説明

顧客情報管理方法および顧客情報管理システム。

【課題】 既存のPOSシステムを変更することなくそのまま利用しながら、携帯電話会員に対してはメールを利用した即効的販促を可能とし、カード会員も携帯電話会員も共にこれまでどおりポイントサービスが利用できる顧客情報管理方法および当該システ厶を提供する。
【解決手段】 顧客テーブル32を備えインターネットに接続したサーバ3と、インターネット60を介して前記サーバ3との間でデータ送受信する送受信手段と取得した情報を表示する表示部を備えた顧客の携帯情報端末50と、既存の店舗POSシステムで利用する顧客識別IDを記録したカード51と、を備え、サーバ3は、携帯情報端末50に設定されたメールアドレスとカード51の顧客識別IDとをリンクさせて顧客テーブル32に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
顧客が購入した商品の購入代金に比例してポイントを付与するために利用されるポイントカードなど、個人識別の会員証に値するカードを使用した販売時点情報管理(以下、単に「POS」という)システムと、携帯電話にバーコードを表示して会員証がわりに利用する携帯情報端末を使用したシステムを共存させた顧客情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
顧客が多数枚所持するカード管理のわずらわしさをなくし、購買情報と個人情報とを一致させることなどを目的とし、会員カードを廃止して、携帯情報端末(携帯電話)に表示させた顧客バーコードを会員カードの代わりに利用する顧客管理システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
カード発行費用、ダイレクトメール費用を削減するため会員カードを廃止して、顧客の個人情報に対応させて決定した識別コードを携帯情報端末に表示させ、商品購入に合わせて顧客の識別コードを読取り、顧客にポイントを付与するサーバを備える顧客管理システムが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0004】
同様に、カード発行費用、ダイレクトメール費用を削減するため会員カードを廃止して、商品購入に合わせて顧客の携帯情報端末に表示される識別コードを読取り、顧客にポイントを付与するとともに、顧客の携帯情報端末に販促メールを送信できる顧客管理システムが開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
一方、顧客が自己の個人情報を店側に提示しなくても顧客にとって有益な情報をいつでも取得することができるシステムとして、顧客固有のIDを記録したIDカードを利用して顧客の購買履歴やポイントを管理する顧客情報管理システムを構成し、顧客が操作してIDカードを読み取らせ、顧客が必要とする情報を取り出せるサービス端末を備え、顧客がインターネット接続機能を有する端末でアクセスして必要な情報を取り出せるサーバを備えた顧客情報管理システムが開示されている(例えば、特許文献4参照。)。
【0006】
小売店などの店舗の多くは来店顧客を定着させるため磁気カード等を利用したポイントサービスを導入している。このポイントサービスは、ポイント会員となった顧客が商品を購入すると、その購入代金に応じたポイントを算出して顧客ごとに積算し、積算ポイントに応じて、ポイントの換金や商品券との交換あるいはポイントに応じた商品の値引きなどのサービスを提供するものである。加えて特許文献4のように、このサービスは顧客情報管理の観点からPOSシステムと連動させて実現し、顧客の購買履歴などの蓄積データを分析することで、より的確な販促を可能にしたシステムが多く存在する。
【0007】
昨今のようにポイントサービスが一般的になると店舗は、他店との差別化のため、顧客の利便性の向上と費用対効果の観点から、カードを廃止し顧客の所有する携帯電話を利用できるシステムへの移行を検討するようになってきた。すなわち、特許文献1乃至特許文献3などは、ポイントカードを廃止して、顧客の携帯電話に顧客識別IDをバーコード化して表示させ、これをスキャナで読み取ることで従来の会員カードの代わりに利用し、あらかじめ登録した顧客の携帯電話のメールアドレスに販促情報を送信することのできるシステムとなっている。このシステムを採用すると、店舗はカードを廃止してその費用を削減し、顧客はカード管理のわずらわしさがなくなり、店舗はダイレクトメールを廃止してその費用を削減し、顧客は店舗からタイムリーな情報を得るだけでなく積極的に店舗情報を入手できるようになる。
【特許文献1】 特開2002−42244号公報(第3−5頁、第1図)
【特許文献2】 特開2002−117312号公報(第5−6頁、第1図)
【特許文献3】 特開2002−163537号公報(第8頁、第8図)
【特許文献4】 特許2002−216249号公報(第3−10頁、第1−19図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のようなメリットの反面、最初からシステムを構築する場合と異なり、カードを利用した既存システ厶を、カードをなくし顧客の携帯電話を利用するシステムへ変更することは、場合によってはシステム全体の変更を余儀なくされ店舗の経済的負担も大きく、またカード会員から携帯電話会員への移行がスムーズになされるよう移行期間が必要になるなど、店舗のみならず顧客の労力的負担も大きなものとなる。また、携帯電話を所持しない顧客も存在しカードを全く廃止することは難しいのが現実である。
【0009】
本発明はこのようなことを鑑みて、既存のPOSシステムを変更することなくそのまま利用しながら、携帯電話会員に対してはメールを利用した即効的販促を可能とし、カード会員も携帯電話会員も共にこれまでどおりポイントサービスが利用できる顧客情報管理方法および当該システムを提供しようとするものである。
【0010】
特に本発明においては、既存のPOSシステムを廃止することなく、POSシステムに蓄積された顧客情報を新システムに記録し、既存のPOSシステムに登録された顧客が所有する携帯情報端末、例えば携帯電話、PDAに対してメールによる販促情報の提供を手始めに、ポイント確認など携帯情報端末で利用可能なアイテムを増加させつつも、従来のポイントカードも利用でき、また顧客がポイントカードに代えて携帯情報端末とした場合であっても、携帯情報端末に表示した顧客識別IDを利用してポイントサービスを享受できるように徐々に段階的に利用範囲を拡大できる顧客情報管理方法及び当該システムを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するため、顧客テーブルを備えインターネットに接続したサーバと、インターネットを介して前記サーバとの間でデータ送受信する送受信手段と取得した情報を表示する表示部を備えた顧客の携帯情報端末と、既存の店舗POSシステ厶で利用する顧客識別IDを記録したカードと、を備え、
サーバは、携帯情報端末に設定されたメールアドレスとカードの顧客識別IDとをリンクさせて顧客テーブルに記録する顧客情報管理方法とした。
【0012】
更に、顧客テーブルを備えインターネットに接続したサーバと、インターネットを介して前記サーバとの間でデータ送受信する送受信手段と取得した情報を表示する表示部を備えた顧客の携帯情報端末と、既存の店舗POSシステムで利用する顧客識別IDを記録したカードと、前記サーバとの間でデータ送受信する送受信手段と前記携帯情報端末の表示部に表示したバーコードを読み取るバーコード読取手段とカードの顧客識別IDを読み取るID読取手段とを備える情報端末と、を備え、
サーバは、携帯情報端末に設定されたメールアドレスを顧客テーブルの識別IDにリンクさせて顧客テーブルに記録し、識別IDを携帯情報端末の表示部に表示できるバーコード画像に変換して携帯情報端末に送出し、
サーバは、携帯情報端末の識別IDバーコード画像と既存カードの顧客識別IDとを読み取った情報端末から、バーコード画像をコード変換した識別IDと顧客識別IDとを受信し、
情報端末から識別IDと顧客識別IDを受信したサーバは、顧客識別IDを識別IDにリンクさせて顧客テーブルに記録する顧客情報管理方法とした。
【0013】
前記サーバは、既存POSシステ厶から得た顧客識別IDに基づき顧客テーブルからメールアドレスを抽出し、所定の情報を当該メールアドレスに対して送信する顧客情報管理方法とした。
【0014】
前記サーバにポイントテーブルを備え、
サーバは、POSシステムから顧客識別IDと顧客識別IDにリンクされたポイント情報を得てポイントテーブルに記録し、顧客の携帯情報端末の要求信号または情報端末の要求信号によりポイント情報を顧客の携帯情報端末または情報端末に提供する顧客情報管理方法とした。
【0015】
前記サーバは、顧客テーブルに記録した顧客識別IDを携帯情報端末の表示部に表示するバーコード画像に変換して携帯情報端末に送出する顧客情報管理方法とした。
【0016】
前記携帯情報端末の表示部に表示した顧客識別IDに基づくバーコード画像を、POSシステムに備えられるPOS端末のバーコードスキャナあるいは情報端末のバーコード読取手段で読み取って顧客識別IDとするものである顧客情報管理方法とした。
【0017】
前記識別IDに基づき変換したバーコードと、前記顧客識別IDに基づき変換したバーコードとは異なるコード体系である顧客情報管理方法とした。
【0018】
顧客識別IDを記録した前記店舗カードは、リライトカード、磁気カード、ICカードのいずれかである顧客情報管理方法とした。
【0019】
既存カードに記録した顧客識別IDは、カードに印刷したバーコードであり、ID読取手段はバーコード読取手段である顧客情報管理方法とした。
【0020】
前記課題を解決するために、インターネットを介してサーバとの間でデータおよびメールを送受信する送受信手段と取得した情報を表示する表示部を備えた顧客の携帯情報端末と、
既存の店舗POSシステムで利用する顧客識別IDを記録したカードと、
サーバとの間でデータ送受信する送受信手段と前記携帯情報端末の表示部に表示したバーコードを読み取るバーコード読取手段とカードの顧客識別IDを読み取るID読取手段とを備え、携帯情報端末のバーコード画像とカードの情報とを読み取って、バーコードの識別IDとカードの顧客識別IDをサーバに送信する情報端末と、
顧客テーブルを備えインターネットに接続し、携帯情報端末に設定されたメールアドレスを顧客テーブルの識別IDにリンクさせて顧客テーブルに記録し、該識別IDを携帯情報端末の表示部に表示できるバーコード画像に変換して携帯情報端末に送出し、情報端末から識別IDと顧客識別IDを受信して、顧客識別IDを識別IDにリンクさせて顧客テーブルに記録するサーバと、
を備えた顧客情報管理システ厶とした。
【0021】
前記サーバは、記録した顧客識別IDをバーコード画像にして携帯情報端末に送信する顧客情報管理システムとした。
【0022】
前記サーバは、POSシステムの顧客識別IDと顧客識別IDにリンクした顧客のポイント情報を記録するポイントテーブルを備える顧客情報管理システムとした。
【0023】
前記サーバは、サーバが認証した顧客の携帯情報端末の要求信号により、顧客識別IDにリンクした情報を携帯情報端末に送信する顧客情報管理システムとした。
【0024】
前記サーバは、情報端末から送信される要求信号により、顧客識別IDにリンクした情報を情報端末に送信する顧客情報管理システムとした。
【発明の効果】
【0025】
本発明の請求項1においては、システムの移行を段階的に実施するために、まず既存のPOSシステムに登録された顧客識別IDと、顧客の携帯情報端末、例えば携帯電話、PDAに設定されたインターネットメールアドレス(以下、単に「メールアドレス」という)とをリンクして、新しいサーバの顧客テーブルに登録する。これで既存のPOSシステムの顧客データと顧客のメールアドレスはリンクされ、既存POSシステムの購買情報分析結果などから顧客識別IDを取得すれば、これがメール送信先IDとして利用でき、携帯情報端末でサービスを受けたい顧客には、その携帯情報端末に対し販促メールを送信できる。
【0026】
請求項2または請求項10においては、既存のPOSシステムに登録された顧客識別IDと、顧客の携帯情報端末に設定されたメールアドレスとのリンクをより具体的に実施することができる。情報端末を利用して顧客の意思に基づく操作でも行なうことができるものである。サーバの顧客テーブルのメールアドレスにリンクしたユニークな識別IDをバーコード画像にして顧客の携帯情報端末に送信し、顧客が携帯情報端末に表示した識別IDに基づくバーコードと、従来から所持するポイントカードの顧客識別IDとを情報端末に読み込ませ、これを情報端末がサーバに送信することで、サーバは、受信した識別IDと顧客識別IDとをリンクして保存するので、顧客識別IDと同顧客のメールアドレスはリンクされる。携帯情報端末でサービスを受けたい顧客には、その携帯情報端末に対し販促メールが送信できる。
【0027】
請求項3においては、既存のPOSシステムに備えられる、顧客の購買履歴を分析してフォーカスしたダイレクトメール先を抽出する機能を活用して、抽出した顧客の顧客識別IDを何らかのメディア(FD、CD、MD)や信号ライン(LAN、WAN)を介してサーバが受ければ、的確な情報を速攻的に顧客の携帯情報端末に対した販促としてメール送信できる。
【0028】
請求項4または請求項12によれば、既存のPOSシステムに蓄積された顧客識別IDごとのポイント情報をサーバが受ければ、インターネットに接続したサーバは、サーバにアクセスした顧客の携帯情報端末に対してポイント情報を提供できる。具体的には、既存のPOSシステムに蓄積されたポイント情報を、顧客識別IDとポイント情報とをリンクさせた情報として、何らかのメディアや信号ラインを介してサーバが受ければ、サーバにはポイントテーブルが構築できる。構築したポイントテーブルの情報は顧客識別IDによって区別されるので、顧客が携帯情報端末にてサーバにアクセスしてポイント情報を要求すれば、顧客がアクセスしたURLや顧客識別ID等により識別して、顧客のポイントを携帯情報端末に通知することができる。また、顧客が情報端末にてサーバにアクセスしてポイント情報を要求すれば、顧客の顧客識別ID等により識別して、顧客のポイントを通知することができる。この他、顧客識別IDにリンクさせてサーバに記録した情報は、顧客の顧客識別IDを伴う要求によりその情報を顧客に提供することができる。
【0029】
請求項5または請求項11では、顧客識別IDをバーコード画像に変換して携帯情報端末に送出すると、バーコード画像を携帯情報端末の表示部に表示して店舗に提示できるだけでなく、既存のPOSシステムのバーコードスキャナで読み込むことができる。つまり、顧客は顧客識別IDをカードではなく顧客の携帯情報端末で持ち歩くことができるようになる。また情報端末に顧客識別IDのバーコード画像を読み取らせることができる。
【0030】
請求項6では、携帯情報端末の表示部に表示した顧客識別IDに基づくバーコード画像は、POSシステ厶に含まれるPOS端末のバーコードスキャナで読み取りすると、読み取ったバーコードはスキャナーでコード変換され、既存POSシステムはこれを顧客識別IDとして採用し記録することで、既存のPOSシステムと既存のPOSシステムで使用するポイントカードはそのまま利用しながら、携帯情報端末に表示するバーコードもポイントカードに代わる会員証として並行して利用できる。
【0031】
請求項7では、識別IDと顧客識別IDのそれぞれに基づき変換されるバーコードを、例えば識別IDに基づくバーコードを1次元バーコードとし、顧客識別IDに基づくバーコードを2次元バーコードとすることで、携帯情報端末の利用を望む顧客の登録がどこまで進んでいるかを目視確認できる。つまり、識別IDと顧客識別IDとがリンクされていないと顧客識別IDのバーコード画像に変換されないので、何らかの間違いで一次元バーコードが表示されていれば、顧客を情報端末での読み取りに誘導して顧客テーブルへの記録を完了することができる。
【0032】
請求項8では、店舗で採用するカードは様々な形態が存在するが、顧客識別IDを記録した店舗カードは、リライトカード、磁気カード、ICカードのいずれかであってもよく、情報端末のID読取手段はそれぞれのカードに対応したID読取手段を採用することでよい。顧客識別IDと顧客の携帯情報端末に設定されたメールアドレスとをリンクするための手順であり、既存のPOSシステムと既存のPOSシステムで使用するポイントカードは利用できる。
【0033】
請求項9では、既存カードに記録した顧客識別IDは、カードに印刷したバーコードであり、情報端末のID読取手段はバーコード読取手段とすることで上記カードと同じ手順で顧客テーブルへの登録が完了する。この手順も顧客識別IDと顧客の携帯情報端末に設定されたメールアドレスとをリンクするための手順であり、既存のPOSシステ厶と既存のPOSシステ厶で使用するポイントカードは利用できる。
【0034】
請求項13及び請求項14では、登録が完了した顧客は、顧客の携帯情報端末あるいは情報端末によりサーバにアクセスして、顧客識別IDにリンクさせて記録した情報をサーバより得ることができる。
【0035】
以上のいずれの場合でも、既存のPOSシステムを使用できる状態のまま、携帯情報端末を利用する会員の携帯情報端末による登録は可能で且つ既存のPOSシステムで使用してきた会員カードも今までどおり利用できる。加えて携帯情報端末で会員登録した顧客は、携帯情報端末に表示するバーコードもPOSシステムに使用できるようになるので、既存のPOSシステ厶を稼動させながら、会員カードも利用できて、携帯情報端末を所有し会員登録した顧客には販促情報がメールで送信できる顧客情報管理システムを構築できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明に好適な実施例につき図1により説明する。図1に示す符号1は本発明に関連する顧客情報管理装置1であり、POSサーバ2とサーバ3を備えている。POSサーバ2は、商品の販売時点情報管理を実施するPOS用コンピュータ(以下「POS−PC」という)21と、POS−PC21にネットワークで接続され、顧客ごとにポイントを管理するポイント用コンピュータ22(以下「ポイント−PC」という)とを備えている。POS−PC21は、販売する商品のコードや価格を記録する商品テーブル23、商品の売上を記録する売上テーブル24、商品の仕入れを記録する仕入テーブル25、商品の発注を記録する発注テーブル26などを備える。ポイント−PC22は、顧客識別IDと顧客識別IDに対応させた顧客情報(顧客の氏名、住所、メールアドレス、連絡先など)を記録する顧客テーブル27、顧客識別IDと顧客識別IDに対応させ商品の売上に応じて顧客に付加したポイント(加算ポイント、減算ポイント、ポイント残高など)を記録するポイントテーブル28、サーバ3にインポートする顧客情報等を記録するtxtテーブル29などを備える。POS−PC21には、店舗に設置され通常レジと称されるPOS端末40が複数台ネットワークで接続されている。POS端末40には、商品バーコードを読み取るスキャナ41とポイントカードから顧客識別IDを読み取るカードリーダ42を備えている。POSサーバ2とPOS端末40で既存のPOSシステムとする。
【0037】
POS−PC21では、スキャナ41で読み取った商品バーコードにより商品テーブル23の商品価額を参照してPOS端末40に送信すること、POS端末40で入力された商品コード別の売上を売上テーブル24に記録すること、また、カードリーダ42で読み取った顧客識別IDを商品売上金額とともにポイント−PC22に送信することなどが実行される。ポイント−PC22ではPOS−PC21から送信されたデータに基づきポイントを演算して顧客識別IDに対応させてポイントテーブル28に記録すること、ポイントカードを発行した顧客の情報を顧客テーブル27に記録することなどが実行される。
【0038】
サーバ3には、WEB用コンピュータ(以下「WEB−PC」という)31を備え、WEB−PC31はインターネット60に開放されたwww(World Wide WEB)サーバとメールサーバ、またデータベースサーバなどを備え、具体的にはこれらの処理を実行するアプリケーションがインストールしてあり、顧客に情報を提供するために実行するプログラム、例えばHTML言語、ASP言語、JAVA言語などで作成されたプログラムがインストールしてある。さらに、ポイントカードを所持する顧客を判別するための顧客識別IDを含む顧客情報を記録する顧客テーブル32、本システムを運用する店舗の情報を記録する店舗テーブル33、顧客のポイントを記録するポイントテーブル34、顧客識別IDごとに提供する情報特定項目を記録する情報テーブル35を備える。
【0039】
またこの実施例ではサーバ3はネットワークによりPOSサーバ2に接続可能に構成されているものとする。例えばTCP/IPプロトコルなど、サーバ3とPOSサーバ2に共通のプロトコルによる接続が確立されておればよく、サーバ3に必要なデータがPOSサーバから受け取れる接続であればよい。即ち外観的にハード構成として無線LANを利用したものであってもよい。また、POSサーバ2とサーバ3とはネットワーク接続以外の手段であってもよい。CD−ROMなどのメディアを介してデータをサーバ3にインポートすることでもよい。
【0040】
なお、前述の各テーブルの構成とその記録項目は一例であり、データフィールドを追加するためテーブル数を更に分割して増やしたり、あるいは複数のテーブルを一つにまとめたりすることはデータベースの設計事項であり本実施例に限定されない。
【0041】
符号50で示すものは顧客が所持する携帯情報端末50である。携帯情報端末50はインターネット60に接続できてWEBブラウザ機能を備えている端末であればよく、パーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯通信端末(通称パーム、PDA)が適用できる。以下、携帯電話50として説明する。顧客は携帯電話50をインターネット60を介してサーバ3に接続する。さらに顧客は店舗で発行を受けたポイントカード51を備えている。携帯電話50には表示部52、入力部(操作ボタン)53を備える。
【0042】
次に携帯電話50について図2を参照して説明を加える。メイン制御部55には、プログラムや情報を記憶する記憶部56、スピーカ57aとマイク57bが接続され通話を制御する通話制御部57、アンテナ58aが接続され通話やデータ送受信を制御する送受信制御部58がそれぞれ接続してある。本発明における携帯電話50は、通話ではなくブラウザソフトによりインターネットを介してサーバ3に接続しての情報の送受信や、メールソフトによるメールの送受信を行なう機能を利用する。
【0043】
以上の構成において、ポイント−PC22の顧客テーブル27に、顧客識別IDと当該顧客にリンクされたメールアドレスが存在することを前提として、POSサーバ2から顧客識別IDと当該顧客のメールアドレスを含む顧客情報をサーバ3にインポートする手順について図1乃至図4により説明する。まずPOSサーバ2は顧客識別IDとメールアドレスを含む顧客情報データをPOSサーバのtxtテーブル29にtxt形式で作成する(ステップ101)。作成するデータは最低限図4で示す顧客識別IDとメールアドレスがあればよい。好ましくはその他の顧客情報としてポイントカード51発行の際に顧客から取得しPOSサーバ2に記録されている、顧客の氏名、パスワード、誕生日、ポイントテーブル28のポイントデータなどを加えるとよい。この例ではtxtテーブル29はftpで読み取り可能に設定してあるものとする。POSサーバ2による顧客情報データの作成は、POSサーバ2において時限的にプログラ厶を実行させることでよい。つまり店舗の営業終了後にバッチ処理で顧客情報データを作成することでもよい。
【0044】
サーバ3はPOSサーバ2のバッチ処理により作成されたPOSサーバ2内のtxtテーブル29にある顧客情報データをftpにより読み取る(ステップ102)。サーバ3は、少なくとも読み取った顧客情報データの顧客識別IDとメールアドレスをリンクさせてサーバ3の顧客テーブル32に記録する(ステップ103)。また顧客情報データにポイントデータが含まれる場合にはそれをポイントテーブル34に記録する。データの記録(更新)はtxtテーブル29のデータに含まれる顧客識別IDに基づきサーバ3の顧客テーブル32に記録された顧客識別IDを参照して実行する。従ってtxtテーブル29のデータに含まれる顧客識別ID以外の顧客識別IDデータは更新されない。このようにしてサーバ3にはPOSサーバ2の顧客情報が記録される。サーバ3による顧客情報データの取得は、サーバ3において時限的にプログラムを実行させることでよい。つまりPOSサーバ2のバッチ処理終了に合わせてサーバ3がバッチ処理を実行して顧客情報データを取得し、その後顧客情報データをサーバ3に記録することでよい。これらPOSサーバ2のデータ作成とサーバ3の読み取りの実行は、定期的に実施することで常に最新の顧客情報を得ることができる。これ以外にPOSサーバ2に処理を実行させることはなく、1日1回の処理でも十分であり、本発明を適用することで大きな負担を強いることはない。
【0045】
以上により、POSサーバ2に記録されるポイントカード発行済みの顧客の顧客識別IDと当該顧客のメールアドレスを含む顧客情報がサーバ3にインポートされた。サーバ3には必要に応じて店舗テーブル33に店舗情報を記録する。もちろんPOSサーバ2より得てもよい。店舗情報としては、店舗所在地、連絡先、販売商品、価格、バーゲン情報などが挙げられる。以上の手順において、顧客識別IDと当該顧客のメールアドレスはリンクして顧客テーブル32に記録された。サーバ3から顧客テーブル32のメールアドレスに対してメール送信が可能となる。また顧客の携帯電話50からサーバ3にアクセスさせ、サーバ3は顧客識別IDの入力画面を携帯電話50に送信して要求することで、会員、非会員の区別ができるので、携帯電話50に提供する情報を区別できる。加えてインポートにより顧客テーブル32にパスワードが存在すれば、携帯電話50にパスワード入力画面を送信して要求することでもよい。POSサーバ2側のシステムとしては、txtデータ作成を実行するプログラムを作成し常駐させるだけで、携帯電話を活用した顧客への販促システムの構築が可能となる。
【0046】
顧客識別IDと当該顧客のメールアドレスをリンクさせて顧客テーブル32に記録する別の方法について、図1、図5乃至図7により説明する。図1の説明は重複するので省略する。まず図5乃至図6により説明する。また、以下通信端末を携帯電話50として、更にサーバ3は顧客の携帯電話50のメールアドレスと顧客識別IDは不明として説明する。店舗は顧客に対して携帯で会員登録するためのメールアドレス、例えば「○○@tasnet.com」を通知している。顧客は通知されたメールアドレスに携帯電話50からメール送信する(ステップ201)。サーバ3は受信したメールの顧客メールアドレスを顧客テーブル32に記録する。(ステップ202)。このとき顧客テーブル32への登録は、テーブルのユニークなIDにリンクして記録される。このIDを識別IDとする。
【0047】
サーバ3は、この識別IDをパラメータとして登録用URL、例えば「http://tasnet.com/entry/c?no=340001」を生成する。サーバ3は、受信したメールアドレスに対して、この生成した登録URLを付加するとともに「このURLにアクセスして登録してください」など記述したメールを送信する。(ステップ203)。なおこのとき、生成した登録URLを顧客テーブル32に記録してもよい。顧客は受信したメールの記述に従って添付された登録URLに携帯電話50からアクセスする(ステップ204)。サーバ3はアクセス時の登録URLのパラメータ(ここでは識別ID)から、顧客テーブル32に識別IDとメールアドレスがリンクして記録してあるかを確認し、記録が確認できれば次のステップに進む。(ステップ205)。記録が無ければ、「メールアドレスが登録されていません」といったエラーメッセージ画面を携帯電話に送信する。(ステップ205a)ここにサーバ3が、顧客テーブル32に登録URLが記録してあるかを確認する手順を加えてもよい。
【0048】
記録を確認したサーバ3は、携帯電話50に所定の個人情報、例えば氏名、誕生日、パスワードと、POSサーバ2で使用しているカードに記録された顧客識別ID(一般的には会員番号)を入力要求する画面を携帯電話50に送信する(ステップ206)。携帯電話50でサーバ3にアクセスしている顧客は表示部52画面に従って上記の個人情報と顧客識別IDを入力して送信する(ステップ207)。サーバ3は受信した個人情報と顧客識別IDとを顧客テーブル32に識別ID、メールアドレスにリンクさせて記録する(ステップ208)。サーバ3は、登録を完了した顧客に対し、この顧客がアクセスするための、識別IDあるいはメールアドレスをパラメータとして付加した専用URL、例えば「http://tasnet.com/c?no=340001」を生成する。顧客には会員登録の完了を記述した通知を、前記専用URLを付加してメールで送信する(ステップ209)。サーバ3は生成した専用URLを顧客テーブル32に記録する。
【0049】
なお、パラメータとして識別IDを採用して説明したが、パラメータとしてメールアドレスも採用できる。メールアドレスの場合には、メールアドレスをそのまま記述するよりも記号に変換し暗号化して記述するとよい。
【0050】
続いて図7により説明すると、メールを受信した顧客は、携帯電話50から登録通知メールに記述されたURLでサーバ3にアクセスする(ステップ210)。携帯電話50がアクセスするサーバ3は、登録完了した会員であるかを、パラメータの識別IDに基づき顧客テーブル32を参照してチェックする(ステップ211)。つまり、パラメータである識別IDから、顧客識別IDとメールアドレスが記録されているか、あるいは登録URLが記録してあるかなどをチェックして、記述があれば、登録会員として認めホームページのTOPメニューを携帯電話に送信する(ステップ212)。記述がなければ、会員登録の手順としてステップ205に進む(ステップ211a)。登録会員として認められTOPメニューを受信した顧客の携帯電話50の表示部52には、たとえば図1の表示部52に示す内容が表示される。顧客が「会員証」を選択(要求信号を送出)すると(ステップ213)、サーバ3は、パラメータの識別IDに基づき顧客テーブル32を参照してリンクされた顧客識別IDを読み出し、顧客識別IDをバーコード画像に変換するとともに、バーコード画像の信号を顧客の携帯電話50に送信する(ステップ214)。バーコード画像信号を受信した顧客の携帯電話50の表示部52にはバーコード画像が表示される。このバーコード画像は、顧客識別IDをバーコード化しているのでPOS端末のバーコードスキャナ41で読み込めば、読み込んだPOS端末40は顧客識別IDを取得できる。つまり、既存のPOSシステムと既存のPOSシステ厶で使用するポイントカードはそのまま利用しながら、携帯情報端末に表示するバーコードもポイントカードに代わる会員証として並行して利用できる。この場合でもPOSサーバ2に変更を加えることなく、顧客の携帯電話50に対して販促メールを送信することができる。
【0051】
また、ポイント−PC22のポイントテーブル28から顧客識別IDとポイント情報をリンクしたデータを取得して図6のポイントテーブルを作成することで、図1の表示部52のメニューにある「ポイント」を選択(要求信号を送出)した顧客にはポイント情報を提供することができる。
【0052】
店舗は顧客に対して携帯で会員登録するための登録URL、例えば「http://tasnet.com/entry/」を通知しておき、このURLに携帯電話50でアクセスした顧客に、携帯電話50に設定してあるメールアドレスやカードの顧客識別ID及び個人情報などを入力する画面を送信し、いきなりメールアドレスと顧客識別ID及び個人情報を入力させ、入力された情報を識別IDにリンクして顧客テーブル32に記録することで会員登録手順としてもよい。
【0053】
以上により、POSサーバ2のシステムを変更することなく、店舗はこれまでどおりポイントカードによるポイントサービスが運用できて、情報提供を顧客の通信端末にまで拡大できる。店舗の情報も紙媒体によることなく常時提供できる。顧客もどこでも店舗の情報やポイント確認ができるようになり、利便性の向上とともにより一層顧客の囲い込みが可能となる。
【実施例1】
【0054】
本発明の顧客情報管理方法の実施例について、図1のPOSサーバ2の構成についてはそのまま流用して図8乃至図11により具体的に説明する。まず図8で顧客情報管理システ厶について説明する。サーバ3には、WEB用コンピュータ(以下「WEB−PC」という)31を備え、WEB−PC31はインターネット60に開放されたwww(World Wide Web)サーバとメールサーバ、またデータベースサーバなどを備え、具体的にはこれらの処理を実行するアプリケーションがインストールしてあり、顧客に情報を提供するために実行するプログラム、例えばHTML言語、ASP言語、JAVA言語などで作成されたプログラムがインストールしてある。さらに、ポイントカードを所持する顧客を判別するための顧客識別IDを含む顧客情報を記録する顧客テーブル32、本システムを運用する店舗の情報を記録する店舗テーブル33、顧客のポイントを記録するポイントテーブル34、顧客識別IDごとに提供する情報特定項目を記録する情報テーブル35を備える。
【0055】
WEB−PC31には情報端末80が接続してある。情報端末80は店舗に設置されバーコードスキャナ81、カードリーダ82、表示部83、入力部(操作ボタン)84、を備える。図9により更に説明する。メイン制御部85には、プログラムや情報を記憶する記憶部86、バーコードスキャナ81とカードリーダ82が接続されデータの送受信を制御するI/F制御部87が接続してある。また、メイン制御部85には表示部83と操作ボタン84が接続される。メイン制御部85に接続したI/O制御部89を介して情報端末80はWEB−PC31と接続してある。
【0056】
顧客識別IDと当該顧客のメールアドレスをリンクさせて顧客テーブル32に記録する手順について、図8、図10乃至図13により説明する。また、サーバ3は顧客の携帯電話50のメールアドレスと顧客識別IDは不明として説明する。店舗は顧客に対して携帯で会員登録するためのメールアドレス、例えば「○○@tasnet.com」を通知している。顧客は通知されたメールアドレスに携帯電話50からメール送信する(ステップ301)。サーバ3は受信したメールの顧客メールアドレスを顧客テーブル32に記録する。(ステップ302)。このとき顧客テーブル32への登録は、顧客テーブル32のユニークなIDにリンクして記録される。このIDを識別IDとする。これで顧客の携帯電話50に設定されたメールアドレスが、携帯電話から送信されたメールにより正確に採取できた。
【0057】
サーバ3は、顧客テーブル32のメールアドレスをパラメータとして登録用URL、例えば「http://tasnet.com/entry/c?no=##&P=##&uid=##&oid=##&uid***」を生成する。ここで「no=」以下のメールアドレスは記号により暗号化した例を示している。サーバ3は、受信したメールアドレスに対して、この生成した登録URLを付加するとともに「このURLにアクセスして登録してください」など記述したメールを送信する。(ステップ303)。なおこのとき、生成した登録URLを顧客テーブル32に記録してもよい。顧客は受信したメールの記述に従って添付された登録URLに携帯電話50からアクセスする(ステップ304)。サーバ3はアクセス時の登録URLのパラメータ(ここではメールアドレス)から、顧客テーブル32に識別IDとメールアドレスがリンクして記録してあるかを確認し、記録が確認できれば次のステップに進む。(ステップ305)。記録が無ければ、「メールアドレスが登録されていません」といったエラーメッセージ画面を携帯電話に送信する。(ステップ305a)ここにサーバ3が、顧客テーブル32に登録URLが記録してあるかを確認する手順を加えてもよい。
【0058】
記録を確認したサーバ3は、携帯電話50に所定の個人情報、例えば氏名、誕生日、パスワードとを入力要求する画面を携帯電話50に送信する(ステップ306)。携帯電話50でサーバ3にアクセスしている顧客は表示部52画面に従って上記の個人情報を入力して送信する(ステップ307)。サーバ3は受信した個人情報を顧客テーブル32に識別ID、メールアドレスにリンクさせて記録する(ステップ308)。サーバ3は、登録を完了した顧客に対し、この顧客がアクセスするための、識別IDあるいはメールアドレスをパラメータとして付加した専用URL、例えば「http://tasnet.com/c?no=##&P=##&uid=##&oid=##&uid***」を生成する。顧客には会員登録の完了を記述した通知を、前記専用URLを付加してメールで送信する(ステップ309)。サーバ3は生成した専用URLを顧客テーブル32に記録する。
【0059】
なお、パラメータとしてメールアドレスを採用して説明したが、パラメータとして識別IDも採用できる。
【0060】
続いて図11により説明すると、メールを受信した顧客は、携帯電話50から登録通知メールに記述された専用URLでサーバ3にアクセスする(ステップ310)。アクセスされたサーバ3は、登録完了した会員であるかを、パラメータのメールアドレスに基づき顧客テーブル32を参照してチェックする。つまり、パラメータであるメールアドレスから、顧客識別IDとメールアドレスがリンクされているか、顧客識別IDが記録してあるかなどをチェックして、顧客識別IDが記録してあれば登録会員と判別し図1の表示部52のようなTOPメニュー画面を携帯電話50に送信する(ステップ311a)。顧客識別IDとメールアドレスが記録され顧客識別IDが記録されていなければ仮会員として判別する(ステップ311)。サーバ3はこの顧客を仮会員と判別したら、メールアドレスにリンクされた識別ID(=仮会員ID)に基づいてバーコード画像を生成し、この画像データを携帯電話50に送信する(ステップ312)。
【0061】
顧客は仮会員バーコード画像を受信すると(ステップ313)、携帯電話50の表示部52にバーコード画像を表示させ、図8の情報端末80を操作ボタン84などで会員登録モードに切り替えて、情報端末80に接続されたバーコードスキャナでこのバーコード画像をスキャンニングし画像を読み取らせる(ステップ314)。情報端末80で読み取ったバーコード信号をコード信号に変換してサーバ3に送信し、サーバ3は情報端末80からのコード信号を識別IDとして受信する(ステップ315)。サーバ3はこの識別IDを顧客テーブル32に照会し(ステップ316)、識別IDが存在すればサーバ3は情報端末80にパスワードを要求する(ステップ317)。識別IDが存在しなければ、存在しないという情報を情報端末80に送信する(ステップ316a)。ステップ317でパスワードを要求された情報端末80はパスワード入力を表示部83に表示し、顧客によるパスワード入力を受けて情報端末80はサーバ3にパスワードを送信する(ステップ318)。サーバ3は情報端末80よりパスワードを受信し、受信したパスワードを識別IDに基づき顧客テーブル32に照会する(ステップ319)。サーバ3はパスワードを顧客テーブル32に照会し、パスワードが一致しなければエラーメッセージとともにパスワード要求を情報端末80に送信し情報端末80は再度のパスワード要求を表示部83に表示する。サーバ3はパスワードを顧客テーブル32に照会しパスワードが一致すれば会員が所持するカード情報である会員ID(顧客識別ID)を要求する信号を情報端末80に送信する(ステップ321)。情報端末80では、会員カード51をカードリーダ82に読み取らせるよう表示部83に表示し、顧客は所持する会員カード51をカードリーダ82を通して会員IDを読み取らせ、情報端末80は読みとった会員IDの信号をサーバ3に送信する(ステップ322)。会員IDの信号を受け取ったサーバ3は会員IDを仮会員IDである識別IDにリンクして顧客テーブル32に記録する(ステップ323)。これにより、会員カード51から直接読み取った正確な会員IDが取得できて、これを顧客識別IDとして登録することが完了するとともに、携帯電話50の利用を希望する顧客による会員登録が完了した。
【0062】
なお、ステップ312の仮会員ID(=識別ID)は識別ID以外のユニークなコードを生成して仮会員IDとしてもよく、本実施例に限定されない。また、ステップ322の会員IDの入力は、正確さからいえばカード読取より劣るが操作ボタン84による入力でも良い。
【0063】
登録会員となった顧客は、ステップ309での送信メールに付加された専用URLにより携帯電話50からサーバ3にアクセスする(ステップ401)。携帯電話50がアクセスしたサーバ3は、登録完了した会員であるかを、パラメータのメールアドレスに基づき顧客テーブル32を参照してチェックする(ステップ402)。つまり、URLに含まれるパラメータであるメールアドレスから、顧客識別IDとメールアドレスが記録されているか、をチェックして、記述があれば、登録会員として認めホームページのTOPメニューを携帯電話に送信する(ステップ403)。記述がなければ、会員登録の手順としてステップ312に進む(ステップ402a)。
【0064】
TOPメニューを受信した顧客の携帯電話50の表示部52には、たとえば図1の表示部52に示す内容が表示される。顧客が「会員証」を選択(要求信号を送出)すると(ステップ404)、サーバ3は、パラメータのメールアドレスに基づき顧客テーブル32を参照してリンクされた顧客識別IDを読み出し、顧客識別IDをバーコード画像に変換するとともに、バーコード画像の信号を顧客の携帯電話50に送信する(ステップ405)。バーコード画像信号を受信した顧客の携帯電話50の表示部52にはバーコード画像が表示される。このバーコード画像は、顧客識別IDをバーコード化しているのでPOS端末のバーコードスキャナ41で読み込めば、読み込んだPOS端末40は顧客識別IDを取得できる。
【0065】
店舗はこれまでどおりポイントカードによるポイントサービスが運用できて、情報提供を顧客の通信端末にまで拡大できる。店舗の情報も紙媒体によることなく常時提供できる。顧客もどこでも店舗の情報やポイント確認ができるようになり、利便性の向上とともにより一層顧客の囲い込みが可能となる。
【0066】
WEB−PC31と情報端末80との接続は、LAN接続、インターネットを介した接続のいずれでもよく、情報端末80はブラウザソフトによってサーバ3と送受信することでもよい。
【0067】
ステップ312で生成するバーコード画像は、図14の(a)で示す1次元バーコードとしステップ405で生成するバーコード画像は、図14の(b)で示す2次元バーコードとバーコード体系の異なるものにすることで、会員の登録ステップが誰にでも目視で確認できるので、顧客の問い合わせに誰でも対応できる。また、情報端末80でバーコードを読み込ませるとき、1次元バーコードを読み込ませる場合と2次元バーコードを読み込ませる場合と情報端末80で判別できるので、誤ったコード体系のバーコードを読み込ませることを防止できることから、顧客によるバーコードの読取作業としても、正確に会員登録することができ、店舗の会員登録にかかる労力的負担が軽減できる。
【0068】
会員カード51はリライトカード、磁気カード、ICカードのいずれでも良く、会員カードは店舗において統一した規格のカードを使用されているので、情報端末80のカードリーダ82は、店舗で使用されるカード51の規格にあわせたカードリーダ82とすればよい。また、会員カード51はカードに会員コードをバーコードにして印刷したものも存在するが、ステップ322で会員カード51の顧客識別IDを読み取らせるカードリーダ82をバーコードスキャナ81にすることで対応できる。したがって情報端末にバーコード読取手段とID読取手段は同一のバーコードスキャナとすることで実現できる。
【0069】
顧客は携帯電話に送信された専用URLでサーバ3にアクセスすれば、そのまま携帯情報端末の登録会員であると認証されるので、顧客の要求操作により登録会員にリンクされた情報は携帯電話50に提供できるが、情報端末80からサーバ3にアクセスすることでもよい。顧客が情報端末80からサーバ3にアクセスするためのメニュー画面を図15に示す。顧客は情報端末80のメニューから希望する項目を選択する。顧客は新規会員登録手順では、ステップ314前に「1.新規入会登録」を選択する。顧客がポイント確認あどのサービス情報を得たいときには、顧客は「2.会員サービス」を選択して顧客が情報端末80からサーバ3にアクセスするときには、サーバ3では携帯情報端末の登録会員であることを認証するために、情報端末80に顧客識別IDの入力を要求する。この顧客識別IDはIDを操作ボタン84から直接入力してもよいし、携帯電話50の表示部52に表示させた顧客識別IDのバーコードをスキャナ81に読み取らせることでもよい。このときパスワードを同時に入力させるとなお識別が確実となる。顧客が情報端末80からサーバ3にアクセスして要求信号を送信して得られる情報は、顧客識別IDにリンクしてサーバ3に記録された顧客情報である。また、通常インターネットに開放されたサーバがホームページ形式で提供する店舗情報、販促情報なども得られるようにするとよい。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】 本発明の顧客情報管理方法を実現するシステム構成の実施例図である。
【図2】 携帯情報端末の一例を示すブロック図である。
【図3】 本発明による、サーバに顧客情報をリンクして記録する手順を示す一例図である。
【図4】 本発明の、顧客情報管理方法に採用するデータベースのテーブルの一例である。
【図5】 本発明による、サーバに顧客情報をリンクして記録する手順を示す別の一例図である。
【図6】 本発明の、顧客情報管理方法に採用するデータベーステーブルの別の一例である。
【図7】 登録後に、携帯情報端末にバーコードを表示させる手順を示す一例である。
【図8】 本発明の顧客情報管理方法を実現するシステム構成の別の実施例図である。
【図9】 本発明による、情報端末一例を示すブロック図である。
【図10】 本発明による、サーバに顧客情報をリンクして記録する仮登録の手順を示す実施例図である。
【図11】 本発明による、サーバに顧客情報をリンクして記録する本登録の手順を示す実施例図である。
【図12】 登録後に、携帯情報端末にバーコードを表示させる手順を示す別の一例である。
【図13】 本発明の、顧客情報管理方法に採用するデータベーステーブルの、更に別の実施例図である。
【図14】 本発明における携帯情報端末の表示部に表示するバーコードの一例を示す図である。
【図15】 本発明にかかる情報端末の画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0071】
1 顧客情報管理システム
2 POSサーバ
3 サーバ
21 POS−PC
22 ポイント−PC
23 商品テーブル
27 顧客テーブル
28 ポイントテーブル
29 txtテーブル
31 WEB−PC
32 顧客テーブル
33 店舗テーブル
34 ポイントテーブル
35 情報テーブル
40 POS端末
41 スキャナ
42 カードリーダ
50 携帯情報端末(携帯電話)
51 ポイントカード
52 表示部
53 入力部(操作ボタン)
55 メイン制御部
56 記憶部
57 通話制御部
58 送受信制御部
60 インターネット
80 情報端末
81 バーコードスキャナ
82 カードリーダ
83 表示部
84 入力部(操作ボタン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客テーブルを備えインターネットに接続したサーバと、インターネットを介して前記サーバとの間でデータ送受信する送受信手段と取得した情報を表示する表示部を備えた顧客の携帯情報端末と、既存の店舗POSシステムで利用する顧客識別IDを記録したカードと、を備え、
サーバは、携帯情報端末に設定されたメールアドレスとカードの顧客識別IDとをリンクさせて顧客テーブルに記録することを特徴とする顧客情報管理方法。
【請求項2】
顧客テーブルを備えインターネットに接続したサーバと、インターネットを介して前記サーバとの間でデータ送受信する送受信手段と取得した情報を表示する表示部を備えた顧客の携帯情報端末と、既存の店舗POSシステムで利用する顧客識別IDを記録したカードと、前記サーバとの間でデータ送受信する送受信手段と前記携帯情報端末の表示部に表示したバーコードを読み取るバーコード読取手段とカードの顧客識別IDを読み取るID読取手段とを備える情報端末と、を備え、
サーバは、携帯情報端末に設定されたメールアドレスを顧客テーブルの識別IDにリンクさせて顧客テーブルに記録し、識別IDを携帯情報端末の表示部に表示できるバーコード画像に変換して携帯情報端末に送出し、
サーバは、携帯情報端末の識別IDバーコード画像と既存カードの顧客識別IDとを読み取った情報端末から、バーコード画像をコード変換した識別IDと顧客識別IDとを受信し、
情報端末から識別IDと顧客識別IDを受信したサーバは、顧客識別IDを識別IDにリンクさせて顧客テーブルに記録することを特徴とする顧客情報管理方法。
【請求項3】
サーバは、既存POSシステ厶から得た顧客識別IDに基づき顧客テーブルからメールアドレスを抽出し、所定の情報を当該メールアドレスに対して送信することを特徴とする請求項1または2に記載の顧客情報管理方法。
【請求項4】
サーバにポイントテーブルを備え、
サーバは、POSシステムから顧客識別IDと顧客識別IDにリンクされたポイント情報を得てポイントテーブルに記録し、顧客の携帯情報端末の要求信号または情報端末の要求信号によりポイント情報を顧客の携帯情報端末または情報端末に提供することを特徴とする請求項1または2に記載の顧客情報管理方法。
【請求項5】
サーバは、顧客テーブルに記録した顧客識別IDを携帯情報端末の表示部に表示するバーコード画像に変換して携帯情報端末に送出することを特徴とする請求項1乃至4に記載の顧客情報管理方法。
【請求項6】
携帯情報端末の表示部に表示した顧客識別IDに基づくバーコード画像を、POSシステムに備えられるPOS端末のバーコードスキャナあるいは情報端末のバーコード読取手段で読み取って顧客識別IDとするものであることを特徴とする請求項5に記載の顧客情報管理方法。
【請求項7】
識別IDに基づき変換したバーコードと、顧客識別IDに基づき変換したバーコードとは異なるコード体系であることを特徴とする請求項2または6のいずれかに記載の顧客情報管理方法。
【請求項8】
顧客識別IDを記録した店舗カードは、リライトカード、磁気カード、ICカードのいずれかであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の顧客情報管理方法。
【請求項9】
既存カードに記録した顧客識別IDは、カードに印刷したバーコードであり、ID読取手段はバーコード読取手段であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の顧客情報管理方法。
【請求項10】
インターネットを介してサーバとの間でデータおよびメールを送受信する送受信手段と取得した情報を表示する表示部を備えた顧客の携帯情報端末と、
既存の店舗POSシステ厶で利用する顧客識別IDを記録したカードと、
サーバとの間でデータ送受信する送受信手段と前記携帯情報端末の表示部に表示したバーコードを読み取るバーコード読取手段とカードの顧客識別IDを読み取るID読取手段とを備え、携帯情報端末のバーコード画像とカードの情報とを読み取って、バーコードの識別IDとカードの顧客識別IDをサーバに送信する情報端末と、
顧客テーブルを備えインターネットに接続し、携帯情報端末に設定されたメールアドレスを顧客テーブルの識別IDにリンクさせて顧客テーブルに記録し、該識別IDを携帯情報端末の表示部に表示できるバーコード画像に変換して携帯情報端末に送出し、情報端末から識別IDと顧客識別IDを受信して、顧客識別IDを識別IDにリンクさせて顧客テーブルに記録するサーバと、
を備えたことを特徴とする顧客情報管理システム。
【請求項11】
サーバは、記録した顧客識別IDをバーコード画像にして携帯情報端末に送信するものであることを特徴とする請求項10記載の顧客情報管理システム。
【請求項12】
サーバは、POSシステムの顧客識別IDと顧客識別IDにリンクした顧客のポイント情報を記録するポイントテーブルを備えることを特徴とする請求項10乃至請求項11に記載の顧客情報管理システム。
【請求項13】
サーバは、サーバが認証した顧客の携帯情報端末の要求信号により、顧客識別IDにリンクした情報を携帯情報端末に送信することを特徴とする請求項10乃至請求項12に記載の顧客情報管理システム。
【請求項14】
サーバは、情報端末から送信される要求信号により、顧客識別IDにリンクした情報を情報端末に送信することを特徴とする請求項10乃至請求項12に記載の顧客情報管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2005−92841(P2005−92841A)
【公開日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−363868(P2003−363868)
【出願日】平成15年9月16日(2003.9.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
【出願人】(300064711)株式会社タスネット (1)
【Fターム(参考)】