風向・風速センサ
【課題】 空調機を制御する環境で用いる風向/風速センサに関し、サーバラック等の省スペースに向いたサーミスタ利用による菅構造の風向/風速センサを提供する。
【解決手段】
サーミスタを用いる風向・風速センサにおいて、管内に配置し流入する風に乱流を生じさせる乱流発生構造体と、菅の軸方向に該乱流発生構造体を挟むようにその前後に配置した2つのサーミスタを備え、当該2つのサーミスタの抵抗値を比較し、抵抗値が大きくなる側を上流側として風向きを判定することを特徴とする。
【解決手段】
サーミスタを用いる風向・風速センサにおいて、管内に配置し流入する風に乱流を生じさせる乱流発生構造体と、菅の軸方向に該乱流発生構造体を挟むようにその前後に配置した2つのサーミスタを備え、当該2つのサーミスタの抵抗値を比較し、抵抗値が大きくなる側を上流側として風向きを判定することを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風向き及び風速センサ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
空調機を制御する環境で用いる風向・風速センサにおいて、空調装置毎、あるいは、サーバラック毎に風向・風速センサを配置するような大規模センシングシステムでは、個々のセンサは、小型化、低コスト化、および省電力化が必須となる。
【0003】
一般に風向と風速を計測できるセンサは、風杯型(あるいは風車型)の風速センサと風見鶏型の風向センサを組み合わせた方式がほとんどで、上記方式では小型化、低コスト化に限界がある。
【0004】
また、別の方式として、超音波を使用した風向・風速センサもあるが、この方式の場合、小型化は可能であるがコストが非常に高価となる。
【0005】
上述したセンサは、小規模(少数)の使用、あるいは、十分にスペースのある広い環境での使用においては大きな問題とならないが、今後発展が予想される大量のセンサを使用する大規模センシングシステムや、サーバラックなど、限られた空間内の詳細な気流を計測するセンシングシステムには不向きである。
【0006】
これに対し、サーミスタ(温度依存型抵抗素子)による風速センサと温度センサを一つの管の中に直線的に設置し、風向・風速を計測する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−75461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図11に示すように、風速センサと温度センサをすべてサーミスタで構成した場合、最低でも3つのサーミスタを必要とするためコスト高となる。また、温度センサ(図中、7a、7b)において、熱せられた風の流れを検知するには、サーミスタによる大きな発熱量を必要とし、電力が増大する。さらに、サーミスタの上流側に配置された温度センサがサーミスタに流れてくる気流を乱すため、風速の計測精度が低下する、などの問題を抱える。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の一つの態様は、管内に配置し流入する風に乱流を生じさせる乱流発生構造体と、前記菅内においてその軸方向に前記乱流発生構造体を挟むように配置した複数のサーミスタと、前記複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を測定する測定回路と、前記複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を比較し、前記乱流発生構造体を挟んで、当該抵抗値が大きくなるサーミスタ側を上流側として風向きを判定する風向判定手段とを有することを特徴とする風向・風速センサに関する。
【0010】
また、発明の別な態様は、互いに交わる方向に延在する複数の配管を連結した連結管の結合部に設置された乱流発生構造体と、前記乱流発生構造体を挟むように各方向の配管内に配置した複数のサーミスタと、前記各方向の配管内の複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を測定する測定回路と、前記各方向の配管内において、前記乱流発生構造体を挟んで、前記抵抗値が大きい方のサーミスタ側を上流側として各配管の風速を求め、該各配管の風速を基にベクトル計算することによって前記連結管の風向と風速を算出する手段を有することを特徴とする風向・風速センサに関する。
【発明の効果】
【0011】
上記本発明の一態様によれば、1つの軸に対し、最低2つのサーミスタを使用するだけで、風向きを計測することができ、小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態になる風向・風速センサの一基本構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態になる風向・風速センサによる計測の仕組みを説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態になる乱流発生構造体の構造例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態になる風速の変換テーブルとして適用するサーミスタの計測電圧と風速の関係を表す図である。
【図5】本発明の実施の形態になる風向・風速センサの計測フローを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態になる複数のサーミスタによる風向・風速センサの構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態になる十字菅の中央に乱流発生構造体を配置させた風向・風速センサの構造例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態になる十字管に配置した風向・風速センサによる計測の仕組みを説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態になる十字管に配置した球状乱流発生構造体の例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態になる十字管に配置した風向・風速センサによる計測フローを示す図である。
【図11】従来の風速センサの構造例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の風向・風速センサの実施形態につき、図面に基づいて説明する。以下では、2つの実施例を取り上げ、実施例1として、一軸の円筒状管内に2つのサーミスタを設けた場合のセンサ例を、また、実施例2として、二軸の直交する十字管内に4つのサーミスタを設けたセンサ例を説明する。
【0014】
(実施例1)
以下の実施例1では、一軸の円筒状管内に2つのサーミスタを配置した風向・風速センサの例を説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態になる風向・風速センサの一基本構成を示す。風向・風速センサは、一軸の円筒状の管4内の中央に設置され、管4に取り込んだ気流を乱流とする乱流発生構造体3、および該乱流発生構造体3を挟んで前後に配置された2つサーミスタ(1、2)を有する。
【0016】
さらに、電流を投入し自己加熱状態としたサーミスタが気流に晒されたときに変化する抵抗値を電圧(V1、V2)として測定する測定回路5、2つのサーミスタから検出された電圧V1とV2を比較(すなわち、サーミスタ抵抗値の変化量を比較)して風向を判定する風向判定手段6、および風向判定手段6によって上流側と判定されたサーミスタにおいて、電圧を風速に変換する変換テーブル100に基づいて風速を算出する風速算出手段7を有する。
【0017】
本発明の風向・風速センサは、抵抗値の変化量の大きい方のサーミスタの風速をセンサの風速計測値とすることを特徴とする。
【0018】
測定回路5については、とくに制限は無く、例えば、サーミスタに数mA程度の電流を流し、2つのサーミスタの抵抗値の変化を電圧として計測する回路を用意し、必要に応じてオペアンプを用いたゲイン調整を行い、ADC(Analog-Digital Converter)回路などを用いてデジタル信号として取り出すことが可能である。
【0019】
上述したように、本発明の風向・風速センサでは、1つの軸管に対し、最低2つのサーミスタを使用するだけで、風向と風速を計測することができ、従来方式に比べ、小型化、低コスト化が可能となる。
【0020】
また、サーミスタの熱を他のセンサに伝える必要がないため、サーミスタ自身が検知できる程度の熱量を発生させるだけでよく、消費電力が抑制できる。
【0021】
さらに、風速計測に使う上流側サーミスタの上流には気流を妨げるものがないため、高精度に風速を計測できる。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態になる風向・風速センサによる計測の仕組みを説明する図である。
【0023】
サーミスタの温度抵抗特性としては、例えば、以下の式1(Steinhart-Hart式)に示すような関係があり、上記の加熱状態において、管4内に風が流入した場合、流入側のサーミスタは整流の風により冷却されるため、放熱量が大きく、サーミスタ抵抗値が大きく増加する。逆に、流出側のサーミスタは乱流発生構造体により乱された乱流の風により冷却されるため、放熱量が小さく、サーミスタ抵抗値の増加量が小さくなる。
【0024】
【数1】
【0025】
図2のように、管4内に乱流発生構造体3を挟んで配置された2つの風速計測用サーミスタ(自己加熱)を備えた風向・風速センサの右側から風が流入した場合に、流入側のサーミスタ2の抵抗値は、整流された風によって冷却され増大し、流出側のサーミスタ1の抵抗値は、乱流発生構造体3を通過した乱流の風で増加量が小さくなる。
【0026】
上記2つのサーミスタ(1、2)の抵抗値(R1、R2)を電圧(V1、V2)に変換した上で比較し、抵抗値(電圧)の大きいサーミスタ側を上流として風向を判定する。
【0027】
また、上流側のサーミスタの抵抗値(電圧)から風速を算出する。上流側のサーミスタを使用することによって、風が乱されることなく風速を計測することが可能となる。
【0028】
なお、風向・風速センサの2つのサーミスタは、図に示すように、測定対象気流に対して垂直に配置することが好ましい。
【0029】
以上述べたように、本風向・風速センサは、管の一方から風が流入した場合、風による放熱でサーミスタ抵抗値が増大するが、流入側のサーミスタは整流の風による冷却で抵抗値が大きく増大するのに対し、流出側のサーミスタは乱流の風となり風速が低下するため冷却作用が弱まり抵抗値の増大量が小さくなる仕組みを利用するものである。
【0030】
図3は、本発明の実施の形態になる乱流発生構造体の構造例を示す。図には、乱流を発生させる乱流発生構造体3の代表例として好適な構造として、メッシュ構造、パンチング(貫通孔)構造、およびグリル(スリット)構造を示している。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
図4は、本発明の実施の形態になる風速の変換テーブルとして適用するサーミスタの計測電圧と風速の関係を表す図である。
【0032】
横軸は、測定回路5で検出されたサーミスタの電圧Vを示し、縦軸は実験的に得られた風速m/sを示す。なお、グラフは、電圧−風速の特性イメージを表したものであり、個々のサーミスタに固有の曲線となる。また、測定回路や部品構成によっても異なった特性となる。
【0033】
図5は、本発明の実施の形態になる風向・風速センサの計測フローを示す。
【0034】
まず、ステップS11において、サーミスタ1、2に電流を流し、サーミスタを自己加熱状態とする。つぎに、ステップS12、13において、測定回路5によりサーミスタ1、2抵抗値R1、R2を電圧V1、V2として計測する。
【0035】
そして、ステップS14において、風向判定手段6は、計測された電圧V1とV2を比較し、V1>V2であれば、ステップS15において、風向きをサーミスタ1側が上流にあると判定する。つぎに、ステップS16において、風速算出手段7は、計測電圧V1と予め実験値をもとに作成された電圧−風速の変換テーブルを参照し、風速を算出する。
【0036】
また、V1=V2であれば、ステップS17において、無風と判定する。さらに、V1<V2であれば、ステップS19において、風向きをサーミスタ2側が上流にあると判定する。つぎに、ステップS20において、風速算出手段7は、計測電圧V2と予め実験値をもとに作成された電圧−風速の変換テーブルを参照し、風速を算出する。
【0037】
図6は、本発明の実施の形態になる複数のサーミスタによる風向・風速センサの構成例を示す図である。図6は、風向/風速計測用サーミスタは、2つに限らず複数個配置した例を示している。
【0038】
サーミスタの抵抗値は、乱流発生構造体3によって区切られた領域ごとにそれぞれのサーミスタ群(1a、1b)、(2a、2b)の平均値として取得する構成としている。本構成によって、より高精度にサーミスタの抵抗値変化の検出が可能となる。
【0039】
(実施例2)
以下の実施例2では、二軸の直交する十字管内に4つのサーミスタを配置した風向・風速センサの例を説明する。
【0040】
図7は、本発明の実施の形態になる十字菅の中央に乱流発生構造体を配置させた風向・風速センサの構造例を示す。
【0041】
図に示すように、十字管構造の風向・風速センサは、X軸方向の管4とY軸方向の管4’を直交させた十字管の結合部(中央部側)に設置した4つの乱流発生構造体3と、各乱流発生構造体3と対向する十字管の各位置に配置させた4つのサーミスタ(11、12、21、22)を備える。
【0042】
また、X軸方向の管4におけるサーミスタ(11、12)およびY軸方向の管4’におけるサーミスタ(21、22)の抵抗変化をそれぞれ検出する測定回路5、5’と、各軸の管のサーミスタで検出される電圧から風向きを判定する風向判定手段6と、風向判定手段6によって上流側と判定された各軸の管のサーミスタにおいて、電圧を風速に変換する変換テーブル100に基づいて風速を算出する風速算出手段7と、を有する。
【0043】
上記4つのサーミスタの抵抗比率から風向を判定し、各管において直線状に配置された2つのサーミスタの内、抵抗値の変化量の最も大きいサーミスタ2つの風速から風速計測値を算出することとなる。
【0044】
図8は、本発明の実施の形態になる十字管に配置した風向・風速センサによる計測の仕組みを説明する図である。
【0045】
図では、十字管の中央に乱流発生構造体3が設置され、各軸で上記乱流発生構造体3を挟むように風速計測用のサーミスタ11、12、21、22が配置された十字構造の風向・風速センサにおいて、斜め右上から風が管4、4‘のサーミスタ12、21側から流入する場合を示している。
【0046】
各軸において上記のサーミスタ抵抗値を電圧に変換した上で比較し、抵抗値(電圧)の大きいサーミスタ側を上流として、各軸の風速を算出する。
【0047】
その後、各軸の上流判定とその風速をもとに、最終的な風向、風速を算出する。
【0048】
ここで、サーミスタ1、2の電圧V1、V2の比較により得られた風速をW1、サーミスタ3、4の電圧V3、V4の比較により得られた風速をW2とすると、風向(角):θ、風速:Wは、それぞれ以下の式で算出できる。
【0049】
【数2】
【0050】
なお、風向/風速計測用サーミスタは、各軸に2つに限らず複数個ずつ設置して、乱流発生構造体で区切られた領域ごとの平均値を取得してもかまわない。
【0051】
以上述べたように、2軸(あるいは3軸)に直交するように連結した管の結合部に乱流発生構造体を設置するとともに、各軸において、乱流発生構造体を挟むように対向する風速計測用サーミスタを配置し、各軸の対向するサーミスタ抵抗値を比較し、各軸で抵抗値の大きいサーミスタの抵抗値から各軸の風速を算出し、ベクトル計算により風向を判定することができる。
【0052】
図9は、本発明の実施の形態になる十字管に配置した球状乱流発生構造体の例を示す。なお、十字管構造の風向・風速センサに適用する乱流発生構造体3については、図3に示したメッシュ構造、パンチング構造、グリル構造の構造体が同様に適用される。
【0053】
また、十字管構造の風向・風速センサでは、乱流発生構造体は、例えば、上記メッシュ構造、パンチング構造、およびグリル構造の構造体を球状に形成したものでも良い。
【0054】
図10は、本発明の実施の形態になる十字管に配置した風向・風速センサによる計測フローを示す。
【0055】
まず、ステップS21において、サーミスタ11、12、21、22に電流を流し、サーミスタを自己加熱状態とする。つぎに、ステップS22〜25において、測定回路5によりサーミスタ11、12、21、22の抵抗値を電圧V1、V2、V3、V4として計測する。
【0056】
そして、ステップS26において、風向判定手段6は、計測電圧V1とV2を比較し、V1≧V2であれば、風向きをサーミスタ1側が上流にあると判定し、ステップS27において、風速算出手段7は、計測電圧V1と予め実験値をもとに作成された電圧−風速の変換テーブルを参照し、風速W1を算出する。
【0057】
また、V1<V2であれば、風向きをサーミスタ2側が上流にあると判定し、ステップS28において、風速算出手段7は、検出電圧V2と変換テーブルをもとに風速W1を算出する。
【0058】
一方、ステップS29において、風向判定手段6は、計測電圧V3とV4を比較し、V3≧V4であれば、風向きをサーミスタ3側が上流にあると判定し、ステップS30において、風速算出手段7は、計測電圧V3と予変換テーブルをもとに風速W2を算出する。
【0059】
また、V3<V4であれば、風向きをサーミスタ4側が上流にあると判定し、ステップS31において、風速算出手段7は、検出電圧V2と変換テーブルをもとに風速W2を算出する。
【0060】
つぎに、ステップS32において、X方向の管4で得られた風速W1とY方向の管4’で得られた風速W2を用い、式2及び式3のベクトル計算によって風向角度と真の風速Wとを求める。本フローにより、十字管構造の風向・風速センサに4個のサーミスタを適用することで、風向と風速を正確に捉えることができ、従来の風杯型、風見鶏型の風向センサに比べ小型化が可能となる。
【0061】
以上、本発明により、(1)個々のサーミスタでは自己加熱の変化分だけを検出すればよいので、過度の加熱をする必要はなく消費電力が低減できる、(2)風速計測側の上流には気流を乱すものがないため、高精度に風速を計測できる、(3)乱流発生構造を管内に設置することで上流と下流の気流が大きく変わり、風向検知の判定制度が向上する等の効果を生じる。
【0062】
このように、従来型に比べ、小型、低コスト、省電力の風向・風速センサを製造することが可能となり、数百〜数万個オーダーのセンサ数を必要とする大規模センシングシステムにおいて、大幅な省スペース化、コストダウンにつながる。
【0063】
とくに、特に逆流の防止等、対向方向のみの風向・風速を計測する場合には、サーミスタ2つだけの構成にすることで、さらなるコストダウンが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
工場、データセンタ、オフィス等、空調機を制御する環境で用いる風向・風速センサの分野。
【符号の説明】
【0065】
1、2 サーミスタ
3 乱流発生構造体
4、4’ 管
5、5’ 測定回路
6 風向判定手段
7 風速算出手段
11、12、21、22 サーミスタ
100 変換テーブル
【技術分野】
【0001】
本発明は、風向き及び風速センサ技術に関する。
【背景技術】
【0002】
空調機を制御する環境で用いる風向・風速センサにおいて、空調装置毎、あるいは、サーバラック毎に風向・風速センサを配置するような大規模センシングシステムでは、個々のセンサは、小型化、低コスト化、および省電力化が必須となる。
【0003】
一般に風向と風速を計測できるセンサは、風杯型(あるいは風車型)の風速センサと風見鶏型の風向センサを組み合わせた方式がほとんどで、上記方式では小型化、低コスト化に限界がある。
【0004】
また、別の方式として、超音波を使用した風向・風速センサもあるが、この方式の場合、小型化は可能であるがコストが非常に高価となる。
【0005】
上述したセンサは、小規模(少数)の使用、あるいは、十分にスペースのある広い環境での使用においては大きな問題とならないが、今後発展が予想される大量のセンサを使用する大規模センシングシステムや、サーバラックなど、限られた空間内の詳細な気流を計測するセンシングシステムには不向きである。
【0006】
これに対し、サーミスタ(温度依存型抵抗素子)による風速センサと温度センサを一つの管の中に直線的に設置し、風向・風速を計測する方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−75461号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、図11に示すように、風速センサと温度センサをすべてサーミスタで構成した場合、最低でも3つのサーミスタを必要とするためコスト高となる。また、温度センサ(図中、7a、7b)において、熱せられた風の流れを検知するには、サーミスタによる大きな発熱量を必要とし、電力が増大する。さらに、サーミスタの上流側に配置された温度センサがサーミスタに流れてくる気流を乱すため、風速の計測精度が低下する、などの問題を抱える。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の一つの態様は、管内に配置し流入する風に乱流を生じさせる乱流発生構造体と、前記菅内においてその軸方向に前記乱流発生構造体を挟むように配置した複数のサーミスタと、前記複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を測定する測定回路と、前記複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を比較し、前記乱流発生構造体を挟んで、当該抵抗値が大きくなるサーミスタ側を上流側として風向きを判定する風向判定手段とを有することを特徴とする風向・風速センサに関する。
【0010】
また、発明の別な態様は、互いに交わる方向に延在する複数の配管を連結した連結管の結合部に設置された乱流発生構造体と、前記乱流発生構造体を挟むように各方向の配管内に配置した複数のサーミスタと、前記各方向の配管内の複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を測定する測定回路と、前記各方向の配管内において、前記乱流発生構造体を挟んで、前記抵抗値が大きい方のサーミスタ側を上流側として各配管の風速を求め、該各配管の風速を基にベクトル計算することによって前記連結管の風向と風速を算出する手段を有することを特徴とする風向・風速センサに関する。
【発明の効果】
【0011】
上記本発明の一態様によれば、1つの軸に対し、最低2つのサーミスタを使用するだけで、風向きを計測することができ、小型化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態になる風向・風速センサの一基本構成を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態になる風向・風速センサによる計測の仕組みを説明する図である。
【図3】本発明の実施の形態になる乱流発生構造体の構造例を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態になる風速の変換テーブルとして適用するサーミスタの計測電圧と風速の関係を表す図である。
【図5】本発明の実施の形態になる風向・風速センサの計測フローを示す図である。
【図6】本発明の実施の形態になる複数のサーミスタによる風向・風速センサの構成例を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態になる十字菅の中央に乱流発生構造体を配置させた風向・風速センサの構造例を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態になる十字管に配置した風向・風速センサによる計測の仕組みを説明する図である。
【図9】本発明の実施の形態になる十字管に配置した球状乱流発生構造体の例を示す図である。
【図10】本発明の実施の形態になる十字管に配置した風向・風速センサによる計測フローを示す図である。
【図11】従来の風速センサの構造例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の風向・風速センサの実施形態につき、図面に基づいて説明する。以下では、2つの実施例を取り上げ、実施例1として、一軸の円筒状管内に2つのサーミスタを設けた場合のセンサ例を、また、実施例2として、二軸の直交する十字管内に4つのサーミスタを設けたセンサ例を説明する。
【0014】
(実施例1)
以下の実施例1では、一軸の円筒状管内に2つのサーミスタを配置した風向・風速センサの例を説明する。
【0015】
図1は、本発明の実施の形態になる風向・風速センサの一基本構成を示す。風向・風速センサは、一軸の円筒状の管4内の中央に設置され、管4に取り込んだ気流を乱流とする乱流発生構造体3、および該乱流発生構造体3を挟んで前後に配置された2つサーミスタ(1、2)を有する。
【0016】
さらに、電流を投入し自己加熱状態としたサーミスタが気流に晒されたときに変化する抵抗値を電圧(V1、V2)として測定する測定回路5、2つのサーミスタから検出された電圧V1とV2を比較(すなわち、サーミスタ抵抗値の変化量を比較)して風向を判定する風向判定手段6、および風向判定手段6によって上流側と判定されたサーミスタにおいて、電圧を風速に変換する変換テーブル100に基づいて風速を算出する風速算出手段7を有する。
【0017】
本発明の風向・風速センサは、抵抗値の変化量の大きい方のサーミスタの風速をセンサの風速計測値とすることを特徴とする。
【0018】
測定回路5については、とくに制限は無く、例えば、サーミスタに数mA程度の電流を流し、2つのサーミスタの抵抗値の変化を電圧として計測する回路を用意し、必要に応じてオペアンプを用いたゲイン調整を行い、ADC(Analog-Digital Converter)回路などを用いてデジタル信号として取り出すことが可能である。
【0019】
上述したように、本発明の風向・風速センサでは、1つの軸管に対し、最低2つのサーミスタを使用するだけで、風向と風速を計測することができ、従来方式に比べ、小型化、低コスト化が可能となる。
【0020】
また、サーミスタの熱を他のセンサに伝える必要がないため、サーミスタ自身が検知できる程度の熱量を発生させるだけでよく、消費電力が抑制できる。
【0021】
さらに、風速計測に使う上流側サーミスタの上流には気流を妨げるものがないため、高精度に風速を計測できる。
【0022】
図2は、本発明の実施の形態になる風向・風速センサによる計測の仕組みを説明する図である。
【0023】
サーミスタの温度抵抗特性としては、例えば、以下の式1(Steinhart-Hart式)に示すような関係があり、上記の加熱状態において、管4内に風が流入した場合、流入側のサーミスタは整流の風により冷却されるため、放熱量が大きく、サーミスタ抵抗値が大きく増加する。逆に、流出側のサーミスタは乱流発生構造体により乱された乱流の風により冷却されるため、放熱量が小さく、サーミスタ抵抗値の増加量が小さくなる。
【0024】
【数1】
【0025】
図2のように、管4内に乱流発生構造体3を挟んで配置された2つの風速計測用サーミスタ(自己加熱)を備えた風向・風速センサの右側から風が流入した場合に、流入側のサーミスタ2の抵抗値は、整流された風によって冷却され増大し、流出側のサーミスタ1の抵抗値は、乱流発生構造体3を通過した乱流の風で増加量が小さくなる。
【0026】
上記2つのサーミスタ(1、2)の抵抗値(R1、R2)を電圧(V1、V2)に変換した上で比較し、抵抗値(電圧)の大きいサーミスタ側を上流として風向を判定する。
【0027】
また、上流側のサーミスタの抵抗値(電圧)から風速を算出する。上流側のサーミスタを使用することによって、風が乱されることなく風速を計測することが可能となる。
【0028】
なお、風向・風速センサの2つのサーミスタは、図に示すように、測定対象気流に対して垂直に配置することが好ましい。
【0029】
以上述べたように、本風向・風速センサは、管の一方から風が流入した場合、風による放熱でサーミスタ抵抗値が増大するが、流入側のサーミスタは整流の風による冷却で抵抗値が大きく増大するのに対し、流出側のサーミスタは乱流の風となり風速が低下するため冷却作用が弱まり抵抗値の増大量が小さくなる仕組みを利用するものである。
【0030】
図3は、本発明の実施の形態になる乱流発生構造体の構造例を示す。図には、乱流を発生させる乱流発生構造体3の代表例として好適な構造として、メッシュ構造、パンチング(貫通孔)構造、およびグリル(スリット)構造を示している。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0031】
図4は、本発明の実施の形態になる風速の変換テーブルとして適用するサーミスタの計測電圧と風速の関係を表す図である。
【0032】
横軸は、測定回路5で検出されたサーミスタの電圧Vを示し、縦軸は実験的に得られた風速m/sを示す。なお、グラフは、電圧−風速の特性イメージを表したものであり、個々のサーミスタに固有の曲線となる。また、測定回路や部品構成によっても異なった特性となる。
【0033】
図5は、本発明の実施の形態になる風向・風速センサの計測フローを示す。
【0034】
まず、ステップS11において、サーミスタ1、2に電流を流し、サーミスタを自己加熱状態とする。つぎに、ステップS12、13において、測定回路5によりサーミスタ1、2抵抗値R1、R2を電圧V1、V2として計測する。
【0035】
そして、ステップS14において、風向判定手段6は、計測された電圧V1とV2を比較し、V1>V2であれば、ステップS15において、風向きをサーミスタ1側が上流にあると判定する。つぎに、ステップS16において、風速算出手段7は、計測電圧V1と予め実験値をもとに作成された電圧−風速の変換テーブルを参照し、風速を算出する。
【0036】
また、V1=V2であれば、ステップS17において、無風と判定する。さらに、V1<V2であれば、ステップS19において、風向きをサーミスタ2側が上流にあると判定する。つぎに、ステップS20において、風速算出手段7は、計測電圧V2と予め実験値をもとに作成された電圧−風速の変換テーブルを参照し、風速を算出する。
【0037】
図6は、本発明の実施の形態になる複数のサーミスタによる風向・風速センサの構成例を示す図である。図6は、風向/風速計測用サーミスタは、2つに限らず複数個配置した例を示している。
【0038】
サーミスタの抵抗値は、乱流発生構造体3によって区切られた領域ごとにそれぞれのサーミスタ群(1a、1b)、(2a、2b)の平均値として取得する構成としている。本構成によって、より高精度にサーミスタの抵抗値変化の検出が可能となる。
【0039】
(実施例2)
以下の実施例2では、二軸の直交する十字管内に4つのサーミスタを配置した風向・風速センサの例を説明する。
【0040】
図7は、本発明の実施の形態になる十字菅の中央に乱流発生構造体を配置させた風向・風速センサの構造例を示す。
【0041】
図に示すように、十字管構造の風向・風速センサは、X軸方向の管4とY軸方向の管4’を直交させた十字管の結合部(中央部側)に設置した4つの乱流発生構造体3と、各乱流発生構造体3と対向する十字管の各位置に配置させた4つのサーミスタ(11、12、21、22)を備える。
【0042】
また、X軸方向の管4におけるサーミスタ(11、12)およびY軸方向の管4’におけるサーミスタ(21、22)の抵抗変化をそれぞれ検出する測定回路5、5’と、各軸の管のサーミスタで検出される電圧から風向きを判定する風向判定手段6と、風向判定手段6によって上流側と判定された各軸の管のサーミスタにおいて、電圧を風速に変換する変換テーブル100に基づいて風速を算出する風速算出手段7と、を有する。
【0043】
上記4つのサーミスタの抵抗比率から風向を判定し、各管において直線状に配置された2つのサーミスタの内、抵抗値の変化量の最も大きいサーミスタ2つの風速から風速計測値を算出することとなる。
【0044】
図8は、本発明の実施の形態になる十字管に配置した風向・風速センサによる計測の仕組みを説明する図である。
【0045】
図では、十字管の中央に乱流発生構造体3が設置され、各軸で上記乱流発生構造体3を挟むように風速計測用のサーミスタ11、12、21、22が配置された十字構造の風向・風速センサにおいて、斜め右上から風が管4、4‘のサーミスタ12、21側から流入する場合を示している。
【0046】
各軸において上記のサーミスタ抵抗値を電圧に変換した上で比較し、抵抗値(電圧)の大きいサーミスタ側を上流として、各軸の風速を算出する。
【0047】
その後、各軸の上流判定とその風速をもとに、最終的な風向、風速を算出する。
【0048】
ここで、サーミスタ1、2の電圧V1、V2の比較により得られた風速をW1、サーミスタ3、4の電圧V3、V4の比較により得られた風速をW2とすると、風向(角):θ、風速:Wは、それぞれ以下の式で算出できる。
【0049】
【数2】
【0050】
なお、風向/風速計測用サーミスタは、各軸に2つに限らず複数個ずつ設置して、乱流発生構造体で区切られた領域ごとの平均値を取得してもかまわない。
【0051】
以上述べたように、2軸(あるいは3軸)に直交するように連結した管の結合部に乱流発生構造体を設置するとともに、各軸において、乱流発生構造体を挟むように対向する風速計測用サーミスタを配置し、各軸の対向するサーミスタ抵抗値を比較し、各軸で抵抗値の大きいサーミスタの抵抗値から各軸の風速を算出し、ベクトル計算により風向を判定することができる。
【0052】
図9は、本発明の実施の形態になる十字管に配置した球状乱流発生構造体の例を示す。なお、十字管構造の風向・風速センサに適用する乱流発生構造体3については、図3に示したメッシュ構造、パンチング構造、グリル構造の構造体が同様に適用される。
【0053】
また、十字管構造の風向・風速センサでは、乱流発生構造体は、例えば、上記メッシュ構造、パンチング構造、およびグリル構造の構造体を球状に形成したものでも良い。
【0054】
図10は、本発明の実施の形態になる十字管に配置した風向・風速センサによる計測フローを示す。
【0055】
まず、ステップS21において、サーミスタ11、12、21、22に電流を流し、サーミスタを自己加熱状態とする。つぎに、ステップS22〜25において、測定回路5によりサーミスタ11、12、21、22の抵抗値を電圧V1、V2、V3、V4として計測する。
【0056】
そして、ステップS26において、風向判定手段6は、計測電圧V1とV2を比較し、V1≧V2であれば、風向きをサーミスタ1側が上流にあると判定し、ステップS27において、風速算出手段7は、計測電圧V1と予め実験値をもとに作成された電圧−風速の変換テーブルを参照し、風速W1を算出する。
【0057】
また、V1<V2であれば、風向きをサーミスタ2側が上流にあると判定し、ステップS28において、風速算出手段7は、検出電圧V2と変換テーブルをもとに風速W1を算出する。
【0058】
一方、ステップS29において、風向判定手段6は、計測電圧V3とV4を比較し、V3≧V4であれば、風向きをサーミスタ3側が上流にあると判定し、ステップS30において、風速算出手段7は、計測電圧V3と予変換テーブルをもとに風速W2を算出する。
【0059】
また、V3<V4であれば、風向きをサーミスタ4側が上流にあると判定し、ステップS31において、風速算出手段7は、検出電圧V2と変換テーブルをもとに風速W2を算出する。
【0060】
つぎに、ステップS32において、X方向の管4で得られた風速W1とY方向の管4’で得られた風速W2を用い、式2及び式3のベクトル計算によって風向角度と真の風速Wとを求める。本フローにより、十字管構造の風向・風速センサに4個のサーミスタを適用することで、風向と風速を正確に捉えることができ、従来の風杯型、風見鶏型の風向センサに比べ小型化が可能となる。
【0061】
以上、本発明により、(1)個々のサーミスタでは自己加熱の変化分だけを検出すればよいので、過度の加熱をする必要はなく消費電力が低減できる、(2)風速計測側の上流には気流を乱すものがないため、高精度に風速を計測できる、(3)乱流発生構造を管内に設置することで上流と下流の気流が大きく変わり、風向検知の判定制度が向上する等の効果を生じる。
【0062】
このように、従来型に比べ、小型、低コスト、省電力の風向・風速センサを製造することが可能となり、数百〜数万個オーダーのセンサ数を必要とする大規模センシングシステムにおいて、大幅な省スペース化、コストダウンにつながる。
【0063】
とくに、特に逆流の防止等、対向方向のみの風向・風速を計測する場合には、サーミスタ2つだけの構成にすることで、さらなるコストダウンが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
工場、データセンタ、オフィス等、空調機を制御する環境で用いる風向・風速センサの分野。
【符号の説明】
【0065】
1、2 サーミスタ
3 乱流発生構造体
4、4’ 管
5、5’ 測定回路
6 風向判定手段
7 風速算出手段
11、12、21、22 サーミスタ
100 変換テーブル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管内に配置し流入する風に乱流を生じさせる乱流発生構造体と、
前記菅内においてその軸方向に前記乱流発生構造体を挟むように配置した複数のサーミスタと、
前記複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を測定する測定回路と、
前記複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を比較し、前記乱流発生構造体を挟んで、当該抵抗値が大きくなるサーミスタ側を上流側として風向きを判定する風向判定手段とを有することを特徴とする風向・風速センサ。
【請求項2】
前記サーミスタの抵抗値と風速との関係が予め実験値用意された変換テーブルを基に、前記複数のサーミスタの内、抵抗値の大きいサーミスタから風速を算出することを特徴とする請求項1に記載の風向・風速センサ。
【請求項3】
前記乱流発生構造体を挟んで配置されるサーミスタは、2以上複数のサーミスタで構成され、前記サーミスタの抵抗値は、前記乱流発生構造体によって区切られた領域ごとにその平均値を採用することを特徴とする請求項1または2に記載の風向・風速センサ。
【請求項4】
前記乱流発生構造体は、メッシュ構造、またはパンチング構造、またはグリル構造を有構造体であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の風向・風速センサ。
【請求項5】
互いに交わる方向に延在する複数の配管を連結した連結管の結合部に設置された乱流発生構造体と、
前記乱流発生構造体を挟むように各方向の配管内に配置した複数のサーミスタと、
前記各方向の配管内の複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を測定する測定回路と、
前記各方向の配管内において、前記乱流発生構造体を挟んで、前記抵抗値が大きい方のサーミスタ側を上流側として各配管の風速を求め、該各配管の風速を基にベクトル計算することによって前記連結管の風向と風速を算出する手段を有することを特徴とする風向・風速センサ。
【請求項6】
前記互いに交わる方向に延在する複数の配管を連結した連結管は、その結合部において2軸あるいは3軸に直交する構造であることを特徴とする請求項5に記載の風向・風速センサ。
【請求項1】
管内に配置し流入する風に乱流を生じさせる乱流発生構造体と、
前記菅内においてその軸方向に前記乱流発生構造体を挟むように配置した複数のサーミスタと、
前記複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を測定する測定回路と、
前記複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を比較し、前記乱流発生構造体を挟んで、当該抵抗値が大きくなるサーミスタ側を上流側として風向きを判定する風向判定手段とを有することを特徴とする風向・風速センサ。
【請求項2】
前記サーミスタの抵抗値と風速との関係が予め実験値用意された変換テーブルを基に、前記複数のサーミスタの内、抵抗値の大きいサーミスタから風速を算出することを特徴とする請求項1に記載の風向・風速センサ。
【請求項3】
前記乱流発生構造体を挟んで配置されるサーミスタは、2以上複数のサーミスタで構成され、前記サーミスタの抵抗値は、前記乱流発生構造体によって区切られた領域ごとにその平均値を採用することを特徴とする請求項1または2に記載の風向・風速センサ。
【請求項4】
前記乱流発生構造体は、メッシュ構造、またはパンチング構造、またはグリル構造を有構造体であることを特徴とする請求項1乃至3に記載の風向・風速センサ。
【請求項5】
互いに交わる方向に延在する複数の配管を連結した連結管の結合部に設置された乱流発生構造体と、
前記乱流発生構造体を挟むように各方向の配管内に配置した複数のサーミスタと、
前記各方向の配管内の複数のサーミスタのそれぞれの抵抗値を測定する測定回路と、
前記各方向の配管内において、前記乱流発生構造体を挟んで、前記抵抗値が大きい方のサーミスタ側を上流側として各配管の風速を求め、該各配管の風速を基にベクトル計算することによって前記連結管の風向と風速を算出する手段を有することを特徴とする風向・風速センサ。
【請求項6】
前記互いに交わる方向に延在する複数の配管を連結した連結管は、その結合部において2軸あるいは3軸に直交する構造であることを特徴とする請求項5に記載の風向・風速センサ。
【図4】
【図5】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図5】
【図10】
【図11】
【図1】
【図2】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【公開番号】特開2011−107057(P2011−107057A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264581(P2009−264581)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]