説明

顧客来店通知方法、顧客来店通知システム及び役席端末

【課題】役席端末の混雑状態に応じて、来店通知の表示を制御する。
【解決手段】役席端末220、顧客取引端末210及び来店通知サーバ100を備える顧客来店通知システム10で行われ、以下の過程を備えて構成される。先ず、顧客重要度を含む顧客情報、及び、顧客が使用している顧客取引端末の情報を含む取引状況を、来店通知データとして受け取る。次に、顧客重要度に応じて来店通知表示が必須か否かを定めた来店通知フラグ、及び、顧客取引端末及び顧客重要度に応じて定められた待機時間を含む来店通知条件を読み出す。次に、顧客重要度及び来店通知フラグから、来店通知表示が必須か否かを判定する。来店通知表示が必須でない場合に、役席端末が混雑しているか否の判定を来店通知待機時間が経過するまで繰り返し行う。来店通知表示が必須の場合、又は、役席端末が混雑していない場合は、来店通知表示を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金融機関の営業店などに重要顧客が来店したことを営業店内の端末に通知する、顧客来店通知方法及び顧客来店通知システムと、顧客来店通知システムが備える役席端末に関するものである。
【背景技術】
【0002】
金融機関の営業店などでは、顧客が来店して取引を行う場合に、カードや通帳に含まれる顧客識別データが、金融機関のセンターに送られる。金融機関のセンターでは、当該顧客が重要顧客である場合に、重要顧客が来店して取引している旨の、来店通知データを作成することがある(例えば、特許文献1参照)。この来店通知データは、重要顧客が来店している営業店の、所定の端末(役席端末)に通知される。役席端末では、来店通知データを受信すると、モニタなどに来店通知が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−85185号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の従来例では、役席端末は、来店通知データを受信すると、即時に来店通知の表示を行う。ここで、役席端末では、高額取引などの特定の取引の場合に金融機関のセンターの端末や営業店の窓口に設置される営業店端末などから送信される承認依頼に対して、取引実行の承認を行う承認業務が行われていることが多い。従来例の構成では、役席端末が承認業務で混雑している状態であっても、来店通知の表示がなされることになり、役席端末での承認業務の効率を低下させる原因となっていた。
【0005】
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、役席端末の混雑状態に応じて、来店通知の表示を制御する、顧客来店通知システム及び顧客来店通知方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した目的を達成するために、この発明の顧客来店通知方法は、役席端末、顧客取引端末及び来店通知サーバを備える顧客来店通知システムで行われ、以下の過程を備えて構成される。
【0007】
先ず、顧客重要度を含む顧客情報、及び、顧客が使用している顧客取引端末を特定する取引情報を、来店通知データとして受け取る。次に、顧客重要度に応じて来店通知表示が必須か否かを定めた来店通知フラグ、並びに、顧客取引端末及び顧客重要度に応じて定められた来店通知待機時間を含む来店通知条件を読み出す。次に、顧客重要度及び来店通知フラグから、来店通知表示が必須か否かを判定する。来店通知表示が必須でない場合には、当該役席端末が混雑しているか否かの判定が、来店通知待機時間が経過するまで繰り返し行われる。来店通知表示が必須の場合、又は、役席端末が混雑していない場合は、来店通知表示を行う。
【0008】
また、この発明の役席端末、顧客取引端末及び来店通知サーバを含む顧客来店通知システム、及び、当該顧客来店通知システムが備える役席端末は、来店通知条件取得部と、顧客属性判定部と、閾値判定部と、待機処理部と、来店通知表示部とを備えて構成される。
【0009】
来店通知条件取得部は、顧客重要度に応じて来店通知表示が必須か否かを定めた来店通知フラグ、顧客取引端末及び顧客重要度に応じて定められた来店通知待機時間、顧客重要度に応じて定められた来店通知許可閾値、並びに、顧客取引端末及び顧客重要度に応じて定められた検知間隔を含む来店通知条件を読み出す。顧客属性判定部は、来店通知サーバから受け取る来店通知データに含まれる顧客重要度と、来店通知フラグから、来店通知表示が必須か否かを判定する。閾値判定部は、役席端末の承認待機数を取得し、承認待機数が来店通知許可閾値以下であるか否かを判定する。待機処理部は、来店通知待機時間を待機時間として設定し、待機時間が0よりも大きいか否かを判定し、待機時間が0よりも大きい場合は、検知間隔の間待機するとともに、待機時間から検知間隔を減算する。来店通知表示部は、来店通知表示を行う。
【発明の効果】
【0010】
この発明の顧客来店通知システム及び顧客来店通知方法によれば、役席端末の混雑状態に応じて、来店通知の表示を制御する。すなわち、役席端末が承認業務で混雑している場合は、来店通知の表示が抑制されるので、役席端末での業務効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】顧客来店通知システムの概略図である。
【図2】来店通知サーバの概略的な機能ブロック図である。
【図3】役席端末の概略的な機能ブロック図である。
【図4】来店通知サーバの処理フローを示す図である。
【図5】役席端末の処理フローを示す図である。
【図6】来店通知の表示例を示す図である。
【図7】来店通知サーバの概略的な機能ブロック図である。
【図8】役席端末の概略的な機能ブロック図である。
【図9】来店通知サーバの処理フローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図を参照して、この発明の実施形態について説明するが、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、数値的条件などは、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
【0013】
(第1実施形態)
図1を参照して、顧客来店通知システムについて説明する。図1は、顧客来店通知システムの概略図である。この顧客来店通知システム10は、金融機関のセンター100と、1又は複数の営業店200を備えて構成される。
【0014】
各営業店200には、来店した顧客が操作する現金自動預け払い機(ATM)212、窓口担当者が使用する窓口端末214が設けられている。また、各営業店200には、役席端末220が設けられている。これらATM212及び窓口端末214(以下、顧客取引端末210と総称することもある。)と、役席端末220とは、店舗内ネットワークで接続されている。
【0015】
金融機関のセンター100には、来店通知サーバ110及び顧客データベース(DB)120が設けられている。顧客DB120には、顧客属性データが格納されている。来店通知サーバ110は、各営業店200の店舗内ネットワークに接続されている。
【0016】
顧客取引端末210は、顧客のカードや通帳に設けられている磁気ストライプなどから、顧客の口座番号などの顧客識別データを読み取り、センター100に送信する(図中、矢印S101で示す)。この顧客識別データの一例を表1に示す。
【0017】
【表1】

【0018】
センター100では、顧客識別データから、来店している顧客が重要顧客である場合は、来店通知データを作成し、作成した来店通知データを営業店200の役席端末222に送る(図中、矢印S103で示す)。また、承認業務が必要な場合は、承認依頼が窓口端末214などから役席端末220に送られる(図中、矢印S105で示す)。
【0019】
図2を参照して、センター100が備える来店通知サーバ110について説明する。図2は、来店通知サーバの概略的な機能ブロック図である。来店通知サーバ110は、制御部130、記憶部140、送受信部150、顧客属性データ取得部160及び来店通知データ作成部170を備えている。記憶部140は、例えば、ROM及びRAMで構成される。ROMには、来店通知サーバ110の制御を行うプログラムが格納されていて、制御部130は、このプログラムを記憶部140から読み出して実行することにより、来店通知サーバ110の制御を行う。また、RAMには、来店通知サーバ110での処理結果が適宜格納される。送受信部150は、各営業店200との間での送受信を行う。
【0020】
顧客属性データ取得部160及び来店通知データ作成部170の機能については、後述する。
【0021】
図3を参照して、役席端末について説明する。図3は、役席端末の概略的な機能ブロック図である。
【0022】
役席端末220は、制御部230、記憶部240、送受信部250、入出力部280、待機処理部282、承認処理部284、顧客属性判定部286、来店通知条件取得部288、閾値判定部290及び来店通知表示部292を備えている。記憶部240は、例えば、ROM及びRAMで構成される。ROMには、役席端末220の制御を行うプログラムが格納されていて、制御部230は、このプログラムを記憶部240から読み出して実行することにより役席端末220の制御を行う。また、RAMには、役席端末220での処理結果が適宜格納される。送受信部250は、金融機関のセンター100や、内部ネットワークに接続されている顧客取引端末210などとの間で送受信を行う。
【0023】
入出力部280は、キーボード、マウスなどの入力手段と、液晶ディスプレイ、プリンタなどの出力手段を備えている。送受信部250が承認依頼を受け取ると、入出力部280は、承認処理用の画面を、役席端末220を利用する者(以下、単に役席と称する。)に対して表示する。承認依頼を受けた役席が、入出力部280を介して所定の入力を行うと、承認処理部284が、その入力内容に応じて承認処理を行う。この承認処理については、一般に金融機関で行われる処理であるので、ここでは説明を省略する。
【0024】
待機処理部282、顧客属性判定部286、来店通知条件取得部288、閾値判定部290及び来店通知表示部292が、いわゆる顧客来店通知に用いられる機能手段である。この各機能手段が実現する機能については、後述する。
【0025】
図4及び図5を参照して、顧客来店通知システムを用いた顧客来店通知方法について説明する。図4は、来店通知サーバの処理フローを示す図である。また、図5は、役席端末の処理フローを示す図である。
【0026】
営業店200に来店した顧客が、顧客のカードや通帳を用いてATM212あるいは窓口214で取引を開始すると、顧客取引端末210は、顧客のカードや通帳に設けられている磁気ストライプなどから、顧客識別データを読み取り、センター100に送信する。
【0027】
センター100の来店通知サーバ110では、ステップ(以下、ステップをSで示す。)10において、送受信部150が顧客識別データを送信した顧客取引端末210の種別を示す取引チャネル情報(取引チャネル機種及び機番)と共に顧客識別データを取得する。この顧客識別データ及び取引チャネル情報は、記憶部140に格納される。顧客属性データ取得部160は、顧客識別データの取得に応答して、顧客データベース120にアクセスし、顧客識別データに対応する顧客属性データを取得する。この顧客属性データは、記憶部140に格納される。
【0028】
次に、S12において、来店通知データ作成部170は、記憶部140に格納されている顧客属性データから顧客が重要顧客であるか否かを判定する。顧客が重要顧客である場合は、来店通知データ作成部170は、顧客識別データ、顧客属性データ、及び取引チャネル情報を含んだ来店通知データを作成する。この来店通知データは、記憶部140に格納される。
【0029】
来店通知データの一例を表2に示す。この来店通知データには、顧客識別データに加えて、顧客氏名、生年月日、顧客重要度(顧客VIPランク)などを含む顧客情報と、顧客が取引を行っている顧客取引端末(取引端末)を特定する取引情報とが格納されている。この構成例では、顧客重要度はAからDの4ランクに分類されている。Aランクが最も重要度が高く、B、C、Dの順に重要度が低くなる。
【0030】
【表2】

【0031】
来店通知データ作成部170により来店通知データが作成された場合は、S14において、送受信部150が、この来店通知データを、その顧客が来店している営業店200に送る。
【0032】
営業店200では、S20において、役席端末220の送受信部250が、この来店通知データを受け取り、記憶部240に格納する。
【0033】
次に、S22において、来店通知条件取得部288は、記憶部240に格納されている来店通知条件を読みだす。来店通知条件には、顧客重要度に応じて来店通知表示が必須か否かを定めた来店通知フラグ、顧客取引端末及び顧客重要度に応じて定められた来店通知待機時間が含まれている。顧客重要度に応じて定められた来店通知許可閾値、並びに、顧客取引端末及び顧客重要度に応じて定められた混雑状態検知間隔(以下、検知間隔と称することもある。)、その他、来店通知条件には、表示抑制条件(以下、抑制条件と称することもある。)が含まれている場合もある。これらの来店通知条件の構成例を表3〜6に示す。
【0034】
【表3】

【0035】
【表4】

【0036】
【表5】

【0037】
【表6】

【0038】
表3は、条件1として、顧客重要度に応じて来店通知表示が必須か否かを定めた来店通知フラグを示している。表4は、条件2として、顧客重要度に応じて定められた来店通知許可閾値を示している。表5は、混雑状態検知時間として、顧客取引端末及び顧客重要度に応じて定められた来店通知待機時間、並びに、検知間隔を示している。また、表6は、抑制条件を示している。
【0039】
次に、S24において、顧客属性判定部286が、来店通知が必須であるか否かを判定する。この過程では、先ず、顧客属性判定部286が、来店通知データに含まれる顧客重要度を読みだして、顧客重要度を判定する。例えば、来店通知条件として、表3に示される条件1を用いる場合、顧客重要度がAランクの場合は来店通知が必須であり、役席端末220の混雑状況にかかわらず、S40の来店通知表示を行う。一方、顧客重要度がB〜Dランクの場合は来店通知が必須ではなく、役席端末220が混雑している場合は来店通知を行わず、役席端末220が混雑していない場合に来店通知を行う。
【0040】
なお、ここでは、顧客属性の判定を顧客重要度に基づいて行う例について説明するが、この例に限定されない。すなわち、この顧客属性の判定では、顧客重要度だけでなく、表6に示されているように、顧客の「生年月日」、「既婚/未婚」及び「役職」を抑制条件として用いてもよい。例えば、顧客の生年月日から、顧客が定年退職を控えていると推測される場合や役職者が来店した場合は、顧客重要度がAランクでなくても、来店通知を必須とする構成にすることができる。あるいは、既婚者の顧客重要度を高めて、未婚者より既婚者を優先して来店通知を行うなどしてもよい。
【0041】
表2に示す来店通知データの例では、顧客重要度がBランクであるため、来店通知は必須ではなく、続いて、S26の承認待機数取得が行われる。S26では、閾値判定部290が、記憶部240に格納されている、役席端末220が受け付けた承認依頼の数を承認待機数として取得する。この実施形態では、承認待機数を10として説明する。
【0042】
次に、S28において、閾値判定部290が、承認待機数が、来店通知許可閾値(以下、閾値と称する。)以下であるか否かを比較することにより、役席端末220が混雑しているか否かを判定する。承認待機数が閾値以下である場合は、役席端末220が混雑していないと判定され、続いて、S40の来店通知表示が行われる。一方、承認待機数が閾値より大きい場合は、役席端末220が混雑していると判定され、一定時間待機する。この閾値は、表4に示される条件2を用いて定められる。
【0043】
この実施形態では、顧客重要度がBランクであるため、表4に示すように、閾値は7となる。従って、閾値判定部290は、承認待機数(=10)が閾値(=7)より大きい、すなわち、役席端末220が混雑していると判定する。従って、続いて、S30の処理が行われる。
【0044】
S30では、待機処理部282が、待機時間が0よりも大きいか否かが判定される。待機時間が0よりも大きい場合は、続いて、S32の過程で、一定時間待機する。一方、待機時間が0以下の場合は、待機時間切れとして処理を終了する。
【0045】
ここで、待機時間は、S22の来店通知条件取得の過程で、表5に示される来店通知待機時間の値として設定される。来店通知待機時間は、表5に示すように、顧客重要度と、顧客取引端末210の取引チャネル情報とに応じて予め定められている。この実施形態では、表2に示すように、顧客重要度がBランクであり、また、顧客取引端末210がATMであるので、来店通知待機時間は20秒である。従って、待機時間は20秒と設定される。この、待機時間(=20秒)は0秒よりも大きいので、続いて、S32の過程により、予め定められた検知間隔の間、待機する。検知間隔は、表5に示すように、顧客重要度と、顧客取引端末の取引チャネル情報とに応じて予め定められている。この実施形態では、表2に示すように、顧客重要度がBランクであり、また、顧客取引端末がATMであるので、検知間隔は5秒となる。一定時間として、検知間隔の5秒間待機した後、再び、S26及びS28の過程において、閾値判定部290が承認待機数を取得した後、役席端末220が混雑しているか否かを判定する。また、S32の過程では、待機処理部282は、待機時間(=20秒)から検知間隔(5秒)を減算し、待機時間を15秒とする。その後、S26の処理が行われる。すなわち、S26の処理は、検知間隔ごとに行われる。
【0046】
S26において、閾値判定部290が取得した承認待機数が7に下がっていると、S28での比較により、承認待機数(=7)が閾値(=7)以下となるため、続いてS40の来店通知表示が行われる。
【0047】
この実施形態では、役席端末220の混雑状態の判定を、承認待機数と、閾値との比較を行う例について説明しているが、この例に限定されない。例えば、表6に示されているように、顧客の「取引期間」、「勤続年数」及び「オペレータID」などの抑制条件を用いてもよい。この場合、取引期間や勤続年数が一定期間未満の顧客に対して、閾値を表4に示される値よりも低く設定して、表示頻度を抑制しても良い。また、顧客取引端末が窓口端末であり、その窓口端末のオペレータが熟練者である場合なども、表示頻度を抑制しても良い。
【0048】
一方、抑制条件として、役席端末220での業務状況データを用いても良い。例えば、閾値判定部290は承認待機数を取引内容から即時承認が必要なもののみを判別して計数し、即時承認が必要とされないものは、閾値と比較する対象となる承認待機数に含めないようにしても良い。一方、1つの承認処理に引き続いて他の承認処理が必要とされる取引内容の承認依頼の場合には、閾値判定部290は承認待機数によらず、役席端末220を混雑状態と判定するなどしても良い。
【0049】
このS26〜S32までの過程は、待機時間が0以下になるまで繰り返される。
【0050】
S40の来店通知表示の過程では、来店通知表示部292が、入出力部280に来店通知表示を行う指示を送り、入出力部230は、役席端末220のディスプレイ上に表示する。図6に、来店通知表示の一例を示している。
【0051】
この実施形態の来店通知システム及び来店通知方法では、重要顧客が来店している場合に、顧客重要度がAランク以外の重要顧客に対しては、役席端末220の混雑状態に応じて、来店通知の表示を制御する。すなわち、役席端末220が承認業務で混雑している場合は、来店通知の表示が抑制される。このため、役席端末220での業務効率の低下を抑制することができる。
【0052】
(第2実施形態)
図7及び図8を参照して、第2実施形態の来店通知サーバ及び役席端末について説明する。図7は、来店通知サーバの概略的な機能ブロック図である。図8は、役席端末の概略的な機能ブロック図である。
【0053】
来店通知サーバ112は、制御部130、記憶部140、送受信部150、顧客属性データ取得部160、来店通知データ作成部170、待機処理部182、顧客属性判定部186、来店通知条件取得部188及び閾値判定部190を備えている。また、役席端末222は、制御部230、記憶部240、送受信部250、入出力部280、承認処理部284及び来店通知表示部292を備えている。
【0054】
第2実施形態では、第1実施形態の役席端末220に設けられている待機処理部282、顧客属性判定部286、来店通知条件取得288部及び閾値判定部240が、待機処理部182、顧客属性判定部186、来店通知条件取得部188及び閾値判定部190として来店通知サーバ112に設けられている点が、第1実施形態と異なっている。それ以外の構成や、各機能手段が実現する機能については、第1実施形態と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0055】
図9を参照して、顧客来店通知システムを用いた顧客来店通知方法について説明する。図9は、来店通知サーバの処理フローを示す図である。第2実施形態では、来店通知サーバ112が、役席端末222の混雑状況を判定して、来店通知表示を行うか否かを判定する。従って、役席端末222は、受け取った来店通知データをそのまま表示する。
【0056】
S10及びS12の処理については、図4を参照して説明した第1実施形態の来店通知サーバの処理と同様である。第2実施形態では、図5を参照して説明した第1実施形態の役席端末222が行うS22〜S32の処理が、来店通知サーバ112で行われる。このため、第1実施形態のS14及びS20の来店通知データの送受信の過程は行われない。また、S41の来店通知表示の過程では、役席端末222に対して、来店通知データを送り、役席端末222は受け取った来店通知データをそのまま表示する構成にすれば良い。
【0057】
なお、第2実施形態の構成では、役席端末222が混雑しているか否かの判定が、来店通知サーバ112でなされるので、承認依頼は来店通知サーバ112を経て所定の役席端末222に送られる。
【0058】
この第2実施形態の構成によれば、第1実施形態と同様の効果を得るにあたり、来店通知サーバ112の構成のみが従来と異なっていて、役席端末222の構成は従来と同様の構成にすることができる。
【0059】
なお、上述した各実施形態では、1つの役席端末について、その構成及び動作を説明したが、営業店に複数の役席端末が設けられていても良い。第1実施形態の構成では、複数の役席端末に同時に来店通知データが送られ、各役席端末では、その混雑状況に応じて来店通知の表示がなされる。また、第2実施形態の構成では、来店通知が必須でない場合は、役席端末ごとの混雑状況を判定し、混雑していない役席端末に選択的に来店通知データを送る構成にすることができる。
【符号の説明】
【0060】
10 顧客来店通知システム
100 センター
110、112 来店通知サーバ
120 顧客DB
130、230 制御部
140、240 記憶部
150、250 送受信部
160 顧客属性データ取得部
170 来店通知データ作成部
182、282 待機処理部
186、286 顧客属性判定部
188、288 来店通知条件取得部
190、290 閾値判定部
200 営業店
210 顧客取引端末
212 ATM
214 窓口端末
220、222 役席端末
280 入出力部
284 承認処理部
292 来店通知表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
役席端末、顧客取引端末及び来店通知サーバを備える顧客来店通知システムで行われる顧客来店通知方法であって、
顧客重要度を含む顧客情報、及び、顧客が取引に用いている前記顧客取引端末を特定する取引情報を、来店通知データとして取得する過程と、
前記顧客重要度に応じて来店通知表示が必須か否かを定めた来店通知フラグ、並びに、前記顧客取引端末及び前記顧客重要度に応じて定められた来店通知待機時間を含む来店通知条件を取得する過程と、
前記顧客重要度及び前記来店通知フラグから、来店通知表示が必須か否かを判定する過程と、
前記来店通知表示が必須でない場合に、前記来店通知待機時間が経過するまで前記役席端末が混雑しているか否かを判定する過程と、
前記来店通知表示が必須の場合、又は、前記役席端末が混雑していない場合に、来店通知表示を行う過程と
を備えることを特徴とする顧客来店通知方法。
【請求項2】
前記来店通知条件には、前記顧客重要度に応じて定められた来店通知許可閾値が含まれていて、
前記役席端末が混雑しているか否かの判定は、当該役席端末での承認待機数が、前記来店通知許可閾値以下か否かの判定によりなされる
ことを特徴とする請求項1に記載の顧客来店通知方法。
【請求項3】
前記来店通知条件には、前記顧客取引端末及び前記顧客重要度に応じて定められた検知間隔が含まれていて、前記役席端末が混雑しているか否かの判定は、前記検知間隔ごとに繰り返し行われる
ことを特徴とする請求項2に記載の顧客来店通知方法。
【請求項4】
前記顧客情報には、少なくとも1つの顧客属性データが含まれ、前記来店通知表示が必須か否かの判定で前記顧客属性データが用いられる
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の顧客来店通知方法。
【請求項5】
前記来店通知条件には、顧客属性条件及び取引条件の少なくとも1つが抑制条件として含まれ、前記役席端末が混雑しているか否かの判定では、前記抑制条件に応じて、前記来店通知許可閾値を変化させる
ことを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の顧客来店通知方法。
【請求項6】
前記来店通知条件には、少なくとも1つの前記役席端末での業務状況データが抑制条件として含まれ、前記役席端末が混雑しているか否かの判定では、前記抑制条件に応じて、前記来店通知許可閾値を変化させる
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載の顧客来店通知方法。
【請求項7】
役席端末、顧客取引端末及び来店通知サーバを含む顧客来店通知システムが備える役席端末であって、
顧客重要度に応じて来店通知表示が必須か否かを定めた来店通知フラグ、前記顧客取引端末及び前記顧客重要度に応じて定められた来店通知待機時間、前記顧客重要度に応じて定められた来店通知許可閾値、並びに、前記顧客取引端末及び前記顧客重要度に応じて定められた検知間隔を含む来店通知条件を取得する来店通知条件取得部と、
前記来店通知サーバから受け取る来店通知データに含まれる前記顧客重要度と、前記来店通知フラグから、来店通知表示が必須か否かを判定する顧客属性判定部と、
当該役席端末の承認待機数を取得し、前記承認待機数が前記来店通知許可閾値以下であるか否かを判定する閾値判定部と、
来店通知待機時間を待機時間として設定し、待機時間が0よりも大きいか否かを判定し、待機時間が0よりも大きい場合は、前記検知間隔の間待機するとともに、前記待機時間から検知間隔を減算する待機処理部と、
来店通知表示を行う来店通知表示部と
を備えることを特徴とする役席端末。
【請求項8】
前記顧客情報には、少なくとも1つの顧客属性データが含まれ、前記来店通知表示が必須か否かの判定で前記顧客属性データが用いられる
ことを特徴とする請求項7に記載の役席端末。
【請求項9】
前記来店通知条件には、顧客属性条件及び取引条件の少なくとも1つが抑制条件として含まれ、前記役席端末が混雑しているか否かの判定では、前記抑制条件に応じて、前記来店通知許可閾値を変化させる
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の役席端末。
【請求項10】
前記来店通知条件には、少なくとも1つの前記役席端末での業務状況データが抑制条件として含まれ、前記役席端末が混雑しているか否かの判定では、前記抑制条件に応じて、前記来店通知許可閾値を変化させる
ことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の役席端末。
【請求項11】
役席端末、顧客取引端末及び来店通知サーバを含む顧客来店通知システムであって、
前記来店通知サーバが、
前記顧客取引端末から送られた顧客識別データに対応する顧客属性データを取得する顧客属性データ取得部と、
前記顧客属性データから、顧客が重要顧客であるか否かを判定し、該顧客が重要顧客である場合は、来店通知データを作成して、前記役席端末に送る来店通知データ作成部と
を備え、
前記役席端末が、
顧客重要度に応じて来店通知表示が必須か否かを定めた来店通知フラグ、前記顧客取引端末及び前記顧客重要度に応じて定められた来店通知待機時間、前記顧客重要度に応じて定められた来店通知許可閾値、並びに、前記顧客取引端末及び前記顧客重要度に応じて定められた検知間隔を含む来店通知条件を読み出す来店通知条件取得部と、
前記来店通知サーバから受け取る来店通知データに含まれる顧客重要度と、前記来店通知フラグから、来店通知表示が必須か否かを判定する顧客属性判定部と、
前記役席端末の承認待機数を取得し、前記承認待機数が前記来店通知許可閾値以下であるか否かを判定する閾値判定部と、
来店通知待機時間を待機時間として設定し、待機時間が0よりも大きいか否かを判定し、待機時間が0よりも大きい場合は、前記検知間隔の間待機するとともに、前記待機時間から検知間隔を減算する待機処理部と、
来店通知表示を行う来店通知表示部と
を備えることを特徴とする顧客来店通知システム。
【請求項12】
役席端末、顧客取引端末及び来店通知サーバを含む顧客来店通知システムであって、
前記来店通知サーバが、
前記顧客取引端末から送られた顧客識別データに対応する顧客属性データを取得する顧客属性データ取得部と、
顧客重要度に応じて来店通知表示が必須か否かを定めた来店通知フラグ、前記顧客取引端末及び前記顧客重要度に応じて定められた来店通知待機時間、前記顧客重要度に応じて定められた来店通知許可閾値、及び、前記顧客取引端末及び前記顧客重要度に応じて定められた検知間隔を含む来店通知条件を読み出す来店通知条件取得部と、
前記顧客重要度と、前記来店通知フラグから、来店通知が必須か否かを判定する顧客属性判定部と、
前記役席端末の承認待機数を取得し、前記承認待機数が前記来店通知許可閾値以下であるか否かの判定により、前記役席端末が混雑しているか否かを判定する閾値判定部と、
前記来店通知待機時間を待機時間として設定し、前記待機時間が0よりも大きいか否かを判定し、前記待機時間が0よりも大きい場合は、前記検知間隔の間待機するとともに、前記待機時間から検知間隔を減算する待機処理部と、
前記顧客属性判定部が、来店通知が必須と判定した場合、あるいは、前記役席端末が混雑していない場合は、来店通知データを作成して、前記役席端末に送る来店通知データ作成部と
を備え、
前記役席端末が、来店通知表示を行う来店通知表示部を備える
ことを特徴とする顧客来店通知システム。
【請求項13】
前記顧客情報には、少なくとも1つの顧客属性データが含まれ、前記来店通知表示が必須か否かの判定で前記顧客属性データが用いられる
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の顧客来店通知システム。
【請求項14】
前記来店通知条件には、顧客属性条件及び取引条件の少なくとも1つが抑制条件として含まれ、前記役席端末が混雑しているか否かの判定では、前記抑制条件に応じて、前記来店通知許可閾値を変化させる
ことを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の顧客来店通知システム。
【請求項15】
前記来店通知条件には、少なくとも1つの前記役席端末での業務状況データが抑制条件として含まれ、前記役席端末が混雑しているか否かの判定では、前記抑制条件に応じて、前記来店通知許可閾値を変化させる
ことを特徴とする請求項11〜14のいずれか一項に記載の顧客来店通知システム。

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate