説明

顔料粒子、現像剤、顔料粒子の製造方法

【課題】所望の特殊効果を有し、EAトナーなどの現像剤トナーと好適に組合せることのできる特殊顔料粒子を提供する。
【解決手段】顔料粒子は、少なくとも1つの金属酸化物表面添加剤を備える。該金属酸化物表面添加剤は、少なくとも1つの縮重合ポリマーと共有結合された金属酸化物粒子であり、顔料粒子は、真珠光沢顔料またはメタリック顔料である。該顔料粒子は、金属酸化物表面添加剤を顔料粒子上に官能化させるステップと、縮重合ポリマーに金属酸化物表面添加剤の官能化された基を共有結合させるステップと、を含み、作製することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔料粒子、現像剤、顔料粒子の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エレクトロフォトグラフィーの所望の目標は、特殊効果、例えば真珠光沢画像またはメタリック画像を印刷できることである。真珠光沢効果またはメタリック効果のための多くの市販の特殊顔料が存在するが、その粒径は大きすぎてエレクトロフォトグラフィックトナー粒子中に包含させることができない。市販の真珠光沢顔料/メタリック顔料の中間顔料サイズは、例えば5〜50マイクロメートル未満(5 to > 50 microns)の範囲にあり、これはエレクトロフォトグラフィックトナー自体と同様のサイズか、それよりも大きい。特殊光学効果、例えばメタリック反射性を生成するために大きい粒径の顔料が必要であるが、現在利用可能な化学的なおよび従来のトナー製造プロセスがこのような大型の顔料を包含できないのは、現在、このような大型の顔料粒子を乳化凝集(emulsion aggregation、EA)トナープロセスに包含させることができないためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,376,147号明細書
【特許文献2】米国特許第5,753,392号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特殊顔料をトナーと組合せる1つの試みは、特殊顔料とトナー樹脂を溶融混合することである。しかしながら特殊顔料の大きなサイズのために、トナーのサイズが20〜30マイクロメートルであっても、顔料粒子はトナーの大半を占める。したがって特殊顔料を含むトナー粒子を噴射または印刷することは、トナー粒子が非常に大きくなってしまうので、極めて困難である。またこのように大きな顔料では、20〜30マイクロメートルのトナーですら各粒子中にせいぜい2〜3個の特殊顔料粒子を有するだけであるので、トナーは極めて不均質となり、実現される効果は最小限である。多くのトナー粒子は中に顔料粒子を有さないが、他のトナー粒子は1個またはわずか2〜3個の顔料粒子を有する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
少なくとも1つの金属酸化物表面添加剤を備えた顔料粒子であって、前記少なくとも1つの金属酸化物表面添加剤が、少なくとも1つの縮重合ポリマーと共有結合された金属酸化物粒子であり、前記顔料粒子が真珠光沢顔料またはメタリック顔料である、顔料粒子である。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】官能価二酸化物(SiO)ナノ粒子の官能基としての、1級アミンとの共有結合の形成のための反応性部位を供給するポリエステル鎖上のエポキシ基を例示した図である。
【図2】多色電子写真印刷システムの基本要素の概略を示す立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明は、例えば電子写真またはエレクトロフォトグラフィック印刷装置を使用して特殊効果画像の形成に使用するための、官能化表面処理した金属系顔料(metallic type pigment)をポリエステル樹脂に共有結合する方法に関する。
【0008】
少なくとも1つの重縮合ポリマー、例えばポリエステルと共有結合した金属酸化物表面添加剤を含む真珠光沢顔料およびメタリック顔料について説明する。当業者は、多くの真珠光沢顔料およびメタリック顔料が本明細書に記載するようにコーティングされ得ることを認識する。
【0009】
実施形態において、特殊顔料がより強い帯電品質を有するために、顔料に樹脂コートを添加することができる。そのプロセスについては、以下で詳細に説明する。しかしながら、樹脂コート顔料が正しく塗工される適切な電荷を有するようにするために、実施形態において、適切な摩擦帯電現像転写特性および/またはクリーニング特性を与える表面電荷制御添加剤(charge control additives、CCA)を備えることが望ましい。さらなる実施形態において、クリアコート/ベースコートトナーを樹脂コート顔料の上または下に添加することができる。クリアコート/ベースコートトナーは、トナー/顔料のすべてを共に融着させるのを補助する追加の樹脂を添加することによって、画像耐久性を改善する。
【0010】
実施形態において、特殊効果顔料は、メタリックゴールド、シルバー、アルミニウム、ブロンズ、ゴールドブロンズ、ステンレス鋼、亜鉛、鉄、スズおよび銅顔料を含む。本明細書で使用するための市販の真珠光沢顔料およびメタリック顔料には、金属酸化物粒子コーティングを含む雲母系顔料である、Merck IRIODIN 300「Gold Pearl」およびMerck IRIODIN 100「Silver Pearl」がある。メルク社(Merck)による、このような他のメタリックカラー光沢顔料としては、22〜37マイクロメートルのD50体積平均粒径(顔料の50%が示したサイズよりも小さい体積サイズを有する)を有する、TIMIRON(登録商標)Bronze MP60、22〜37マイクロメートルのD65サイズのTIMIRON(登録商標)Copper MP−65、3〜10マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Oriental Beige、18〜25マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Aborigine Amber、18〜25マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Passion Orange、7〜14マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Bronze Fine、18〜25マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Bronze、28〜42マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Bronze Sparkle、7〜14マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Copper Fine、18〜25マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Copper、25〜39マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Copper Sparkle、18〜25マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Red Brown、18〜25マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Russet、18〜25マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Tibetan Ochre、7〜14マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Sienna Fine、18〜25マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Sienna、18〜25マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Bordeaux、COLORONA(登録商標)Glitter Bordeaux、18〜25マイクロメートルのD50サイズのCOLORONA(登録商標)Chameleonがある。金属酸化物粒子コーティングを含むMerck雲母系顔料、例えば3〜10マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Super Silk MP−1005、7〜14マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Super Sheen MP−1001、9〜13マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Super Silver Fine、15〜21マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Pearl Sheen MP−30、11〜20マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Satin MP−11171、18〜25マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Ultra Luster MP−111、18〜25マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Star Luster MP−111、22〜37マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Pearl Flake MP−10、17〜26マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Super Silver、28〜38マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Sparkle MP−47、19〜25マイクロメートルのD50サイズのTIMIRON(登録商標)Arctic Silver、15〜22マイクロメートルのD50サイズのXIRONA(登録商標)Silver、および25〜45マイクロメートルのD50サイズのRONASTAR(登録商標)Silverを含むMerckシルバーホワイト顔料も適切である。
【0011】
非常に明るい色では、メルク社からの他の例として、赤色光沢効果を与える、10〜60マイクロメートルのD50サイズを有するCOLORONA(登録商標)Carmine Red、ピンク−バイオレット光沢効果を与える、18〜25マイクロメートルのD50サイズを有するCOLORONA(登録商標)Magenta、淡青色光沢効果を与える、18〜25マイクロメートルのD50サイズを有するCOLORONA(登録商標)Light Blue、暗青色光沢効果を与える、18〜25マイクロメートルのD50サイズを有するCOLORONA(登録商標)Dark Blue、緑色光沢効果を与える、18〜25マイクロメートルのD50サイズを有するCOLORONA(登録商標)Majestic Green、緑色−金色光沢効果を与える、19〜26マイクロメートルのD50サイズを有するCOLORONA(登録商標)Brilliant Green、暗緑色光沢効果を与える、18〜25マイクロメートルのD50サイズを有するCOLORONA(登録商標)Egyptian Emerald、およびパープル光沢効果を与える、18〜25マイクロメートルサイズのD50サイズを有するCOLORONA(登録商標)Patagonian Purpleが挙げられる。
【0012】
実施形態において、エッカート社(Eckart)からの約18マイクロメートル〜約50マイクロメートルのD50を有する雲母系特殊効果顔料、例えばDORADO(登録商標)PX4001、DORADO(登録商標)PX4261、DORADO(登録商標)PX4271、DORADO(登録商標)PX4310、DORADO(登録商標)PX4331、DORADO(登録商標)PX4542、PHOENIX(登録商標)XT、PHOENIX(登録商標)XT2001、PHOENIX(登録商標)XT3001、PHOENIX(登録商標)XT4001、PHOENIX(登録商標)XT5001、PHOENIX(登録商標)PX1000、PHOENIX(登録商標)PX1001、PHOENIX(登録商標)PX1221、PHOENIX(登録商標)PX1231、PHOENIX(登録商標)PX1241、PHOENIX(登録商標)PX1251、PHOENIX(登録商標)PX1261、PHOENIX(登録商標)PX1271、PHOENIX(登録商標)PX1310、PHOENIX(登録商標)PX1320、PHOENIX(登録商標)PX1502、PHOENIX(登録商標)PX1522、PHOENIX(登録商標)PX1542、PHOENIX(登録商標)PX2000、PHOENIX(登録商標)PX2000L、PHOENIX(登録商標)PX2001、PHOENIX(登録商標)PX2011、PHOENIX(登録商標)PX2011、PHOENIX(登録商標)PX2021、PHOENIX(登録商標)PX2021、PHOENIX(登録商標)PX2221、PHOENIX(登録商標)PX2231、PHOENIX(登録商標)PX2241、PHOENIX(登録商標)PX2251、PHOENIX(登録商標)PX2261、PHOENIX(登録商標)PX2271、PHOENIX(登録商標)PX3001、PHOENIX(登録商標)PX4000、PHOENIX(登録商標)PX4001、PHOENIX(登録商標)PX4221、PHOENIX(登録商標)PX4231、PHOENIX(登録商標)PX4241、PHOENIX(登録商標)PX4251、PHOENIX(登録商標)PX4261、PHOENIX(登録商標)PX4271、PHOENIX(登録商標)PX4310、PHOENIX(登録商標)PX4320、PHOENIX(登録商標)PX4502、PHOENIX(登録商標)PX4522、PHOENIX(登録商標)PX4542、PHOENIX(登録商標)PX5000、PHOENIX(登録商標)PX5001、PHOENIX(登録商標)PX5310およびPHOENIX(登録商標)PX5331が使用され得る。
【0013】
さらなる実施形態において、Silberlineアルミニウムフレーク顔料などの特殊効果顔料、例えば16マイクロメートルのDF−1667、55マイクロメートルのDF−2750、27マイクロメートルのDF−3500、35マイクロメートルのDF−3622、15マイクロメートルのDF−554、20マイクロメートルのDF−L−520AR、20マイクロメートルのLED−1708AR、13マイクロメートルのLED−2314AR、55マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 0452Z、47マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 1291X、36マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)、36マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 3331X、31マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 4352Z、33マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 4852X、20マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 6222X、27マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 6352Z、25マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 6802X、14マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 8152Z、14マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 8153X、16マイクロメートルのSILBERCOTE(商標)PC 8602X、20マイクロメートルのSILVET(登録商標)/SILVEX(登録商標)890シリーズ、および16マイクロメートルのSILVET(登録商標)/SILVEX(登録商標)950シリーズが使用され得る。
【0014】
実施形態において、真珠光沢顔料およびメタリック顔料は、二酸化チタンまたは他の遷移金属酸化物、例えばAl、Fe、Fe、SnO、Crまたは2つ以上の遷移金属酸化物の組合せによってコーティングされた雲母フレークであり得る。実施形態において、追加の着色剤、例えばカルミンまたはフェロシアン化鉄がメタリック顔料に場合により添加され得る。
【0015】
実施形態において、ベース顔料は約5μm〜約50μmの、例えば約8μm〜約30μmの体積平均サイズ範囲を有する。顔料サイズは、当分野で既知の適切な機器のいずれか、例えばコールターカウンタを使用して測定され得る。
【0016】
実施形態において、金属酸化物粒子は、サイズが約3〜約700nmの、例えば約10nm〜約500nmの範囲であるナノサイズ金属酸化物粒子であり、非スペーサ金属酸化物粒子は望ましくは約10〜約50nmのサイズを有し、スペーサ金属酸化物粒子は体積平均サイズが約100nm〜約700nmのより大きいナノサイズ粒子である。
【0017】
メタリック酸化物コート顔料は顔料製造者から、サンケミカル社(Sun Chemical)による金属酸化物コート雲母顔料として、または良質な価値を産生する(Creation of Quality Value(CQV))メタリック顔料製造者によるコートパール顔料またはメタリックコートパール顔料として購入可能である。金属酸化物コーティングは、いずれの金属酸化物、例えば二酸化ケイ素(SiO)または二酸化チタン(TiO)でもよい。ベース顔料は通常、雲母(マイカ)であり得る。
【0018】
実施形態において、雲母小板は金属酸化物粒子、例えば(SiO)または(TiO)ナノ粒子によって表面処理するために使用され得る。
【0019】
コーティングの金属酸化物粒子は次いで官能化することができ、ポリエステル樹脂などの重縮合ポリマーへの官能化金属酸化物のグラフトが続く。
【0020】
上述のように、真珠光沢効果またはメタリック効果のための多くの市販特殊顔料が存在するが、その粒径は大きすぎてエレクトロフォトグラフィックトナー粒子に包含させることができず、したがって現在利用可能なトナー製造プロセスがこれらの大型顔料を包含できないのは、現在、このような大型の顔料粒子をEAトナープロセスに包含させることができないためである。実施形態では、「トナー様」(toner-like)である顔料粒子を提供するために帯電特性を備えたトナーサイズ顔料粒子について記載されており、すなわち顔料粒子は帯電特性のためにトナーとして利用され得る。この帯電特性は、樹脂と共有結合された金属酸化物粒子と顔料粒子をコーティングすることによって、および/または追加の表面添加剤、例えば電荷制御添加剤を顔料粒子に塗布することによって本明細書で達成される。
【0021】
実施形態において、顔料粒子は、顔料に所望の帯電特性および環境安定性を与えるために樹脂コーティングと併せて提供され得る。正帯電トナーを必要とするエレクトロフォトグラフィック現像システムのためには、コーティングに使用される樹脂は正に帯電することができ、負帯電トナーを必要とするエレクトロフォトグラフィック現像システムのためには、樹脂は負に帯電することができる。
【0022】
正に帯電するトナーでは、コーティングに使用され得る樹脂の例としては、架橋樹脂、例えばフェノール樹脂およびメラミン樹脂、ならびに熱可塑性樹脂、例えばポリエチレンおよびポリメチルメタクリレートが挙げられ、したがって正に帯電する真珠光沢トナーまたはメタリックトナーに適用可能である。
【0023】
負に帯電するトナーでは、コーティングに使用できる負に帯電した樹脂の例は、非晶性および結晶性ポリエステル樹脂である。実施形態において、コーティング中のポリエステル樹脂の少なくとも1つが適度に高い酸価を有する。「適度に高い酸価」は例えば、約13mg/当量KOH(mg/eq. KOH)〜約40mg/当量KOHの、例えば約15mg/当量KOH〜約35mg/当量KOHの、または例えば約15mg/当量KOH〜約25mg/当量KOHの酸価であり得る。酸価は、中和剤としての水酸化カリウムをpH指示薬と共に使用する滴定方法によって決定され得る。低い酸価、例えば6mg/当量KOH未満のポリエステル樹脂も、コーティング中でより高い酸価の、例えば16mg/当量KOHを超える樹脂と組合せて、または負の電荷制御添加剤(CCA)と組合せて使用され得る。実施形態において、適切な正のCCAである、ポリエステルは正帯電システムに同様に使用され得る。
【0024】
実施形態において、ポリエステル樹脂は、適度に高い酸価、例えば適度に高いカルボン酸価を有するように合成され得る。ポリエステル樹脂は、ジオールモノマーよりも過剰な量の二酸モノマーを使用することによって、または例えばポリエステルの、既知の有機無水物、例えばトリメリット酸無水物、フタル酸無水物、ドデシルコハク酸無水物、マレイン酸無水物、1,2,4,5−ベンゼン二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロール)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロール)−4−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノン二無水物、ビフェニル二無水物、ビシクロ[2.2.2]−オクタ−7−エン テトラカルボン酸二無水物、シス,シス,シス,シス,1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物、エチレンジアミンテトラ酢酸二無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、エチレングリコールビス−(無水トリメリット酸)、プロピレングリコールビス−(無水トリメリット酸)、ジエチレングリコールビス−(無水トリメリット酸)、ジプロピレングリコールビス−(無水トリメリット酸)、トリエチレングリコールビス−(無水トリメリット酸)、トリプロピレングリコールビス−(無水トリメリット酸)、テトラエチレングリコールビス−(無水トリメリット酸)、グリコールビス−(無水トリメリット酸)、およびその混合物との反応により、酸無水物を使用してヒドロキシル末端を酸性末端に変換することによって、適度に高い酸価を有するように作製され得る。ポリマーコートの量は変化し得る。しかしながらポリマーコートは、完全な単層被覆範囲、例えば約5nm厚以上を与える十分な量であるべきである。
【0025】
あるいはヒドロキシル末端ポリエステル樹脂は、多価ポリ酸、例えば1,2,4−ベンゼン−トリカルボン酸、1,2,4シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレン−カルボキシルプロパン、テトラ(メチレン−カルボキシル)メタン、および1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸;多価ポリ酸の酸無水物;および多価ポリ酸の低級アルキルエステル;多価ポリオール、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、スクロース、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2メチル−プロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5トリヒドロキシメチルベンゼン、その混合物などと反応させることによって高い酸価のポリエステル樹脂に変換され得る。
【0026】
実施形態において、ポリエステルは、例えばポリ(1,2−プロピレン−ジエチレン)テレフタレート、ポリエチレン−テレフタレート、ポリプロピレン−テレフタレート、ポリブチレン−テレフタレート、ポリペンチレン−テレフタレート、ポリヘキサレン−テレフタレート、ポリヘプタレン−テレフタレート[polyheptadene-terephthalate]、ポリオクタレン−テレフタレート、ポリエチレン−セバケート、ポリプロピレン−セバケート、ポリブチレン−セバケート、ポリエチレン−アジペート、ポリプロピレン−アジペート、ポリブチレン−アジペート、ポリペンチレン−アジペート、ポリヘキサレン−アジペート、ポリヘプタレン−アジペート[polyheptadene-adipate]、ポリオクタレン−アジペート、ポリエチレン−グルタレート、ポリプロピレン−グルタレート、ポリブチレン−グルタレート、ポリペンチレン−グルタレート、ポリへキサレン−グルタレート、ポリヘプタレン−グルタレート[polyheptadene-glutarate]、ポリオクタレン−グルタレート、ポリエチレン−ピメラート、ポリプロピレン−ピメラート、ポリブチレン−ピメラート、ポリペンチレン−ピメラート、ポリへキサレン−ピメラート、ポリヘプタレン−ピメラート[polyheptadene-pimelate]、ポリ(プロポキシ化ビスフェノール co−フマレート)、ポリ(エトキシ化ビスフェノール co−フマレート)、ポリ(ブトキシ化ビスフェノール co−フマレート)、ポリ(co−プロポキシ化ビスフェノール co−エトキシ化ビスフェノール co−フマレート)、ポリ(1,2−プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシ化ビスフェノール co−マレアート)、ポリ(エトキシ化ビスフェノール co−マレアート)、ポリ(ブトキシ化ビスフェノール co−マレアート)、ポリ(co−プロポキシ化ビスフェノール co−エトキシ化ビスフェノール co−マレアート)、ポリ(1,2−プロピレンマレアート)、ポリ(プロポキシ化ビスフェノール co−イタコナート)、ポリ(エトキシ化ビスフェノール co−イタコナート)、ポリ(ブトキシ化ビスフェノール co−イタコナート)、ポリ(co−プロポキシ化ビスフェノール co−エトキシ化ビスフェノール co−イタコナート)、ポリ(1,2−プロピレンイタコナート)、またはその混合物であり得る。
【0027】
非晶性ポリエステル樹脂のオンセットTg(ガラス転移開始温度)は、約53℃〜約70℃であり得る。結晶性ポリエステル樹脂の溶融温度は約60℃〜約90℃であり得る。ポリエステル樹脂のTs(軟化温度)、すなわちポリエステル樹脂が軟化する温度は、約90℃〜約135℃であり得て、これは陽性ポリマーにも当てはまる。
【0028】
実施形態において、樹脂は非晶性ポリエステルである。非晶性ポリエステル樹脂の例としては、分枝ポリエステル樹脂および直鎖ポリエステル樹脂が挙げられる。
【0029】
分枝非晶性ポリエステル樹脂は一般に、有機ジオール、二酸またはジエステルと、分枝剤としての多価ポリ酸またはポリオールと、重縮合触媒との重縮合によって調製される。
【0030】
非晶性ポリエステルの調製に選択される二酸またはジエステルの例としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、コハク酸、コハク酸無水物、ドデシルコハク酸、ドデシルコハク酸無水物、グルタル酸、グルタル酸無水物、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジメチルフタレート、フタル酸無水物、ジエチルフタレート、ジメチルスクシナート、ジメチルフマレート、ジメチルマレアート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、ジメチルドデシルスクシナート、およびその混合物より選択されるジカルボン酸またはジエステルが挙げられる。有機二酸またはジエステルは例えば、樹脂の約45〜約52モルパーセントを構成し得る。
【0031】
非晶性ポリエステルを産生するのに使用されるジオールの例としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2−ジメチルプロパンジオール、2,2,3−トリメチルへキサンジオール、ヘプタンジオール、ドデカンジオール、ビス(ヒドロキシエチル)−ビスフェノールA、ビス(2−ヒドロキシプロピル)−ビスフェノールA、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、キシレンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ビス(2−ヒドロキシエチル)オキシド、ジプロピレングリコール、ジブチレン、およびその混合物が挙げられる。選択した有機ジオールの量は変化することがあり、さらに詳細には例えば樹脂の約45〜約52モルパーセントである。
【0032】
分枝非晶性ポリエステル樹脂を産生する分枝剤の例としては、例えば多価ポリ酸、例えば1,2,4−ベンゼン−トリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレン−カルボキシルプロパン、テトラ(メチレン−カルボキシル)メタン、および1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、その酸無水物、および1〜6個の炭素原子の、その低級アルキル;多価ポリオール、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサントリオール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、スクロース、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタトリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、その混合物などが挙げられる。選択した分枝剤の量は、例えば樹脂の約0.1〜約5モルパーセントである。
【0033】
非晶性樹脂は例えば、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定した、約10〜約500,000の、例えば約5,000〜約250,000の数平均分子量(M);ポリスチレン標準を使用してGPCによって決定した、約20,000〜約600,000の、例えば約7,000〜約300,000の重量平均分子量(M)を有し得;分子量分布(M/M)は例えば、約1.5〜約6、さらに詳細には約2〜約4である。
【0034】
実施形態において、樹脂は結晶性ポリエステルである。結晶性ポリエステルの例証的な例としては、各種のポリエステルのいずれか、例えばポリ(エチレン−アジペート)、ポリ(プロピレン−アジペート)、ポリ(ブチレン−アジペート)、ポリ(ペンチレン−アジペート)、ポリ(ヘキシレン−アジペート)、ポリ(オクチレン−アジペート)、ポリ(ノニレン−アジペート)、ポリ(デシレン−アジペート)、ポリ(ウンデシレン−アジペート)、ポリ(ドデシレン−アジペート)[poly(ododecylene-adipate)]、ポリ(エチレン−グルタレート)、ポリ(プロピレン−グルタレート)、ポリ(ブチレン−グルタレート)、ポリ(ペンチレン−グルタレート)、ポリ(ヘキシレン−グルタレート)、ポリ(オクチレン−グルタレート)、ポリ(ノニレン−グルタレート)、ポリ(デシレン−グルタレート)、ポリ(ウンデシレン−グルタレート)、ポリ(ドデシレン−グルタレート)[poly(ododecylene-glutarate)]、ポリ(エチレン−スクシナート)、ポリ(プロピレン−スクシナート)、ポリ(ブチレン−スクシナート)、ポリ(ペンチレン−スクシナート)、ポリ(ヘキシレン−スクシナート)、ポリ(オクチレン−スクシナート)、ポリ(ノニレン−スクシナート)、ポリ(デシレン−スクシナート)、ポリ(ウンデシレン−スクシナート)、ポリ(ドデシレン−スクシナート)[poly(ododecylene-succinate)]、ポリ(エチレン−ピメラート)、ポリ(プロピレン−ピメラート)、ポリ(ブチレン−ピメラート)、ポリ(ペンチレン−ピメラート)、ポリ(ヘキシレン−ピメラート)、ポリ(オクチレン−ピメラート)、ポリ(ノニレン−ピメラート)、ポリ(デシレン−ピメラート)、ポリ(ウンデシレン−ピメラート)、ポリ(ドデシレン−ピメラート)[poly(ododecylene-pimelate)]、ポリ(エチレン−セバケート)、ポリ(プロピレン−セバケート)、ポリ(ブチレン−セバケート)、ポリ(ペンチレン−セバケート)、ポリ(ヘキシレン−セバケート)、ポリ(オクチレン−セバケート)、ポリ(ノニレン−セバケート)、ポリ(デシレン−セバケート)、ポリ(ウンデシレン−セバケート)、ポリ(ドデシレン−セバケート)[poly(ododecylene-sebacate)]、ポリ(エチレン−アゼラート)、ポリ(プロピレン−アゼラート)、ポリ(ブチレン−アゼラート)、ポリ(ペンチレン−アゼラート)、ポリ(ヘキシレン−アゼラート)、ポリ(オクチレン−アゼラート)、ポリ(ノニレン−アゼラート)、ポリ(デシレン−アゼラート)、ポリ(ウンデシレン−アゼラート)、ポリ(ドデシレン−アゼラート)[poly(ododecylene-azelate)]、ポリ(エチレン−ドデカノアート)、ポリ(プロピレン−ドデカノアート)、ポリ(ブチレン−ドデカノアート)、ポリ(ペンチレン−ドデカノアート)、ポリ(ヘキシレン−ドデカノアート)、ポリ(オクチレン−ドデカノアート)、ポリ(ノニレン−ドデカノアート)、ポリ(デシレン−ドデカノアート)、ポリ(ウンデシレン−ドデカノアート)、ポリ(ドデシレン−ドデカノアート)[poly(ododecylene-dodecanoate)]、ポリ(エチレン−フマレート)、ポリ(プロピレン−フマレート)、ポリ(ブチレン−フマレート)、ポリ(ペンチレン−フマレート)、ポリ(ヘキシレン−フマレート)、ポリ(オクチレン−フマレート)、ポリ(ノニレン−フマレート)、ポリ(デシレン−フマレート)、ポリ(ウンデシレン−フマレート)、ポリ(ドデシレン−フマレート)[poly(ododecylene-fumarate)]、コポリ−(ブチレン−フマレート)−コポリ−(ヘキシレン−フマレート)、コポリ(エチレン−ドデカノアート)−コポリ−(エチレン−フマレート)、その混合物などが挙げられる。
【0035】
結晶性物質の他の例としては、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリペンテン、ポリデセン、ポリドデセン、ポリテトラデセン、ポリヘキサデセン、ポリオクタデセン[polyoctadene]、およびポリシクロデセン、ポリオレフィンコポリマー、ポリオレフィンの混合物、二峰性分子量(bi-modal molecular weight)ポリオレフィン、官能性ポリオレフィン、酸性ポリオレフィン、ヒドロキシルポリオレフィン、分枝ポリオレフィン、例えば日本のサンヨーケミカルズ社(Sanyo Chemicals)より入手可能なVISCOL 550P(商標)およびVISCOL 660P(商標)などのポリオレフィン、ミツイ社(Mitsui)の「Hi−wax」NP055およびNP105、あるいはMicroPowders、Micropro−440および440wなどのワックスブレンドが挙げられる。実施形態において、結晶性ポリオレフィンは、マレイン化オレフィン、例えばCERAMER(ベーカーヒューズ社(Baker Hughes))であり得る。
【0036】
結晶性樹脂は、例えば少なくとも約60℃の、または例えば約70℃〜約90℃の融点と、ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)によって測定した、例えば約1,000〜約50,000の、または約2,000〜約25,000の数平均分子量(M)を、ポリスチレン標準を使用してGPCによって決定した、例えば約2,000〜約100,000の、または約3,000〜約80,000の重量平均分子量(M)と共に有し得る。結晶性樹脂の分子量分布(M/M)は、例えば約2〜約6、さらに詳細には約2〜約4である。
【0037】
実施形態において、金属酸化物粒子の表面は、ポリマーコーティングと共有結合するために官能化する必要があり得る。官能化は、ポリマーコートを金属酸化物表面に結合するために必要である官能基の存在を確保する。金属酸化物表面を官能化するための複数の異なる方法が本開示の範囲内であるが、実施形態において、ポリエステル鎖上の潜在的な官能基、例えばアミン、ヒドロキシル、エポキシド、またはカルボン酸は、後ポリマー官能化(post polymer functionalization)の間にポリマー鎖が分解されて鎖長を短縮しないという条件で、組み込まれ得る。さらなる実施形態において、金属酸化物表面を官能化するのに各種の試薬が使用でき、それによって2つの成分の添加時に(下の実施例1に示すように)、金属酸化物がポリエステル樹脂に結合されるようになる。これは次に、さらなる反応に、例えば3−アミノプロピル官能化シリカ粒子または3−グリシドキシプロピル官能化シリカ粒子のポリ(アクリル酸)へのグラフトに利用可能な、露出されたアミンまたはエポキシ官能基を生じる。シリカ粒子は、シリカ/ポリスチレンナノコンポジット粒子を産生するために次に乳化重合によってスチレンと共重合されるビニル末端基を含有する、γ−メタクリルオキシプロピル−トリメトキシシランなどのシランカップリング剤によって修飾され得る。
【0038】
実施形態において、ポリマー鎖は、金属酸化物表面上に官能化部位に対する反応性部位を供給するために官能化される必要もあり得る。ポリマー鎖はエポキシド基によって官能化され得る。ポリマー鎖をエポキシド基によって官能化することは、ポリマー鎖の主鎖中のビニル基にメタ−クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)を反応させることを含む。エポキシ化は次にジクロロメタン0.6モル中で、ポリマーの不飽和単位の含有量に基づいてメタ−クロロペルオキシ安息香酸2.0モル当量を用いて実施され得る。反応は室温にて撹拌して実施でき、反応は二重結合のすべてがエポキシド基に変換されるまで進行する。沈殿したポリマーの濾過後に、濾液を冷ヘキサン中で沈殿させて、エポキシ化ポリマーを得る。次に表面官能化された金属酸化物粒子をいずれかの適切な反応によって、縮重合ポリマーに共有結合させる。後述する非晶性ポリマーおよび結晶性ポリマーのいずれも、金属酸化物にグラフトされる重縮合ポリマーとして使用され得る。しかしながらポリマー鎖は、金属酸化物表面上の官能化部位との反応性部位を提供するために、いずれの既知の方法によっても適切に官能化され得る。
【0039】
例えば、金属酸化物がアミン基によって官能化される場合、ポリマー鎖はエポキシド基によって官能化され得る。官能対の2つの例は、エポキシドと反応したアミン(すなわち金属酸化物をアミンによって官能化して、ポリマーのエポキシ基を用いてグラフトする、またはその逆)およびカルボン酸と反応したエポキシド(すなわち金属酸化物をエポキシ基によって官能化して、ポリマーのカルボン酸を用いてグラフトする、またはその逆)である。
【0040】
縮重合ポリエステルポリマーを官能化表面金属酸化物雲母粒子にグラフトするプロセスの例は、次の通りである。
【0041】
メタ−クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)とその後に反応してエポキシドを産生するための、ポリスチレン樹脂中のビニル官能基のエポキシ化のステップ。本反応は、ポリマーの単離後に溶媒、例えばジクロロメタンまたはトルエン中で実施され得る。本反応は室温または50℃までのやや高温にて撹拌しながら、二重結合変換が完了するまで実施され得る。反応が完了した後、ポリマーが冷ヘキサン中に沈殿してエポキシ化ポリマーを得る。
【0042】
金属酸化物コート雲母顔料、すなわち雲母顔料表面のシリカ粒子またはチタニア粒子をアミン官能基によって官能化するステップは、アミン含有成分の存在下での直接の共縮合によってゾル−ゲルシリカナノ粒子を調製することによって達成され得る。例えばテトラエトキシシラン(TEOS)またはテトラメトキシシラン(TMOS)を(3−アミノプロピル)トリメトキシシランまたは(3−アミノプロピル)トリエトキシシランのどちらかと0.85〜0.15のモル比にて、適切な量のエタノール(またはメタノール)、水およびアンモニアを用いて混合し、アミン含有成分を調製する。溶液を次いで約2〜約10時間の期間にわたって室温にて撹拌する。この作用は、次の反応に使用可能な、露出されたアミンまたはカルボン酸またはエポキシド基を顔料表面に生じる。
【0043】
アミン官能化金属酸化物コート雲母顔料をエポキシ化ポリエステル樹脂にカップリングするステップ。エポキシ化樹脂を適切な溶媒、例えばジメチルホルムアミドに溶解させて、溶液に窒素を通気して不活性雰囲気を生成し、それにアミン官能化シリカ粒子を添加する。混合物を次いで、約70℃の高温にて約24時間撹拌する。混合物を室温まで冷却した後、グラフト化ポリマーを濾過および洗浄して、有機不純物ならびに未反応シリカおよびポリマーを除去する。
【0044】
重縮合ポリマーと共有結合された金属酸化物粒子によってコートされた顔料は、相反転プロセスを使用して水に安定して分散させることができる。顔料粒子は、顔料様トナー粒子の使用を可能にするために、乾燥させて追加の従来の表面添加剤とブレンドすることもできる。
【0045】
実施形態において、外部添加剤が樹脂コートまたはCCAコート顔料で使用され得る。例えばトナー粒子は、ヘンシェルブレンダーなどのブレンダーを使用して外部添加剤パッケージとブレンドされ得る。外部添加剤は、顔料粒子の表面と結合する添加剤である。適切な外部添加剤としては、エレクトロフォトグラフィックトナーの分野で使用される外部添加剤が挙げられる。実施形態において、外部添加剤パッケージとしては、二酸化ケイ素またはシリカ(SiO)、チタニアまたは二酸化チタン(TiO)、および酸化セリウムの1つ以上が挙げられる。
【0046】
ステアリン酸亜鉛も、外部添加剤として使用され得る。ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸マグネシウムは、同様の機能を提供し得る。
【0047】
実施形態において、コーティング単独では、十分な帯電制御または電荷制御(charging or charge control)を提供しないことがある。すなわち樹脂コート単独では、顔料粒子が受光体を利用する電子写真またはエレクトロフォトグラフィックプロセスにおいて適切に機能するために十分な電荷を提供しないことがある。このような実施形態において、上のような電荷制御添加剤(CCA)が樹脂コーティングに添加され得る。
【0048】
樹脂コート顔料粒子は、現像剤組成物中に包含され得る。本明細書で開示する現像剤組成物は、デジタルプロセスを含む、エレクトロフォトグラフィック、特に電子写真撮像および印刷プロセスのために選択され得る。現像剤は、制限なく、例えば、導電性キャリアを使用する導電性磁気ブラシ現像(CMB)、絶縁キャリアを使用する絶縁磁気ブラシ現像(IMB)、半導体キャリアを使用する半導体磁気ブラシ現像(SCMB)などを含む、いずれの種類の現像スキームも利用する画像現像システムで使用され得る。他の選択肢は、一成分現像システム(SCD)において顔料粒子を含むキャリアを使用しないことである。実施形態において、現像剤はSCMB現像システムで使用される。
【0049】
本明細書による開示に従って調製したトナー組成物と混合するために選択され得るキャリア粒子の例証的な例としては、トナー粒子の極性と反対の極性の電荷を摩擦電気的に得ることができる粒子を含む。適切なキャリア粒子の例証的な例としては、粒状ジルコン、粒状ケイ素、ガラス、鋼鉄、ニッケル、フェライト、マグネタイト、フェライト鉄、二酸化ケイ素などが挙げられる。加えてキャリア粒子として、凹部および突起が再び発生する表面を特徴とし、それにより比較的大きな表面積を有する粒子を与えるニッケルのノジュラーキャリアビーズから構成されるニッケルベリーキャリアが選択できる。
【0050】
実施形態において、選択したキャリア粒子はコーティングと共に、またはコーティングなしで使用でき、コーティングは一般にフルオロポリマー、例えばポリビニリデンフルオリド樹脂、スチレンのターポリマー、メチルメタクリレート、シラン、例えばトリエトキシシラン、テトラフルオロエチレン、他の既知のコーティングなどから構成される。コーティングは導電性添加剤などの追加の添加剤、例えばカーボンブラックを含み得る。
【0051】
さらなる実施形態において、キャリアコアは、ソーケン社(Soken)から市販されている、300,000〜350,000の重量平均分子量を有するポリメチルメタクリレート(PMMA)ポリマーによって部分的にコーティングされる。
【0052】
実施形態において、例えば約5マイクロメートル〜約100マイクロメートルの直径を有するキャリアコアが使用され得る。さらに詳細には、キャリアコアは例えば、約20マイクロメートル〜約60マイクロメートルである。最も詳細には、キャリアは例えば、約30マイクロメートル〜約50マイクロメートルである。実施形態において、日本のパウダーテック社(Powdertech)より入手可能な35マイクロメートルのフェライトコアが使用される。フェライトコアは、ストロンチウム/マンガン/マグネシウムフェライト調合物と考えられる独自の材料であり得る。
【0053】
さらなる実施形態において、顔料は透明(実質的に無色の)トナー材料と組合せて使用され得る。このような透明トナーは、着色剤、例えば顔料、染料、顔料の混合物、染料の混合物、顔料および染料の混合物などを含まないトナー材料から構成される。透明トナーは、従来のトナーまたは乳化凝集トナーを含む、いずれの適切なトナーでもよい。
【0054】
実施形態において、透明トナーは上述のいずれのトナー樹脂を使用しても調製され得る。トナーは、透明樹脂トナー、例えばポリエステル、ポリビニルアセタール、ビニルアルコール−ビニルアセタールコポリマー、ポリカーボネート、スチレン−アルキルアルキルアクリレートコポリマーおよびスチレン−アリールアルキルアクリレートコポリマー、スチレン−ジエンコポリマー、スチレン−マレイン酸無水物コポリマー、スチレン−アリルアルコールコポリマー、その混合物などの形の結合剤を含み得る。トナーはまた、電荷制御添加剤、例えばアルキルピリジニウムハライド、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムテトラフルオロボラート、4級アンモニウムサルフェートおよびスルホナート化合物、例えばジステアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、および表面添加剤、例えば純シリカ、コロイド状シリカ、UNILIN、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化アルミニウム、ステアリン酸、ポリビニリデンフルオリドなども含み得る。
【0055】
実施形態において、顔料は透明トナーと混合され、同じハウジングから基材に同時に塗布され得る。さらなる実施形態において、透明トナーは、基材の顔料が固定するのを補助するために、基材への顔料塗布の前または後に別個のハウジングから塗布され得る。
【0056】
実施形態において、透明トップコートは、堅牢性/表面耐性のために、顔料と共に、透明トナーと共に、または透明トナーなしで画像に添加され得る。
【0057】
実施形態において、トップコートはUV硬化性トップコートであり得る。UV硬化性トップコートまたはオーバーコートは、例えば少なくとも1つの放射線硬化性オリゴマーおよび/またはモノマー、少なくとも1つの光開始剤、および場合により少なくとも1つのワックスを含み得る。適切なUV硬化性オリゴマーとしては、アクリル化ポリエステル、アクリル化ポリエーテル、アクリル化エポキシ、およびウレタンアクリレートが挙げられる。適切なアクリル化オリゴマーの例としては、アクリル化ポリエステルオリゴマー、例えばEB81(ユーシービーケミカルズ社(UCB Chemicals))、CN2200(サートマー社(Sartomer Co.))、CN2300(サートマー社)など、アクリル化ウレタンオリゴマー、例えばEB270(ユーシービーケミカルズ社)、EB5129(ユーシービーケミカルズ社)、CN2920(サートマー社)、CN3211(サートマー社)など、およびアクリル化エポキシオリゴマー、例えばEB600(ユーシービーケミカルズ社)、EB3411(ユーシービーケミカルズ社)、CN2204(サートマー社)、CN110(サートマー社)などが挙げられる。適切なアクリル化モノマーの具体例としては、ポリアクリレート、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、グリセロールプロポキシトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタアクリレートエステルなど、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アミンアクリレート、アクリルアクリレートなどが挙げられる。2つ以上の物質の混合物も、反応性モノマーとして利用され得る。適切な反応性モノマーは、例えばサートマー社(Sartomer Co.,Inc.)、ヘンケル社(Henkel CORP.),ラドキュア・スペシャリティーズ社(Radcure Specialties)などから市販されている。モノマーは、モノアクリレート、ジアクリレート、あるいは1つ以上のジ−アクリレートまたはトリ−アクリレートを含む多官能性アルコキシ化アクリルモノマーまたはポリアルコキシ化アクリルモノマーであり得る。適切なモノアクリレートは例えば、シクロヘキシルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、オクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、ベヘニルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、3級(tertiary)ブチルアクリレート、グリシジルアクリレート、イソデシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、エトキシ化フェノールモノアクリレート、オキシエチル化フェノールアクリレート、モノメトキシへキサンジオールアクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、ジシクロペンチルアクリレート、カルボニルアクリレート、オクチルデシルアクリレート、エトキシ化ノニルフェノールアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートなどである。適切な多官能性アルコキシ化アクリレートまたはポリアルコキシ化アクリレートは例えば、アルコキシ化アクリレート、例えばエトキシ化アクリレート、またはプロポキシ化アクリレートや、次に示す変形物(variants):ネオペンチルグリコールジアクリレート、ブタンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、グリセリルトリアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ポリブタンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリブタジエンジアクリレートなどである。実施形態において、モノマーはプロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、例えばSR−9003(サートマー社(Sartomer Co.,Inc.)、ペンシルバニア州エクストン)である。適切な反応性モノマーは、例えばサートマー社(Sartomer Co.,Inc.)、ヘンケル社、ラドキュア・スペシャリティーズ社などから市販されている。
【0058】
適切な光開始剤は、UV光開始剤、例えばヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン;他のケトン、例えばα−アミノケトンおよび4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン;ベンゾイン;ベンゾインアルキルエーテル;ベンゾフェノン、例えば2,4,6−トリメチルベンゾフェノンおよび4−メチルベンゾフェノン;トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、例えば2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシド;アゾ化合物;アントラキノンおよび置換アントラキノン、例えばアルキル置換アントラキノンまたはハロ置換アントラキノン;他の置換多核キニンまたは非置換多核キニン;アセトフェノン、チオキサントン;ケタール;アシルホスフィン;およびその混合物である。光開始剤の他の例としては、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンおよび2−イソプロピル−9H−チオキサンテン−9−オンが挙げられる。望ましくは、光開始剤は次の化合物またはその混合物の1つ:ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、例えばIRGACURE 184(チバガイギー社(Ciba-Geigy CORP.))、トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキシド、例えばエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィナート、例えばLUCIRIN TPO−L(ビーエーエスエフ社(BASF CORP.))、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンおよび4−メチルベンゾフェノンの混合物、例えばSARCURE SR1137(サートマー社);2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキシドおよび2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オンの混合物、例えばDAROCUR 4265(チバスペシャリティーケミカルズ社(Ciba Specialty Chemicals));α−アミノケトン、例えばIRGACURE 379(チバスペシャリティーケミカルズ社);4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、例えばIRGACURE 2959(チバスペシャリティーケミカルズ社);2−イソプロピル−9H−チオキサンタン−9−オン、例えばDAROCUR ITX(チバスペシャリティーケミカルズ社);およびその混合物である。
【0059】
任意の添加剤としては、これに限定されるわけではないが、光安定剤、入射UV放射を吸収し、それを最終的に散逸される熱エネルギーに変換するUV吸収剤、抗酸化剤、画像の外観を改善し、黄変をマスキングし得る蛍光増白剤、チキソトロープ剤、ディウェッティング剤(dewetting agents)、滑り剤、発泡剤、消泡剤、流動剤、ワックス、オイル、可塑剤、結合剤、導電剤、有機充填剤粒子および/または無機充填剤粒子、レベリング剤、例えば各種の光沢レベルを生成または低減する薬剤、乳白剤、帯電防止剤、分散剤、顔料および染料などが挙げられる。組成物としては、貯蔵中にオリゴマーおよびモノマー成分の重合を防止、または少なくとも遅延して、組成物の貯蔵寿命を延長する阻害剤、例えばヒドロキノンも含み得る。しかしながら添加剤は、硬化速度に負の影響を及ぼすことがあり、したがって任意の添加剤を使用してオーバープリント組成物を調合する際には注意を払う必要がある。
【0060】
上記の顔料への樹脂コーティングは単独では、基材への顔料粒子の融着/付着に十分であり得るか、または十分ではあり得ない。したがって実施形態では、顔料は、詳細に述べられたように、追加の融着/付着を与える透明トナーと併せて使用され得る。
【0061】
特定の種類の印刷装置が本明細書に記載されているが、当業者によって本明細書の開示がいずれの種類のデジタル印刷装置にも適用され得ることが理解されよう。
【0062】
図2は、フルカラー特殊効果画像のイメージ・オン・イメージ印刷に適した電子写真エンジンの一部を示す簡略立面図である。図2に示した詳細な構造において、一連の現像剤ステーションが各種の着色トナーおよび樹脂コート顔料(以下でさらに詳細に記載)を単一の受光体に連続的に配置して、蓄積された各種のトナーおよび樹脂コート顔料は次いで印刷シート、例えば一枚の紙に転写される。図2に示すように、受容体ベルト10は一連のローラーを囲んで引き回され(entrain)、受容体ベルト10の周囲に沿って、12で示す一連の帯電デバイス、当該分野で既知であるように、例えば独立したレーザスキャナまたはLED印刷バーを含み得る、14で示す露光デバイスと、適切に帯電したトナーおよび/または樹脂コート顔料を、露光デバイス14によって作製された適切に帯電または放電された区域に塗布する、現像剤ステーション16,18,20,22,24,26が配置されている。6個のステーションデバイスが示されているが、わずか2個のステーションが使用され得る(例えば、第1はブラックなどの単色トナー用で、第2はメタリック顔料/真珠光沢顔料用)。以下で詳述するように、5個のステーションデバイスも使用され得る。実施形態において、所望ならば追加色用の追加のステーションも付加され得る。
【0063】
電子写真印刷の当業者は、受光体10の周囲に沿った帯電デバイス12、露光デバイス14、および現像ステーション16,18,20,22,24,26の組合せそれぞれが、特定の原色または他の色、あるいは樹脂コート特殊顔料を像様方式で受光体10に配置できる「画像ステーション」に相当することを認識する。これらの色または樹脂コート顔料が配置される位置はもちろん、一連の露光デバイス14によって放電された各種の区域によって決定される。受光体ベルト10に沿って、当業者に既知であるような、例えばクリーニングコロトロン、クリーニングブレードなどの任意の数の補助デバイスも配置され得る。受光体ベルト10上の特定の画像区域を多数のステーション、色または樹脂コート顔料に相当する各ステーションによって処理させることによって、特殊効果撮像能力を備えた各種の原色の像様配置トナーを含むフルカラー画像が最終的に受光体ベルト10上に構築されることが明らかである。構築されたフルカラー特殊効果画像は次いで、印刷シート、例えば転写コロトロンに転写され、次いで印刷シートは融着されてフルカラー特殊効果画像をその上に固定する。
【0064】
実施形態において、単一の受光体ベルトを使用する代わりに、各ステーションは受光体を含むことができ、各ステーションで現像された各像は、望ましくは位置合せされて中間部材(ベルトまたはドラム)基材に転写され、最終的に最終基材、例えば紙に転写され得る。このような装置は、図2に示すものに類似しており、ベルト10が中間部材基材である。
【0065】
各ステーションは、受光体で潜像を現像するのに使用される現像剤物質を含有するためのハウジングを含む。現像剤物質はカラートナーであり得るか、あるいは真珠光沢顔料またはメタリックコート顔料であり得るかのどちらかである。
【0066】
実施形態において、いずれのカラートナーもメタリック顔料/真珠光沢顔料の前または後に添加され得る。したがって顔料を含む少なくとも1個のハウジングおよびいずれかのカラートナー、例えばクリアまたはブラックを含む1個のハウジングがシステムに含まれる(基本の2ハウジングシステム)。以下で詳細に議論するように、フルカラーシステムを使用する場合、通常、従来のシアン、マゼンタ、イエローおよびブラック(CMYK)トナーそれぞれに1個ずつ、そしてメタリック顔料/真珠光沢顔料に1個の、少なくとも5個のハウジングが必要である。
【0067】
一例が図に示されている、特殊効果画像を印刷できるフルカラー印刷システムにおいて、CMYKなどの各種の原色撮像ステーションに加えて、真珠光沢樹脂コート顔料またはメタリック樹脂コート顔料および/または電荷添加剤コート顔料のブレンドを含有し、場合により追加ハウジング内にクリアトナーも含む、少なくとも1個の追加撮像ステーションを備える。装置はあるいは、クリアトナーを個別に塗布するための追加撮像ステーションをさらに含む。これらのステーションは、どちらの順序でもよい(クリアが最初、または顔料が最初)。したがってCMYK撮像ステーションだけでなく、真珠光沢顔料またはメタリックコート顔料用の、そしてクリアトナー用の2個の追加撮像ステーションからなる、少なくとも6個の撮像ステーションが存在し得る。ハイライト色用のなおさらなる撮像ステーションも追加され得る。
【0068】
本明細書に記載した特殊効果印刷プロセスにおいて、真珠光沢顔料またはメタリックコート顔料はベースコートの上に配置され得る。そのため例えば、メタリック顔料はシルバー仕上げではホワイトに、ブロンズ仕上げではレッドに積層される。これを達成するために、メタリック顔料トナーは第5ハウジングから現像され、ホワイトトナーまたはレッドトナーは第6ハウジングから現像され得る(現像された最後のトナーが紙に最も近く、結局最下部になるので、順序は逆転され得る)。したがってホワイトトナーまたはレッドトナーの融着時に、顔料の樹脂およびトナーが共に溶融して、画像全体を紙に融着させる。実施形態において、クリアトナーは第6ハウジングから現像され、樹脂コートされた真珠光沢顔料またはメタリック顔料は第5ハウジングにおいて現像される。したがって上でちょうど記載したように、融着時にクリアトナーはトナー/顔料すべてを画像に融着させるのを補助する。真珠光沢樹脂コート顔料またはメタリック樹脂コート顔料が第6ハウジングにおいて現像されるのと共に、クリアトナーは第5ハウジングにおいても現像され得る。
【0069】
さらなる実施形態において、クリアトナーおよび真珠光沢コート顔料またはメタリックコート顔料は第5ハウジングまたは第6ハウジングからのブレンドとして印刷され、ブレンド中のクリアトナーは画像を共に融着するための追加の樹脂を供給する。実施形態において、クリアトナーを含み得る、または含み得ない真珠光沢トナーまたはメタリックトナーは第6ハウジングから印刷され、追加のクリアトナーは第5ハウジングから現像されてメタリック画像の最上部に追加の保護層を提供する。さらなる実施形態において、クリアコート、例えば紫外線硬化性オーバーコートは、着色トナーを基材に固定するために画像の最上部に添加され得る。このオーバーコートは、第5ハウジングまたは第6ハウジングからのクリアトナー、あるいは第5ハウジングにおける真珠光沢またはメタリック「トナー」のブレンドに追加され得る。しかしながら当業者は、多くの各種の組合せが可能であり、本明細書に開示の範囲内であることを認識する。
【0070】
上述したように、慣例的にも、あるいは必要なサイズの真珠光沢顔料またはメタリック顔料を用いた乳化凝集(EA)プロセスによっても、トナーによって大型サイズの特殊顔料を包含する方法が現在ないのは、EAプロセスでは大型顔料が拒絶されるためである。したがってこの問題を克服するために、特殊顔料がトナーから個別に塗布されるようにするプロセスを本明細書に記載している。例えば特殊顔料は、所望の帯電維持特性および環境安定性を確保するために、樹脂コーティングと併せて供給され得る。しかしながらCCAも、樹脂コートと併せて、または樹脂コートなしで特殊顔料に塗布され得る。
【実施例】
【0071】
図1は、官能化二酸化ケイ素(SiO)ナノ粒子の官能基としての、1級アミンとの共有結合の形成のための反応性部位を供給するポリエステル鎖上のエポキシ基を図示し、「n」はポリマー鎖中の反復単位の数を示す。例えばn=4である場合には、ここでCHCHCHCHのように列になった4個のCH単位がある。上の例では、ポリマー鎖中の反復単位の数を示すために「m」および「p」も使用される。変数「m」および「p」は、両方がゼロでない限り、任意の数でもよい。例えば「m」および「p」はそれぞれ、0〜約500以上であり得る。変数「n」は、1以上、例えば1〜約500以上の任意の適切な数であり得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの金属酸化物表面添加剤を備える顔料粒子であって、
前記少なくとも1つの金属酸化物表面添加剤が、少なくとも1つの縮重合ポリマーと共有結合された金属酸化物粒子であり、前記顔料粒子が真珠光沢顔料またはメタリック顔料である、顔料粒子。
【請求項2】
少なくとも1つの金属酸化物表面添加剤を備える顔料粒子を含み、
前記少なくとも1つの金属酸化物表面添加剤が、少なくとも1つの縮重合ポリマーと共有結合された金属酸化物粒子であり、前記顔料粒子が真珠光沢顔料またはメタリック顔料である、現像剤。
【請求項3】
顔料粒子を製造する方法であって、
金属酸化物表面添加剤を顔料粒子上に官能化させるステップと、
縮重合ポリマーに前記金属酸化物表面添加剤の官能化された基を共有結合させるステップと、
を含み、
前記金属酸化物表面添加剤が金属酸化物粒子である、方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−209367(P2009−209367A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−45178(P2009−45178)
【出願日】平成21年2月27日(2009.2.27)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】