説明

顔料分散体の製造方法、活性光線硬化型インクジェット用インク及びその組成物

【課題】 高駆動周波数・微小ノズル孔径の出射条件で、出射性が良好で、形成された画像が高発色性を示し、色域が広がる活性光線硬化型インクジェット用インクとその組成物および顔料分散体の製造方法を提供する。
【解決手段】 少なくとも顔料表面の親水性度δmが19〜22の顔料と、顔料誘導体、光重合性化合物、高分子分散剤、及び光重合性開始剤を含有する活性光線硬化型インクジェット用インクの調製に用いる顔料分散体の製造方法において、該顔料分散体は、光重合性化合物と高分子分散剤を溶融混和し、ついで、顔料誘導体を含有した上記顔料を、前記混和物に添加混合してスラリーとし、該スラリーを循環式ビーズミルを使用し、該ビーズミル分散条件として、ミル内空間容積[L]/循環流量[L/min]×60が12〜40秒、かつ、20≧仕込スラリー量[L]/ミル内空間容積[L]≧3、で製造する顔料分散体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波数領域かつ微小なノズル孔径を有するインク滴噴射装置に適用できる活性光線硬化型インクジェット用インク(以後、略して、活性光線硬化型インク又はインクともいう)に関するものであり、かつ、光重合性化合物、高分子分散剤、光重合性開始剤及び顔料等を含有する活性光線硬化型インク組成物、及び該活性光線硬化型インク組成物(以後単にインク組成物ともいう)の調製に用いる顔料分散体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インクジェット記録方式は簡便、安価に画像を形成できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷等の、様々な印刷分野に応用されており、生産性、コスト、記録媒体の多様性から速乾性の印刷インクのニーズが高まっている。その中でも、活性光線硬化型インクジェットインクは、ソルベント系インクに比べ、比較的、低臭気で、VOC発生の問題も少なく、インク吸収性のない記録媒体への記録ができる点で、近年注目されつつある。又、活性光線硬化型インクとしては、ラジカル重合タイプとカチオン重合タイプがあるが、カチオン重合タイプは、ラジカル重合タイプに比べ、酸素による重合阻害を受けないため、不活性雰囲気下で実施しなければならないという制限がないこと、又、比較的低臭気なこと等の利点があり注目されて(例えば、特許文献1、2参照。)いる。
【0003】
一般に、インクジェットインクにおいては、従来の塗料に比べて顔料分散は重要な課題である。特に、微細なノズルより高速に液滴を均一に吐出させる必要があるため、分散が不安定であると出射が不安定になり、インクジェットインクとしては致命的な問題である。したがって、顔料の分散安定性と同時に、長期に渡り、保存安定性を確保しなければならない。そのため、顔料分散においては、分散安定性、保存安定性を確保するためには、分散剤として溶媒ビヒクルに溶解する高分子分散剤を使用し、顔料表面の吸着点に高分子分散剤を強固に吸着させ、顔料のまわりの吸着ポリマー層の立体障害の作用により、顔料どうしの接近をさまたげ、凝集を防ぐ方法が知られている。しかし、耐候性、耐光性、耐熱性改良等のため、顔料の高級化が進んできていることに比例して、顔料表面エネルギーが強くなり、凝集しやすい傾向にある。そのため、その対策の1つとして、分散機の分散条件を好適に選定するプロセス面からの改良がある。
【0004】
水系顔料分散系の例であるが、顔料分散に使用されるビーズミルの分散条件について、回転ローターの円周外壁面と、その外側に所定間隙を介して対向する分散メディアを分離するセパレーターが設けられている分散機内への、懸濁液の滞在時間が30sec以下とする方法、又、自己分散性もしくは水溶性の樹脂と顔料と水とを分散するビーズミルの分散条件をビーズ径、出力密度、攪拌機外周速を規定した分散方法が開示されて(例えば、特許文献3、4参照。)いる。
【0005】
これらの公知例は、いずれも水系顔料分散においてビーズミルの分散条件を規定して、貯蔵安定性の優れた水系顔料分散体及びインクを得るための製造方法を示したものであるが、これらの技術は、中和されたアニオン性基を有する有機高分子化合物や及び自己分散性もしくは水溶性樹脂を含むという特定の分散系で、強力な分散条件で分散させても、比較的、分散安定性が得られやすいものである。しかし、光重合性化合物中で顔料を分散した顔料分散体においては、分散安定性、保存安定性を満足するものは得られていなかった。
【0006】
他の1つは、処方面からの改良で、有機顔料の表面処理により、ビヒクルとのぬれや機械的分散性を改良する方法が行われている。その中で、顔料誘導体は、スルホン酸基等の極性基を顔料骨格に導入した化合物であり、これを用いた処理は、顔料の分散安定化に有効であることが開示されて(例えば、特許文献5〜8参照。)いる。
【0007】
これらの公知例には、ラジカル重合系の(メタ)アクリレートをビヒクルとする顔料誘導体を使用した例であるが、インク吐出条件の記載が無く、出射性(連続吐出性)として十分なものではない。又、カチオン重合性モノマー、特にオキセタン化合物や脂環式エポキシ化合物と高分子分散剤と顔料誘導体を含有した顔料を混合した系での顔料分散の例は見当たらない。特に、カチオン重合性モノマーの系においては、従来のラジカル重合のアクリル系モノマーの分散方法をそのまま適用しても、インクの保存安定性、出射性が良好となる分散条件は得られなかった。
【0008】
特に、該インクを、高駆動周波数領域(5〜100KHz)で、ノズル径が50μm以下の微小孔径ノズルを使用したインク滴噴射装置に適用した場合は、良好な出射性(連続吐出性)を得ることはきわめて難しかった。
【0009】
さらに、従来のビーズミル等による分散方法では、分散条件により顔料の分散粒径分布が微小粒径から大粒径までブロードな分布となり、顔料の最適発色性を示す粒径にそろわないため、発色性に劣り、色域が狭くなるという問題があった。
【特許文献1】特開2001−220526号公報 (特許請求の範囲、実施例)
【特許文献2】特開2003−73481号公報 (特許請求の範囲、実施例)
【特許文献3】特開平11−166145号公報 (特許請求の範囲、実施例)
【特許文献4】特開平10−130523号公報 (特許請求の範囲、実施例)
【特許文献5】特開2003−321628号公報 (特許請求の範囲、実施例)
【特許文献6】特開2003−321629号公報 (特許請求の範囲、実施例)
【特許文献7】特開2003−253155号公報 (特許請求の範囲、実施例)
【特許文献8】特開2002−179967号公報 (特許請求の範囲、実施例)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記の問題点を解決することを目的とするもので、高駆動周波数・微小ノズル孔径の出射条件においても、出射性(連続吐出性)が良好で、インク吐出後の形成された画像が高発色性を示し、色域が広がる活性光線硬化型インクジェット用インクとその組成物および顔料分散体の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
【0012】
(請求項1)
少なくとも顔料表面の親水性度δmが19〜22の顔料と、顔料誘導体、光重合性化合物、高分子分散剤、及び光重合性開始剤を含有する活性光線硬化型インクジェット用インクの調製に用いる顔料分散体の製造方法において、該顔料分散体は、まず、光重合性化合物と高分子分散剤を溶融混和し、ついで、顔料誘導体を含有した上記顔料を、前記混和物に添加混合してスラリーとし、得られた該スラリーを循環式ビーズミルを使用し、該ビーズミル分散条件として、ミル内空間容積[L]/循環流量[L/min]×60が12〜40秒、かつ、20≧仕込スラリー量[L]/ミル内空間容積[L]≧3、で製造することを特徴とする顔料分散体の製造方法。
【0013】
但し、ミル内空間容積[L]/循環流量[L/min]×60は、1パスあたりのミル内滞留時間(秒)を表し、
ミル内空間容積(L)=ミル内容積[L]×(1−[ビーズ充填率]×0.6)
と定義する。
【0014】
(請求項2)
前記顔料誘導体が親水性の極性基を顔料骨格に導入した化合物であることを特徴とする請求項1記載の顔料分散体の製造方法。
【0015】
(請求項3)
前記光重合性化合物が、オキセタン化合物及び脂環式エポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の顔料分散体の製造方法。
【0016】
(請求項4)
前記ビーズミルに使用するビーズが、直径0.1〜1.0mmであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の顔料分散体の製造方法。
【0017】
(請求項5)
前記ビーズミル内の攪拌羽根外周速が、6〜12m/secであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の顔料分散体の製造方法。
【0018】
(請求項6)
前記混合スラリーの固形分濃度が、10〜40質量%であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の顔料分散体の製造方法。
【0019】
(請求項7)
前記ビーズミル本体の外壁は、冷却水等の冷媒により冷却する手段を設け、分散時における分散液温度は0〜50℃に保持することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の顔料分散体の製造方法。
【0020】
(請求項8)
請求項1乃至7のいずれか1項記載の顔料分散体の製造方法で得られた顔料分散体を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク組成物。
【0021】
(請求項9)
請求項8記載の活性光線硬化型インクジェット用インク組成物から調製したインクを、駆動周波数が5KHz以上、ノズル径が50μm以下のノズルを有するインク滴噴射装置に適用することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク。
【発明の効果】
【0022】
本発明により、高駆動周波数・微小ノズル孔径の出射条件においても、出射性(連続吐出性)が良好で、インク吐出後の形成された画像が高発色性を示し、色域が広がる活性光線硬化型インクジェット用インクとその組成物および顔料分散体の製造方法を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明を更に詳しく説明する。本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、上記のような技術手段を採用することにより、活性光線硬化型インクジェット用インクにおいて、高駆動周波数・微小ノズル孔径の出射条件においても、出射性(連続吐出性)が良好で、インク吐出後の形成された画像が高発色性を示し、色域が広がるインク組成物および顔料分散体の製造方法を見出し、本発明に至った。
【0024】
すなわち、本発明の分散液は、請求項1に記載したように、顔料表面の親水性度が19〜22の顔料と顔料誘導体、光重合性化合物、高分子分散剤を含有した顔料を混合したスラリーを循環式ビーズミルを使用し、該ビーズミルの分散条件を、ミル内空間容積[L]/循環流量[L/min]×60が12〜40秒、かつ、20≧仕込スラリー量[L]/ミル内空間容積[L]≧3とすることにより、保存安定性・濾過性が良好な顔料分散体が得られることを見出した。さらに、請求項4、5、6、7に記載したように、顔料粒子に対して過度な分散エネルギーを与えないような適度な分散条件で分散することにより、インク化後の出射時において、高駆動周波数・微小ノズル孔径の条件においても、ノズルからの出射性(連続吐出性)が良好となり、さらにインク吐出後の形成された画像が高発色性を示し、色域が広がることを見出したものである。
【0025】
本発明にいう顔料表面の親水性度δmとは、色材,73[3],136(2000)に記載されている滴定法により求められる表面の親水性度δmであり、具体的には、一定量(Bml)の水に表面に測定対象の顔料を浮遊させておき、この状態でゆっくりと攪拌しながら、直接顔料に接触させないように先端を水中に沈めたビュレットからアセトンを滴下する。水面に浮かべた顔料が沈降するに要するアセトンの滴下量(Aml)を求め、下記の式(1)に従って、親水性度δmを求める。
【0026】
δm=(A・δacetone+B・δwater)/(A+B)・・・・・(1)
δacetoneは、アセトンの親水性度[9.75(cal1/2・cm-1/2)]を表し、
δwaterは、水の親水性度[23.43(cal1/2・cm-1/2)]を表す。
【0027】
但し、1calは4.186Jである。
【0028】
本発明においては、顔料表面の親水性度δmが19〜22であることが特徴であるが、好ましくは21.5以下である。δmが22を超えると、分散性が大幅に劣化する。
【0029】
本発明において、顔料表面の親水性度δmを22以下に設定するには、顔料誘導体処理、ロジン処理、ポリマー処理、表面のグラフト処理、プラズマ処理等の公知の表面処理方法を適宜選択することにより、達成することができる。
【0030】
本発明に使用する顔料としては、下記に挙げるものを用いることができる。
顔料の具体例として、
C.I.Pigment Yellow
1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,81,83,87,93,95,97,98,109,110,114,120,128,129,138,139,151,154,155,157,166,167,168,180,185,193
C.I.Pigment Red
5,7,12,19,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,81,101,112,122,123,144,146,168,184,185,202
C.I.Pigment Violet
19,23
C.I.Pigment Blue
1,2,3,15:1,15:2,15:3,15:4,18,22,27,29,60
C.I.Pigment Green
7,36
C.I.Pigment White
6,18,21
C.I.Pigment Black

本発明に使用することができる顔料誘導体としては、例えば、フタロシアニン系誘導体、キナクリドン系誘導体等、公知のものが使用できる。
【0031】
フタロシアニン系顔料誘導体
フタロシアニン系誘導体は公知の方法、例えば、濃硫酸等と反応させる方法、特開昭59−168070号、特公平7−2911号、特開昭53−85823号、特表2000−513396号等に記載の方法を用いて得ることが可能である。
【0032】
例えば、下記の一般式(B)〜(D)で表される銅フタロシアニン化合物を挙げることができる。
【0033】
一般式(B)
CuPc−(SO3H)n
上記一般式(B)において、Pcはフタロシアニン、nは1〜4の整数を表す。
【0034】
一般式(C)
CuPc−(X−NR12n
上記一般式(C)において、Pcはフタロシアニン、Xは2価の連結基を表す。R1、R2は各々異なっていても良いアルキル基を表し、R1とR2で環を形成していても良い。該環はヘテロ原子を含んでいていも良い。nは1〜4の整数を表す。
【0035】
Xとしては、例えば、−SO2−、−CO−、−CH2−基等が挙げられる。
【0036】
1、R2としては、例えば、メチル基、エチル基、ピペリジノメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノプロピル基、ジブチルアミノプロピル基、ピペリジノエチル基、モルホリノエチル基、ピペリジノプロピル基、ジエチルアミノヘキシル基、ジエチルアミノエトキシプロピル基、ジエチルアミノブチル基、ジメチルアミノアミル基、2−エチルヘキシルアミノエチル基、ステアリルアミノエチル基、オレイルアミノエチル基、p−ジメチルアミノエチルスルファモイルフェニル基、p−ジエチルアミノエチルスルファモイルフェニル基、p−ジメチルアミノプロピルスルファモイルフェニル基、p−ジエチルアミノエチルカルバモイルフェニル基等が挙げられる。
【0037】
一般式(D)
CuPc−(N=N−Ph−Z)n
上記一般式(D)において、Pcはフタロシアニン、Phはフェニル基を表し、Zはアミノ基、カルボン酸基もしくはその塩、スルホン酸基もしくはその塩、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよいスルファモイル基を表す。nは1〜4の整数を表す。
【0038】
Zとしては、例えば、置換されていてもよいアミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基)、アニリノ基、カルボン酸もしくはその塩、スルホン酸もしくはその塩、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基等が挙げられる。
【0039】
本発明に係るフタロシアニン誘導体は、組成物の分散時に添加してもよく、可溶な溶媒で溶解させた後、フタロシアニン系顔料を添加し、懸濁液として溶媒を除去して、処理フタロシアニン系顔料として使用することも可能である。
【0040】
フタロシアニン誘導体の使用量としては、フタロシアニン系顔料に対して0.5〜20質量%の範囲にあることが好ましく、1〜5質量%の範囲にあることが好ましい。使用量が少ない場合はその効果が得られず、多くなるとフタロシアニン誘導体は単分子の染料としての性質を示すため堅牢性が劣化する。
【0041】
キナクリドン系誘導体
キナクリドン系誘導体は公知の方法、例えば、濃硫酸等と反応させる方法、特開昭56−118462号等に記載の方法を用いて得ることが可能である。
【0042】
例えば、下記の一般式(E)〜(G)で表される化合物を挙げることができる。
【0043】
一般式(E)
Q−(SO3H)m
上記一般式(E)において、Qはキナクリドン化合物、mは1〜4の整数を表す。
【0044】
一般式(F)
Q−(X−NR1112m
上記一般式(F)において、Qはキナクリドン化合物、Xは2価の連結基を表す。R11、R12はおのおの異なっていてもよいアルキル基を表し、R11とR12で環を形成していてもよい。該環はヘテロ原子を含んでいていもよい。mは1〜4の整数を表す。
【0045】
Xとしては、例えば、−SO2−、−CO−、−CH2−基等が挙げられる。R11、R12としては、例えば、メチル基、エチル基、ピペリジノメチル基、ジメチルアミノメチル基、ジエチルアミノエチル基、ジメチルアミノプロピル基、ジエチルアミノプロピル基、ジブチルアミノプロピル基、ピペリジノエチル基、モルホリノエチル基、ピペリジノプロピル基、ジエチルアミノヘキシル基、ジエチルアミノエトキシプロピル基、ジエチルアミノブチル基、ジメチルアミノアミル基、2−エチルヘキシルアミノエチル基、ステアリルアミノエチル基、オレイルアミノエチル基、p−ジメチルアミノエチルスルファモイルフェニル基、p−ジエチルアミノエチルスルファモイルフェニル基、p−ジメチルアミノプロピルスルファモイルフェニル基、p−ジエチルアミノエチルカルバモイルフェニル基等が挙げられる。
【0046】
一般式(G)
Q−(N=N−Ph1−Z1m
上記一般式(G)において、Qはキナクリドン化合物、Ph1はフェニル基を表し、Z1はアミノ基、カルボン酸基およびその塩、スルホン酸基及びその塩、置換されていてもよいカルバモイル基、または置換されていてもよいスルファモイル基を表す。mは1〜4の整数を表す。
【0047】
1としては、例えば、置換されていてもよいアミノ基(例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基等)、アニリノ基、カルボン酸及びその塩、スルホン酸及びその塩、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基等が挙げられる。
【0048】
キナクリドン誘導体は分散時に添加してもよく、可溶な溶媒で溶解させ、顔料を添加、懸濁液として溶媒を除去し処理キナクリドン顔料として使用することも可能である。
【0049】
キナクリドン誘導体の使用量としては、キナクリドン系顔料に対して0.5〜20質量%の範囲にあることが好ましく、3〜10質量%の範囲にあることが好ましい。使用量が少ない場合はその効果が得られず、多くなるとキナクリドン誘導体は単分子の染料としての性質を示すため堅牢性が劣化する。
【0050】
顔料誘導体については、これ以外にも多くの種類があり、本発明の顔料誘導体は、以上説明した顔料誘導体に限定されるものではない。特に、アミノ基、カルボン酸基およびその塩、スルホン酸基およびその塩等親水性の極性基を有する顔料誘導体が好ましく、顔料への吸着が促進される効果を有する。
【0051】
次に、本発明に使用する光重合性化合物は、特にカチオン重合性化合物が好ましいので、以下カチオン重合性化合物について説明する。
【0052】
カチオン重合性モノマーとしては、カチオン重合により高分子化の起こるタイプで、(1)オキシラン環を有するタイプのもの、(2)スチレン誘導体、(3)ビニルナフタレン誘導体、(4)ビニルエーテル類、(5)N−ビニル化合物及び(6)オキセタン化合物類等を挙げることができる。
【0053】
(1)のオキシラン環を有するタイプのものとしては、1分子内にオキシラン環を2個以上含有するプレポリマーを挙げることができる。このようなプレポリマーとしては、例えば、脂環式ポリエポキシド類、多塩基酸のポリグリシジルエステル類、多価アルコールのポリグリシジルエーテル類、ポリオキシアルキレングリコールのポリグリシジルエーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエテーテル類、芳香族ポリオールのポリグリシジルエーテル類の水素添加化合物類、ウレタンポリエポキシ化合物及びエポキシ化ポリブタジエン類等を挙げることができる。これらプレポリマーは、その一種を単独で使用することもできるし、また、その二種以上を混合して使用することもできる。
【0054】
(2)スチレン誘導体
例えば、スチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、β−メチルスチレン、p−メチル−β−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシ−β−メチルスチレン等
(3)ビニルナフタレン誘導体
例えば、1−ビニルナフタレン、α−メチル−1−ビニルナフタレン、β−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メチル−1−ビニルナフタレン、4−メトキシ−1−ビニルナフタレン等
(4)ビニルエーテル類
例えば、イソブチルエーテル、エチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、p−メチルフェニルビニルエーテル、p−メトキシフェニルビニルエーテル、α−メチルフェニルビニルエーテル、β−メチルイソブチルビニルエーテル、β−クロロイソブチルビニルエーテル等
(5)N−ビニル化合物類
例えば、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルピロリドン、N−ビニルインドール、N−ビニルピロール、N−ビニルフェノチアジン、N−ビニルアセトアニリド、N−ビニルエチルアセトアミド、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミド、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルイミダゾール等
(6)オキセタン化合物
オキセタン環を有する化合物としては、特開2001−220526号公報、同2001−310937号公報に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
【0055】
カチオン重合性モノマーとしてはオキセタン化合物が好ましく、さらにオキシラン環を有する化合物を含有することが好ましい。
【0056】
オキシラン環を有する化合物としては下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、α−ピネンオキサイド、1,2:8,9ジエポキシリモネン、エポキシ化された不飽和結合を有する植物油、下記一般式(A)で表される化合物が挙げられる。
【0057】
【化1】

【0058】
一般式(1)において、R1は炭素数1〜10の無置換もしくは置換基を有するアルキル基、無置換もしくは置換基を有する芳香族基、またはアシル基を表す。
【0059】
一般式(2)において、Y1〜Y8はそれぞれ異なっていても良い水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基、カルボニル基、またはエーテル基を表す。
【0060】
一般式(A)において、R100は置換基を表し、m0は0〜2を表す。r0は1〜3を表す。L0は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr0+1価の連結基または単結合を表す。
【0061】
一般式(1)で表されるオキシラン環を有する化合物について説明する。式中、R1は炭素数1〜10の無置換もしくは置換基を有するアルキル基(例えば、置換されていてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ベンジル基等)、無置換もしくは置換基を有する芳香族基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、無置換もしくは置換基を有するアシル基(例えば、ベンゾイル基、メタクリル基、ステアリル基等)を表し、その中でもアルキル基が好ましい。
【0062】
以下に、前記一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0063】
【化2】

【0064】
一般式(2)で表されるオキシラン環を有する化合物について説明する。式中、Y1〜Y8はそれぞれ異なっていてもよい水素原子、無置換もしくは置換基を有するアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、ベンジル基等)、無置換もしくは置換基を有するカルボニル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)、またはエーテル基(例えば、アルキルエーテル基、アリールエーテル基等)を表す。
【0065】
一般式(2)で表されるオキシラン環を有する化合物の好ましい例としては、下記一般式(III)、(IV)で表される化合物を挙げることができる。
【0066】
【化3】

【0067】
上記一般式(III)において、R200はオキシラン環のα、β位以外の脂肪族基を表し、m3は0〜2を表す。X1は−(CH2n0−、または−(O)n0−を表し、n0は0または1を表す。p1、q1はそれぞれ0または1を表し、同時に0となることはない。r3は1〜3を表す。L3は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでいても良い炭素数1〜15のr3+1価の分岐構造を有する連結基または単結合を表す。
【0068】
【化4】

【0069】
上記一般式(IV)において、R201はオキシラン環のα、β位以外の脂肪族基を表し、m4は0〜2を表す。X2は−(CH2n1−、または−(O)n1−を表し、n1は0または1を表す。p2、q2はそれぞれ0または1を表し、同時に0となることはない。r4は1〜3を表す。L4は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでいても良い炭素数1〜15のr4+1価の分岐構造を有する連結基または単結合を表す。
【0070】
以下、上記一般式(III)、(IV)で表されるオキシラン環を有する化合物の詳細について説明する。
【0071】
上記一般式(III)において、R200はオキシラン環のα、β位以外の脂肪族基を表し、脂肪族基としては炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基等)、炭素数1〜6個のアルキニル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基等)が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜3個のアルキル基であり、メチル基、エチル基がより好ましい。
【0072】
m3は0〜2を表し、1または2が好ましい。X1は−(CH2n0−、または−(O)n0−を表す。n0は0または1を表し、n0が0の場合はX1が存在しないことを表し、m3+n0としては1以上であることが好ましい。L3は、主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr3+1価の分岐構造を有する連結基あるいは単結合を表す。p1、q1はそれぞれ0または1を表し同時に0となることはない。r3は1〜3を表す。
【0073】
次いで、前記一般式(IV)で表されるオキシラン環を有する化合物について説明する。
【0074】
前記一般式(IV)において、R201はオキシラン環のα、β位以外の脂肪族基を表し、脂肪族基としては、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数3〜6個のシクロアルキル基(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、炭素数1〜6個のアルケニル基(例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−ブテニル基等)、炭素数1〜6個のアルキ二ル基(例えば、アセチレニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基等)が挙げられる。好ましくは、炭素数1〜3個のアルキル基であり、メチル基、エチル基がより好ましい。
【0075】
m4は0〜2を表し、1または2が好ましい。X2は−(CH2n1−、または−(O)n1−を表す。n1は0または1を表し、n1が0の場合はX2が存在しないことを表す。m4+n1としてはは1以上が好ましい。p2、q2はそれぞれ0または1を表し、同時に0となることはない。r4は1〜3を表す。
【0076】
4は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr4+1価の分岐構造を有する連結基あるいは単結合を表す。
【0077】
前記一般式(III)または(IV)における主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15の2価の連結基の例としては、以下の基及びこれらの基と−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
【0078】
エチリデン基:>CHCH3
イソプロピリデン基:>C(CH32
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基:−CH2C(CH32CH2−、
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基:−CH2C(OCH32CH2−、
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基:−CH2C(CH2OCH32CH2−、
1−メチル−1,3−プロパンジイル基:−CH(CH3)CH2CH2−、
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基:−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−、
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基:−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−、
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基:−CH2CH2OCH2C(CH32CH2OCH2CH2−、
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基:−CH2CH2OCH2C(OCH3)−、
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基:−CH2CH2OCH2C(CH2OCH32CH2OCH2CH2−、
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基:−p−C64−C(CH32−p−C64−。
【0079】
3価以上の連結基としては以上に挙げた2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基およびそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
【0080】
3、L4は置換基を有していてもよい。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)等が挙げられる。置換基として好ましいのは、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基である。
【0081】
以下に、前記一般式(2)、一般式(III)または一般式(IV)で表されるエポキシ基を有する化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0082】
【化5】

【0083】
【化6】

【0084】
本発明で用いることのできるエポキシ化された不飽和結合を有する植物油としては、例えば、オリーブ油、紅花油、ひまわり油、大豆油、亜麻仁油等の不飽和結合を有する植物油をエポキシ化したものを使用することができる。また、市販されているエポキシ化された植物油を使用することもでき、例えば、新日本理化株式会社製サンソサイザーE−4030、ATOFINA Chemical社製Vf7010、Vf9010、Vf9040等が挙げられる。
【0085】
次いで、前記一般式(A)で表されるオキシラン環を有する化合物について説明する。
【0086】
前記一般式(A)において、R100は置換基を表し、置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシカルボニル基である。m0は0〜2を表し、0または1が好ましい。r0は1〜3を表す。L0は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr0+1価の連結基または単結合を表す。
【0087】
更に、前記一般式(A)で表されるオキシラン環を有する化合物が、下記一般式(I)または(II)で表される脂環式エポキシド化合物であることが好ましい。
【0088】
【化7】

【0089】
上記一般式(I)において、R101は置換基を表し、m1は0〜2を表す。r1は1〜3を表す。L1は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr1+1価の連結基または単結合を表す。
【0090】
【化8】

【0091】
上記一般式(II)において、R102は置換基を表し、m2は0〜2を表す。r2は1〜3を表す。L2は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr2+1価の連結基または単結合を表す。
【0092】
上記一般式(I)または(II)で表される化合物ににおいて、R101、R102、はそれぞれ置換基を表し、置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、臭素原子、フッ素原子等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基等)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基等)等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基またはアルコキシカルボニル基である。
【0093】
m1、m2はそれぞれ0〜2を表し、0または1が好ましい。
【0094】
1は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr1+1価の連結基あるいは単結合を、L2は主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15のr2+1価の連結基あるいは単結合を表す。
【0095】
前記一般式(A)、一般式(I)、一般式(II)におけるL1、L2、L3で表される主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜15の2価の連結基の例としては、以下の基およびこれらの基と−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
【0096】
メチレン基:−CH2−、
エチリデン基:>CHCH3
イソプロピリデン基:>C(CH32
1,2−エチレン基:−CH2CH2−、
1,2−プロピレン基:−CH(CH3)CH2−、
1,3−プロパンジイル基:−CH2CH2CH2−、
2,2−ジメチル−1,3−プロパンジイル基:−CH2C(CH32CH2−、
2,2−ジメトキシ−1,3−プロパンジイル基:−CH2C(OCH32CH2−、
2,2−ジメトキシメチル−1,3−プロパンジイル基:−CH2C(CH2OCH32CH2−、
1−メチル−1,3−プロパンジイル基:−CH(CH3)CH2CH2−、
1,4−ブタンジイル基:−CH2CH2CH2CH2−、
1,5−ペンタンジイル基:−CH2CH2CH2CH2CH2−、
オキシジエチレン基:−CH2CH2OCH2CH2−、
チオジエチレン基:−CH2CH2SCH2CH2−、
3−オキソチオジエチレン基:−CH2CH2SOCH2CH2−、
3,3−ジオキソチオジエチレン基:−CH2CH2SO2CH2CH2−、
1,4−ジメチル−3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基:−CH(CH3)CH2O−CH(CH3)CH2−、
3−オキソペンタンジイル基:−CH2CH2COCH2CH2−、
1,5−ジオキソ−3−オキサペンタンジイル基:−COCH2OCH2CO−、
4−オキサ−1,7−ヘプタンジイル基:−CH2CH2CH2OCH2CH2CH2−、
3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基:−CH2CH2OCH2CH2OCH2CH2−、
1,4,7−トリメチル−3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基
:−CH(CH3)CH2O−CH(CH3)CH2OCH(CH3)CH2−、
5,5−ジメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基:−CH2CH2OCH2C(CH32CH2OCH2CH2−、
5,5−ジメトキシ−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基:−CH2CH2OCH2C(OCH32CH2OCH2CH2−、
5,5−ジメトキシメチル−3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基
:−CH2CH2OCH2C(CH2OCH32CH2OCH2CH2−、
4,7−ジオキソ−3,8−ジオキサ−1,10−デカンジイル基:−CH2CH2O−COCH2CH2CO−OCH2CH2−、
3,8−ジオキソ−4,7−ジオキサ−1,10−デカンジイル基:−CH2CH2CO−OCH2CH2O−COCH2CH2−、
1,3−シクロペンタンジイル基:−1,3−C58−、
1,2−シクロヘキサンジイル基:−1,2−C610−、
1,3−シクロヘキサンジイル基:−1,3−C610−、
1,4−シクロヘキサンジイル基:−1,4−C610−、
2,5−テトラヒドロフランジイル基:2,5−C46O−、
p−フェニレン基:−p−C64−、
m−フェニレン基:−m−C64−、
α,α′−o−キシリレン基:−o−CH2−C64−CH2−、
α,α′−m−キシリレン基:−m−CH2−C64−CH2−、
α,α′−p−キシリレン基:−p−CH2−C64−CH2−、
フラン−2,5−ジイル−ビスメチレン基:2,5−CH2−C42O−CH2−、
チオフェン−2,5−ジイル−ビスメチレン基:2,5−CH2−C42S−CH2−、
イソプロピリデンビス−p−フェニレン基:−p−C64−C(CH32−p−C64−。
【0097】
3価以上の連結基としては、上記に挙げた2価の連結基から任意の部位の水素原子を必要なだけ除いてできる基およびそれらと−O−基、−S−基、−CO−基、−CS−基を複数組み合わせてできる基を挙げることができる。
【0098】
0、L1、L2は置換基を有していても良い。置換基の例としては、ハロゲン原子(例えば塩素原子、臭素原子、フッ素原子、等)、炭素数1〜6個のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、等)、炭素数1〜6個のアルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、等)、アシル基(例えばアセチル基、プロピオニル基、トリフルオロアセチル基、等)、アシルオキシ基(例えばアセトキシ基、プロピオニルオキシ基、トリフルオロアセトキシ基、等)、アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、等)、等が挙げられる。置換基として好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基である。
【0099】
0、L1、L2としては主鎖に酸素原子または硫黄原子を含んでも良い炭素数1〜8の2価の連結基が好ましく、主鎖が炭素のみからなる炭素数1〜5の2価の連結基がより好ましい。
【0100】
以下に、好ましい一般式(A)、一般式(I)又は一般式(II)で表される脂環式エポキシド化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0101】
【化9】

【0102】
【化10】

【0103】
オキシラン環を有する化合物の添加量としては、10〜80質量%含有することが好ましい。10質量%未満であると、硬化環境(温度、湿度)により硬化性が著しく変わってしまい使えない。80質量%を超えると、硬化後の膜物性が弱く使えない。本発明では、オキシラン環を有する化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
【0104】
また、これらのオキシラン環を有する化合物はその製法は問わないが、例えば、丸善KK出版、第四版実験化学講座20有機合成II、213〜、平成4年、Ed.by Alfred Hasfner,The chemistry of heterocyclic compounds−Small Ring Heterocycles part3 Oxiranes,John & Wiley and Sons,An Interscience Publication,New York,1985、吉村、接着、29巻12号、32、1985、吉村、接着、30巻5号、42、1986、吉村、接着、30巻7号、42、1986、特開平11−100378号、特許2906245号、特許2926262号の各公報等の文献を参考にして合成できる。
【0105】
本発明の活性光線硬化型インクには、光重合性開始剤として公知のあらゆる光酸発生剤を用いることができる。
【0106】
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
【0107】
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C654-、PF6-、AsF6-、SbF6-、CF3SO3-塩を挙げることができる。
【0108】
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を、以下に示す。
【0109】
【化11】

【0110】
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を、以下に例示する。
【0111】
【化12】

【0112】
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
【0113】
【化13】

【0114】
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
【0115】
【化14】

【0116】
更に、本発明の組成物においては、活性光線照射によりベンゼンを発生しない下記一般式〔1〕〜〔4〕で表されるスルホニウム塩化合物が好ましく、S+と結合するベンゼン環に置換基をもつものであれば、上記条件を満たす。
【0117】
【化15】

【0118】
上記一般式〔1〕〜〔4〕において、R31〜R47はそれぞれ水素原子、または置換基を表し、R31〜R33が同時に水素原子を表すことがなく、R34〜R37が同時に水素原子を表すことがなく、R38〜R41が同時に水素原子を表すことがなく、R42〜R47が同時に水素原子を表すことはない。
【0119】
31〜R47で表される置換基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロピル基、ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基等のアルコキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、デシルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、ベンゾイルオキシ基等のカルボニル基、フェニルチオ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基等を挙げることができる。
【0120】
31は、非求核性のアニオン残基を表し、例えば、F、Cl、Br、I等のハロゲン原子、B(C654、R18COO、R19SO3、SbF6、AsF6、PF6、BF4等を挙げることができる。ただし、R18及びR19は、それぞれメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基等のアルコキシ基等で置換されていてもよいアルキル基もしくはフェニル基を表す。この中でも、安全性の観点からB(C654、PF6が好ましい。
【0121】
上記化合物は、THE CHEMICAL SOCIETY OF JAPAN Voi.71 No.11,1998年、有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、に記載の光酸発生剤と同様、公知の方法にて容易に合成することができる。
【0122】
本発明においては、前記一般式〔1〕〜〔4〕で表されるスルホニウム塩が、下記一般式〔5〕〜〔13〕から選ばれるスルホニウム塩の少なくとも1種であることが、特に好ましい。X31は非求核性のアニオン残基を表し、前述と同様である。
【0123】
【化16】

【0124】
高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズ(Solsperse 32000、24000G等)、味の素ファインテクノ社製PBシリーズ(PB822、PB821等)、エフカアディティブズ社製(EFKA−4046、7476、7496、7411、7462、4300、4330)等、BYKChemie社のDisperbykシリーズ(160,161,162,163,164,166,167,182,2000,2001,2050,2150等)、楠本化成社のディスパロンシリーズ(ED−152,211,212,213,214,251等)やPLAADシリーズ等が挙げられる。
【0125】
これらの高分子分散剤は、顔料100質量部に対し、10〜100質量部添加して使用されるが、さらに、好ましくは15〜60質量部添加することが好ましい。これは、分散剤の添加量が少なすぎると分散安定性、保存安定性が確保できなくなり、又、多すぎるとインクの粘度が高くなりすぎること、及び活性光線照射時の硬化感度が低下するといった問題が生じる。
【0126】
次に、本発明の活性光線硬化型インクジェット用インクの調製に用いる顔料分散体の製造方法について説明する。
【0127】
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.5μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるように、分散条件、濾過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる
本発明に使用する分散装置の1つの例として、図1に基づき説明する。これは、本発明の分散方法の基本的な構成、機能について説明したもので、下記に限定されるものではない。
【0128】
本発明の分散装置は、混合スラリー13を溜める、混合スラリー用攪拌機11を有する供給タンク12と、該混合スラリー13をミルに供給する循環ポンプ14とビーズミル本体15を冷却ジャケット16により冷却し、ミル内分散液の温度をコントロールする循環恒温槽22から構成される循環式ビーズミルを使用する。
【0129】
分散前の混合スラリー13は、下部に排出口を有するステンレス製供給タンク12に投入され、循環ポンプ14により該混合スラリーをビーズミル本体内15に供給する。ビーズミル本体15は、混合スラリーを供給する供給口と分散後にビーズが分離された分散液を排出する排出口を有し、本体内部には、混合スラリーとビーズを攪拌混合するための回転ローター18があり、さらに、ローターの外側に攪拌羽根ディスク19又はピンが設けられている。分散室内17には、分散中の分散液とビーズが混合された状態であるが、分散された分散液はミルの中心内部に設けられたビーズ分離用スクリーン20を介してビーズは分離され、分散液のみスクリーン内部を通過して排出口より流れ出て、供給タンク12に再び戻される。このように、顔料粒子が所定の粒径、粘度になるまで、ミルを循環させながら分散を継続させる。ビーズミル本体外壁には、冷媒の供給口と排出口が取り付けられた冷却ジャケット16が設けられている。ミル内部の分散中の混合スラリー(分散液)の温度を制御するため、ミルの分散液排出口には温度制御用の温度計21が取り付けられ、設定温度に基づき、循環恒温槽22より該供給口に所定温度、所定量の冷水等の冷媒を供給する。
【0130】
循環式ビーズミルとしては、縦型、横型いずれでもよく、例えばアイメックス社製ビスコミルシリーズ、アシザワ社製スターミル、システムーZETA,シンマルエンタープライゼス社製ダイノミル,ドライスヴェルケ社製DCPパールミル,三菱重工社製ダイヤモンドファインミル等があるが、上記のタイプのビーズミルであれば、これらの機種に限定されるものではない。
【0131】
本発明における分散条件として、混合スラリーの1パスあたりのビーズミル内滞留時間を短くして、液の停滞時間を十分に取る(ミル内滞留時間の2倍以上)ことにより、分散液の分散安定性、保存安定性が確保できる。かつ、インク化後、高駆動周波数領域、微小孔径ノズルを使用したインク滴噴射装置に適用した場合においても、良好な出射性(連続吐出性)が得られ、更に、インク吐出後に形成された画像が高発色性を示し、色域が広がることが確認できた。
【0132】
すなわち、条件の一つは、1パスあたりのビーズミル内滞留時間が12〜40秒であること、他の一つが、混合スラリーの仕込スラリー量が「ミル内空間容積」の3倍以上20倍以下とすることである。ここで、
1パスあたりのミル内滞留時間(秒)=ミル内空間容積[L]/循環流量[L/min]×60
ミル内空間容積(L)=ミル内容積[L]×(1−[ビーズ充填率]×0.6)
と定義する。
【0133】
[ビーズ充填率]×0.6は、ミル内でのビーズの真の占める割合を示している。混合スラリーの1パスあたりのビーズミル内滞留時間を長くすると、ビーズと顔料とのずりせん断により、顔料表面から顔料誘導体の脱離及び遊離高分子分散剤の発生が起こりやすくなると考えられる。又、液の停滞時間が短すぎると、ビーズミル内滞留時間が短くても、すぐに分散が始まることになり、見かけ上、ビーズミル内で連続的に分散されていることと結果的に同じことになり、上記のミル内滞留時間が長い場合と同じ弊害をきたすことになると考えられる。
【0134】
さらに、本発明において、下記に説明するように、循環式ビーズミルの各操作条件を適宜選択することにより、より一層、顔料表面から顔料誘導体の脱離及び遊離高分子分散剤の発生が防止でき、分散安定性、保存安定性が良好となる効果があることを見出した。
【0135】
即ち、前記以外の本発明のビーズミル分散条件の一つとして、使用するビーズの直径を0.1〜1.0mmとすることが好ましい。ビーズの材質は、ガラス、窒化けい素、アルミナ、ジルコニア等があるが、耐摩耗性、高分散性からジルコニアが好ましい。ビーズ径を0.1mmより小さくすると、分散時の固形分濃度が10%〜40%の場合、約20〜約1000mPa・sとなるため、高密度のジルコニアビーズでも、分散液スラリーとともに運動するようになり、顔料とビーズとの相対速度差がほぼ0に近くなる。そのため、顔料粒子の粉砕能力は著しく低下してしまい、粗大粒子が残存しやすい。又、ビーズ径を1.0mmより大きくすると、ビーズと顔料との接触面積が小さくなり摩砕による粉砕能力が低下する。かつ、顔料への衝突エネルギーが過大となるため、顔料粒子の分散粒径分布もブロードになるとともに、顔料表面から顔料誘導体が脱離してしまい、分散安定性が低下するという現象が発生する。又、ビーズと攪拌羽根やミル内の内壁との衝突磨耗が著しく進行してしまう。以上より、分散ビーズの直径は、0.1〜1.0mmのジルコニアビーズを使用することが好ましい。
【0136】
次に、ビーズミル内の攪拌羽根は、ディスクタイプとピンタイプがあるが、いずれを使用しても良い。分散時において、分散混合スラリーの固形分濃度と使用するビーズ直径により、攪拌羽根の外周速の好ましい範囲が決まるが、本発明の分散においては、攪拌羽根外周速を6m/sec〜12m/secの範囲で分散することにより、分散性・保存性が良好な顔料分散体が得られる。これは、攪拌羽根外周速を6m/secより低速にすると、ビーズと顔料との相対速度やビーズの運動エネルギーが小さくなりすぎて、衝突や摩砕による分散が効果的に進まない。又、12m/secより高速にすると、ビーズの運動エネルギーが大きくなりすぎて、顔料粒子の分散粒径分布もブロードになるとともに、顔料表面から顔料誘導体が脱離してしまい分散安定性が低下する。以上から、効率よく分散でき、かつ分散粒径がブロードにならずより狭い分布になり、又、顔料表面から顔料誘導体が脱離せずに、分散安定性、保存安定性を確保した分散体を得るためには、攪拌羽根外周速を6m/sec〜12m/secの範囲とすることが好ましい。さらに、7m/sec〜10m/secの範囲とすることがより好ましい。
【0137】
分散時のスラリーにおける顔料と分散剤の固形分濃度は、10%〜40%の範囲で分散することにより、分散性・保存性が良好な顔料分散体が得られる。固形分濃度を10%より小さくすると、粘度が約20〜30mPa.s以下となり、分散機構はビーズとの衝撃による体積粉砕が主体となり顔料表面から顔料誘導体が脱離しやすくなる。又、生産効率からも好ましくない。40%より大きくすると、粘度が約1000mPa.s以上となり、分散機構はビーズと顔料との摩擦による混練りが主体となり、過大な動力と発熱が発生するため、生産安定性からも好ましくない。さらに、15%〜35%の範囲で分散するのが好ましい。
【0138】
分散時のスラリー温度は、0〜50℃の範囲で分散可能であるが、さらに好ましくは、10〜40℃の範囲である。これは、0℃以下になると、カチオン重合性モノマー中に溶解している高分子分散剤が析出しやすくなり、顔料への吸着が阻害されやすくなる。又、50℃以上だと、顔料誘導体と高分子分散剤との吸着力が低下し、インク化後の保存安定性が低下する。又、分散液が高温になるということは、ビーズの運動による分散エネルギーが分散に有効に使われず、大部分、ビーズと攪拌羽根やビーズと外壁との摩擦等による熱エネルギーに変換されていることを示しているため好ましくない。
【0139】
以上、述べてきたように、本発明の方法によれば、光重合性化合物をビヒクルとし、高分子分散剤と顔料誘導体を含有する顔料を含む顔料分散において、顔料表面の親水性度を22以下とすることにより、光重合性化合物である疎水性モノマーとの濡れ性を向上させ、そのため分散安定性が良好になる。又、循環式ビーズミルの1パスあたりのミル内滞留時間を短くし、ミル外の分散液の停滞時間を十分にとる(ミル内滞留時間の2倍以上)ことにより、保存安定性が良好な顔料分散体が得られることを見出した。さらに、ビーズ径、ミル内の攪拌羽根周速、固形分濃度(顔料と分散剤の混合スラリー全量に対する割合)、分散時の分散液温度について、前記本文記載の条件を選択することにより、過度な分散エネルギーを与えることのない適度な分散条件となるので、より一層、分散液の分散安定性、保存安定性が保たれる。
【0140】
さらに、驚くべきことに、当初予想していなかったが、本発明の分散方法で得られた分散液から調製したインクは、高駆動周波数領域及び微小ノズル径の条件下においても、インク滴噴射装置からの出射性(連続吐出性)はきわめて良好であり、さらにインク吐出後の形成された画像は高発色性を示し、色域が広がったことを確認できた。それに対して、本発明の分散条件以外の条件で分散した分散液から作製したインクは、出射性において満足するものは得られなかった。
【0141】
この理由は、明確ではないが、光重合性化合物、高分子分散剤、および顔料誘導体を含有した顔料の分散系においては、顔料表面の親水性度を22以下とすることにより、光重合性化合物との濡れ性・分散安定性が向上し、又、1パスあたりのミル内滞留時間を短くして、ミル外の分散液の停滞時間を十分に取ることにより、顔料の分散粒径分布がより狭くなり、最適な発色性を示す大きさの粒子の割合が多くなると思われる。さらに、顔料表面からの顔料誘導体の剥がれ及び遊離高分子分散剤の発生を防止できるので、保存安定性が向上すると思われる。さらに、本文記載のビーズミルの各分散条件を適宜選択することにより、一層、上記の効果が顕著になると思われる。その結果、インク化後も、出射時において、遊離分散剤がノズル壁に付着することがないので、高駆動周波数領域及び微小ノズル径の条件下においても、インク滴噴射装置からの連続吐出性(出射性)が良好となり、さらにインク吐出後の形成された画像は高発色性を示し、色域を広げることが可能になったと推測している。
【0142】
本発明のインクにおいては、顔料濃度は、組成物全体の1質量%乃至10質量%であることが好ましい。又、25℃における粘度は、7〜50mPa・sであることが、硬化環境(温度・湿度)に関係なくインクジェットヘッドからの吐出が安定し、良好な硬化性を得るために好ましい。
【0143】
本発明で用いることのできる記録材料としては、通常の非コート紙、コート紙等の他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチック及びそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONyフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルム等を挙げることができる。その他のプラスチックとしては、ポリカーボネート、アクリル樹脂、ABS、ポリアセタール、PVA、ゴム類等が使用できる。また、金属類や、ガラス類にも適用可能である。
【0144】
これら、各種プラスチックフィルムの表面エネルギーは大きく異なり、記録材料によってインク着弾後のドット径が変わってしまうことが、従来から問題となっていた。本発明の構成では、表面エネルギーの低いOPPフィルム、OPSフィルムや表面エネルギーの比較的大きいPETまでを含む、表面エネルギーが35〜60mN/mの広範囲の記録材料に良好な高精細画像を形成できる。
【0145】
本発明において、包装の費用や生産コスト等の記録材料のコスト、プリントの作製効率、各種のサイズのプリントに対応できる等の点で、長尺(ウェブ)な記録材料を使用する方が有利である。
【0146】
本発明のインクジェットインクは、他色の顔料を有するインクとセットとして用いることもできる。少なくともイエローのインクジェットインク、マゼンタのインクジェットインク、シアンのインクジェットインク、ブラックのインクジェットインクを有するインクジェットインクセット、いわゆるカラーのインクジェットプリントに一般的に用いられている複数のインクをセットにしたインクセットで用いられることが好ましい。
【0147】
さらにインクジェットで写真画像を形成するために、色材含有量を各々変化させたいわゆる濃淡インクを調整して用いることもできる。また、必要に応じて、赤、緑、青、白等の特色インクを用いることも色再現上好ましい。
【0148】
次に、本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成方法においては、上記のインクをインクジェット記録方式により記録材料上に吐出、描画し、次いで紫外線等の活性光線を照射してインクを硬化させる方法が好ましい。
【0149】
(インクの吐出条件)
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを35〜100℃に加熱し、吐出することが吐出安定性の点で好ましい。活性光線硬化型インクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴射出速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を一定に保つことが必要である。インク温度の制御幅としては、設定温度±5℃、好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。
【0150】
又、本発明では、ピエゾ駆動の電気・機械変換素子の作動により圧力を発生するシェアモード方式のインク滴噴射装置を使用し、ノズル数は256である。
本発明では、各ノズルより吐出する液適量が2〜20plであることが好ましい。本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、駆動周波数は5〜100KHz、ノズル径は50μm以下が必要であるが、この吐出条件では、インクの吐出安定性が、きわめて厳しくなる。本発明のインクにおいては、5〜50KHz、ノズル径は40μm以下の条件で吐出させるのがより好ましい。この範囲の吐出条件で、インクの液滴量が2〜20plのような小液滴量で吐出を行っても吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成できる。
【0151】
(インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後0.001秒〜1秒の間に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜0.5秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが特に重要となる。
【0152】
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が特開昭60−132767号に開示されている。これによると、ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式でヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間をおいて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源をヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へUV光を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらいずれの照射方法も用いることが出来る。
【0153】
また、活性光線の照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、かつ、全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の一つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録材料の収縮を抑えることが可能となる。
【0154】
従来、UVインクジェット方式では、インク着弾後のドット広がり、滲みを抑制のために、光源の総消費電力が1kW・hrを超える高照度の光源が用いられるのが通常であった。しかしながら、これらの光源を用いると、特にシュリンクラベル等への印字では、記録材料の収縮があまりにも大きく、実質上使用できないのが現状であった。
【0155】
本発明では254nmの波長領域に最高照度をもつ活性光線を用いることが好ましく、総消費電力が1kW・hr以上の光源を用いても、高精細な画像を形成でき、かつ、記録材料の収縮も実用上許容レベル内におさめられる。
【0156】
本発明においては、更に活性光線を照射する光源の総消費電力が1kW・hr未満であることが好ましい。総消費電力が1kW・hr未満の光源の例としては、蛍光管、冷印極管、熱陰極管、LED等があるがこれらに限定されない。
【0157】
以下、本発明の記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明の記録装置の一態様であり、本発明の記録装置はこの図面に限定されない。
【0158】
図2は本発明の記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は記録材料Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録材料Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
【0159】
記録材料Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図2における手前から奥の方向に移動する。ヘッド走査手段(図示せず)は、ヘッドキャリッジ2を図2におけるY方向に往復移動させることにより、ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行う。
【0160】
ヘッドキャリッジ2は記録材料Pの上側に設置され、記録材料P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口を下側に配置して収納する。ヘッドキャリッジ2は、図2におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、ヘッド走査手段の駆動により、図2におけるY方向に往復移動する。
【0161】
尚、図2ではヘッドキャリッジ2が記録ヘッド3を収納するものとして描図されているが、実際の際にはヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の色数は適宜決められるものである。
【0162】
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された活性光線硬化型インク(例えばUV硬化インク)を、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録材料Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるUVインクは色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、紫外線の照射を受けることで開始剤が触媒として作用することに伴うモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
【0163】
記録ヘッド3は記録材料Pの一端からヘッド走査手段の駆動により、図2におけるY方向に記録材料Pの他端まで移動するという走査の間に、記録材料Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対してUVインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
【0164】
上記走査を適宜回数行い、1領域の着弾可能領域に向けてUVインクの吐出を行った後、搬送手段で記録材料Pを図2における手前から奥方向に適宜移動させ、再びヘッド走査手段による走査を行いながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図2における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対してUVインクの吐出を行う。
【0165】
上述の操作を繰り返し、ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3からUVインクを吐出することにより、記録材料P上にUVインク滴の集合体からなる画像が形成される。
【0166】
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷印極管、熱印極管、ブラックライト、LED(Light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。特に波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行え、好ましい。ブラックライトを照射手段4の放射線源に用いることで、UVインクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
【0167】
照射手段4は、記録ヘッド3がヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置(UVインクジェットプリンタ)1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
【0168】
照射手段4はヘッドキャリッジ2の両脇に、記録材料Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
【0169】
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録材料Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録材料Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4との距離dを離したり(dを大きく)することが有効である。又、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
【0170】
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられらた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
【0171】
本発明のインクは、非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
【0172】
図3は、インクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
【0173】
図3で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、記録材料Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
【0174】
一方、ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録材料Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる紫外線ランプは、図2に記載したのと同様のものを用いることができる。
【0175】
このラインヘッド方式では、ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録材料Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
【実施例】
【0176】
以下に本発明の実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明の実施態様はこれらの例に限定されるものではない。
【0177】
実施例1
〈分散液D−1の調製〉
以下の化合物をステンレス容器に入れ、混合溶液が55℃になるようにウォーターバス中で、加温させながら、1時間攪拌溶解した。
PB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 6部
OXT221(東亜合成製オキセタン化合物) 74部
上記溶解液を室温まで冷却したのち、他のステンレス容器に所定量投入し、さらに、以下の割合となるように顔料を添加して、攪拌機にて1時間攪拌して混合スラリーとした。
【0178】
このとき、全仕込容量は4L、固形分濃度は26.8%であった。
C.I.Pigment Red 122(δm=20.7) 20部
Q−(SO2N(C252) 0.8部
Q−(SO2N(C252)において、Qは2,3−キナクリドン残基を表し、−(SO2N(C252)基は、キナクリドンの任意の位置に導入されている。
【0179】
この混合スラリーを図1で示す供給タンク12に投入し、循環式ビーズミル(アシザワ製システムーZETA(LMZ−2型))を使用し、分散を行った。この時の分散条件は、ミル本体内のビーズ充填率85%、直径0.5mmのジルコニアビーズを充填して、循環液流量:3[L/min]、攪拌羽根周速:8m/min、分散液温度:25℃であり、2時間分散を行った後、供給タンクより抜き出し、分散液D−1とした。
【0180】
このときの1パスあたりのミル内滞留時間は19.6sec
仕込スラリー量はミル内空間容積の4.1倍であった。
【0181】
実施例2
〈分散液D−2の調製〉
実施例1において、顔料:C.I.Pigment Red 122及び顔料誘導体:Q−(SO2N(C252)を使用する代わりに、顔料:C.I.Pigment Blue 15:4及び顔料誘導体:CuPc−(SO2N(C252)を下記の割合で、添加し、全仕込容量を8[L]とした以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−2とした。このときの固形分濃度は、26.8%である。
C.I.Pigment Blue 15:4(δm=20.0) 20部
CuPc−(SO2N(C252) 0.8部
CuPc−(SO2N(C252)において、CuPcは、銅フタロシアニン残基を表し、−(SO2N(C252)基は、銅フタロシアニンの任意の位置に導入されている。
【0182】
このときの1パスあたりのミル内滞留時間は19.6秒であり、仕込スラリー量はミル内空間容積の8.2倍であった。
【0183】
実施例3
〈分散液D−3の調製〉
実施例1において、顔料:C.I.Pigment Red 122及び顔料誘導体:Q−(SO2N(C252)を使用する代わりに、顔料:C.I.Pigment Violet 19及び顔料誘導体:Q−(SO2NHCH2CH2N(CH32)を下記の割合で、添加した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−3とした。
【0184】
このときの固形分濃度は、26.8%である。
C.I.Pigment Violet 19(δm=21.8) 20部
Q−(SO2NHCH2CH2N(CH32) 0.8部
Q−(SO2NHCH2CH2N(CH32)において、Qは2,3−キナクリドン残基を表し、−(SO2NHCH2CH2N(CH32)基は、キナクリドンの任意の位置に導入されている。
【0185】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0186】
実施例4
〈分散液D−4の調製〉
実施例1において、分散時の循環液流量を1.5[L/min]とした以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−4とした。
【0187】
このときの1パスあたりのミル内滞留時間は39.2sec、仕込スラリー量はミル内空間容積の4.1倍であった。
【0188】
実施例5
〈分散液D−5の調製〉
実施例1において、仕込スラリー量を3[L]とした以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−5とした。
【0189】
このときの1パスあたりのミル内滞留時間は19.6sec、仕込スラリー量はミル内空間容積の3.1倍であった。
【0190】
実施例6
〈分散液D−6の調製〉
実施例1において、直径0.5mmのジルコニアビーズの代わりに、直径0.1mmを使用した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−6とした。
【0191】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0192】
実施例7
〈分散液D−7の調製〉
実施例1において、直径0.5mmのジルコニアビーズの代わりに、直径1.0mmを使用した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−7とした。
【0193】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0194】
実施例8
〈分散液D−8の調製〉
実施例1において、攪拌羽根外周速:8[m/sec]の代わりに、11[m/sec]とした以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−8とした。
【0195】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0196】
実施例9
〈分散液D−9の調製〉
実施例1において、分散剤PB822とモノマーを下記の割合で混合溶解し、分散剤PB822:2.8部,オキセタン化合物OXT−221:88部、さらに、下記の割合で、顔料を添加した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−9とした。このときの固形分濃度は、12%である。
C.I.Pigment Red 122(δm=20.7) 8.8部
Q−(SO2N(C252) 0.4部
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0197】
実施例10
〈分散液D−10の調製〉
実施例1において、分散剤PB822とモノマーを下記の割合で混合溶解し、分散剤PB822:10.9部、オキセタン化合物OXT−221:62部、さらに、下記の割合で、顔料を添加した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−10とした。このときの固形分濃度は、38%である。
C.I.Pigment Red 122(δm=20.7) 26部
Q−(SO2N(C252) 1.1部
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0198】
実施例11
〈分散液D−11の調製〉
実施例1において、分散容器内の分散液温度を25℃とする代わりに、5℃となるようにビーズミル本体外壁の冷却ジャケットに供給する冷却水の温度と量を調製した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−11とした。
【0199】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0200】
実施例12
〈分散液D−12の調製〉
実施例1において、分散容器内の分散液温度を25℃とする代わりに、45℃となるようにビーズミル本体外壁の冷却ジャケットに供給する水の温度と量を調製した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−12とした。
【0201】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0202】
実施例13
〈分散液D−13の調製〉
実施例1において、直径0.5mmのジルコニアビーズの代わりに、直径0.06mmを使用した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−13とした。
【0203】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0204】
実施例14
〈分散液D−14の調製〉
実施例1において、直径0.5mmのジルコニアビーズの代わりに、直径2.0mmを使用した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−14とした。
【0205】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0206】
実施例15
〈分散液D−15の調製〉
実施例1において、攪拌羽根外周速:8[m/sec]の代わりに、5.5[m/sec]とした以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−15とした。
【0207】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0208】
実施例16
〈分散液D−16の調製〉
実施例1において、攪拌羽根外周速:8[m/sec]の代わりに、12.5[m/sec]とした以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−16とした。
【0209】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0210】
実施例17
〈分散液D−17の調製〉
実施例1において、分散剤PB822とモノマーを下記の割合で混合溶解し、分散剤PB822:1.8部,オキセタン化合物OXT−221:92部、さらに、下記の割合で、顔料を添加した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−17とした。このときの固形分濃度は、8%である。
C.I.Pigment Red 122(δm=20.7) 6部
Q−(SO2N(C252) 0.2部
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0211】
実施例18
〈分散液D−18の調製〉
実施例1において、分散剤PB822とモノマーを下記の割合で混合溶解し、分散剤PB822:12部,オキセタン化合物OXT−221:58部、さらに、下記の割合で、顔料を添加した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−18とした。このときの固形分濃度は、42%である。
C.I.Pigment Red 122(δm=20.7) 29部
Q−(SO2N(C252) 1部
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0212】
実施例19
〈分散液D−19の調製〉
実施例1において、分散容器内の分散液温度を25℃とする代わりに、55℃となるようにビーズミル本体外壁の冷却ジャケットに供給する水の温度と量を調製した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−19とした。
【0213】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0214】
比較例1
〈分散液D−20の調製〉
実施例1において、顔料種は同じP.R.122であるが、顔料表面の親水性度がδm=20.7の替わりに、δm=22.5である顔料を同じ割合で添加した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−20とした。このときの固形分濃度は26.8%である。
【0215】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0216】
比較例2
〈分散液D−21の調製〉
実施例2において、顔料C.I.Pigment Blue 15:4(δm=20.0)の替わりに、顔料表面の親水性度がδm=22.3である顔料C.I.Pigment Blue 15:3を同じ割合で添加した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−21とした。このときの固形分濃度は26.8%である。
【0217】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0218】
比較例3
〈分散液D−22の調製〉
実施例2において、顔料C.I.Pigment Blue 15:4(δm=20.0)の替わりに、顔料表面の親水性度がδm=23.0である顔料C.I.Pigment Blue 15:4を同じ割合でを添加した以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−22とした。このときの固形分濃度は26.8%である。
【0219】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0220】
比較例4
〈分散液D−23の調製〉
実施例1において、顔料は同じC.I.Pigment Red 122(δm=20.7)で、顔料誘導体を添加しなかった以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−23とした。このときの固形分濃度は26%である。
【0221】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0222】
比較例5
〈分散液D−24の調製〉
実施例2において、顔料は同じC.I.Pigment Blue 15:4(δm=20.0)で、顔料誘導体を添加しなかった以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−24とした。このときの固形分濃度は26%である。
【0223】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0224】
比較例6
〈分散液D−25の調製〉
実施例3において、顔料は同じC.I.Pigment Violet 19(δm=21.8)で、顔料誘導体を添加しなかった以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−25とした。このときの固形分濃度は26%である。
【0225】
1パスあたりミル内滞留時間と仕込スラリー量/ミル内空間容積は、実施例1と同じである。
【0226】
比較例7
〈分散液D−26の調製〉
実施例1において、分散時の循環液流量を1.4[L/min]とした以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−26とした。
【0227】
このときの1パスあたりのミル内滞留時間は42sec、仕込スラリー量はミル内空間容積の4.1倍であった。
【0228】
比較例8
〈分散液D−27の調製〉
実施例1において、仕込スラリー量を2.5[L]とした以外は、まったく同様に分散処理を行い、分散液D−27とした。
【0229】
このときの1パスあたりのミル内滞留時間は19.6sec、仕込スラリー量はミル内空間容積の2.6倍であった。
【0230】
以上、上記のように調製した各分散液D−1〜27と分散条件について、表1にまとめた。
【0231】
【表1】

【0232】
〈インク組成物の調製〉
インク組成
表2に記載のインク組成でインクを作製した。これをプリンター目詰まり防止のため1.0μmメンブランフィルターで濾過してインク組成物を得た。
【0233】
【表2】

【0234】
[分散液の評価]
(1)分散液の保存安定性
表1に記載した各分散条件の分散液について、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)をもちいて、粒径を測定した後、各分散体20mlを蒸発が起こらないように密閉したサンプル瓶に入れ、70℃の恒温槽に2週間停滞させ、その後、ゼータサイザー1000で、再度各分散液の粒径を測定して、その平均粒径の変化率を求め、下記の基準に則り、保存安定性の評価を行った。
【0235】
平均粒径の変化率(%)=
(70℃2週間保存後のインクの平均粒径−保存前インクの平均粒径)
÷(保存前インクの平均粒径)×100
5;インクの平均粒径の変化率が5%未満である
4;インクの平均粒径の変化率が5〜10%未満である
3;インクの平均粒径の変化率が10〜25%未満である
2;インクの平均粒径の変化率が25〜50%未満である
1;インクの平均粒径の変化率が50%以上である
以上より、得られた評価結果を表3に示す。
【0236】
(2)濾過性
表1に記載した各分散条件の分散液について、実施例8(固形分濃度;12%)、実施例16(固形分濃度;8%)以外は、すべてカチオン重合性モノマー(OXT221)を固形分濃度が20%になるように、分散体を攪拌しながら添加し希釈した。その後、直径4cmのシート状5μのステンレス製金属メッシュフィルター(綾畳織り)を使用し、ヌッチェによる吸引濾過をおこない、メッシュを通過した量をはかり、下記のように濾過性を評価した。
【0237】
5:金属メッシュ1枚あたり200g以上通過
4:金属メッシュ1枚あたり140〜200g通過
3:金属メッシュ1枚あたり80〜140g通過
2:金属メッシュ1枚あたり 30〜80g通過
1:金属メッシュ1枚あたり通過したのは、30g以下
以上より、得られた評価結果を表3に示す。
【0238】
[インク評価]
(3)インクの保存安定性
表2に記載した各インク処方に基づき作製したインクについて、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)をもちいて、粒径を測定した後、各インク20mlを蒸発が起こらないように密閉したサンプル瓶に入れ、60℃の恒温槽に2週間停滞させた。その後、再度、同じ粒度分布測定器で、60℃保存した各インクの粒径を測定して、その平均粒径の変化率を求め、下記の基準に則り、インク保存安定性の評価を行った。
【0239】
平均粒径の変化率(%)=
(60℃2週間保存後のインクの平均粒径−保存前インクの平均粒径)
÷(保存前インクの平均粒径)×100
と定義する。
【0240】
5;インクの平均粒径の変化率が5%未満である
4;インクの平均粒径の変化率が5〜10%未満である
3;インクの平均粒径の変化率が10〜25%未満である
2;インクの平均粒径の変化率が25〜50%未満である
1;インクの平均粒径の変化率が50%以上である
以上より、得られた評価結果を表3に示す。
【0241】
(2)出射性
図2に示すインクジェット記録装置(インク滴噴射装置)を使用し、表2に記載の各活性光線硬化型インクを連続吐出させ、下記の基準に則り、インクの出射性の評価を行った。
【0242】
インク滴噴射装置のヘッドのノズル数は256個、駆動周波数/ノズル径は、25kHz/23μm、50kHz/23μm及び15kHz/40μmを使用した。
【0243】
5;1時間吐出したとき、すべてのノズルから正常に出射した
4;1時間吐出したとき、正常に出射しなかった本数が1本であった
3;1時間吐出したとき、正常に出射しなかった本数が2〜5本であった
2;1時間吐出したとき、正常に出射しなかった本数が6〜10本であった
1;1時間吐出したとき、正常に出射しなかった本数が11本以上であった
(3)画像濃度の評価
表2に記載した各インク処方に基づき作製したインクについて、透明な厚さ120μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、バーコーターNo.8で手引き塗布し、ウシオ電機社製「スポットキュアSP−5」(メタルハライドランプ)で露光し硬化させ、ベタ画像を形成した後、測色機(グレタグマクベス社製 spectrolino keywizard)を用い、以下の条件で濃度測定を行った。
【0244】
光源:D50、視野:2°視野、濃度:ANSI T、白色基準:abs、フィルター:No−filter
下記の基準に従って、画像濃度を評価した。
【0245】
○:反射濃度が1.1以上
△:反射濃度が0.8以上1.1未満
×:反射濃度が0.8未満
以上より、得られた評価結果を表3に示す。
【0246】
【表3】

【0247】
表1の分散条件、表2のインク処方、表3の分散液及びインクの評価結果から、実施例1〜12は、本発明の請求項1〜7を満足した条件であり、分散液の保存安定性及び濾過性、及びインクの保存安定性、出射性および画像濃度(発色性)のいずれにおいても優れた効果を示している。特に、出射性においては、駆動周波数/ノズル径の組み合わせで、25kHz/23μm、50kHz/23μm及び15kHz/40μmのいずれの場合においても、良好な結果を示した。
【0248】
又、実施例13〜14は、ビーズ径が請求項4の範囲を外れている場合、実施例15〜16は攪拌羽根外周速が請求項5の範囲を外れている場合、実施例17〜18は混合スラリーの固形分濃度が請求項6の範囲を外れている場合、実施例19は分散時の分散液温度が請求項7の範囲を外れている場合である。これら実施例13〜19は、上記の請求項1〜7すべてを満たした実施例1〜12よりは、分散液の保存安定性、濾過性及びインクの保存性・出射性で、やや劣っている。
【0249】
比較例1〜3は、顔料表面の新水性度δmが22より大きい顔料を使用した場合であり、分散液の保存安定性及び濾過性及び、インクの保存安定性、出射性も大きく劣り、かつ画像濃度(発色性)も劣る結果となった。
【0250】
比較例4〜6は、実施例1〜3の顔料を使用し、顔料誘導体が存在しない場合であり、又、比較例7〜8は、1パスあたりのミル内滞留時間または仕込スラリー量/ミル内空間容積比率が請求項1の範囲外の例であり、いずれの場合も分散液の保存安定性及び濾過性が大きく劣り、又、インクの保存安定性、出射性及び画像濃度(発色性)も大きく劣る結果となった。
【0251】
以上から、本発明によれば、分散液の保存安定性・濾過性が良好で、かつ該分散体を含むインクジェット用インクは、保存安定性が良好で、高駆動周波数、微小ノズル径の吐出条件においても出射性が良好であり、かつ高い画像濃度(発色性)が得られる活性光線硬化型インクジェット用インク組成物及顔料分散体及びその製造方法の提供が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0252】
【図1】本発明に使用する分散装置の模式図である。
【図2】本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。
【図3】本発明のインクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
【符号の説明】
【0253】
1 インクジェット記録装置
2 ヘッドキャリッジ
3 インクジェット記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
P 記録材料
11 混合スラリー用攪拌機
12 供給タンク
13 混合スラリー
14 循環ポンプ
15 ビーズミル本体
16 冷却ジャケット
17 分散室
18 回転ローター
19 攪拌羽根ディスク
20 ビーズ分離用スクリーン
21 温度制御用の温度計
22 循環恒温槽

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも顔料表面の親水性度δmが19〜22の顔料と、顔料誘導体、光重合性化合物、高分子分散剤、及び光重合性開始剤を含有する活性光線硬化型インクジェット用インクの調製に用いる顔料分散体の製造方法において、該顔料分散体は、まず、光重合性化合物と高分子分散剤を溶融混和し、ついで、顔料誘導体を含有した上記顔料を、前記混和物に添加混合してスラリーとし、得られた該スラリーを循環式ビーズミルを使用し、該ビーズミル分散条件として、ミル内空間容積[L]/循環流量[L/min]×60が12〜40秒、かつ、20≧仕込スラリー量[L]/ミル内空間容積[L]≧3、で製造することを特徴とする顔料分散体の製造方法。
但し、ミル内空間容積[L]/循環流量[L/min]×60は、1パスあたりのミル内滞留時間(秒)を表し、
ミル内空間容積(L)=ミル内容積[L]×(1−[ビーズ充填率]×0.6)
と定義する。
【請求項2】
前記顔料誘導体が親水性の極性基を顔料骨格に導入した化合物であることを特徴とする請求項1記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項3】
前記光重合性化合物が、オキセタン化合物及び脂環式エポキシ化合物から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項4】
前記ビーズミルに使用するビーズが、直径0.1〜1.0mmであることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項5】
前記ビーズミル内の攪拌羽根外周速が、6〜12m/secであることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項6】
前記混合スラリーの固形分濃度が、10〜40質量%であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項7】
前記ビーズミル本体の外壁は、冷却水等の冷媒により冷却する手段を設け、分散時における分散液温度は0〜50℃に保持することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の顔料分散体の製造方法。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項記載の顔料分散体の製造方法で得られた顔料分散体を含むことを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク組成物。
【請求項9】
請求項8記載の活性光線硬化型インクジェット用インク組成物から調製したインクを、駆動周波数が5kHz以上、ノズル径が50μm以下のノズルを有するインク滴噴射装置に適用することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−188626(P2006−188626A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−2456(P2005−2456)
【出願日】平成17年1月7日(2005.1.7)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】