分20の一部分の範囲に亘って延びている。即ち、第3構成部分30は該ゴム被覆ベルトの一部から成る。帯状ゴム31は、公知の天然ゴムや合成ゴム等のゴム状弾性を有する材料から成り、被覆布32は、例えばFTY(Filament Twisted Yarn)やCSY(Core Spun Yarn)と称される弾性糸を編んだ布から成る。FTYはポリウレタン弾性糸等のゴム状弾性を有する糸を長繊維で被覆した弾性糸であり、CSYはポリウレタン弾性糸等のゴム状弾性を有する糸を短繊維で被覆した弾性糸である。被覆布32は帯状ゴム31に縫合糸33を用いたジグザグ縫いによって縫合されており、縫合糸33を用いたジグザグ縫いはバンド長さ方向に延びるようにゴム被覆ベルトの長さ方向のほぼ全体に亘って設けられている。縫合糸33を用いたジグザグ縫いは、被覆布32の帯状ゴム31幅方向へのずれを規制し、帯状ゴム及び被覆布32のバンド長さ方向への伸びを許容する。尚、被覆布32をポリエステル等のゴム状弾性を有さない糸から構成することも可能であり、この場合は編み方によってバンド長さ方向に伸縮可能に形成することができる。
【0022】
各第4構成部分40はそれぞれ頭部用バンドのバンド長さ方向の所定長さの範囲(例えば3〜8cmの範囲、好ましくは4〜7cmの範囲)を構成している。本実施形態では、第4構成部分40は第3構成部分30と一体に構成され、即ち、第3構成部分30と同様に、帯状ゴム31と帯状ゴム31を覆う被覆布32とを有する前記ゴム被覆ベルトの一部から成る(図6参照)。
【0023】
各第1構成部分10はそれぞれ頭部用バンドのバンド長さ方向の所定範囲(例えば5〜12cmの範囲、好ましくは6〜10cmの範囲)を構成している。また、本実施形態では、各第1構成部分10は第3構成部分30と一体に構成され、即ち、第3構成部分30と同様に、帯状ゴム31と帯状ゴム31を覆う被覆布32とを有する前記ゴム被覆ベルトの一部から成り、さらに、バンド長さ方向に長手を有する長方形板状の伸び規制部材11を有する(図7参照)。
【0024】
第2構成部分20は頭部用バンドのバンド長さ方向の所定範囲(例えばバンド長さ方向の8〜20cmの範囲)を構成している。第2構成部分20は、例えばナイロンやポリエステル等の繊維を編んで成り、それぞれ一端が前記ゴム被覆ベルトの両端に縫合糸41によって縫合された左右一対のベルト21と、一対のベルト21の他端側同士を接続する長さ調整手段としての接続部材22とから成る。接続部材22は周知のラダーロックから成り、また、各ベルト21の他端は前記ゴム被覆ベルトの両端にそれぞれ縫合糸41によって縫合されている。各第1構成部分10、各第2構成部分20、第3構成部分30、各ベルト21及び接続部材22により、環状のバンド本体が形成されている。
【0025】
各ベルト21のうち一方のベルト21は接続部材22に所定の長さで固定され、他方のベルト21の長さは接続部材22によって調整可能である。このため、他方のベルト21の長さを接続部材22によって調整することにより、第2構成部分20のバンド長さ方向における前記所定範囲を例えば8〜20cmの範囲で調整することができる。尚、接続部材22を両方のベルト21の長さを調整可能に構成することも可能である。
【0026】
第2構成部分20は、例えばFTY(Filament Twisted Yarn)やCSY(Core Spun Yarn)等の弾性糸を編んだ布から成りバンド長さ方向に弾性伸長可能な左右一対の弾性紐23と、パッド24とを有する。パッド24は、図8に示すように、綿やポリエステルを編んだ布24bでクッション材24aを被覆して成る。パッド24は、頭部1の形状に沿うように全体として凹湾曲していることが好ましい(図8参照)。パッド24のクッション材24aは、発泡ウレタン等から成り数mmの厚みを有するスポンジ状部材や、綿や羽毛から成り数mmの厚みを有する布から成る。各弾性紐23の一端は前記ゴム被覆ベルトの両端にそれぞれ縫合糸41によって縫合され、各弾性紐23の他端はパッド24の左右の両端に縫合糸25によって縫合されている。尚、パッド24の全体を数mmの厚みを有する発泡ウレタン等のスポンジ状部材から形成することも可能であり、パッド24の全体を数mmの厚みを有する布から形成することも可能である。
【0027】
各第1構成部分10の伸び規制部材11は例えばシリコンから成る。各伸び規制部材11は幅方向の両端に外縁部11aを有し、外縁部11aは伸び規制部材11の長さ方向の全体に亘って設けられている。また、外縁部11aは伸び規制部材11の他の部分より薄く形成されている。各伸び規制部材11は前記環状のバンド本体を成すゴム被覆ベルトの外周面に取付けられ、詳しくは、縫合糸12によって各外縁部11aの長さ方向の全体がゴム被覆ベルトの帯状ゴム31及び被覆布32に縫合されることにより、各伸び規制部材11がゴム被覆ベルトの外周面に取付けられている(図7参照)。伸び規制部材11はゴム被覆ベルトよりもバンド長さ方向の弾性率が高いので、伸び規制部材11によって第1構成部分10のバンド長さ方向の弾性率が第3構成部分30及び各第4構成部分40よりも大きくなっている。
【0028】
本実施形態では、第3構成部分30及び各第4構成部分40は前記ゴム被覆ベルトのみから成る部分であり、弾性伸長可能であり、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が20%以上である。ここで、伸長率は、(10N引張時の長さ−無負荷時の長さ)/無負荷時の長さを100分率であらわしたものである。また、第1構成部分10は前記ゴム被覆ベルトに伸び規制部材11を取付けた部分であり、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が2%以下である。また、第2構成部分20は、一対のベルト21及び接続部材22から成る部分であり、縫合糸41によるゴム被覆ベルトとベルト21と弾性紐23との縫合部も第2構成部分20に含まれている。第2構成部分20は、接続部材22によって前記他方のベルト21が所定の長さに調整され、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合、伸長率が2%以下である。尚、弾性紐23の弾性率はゴム被覆ベルトよりも小さい。
【0029】
以上のように構成された頭部用バンドは、図4に示すように頭部1に装着される。頭部用バンドが頭部1に装着されると、図4に示すように、各第1構成部分10によって各テリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部が頭部内側に向かって押され、また、第2構成部分20によってラムダ縫合部及び後頭骨が頭部内側に向かって押される。
【0030】
ここで、各第1構成部分10及び第2構成部分20は、各第1構成部分10の間を構成する第3構成部分30と、各第1構成部分10と第2構成部分20との間を構成する第4構成部分40と比較し、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が1/10以下である。このため、第3構成部分30及び各第4構成部分40が頭部1を内側に向かって押す力と比較し、各第1構成部分10及び第2構成部分20がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。即ち、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に押すことができる。また、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すことや、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すことは、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力の向上効果が期待できる。
【0031】
このように、本実施形態によれば、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力は、弾性伸長可能な第3構成部分30及び各第4構成部分40が伸長した際の復元力によって生ずるので、素人でも頭蓋骨の矯正を容易且つ効果的に行うことができ、また、思考力や集中力を向上させる効果が期待できる。また、円環状のバンドの一部を用いて、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を効率的に発生させることができるので、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を発生させるための装置等を別途設ける必要がなく、装着した状態での行動の制限が発生し難い。
【0032】
また、本実施形態では、第3構成部分30及び各第4構成部分40が、バンド長さ方向に延びる帯状ゴム31と該帯状ゴム31を覆うバンド長さ方向に伸縮可能な被覆布32とを有するゴム被覆ベルトから構成されている。このように、摩擦係数の大きいゴムの表面が被覆布32によって覆われているので、頭部1に装着した際に、第3構成部分30及び各第4構成部分40との摩擦によって頭部の一部、例えば額の皮膚の一部に無用な引張力が加わることが防止され、また、第3構成部分30及び各第4構成部分40の伸長により発生した復元力が各第1構成部分10及び第2構成部分20に伝わる際の摩擦によるロスも低減することができ、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に押す上で有利である。
【0033】
また、前記被覆布32は、ゴム状弾性を有する糸を長繊維または短繊維で被覆した弾性糸を編んだ布から形成されている。ここで、ゴム状弾性を有する糸を長繊維または短繊維で被覆した弾性糸を編んだ布は、表面の摩擦係数が低く、バンド長さ方向に極めて軟らかく伸縮するので、頭部1に装着した際に、第3構成部分30及び各第4構成部分40によって頭部の一部、例えば額の皮膚の一部に無用な引張力が加わることが効果的に防止され、また、第3構成部分30及び各第4構成部分40の伸長により発生した復元力が各第1構成部分10及び第2構成部分20に伝わる際の摩擦によるロスも効果的に低減することができ、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に押す上で極めて有利である。
【0034】
また、第3構成部分30、各第1構成部分10及び各第4構成部分40が1本のゴム被覆ベルトを用いて一体に形成され、また、各第1構成部分10は、ゴム被覆ベルトにその長さ方向への伸びを規制するための伸び規制部材11を縫合することにより、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が第3及び各第4構成部分のバンド長さ方向の伸長率の1/10以下となるように構成されている。これに対し、第3構成部分と各第1構成部分と各第4構成部分とをそれぞれ別体で形成し、互いに縫合等によって接続する場合は、頭部1に装着した際に互いの接続部分が頭部1の表面に接触し、装着感が悪くなる場合があるが、第3構成部分30、各第1構成部分10及び各第4構成部分40が1本のゴム被覆ベルトを用いて一体に形成されているので、装着感を向上する上で有利である。
【0035】
また、伸び規制部材11は、ゴム被覆ベルトにおける頭部1に接触しない面に縫合されているので、装着感を向上する上で有利である。
【0036】
また、第2構成部分20に、第2構成部分20のバンド長さ方向の長さを調整可能な接続部材22を設けたので、頭部1のサイズに応じてバンド長さを調整可能である。また、第2構成部分20のバンド長さを調整することにより、第3構成部分30及び各第4構成部分40の伸長量が調整される。このため、第2構成部分20のバンド長さを調整するだけで、各第1構成部分10及び第2構成部分20によってテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を調整することができる。尚、本実施形態では第2構成部分20の長さを調整可能に構成したが、第1構成部分10の長さを調整可能に構成することも可能であり、この場合でも同様の作用効果が達成される。
【0037】
また、第2構成部分20の長さを調整可能な接続部材22はラダーロックから成るので、図3において斜線付き矢印の方向に他方のベルトを引っ張るだけで、第2構成部分20の長さを短くすることができる。従って、頭部1に装着した状態で第3構成部分30及び各第4構成部分40の伸長量を容易且つ正確に調整することができるので、各第1構成部分10及び第2構成部分20によってテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を適切に調整する上で極めて有利である。
【0038】
また、この頭部用バンドを装着した際に、第2構成部分20の接続部材22と頭部1との間にパッド24が配置され、接続部材22と頭部1とが接触しないので、第3構成部分30及び各第4構成部分40の伸長量を多目に設定しても、接続部分22が頭部1に押付けられることによる痛みを生ずることがない。
【0039】
また、パッド24は左右一対の弾性紐23に接続され、各弾性紐23の一端はゴム被覆ベルトの両端にそれぞれ縫合されている。このため、頭部用バンドを頭部1に装着する際に、パッド24を接続部材22と頭部1との間に容易に配置することができる。また、パッド24は左右一対の弾性紐23によって支持されており、弾性紐23はバンド長さ方向に弾性伸長可能であることから、第2構成部分20の長さ調整を阻害しない。
【0040】
また、本実施形態の頭部用バンドは、バンド長さ方向の3箇所を、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が20%以上となるように弾性伸長可能な伸縮部(第3構成部分30及び各第4構成部分40)から構成するとともに、バンド長さ方向における各伸縮部間を、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が前記伸長率の1/10以下となる押圧部(各第1構成部分10及び第2構成部分20)から構成している。このため、各押圧部がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭部を押すように該頭部用バンドを装着すると、各伸縮部が頭部を内側に向かって押す力と比較し、各押圧部がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。即ち、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に押すことができる。また、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すことは、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力を向上させる効果が期待できるものである。
【0041】
尚、本実施形態の第3構成部分30及び各第4構成部分40は、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が20%以上となるように構成され、各第1構成部分10及び第2構成部分20は、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が第3及び第4構成部分30,40と比較して1/10以下であるものを示した。これに対し、本実施形態の第3構成部分30及び各第4構成部分40が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が5%以上となるように構成され、各第1構成部分10及び第2構成部分20が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が第3及び第4構成部分30,40と比較して1/2以下となるように構成されていれば、前述と同様の作用効果を達成可能である。尚、第3構成部分30及び各第4構成部分40の10Nの引張力による伸長率は10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。また、各第1構成部分10及び第2構成部分20の第3構成部分30及び各第4構成部分40に対する10Nの引張力による伸長率の割合は、1/5以下であることが好ましく、1/10以下であることがより好ましい。
【0042】
尚、本実施形態において、第1構成部分10及び第2構成部分20のバンド長さ方向の一部に弾性伸長可能な部分を設けることも可能である。この場合でも、第1構成部分10及び第2構成部分20の10Nの引張力による伸長率の割合が前記の範囲内であれば、前述と同様の作用効果が達成される。
【0043】
尚、本実施形態において、第2構成部分20を各第1構成部分10と同様に構成することも可能である。即ち、ゴム被覆ベルト自体をリング状に形成し、各第1構成部分10の伸びをそれぞれ伸び規制部材11によって規制し、第2構成部分20の伸びも第1構成部分10と同様に伸び規制部材11によって規制することが可能である。この場合、バンド長さの調整は出来ないが、バンド長さを予め使用者のサイズに応じて複数種類準備しておくこと等が可能であり、また、このように構成しても、各第1構成部分10及び第2構成部分20によってテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。
【0044】
尚、本実施形態では、伸び規制部材11を長方形板状のシリコンから形成したものを示した。これに対し、伸び規制部材11を長方形板状の布から形成することも可能であり、その他の部材から形成することも可能である。
【0045】
尚、本実施形態では、ラダーロック等の接続部材22を用いて第2構成部分20の長さを調整するものを示したが、ラダーロックの代わりにバックルを用いることも可能である。また、ベルト21の厚さ方向の面に面ファスナーを設け、該面ファスナーを用いて第2構成部分20の長さを調整することも可能である。
【0046】
尚、本実施形態では、第2構成部分20によってラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すように構成しているが、第2構成部分20によって後頭骨のみを頭部内側に向かって押すように構成する場合でも、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力の向上効果が期待できる。
【0047】
本発明の第2実施形態の頭部用バンドを図9〜図11を参照しながら説明する。この頭部用バンドは第1実施形態の頭部用バンドに2つのエアバッグ50を追加したものである。
【0048】
各エアバッグ50は、図10及び図11に示すように、ゴム被覆ベルト内に配置され、詳しくは、ゴム被覆ベルトの帯状ゴム31の内周面と被覆布32との間に配置されている。各エアバッグ50は第3構成部分30、各第1構成部分10及び各第4構成部分40に亘ってバンド長さ方向に延びる筒状に形成されている。即ち、各エアバッグ50は第3構成部分30、各第1構成部分10及び各第4構成部分40に対応するゴム被覆ベルトの内周面側に設けられている。各エアバッグ50は天然ゴム、合成ゴム等のゴム状弾性を有する材料から成り、内部の空気量を調整することにより、各エアバッグ50がゴム被覆ベルトの内周面(バンド内周面)を拡縮させるようになっている。各エアバッグ50は可撓性を有する管(図示せず)を介して公知の電動エアポンプ(図示せず)に接続されている。また、電動エアポンプは、各エアバッグ内の空気量を所定時間サイクル(例えば数秒〜数分のサイクル)で増加及び減少させるようになっている。
【0049】
ここで、本実施形態では、各第1構成部分10及び第2構成部分20は、各第1構成部分10の間を構成する第3構成部分30と、各第1構成部分10と第2構成部分20との間を構成する第4構成部分40と比較し、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が1/10以下である。このため、第3構成部分30及び各第4構成部分40が頭部1を内側に向かって押す力と比較し、各第1構成部分10及び第2構成部分20がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。このため、各エアバッグ50を膨張させてゴム被覆ベルトの内周面を縮径する際も、第3構成部分30及び各第4構成部分40が頭部1を内側に向かって押す力と比較し、各第1構成部分10及び第2構成部分20がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなる。即ち、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨をより効率的に押すことができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、ゴム被覆ベルトの内周面が所定時間サイクルで拡縮するようになっているので、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的にマッサージすることができる。ここで、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すマッサージを行うことは、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力の向上効果が期待でき、さらには、使用者をリラックスさせる効果もある。
【0051】
尚、第2実施形態において、各エアバッグ50を設ける代わりに、ゴム被覆ベルトの被覆布32を非通気性で伸縮性を有する布材やゴムシートから形成し、被覆布32の全体に各エアバッグ50と同様の機能を持たせることも可能である。この場合、被覆布32内が可撓性を有する管(図示せず)を介して公知の電動エアポンプ(図示せず)に接続され、電動エアポンプによって被覆布32内の空気量を調整することにより、ゴム被覆ベルトの内周面が拡縮する。
【0052】
また、第2実施形態において、第2構成部分20を各第1構成部分10と同様に構成することも可能である。即ち、ゴム被覆ベルト自体をリング状に形成し、各第1構成部分10の伸びをそれぞれ伸び規制部材11によって規制し、第2構成部分20の伸びも第1構成部分10と同様に伸び規制部材11によって規制することが可能である。この場合、各エアバッグ50をリング状のゴム被覆ベルトの全周に亘って設けることも可能である。各エアバッグ50を全周に亘って設ける場合は、ゴム被覆ベルトの内周面が全周に亘って拡縮するようになる。
【0053】
また、各第1構成部分10、第2構成部分20、第3構成部分30及び各第4構成部分40の少なくとも何れか1つのバンド内周面が拡縮するように構成した場合でも、前述と同様のマッサージ効果が得られる。
【符号の説明】
【0054】
1…頭部、10…第1構成部分、11…伸び規制部材、11a…外縁部、12…縫合糸、20…第2構成部分、21…ベルト、22…接続部材、23…弾性紐、24…パッド、24a…クッション材、24b…布、25…縫合糸、30…第3構成部分、31…帯状ゴム、32…被覆部材、33…縫合糸、40…第4部分、41…縫合糸、50…エアバッグ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭蓋骨のずれの補正や集中力の向上等のために頭部に装着する頭部用バンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
頭蓋骨は15種23個の骨の連結により形成されており、また、頭蓋骨を構成する各骨の間は縫合という骨間結合組織(繊維状組織)で結合されており、各骨の間は縫合を介してわずかに動くようになっている。
【0003】
縫合部が各骨間の動きを許容するようになっているので、頭蓋骨は、頭部に強い外力が加わった際に各骨間に動きをもたせることができ、加わった外力を分散させる機能や、脳圧を一定に保つために頭蓋骨の拡縮を許容し、脳内における血液や脳脊髄液の循環をスムーズに行わせる機能を有している。
【0004】
このため、この縫合にずれ(ゆがみ)が生じたり、縫合部の動きが悪くなると、頭蓋骨の前記動きがスムーズでなくなり、脳内における血液や脳脊髄液の循環もスムーズでなくなり、血管や神経の圧迫が生じ、体調不良を引き起こす場合がある。特に、脳脊髄液の循環異常は頭蓋内圧上昇の原因の1つと言われており、頭痛、嘔吐、痙攣、除脈、精神症状、視神経乳頭の浮腫・鬱血、外転神経麻痺などを引き起こす要因として指摘されている。
【0005】
また、脳内の血管が圧迫されると、脳内の虚血が生ずるとともに脳の働きが悪くなり、思考力、集中力等が低下する。さらに、虚血が特定の部位で生ずると、上記疾患以外にも注意欠陥・多動性障害等を引き起こす。
【0006】
さらに、縫合のずれは欠陥だけではなく、神経圧迫も引き起こすため、特に中枢神経系の機能低下が発生し易くなる。
【0007】
このように、頭蓋骨の縫合のずれは、軽い頭痛から重大な疾患まで関係があり、また、思考力や集中力の低下にも関係がある。
【0008】
現在では、頭蓋骨の縫合のずれを補正する方法としては、頭蓋療法、頭蓋仙骨療法、矯正法等があるが、これらは整体師等の専門家の施術を必要とするので、通院の手間や費用がかかる。重大な疾患に関する場合は費用や手間をかけても専門家の施術を受ける事が必要になるが、頭痛等の比較的軽い疾患の場合や、思考力や集中力が少し低下していると感じるだけの場合は、専門家の施術を受ける人は少ない。
【0009】
また、専門家の施術を要さずに頭蓋骨の矯正をする矯正器具として、頭部の周囲を囲む剛体の円形リングと、円形リングに互いに周方向に間隔をおいて螺合された複数のネジと、各ネジの一端に取付けられた押当て具と、各ネジの他端に取付けられたツマミとを備え、円形リングを頭部の外周面側に配置するとともに、ツマミを用いて各ネジを締込むことにより、各ネジの押当て具を頭蓋骨における前頭骨、後頭骨及び左右の側頭骨に押当てるものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2007−117663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ところで、前記矯正器具では、使用者が自らツマミによって各ネジを締込むことにより、各ネジの押当て具を頭蓋骨における前頭骨、後頭骨及び左右の側頭骨に押当てるようにしているが、素人にとって各ネジの締込み量を頭蓋骨の矯正に効果的な量に設定することは難しい。
【0012】
また、前記矯正器具では、頭部の周囲を囲む剛体の円形リングと、円形リングに互いに周方向に間隔をおいて螺合された複数のネジと、各ネジの一端に取付けられた押当て具と、各ネジの他端に取付けられたツマミとを備えているので、矯正器具が仰々しく、装着した状態で頭を枕に載せることもできなくなり、装着した状態での行動が大きく制限される。
【0013】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、頭蓋骨の矯正を容易且つ効果的に行うことができ、装着した状態での行動の制限を極力発生させない頭部用バンドを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は前記目的を達成するために、頭蓋骨における左右一対のテリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部と、後頭骨とを、頭部内側に向かって押すように頭部に装着可能な頭部用バンドであって、それぞれバンド長さ方向における所定範囲を構成し、各テリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部を頭部内側に向かって押すための左右一対の第1構成部分と、バンド長さ方向における所定範囲を構成し、後頭骨を頭部内側に向かって押すための第2構成部分と、バンド長さ方向における各第1構成部分の間を構成する弾性伸長可能な第3構成部分と、バンド長さ方向における各第1構成部分と第2構成部分との間を構成する左右一対の弾性伸長可能な第4構成部分とを備え、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際に、第1及び第2構成部分のバンド長さ方向の伸長率が、第3及び各第4構成部分のバンド長さ方向の伸長率の1/2以下となるように構成されている。
【0015】
このように、各第1構成部分及び第2構成部分は、各第1構成部分の間を構成する第3構成部分と、各第1構成部分と第2構成部分との間を構成する第4構成部分と比較し、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が1/2以下である。このため、第3構成部分及び各第4構成部分が頭部を内側に向かって押す力と比較し、各第1構成部分及び第2構成部分がテリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。即ち、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を効率的に押すことができる。また、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すことは、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力を向上させる効果が期待できるものである。
【0016】
また、本発明は、頭蓋骨における左右一対のテリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部と、後頭骨とを、頭部内側に向かって押すように頭部に装着可能な頭部用バンドであって、バンド長さ方向の3箇所が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が5%以上となるように弾性伸長可能な伸縮部から構成されるとともに、バンド長さ方向における各伸縮部間が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が前記伸長率の1/2以下となる押圧部から構成されている。
【0017】
このように、バンド長さ方向の3箇所の伸縮部が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が5%以上となるように弾性伸長可能であり、バンド長さ方向の3箇所の押圧部が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が伸縮部に比べて1/2以下であることから、各押圧部がテリオン縫合部及び後頭部を押すように該頭部用バンドを装着すると、各伸縮部が頭部を内側に向かって押す力と比較し、各押圧部がテリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。即ち、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を効率的に押すことができる。また、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すことは、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力を向上させる効果が期待できるものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明の頭部用バンドによれば、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力は、弾性伸長可能な第3構成部分、各第4構成部分及び伸縮部が伸長した際の復元力によって生ずるので、素人でも頭蓋骨の矯正を容易且つ効果的に行うことができ、また、思考力や集中力を向上させる効果が期待できる。さらに、円環状のバンドの一部を用いて、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を効率的に発生させることができるので、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を発生させるための装置等を別途設ける必要がなく、装着した状態での行動の制限が発生し難い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態を示す頭部用バンドの正面斜視図
【図2】頭部用バンドの側方斜視図
【図3】頭部用バンドの背面斜視図
【図4】頭部用バンドの使用状態説明図
【図5】図1におけるA−A線断面図
【図6】図2におけるB−B線断面図
【図7】図2におけるC−C線断面図
【図8】図3におけるD−D線断面図
【図9】本発明の第2実施形態を示す頭部用バンドの側方斜視図
【図10】図9におけるE−E線断面図
【図11】図9におけるF−F線断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1実施形態の頭部用バンドを図1〜図8を参照しながら説明する。この頭部用バンドは、図1〜図4に示すように、押圧部としての左右一対の第1構成部分10と、押圧部としての第2構成部分20と、各第1構成部分10の間を構成する伸縮部としての第3構成部分30と、各第1構成部分10と第2構成部分20との間を構成する伸縮部としての左右一対の第4構成部分40とを備え、頭蓋骨における左右一対のテリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部と、ラムダ縫合部と、後頭骨とを、頭部外側から内側に向かって押すように、頭部1に装着されるものである。テリオン縫合部は、頭蓋骨における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨と側頭骨とが接合されているH形状の縫合部であり、ラムダ縫合部は、頭蓋骨における頭頂骨と後頭骨との縫合部である。
【0021】
第3構成部分30は頭部用バンドのバンド長さ方向の所定長さの範囲(例えば5〜12cmの範囲、好ましくは7〜10cmの範囲)を構成している。第3構成部分30は、図5に断面を示すように、頭部用バンドのバンド長さ方向に延びる帯状ゴム31と帯状ゴム31を覆う被覆布32とを有するゴム被覆ベルトから成る。該ゴム被覆ベルトは第3構成部分30、各第1構成部分10、各第4構成部分40、及び第2構成部分20の一部分の範囲に亘って延びている。即ち、第3構成部分30は該ゴム被覆ベルトの一部から成る。帯状ゴム31は、公知の天然ゴムや合成ゴム等のゴム状弾性を有する材料から成り、被覆布32は、例えばFTY(Filament Twisted Yarn)やCSY(Core Spun Yarn)と称される弾性糸を編んだ布から成る。FTYはポリウレタン弾性糸等のゴム状弾性を有する糸を長繊維で被覆した弾性糸であり、CSYはポリウレタン弾性糸等のゴム状弾性を有する糸を短繊維で被覆した弾性糸である。被覆布32は帯状ゴム31に縫合糸33を用いたジグザグ縫いによって縫合されており、縫合糸33を用いたジグザグ縫いはバンド長さ方向に延びるようにゴム被覆ベルトの長さ方向のほぼ全体に亘って設けられている。縫合糸33を用いたジグザグ縫いは、被覆布32の帯状ゴム31幅方向へのずれを規制し、帯状ゴム及び被覆布32のバンド長さ方向への伸びを許容する。尚、被覆布32をポリエステル等のゴム状弾性を有さない糸から構成することも可能であり、この場合は編み方によってバンド長さ方向に伸縮可能に形成することができる。
【0022】
各第4構成部分40はそれぞれ頭部用バンドのバンド長さ方向の所定長さの範囲(例えば3〜8cmの範囲、好ましくは4〜7cmの範囲)を構成している。本実施形態では、第4構成部分40は第3構成部分30と一体に構成され、即ち、第3構成部分30と同様に、帯状ゴム31と帯状ゴム31を覆う被覆布32とを有する前記ゴム被覆ベルトの一部から成る(図6参照)。
【0023】
各第1構成部分10はそれぞれ頭部用バンドのバンド長さ方向の所定範囲(例えば5〜12cmの範囲、好ましくは6〜10cmの範囲)を構成している。また、本実施形態では、各第1構成部分10は第3構成部分30と一体に構成され、即ち、第3構成部分30と同様に、帯状ゴム31と帯状ゴム31を覆う被覆布32とを有する前記ゴム被覆ベルトの一部から成り、さらに、バンド長さ方向に長手を有する長方形板状の伸び規制部材11を有する(図7参照)。
【0024】
第2構成部分20は頭部用バンドのバンド長さ方向の所定範囲(例えばバンド長さ方向の8〜20cmの範囲)を構成している。第2構成部分20は、例えばナイロンやポリエステル等の繊維を編んで成り、それぞれ一端が前記ゴム被覆ベルトの両端に縫合糸41によって縫合された左右一対のベルト21と、一対のベルト21の他端側同士を接続する長さ調整手段としての接続部材22とから成る。接続部材22は周知のラダーロックから成り、また、各ベルト21の他端は前記ゴム被覆ベルトの両端にそれぞれ縫合糸41によって縫合されている。各第1構成部分10、各第2構成部分20、第3構成部分30、各ベルト21及び接続部材22により、環状のバンド本体が形成されている。
【0025】
各ベルト21のうち一方のベルト21は接続部材22に所定の長さで固定され、他方のベルト21の長さは接続部材22によって調整可能である。このため、他方のベルト21の長さを接続部材22によって調整することにより、第2構成部分20のバンド長さ方向における前記所定範囲を例えば8〜20cmの範囲で調整することができる。尚、接続部材22を両方のベルト21の長さを調整可能に構成することも可能である。
【0026】
第2構成部分20は、例えばFTY(Filament Twisted Yarn)やCSY(Core Spun Yarn)等の弾性糸を編んだ布から成りバンド長さ方向に弾性伸長可能な左右一対の弾性紐23と、パッド24とを有する。パッド24は、図8に示すように、綿やポリエステルを編んだ布24bでクッション材24aを被覆して成る。パッド24は、頭部1の形状に沿うように全体として凹湾曲していることが好ましい(図8参照)。パッド24のクッション材24aは、発泡ウレタン等から成り数mmの厚みを有するスポンジ状部材や、綿や羽毛から成り数mmの厚みを有する布から成る。各弾性紐23の一端は前記ゴム被覆ベルトの両端にそれぞれ縫合糸41によって縫合され、各弾性紐23の他端はパッド24の左右の両端に縫合糸25によって縫合されている。尚、パッド24の全体を数mmの厚みを有する発泡ウレタン等のスポンジ状部材から形成することも可能であり、パッド24の全体を数mmの厚みを有する布から形成することも可能である。
【0027】
各第1構成部分10の伸び規制部材11は例えばシリコンから成る。各伸び規制部材11は幅方向の両端に外縁部11aを有し、外縁部11aは伸び規制部材11の長さ方向の全体に亘って設けられている。また、外縁部11aは伸び規制部材11の他の部分より薄く形成されている。各伸び規制部材11は前記環状のバンド本体を成すゴム被覆ベルトの外周面に取付けられ、詳しくは、縫合糸12によって各外縁部11aの長さ方向の全体がゴム被覆ベルトの帯状ゴム31及び被覆布32に縫合されることにより、各伸び規制部材11がゴム被覆ベルトの外周面に取付けられている(図7参照)。伸び規制部材11はゴム被覆ベルトよりもバンド長さ方向の弾性率が高いので、伸び規制部材11によって第1構成部分10のバンド長さ方向の弾性率が第3構成部分30及び各第4構成部分40よりも大きくなっている。
【0028】
本実施形態では、第3構成部分30及び各第4構成部分40は前記ゴム被覆ベルトのみから成る部分であり、弾性伸長可能であり、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が20%以上である。ここで、伸長率は、(10N引張時の長さ−無負荷時の長さ)/無負荷時の長さを100分率であらわしたものである。また、第1構成部分10は前記ゴム被覆ベルトに伸び規制部材11を取付けた部分であり、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が2%以下である。また、第2構成部分20は、一対のベルト21及び接続部材22から成る部分であり、縫合糸41によるゴム被覆ベルトとベルト21と弾性紐23との縫合部も第2構成部分20に含まれている。第2構成部分20は、接続部材22によって前記他方のベルト21が所定の長さに調整され、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合、伸長率が2%以下である。尚、弾性紐23の弾性率はゴム被覆ベルトよりも小さい。
【0029】
以上のように構成された頭部用バンドは、図4に示すように頭部1に装着される。頭部用バンドが頭部1に装着されると、図4に示すように、各第1構成部分10によって各テリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部が頭部内側に向かって押され、また、第2構成部分20によってラムダ縫合部及び後頭骨が頭部内側に向かって押される。
【0030】
ここで、各第1構成部分10及び第2構成部分20は、各第1構成部分10の間を構成する第3構成部分30と、各第1構成部分10と第2構成部分20との間を構成する第4構成部分40と比較し、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が1/10以下である。このため、第3構成部分30及び各第4構成部分40が頭部1を内側に向かって押す力と比較し、各第1構成部分10及び第2構成部分20がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。即ち、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に押すことができる。また、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すことや、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すことは、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力の向上効果が期待できる。
【0031】
このように、本実施形態によれば、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力は、弾性伸長可能な第3構成部分30及び各第4構成部分40が伸長した際の復元力によって生ずるので、素人でも頭蓋骨の矯正を容易且つ効果的に行うことができ、また、思考力や集中力を向上させる効果が期待できる。また、円環状のバンドの一部を用いて、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を効率的に発生させることができるので、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を発生させるための装置等を別途設ける必要がなく、装着した状態での行動の制限が発生し難い。
【0032】
また、本実施形態では、第3構成部分30及び各第4構成部分40が、バンド長さ方向に延びる帯状ゴム31と該帯状ゴム31を覆うバンド長さ方向に伸縮可能な被覆布32とを有するゴム被覆ベルトから構成されている。このように、摩擦係数の大きいゴムの表面が被覆布32によって覆われているので、頭部1に装着した際に、第3構成部分30及び各第4構成部分40との摩擦によって頭部の一部、例えば額の皮膚の一部に無用な引張力が加わることが防止され、また、第3構成部分30及び各第4構成部分40の伸長により発生した復元力が各第1構成部分10及び第2構成部分20に伝わる際の摩擦によるロスも低減することができ、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に押す上で有利である。
【0033】
また、前記被覆布32は、ゴム状弾性を有する糸を長繊維または短繊維で被覆した弾性糸を編んだ布から形成されている。ここで、ゴム状弾性を有する糸を長繊維または短繊維で被覆した弾性糸を編んだ布は、表面の摩擦係数が低く、バンド長さ方向に極めて軟らかく伸縮するので、頭部1に装着した際に、第3構成部分30及び各第4構成部分40によって頭部の一部、例えば額の皮膚の一部に無用な引張力が加わることが効果的に防止され、また、第3構成部分30及び各第4構成部分40の伸長により発生した復元力が各第1構成部分10及び第2構成部分20に伝わる際の摩擦によるロスも効果的に低減することができ、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に押す上で極めて有利である。
【0034】
また、第3構成部分30、各第1構成部分10及び各第4構成部分40が1本のゴム被覆ベルトを用いて一体に形成され、また、各第1構成部分10は、ゴム被覆ベルトにその長さ方向への伸びを規制するための伸び規制部材11を縫合することにより、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が第3及び各第4構成部分のバンド長さ方向の伸長率の1/10以下となるように構成されている。これに対し、第3構成部分と各第1構成部分と各第4構成部分とをそれぞれ別体で形成し、互いに縫合等によって接続する場合は、頭部1に装着した際に互いの接続部分が頭部1の表面に接触し、装着感が悪くなる場合があるが、第3構成部分30、各第1構成部分10及び各第4構成部分40が1本のゴム被覆ベルトを用いて一体に形成されているので、装着感を向上する上で有利である。
【0035】
また、伸び規制部材11は、ゴム被覆ベルトにおける頭部1に接触しない面に縫合されているので、装着感を向上する上で有利である。
【0036】
また、第2構成部分20に、第2構成部分20のバンド長さ方向の長さを調整可能な接続部材22を設けたので、頭部1のサイズに応じてバンド長さを調整可能である。また、第2構成部分20のバンド長さを調整することにより、第3構成部分30及び各第4構成部分40の伸長量が調整される。このため、第2構成部分20のバンド長さを調整するだけで、各第1構成部分10及び第2構成部分20によってテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を調整することができる。尚、本実施形態では第2構成部分20の長さを調整可能に構成したが、第1構成部分10の長さを調整可能に構成することも可能であり、この場合でも同様の作用効果が達成される。
【0037】
また、第2構成部分20の長さを調整可能な接続部材22はラダーロックから成るので、図3において斜線付き矢印の方向に他方のベルトを引っ張るだけで、第2構成部分20の長さを短くすることができる。従って、頭部1に装着した状態で第3構成部分30及び各第4構成部分40の伸長量を容易且つ正確に調整することができるので、各第1構成部分10及び第2構成部分20によってテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力を適切に調整する上で極めて有利である。
【0038】
また、この頭部用バンドを装着した際に、第2構成部分20の接続部材22と頭部1との間にパッド24が配置され、接続部材22と頭部1とが接触しないので、第3構成部分30及び各第4構成部分40の伸長量を多目に設定しても、接続部分22が頭部1に押付けられることによる痛みを生ずることがない。
【0039】
また、パッド24は左右一対の弾性紐23に接続され、各弾性紐23の一端はゴム被覆ベルトの両端にそれぞれ縫合されている。このため、頭部用バンドを頭部1に装着する際に、パッド24を接続部材22と頭部1との間に容易に配置することができる。また、パッド24は左右一対の弾性紐23によって支持されており、弾性紐23はバンド長さ方向に弾性伸長可能であることから、第2構成部分20の長さ調整を阻害しない。
【0040】
また、本実施形態の頭部用バンドは、バンド長さ方向の3箇所を、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が20%以上となるように弾性伸長可能な伸縮部(第3構成部分30及び各第4構成部分40)から構成するとともに、バンド長さ方向における各伸縮部間を、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が前記伸長率の1/10以下となる押圧部(各第1構成部分10及び第2構成部分20)から構成している。このため、各押圧部がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭部を押すように該頭部用バンドを装着すると、各伸縮部が頭部を内側に向かって押す力と比較し、各押圧部がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。即ち、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に押すことができる。また、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すことは、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力を向上させる効果が期待できるものである。
【0041】
尚、本実施形態の第3構成部分30及び各第4構成部分40は、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が20%以上となるように構成され、各第1構成部分10及び第2構成部分20は、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が第3及び第4構成部分30,40と比較して1/10以下であるものを示した。これに対し、本実施形態の第3構成部分30及び各第4構成部分40が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が5%以上となるように構成され、各第1構成部分10及び第2構成部分20が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が第3及び第4構成部分30,40と比較して1/2以下となるように構成されていれば、前述と同様の作用効果を達成可能である。尚、第3構成部分30及び各第4構成部分40の10Nの引張力による伸長率は10%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。また、各第1構成部分10及び第2構成部分20の第3構成部分30及び各第4構成部分40に対する10Nの引張力による伸長率の割合は、1/5以下であることが好ましく、1/10以下であることがより好ましい。
【0042】
尚、本実施形態において、第1構成部分10及び第2構成部分20のバンド長さ方向の一部に弾性伸長可能な部分を設けることも可能である。この場合でも、第1構成部分10及び第2構成部分20の10Nの引張力による伸長率の割合が前記の範囲内であれば、前述と同様の作用効果が達成される。
【0043】
尚、本実施形態において、第2構成部分20を各第1構成部分10と同様に構成することも可能である。即ち、ゴム被覆ベルト自体をリング状に形成し、各第1構成部分10の伸びをそれぞれ伸び規制部材11によって規制し、第2構成部分20の伸びも第1構成部分10と同様に伸び規制部材11によって規制することが可能である。この場合、バンド長さの調整は出来ないが、バンド長さを予め使用者のサイズに応じて複数種類準備しておくこと等が可能であり、また、このように構成しても、各第1構成部分10及び第2構成部分20によってテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。
【0044】
尚、本実施形態では、伸び規制部材11を長方形板状のシリコンから形成したものを示した。これに対し、伸び規制部材11を長方形板状の布から形成することも可能であり、その他の部材から形成することも可能である。
【0045】
尚、本実施形態では、ラダーロック等の接続部材22を用いて第2構成部分20の長さを調整するものを示したが、ラダーロックの代わりにバックルを用いることも可能である。また、ベルト21の厚さ方向の面に面ファスナーを設け、該面ファスナーを用いて第2構成部分20の長さを調整することも可能である。
【0046】
尚、本実施形態では、第2構成部分20によってラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すように構成しているが、第2構成部分20によって後頭骨のみを頭部内側に向かって押すように構成する場合でも、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力の向上効果が期待できる。
【0047】
本発明の第2実施形態の頭部用バンドを図9〜図11を参照しながら説明する。この頭部用バンドは第1実施形態の頭部用バンドに2つのエアバッグ50を追加したものである。
【0048】
各エアバッグ50は、図10及び図11に示すように、ゴム被覆ベルト内に配置され、詳しくは、ゴム被覆ベルトの帯状ゴム31の内周面と被覆布32との間に配置されている。各エアバッグ50は第3構成部分30、各第1構成部分10及び各第4構成部分40に亘ってバンド長さ方向に延びる筒状に形成されている。即ち、各エアバッグ50は第3構成部分30、各第1構成部分10及び各第4構成部分40に対応するゴム被覆ベルトの内周面側に設けられている。各エアバッグ50は天然ゴム、合成ゴム等のゴム状弾性を有する材料から成り、内部の空気量を調整することにより、各エアバッグ50がゴム被覆ベルトの内周面(バンド内周面)を拡縮させるようになっている。各エアバッグ50は可撓性を有する管(図示せず)を介して公知の電動エアポンプ(図示せず)に接続されている。また、電動エアポンプは、各エアバッグ内の空気量を所定時間サイクル(例えば数秒〜数分のサイクル)で増加及び減少させるようになっている。
【0049】
ここで、本実施形態では、各第1構成部分10及び第2構成部分20は、各第1構成部分10の間を構成する第3構成部分30と、各第1構成部分10と第2構成部分20との間を構成する第4構成部分40と比較し、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた場合の伸長率が1/10以下である。このため、第3構成部分30及び各第4構成部分40が頭部1を内側に向かって押す力と比較し、各第1構成部分10及び第2構成部分20がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなり、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的に頭部内側に向かって押すことができる。このため、各エアバッグ50を膨張させてゴム被覆ベルトの内周面を縮径する際も、第3構成部分30及び各第4構成部分40が頭部1を内側に向かって押す力と比較し、各第1構成部分10及び第2構成部分20がテリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押す力が大きくなる。即ち、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨をより効率的に押すことができる。
【0050】
また、本実施形態によれば、ゴム被覆ベルトの内周面が所定時間サイクルで拡縮するようになっているので、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部、ラムダ縫合部及び後頭骨を効率的にマッサージすることができる。ここで、他の部分を無用に締め付けないように、テリオン縫合部及び後頭骨を頭部内側に向かって押すマッサージを行うことは、頭蓋骨の縫合のずれの補正や縫合部の動きの悪化の改善に効果があり、また、思考力や集中力の向上効果が期待でき、さらには、使用者をリラックスさせる効果もある。
【0051】
尚、第2実施形態において、各エアバッグ50を設ける代わりに、ゴム被覆ベルトの被覆布32を非通気性で伸縮性を有する布材やゴムシートから形成し、被覆布32の全体に各エアバッグ50と同様の機能を持たせることも可能である。この場合、被覆布32内が可撓性を有する管(図示せず)を介して公知の電動エアポンプ(図示せず)に接続され、電動エアポンプによって被覆布32内の空気量を調整することにより、ゴム被覆ベルトの内周面が拡縮する。
【0052】
また、第2実施形態において、第2構成部分20を各第1構成部分10と同様に構成することも可能である。即ち、ゴム被覆ベルト自体をリング状に形成し、各第1構成部分10の伸びをそれぞれ伸び規制部材11によって規制し、第2構成部分20の伸びも第1構成部分10と同様に伸び規制部材11によって規制することが可能である。この場合、各エアバッグ50をリング状のゴム被覆ベルトの全周に亘って設けることも可能である。各エアバッグ50を全周に亘って設ける場合は、ゴム被覆ベルトの内周面が全周に亘って拡縮するようになる。
【0053】
また、各第1構成部分10、第2構成部分20、第3構成部分30及び各第4構成部分40の少なくとも何れか1つのバンド内周面が拡縮するように構成した場合でも、前述と同様のマッサージ効果が得られる。
【符号の説明】
【0054】
1…頭部、10…第1構成部分、11…伸び規制部材、11a…外縁部、12…縫合糸、20…第2構成部分、21…ベルト、22…接続部材、23…弾性紐、24…パッド、24a…クッション材、24b…布、25…縫合糸、30…第3構成部分、31…帯状ゴム、32…被覆部材、33…縫合糸、40…第4部分、41…縫合糸、50…エアバッグ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭蓋骨における左右一対のテリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部と、後頭骨とを、頭部内側に向かって押すように頭部に装着可能な頭部用バンドであって、
それぞれバンド長さ方向における所定範囲を構成し、各テリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部を頭部内側に向かって押すための左右一対の第1構成部分と、
バンド長さ方向における所定範囲を構成し、後頭骨を頭部内側に向かって押すための第2構成部分と、
バンド長さ方向における各第1構成部分の間を構成する弾性伸長可能な第3構成部分と、
バンド長さ方向における各第1構成部分と第2構成部分との間を構成する左右一対の弾性伸長可能な第4構成部分とを備え、
バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際に、第1及び第2構成部分のバンド長さ方向の伸長率が、第3及び各第4構成部分のバンド長さ方向の伸長率の1/2以下となるように構成されている
ことを特徴とする頭部用バンド。
【請求項2】
前記第3構成部分及び各第4構成部分が、バンド長さ方向に延びる帯状ゴムと該帯状ゴムを覆う被覆布とを有するゴム被覆ベルトから構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の頭部用バンド。
【請求項3】
前記被覆布は、ゴム状弾性を有する糸を長繊維または短繊維で被覆した弾性糸を編んだ布から成る
ことを特徴とする請求項2に記載の頭部用バンド。
【請求項4】
前記第3構成部分、各第1構成部分及び各第4構成部分が1本のゴム被覆ベルトを用いて一体に形成され、
各第1構成部分は、ゴム被覆ベルトにそのバンド長さ方向への伸びを規制するための伸び規制部材を縫合することにより、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が第3及び各第4構成部分のバンド長さ方向の伸長率の1/2以下となるように構成されている
ことを特徴とする請求項2または3の何れかに記載の頭部用バンド。
【請求項5】
前記伸び規制部材は、ゴム被覆ベルトにおける頭部に接触しない面に縫合されている
ことを特徴とする請求項4に記載の頭部用バンド。
【請求項6】
前記各第1構成部分及び第2構成部分のうち少なくとも1つに、該構成部分のバンド長さ方向の長さを調整可能な長さ調整手段を設けた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5の何れかに記載の頭部用バンド。
【請求項7】
前記第3構成部分、各第1構成部分及び各第4構成部分が1本のゴム被覆ベルトを用いて一体に形成され、
各第1構成部分は、ゴム被覆ベルトにそのバンド長さ方向への伸びを規制するための伸び規制部材を縫合することにより、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が第3及び各第4構成部分のバンド長さ方向の伸長率の1/2以下となるように構成され、
前記第2構成部分が、ゴム被覆ベルトの両端にそれぞれ一端が連結された左右一対のベルトと、各ベルトの他端側同士を接続する接続部材とを有し、
接続部材は、各ベルトのうち少なくとも一方の長さを調整することにより、第2構成部分のバンド長さ方向の長さを調整可能に構成されている
ことを特徴とする請求項2または3の何れかに記載の頭部用バンド。
【請求項8】
頭部に装着された際に頭部と前期接続部材との間に配置されるパッドをさらに有する
ことを特徴とする請求項7に記載の頭部用バンド。
【請求項9】
前記各第1構成部分、第2構成部分、第3構成部分及び各第4構成部分の少なくとも何れか1つのバンド内周面が拡縮するように構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8の何れかに記載の頭部用バンド。
【請求項10】
頭蓋骨における左右一対のテリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部と、後頭骨とを、頭部内側に向かって押すように頭部に装着可能な頭部用バンドであって、
バンド長さ方向の3箇所が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が5%以上となるように弾性伸長可能な伸縮部から構成されるとともに、バンド長さ方向における各伸縮部間が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が前記伸長率の1/2以下となる押圧部から構成されている
ことを特徴とする頭部用バンド。
【請求項11】
前記各押圧部がそれぞれ、各テリオン縫合部及び後頭骨の何れか1つを頭部内側に向かって押すように構成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の頭部用バンド。
【請求項12】
前記各押圧部及び各伸縮部の少なくとも何れか1つのバンド内周面が拡縮するように構成した
ことを特徴とする請求項10または11の何れかに記載の頭部用バンド。
【請求項1】
頭蓋骨における左右一対のテリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部と、後頭骨とを、頭部内側に向かって押すように頭部に装着可能な頭部用バンドであって、
それぞれバンド長さ方向における所定範囲を構成し、各テリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部を頭部内側に向かって押すための左右一対の第1構成部分と、
バンド長さ方向における所定範囲を構成し、後頭骨を頭部内側に向かって押すための第2構成部分と、
バンド長さ方向における各第1構成部分の間を構成する弾性伸長可能な第3構成部分と、
バンド長さ方向における各第1構成部分と第2構成部分との間を構成する左右一対の弾性伸長可能な第4構成部分とを備え、
バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際に、第1及び第2構成部分のバンド長さ方向の伸長率が、第3及び各第4構成部分のバンド長さ方向の伸長率の1/2以下となるように構成されている
ことを特徴とする頭部用バンド。
【請求項2】
前記第3構成部分及び各第4構成部分が、バンド長さ方向に延びる帯状ゴムと該帯状ゴムを覆う被覆布とを有するゴム被覆ベルトから構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の頭部用バンド。
【請求項3】
前記被覆布は、ゴム状弾性を有する糸を長繊維または短繊維で被覆した弾性糸を編んだ布から成る
ことを特徴とする請求項2に記載の頭部用バンド。
【請求項4】
前記第3構成部分、各第1構成部分及び各第4構成部分が1本のゴム被覆ベルトを用いて一体に形成され、
各第1構成部分は、ゴム被覆ベルトにそのバンド長さ方向への伸びを規制するための伸び規制部材を縫合することにより、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が第3及び各第4構成部分のバンド長さ方向の伸長率の1/2以下となるように構成されている
ことを特徴とする請求項2または3の何れかに記載の頭部用バンド。
【請求項5】
前記伸び規制部材は、ゴム被覆ベルトにおける頭部に接触しない面に縫合されている
ことを特徴とする請求項4に記載の頭部用バンド。
【請求項6】
前記各第1構成部分及び第2構成部分のうち少なくとも1つに、該構成部分のバンド長さ方向の長さを調整可能な長さ調整手段を設けた
ことを特徴とする請求項1、2、3、4または5の何れかに記載の頭部用バンド。
【請求項7】
前記第3構成部分、各第1構成部分及び各第4構成部分が1本のゴム被覆ベルトを用いて一体に形成され、
各第1構成部分は、ゴム被覆ベルトにそのバンド長さ方向への伸びを規制するための伸び規制部材を縫合することにより、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が第3及び各第4構成部分のバンド長さ方向の伸長率の1/2以下となるように構成され、
前記第2構成部分が、ゴム被覆ベルトの両端にそれぞれ一端が連結された左右一対のベルトと、各ベルトの他端側同士を接続する接続部材とを有し、
接続部材は、各ベルトのうち少なくとも一方の長さを調整することにより、第2構成部分のバンド長さ方向の長さを調整可能に構成されている
ことを特徴とする請求項2または3の何れかに記載の頭部用バンド。
【請求項8】
頭部に装着された際に頭部と前期接続部材との間に配置されるパッドをさらに有する
ことを特徴とする請求項7に記載の頭部用バンド。
【請求項9】
前記各第1構成部分、第2構成部分、第3構成部分及び各第4構成部分の少なくとも何れか1つのバンド内周面が拡縮するように構成した
ことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8の何れかに記載の頭部用バンド。
【請求項10】
頭蓋骨における左右一対のテリオン縫合部における前頭骨と蝶形骨と頭頂骨との縫合部と、後頭骨とを、頭部内側に向かって押すように頭部に装着可能な頭部用バンドであって、
バンド長さ方向の3箇所が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が5%以上となるように弾性伸長可能な伸縮部から構成されるとともに、バンド長さ方向における各伸縮部間が、バンド長さ方向に10Nの引張力を加えた際のバンド長さ方向の伸長率が前記伸長率の1/2以下となる押圧部から構成されている
ことを特徴とする頭部用バンド。
【請求項11】
前記各押圧部がそれぞれ、各テリオン縫合部及び後頭骨の何れか1つを頭部内側に向かって押すように構成されている
ことを特徴とする請求項10に記載の頭部用バンド。
【請求項12】
前記各押圧部及び各伸縮部の少なくとも何れか1つのバンド内周面が拡縮するように構成した
ことを特徴とする請求項10または11の何れかに記載の頭部用バンド。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−34774(P2012−34774A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−176308(P2010−176308)
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(510214377)レモシステム株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【出願人】(510214377)レモシステム株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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