頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法
【課題】被験者の頭髪量の定量化を可能とする客観的な頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を提供すること。
【解決手段】験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像の処理方法であって、前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定するステップと、前記外周の内側の頭髪撮影画像を二値化して二階調画像を得るステップと、前記二階調画像を複数の部分に分割するステップと、前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップと、を有することを特徴とする、頭髪撮影画像のデータ処理方法。
【解決手段】験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像の処理方法であって、前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定するステップと、前記外周の内側の頭髪撮影画像を二値化して二階調画像を得るステップと、前記二階調画像を複数の部分に分割するステップと、前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップと、を有することを特徴とする、頭髪撮影画像のデータ処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法に関し、詳しくは頭髪量の定量化のための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の頭髪発毛剤の開発、頭髪発毛治療の進展に伴い、頭髪発毛剤を使用したときの効果、頭髪発毛治療の効果を定量的に扱うことが求められている。
通常はこれらの効果について検証する際には、頭髪発毛剤を使用したり、頭髪発毛治療を受けたりする被験者の個人的な感想を記録し、複数の被験者から寄せられた個人的な感想に得点付けを行い、その得点を集計して行われる。
しかしながらこの様な処理の場合には発毛の効果を実感することができた個人的な感想に得点付けを行うことは可能であっても、具体的にどの程度の発毛の増量が達成できたかの点について定量的な値を算出することは困難である。
【0003】
この一方、発毛効果を検定する方法として、毛乳頭細胞の発毛誘導能の有無を判定する方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながらこの方法では、毛乳頭細胞について発毛誘導能の程度を調べることができるにすぎない。このため上記の発毛効果を検定する方法は、実際に頭髪発毛剤を使用したり、頭髪発毛治療を受けたりする被験者の頭髪量の定量的変化について何も知見を与えるものではなかった。
【0004】
さらには頭髪のダメージの程度を2次元画像として可視化できる技術についても提案されている(特許文献2)。
具体的にはイオン濃度を検出するイオンイメージセンサを用いて頭髪等に接触するセンシング部を二次元状に配列し、このセンシング部で検出したイオン濃度を2次元画像データとして出力することができるとされる。
しかしながらこの先行技術についても、実際に頭髪発毛剤を使用したり、頭髪発毛治療を受けたりする被験者の頭髪量の変化について定量的な知見が得られない点に変わりはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4424975号公報
【特許文献2】特開2010−122090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に説明した通り、具体的な頭髪量に着目した定量的な検定方法はなく、頭髪医療業界、頭髪エステ業界、理容業界等では見た目の印象により頭髪量について主観的な判断をしてきたのが実情である。
本発明の課題は、被験者の頭髪量の定量化を可能とする客観的な頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討した結果、頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像を二値化して得られた二階調画像を複数の部分に分割し、複数の部分毎に二値の割合を表示する頭髪撮影画像のデータ処理方法およびその処理方法を用いたデータ比較方法が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、
[1]被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像の処理方法であって、
前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定するステップと、
前記外周の内側の頭髪撮影画像を二値化して二階調画像を得るステップと、
前記二階調画像を複数の部分に分割するステップと、
前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップと、
を有することを特徴とする、頭髪撮影画像のデータ処理方法を提供するものである。
【0009】
また本発明の一つは、
[2]前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定するステップにより決定された頭部の外周が、円周または楕円周である、上記[1]に記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法を提供するものである。
【0010】
また本発明の一つは、
[3]前記頭部の外周の内側の頭髪撮影画像を二値化して二階調画像を得るステップが、二以上の閾値を基準として二値化を行うことにより二以上の二階調画像を得るステップを含み、
前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップが、前記部分毎に、二以上の二階調画像の二値の割合を平均して表示するステップを含む、上記[1]または[2]に記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法を提供するものである。
【0011】
また本発明の一つは、
[4]前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップが、前記二階調画像の二値の割合を二次元画像として表示するステップを含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法を提供するものである。
【0012】
また本発明は、
[5]頭髪発毛治療前の被験者の頭上から頭頂部方向を撮影した頭髪撮影画像を使用して、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法により得られた複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)と、
頭髪発毛治療後の被験者の頭上から頭頂部方向を撮影した頭髪撮影画像を使用して、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法により得られた複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)と、
を比較するステップを有することを特徴とする、頭髪撮影画像のデータ比較方法を提供するものである。
【0013】
また本発明の一つは、
[6]前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)と、複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)とのそれぞれの複数の部分毎の差分を表示するステップを含む、上記[5]に記載の、頭髪撮影画像のデータ比較方法を提供するものである。
【0014】
また本発明の一つは、
[7]前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)を得る際に使用される頭部の外周と、
前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)を得る際に使用される頭部の外周と、の関係が、
被験者の顔の正面画像の右口角端と右目尻端とを通る直線ならびに表情筋と頭皮との境目となる直線の交点に対応する、前記外周の内側の頭髪撮影画像の基準点1と、
被験者の顔の正面画像の左口角端と左目尻端とを通る直線ならびに表情筋と頭皮との境目となる直線の交点に対応する、前記外周の内側の頭髪撮影画像の基準点2と、
前記外周の内側の頭髪撮影画像にある被験者のつむじ中心点を示す基準点3と、
を基準として、互いに略同一である、上記[5]または[6]に記載の、頭髪撮影画像のデータ比較方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の頭髪撮影画像のデータ処理方法によれば、従来定性的な評価判断に頼っていた頭髪量について定量的に扱うことのできる判断材料を提供することができる。
また頭髪撮影画像を使用して異なる閾値による二値化を行うことにより二以上の二階調画像による頭髪撮影画像のデータ処理を行うことにより、頭髪の薄い部分と頭髪の濃い部分とを正確に定量化することができる。
また本発明により、頭髪発毛治療前の被験者の頭髪撮影画像と頭髪発毛治療後の被験者の頭髪撮影画像とを互いに定量的なデータとして比較することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は被験者の頭部を撮影する際の基準点を説明するための被験者の正面図である。
【図2】図2は被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図3】図3は前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を示す図面代用写真である。
【図4】図4は前記頭髪撮影画像の二階調画像を示す図面代用写真である。
【図5】図5は二階調画像を複数の部分に分割する操作を説明するための模式図である。
【図6】図6は被験者Aの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図7】図7は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図8】図8は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図9】図9は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図10】図10は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図11】図11は被験者Aの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図12】図12は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図13】図13は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図14】図14は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図15】図15は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である
【図16】図16は被験者Bの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図17】図17は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図18】図18は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図19】図19は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図20】図20は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図21】図21は被験者Bの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図22】図22は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図23】図23は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図24】図24は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図25】図25は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である
【図26】図26は被験者Cの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図27】図27は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図28】図28は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図29】図29は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図30】図30は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図31】図31は被験者Cの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図32】図32は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図33】図33は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図34】図34は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図35】図35は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である
【図36】図36は被験者Dの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図37】図37は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図38】図38は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図39】図39は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図40】図40は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図41】図41は被験者Dの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図42】図42は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図43】図43は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図44】図44は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図45】図45は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である
【図46】図46は被験者Eの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図47】図47は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図48】図48は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図49】図49は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図50】図50は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図51】図51は被験者Eの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図52】図52は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図53】図53は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図54】図54は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図55】図55は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である
【図56】図56は被験者Fの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図57】図57は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図58】図58は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図59】図59は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図60】図60は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図61】図61は被験者Fの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図62】図62は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図63】図63は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図64】図64は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図65】図65は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
最初に本発明の第一の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法について説明する。
まず被験者の頭髪の画像を撮影する。前記被験者の頭髪の画像の撮影方法に限定はないが、一例を挙げて説明するとすれば次の通りである。
まず被験者に背筋を伸ばして椅子に着席してもらう。被験者は背筋を伸ばした状態を維持して顔を起して正面を見る姿勢を取る。
次に被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影する。
【0018】
図1は被験者の頭部を撮影する際の基準点を説明するための被験者の正面図である。
図1に示す様に、被験者4の顔の正面画像の右口角端5と右目尻端6とを通る直線(図1では一点破線A−Aにて記載)ならびに表情筋7と頭皮8との境目となる直線(図1では一点破線B−Bにて記載)の交点が基準点1である。
同様に被験者4の顔の正面画像の左口角端と左目尻端とを通る直線ならびに表情筋7と頭皮8との境目となる直線の交点が基準点2である。
ここで前記表情筋7は眉を大きく動かしたときに眉の動きに合わせて動く部分をいい、頭皮8は眉を大きく動かしても動かない部分をいう。
また被験者4のつむじの中央が基準点3である。
この様に被験者4に対して基準点1〜3を特定することにより、以降これらの基準点1〜3を基準にすることができ、同一被験者の略同一位置による頭髪撮影画像間のデータ処理が可能となる。
ここで略同一とは、完全同一である場合と、ほぼ同一である場合を含む意味であり、ほぼ同一とは、ほぼ同一と判断できる範囲内において得られる割合の数値結果が小数点以下の値を四捨五入した百分率(%)において5%の範囲内にある場合をいう。
【0019】
被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影する際には、被験者の基準点1および2が頭髪撮影画像の上部または下部に位置する様に撮影することが好ましい。
このため、例えば被験者の基準点1および2が頭髪撮影画像の上端に位置する様にするためには、前記被験者の頭部から頭頂部を含む頭部を撮影する際には、被験者の真上からやや背中側斜め上方向から撮影することが好ましい。
【0020】
本発明に使用する画像撮影手段に限定はなく、例えば、市販のデジタル電子カメラ、感光フィルムを使う光学カメラ等を使用することができる。
【0021】
図2は被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
図2において図1の基準点1および2に対応する点がそれぞれ参照符号1および2として記載されている。またつむじの中央が基準点3である。
【0022】
まず前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定する。
ここで前記頭部は頭髪が生える部分を意味する。このため被験者の瞼、耳、鼻、顎、口等、頭髪が生えない部分、ならびにまつ毛、眉、髭等の頭髪ではない部分は前記頭部から除外される。
【0023】
前記頭髪撮影画像のうち前記頭部および頭髪を含む部分と、それ以外の部分とは前記頭髪撮影画像に含まれる色調、明度および彩度等に関するデータがそれぞれ異なる。このデータの差異を利用して、前記頭部および頭髪を含む部分と、それ以外の部分とを区別することができる。
このため前記頭髪撮影画像に含まれる色調、明度および彩度等の少なくとも一つのデータを手掛かりにして前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定することができる。
【0024】
前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定する際には、円または楕円を用いて前記外周に近似させることもできる。
円または楕円を用いて、円または楕円内に被験者の頭部が最も多く入り、かつ被験者の頭部以外の部分が最も入らない最大面積の円または楕円を決定する。なお前記頭髪撮影画像の頭部の外周および外周内部に被験者の瞼、耳、鼻、顎、口等、頭髪が生えない部分、まつ毛、眉、髭等の頭髪ではない部分が含まれる場合にはこれらの部分は頭髪がないものとして以降の処理を行うことが好ましい。
この様にして決定された前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周の一例を図3に示す。
【0025】
図3は前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を示す図面代用写真である。
図3に示す様に、円により頭部の外周を決定し、前記頭髪撮影画像から前記外周により頭部の部分を切り取ることができる。
また図2により説明した基準点1〜3と、図3により説明した前記円または楕円とを一致させることにより、以降同一の被験者の二以上の頭髪撮影画像を互いに比較することが可能となる。
【0026】
次に前記頭部の外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得る。
図4は前記頭髪撮影画像の二階調画像を示す図面代用写真である。
ここで頭髪撮影画像を二値化するとは、例えば、色の三属性である色相、彩度および明度のうち、明度のみのデータを含む頭髪撮影画像を、例えば白と黒との組み合わせ等に代表される二つのデータにより表現することをいい、二階調画像とは、例えば白と黒との組み合わせ等に代表される二つのデータにより表現された画像をいう。
【0027】
本発明においては頭髪撮影画像を二値化する前後の画像の明度を互いに合致させることにより、色相、彩度および明度を含む頭髪撮影画像データから、明度のデータのみを取り出すことができる。
この様に、前記外周および前記外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得る。そして例えば前記二階調画像明度を白と黒とにより表現した場合には、頭髪が薄い部分は白に、頭髪が濃い分は黒により表現することができる。
【0028】
図5は二階調画像を複数の部分に分割する操作を説明するための模式図である。
二階調画像を複数の部分に分割する方法に限定はなく、二階調画像の各部分を比較することができる方法であれば限定はない。
【0029】
図5では二階調画像10を複数の部分12に分割する具体的な手段として、縦線と横線からなるグリッド11が使用されている。
図5に示されるグリッド11の中にある各部分12の二階調画像の白と黒の部分の割合を計算する。なお先に決定された前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周より外にある部分は頭髪がないものとして扱われる。
例えば、前記部分12の面積に占める黒が100%なら10点、100%未満90%以上なら9点とし、以下10%毎に1点を減じて、20%未満10%以上なら1点、10%未満0%なら0点として表わす。
【0030】
続いて前記分割された複数の部分12毎に、前記二階調画像10の二値の割合を表示することにより、頭髪撮影画像のデータ処理を行うことができる。
前記二階調画像の二値の割合を表示する方法としては、例えば、前記分割された複数の部分と同じ総数を持つ碁盤目状の表の各部分に、先に計算された二階調画像の白と黒の部分の割合を代入して提示する方法、
前記分割された複数の部分と同じ総数を持つ碁盤目状の表の部分に、先に計算された二階調画像の白と黒の部分の割合に対応する彩度、明度を有する色彩情報として提示する方法等が挙げられる。
また前記碁盤目状の表を映像モニターに表示することもできる。
この様に本発明の第一の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法によれば、被験者の頭髪量の情報を定量的に把握することが可能となる。
【0031】
次に本発明の第二の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法について説明する。
第二の実施形態は、第一の実施形態の変形例である。
第一の実施形態により被験者の頭髪画像を二値化することができ、得られた二階調画像に基づいて被験者の頭髪量の多少を定量的に扱うことができる。
しかしながら頭髪撮影画像を二値化する際の閾値をどの程度に設定するかに依存して、得られる二階調画像が変化する場合がある。
このため頭髪は存在するものの、その量が極めて少ない被験者から得られた頭髪撮影画像が存在する場合を想定する。この頭髪撮影画像による二階調画像を参照するだけでは、被験者の頭部に全く頭髪が存在しないのか、または頭部に少しは頭髪が存在するのかどうかについて区別できない場合がある。この様に第一の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法は大まかな被験者の頭髪量を把握することに適しているものの、微細な頭髪量を把握することが容易ではない場合がある。
これに対し本発明の第二の実施形態は被験者の微細な頭髪量を把握するのに適した頭髪撮影画像のデータ処理方法である。
【0032】
本発明の第二の実施形態は、第一の実施形態に加えて、前記頭部の外周および外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得るステップが、二以上の閾値を基準として二値化を行うことにより二以上の二階調画像を得るステップを含むものである。
【0033】
本発明に使用する閾値は、例えば白と黒との組み合わせの場合について説明するなら、白の面積と黒の面積とを合計した単位面積について白の面積の割合が所定値以上の場合は前記単位面積を白として扱い、所定値未満の場合は前記単位面積を黒として扱うことを意味する。単位面積毎に頭髪撮影画像ついて前記所定値を閾値として処理することにより、頭髪撮影画像を単位面積毎に二値化して二階調画像に変換することができる。
【0034】
本発明において閾値0とは、二階調画像の全てのデータを白一色として扱うことを意味する。また閾値100とは全てのデータを黒一色として扱うことを意味する。
これを基準として、例えば閾値20とは、単位面積中に白と黒とが混在する場合に、白と黒との合計面積に対し黒の面積の割合が80%以上の場合は前記単位面積を黒として扱い、80%未満の場合は前記単位面積を白として扱うことを意味する。
同様に例えば閾値40とは、単位面積に白と黒とが混在する場合に、白と黒との合計面積に対し黒の面積の割合が60%以上の場合は前記単位面積を黒として扱い、60%未満の場合は前記単位面積を白として扱うことを意味する。
同様に例えば閾値60とは、単位面積に白と黒とが混在する場合に、白と黒との合計面積に対し黒の面積の割合が40%以上の場合は前記単位面積を黒として扱い、40%未満の場合は前記単位面積を白として扱うことを意味する。
同様に例えば閾値80とは、単位面積に白と黒とが混在する場合に、白と黒との合計面積に対し黒の面積の割合が20%以上の場合は前記単位面積を黒として扱い、80%未満の場合は前記単位面積を白として扱うことを意味する。
上記の説明の通り、閾値は0以上100以下の数値であり、閾値の値が大きいほど、二階調画像に占める黒い部分が増加する。
【0035】
前記二値化された頭髪撮影画像の二階調画像は前記単位面積の集合により表現されている。前記単位面積を小さく設定すれば前記二値化された頭髪撮影画像はより鮮明になり、前記単位面積を大きく設定すれば前記二値化された頭髪撮影画像はより不鮮明になる。
このため前記閾値に使用される単位面積は、前記二値化された頭髪撮影画像を分割して得られる複数の部分よりも十分に小さいことが好ましい。
【0036】
次に第二の実施形態について具体的に説明する。
先の第一の実施形態の場合と全く同様の方法によりまず前記頭部の外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得る。
次に閾値を変えて同様に二階調画像を得る。
次に得られた二以上の閾値の異なる二階調画像のそれぞれについて第一の実施形態の場合と同様にグリッドにより前記二階調画像を複数の部分に区切る。
次に前記区切られた複数の部分毎に、二以上のコントラストの異なる二階調画像のそれぞれの二値の割合を二次元画像として表示する。
次に表示されたそれぞれの二値の割合を、それぞれの区切られた複数の部分毎に平均化して二次元画像として表示する。
この様に閾値を変えて頭髪撮影画像のデータ処理を行うことにより、頭髪撮影画像の微細な被験者の毛髪量を定量化することができる。
【0037】
次に本発明の第三の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ比較方法について説明する。
第三の実施形態は、本発明の第一の実施形態を応用した頭髪撮影画像のデータ比較方法である。
まず第一の実施形態に従い、被験者の頭髪発毛治療を行う前の前記頭部の外周および外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得る。
そしてに前記二階調画像を用いて第一の実施形態の場合と同様にグリッドにより複数の部分毎に表示された二階調画像の2値の割合(A)を得る。
【0038】
続いて被験者に対して頭髪発毛治療を行う。その後第一の実施形態に従い、被験者の頭部の外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得る。
【0039】
そして前記二階調画像を用いてグリッドにより複数の部分毎に表示された二階調画像の2値の割合(B)を得る。
グリッドにより複数の部分毎に表示された二階調画像の2値の割合(A)と(B)との差分を求めて、前記グリッドにより複数の部分毎に表示された差分値を、例えば前記分割された複数の部分と同じ総数を持つ碁盤目状の表の各部分に、先に計算された二階調画像の2値の割合(A)と(B)との差分をそれぞれ表示する。
この様にして得られた二階調画像の2値の割合(A)と(B)との差分から、頭髪発毛治療の時期に応じた増毛の程度を定量的に数値として表現することができる。
【0040】
次に本発明の第四の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ比較方法について説明する。
第四の実施形態は、先の第三の実施形態に使用した第一の実施形態の頭髪撮影画像のデータ処理方法に代えて、第二の実施形態の頭髪撮影画像のデータ処理方法を使用した点が異なる。
それ以外は第三の実施形態の場合と同様である。
この第四の実施形態によれば、二以上の閾値の異なる二階調画像を第三の実施形態の場合に使用することにより、頭髪撮影画像のより微細な被験者の毛髪量の変化を定量化して比較することができる。
【0041】
以下に実施例により本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0042】
実施例1は、被験者Aによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
図6は被験者Aの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【0043】
先の第一の実施形態に示した方法と同様の方法により被験者Aの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図6の頭髪撮影画像に写る被験者Aの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際の閾値は20とした。なお、画像の処理はアドビシステムズ社が発売する画像処理ソフトウエアにより市販のパーソナルコンピュータを用いて実施した。
【0044】
図7は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20とすることにより得られた二階調画像である。
次に先の第一の実施形態の場合に使用した図5に示したグリッドを参考にして、図7に示す二階調画像の白と黒の部分の割合を計算した。なお実施例1に使用したグリッドにより、前記二階調画像は縦10、横10ずつの合計100個の正方形の部分に分割されている。
各部分毎に各部分における面積に占める黒が100%なら10点、90%なら9点とし、以下10%毎に1点を減じて、10%なら1点、0%なら0点として、横10列、縦10列の表1に記入した。
前記グリッドの縦10、横10の各部分と、前記表1の横10列、縦10列とはそれぞれの前後左右の順が維持されたまま、それぞれが対応する。
表1に、被験者Aの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示した。表1により定量的に被験者Aの頭髪量を表示することができる。
【0045】
【表1】
【0046】
同様に、図6に示す被験者Aの頭髪撮影画像を使用して、前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際の閾値を40とし、円により示される被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
【0047】
図8は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40とすることにより得られた二階調画像である。
閾値が20のときの場合と同様に、閾値が40のときの場合について表2に被験者Aの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示した。表2により定量的に被験者Aの頭髪量を表示することができる。
【0048】
【表2】
【0049】
同様に、図6に示す被験者Aの頭髪撮影画像を使用して、前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際の閾値を60とし、円により示される被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図9は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60とすることにより得られた二階調画像である。
閾値が20のときの場合と同様に、閾値が60のときの場合について表3に被験者Aの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示した。表3により定量的に被験者Aの頭髪量を表示することができる。
【0050】
【表3】
【0051】
同様に、図6に示す被験者Aの頭髪撮影画像を使用して、前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際の閾値を80とし、円により示される被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図10は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80とすることにより得られた二階調画像である。
閾値が20のときの場合と同様に、閾値が80のときの場合について表4に被験者Aの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示した。表4により定量的に被験者Aの頭髪量を表示することができる。
【0052】
【表4】
【0053】
次に表1〜表4について、前記表1の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を表5に示す。
表5に示される様に、前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との境界がより明確に表5に反映される。
このため、被験者Aの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0054】
【表5】
【0055】
次に被験者Aに対して頭髪発毛治療を実施した。なお頭髪発毛治療は医師の資格を有する本発明者が医学的見地に基づいて実施したものである。以下の実施例についても同様である。
【0056】
先の図6に示した被験者Aの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図11に示した被験者Aの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Aの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【0057】
先の第一の実施形態に示した方法と同様の方法により被験者Aの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図11の頭髪撮影画像に写る被験者Aの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図12〜15は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表6〜9は、それぞれ図12〜15に基づいて被験者Aの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
また表10は表6〜表9について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0062】
【表10】
表10に示される様に、前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表10に反映される。
このため、被験者Aの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0063】
さらに表5と表10とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
これまで頭髪発毛治療については定性的な評価方法しか存在しなかったが、本発明に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法により、頭髪発毛治療の効果を定量的に把握することが可能となる。
【実施例2】
【0064】
実施例2は、被験者Bによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Bの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
図16は頭髪発毛治療実施前の被験者Bの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
次に図16に示す被験者Bの頭髪撮影画像を用いて、先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図16の頭髪撮影画像に写る被験者Bの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図17〜20は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表11〜14は、それぞれ図17〜20に基づいて被験者Bの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0065】
【表11】
【0066】
【表12】
【0067】
【表13】
【0068】
【表14】
また表15は表11〜表14について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0069】
【表15】
表15に示される様に、前記被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療前の境界がより明確に表15に反映される。
このため、被験者Bの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0070】
次に被験者Bに対して頭髪発毛治療を実施した。
先の図16に示した被験者Bの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図21に示した被験者Bの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Bの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Bの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図21の頭髪撮影画像に写る被験者Bの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図22〜25は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表16〜19は、それぞれ図22〜25に基づいて被験者Bの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0071】
【表16】
【0072】
【表17】
【0073】
【表18】
【0074】
【表19】
また表20は表16〜表19について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0075】
【表20】
表20に示される様に、前記被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表20に反映される。
このため、被験者Bの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0076】
さらに表15と表20とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
【実施例3】
【0077】
実施例3は、被験者Cによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Cの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
図26は頭髪発毛治療実施前の被験者Cの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
次に図26に示す被験者Cの頭髪撮影画像を用いて、先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図26の頭髪撮影画像に写る被験者Cの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図27〜30は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表21〜24は、それぞれ図27〜30に基づいて被験者Cの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0078】
【表21】
【0079】
【表22】
【0080】
【表23】
【0081】
【表24】
また表25は表21〜表24について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0082】
【表25】
表25に示される様に、前記被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療前の境界がより明確に表25に反映される。
このため、被験者Cの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0083】
次に被験者Cに対して頭髪発毛治療を実施した。
先の図26に示した被験者Cの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図31に示した被験者Cの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Cの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Cの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図31の頭髪撮影画像に写る被験者Cの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図32〜35は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表26〜29は、それぞれ図32〜35に基づいて被験者Cの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0084】
【表26】
【0085】
【表27】
【0086】
【表28】
【0087】
【表29】
また表30は表26〜表29について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0088】
【表30】
表30に示される様に、前記被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表30に反映される。
このため、被験者Cの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0089】
さらに表25と表30とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
【実施例4】
【0090】
実施例4は、被験者Dによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Dの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
図36は頭髪発毛治療実施前の被験者Dの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
次に図36に示す被験者Dの頭髪撮影画像を用いて、先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図36の頭髪撮影画像に写る被験者Dの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図37〜40は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表31〜34は、それぞれ図37〜40に基づいて被験者Dの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0091】
【表31】
【0092】
【表32】
【0093】
【表33】
【0094】
【表34】
また表35は表31〜表34について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0095】
【表35】
表35に示される様に、前記被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療前の境界がより明確に表35に反映される。
このため、被験者Dの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0096】
次に被験者Dに対して頭髪発毛治療を実施した。
先の図36に示した被験者Dの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図41に示した被験者Dの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Dの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Dの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図41の頭髪撮影画像に写る被験者Dの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図42〜45は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表36〜39は、それぞれ図42〜45に基づいて被験者Dの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0097】
【表36】
【0098】
【表37】
【0099】
【表38】
【0100】
【表39】
また表40は表36〜表39について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0101】
【表40】
表40に示される様に、前記被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表40に反映される。
このため、被験者Dの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0102】
さらに表35と表40とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
【実施例5】
【0103】
実施例5は、被験者Eによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Eの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
図46は頭髪発毛治療実施前の被験者Eの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
次に図46に示す被験者Eの頭髪撮影画像を用いて、先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図46の頭髪撮影画像に写る被験者Eの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図47〜50は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表41〜44は、それぞれ図37〜40に基づいて被験者Eの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0104】
【表41】
【0105】
【表42】
【0106】
【表43】
【0107】
【表44】
また表45は表41〜表44について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0108】
【表45】
表45に示される様に、前記被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療前の境界がより明確に表45に反映される。
このため、被験者Eの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0109】
次に被験者Eに対して頭髪発毛治療を実施した。
先の図46に示した被験者Eの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図51に示した被験者Eの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Eの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Eの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図51の頭髪撮影画像に写る被験者Eの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図52〜55は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表46〜49は、それぞれ図52〜55に基づいて被験者Eの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0110】
【表46】
【0111】
【表47】
【0112】
【表48】
【0113】
【表49】
また表50は表46〜表49について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0114】
【表50】
表50に示される様に、前記被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表50に反映される。
このため、被験者Eの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0115】
さらに表45と表50とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
【実施例6】
【0116】
実施例6は、被験者Fによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Fの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
図56は頭髪発毛治療実施前の被験者Fの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
次に図56に示す被験者Fの頭髪撮影画像を用いて、先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図56の頭髪撮影画像に写る被験者Fの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図57〜60は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表51〜54は、それぞれ図57〜60に基づいて被験者Eの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0117】
【表51】
【0118】
【表52】
【0119】
【表53】
【0120】
【表54】
また表55は表51〜表54について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0121】
【表55】
表55に示される様に、前記被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療前の境界がより明確に表55に反映される。
このため、被験者Fの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0122】
次に被験者Fに対して頭髪発毛治療を実施した。
先の図56に示した被験者Fの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図61に示した被験者Fの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Fの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Fの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図51の頭髪撮影画像に写る被験者Fの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図62〜65は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表56〜59は、それぞれ図52〜55に基づいて被験者Fの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0123】
【表56】
【0124】
【表57】
【0125】
【表58】
【0126】
【表59】
また表60は表56〜表59について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0127】
【表60】
表60に示される様に、前記被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表60に反映される。
このため、被験者Eの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0128】
さらに表55と表60とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明の頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法によれば、従来定性的であった頭髪量について定量的に扱うことができる。
このため頭髪発毛治療において、治療の効果を客観的に示す指標として本発明に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法は、髪医療業界、頭髪エステ業界、理容業界等において広く活用することができる。
【符号の説明】
【0130】
1〜3 基準点
4 入力書面
5 1次元イメージセンサ
6 ワイドレンズ
7 照明ランプ
8 頭皮
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法に関し、詳しくは頭髪量の定量化のための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の頭髪発毛剤の開発、頭髪発毛治療の進展に伴い、頭髪発毛剤を使用したときの効果、頭髪発毛治療の効果を定量的に扱うことが求められている。
通常はこれらの効果について検証する際には、頭髪発毛剤を使用したり、頭髪発毛治療を受けたりする被験者の個人的な感想を記録し、複数の被験者から寄せられた個人的な感想に得点付けを行い、その得点を集計して行われる。
しかしながらこの様な処理の場合には発毛の効果を実感することができた個人的な感想に得点付けを行うことは可能であっても、具体的にどの程度の発毛の増量が達成できたかの点について定量的な値を算出することは困難である。
【0003】
この一方、発毛効果を検定する方法として、毛乳頭細胞の発毛誘導能の有無を判定する方法が提案されている(特許文献1)。
しかしながらこの方法では、毛乳頭細胞について発毛誘導能の程度を調べることができるにすぎない。このため上記の発毛効果を検定する方法は、実際に頭髪発毛剤を使用したり、頭髪発毛治療を受けたりする被験者の頭髪量の定量的変化について何も知見を与えるものではなかった。
【0004】
さらには頭髪のダメージの程度を2次元画像として可視化できる技術についても提案されている(特許文献2)。
具体的にはイオン濃度を検出するイオンイメージセンサを用いて頭髪等に接触するセンシング部を二次元状に配列し、このセンシング部で検出したイオン濃度を2次元画像データとして出力することができるとされる。
しかしながらこの先行技術についても、実際に頭髪発毛剤を使用したり、頭髪発毛治療を受けたりする被験者の頭髪量の変化について定量的な知見が得られない点に変わりはない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4424975号公報
【特許文献2】特開2010−122090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記に説明した通り、具体的な頭髪量に着目した定量的な検定方法はなく、頭髪医療業界、頭髪エステ業界、理容業界等では見た目の印象により頭髪量について主観的な判断をしてきたのが実情である。
本発明の課題は、被験者の頭髪量の定量化を可能とする客観的な頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、本発明者らが鋭意検討した結果、頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像を二値化して得られた二階調画像を複数の部分に分割し、複数の部分毎に二値の割合を表示する頭髪撮影画像のデータ処理方法およびその処理方法を用いたデータ比較方法が本発明の目的に適うことを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち本発明は、
[1]被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像の処理方法であって、
前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定するステップと、
前記外周の内側の頭髪撮影画像を二値化して二階調画像を得るステップと、
前記二階調画像を複数の部分に分割するステップと、
前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップと、
を有することを特徴とする、頭髪撮影画像のデータ処理方法を提供するものである。
【0009】
また本発明の一つは、
[2]前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定するステップにより決定された頭部の外周が、円周または楕円周である、上記[1]に記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法を提供するものである。
【0010】
また本発明の一つは、
[3]前記頭部の外周の内側の頭髪撮影画像を二値化して二階調画像を得るステップが、二以上の閾値を基準として二値化を行うことにより二以上の二階調画像を得るステップを含み、
前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップが、前記部分毎に、二以上の二階調画像の二値の割合を平均して表示するステップを含む、上記[1]または[2]に記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法を提供するものである。
【0011】
また本発明の一つは、
[4]前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップが、前記二階調画像の二値の割合を二次元画像として表示するステップを含む、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法を提供するものである。
【0012】
また本発明は、
[5]頭髪発毛治療前の被験者の頭上から頭頂部方向を撮影した頭髪撮影画像を使用して、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法により得られた複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)と、
頭髪発毛治療後の被験者の頭上から頭頂部方向を撮影した頭髪撮影画像を使用して、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法により得られた複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)と、
を比較するステップを有することを特徴とする、頭髪撮影画像のデータ比較方法を提供するものである。
【0013】
また本発明の一つは、
[6]前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)と、複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)とのそれぞれの複数の部分毎の差分を表示するステップを含む、上記[5]に記載の、頭髪撮影画像のデータ比較方法を提供するものである。
【0014】
また本発明の一つは、
[7]前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)を得る際に使用される頭部の外周と、
前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)を得る際に使用される頭部の外周と、の関係が、
被験者の顔の正面画像の右口角端と右目尻端とを通る直線ならびに表情筋と頭皮との境目となる直線の交点に対応する、前記外周の内側の頭髪撮影画像の基準点1と、
被験者の顔の正面画像の左口角端と左目尻端とを通る直線ならびに表情筋と頭皮との境目となる直線の交点に対応する、前記外周の内側の頭髪撮影画像の基準点2と、
前記外周の内側の頭髪撮影画像にある被験者のつむじ中心点を示す基準点3と、
を基準として、互いに略同一である、上記[5]または[6]に記載の、頭髪撮影画像のデータ比較方法を提供するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の頭髪撮影画像のデータ処理方法によれば、従来定性的な評価判断に頼っていた頭髪量について定量的に扱うことのできる判断材料を提供することができる。
また頭髪撮影画像を使用して異なる閾値による二値化を行うことにより二以上の二階調画像による頭髪撮影画像のデータ処理を行うことにより、頭髪の薄い部分と頭髪の濃い部分とを正確に定量化することができる。
また本発明により、頭髪発毛治療前の被験者の頭髪撮影画像と頭髪発毛治療後の被験者の頭髪撮影画像とを互いに定量的なデータとして比較することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は被験者の頭部を撮影する際の基準点を説明するための被験者の正面図である。
【図2】図2は被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図3】図3は前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を示す図面代用写真である。
【図4】図4は前記頭髪撮影画像の二階調画像を示す図面代用写真である。
【図5】図5は二階調画像を複数の部分に分割する操作を説明するための模式図である。
【図6】図6は被験者Aの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図7】図7は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図8】図8は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図9】図9は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図10】図10は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図11】図11は被験者Aの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図12】図12は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図13】図13は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図14】図14は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図15】図15は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である
【図16】図16は被験者Bの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図17】図17は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図18】図18は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図19】図19は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図20】図20は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図21】図21は被験者Bの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図22】図22は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図23】図23は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図24】図24は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図25】図25は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である
【図26】図26は被験者Cの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図27】図27は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図28】図28は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図29】図29は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図30】図30は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図31】図31は被験者Cの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図32】図32は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図33】図33は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図34】図34は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図35】図35は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である
【図36】図36は被験者Dの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図37】図37は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図38】図38は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図39】図39は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図40】図40は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図41】図41は被験者Dの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図42】図42は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図43】図43は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図44】図44は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図45】図45は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である
【図46】図46は被験者Eの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図47】図47は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図48】図48は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図49】図49は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図50】図50は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図51】図51は被験者Eの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図52】図52は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図53】図53は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図54】図54は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図55】図55は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である
【図56】図56は被験者Fの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図57】図57は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図58】図58は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図59】図59は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図60】図60は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【図61】図61は被験者Fの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【図62】図62は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20にして得られた二階調画像である。
【図63】図63は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40にして得られた二階調画像である。
【図64】図64は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60にして得られた二階調画像である。
【図65】図65は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80にして得られた二階調画像である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
最初に本発明の第一の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法について説明する。
まず被験者の頭髪の画像を撮影する。前記被験者の頭髪の画像の撮影方法に限定はないが、一例を挙げて説明するとすれば次の通りである。
まず被験者に背筋を伸ばして椅子に着席してもらう。被験者は背筋を伸ばした状態を維持して顔を起して正面を見る姿勢を取る。
次に被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影する。
【0018】
図1は被験者の頭部を撮影する際の基準点を説明するための被験者の正面図である。
図1に示す様に、被験者4の顔の正面画像の右口角端5と右目尻端6とを通る直線(図1では一点破線A−Aにて記載)ならびに表情筋7と頭皮8との境目となる直線(図1では一点破線B−Bにて記載)の交点が基準点1である。
同様に被験者4の顔の正面画像の左口角端と左目尻端とを通る直線ならびに表情筋7と頭皮8との境目となる直線の交点が基準点2である。
ここで前記表情筋7は眉を大きく動かしたときに眉の動きに合わせて動く部分をいい、頭皮8は眉を大きく動かしても動かない部分をいう。
また被験者4のつむじの中央が基準点3である。
この様に被験者4に対して基準点1〜3を特定することにより、以降これらの基準点1〜3を基準にすることができ、同一被験者の略同一位置による頭髪撮影画像間のデータ処理が可能となる。
ここで略同一とは、完全同一である場合と、ほぼ同一である場合を含む意味であり、ほぼ同一とは、ほぼ同一と判断できる範囲内において得られる割合の数値結果が小数点以下の値を四捨五入した百分率(%)において5%の範囲内にある場合をいう。
【0019】
被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影する際には、被験者の基準点1および2が頭髪撮影画像の上部または下部に位置する様に撮影することが好ましい。
このため、例えば被験者の基準点1および2が頭髪撮影画像の上端に位置する様にするためには、前記被験者の頭部から頭頂部を含む頭部を撮影する際には、被験者の真上からやや背中側斜め上方向から撮影することが好ましい。
【0020】
本発明に使用する画像撮影手段に限定はなく、例えば、市販のデジタル電子カメラ、感光フィルムを使う光学カメラ等を使用することができる。
【0021】
図2は被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
図2において図1の基準点1および2に対応する点がそれぞれ参照符号1および2として記載されている。またつむじの中央が基準点3である。
【0022】
まず前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定する。
ここで前記頭部は頭髪が生える部分を意味する。このため被験者の瞼、耳、鼻、顎、口等、頭髪が生えない部分、ならびにまつ毛、眉、髭等の頭髪ではない部分は前記頭部から除外される。
【0023】
前記頭髪撮影画像のうち前記頭部および頭髪を含む部分と、それ以外の部分とは前記頭髪撮影画像に含まれる色調、明度および彩度等に関するデータがそれぞれ異なる。このデータの差異を利用して、前記頭部および頭髪を含む部分と、それ以外の部分とを区別することができる。
このため前記頭髪撮影画像に含まれる色調、明度および彩度等の少なくとも一つのデータを手掛かりにして前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定することができる。
【0024】
前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定する際には、円または楕円を用いて前記外周に近似させることもできる。
円または楕円を用いて、円または楕円内に被験者の頭部が最も多く入り、かつ被験者の頭部以外の部分が最も入らない最大面積の円または楕円を決定する。なお前記頭髪撮影画像の頭部の外周および外周内部に被験者の瞼、耳、鼻、顎、口等、頭髪が生えない部分、まつ毛、眉、髭等の頭髪ではない部分が含まれる場合にはこれらの部分は頭髪がないものとして以降の処理を行うことが好ましい。
この様にして決定された前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周の一例を図3に示す。
【0025】
図3は前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を示す図面代用写真である。
図3に示す様に、円により頭部の外周を決定し、前記頭髪撮影画像から前記外周により頭部の部分を切り取ることができる。
また図2により説明した基準点1〜3と、図3により説明した前記円または楕円とを一致させることにより、以降同一の被験者の二以上の頭髪撮影画像を互いに比較することが可能となる。
【0026】
次に前記頭部の外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得る。
図4は前記頭髪撮影画像の二階調画像を示す図面代用写真である。
ここで頭髪撮影画像を二値化するとは、例えば、色の三属性である色相、彩度および明度のうち、明度のみのデータを含む頭髪撮影画像を、例えば白と黒との組み合わせ等に代表される二つのデータにより表現することをいい、二階調画像とは、例えば白と黒との組み合わせ等に代表される二つのデータにより表現された画像をいう。
【0027】
本発明においては頭髪撮影画像を二値化する前後の画像の明度を互いに合致させることにより、色相、彩度および明度を含む頭髪撮影画像データから、明度のデータのみを取り出すことができる。
この様に、前記外周および前記外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得る。そして例えば前記二階調画像明度を白と黒とにより表現した場合には、頭髪が薄い部分は白に、頭髪が濃い分は黒により表現することができる。
【0028】
図5は二階調画像を複数の部分に分割する操作を説明するための模式図である。
二階調画像を複数の部分に分割する方法に限定はなく、二階調画像の各部分を比較することができる方法であれば限定はない。
【0029】
図5では二階調画像10を複数の部分12に分割する具体的な手段として、縦線と横線からなるグリッド11が使用されている。
図5に示されるグリッド11の中にある各部分12の二階調画像の白と黒の部分の割合を計算する。なお先に決定された前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周より外にある部分は頭髪がないものとして扱われる。
例えば、前記部分12の面積に占める黒が100%なら10点、100%未満90%以上なら9点とし、以下10%毎に1点を減じて、20%未満10%以上なら1点、10%未満0%なら0点として表わす。
【0030】
続いて前記分割された複数の部分12毎に、前記二階調画像10の二値の割合を表示することにより、頭髪撮影画像のデータ処理を行うことができる。
前記二階調画像の二値の割合を表示する方法としては、例えば、前記分割された複数の部分と同じ総数を持つ碁盤目状の表の各部分に、先に計算された二階調画像の白と黒の部分の割合を代入して提示する方法、
前記分割された複数の部分と同じ総数を持つ碁盤目状の表の部分に、先に計算された二階調画像の白と黒の部分の割合に対応する彩度、明度を有する色彩情報として提示する方法等が挙げられる。
また前記碁盤目状の表を映像モニターに表示することもできる。
この様に本発明の第一の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法によれば、被験者の頭髪量の情報を定量的に把握することが可能となる。
【0031】
次に本発明の第二の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法について説明する。
第二の実施形態は、第一の実施形態の変形例である。
第一の実施形態により被験者の頭髪画像を二値化することができ、得られた二階調画像に基づいて被験者の頭髪量の多少を定量的に扱うことができる。
しかしながら頭髪撮影画像を二値化する際の閾値をどの程度に設定するかに依存して、得られる二階調画像が変化する場合がある。
このため頭髪は存在するものの、その量が極めて少ない被験者から得られた頭髪撮影画像が存在する場合を想定する。この頭髪撮影画像による二階調画像を参照するだけでは、被験者の頭部に全く頭髪が存在しないのか、または頭部に少しは頭髪が存在するのかどうかについて区別できない場合がある。この様に第一の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法は大まかな被験者の頭髪量を把握することに適しているものの、微細な頭髪量を把握することが容易ではない場合がある。
これに対し本発明の第二の実施形態は被験者の微細な頭髪量を把握するのに適した頭髪撮影画像のデータ処理方法である。
【0032】
本発明の第二の実施形態は、第一の実施形態に加えて、前記頭部の外周および外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得るステップが、二以上の閾値を基準として二値化を行うことにより二以上の二階調画像を得るステップを含むものである。
【0033】
本発明に使用する閾値は、例えば白と黒との組み合わせの場合について説明するなら、白の面積と黒の面積とを合計した単位面積について白の面積の割合が所定値以上の場合は前記単位面積を白として扱い、所定値未満の場合は前記単位面積を黒として扱うことを意味する。単位面積毎に頭髪撮影画像ついて前記所定値を閾値として処理することにより、頭髪撮影画像を単位面積毎に二値化して二階調画像に変換することができる。
【0034】
本発明において閾値0とは、二階調画像の全てのデータを白一色として扱うことを意味する。また閾値100とは全てのデータを黒一色として扱うことを意味する。
これを基準として、例えば閾値20とは、単位面積中に白と黒とが混在する場合に、白と黒との合計面積に対し黒の面積の割合が80%以上の場合は前記単位面積を黒として扱い、80%未満の場合は前記単位面積を白として扱うことを意味する。
同様に例えば閾値40とは、単位面積に白と黒とが混在する場合に、白と黒との合計面積に対し黒の面積の割合が60%以上の場合は前記単位面積を黒として扱い、60%未満の場合は前記単位面積を白として扱うことを意味する。
同様に例えば閾値60とは、単位面積に白と黒とが混在する場合に、白と黒との合計面積に対し黒の面積の割合が40%以上の場合は前記単位面積を黒として扱い、40%未満の場合は前記単位面積を白として扱うことを意味する。
同様に例えば閾値80とは、単位面積に白と黒とが混在する場合に、白と黒との合計面積に対し黒の面積の割合が20%以上の場合は前記単位面積を黒として扱い、80%未満の場合は前記単位面積を白として扱うことを意味する。
上記の説明の通り、閾値は0以上100以下の数値であり、閾値の値が大きいほど、二階調画像に占める黒い部分が増加する。
【0035】
前記二値化された頭髪撮影画像の二階調画像は前記単位面積の集合により表現されている。前記単位面積を小さく設定すれば前記二値化された頭髪撮影画像はより鮮明になり、前記単位面積を大きく設定すれば前記二値化された頭髪撮影画像はより不鮮明になる。
このため前記閾値に使用される単位面積は、前記二値化された頭髪撮影画像を分割して得られる複数の部分よりも十分に小さいことが好ましい。
【0036】
次に第二の実施形態について具体的に説明する。
先の第一の実施形態の場合と全く同様の方法によりまず前記頭部の外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得る。
次に閾値を変えて同様に二階調画像を得る。
次に得られた二以上の閾値の異なる二階調画像のそれぞれについて第一の実施形態の場合と同様にグリッドにより前記二階調画像を複数の部分に区切る。
次に前記区切られた複数の部分毎に、二以上のコントラストの異なる二階調画像のそれぞれの二値の割合を二次元画像として表示する。
次に表示されたそれぞれの二値の割合を、それぞれの区切られた複数の部分毎に平均化して二次元画像として表示する。
この様に閾値を変えて頭髪撮影画像のデータ処理を行うことにより、頭髪撮影画像の微細な被験者の毛髪量を定量化することができる。
【0037】
次に本発明の第三の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ比較方法について説明する。
第三の実施形態は、本発明の第一の実施形態を応用した頭髪撮影画像のデータ比較方法である。
まず第一の実施形態に従い、被験者の頭髪発毛治療を行う前の前記頭部の外周および外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得る。
そしてに前記二階調画像を用いて第一の実施形態の場合と同様にグリッドにより複数の部分毎に表示された二階調画像の2値の割合(A)を得る。
【0038】
続いて被験者に対して頭髪発毛治療を行う。その後第一の実施形態に従い、被験者の頭部の外周の内側の頭髪撮影画像を二値化し、二階調画像を得る。
【0039】
そして前記二階調画像を用いてグリッドにより複数の部分毎に表示された二階調画像の2値の割合(B)を得る。
グリッドにより複数の部分毎に表示された二階調画像の2値の割合(A)と(B)との差分を求めて、前記グリッドにより複数の部分毎に表示された差分値を、例えば前記分割された複数の部分と同じ総数を持つ碁盤目状の表の各部分に、先に計算された二階調画像の2値の割合(A)と(B)との差分をそれぞれ表示する。
この様にして得られた二階調画像の2値の割合(A)と(B)との差分から、頭髪発毛治療の時期に応じた増毛の程度を定量的に数値として表現することができる。
【0040】
次に本発明の第四の実施形態に係る頭髪撮影画像のデータ比較方法について説明する。
第四の実施形態は、先の第三の実施形態に使用した第一の実施形態の頭髪撮影画像のデータ処理方法に代えて、第二の実施形態の頭髪撮影画像のデータ処理方法を使用した点が異なる。
それ以外は第三の実施形態の場合と同様である。
この第四の実施形態によれば、二以上の閾値の異なる二階調画像を第三の実施形態の場合に使用することにより、頭髪撮影画像のより微細な被験者の毛髪量の変化を定量化して比較することができる。
【0041】
以下に実施例により本発明について詳細に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0042】
実施例1は、被験者Aによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
図6は被験者Aの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【0043】
先の第一の実施形態に示した方法と同様の方法により被験者Aの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図6の頭髪撮影画像に写る被験者Aの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際の閾値は20とした。なお、画像の処理はアドビシステムズ社が発売する画像処理ソフトウエアにより市販のパーソナルコンピュータを用いて実施した。
【0044】
図7は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を20とすることにより得られた二階調画像である。
次に先の第一の実施形態の場合に使用した図5に示したグリッドを参考にして、図7に示す二階調画像の白と黒の部分の割合を計算した。なお実施例1に使用したグリッドにより、前記二階調画像は縦10、横10ずつの合計100個の正方形の部分に分割されている。
各部分毎に各部分における面積に占める黒が100%なら10点、90%なら9点とし、以下10%毎に1点を減じて、10%なら1点、0%なら0点として、横10列、縦10列の表1に記入した。
前記グリッドの縦10、横10の各部分と、前記表1の横10列、縦10列とはそれぞれの前後左右の順が維持されたまま、それぞれが対応する。
表1に、被験者Aの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示した。表1により定量的に被験者Aの頭髪量を表示することができる。
【0045】
【表1】
【0046】
同様に、図6に示す被験者Aの頭髪撮影画像を使用して、前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際の閾値を40とし、円により示される被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
【0047】
図8は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を40とすることにより得られた二階調画像である。
閾値が20のときの場合と同様に、閾値が40のときの場合について表2に被験者Aの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示した。表2により定量的に被験者Aの頭髪量を表示することができる。
【0048】
【表2】
【0049】
同様に、図6に示す被験者Aの頭髪撮影画像を使用して、前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際の閾値を60とし、円により示される被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図9は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を60とすることにより得られた二階調画像である。
閾値が20のときの場合と同様に、閾値が60のときの場合について表3に被験者Aの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示した。表3により定量的に被験者Aの頭髪量を表示することができる。
【0050】
【表3】
【0051】
同様に、図6に示す被験者Aの頭髪撮影画像を使用して、前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際の閾値を80とし、円により示される被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図10は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値を80とすることにより得られた二階調画像である。
閾値が20のときの場合と同様に、閾値が80のときの場合について表4に被験者Aの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示した。表4により定量的に被験者Aの頭髪量を表示することができる。
【0052】
【表4】
【0053】
次に表1〜表4について、前記表1の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を表5に示す。
表5に示される様に、前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との境界がより明確に表5に反映される。
このため、被験者Aの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0054】
【表5】
【0055】
次に被験者Aに対して頭髪発毛治療を実施した。なお頭髪発毛治療は医師の資格を有する本発明者が医学的見地に基づいて実施したものである。以下の実施例についても同様である。
【0056】
先の図6に示した被験者Aの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図11に示した被験者Aの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Aの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
【0057】
先の第一の実施形態に示した方法と同様の方法により被験者Aの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図11の頭髪撮影画像に写る被験者Aの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図12〜15は被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表6〜9は、それぞれ図12〜15に基づいて被験者Aの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
【表9】
また表10は表6〜表9について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0062】
【表10】
表10に示される様に、前記被験者Aの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表10に反映される。
このため、被験者Aの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0063】
さらに表5と表10とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
これまで頭髪発毛治療については定性的な評価方法しか存在しなかったが、本発明に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法により、頭髪発毛治療の効果を定量的に把握することが可能となる。
【実施例2】
【0064】
実施例2は、被験者Bによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Bの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
図16は頭髪発毛治療実施前の被験者Bの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
次に図16に示す被験者Bの頭髪撮影画像を用いて、先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図16の頭髪撮影画像に写る被験者Bの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図17〜20は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表11〜14は、それぞれ図17〜20に基づいて被験者Bの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0065】
【表11】
【0066】
【表12】
【0067】
【表13】
【0068】
【表14】
また表15は表11〜表14について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0069】
【表15】
表15に示される様に、前記被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療前の境界がより明確に表15に反映される。
このため、被験者Bの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0070】
次に被験者Bに対して頭髪発毛治療を実施した。
先の図16に示した被験者Bの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図21に示した被験者Bの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Bの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Bの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図21の頭髪撮影画像に写る被験者Bの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図22〜25は被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表16〜19は、それぞれ図22〜25に基づいて被験者Bの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0071】
【表16】
【0072】
【表17】
【0073】
【表18】
【0074】
【表19】
また表20は表16〜表19について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0075】
【表20】
表20に示される様に、前記被験者Bの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表20に反映される。
このため、被験者Bの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0076】
さらに表15と表20とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
【実施例3】
【0077】
実施例3は、被験者Cによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Cの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
図26は頭髪発毛治療実施前の被験者Cの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
次に図26に示す被験者Cの頭髪撮影画像を用いて、先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図26の頭髪撮影画像に写る被験者Cの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図27〜30は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表21〜24は、それぞれ図27〜30に基づいて被験者Cの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0078】
【表21】
【0079】
【表22】
【0080】
【表23】
【0081】
【表24】
また表25は表21〜表24について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0082】
【表25】
表25に示される様に、前記被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療前の境界がより明確に表25に反映される。
このため、被験者Cの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0083】
次に被験者Cに対して頭髪発毛治療を実施した。
先の図26に示した被験者Cの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図31に示した被験者Cの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Cの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Cの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図31の頭髪撮影画像に写る被験者Cの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図32〜35は被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表26〜29は、それぞれ図32〜35に基づいて被験者Cの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0084】
【表26】
【0085】
【表27】
【0086】
【表28】
【0087】
【表29】
また表30は表26〜表29について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0088】
【表30】
表30に示される様に、前記被験者Cの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表30に反映される。
このため、被験者Cの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0089】
さらに表25と表30とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
【実施例4】
【0090】
実施例4は、被験者Dによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Dの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
図36は頭髪発毛治療実施前の被験者Dの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
次に図36に示す被験者Dの頭髪撮影画像を用いて、先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図36の頭髪撮影画像に写る被験者Dの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図37〜40は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表31〜34は、それぞれ図37〜40に基づいて被験者Dの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0091】
【表31】
【0092】
【表32】
【0093】
【表33】
【0094】
【表34】
また表35は表31〜表34について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0095】
【表35】
表35に示される様に、前記被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療前の境界がより明確に表35に反映される。
このため、被験者Dの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0096】
次に被験者Dに対して頭髪発毛治療を実施した。
先の図36に示した被験者Dの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図41に示した被験者Dの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Dの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Dの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図41の頭髪撮影画像に写る被験者Dの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図42〜45は被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表36〜39は、それぞれ図42〜45に基づいて被験者Dの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0097】
【表36】
【0098】
【表37】
【0099】
【表38】
【0100】
【表39】
また表40は表36〜表39について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0101】
【表40】
表40に示される様に、前記被験者Dの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表40に反映される。
このため、被験者Dの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0102】
さらに表35と表40とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
【実施例5】
【0103】
実施例5は、被験者Eによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Eの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
図46は頭髪発毛治療実施前の被験者Eの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
次に図46に示す被験者Eの頭髪撮影画像を用いて、先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図46の頭髪撮影画像に写る被験者Eの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図47〜50は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表41〜44は、それぞれ図37〜40に基づいて被験者Eの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0104】
【表41】
【0105】
【表42】
【0106】
【表43】
【0107】
【表44】
また表45は表41〜表44について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0108】
【表45】
表45に示される様に、前記被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療前の境界がより明確に表45に反映される。
このため、被験者Eの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0109】
次に被験者Eに対して頭髪発毛治療を実施した。
先の図46に示した被験者Eの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図51に示した被験者Eの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Eの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Eの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図51の頭髪撮影画像に写る被験者Eの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図52〜55は被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表46〜49は、それぞれ図52〜55に基づいて被験者Eの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0110】
【表46】
【0111】
【表47】
【0112】
【表48】
【0113】
【表49】
また表50は表46〜表49について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0114】
【表50】
表50に示される様に、前記被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表50に反映される。
このため、被験者Eの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0115】
さらに表45と表50とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
【実施例6】
【0116】
実施例6は、被験者Fによる頭髪発毛治療の前後による増毛の程度を定量的に示すための頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法を示すものである。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Fの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
図56は頭髪発毛治療実施前の被験者Fの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
次に図56に示す被験者Fの頭髪撮影画像を用いて、先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図56の頭髪撮影画像に写る被験者Fの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図57〜60は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表51〜54は、それぞれ図57〜60に基づいて被験者Eの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0117】
【表51】
【0118】
【表52】
【0119】
【表53】
【0120】
【表54】
また表55は表51〜表54について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0121】
【表55】
表55に示される様に、前記被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療前の境界がより明確に表55に反映される。
このため、被験者Fの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0122】
次に被験者Fに対して頭髪発毛治療を実施した。
先の図56に示した被験者Fの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療前に撮影したものである。
これに対し、図61に示した被験者Fの頭髪撮影画像は頭髪発毛治療後に撮影したものであり、被験者Fの頭髪撮影画像を示す図面代用写真である。
実施例1に示した方法と同様の方法により被験者Fの頭髪撮影画像を市販の電子カメラにより撮影した。
次に先の第一の実施形態に示した基準点1〜3を設定して、円により図51の頭髪撮影画像に写る被験者Fの頭部の外周を決定した。
次に円により示される被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化した。
図62〜65は被験者Fの頭部の外周の頭髪撮影画像に対して閾値をそれぞれ20、40、60および80とすることにより得られた二階調画像である。
また表56〜59は、それぞれ図52〜55に基づいて被験者Fの分割された二階調画像の部分毎の二値の割合を表示したものである。
【0123】
【表56】
【0124】
【表57】
【0125】
【表58】
【0126】
【表59】
また表60は表56〜表59について、前記各表の横10列および縦10列に記載されたそれぞれの値についての平均値を示したものである。
【0127】
【表60】
表60に示される様に、前記被験者Eの頭部の外周の頭髪撮影画像を二値化する際に使用する閾値を変化させてその平均を取ることにより、頭髪の存在する部分と頭髪の存在しない部分との頭髪発毛治療後の境界がより明確に表60に反映される。
このため、被験者Eの頭髪量について、頭部の多いところと少ないところの分布をより正確に表示することができる。
【0128】
さらに表55と表60とを相互に比較することにより、数値の差として頭髪発毛治療前後の増毛量の増加の程度を定量的に把握することができる。
【産業上の利用可能性】
【0129】
本発明の頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法によれば、従来定性的であった頭髪量について定量的に扱うことができる。
このため頭髪発毛治療において、治療の効果を客観的に示す指標として本発明に係る頭髪撮影画像のデータ処理方法およびデータ比較方法は、髪医療業界、頭髪エステ業界、理容業界等において広く活用することができる。
【符号の説明】
【0130】
1〜3 基準点
4 入力書面
5 1次元イメージセンサ
6 ワイドレンズ
7 照明ランプ
8 頭皮
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像の処理方法であって、
前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定するステップと、
前記外周の内側の頭髪撮影画像を二値化して二階調画像を得るステップと、
前記二階調画像を複数の部分に分割するステップと、
前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップと、
を有することを特徴とする、頭髪撮影画像のデータ処理方法。
【請求項2】
前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定するステップにより決定された頭部の外周が、円周または楕円周である、請求項1に記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法。
【請求項3】
前記頭部の外周の内側の頭髪撮影画像を二値化して二階調画像を得るステップが、二以上の閾値を基準として二値化を行うことにより二以上の二階調画像を得るステップを含み、
前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップが、前記部分毎に、二以上の二階調画像の二値の割合を平均して表示するステップを含む、請求項1または2に記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法。
【請求項4】
前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップが、前記二階調画像の二値の割合を二次元画像として表示するステップを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法。
【請求項5】
頭髪増毛治療前の被験者の頭上から頭頂部方向を撮影した頭髪撮影画像を使用して、請求項1〜4のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法により得られた複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)と、
頭髪増毛治療後の被験者の頭上から頭頂部方向を撮影した頭髪撮影画像を使用して、請求項1〜4のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法により得られた複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)と、
を比較するステップを有することを特徴とする、頭髪撮影画像のデータ比較方法。
【請求項6】
前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)と、複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)とのそれぞれの複数の部分毎の差分を表示するステップを含む、請求項5に記載の頭髪撮影画像のデータ比較方法。
【請求項7】
前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)を得る際に使用される頭部の外周と、
前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)を得る際に使用される頭部の外周と、の関係が、
被験者の顔の正面画像の右口角端と右目尻端とを通る直線ならびに表情筋と頭皮との境目となる直線の交点に対応する、前記外周の内側の頭髪撮影画像の基準点1と、
被験者の顔の正面画像の左口角端と左目尻端とを通る直線ならびに表情筋と頭皮との境目となる直線の交点に対応する、前記外周の内側の頭髪撮影画像の基準点2と、
前記外周の内側の頭髪撮影画像にある被験者のつむじ中心点を示す基準点3と、
を基準として、互いに略同一である、請求項5または6に記載の頭髪撮影画像のデータ比較方法。
【請求項1】
被験者の頭上から頭頂部を含む頭部を撮影した頭髪撮影画像の処理方法であって、
前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定するステップと、
前記外周の内側の頭髪撮影画像を二値化して二階調画像を得るステップと、
前記二階調画像を複数の部分に分割するステップと、
前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップと、
を有することを特徴とする、頭髪撮影画像のデータ処理方法。
【請求項2】
前記頭髪撮影画像に写る頭部の外周を決定するステップにより決定された頭部の外周が、円周または楕円周である、請求項1に記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法。
【請求項3】
前記頭部の外周の内側の頭髪撮影画像を二値化して二階調画像を得るステップが、二以上の閾値を基準として二値化を行うことにより二以上の二階調画像を得るステップを含み、
前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップが、前記部分毎に、二以上の二階調画像の二値の割合を平均して表示するステップを含む、請求項1または2に記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法。
【請求項4】
前記分割された複数の部分毎に前記二階調画像の二値の割合を表示するステップが、前記二階調画像の二値の割合を二次元画像として表示するステップを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法。
【請求項5】
頭髪増毛治療前の被験者の頭上から頭頂部方向を撮影した頭髪撮影画像を使用して、請求項1〜4のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法により得られた複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)と、
頭髪増毛治療後の被験者の頭上から頭頂部方向を撮影した頭髪撮影画像を使用して、請求項1〜4のいずれかに記載の頭髪撮影画像のデータ処理方法により得られた複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)と、
を比較するステップを有することを特徴とする、頭髪撮影画像のデータ比較方法。
【請求項6】
前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)と、複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)とのそれぞれの複数の部分毎の差分を表示するステップを含む、請求項5に記載の頭髪撮影画像のデータ比較方法。
【請求項7】
前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(A)を得る際に使用される頭部の外周と、
前記複数の部分毎に表示された二階調画像の二値の割合(B)を得る際に使用される頭部の外周と、の関係が、
被験者の顔の正面画像の右口角端と右目尻端とを通る直線ならびに表情筋と頭皮との境目となる直線の交点に対応する、前記外周の内側の頭髪撮影画像の基準点1と、
被験者の顔の正面画像の左口角端と左目尻端とを通る直線ならびに表情筋と頭皮との境目となる直線の交点に対応する、前記外周の内側の頭髪撮影画像の基準点2と、
前記外周の内側の頭髪撮影画像にある被験者のつむじ中心点を示す基準点3と、
を基準として、互いに略同一である、請求項5または6に記載の頭髪撮影画像のデータ比較方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
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【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
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【図62】
【図63】
【図64】
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【図2】
【図3】
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【図5】
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【図9】
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【図11】
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【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
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【図18】
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【図26】
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【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
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【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
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【図45】
【図46】
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【図49】
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【図53】
【図54】
【図55】
【図56】
【図57】
【図58】
【図59】
【図60】
【図61】
【図62】
【図63】
【図64】
【図65】
【公開番号】特開2013−9700(P2013−9700A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−142396(P2011−142396)
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(510037547)
【出願人】(511156704)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月27日(2011.6.27)
【出願人】(510037547)
【出願人】(511156704)
【Fターム(参考)】
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