説明

顔を見えるようにする装置

【課題】照明光が変わることによる化粧の光沢レベル、外観に与える影響をユーザが認識できる照明および表示システムの提供。
【解決手段】鏡6及びカメラの正面に向ったユーザーに、カメラにより取得された画像を戻すためのカメラのうちの少なくとも1を含む表示システム;光源により放出された光を第一方向12で偏光させるための第一偏光システム11;鏡又はカメラにより受けられた光を第二方向15で偏光させるための第二偏光システム14;第一方向及び第二方向の間のオフセット角を変化させる手段;及び少なくとも3の異なるオフセット角を識別するためのオフセット角識別システム12,17を含む装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔を見えるようにする装置に特に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第3794828号は、鏡を含み、顔が種々の照明条件下で照明されるようにする装置を開示している。
【0003】
米国特許第3711182号及び第4070096号は、鏡及び偏された光を用いる照明システムを含み、グレアが除去されることを可能にする装置を開示している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
皮膚の光沢は一日の経過に渡って変化しやすい。特に皮膚は午前中相対的に艶がなく、時間が経つと、例えば皮脂又は汗の分泌のために増加し得る。
【0005】
ある化粧品、例えばファンデーションは、そのような光沢を減少させることを可能にする。
【0006】
しかし、施与された化粧料は、完全には光沢を除去してはならない、なぜなら肌の色に輝きを与えるためには、ある量の残存する光沢は望ましいからである。保存されるべき光沢のレベルは、皮膚の性質及び肌の色だけでなく、消費者の希望にもまた依存する。
【0007】
従って光沢を減少させることを可能にする化粧料の選択は困難であることが判明し、この選択において消費者を助ける必要性が存在する。
【0008】
外観、特に消費者により所望される光沢のレベルの関数として化粧料、特にファンデーションを製造することをより容易にする必要性が存在する、
【0009】
本発明は、上述された1以上の必要性を予防し得るが、本発明のある側面は必ずしもそれらの必要性の1以上を予防し得ないことが理解されるべきである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
即ち、その側面の一つにおいて、本発明は以下を含む装置を提供する:
鏡;及び
カメラ、及びカメラの正面に配置されたユーザーに、カメラにより取得された画像を戻すためのスクリーンを含むビデオシステム;
のうちの少なくとも一つを含む表示システム;
光源により放出される光を第一方向で偏光させるための第一偏光システム;
鏡又はカメラにより受けられた光を第二方向で偏光させるための第二偏光システム;
第一方向及び第二方向の間のオフセット角を変化させる機械的及び/又は電子的手段、即ちオフセット角は変化可能である;及び
少なくとも3の異なるオフセット角を識別するためのオフセット角識別システム。
【0011】
本発明により、ユーザーは、光沢を変化させることの外観への効果を見、所望される外観、又は望まれない外観、又は許容される範囲又は許容され得ない範囲の外観に対応するオフセット角を識別することができる。
【0012】
装置は光源を含んでいてもよく、該光源は場合により表示システムに固定されていてもよい。光源は好ましくは散乱光を放出する。光源は、少なくとも1の蛍光管、白熱電球、又は発光ダイオードを含み得る。
【0013】
装置は、より均一な照明を得るように表示システムの両側に配置された2つの光源を有利に含む。
【0014】
光源は、表示システムを少なくとも部分的に取り込んでいてもよい。
【0015】
例えば、光源は昼の光に非常によく似ている照明を与えるように構成されてもよく、又は該光源は何か他のタイプの照明、例えば白熱電球タイプの照明を与えるように構成されていてもよい。
【0016】
第一偏光システム及び第二偏光システムのうち一つは回転式であってもよい。それは徐々に増加させて又は連続的に回転されてもよい。インクリメントは、例えば数度に相当し得る。
【0017】
回転式偏光システムは、両端の位置の間を回転するように、又は完全な1回転をするように構成されていてもよい。
【0018】
表示システムは鏡を含んでいてもよい。例えば鏡は第一の構造要素により保持されていてもよく、光源は、第一の構造要素に対して可動である第二の構造により保持されていてもよい。第二の構造要素は、例えば第一の構造要素の上に蝶番でとりつけられていてもよい。
【0019】
特に、第一の構造要素及び第二の構造要素は、一つが他方の上に畳まれ、そうすることに装置をより移動し易くするように構成されていてもよい。
【0020】
鏡は、場合により円形であってもよく、第二偏光システムにより完全に覆われていてもよい。
【0021】
第二偏光システムは回転式であってもよい。
【0022】
鏡は回転式である必要はなく、第二偏光システムは、鏡に対して回転してもよい。変形において、鏡は回転式であってもよく、第二偏光システムは鏡と共に回転してもよい。
【0023】
あるいは、第二偏光システムは回転式である必要はなく、その場合、回転式であるのは、例えば第一偏光システムである。
【0024】
この状況で、特に第一偏光システムは環状形のものである。
【0025】
表示システムは、鏡を含む必要はないが、ビデオシステムを含む必要がある。
【0026】
識別システムは、目盛を含んでいてもよい。例えば、目盛は円の弧、特に90度未満に渡って広がっていてもよい。識別システムは、目盛と協同するのに適する指標をもまた含み得る、例えば指標は第二偏光システムの駆動部材により定義され得る。
【0027】
識別システムは、角−位置センサー(angular-position sensor)をもまた含み得る。
【0028】
識別システムは、位置を記憶しておく記憶手段をもまた含む。
【0029】
装置は、第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角に関する情報を表示する表示手段をもまた含み得る。
【0030】
装置は、ユーザーにより選択された外観の写真を取るためにカメラをもまた含み得る。該カメラは例えばストロボ上に第一偏光システムを、カメラレンズの上に第二偏光システムを含み得、例えば静止画像又は動画をとるためのフィルム又はデジタルカメラを含み得る。装置の光源は、写真をとるために必要とされる光をもまた創り出し得る。
【0031】
独立して又は上の内容と組み合わせて本発明は、人の顔の光沢の少なくとも1のレベルを決定する方法であって、該光沢のレベルは当該人により選択される方法において、以下のステップを含む方法を提供する:
鏡、及び正面に当該人が配置され得るカメラ及びカメラにより取得されたイメージを当該人にもどすためのスクリーンを含むビデオシステムのうち少なくとも1つを含む表示システム;
光源により放出された光を第一方向で偏光させて、顔を照明するための第一偏光システム;
表示システムにより受け取られた光を偏光させるための第二偏光システム;及び
第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角を変化させ、そして光沢の想定されるレベルを変化させる手段;
を含む装置を用いて、当該人の顔が表示されることを可能にするステップ;
当該人が第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角を変化させて、又は該オフセット角が変化せしめられるようにし、その結果少なくとも1の外観が選択されることを可能にするステップ;及び
第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角を決定するステップ、但し少なくとも選択された外観に対して、該オフセットは当該人により選択された光沢のレベルを表す。
【0032】
選択された外観は当該人により好まれる外観に好ましくは対応するが、本発明の別の実施態様において、当該人は望まれない外観、又は許容できる範囲又は許容できない範囲の外観を選択してもよい。
【0033】
このようにして決定されたオフセット角は、続いて決定された別のオフセット角と比較されることを可能にするため、又は化粧料又は処理を処方するために、又は当該人に適合された化粧料を製造するためにそれを使用することを可能にするために、記録されることができる。
【0034】
オフセット角自身ではなく、該オフセット角を表す情報、例えば光沢のレベル又は該光沢の低下の程度を記録することもまた可能である。
【0035】
本方法は、顔がメイクアップされるとき、又はされないとき、実施され得る。
【0036】
例えば、マットな外観又は皮膚の光沢を定量化するために、当該人の皮膚及び/又は毛髪に関する情報が、選択されたオフセット角の関数として供給され得る。
【0037】
化粧料、又は化粧料を購入することについてのアドバイスは、決定されたオフセット角の関数として当該人に供給される。化粧料は、例えば複数の既存の化粧料から選択され得る。既存の化粧料は、例えば選択されたオフセット角及び第一偏光方向及び第二偏光方向の間の45°の角度の間の差を表す値又は値の範囲とそれぞれ関連され得、該45度の角度は光沢の低下なし及び光沢の増加なしに相当する。
【0038】
化粧料は、特定の個人用の化粧料でもまたあってよく、特にインシチューで、例えば販売の地において配合されるものであってもよい。
【0039】
上述の内容とは独立して又は組合わせて、本発明は、人の体の一部、特に顔の外観の変化を示す方法をもまた提供し、該方法は以下のステップを含む:
鏡、及び正面に当該人が配置されるカメラ及びカメラにより取得されたイメージを当該人にもどすためのスクリーンを含むビデオシステムのうちの少なくとも1つを含む表示システム;
光源により放出された光を第一方向で偏光させる第一偏光システム;
表示システムにより受け取られた光を第二偏光方向で偏光させるための第二偏光システム;及び
第一方向及び第二方向の間のオフセット角を変化させる手段;
を含む装置を用いて、人が体の該部分を見ることを可能にするステップ:
当該人が偏光方向の間のオフセット角を変化させて、第一の時間間隔(time interval)における第一のオフセット角を選択することを可能にするステップ;
第一とは異なる第二の時間間隔における第二のオフセット角を当該人が選択することを可能にするステップ;及び
選択された第一及び第二のオフセット角又は該選択されたオフセット角を表す任意の情報を比較するステップ。
【0040】
化粧料、例えばファンデーションは、第一の時間間隔及び第二の時間間隔の間に当該人に施与され得る。即ち、情報は、比較の機能、例えば化粧料の光沢又はマットな外観を増加させるその能力として、化粧料の効果に関して提供されることができる。
【0041】
例えば、第一の時間間隔は、所与の日の午前中であるように選択され得、第二の時間間隔は、同じ日の夕方になるように選択され得る。これは一日の経過に渡る光沢の増加を定量化することを可能にする。
【0042】
上述の内容と独立して又は組合わせて、本発明は以下のステップを含む処方方法をもまた提供する:
鏡、及び正面に人が配置されるカメラ及びカメラにより取得されたイメージを当該人にもどすためのスクリーンを含むビデオシステムの少なくとも1つを含む表示システム;
光源により放出された光を第一方向で偏光させる第一偏光システム;及び
表示システムにより受け取られた光を第二偏光方向で偏光させるための第二偏光システム、但し第二方向に対する第一方向の向きは変更可能である;
を含む装置を用いて、人の体の一部、特に顔を表示するステップ、
相対的な向きを選択するステップ;及び
選択された相対的な向きと関連された情報の関数として化粧料及び/又は化粧的処理を処方するステップ。
【0043】
特に、選択された化粧料は、皮膚の光沢に作用することができる。該化粧料は例えば異なる光沢制御能力を有する複数の化粧料から選択される。
【0044】
処方された化粧料について特徴的な施与、例えば施与されるべき化粧料の量、又は該化粧料が施与されることのできる領域を選択された向きの関数として決定することもまた可能である、
【0045】
上述の内容と独立して又は組合わせて本発明は、化粧料を配合する方法をもまた提供し、該方法において、化粧料は上で決定されたオフセット角の関数として配合される。
【0046】
本方法は、以下のステップを含み得る:
鏡、及び正面に人が配置され得るカメラ及びカメラにより取得されたイメージを当該人にもどすためのスクリーンを含むビデオシステムの少なくとも1つを含む表示システム;
光源により放出された光を第一方向で偏光させる第一偏光システム;
表示システムにより受け取られた光を第二偏光方向で偏光させるための第二偏光システム;及び
第一方向及び第二方向の間のオフセット角を変化させる手段;
を含む装置を用いて、人の体の少なくとも一部を表示するステップ:
第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角を選択するステップ;及び
選択されたオフセット角と関連された情報の関数として化粧料を配合するステップ。
【0047】
例えば選択されたオフセット角は、当該人により好まれる外観に対応してもよい、又は変形においては、それは望まれない外観、又はユーザーが許容できること、又はさもなければ許容できないことを見出した範囲の外観にさえ対応してもよい。
【0048】
例えば、光沢を制御するフィラー又は光沢を与える化合物が選択された向きの関数として選択された割合で化粧料に取り込まれてもよい。
【0049】
例えば化粧料は、それが施与されたのち、好まれる外観が45°に近いオフセット角である第一方向及び第二方向に対応するように配合され得る。
【0050】
上述された内容と独立して又は組合わせて、本発明は化粧料の販売を促進する方法をもまた提供し、該方法において、少なくとも1の消費者は、上で定義された装置を用いて偏光させるシステムの内の1つの少なくとも2の異なる向きで、体の少なくとも一部、特に顔及び/又は毛髪を見ることが許される。
【0051】
本発明は、本発明の非制限的な実施態様の以下の詳細な説明を読み、かつ添付の図面を調べるとよりよく理解される。
【0052】
図1は本発明に従って製造された装置1を示し、2つの構造要素を含むケースの形態で示されている。第一の構造要素は、中央部2を含み、第二の構造要素は2つの折りたたみ可能な部分3を含み、それぞれ中央部2に、4において蝶番で留められており、ケースのカバーを形成している。
【0053】
中央部2は、表示システムを含み、示された実施態様においては、中央部2に対して静止している鏡6を含む。
【0054】
各折りたたみ可能な部分3は、散乱光の源を形成するように、並んで配置された複数の蛍光管8を含む光源7を含む。管8は、対応する折りたたみ可能な部分3の白又は反射する背景の正面に置かれることができる。考慮下の実施態様において、装置1は、それぞれの管8のスイッチを入れたり切ったりするために、各管8にそれぞれ接続されているスイッチ9をさらに含む。
【0055】
使用するときは、鏡6の正面に位置する人の顔をできるだけ照明するように、各折りたたみ可能な部分3は、中央部分2に対して向けられることができる。
【0056】
各光源7の長さは、鏡6の正面に配置された人の顔を照明するとき、該光源の入射光が顕著である程度に十分強いことがこのましい。
【0057】
考慮下の実施態様では垂直方向であるところの方向12で該光源により放出された光を偏光させるように、第一偏光システム11が、各光源7に接続されている。
【0058】
例えば、偏光システム11は、偏光フィルムを含み、それは例えばチューブ8を保護するガラスに固定されている。
【0059】
第二偏光システム14は、鏡6と接続されており、第2の方向15で光を偏光させ、該方向は第一方向12に対して可変である方向を示すことができる。
【0060】
考慮下の実施態様において、第二偏光システム14は、鏡6の上に設置された偏光フィルムのディスクを含み、その真中が回転できるような様式で中央部2に結合されている。
【0061】
駆動部材17は、ユーザーが第二偏光システム14を回転させ、それを選択された方向に至らせることを可能にする。
【0062】
第二偏光システム14を中央部2に搭載することは、摩擦を呈することができ、その結果、いったん選択された方向に置かれると、第二偏光システム14はその方向に留まる。
【0063】
第二偏光システムは、段階的に(incrementally)、例えば歯車又は回転の間に近接地点(hard point)を生み出す任意の他の機構により回転可能であるようするためにも、搭載されることができる。
【0064】
さらに、識別システムが、第二偏光システム14が置かれる方向を決定できるように、考えられることもできる。
【0065】
例えば、識別システムは、角度的に均等に分布され、対応する数値、例えば指標として機能する駆動部材17と関連付けられた目盛18を含むことができ、角度は、どの目盛18が駆動部材17と合っているかを識別することにより読み取られる。
【0066】
中央の目盛19は、偏光方向12及び15の間の45°の角度に相当する方向を示すことができる。
【0067】
当然、本発明は、特定の識別手段に制限されず、目盛18は、他の識別手段、例えば1以上の英数字、単語、図、特に絵文字又は色により置換され得る。用語「目盛」は、従って広く理解されなければならない。
【0068】
識別手段は、例えば光沢のレベルを識別することを可能にする。用語「レベル」は、光沢の正確な度合い、又はさもなければ光沢の度合いの範囲を意味すると理解されるべきである。
【0069】
示されていない変形において、中央部2の領域、例えば鏡6は指標を含むことができ、目盛又は他の識別手段は第二偏光システム14上にあることができる。
【0070】
あるいは、識別システムは、目盛を含む必要はないが、例えば第二偏光システム14の角度の位置を感知するための少なくとも1のセンサー(示されていない)を含む必要がある。
【0071】
第二偏光システム14は、このように例えばエンコーダーホイール(示されていない)又は電位差計(示されていない)を駆動させるピンにより回転し、角運動を電気信号に変換させることを可能にし、該電気信号は適切な電気回路により加工され、例えば角の方向に関連する数値、又はより入念なメッセージに変換され、それは場合によりスクリーン又はディスプレイー上に表示されることができる。
【0072】
考慮下の実施態様において、鏡6の正面に位置する人は、第二偏光システム14を回転させて、該システムを所望される方向に配置することができる。示されていない変形において、第二偏光システム14は、モーター駆動されることができ、該回転は、当該人又は当該人を助けるオペレーターにより制御される。
【0073】
図1の例において、ケースにはハンドル20が付与されており、もし必要であれば、該ハンドルは、評価が行われることができる場所まで極めて容易に移動されることができる。
【0074】
当然、装置1は、移動可能であるように設計される必要はなく、固定された場所において使用されることもできる。
【0075】
上述された実施態様におけるように、図2に示される装置1は、鏡により構成された表示システムを有するが、表示システムを取り囲む環状である光源7を含み、それは、それが円形である点で異なる形のものである。
【0076】
例えば、源7は、鏡6を取り囲む円形の蛍光管を含み、第一偏光システム11、環状の偏光フィルムはチューブ8の正面に置かれる。
【0077】
第二偏光システム14は、鏡6に対して静止しており、該鏡6は、第一偏光システム11に対して回転できる。
【0078】
例えば、識別手段システムは、鏡6を取り囲む環状部22を含み、その上に目盛18が保持されている。
【0079】
鏡6は、目盛18の正面で動く指標としてもまた機能する駆動部材23に固定されていることができる。
【0080】
図3は、第一偏光システム11の偏光方向が変更されることができる一方で、静止した偏光方向15を示す第二偏光システム14の可能性を示す。
【0081】
この図において、第一偏光システム11は、鏡6、及びスタンド28により保持されたハウジング27に対して駆動部材25により回転されるのに適する円形を示す。
【0082】
偏光方向間のオフセット角を識別するために、第一偏光システム11は、例えばハンドル25の角方向で回転させるが、ここでシリンダー(図には示されていない)は、目盛又はハウジング27に形成されたウィンドウ30を通して見える刻みである他のタイプを有する。
【0083】
このように、ウィンドウ30に見える目盛を見ることにより、ユーザーは第二偏光システム14に対する第一偏光システム11の角位置(angular position)を見つけることができる。
【0084】
光ファイバー(示されていない)が、スタンド28に収容されたランプ(示されていない)及びカバー27の間で光を伝達するために使用されることができ、光ファイバーは、例えば均一である照明を生み出すことができるように鏡6の周辺一帯に分布されている末端を有する。
【0085】
スタンド28が壁掛29により置換されている事実及び源7が、例えば第一偏光システム11の後ろの鏡6の周辺一帯に分布されている複数の発光ダイオード38を含む事実により、図4の別の実施態様は図3の実施態様とは異なる。
【0086】
偏光システム6は、鏡を含む必要はなく、図5及び6に示されるように、該鏡は、スクリーン及びカメラ41を含むビデオシステムにより置換され、ここでスクリーン40に表示されるイメージは、カメラ41により見られたイメージである。
【0087】
図5の装置1は、スクリーン40の両側に配置された2つの光源を含み、ここで各光源は、第一偏光システム11を付与されている。
【0088】
例えば、第二偏光システム14は、カメラ41の正面に配置され、その結果、スクリーン40上に現れるイメージは、偏光方向12及び15の間のオフセット角に依存する。
【0089】
例えば、第二偏光システム14は、例えば図1におけるように、ユーザーがその方向を変更できるように駆動部材17を付与されている。
【0090】
例えば、位置センサーが第二偏光システム14に結合されており、方向12及び15の間のオフセット角を表す情報が、スクリーン40、例えばその領域44に表示されることができる。
【0091】
スクリーン40は、任意のタイプのもの、例えば液晶、プラズマ又は陰極線管(CRT)スクリーンであることができ、ここで該スクリーンはカラー又はモノクロである。
【0092】
図6の例においては、図5の第二偏光システム14は、カメラ41上で直接作用する電子デバイス(示されていない)により置換された。
【0093】
例えば、ユーザーは、遠隔操作46、又は任意の他のインターフェース、例えばキーボード、キーパッド、マウス、ジョイスティック、タッチスクリーン、又は中でも音声によりにより電子デバイスを制御することができる。
【0094】
装置1は、作られている形態に関わらず、第一偏光方向12及び第二偏光方向15の所与のオフセット角について、その人により見られたその人のイメージを記録することを可能にする手段を含むことができる。
【0095】
図5及び6の例において、イメージはカメラ41により記録されることができ、例えば該カメラはイメージ取得システム、例えばマイクロコンピューター、例えば任意の他の適切な電子デバイスに接続されるのに適している。
【0096】
図1〜4の装置、又は鏡を含む表示システムを有する任意の他の装置の場合、カメラが偏光システムの1つと関連して使用されることができる。
【0097】
写真をとるために必要とされる光は、源7又は必要に応じて、複数のストロボからから来ることができるが、それらは第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角がカメラにより再現できるように配置された偏光システムが付与されていることができる。
【0098】
例えば、上述された装置の1つが、図7に示されるような外観を選択する選択方法において使用されることができる。
【0099】
そのような方法において、第一のステップ50において、人は表示システムの正面に配置される。
【0100】
ステップ51において、例えば鏡6により反射されている、又はスクリーン40の上に示されているところの、ユーザーが見ることのできるイメージを変化させるように第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角は次に変更される。ユーザーは、方向を偏光させることができ、又は変形においては、ユーザーの指示に基づいて装置を操作する別の責任者に、ユーザーが指示を与えることができる。
【0101】
もどされた外観が満足できることをステップ52においてユーザーが決定するまで、方向は変更されることができる。
【0102】
識別手段は、第一偏光システムの相対的方向を識別するために使用されることができる。該方向は参考として役立つことができ、例えば異なる時間間隔において選択された方向が比較されることができる。
【0103】
例えば、一日の始まりにおいて第一の方向選択を進め、それからその日の後に第二方向選択をし、そのようにして一日の経過に渡る皮膚の光沢の変化を示す。
【0104】
ユーザーにより選択された方向に対応するイメージが必要に応じて処理されることができる。例えば処理は、光沢が偏光システムにより変更されなかったリアルなイメージを比較することを含むことができる。例えば、光沢が低下される必要がある程度、及び処理されることを必要とする領域を決定することが可能である。
【0105】
例えば、角度の変化は、皮膚の性質についての情報を与えることができ、非常に乾燥した皮膚は、一日の経過に渡って、光沢が非常に増加しやすいというわけではない。
【0106】
本発明の装置1は、化粧料の施与の皮膚の光沢に対する効果を定量化するためにもまた有用であることができる。
【0107】
例えば、第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角は、化粧料が施与される前に、次に施与後に識別されることができる。
【0108】
例えば、化粧料の光沢コントロール効果は、すなわち、偏光システムの1つが施与の前及び後に対応する位置の間で他方に対して回転する角により特徴付けられることができる。
【0109】
一日の始まりにおいて、化粧料が施与される前に評価を行うことにより、そして次に新しい評価を一日の終わりにすることにより、但し化粧料は第一の評価の後、午前中に施与される、一日の終わりにおける皮膚の光沢に対する化粧料の効果を提示すること、例えば化粧料が施与される前、一日の始まりにおける光沢のレベルと匹敵する一日の終わりにおける光沢のレベルを化粧料が保つことを可能にすることを示すことが可能である。
【0110】
本発明の装置は、例えば一日の始まり及び終わりの間での光沢の所定の変化、例えば実質的にゼロ、が得られること、及びそしてユーザーに又はある集団に適合された化粧料を製造することを可能にする化粧料の種々の成分の割合を決定することを可能にすることにより、化粧料を配合することをより容易にすることができる。
【0111】
例えば、ある人、又はある集団を代表する人により選択された方向に依存して、より多い又はより少ない数のフィラー又は光沢を制御する化合物、又は光沢を与える化合物を使用して化粧料が配合されることができる。
【0112】
当然、本発明は、上述された実施態様に制限されない。
【0113】
上述された例のすべてにおいて、光源は変更されることができ、例えば蛍光管、白熱灯、又は適切な場合には光を伝達するための光ファイバーを有する発光ダイオードを含む。
【0114】
第一偏光システムは、光源に統合されることもまたできる、又は該光源は偏光された光を放出することができる。
【0115】
光源は太陽光であることもできる。
【0116】
適切な場合には、該装置は、例えば太陽光タイプの蛍光又は白熱灯の照明に対応する複数のタイプの光を放出することができる源を含むことができる。
【0117】
該装置は、ユーザーに皮膚の欠点について、又は皮膚の色について知らせる、より複雑な分析システムに統合されることができる。本発明は、皮膚の光沢の評価に制限されるばかりでなく、毛髪の光沢にもまた応用される。
【0118】
請求の範囲を含む記載を通して「〜を含む」は、反対に明記されない限り、「少なくとも1の〜を含む」の同義語であると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0119】
【図1】本発明の第一の実施態様を構成する装置の図式的透視図である。
【図2】本発明の別の実施態様を示す、図1に類似の図である。
【図3】本発明の別の実施態様を示す、図1に類似の図である。
【図4】本発明の別の実施態様を示す、図1に類似の図である。
【図5】本発明の他の実施態様の正面図である。
【図6】本発明の他の実施態様の正面図である。
【図7】本発明の方法の例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0120】
1 装置
2 中央部分
6 鏡
7 光源
8 蛍光管
9 スイッチ
11 第一偏光システム
12 第一偏光方向
14 第二偏光システム
15 第二偏光方向
17 駆動部材
18 目盛
20 ハンドル
22 環状部
25 駆動部材
25 ハンドル
27 ハウジング
27 カバー
28 スタンド
29 壁掛
30 ウィンドウ
38 発光ダイオード
40 スクリーン
41 カメラ
44 領域
46 遠隔操作

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鏡(6);及び
カメラ(41)及び、カメラの正面に配置されたユーザーに、カメラにより取得された画像を戻すためのスクリーン(40)を含むビデオシステム;
のうち少なくとも1を含む表示システム;
光源により放出された光を第一方向(12)で偏光させるための第一偏光システム(11);
鏡又はカメラにより受けられた光を第二方向(15)で偏光させるための第二偏光システム(14);
第一方向及び第二方向の間のオフセット角を変化させる手段;及び
少なくとも3の異なるオフセット角を識別するためのオフセット角識別システム(12,17,30,44)
を含む装置(1)。
【請求項2】
光源(7)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
光源(7)が表示システムに固定されていることを特徴とする、請求項1〜2のいずれか1項に記載の装置。
【請求項4】
表示システムの両側に配置されている光源(7)を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項5】
光源(7)が少なくとも部分的に表示システムを取り囲んでいることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の装置。
【請求項6】
光源(7)が散乱光を放出することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の装置。
【請求項7】
第一偏光システム及び第二偏光システムのうちの一つが回転式であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
【請求項8】
回転が段階的に行われることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
回転が連続的に行われることを特徴とする、請求項7に記載の装置。
【請求項10】
回転式偏光システムが2つの両端の位置の間で戻るように構成されていることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項11】
回転式偏光システムが、完全な1回転を通して回転することができるように構成されていることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか1項に記載の装置。
【請求項12】
表示システムが鏡(6)を含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項13】
鏡(6)が第一の構造要素(2)により保持され、かつ光源(7)が、第一の構造要素に対して可動である第二の構造要素(3)により保持されていることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
第二の構造要素(3)が第一の構造要素の上に蝶番で固定されていることを特徴とする、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
第一の構造要素及び第二の構造要素が、一方が他方の上に折りたたまれるように構成されていることを特徴とする、請求項13又は14のいずれか1項に記載の装置。
【請求項16】
鏡が円形であることを特徴とする、請求項12〜15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
第二の偏光システムが回転式であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項18】
鏡が回転式ではないこと、及び第二偏光システム(14)が鏡(6)に対して回転することを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
鏡が回転式であること、及びかつ第二偏光システム(14)が鏡(6)と一緒に回転することを特徴とする、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
第一偏光システム(11)が回転式であることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
第一偏光システム(11)が環状の形であることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか1項に記載の装置。
【請求項22】
表示システムがビデオシステムを含むことを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
識別システムが目盛(18)を含むことを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
識別システムが、第二偏光システム上に配置された指標を含むことを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1項に記載の装置。
【請求項25】
識別システムが、位置を記憶しておくための記憶手段を含むことを特徴とする、請求項1〜24のいずれか1項に記載の装置。
【請求項26】
識別システムが角−位置センサーを含むことを特徴とする、請求項1〜25のいずれか1項に記載の装置。
【請求項27】
第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角に関する情報を表示するための表示手段を含むことを特徴とする、請求項1〜26のいずれか1項に記載の装置。
【請求項28】
当該人の、選択された外観に対応するイメージを記録するためのカメラを含むことを特徴とする、請求項1〜27のいずれか1項に記載の装置。
【請求項29】
カメラが、第一偏光システムをストロボの上に有しかつ第二偏光システムをカメラレンズの上に有することを特徴とする、請求項1〜28のいずれか1項に記載の装置。
【請求項30】
人の顔の光沢の少なくとも1のレベルを決定する方法であって、該光沢のレベルは当該人により選択される方法において、以下のステップを含む方法:
鏡、及び正面に人が配置されるカメラ及びカメラにより取得されたイメージを当該人にもどすためのスクリーンを含むビデオシステムのうちの少なくとも1つを含む表示システム;
光源により放出された光を第一方向で偏光させて、顔を照明するための第一偏光システム;
表示システムにより受け取られた光を第二偏光方向で偏光させるための第二偏光システム;及び
第一方向及び第二方向の間のオフセット角を変化させ、そして光沢の関連されたレベルを変化させる手段;
を含む装置を用いて、当該人の顔が表示されることを可能にするステップ:
当該人が第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角を変化させて、又は該オフセット角が変化せしめられるようにして、少なくとも1の外観を選択することを可能にするステップ;及び
第一偏光方向及び第二偏光方向の間のオフセット角を決定するステップ、但し該オフセットは当該人により選択された光沢のレベルを表す。
【請求項31】
選択された外観が、当該人により好まれる外観に相当することを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
当該人が、許容できる範囲の外観を選択することを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
当該人が、許容されない範囲の外観を選択することを特徴とする、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
顔がメイクアップされていないときに実施されることを特徴とする、請求項30〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項35】
顔がメイクアップされているときに実施されることを特徴とする、請求項30〜33のいずれか1項に記載の方法。
【請求項36】
選択されたオフセット角、又は該オフセット角を表す情報が記録されることを特徴とする、請求項30〜35のいずれか1項に記載の方法。
【請求項37】
当該人の皮膚及び/又は毛髪に関する情報がオフセットの関数として与えられることを特徴とする、請求項30〜36のいずれか1項に記載の方法。
【請求項38】
化粧料又は化粧料を購入することについての助言が、決定されたオフセット角の関数として当該人に与えられることを特徴とする、請求項30〜37のいずれか1項に記載の方法。
【請求項39】
化粧料が複数の既存の化粧料から選択されることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
既存の化粧料が、選択されたオフセット角及び第一偏光方向及び第二偏光方向の間の45°の角度の差を表す値又は値の範囲とそれぞれ結びつけられていることを特徴とする、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
化粧料が、インシチューで配合される個人用化粧料であることを特徴とする、請求項38に記載の方法。
【請求項42】
人の体の一部、特に顔の外観の変化を、時間及び/又は処理の関数として示す方法において、以下のステップを含む方法:
鏡、及び正面に当該人が配置されるカメラ及びカメラにより取得されたイメージを当該人にもどすためのスクリーンを含むビデオシステムのうちの少なくとも1つを含む表示システム;
光源により放出された光を第一方向(12)で偏光させる第一偏光システム(11);
表示システムにより受け取られた光を第二方向(15)で偏光させるための第二偏光システム(14);及び
第一方向及び第二方向の間のオフセット角を変化させる手段;
を含む装置を用いて、人が体の該部分を見ることを可能にするステップ:
当該人が偏光方向の間のオフセット角を変化させて、第一の時間間隔において好まれる外観に対応する第一のオフセット角を選択することを可能にするステップ;
第一とは異なる第二の時間間隔において好まれる外観に対応する第二のオフセット角を当該人が選択することを可能にするステップ;及び
選択された第一及び第二のオフセット角又は該選択されたオフセット角を表す任意の情報を比較するステップ。
【請求項43】
化粧料が、第一の時間間隔及び第二の時間間隔の間に当該人に施与されることを特徴とする、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
化粧料の効果に関する情報が、比較の関数として与えられることを特徴とする、請求項42又は43のいずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
第一の時間間隔が、所与の日の午前中であり、第二の時間間隔が同じ日の夕方であるように選択されることを特徴とする、請求項42〜44のいずれか1項に記載の方法。
【請求項46】
化粧料を配合する方法において、請求項30で決定されたオフセット角の関数として化粧料を配合することからなるステップを含む方法。
【請求項47】
選択されたオフセット角が当該人により好まれる外観に対応することを特徴とする、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
光沢制御フィラーが、選択された方向の関数として選択された割合で化粧料に取り込まれることを特徴とする、請求項46又は47のいずれか1項に記載の方法。
【請求項49】
光沢を与える化合物のフィラーが、選択された方向の関数として選択された割合で化粧料に取り込まれていることを特徴とする、請求項46、47、又は48のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−223838(P2006−223838A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−306766(P2005−306766)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(595100370)ロレアル (108)
【氏名又は名称原語表記】L′OREAL
【Fターム(参考)】