説明

飛翔体、飛翔システム及び飛行方法

【課題】外部から電力の供給を必要とせずに小型化することができる飛翔体、飛翔システム及び飛行方法を提供することを目的とする。
【解決手段】飛翔体100であって、本体部110と、本体部110を進行方向へ推進させるプロペラと、フィルム状の太陽電池である太陽電池フィルムと、太陽電池フィルムをその一端を接続した状態で格納する格納部と、を備え、本体部110は、格納部を駆動して、太陽電池フィルムの一端が格納部に接続された状態で、太陽電池フィルムを格納部から進行方向の後方に展開させる格納駆動部188と、太陽電池フィルムにより生成される電力を蓄電する蓄電部170と、太陽電池フィルムにより生成される電力又は蓄電部170に蓄電されている電力を用いてプロペラを駆動する推進駆動部184と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛翔体、飛翔システム及び飛行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、成層圏に常時滞在できる飛翔体を用いた無線通信網の開発が進められている。成層圏は山頂より高高度なので、成層圏に飛翔体を常時滞在させれば、無線通信の中継機器を減らしつつ多くの無線通信範囲をカバーすることができる。また成層圏は人工衛星よりも格段に低高度なので、成層圏に飛翔体を常時滞在させれば、携帯電話などの送信電力が低電力の電子機器に対しても容易に無線通信の中継が可能になる。
【0003】
例えば特許文献1には、翼の上面に太陽電池パネルを設けることにより、昼間は太陽電池パネルにより得られた電力で成層圏プラットフォームを駆動させ、夜間は送電装置から送られた電力で成層圏プラットフォームを駆動させる技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示されたような技術では、飛翔体を成層圏に滞在させるために、飛翔体に電力を供給する送電装置が必要となる。また、飛翔体に設けられた太陽電池により得られる電力を蓄電して夜間の飛行に必要な電力を代替しようとすると、大量の太陽電池が必要となり飛翔体を大型化する必要があるが、飛翔体を大型化すると空気の擾乱で分解しない剛性及び靭性を確保しなければならず、高価格化などの問題が生じる。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、外部から電力の供給を必要とせずに小型化することができる飛翔体、飛翔システム及び飛行方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の一態様にかかる飛翔体は、飛翔体であって、本体部と、前記本体部を進行方向へ推進させる推進部と、フィルム状の太陽電池である太陽電池フィルムと、前記太陽電池フィルムをその一端を接続した状態で格納する格納部と、を備え、前記本体部は、前記格納部を駆動して、前記太陽電池フィルムの前記一端が前記格納部に接続された状態で、前記太陽電池フィルムを前記格納部から前記進行方向の後方に展開させる格納駆動部と、前記太陽電池フィルムにより生成される電力を蓄電する蓄電部と、前記太陽電池フィルムにより生成される電力又は前記蓄電部に蓄電されている電力を用いて前記推進部を駆動する推進駆動部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明の別の態様にかかる飛翔システムは、上記飛翔体である第1飛翔体と第2飛翔体とを備えた飛翔システムであって、前記第2飛翔体は、前記太陽電池フィルムの他端が接続された第2本体部と、前記第2本体部を前記進行方向へ推進させる第2推進部と、を備え、前記第2本体部は、前記太陽電池フィルムにより生成される電力を蓄電する第2蓄電部と、前記太陽電池フィルムにより生成される電力又は前記第2蓄電部に蓄電されている電力を用いて前記第2推進部を駆動する第2推進駆動部と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別の態様にかかる飛行方法は、飛翔体の飛行方法であって、前記飛翔体は、本体部と、前記本体部を進行方向へ推進させる推進部と、フィルム状の太陽電池である太陽電池フィルムと、前記太陽電池フィルムをその一端を接続した状態で格納する格納部と、を備え、格納駆動部が、前記格納部を駆動して、前記太陽電池フィルムの前記一端が前記格納部に接続された状態で、前記太陽電池フィルムを前記格納部から前記進行方向の後方に展開させる格納駆動ステップと、蓄電部が、前記太陽電池フィルムにより生成される電力を蓄電する蓄電ステップと、推進駆動部が、前記太陽電池フィルムにより生成される電力又は前記蓄電ステップにより蓄電された電力を用いて前記推進部を駆動する推進駆動ステップと、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外部から電力の供給を必要とせずに小型化することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、第1実施形態の飛翔体の太陽電池フィルム展開前の状態例を示す平面図である。
【図2】図2は、第1実施形態の飛翔体の太陽電池フィルム展開後の状態例を示す平面図である。
【図3】図3は、第1実施形態の飛翔体の格納部の例を示す縦断面図である。
【図4】図4は、第1実施形態の飛翔体の機能構成例を示すブロック図である。
【図5】図5は、第1実施形態の飛翔体で行われる飛行動作例を示すフローチャートである。
【図6】図6は、第2実施形態の飛翔システムの太陽電池フィルム展開前の状態例を示す平面図である。
【図7】図7は、第2実施形態の飛翔システムの太陽電池フィルム展開後の状態例を示す平面図である。
【図8】図8は、第2実施形態の飛翔システムの太陽電池フィルム展開後の飛行姿勢例を示す側面図である。
【図9】図9は、第2実施形態の第1飛翔体の本体部の上面に設けられた光検出部の例を示す図である。
【図10】図10は、第2実施形態の第1飛翔体の機能構成例を示すブロック図である。
【図11】図11は、第2実施形態の第2飛翔体の機能構成例を示すブロック図である。
【図12】図12は、第2実施形態の飛翔システムで行われる予備機との交替動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付図面を参照しながら、本発明にかかる飛翔体、飛翔システム及び飛行方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の各実施形態では、飛翔体を成層圏に常時滞在させることで、地上波デジタルテレビ放送の中継局として利用する場合を例に取り説明するが、これに限定されるものではない。以下の各実施形態の飛翔体は、成層圏に常時滞在させることで、携帯電話又はラジオ放送などの電波利用機器の中継局として利用することもできる。
【0012】
(第1実施形態)
まず、第1実施形態の飛翔体の構成について説明する。
【0013】
図1は、第1実施形態の飛翔体100の太陽電池フィルム展開前の状態の一例を示す平面図であり、図2は、第1実施形態の飛翔体100の太陽電池フィルム150展開後の状態の一例を示す平面図である。図1及び図2に示すように、飛翔体100は、本体部110と、太陽電池114と、プロペラ120と、連結部130と、格納部140と、太陽電池フィルム150とを、備える。
【0014】
本体部110は、通常のプロペラ飛行機に近い翼面過重の機体構造となっており、地表から対流圏を経て上昇する折の大気擾乱による破壊に強い構造となっている。また、本体部110の主翼112の上面には、太陽電池114が貼付されている。
【0015】
プロペラ120(推進部の一例)は、本体部110を進行方向へ推進させるものであり、第1実施形態では、本体部110の進行方向前方に配置されている。なお第1実施形態のプロペラ120は、牽引式のプロペラとなっている。
【0016】
連結部130は、本体部110と格納部140とを連結するものである。第1実施形態では、連結部130は、本体部110の進行方向後方に設置されており、本体部110の進行方向後方に格納部140を連結している。
【0017】
太陽電池フィルム150は、低剛性なフィルム状の太陽電池であり、第1実施形態では、フレキシブルフィルムタイプを用いている。
【0018】
格納部140は、太陽電池フィルム150をその一端を接続した状態で格納するものである。図3は、第1実施形態の飛翔体100の格納部140の一例を示す縦断面図(図1の平面図においては横断面図)である。図1及び図3に示すように、格納部140は、円筒形状のケースとなっており、その中央部に巻き芯141が設けられている。格納部140は、太陽電池フィルム150を巻き芯141に巻きつけて格納している。太陽電池フィルム150の一端は巻き芯141に接続され、太陽電池フィルム150の他端は排出口142から格納部140の外部に排出可能となっている。
【0019】
格納部140は、図1に示す状態において、飛翔体100が成層圏の所定高度に達すると、巻き芯141を時計回り(図3の縦断面図における時計回り)に回転することで排出口142から太陽電池フィルム150を排出する。このように第1実施形態では、太陽電池フィルム150が本体部110の進行方向後方に排出されるため、飛翔体100は、排出した太陽電池フィルム150を牽引する状態となる。従って太陽電池フィルム150は、図2に示すように、対気速度による風を受けて本体部110の進行方向後方に展開される。また格納部140は、図2に示す状態において、飛翔体100が成層圏の所定高度から外れると、巻き芯141を反時計回り(図3の縦断面図における反時計回り)に回転することで太陽電池フィルム150を巻き取って、図1に示すように、太陽電池フィルム150を格納部140に格納する。
【0020】
なお第1実施形態では、太陽電池フィルム150を巻き取って格納部140に格納する例について説明したが、太陽電池フィルム150の格納方式はこれに限定されるものではなく、例えば、太陽電池フィルム150を折り畳んで格納部140に格納するようにしてもよい。
【0021】
図4は、第1実施形態の飛翔体100の機能構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、飛翔体100の本体部110は、蓄電部170と、電力制御部180と、操舵部182と、推進駆動部184と、位置検出部186と、格納駆動部188と、無線通信部190と、主制御部192とを、備える。
【0022】
蓄電部170は、太陽電池114及び太陽電池フィルム150により生成された電力を蓄電するものであり、例えば、蓄電池により実現できる。
【0023】
電力制御部180は、太陽電池114及び太陽電池フィルム150により生成された電力を安定化させて、蓄電部170に蓄電(充電)させる。また電力制御部180は、安定化させた電力、又は蓄電部170に蓄電されている電力を、操舵部182、推進駆動部184、位置検出部186、格納駆動部188、無線通信部190、及び主制御部192などに供給する。具体的には、電力制御部180は、太陽が出ている日中においては、太陽電池114及び太陽電池フィルム150により生成され、安定化させた電力を上述した各部に供給し、太陽が出ていない夜間においては、蓄電部170に蓄電されている電力を上述した各部に供給する。
【0024】
操舵部182は、本体部110の進行方向を制御するものである。
【0025】
推進駆動部184は、プロペラ120の駆動源であり、例えばモータなどにより実現できる。推進駆動部184は、主制御部192の制御を受け、太陽電池114や太陽電池フィルム150により生成された電力、又は蓄電部170に蓄電されている電力を用いてプロペラ120を駆動する。
【0026】
位置検出部186は、本体部110の高度を含む位置を検出するものであり、GPSセンサ及び気圧計などにより実現できる。
【0027】
格納駆動部188は、格納部140の駆動源であり、例えばモータなどにより実現できる。格納駆動部188は、主制御部192の制御を受け、太陽電池114や太陽電池フィルム150により生成された電力、又は蓄電部170に蓄電されている電力を用いて格納部140を駆動する。これにより、格納駆動部188は、太陽電池フィルム150の一端が格納部140に接続された状態で、太陽電池フィルム150を格納部140から進行方向後方に展開させたり、展開されている太陽電池フィルム150を格納部140に格納したりする。
【0028】
無線通信部190は、地上の図示せぬ放送局から地上波デジタルテレビ放送の電波を受信して、地上の所定領域に送信するものであり、受信アンテナ、受信機、制御機、送信機、及び送信アンテナなどにより実現される。なお飛翔体100は、成層圏の所定高度の同一箇所に留まる上で、旋回などを行う必要があるため、制御機により飛翔体100の飛行姿勢に応じて送信アンテナの指向性はリアルタイムに可変制御される。これにより、意図しない地上の領域に電波を到達させてしまうことや、必要な地上の領域に電波が届かないことを防止できる。
【0029】
主制御部192は、飛翔体100の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの既存の制御装置により実現できる。例えば、主制御部192は、位置検出部186により検出された位置が成層圏の所定高度に達していると判断すると、格納駆動部188に対して太陽電池フィルム150を格納部140から展開させるための制御を行う。同様に、主制御部192は、位置検出部186により検出された位置が成層圏の所定高度から外れていると判断すると、格納駆動部188に対して太陽電池フィルム150を格納部140に格納させるための制御を行う。
【0030】
次に、第1実施形態の飛翔体の動作について説明する。
【0031】
図5は、第1実施形態の飛翔体100で行われる飛行動作の一例を示すフローチャートである。なお、飛翔体100を成層圏の所定高度まで上昇させるためには大きなエネルギーが必要となるため、第1実施形態では、対流圏を抜けるまでは他の飛行機(図示省略)に牽引させて上昇させるものとする。また飛翔体100の蓄電部170も予め地上で満充電状態としておき、上昇などの駆動力のエネルギーを得られるようにしておく。具体的には、高度15km程度に達するまでは飛翔体100を他の飛行機に牽引させ、高度15km程度に達すると飛翔体100を他の飛行機から切り離し、飛翔体100自身による飛行を開始させる。図5では、これ以降の飛翔体100の飛行動作について説明する。なお、図5で説明する飛翔体100の飛行動作は、太陽光による電力を利用できる日中に行うものとする。
【0032】
まず、推進駆動部184は、プロペラ120を駆動して操舵部182により制御された進行方向に飛翔体100を上昇させる(ステップS100)。
【0033】
続いて、主制御部192は、位置検出部186により検出された位置が成層圏の所定高度である高度20kmに達しているか否かを判断する(ステップS102)。
【0034】
主制御部192により所定高度である高度20kmに達していないと判断された場合には(ステップS102でNo)、ステップS100に戻り、引き続き飛翔体100を上昇させる。
【0035】
一方、主制御部192により所定高度である高度20kmに達していると判断された場合には(ステップS102でYes)、格納駆動部188は、格納部140を駆動することにより、太陽電池フィルム150を格納部140から展開させる(ステップS104)。
【0036】
続いて、操舵部182は、進行方向を制御して飛翔体100を成層圏の所定高度に滞在させる(ステップS106)。
【0037】
なお、飛翔体100を地上に戻す場合など、位置検出部186により検出された位置が成層圏の所定高度を外れていると主制御部192に判断された場合には、格納駆動部188は、格納部140を駆動することにより、展開されている太陽電池フィルム150を格納部140に格納する。
【0038】
以上のように第1実施形態の飛翔体100は、飛翔体100の飛行等に必要な電力を生成する太陽電池のうち、本体部110に設けることが可能な分量の太陽電池114のみを主翼112に貼付し、残りについては、太陽電池フィルム150を用いて飛翔体100の進行方向後方に展開して牽引する。従って第1実施形態の飛翔体100によれば、外部から電力の供給を必要とせずに小型化することができる。
【0039】
(第2実施形態)
第2実施形態では、2機の飛翔体を用いた飛翔システムについて説明する。なお以下では、第1実施形態との相違点の説明を主に行い、第1実施形態と同様の機能を有する構成要素については、第1実施形態と同様の名称・符号を付し、その説明を省略する。
【0040】
まず、第2実施形態の飛翔システムの構成について説明する。
【0041】
図6は、第2実施形態の飛翔システム1000の太陽電池フィルム展開前の状態の一例を示す平面図である。図7は、第2実施形態の飛翔システム1000の太陽電池フィルム150展開後の状態の一例を示す平面図である。図8は、第2実施形態の飛翔システム1000の太陽電池フィルム150展開後の飛行姿勢の一例を示す側面図である。図9は、第2実施形態の第1飛翔体1100の本体部1110の上面に設けられた光検出部1196の一例を示す図である。図6〜図8に示すように、飛翔システム1000は、第1飛翔体1100と、第2飛翔体1200とを、備える。
【0042】
なお、第1飛翔体1100については、本体部1110の上面に光検出部1196が設けられている点、及び本体部1110の機能構成を除き、第1実施形態の飛翔体100と同様である。これらの第1実施形態の飛翔体100との相違点については、後述する。
【0043】
第2飛翔体1200は、本体部1210と、太陽電池1214と、プロペラ1220と、連結部1230とを、備える。
【0044】
本体部1210(第2本体部の一例)は、第1実施形態の飛翔体100と同様の構造となっており、本体部1210の主翼1212の上面には、太陽電池1214が貼付されている。なお、太陽電池1214の発生電力は最大2kwであり、太陽電池114も同様である。
【0045】
プロペラ1220(第2推進部の一例)は、本体部1210を進行方向へ推進させるものであり、本体部1210の進行方向後方に配置されている。なおプロペラ1220は、推進式のプロペラとなっている。
【0046】
連結部1230は、本体部1210と、第1飛翔体1100の格納部140に格納されている太陽電池フィルム150の他端とを、連結するものである。連結部1230は、本体部1210の進行方向前方に設置されており、本体部1210の進行方向前方に太陽電池フィルム150の他端を連結している。
【0047】
なお第2実施形態では、第2飛翔体1200のプロペラ1220は、推進式のプロペラとなっており、第2飛翔体1200の本体部1210の進行方向後方に配置されているため、本体部1210の進行方向前方に配置されている太陽電池フィルム150と干渉することはない。
【0048】
また第2実施形態では、太陽電池フィルム150が第1飛翔体1100の格納部140から本体部1110の進行方向後方に排出されると、第2飛翔体1200は、プロペラ1220の推進力を弱め、第1飛翔体1100よりも速度を若干遅くすることにより、太陽電池フィルム150を進行方向後方に引く。これにより、太陽電池フィルム150に張力が与えられ、図7に示すように展開される。なお第2飛翔体1200は、太陽電池フィルム150が展開された後は、プロペラ1220の推進力を元に戻し、第1飛翔体1100と同速度とする。また第2飛翔体1200は、プロペラ1220の駆動力を調整して太陽電池フィルム150にかかる張力を調整して太陽光を受けられるような適度な展開状態を維持する。
【0049】
なお、太陽電池フィルム150の寸法は、幅12m、長さ200m、厚さ50ミクロンである。また、太陽電池フィルム150は、アラミド繊維によるベースフィルムの上に成膜された薄膜型太陽電池である。また第2実施形態では、展開された太陽電池フィルム150は、大きな風力を受けるため、太陽電池フィルム150の端部には剛性を補強するためのテープ1152が配されている。具体的には、太陽光が照射される面の反対面側の端部に幅50cmでテープ1152が配されている。これにより太陽電池フィルム150は、大きな張力に耐える構成となっている。
【0050】
この面積2400平方メートルの太陽電池フィルム150は、直角に日光が照射された場合の理想最大出力は240kW程度であるが、第1飛翔体1100及び第2飛翔体1200に牽引されている状態では凧の足と類似した状態にあるため、常に光と垂直に保持することが難しい。従って、太陽が直上にある状態での平均出力は180kW程度となる。
【0051】
また第2実施形態では、飛翔システム1000は、太陽電池フィルム150が第1飛翔体1100の格納部140から展開されると、図8に示すように、第2飛翔体1200の高度を第1飛翔体1100の高度よりも低くして飛行する。これは、飛翔システム1000において、太陽電池フィルム150が最も大きな空気抵抗及び揚力を受けることを利用した飛行姿勢であり、第1飛翔体1100の高度を第2飛翔体1200よりも高くすることで上向きの揚力を得ることができる。なお、第1飛翔体1100及び第2飛翔体1200の高度差を変更することで、飛翔システム1000の飛行高度を変更でき、太陽電池フィルム150に昇降舵としての機能を果たさせることができる。例えば、図8に示すように、進行方向前方の第1飛翔体1100の高度が進行方向後方の第2飛翔体1200よりも高い場合、飛翔システム1000は、大きな揚力を受けるため、上昇させることができる。
【0052】
図10は、第2実施形態の飛翔システム1000の第1飛翔体1100の機能構成の一例を示すブロック図である。第1飛翔体1100は、光検出部1196及び各種センサ1191を備えている点、並びに操舵部1182及び主制御部1192の制御内容が、第1実施形態の飛翔体100と相違する。
【0053】
光検出部1196は、図9に示すように、光(太陽光)を検出する複数の光検出センサ1196A〜1196Cが角度を異ならせて設けられており、光検出部1196に設けられた光検出センサ1196A〜1196Cが検出した光量から太陽の位置を検出する。具体的には、光検出部1196は、光検出センサ1196A〜1196Cのうち検出した光量が最も多い光検出センサの方向に太陽が位置していることを検出する。
【0054】
操舵部1182は、光検出部1196により検出された太陽の位置に対して、本体部1110が垂直に位置するように、本体部1110の傾きを制御する。例えば、朝夕の太陽が傾いた位置にある場合であっても、太陽電池フィルム150に角度をつけて、太陽光と太陽電池フィルム150とが垂直に近づくように制御する。これにより、太陽の傾きに応じて太陽電池フィルム150の太陽光に対する垂直度を補正することができ、太陽電池フィルム150の出力を高めることができる。なお、この場合、太陽電池フィルム150の受ける力によって飛翔システム1000の高度が上昇又は下降をするので、適宜第1飛翔体1100及び第2飛翔体1200の高度を反転させて目標高度に対してジグザグの変更を行うことになる。
【0055】
各種センサ1191は、対気速度、湿度、加速度、日照などを検出するセンサであり、例えば、ピトー管などにより実現できる。
【0056】
主制御部1192(算出部及び通知部の一例)は、各種センサ1191の検出結果に基づいて風況を算出し、算出した風況が所定の条件を満たす場合、その旨を予備機に通知する。これにより、飛翔システム1000を予備機に交替することができる。
【0057】
図11は、第2実施形態の飛翔システム1000の第2飛翔体1200の機能構成の一例を示すブロック図である。図11に示すように、第2飛翔体1200の本体部1210は、蓄電部1270と、電力制御部1280と、操舵部1282と、推進駆動部1284と、位置検出部1286と、日時データ記憶部1288と、無線通信部1290と、各種センサ1291と、主制御部1292とを、備える。
【0058】
蓄電部1270は、太陽電池1214及び太陽電池フィルム150により生成された電力を蓄電するものであり、例えば、蓄電池により実現できる。
【0059】
電力制御部1280は、太陽電池1214及び太陽電池フィルム150により生成された電力を安定化させて、蓄電部1270に蓄電(充電)させる。また電力制御部1280は、安定化させた電力、又は蓄電部1270に蓄電されている電力を、操舵部1282、推進駆動部1284、位置検出部1286、日時データ記憶部1288、無線通信部1290、各種センサ1291、及び主制御部1292などに供給する。具体的には、電力制御部1280は、太陽が出ている日中においては、太陽電池1214及び太陽電池フィルム150により生成され、安定化させた電力を上述した各部に供給し、太陽が出ていない夜間においては、蓄電部1270に蓄電されている電力を上述した各部に供給する。
【0060】
推進駆動部1284(第2推進駆動部の一例)は、プロペラ1220の駆動源であり、例えばモータなどにより実現できる。推進駆動部1284は、主制御部1292の制御を受け、太陽電池1214や太陽電池フィルム150により生成された電力、又は蓄電部1270に蓄電されている電力を用いてプロペラ1220を駆動する。
【0061】
そして推進駆動部1284は、第1飛翔体1100により格納部140が駆動され、太陽電池フィルム150が進行方向後方に排出された場合に、プロペラ1220の駆動力を落として、第2飛翔体1200の速度を第1飛翔体1100の速度よりも遅くする。これにより、第2飛翔体1200は、太陽電池フィルム150を進行方向後方に引くことになり、太陽電池フィルム150に張力が与えられ、図7に示すように展開される。なお推進駆動部1284は、太陽電池フィルム150が展開された後は、プロペラ1220の駆動力を元に戻し、第2飛翔体1200の速度を第1飛翔体1100と同速度とする。
【0062】
位置検出部1286、無線通信部1290については、それぞれ第1実施形態の飛翔体100の位置検出部186、無線通信部190と同様であるため説明を省略する。また、各種センサ1291についても、第1飛翔体1100の各種センサ1191と同様であるため説明を省略する。
【0063】
日時データ記憶部1288は、現在の日時データを更新記憶するものである。
【0064】
操舵部1282(第2操舵部の一例)は、本体部1210の進行方向を制御するものであり、太陽電池フィルム150が展開された場合に、本体部1210の進行方向を制御して、図8に示すように、第2飛翔体1200の高度を第1飛翔体1100の高度よりも低くする。具体的には、操舵部1282は、位置検出部1286により検出された本体部1210の位置及び日時データ記憶部1288に記憶されている現在の日時データに基づく絶対太陽位置に応じて、第2飛翔体1200の高度を制御する。これにより、太陽の傾きに応じて太陽電池フィルム150の太陽光に対する垂直度を補正することができる。
【0065】
主制御部1292は、第2飛翔体1200の各部を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)などの既存の制御装置により実現できる。例えば、主制御部1292は、第1飛翔体1100から太陽電池フィルム150を進行方向後方に排出したことの通知を受け、推進駆動部1284及び操舵部1282を制御する。また主制御部1292は、位置検出部1286により検出された本体部1210の位置及び日時データ記憶部1288に記憶されている現在の日時データを用いて絶対太陽位置を算出する。
【0066】
なお、無線通信部1290において、放送波の送信出力は1チャンネルあたり5Wであり、送信機は、10チャンネル分備えている。送信機の消費電力は連続300W程度であり、無線通信部1290全体の消費電力は500W未満である。また、推進駆動部1284及びプロペラ1220の消費電力は最大30kWであり、平均して10kW程度の消費電力で第2飛翔体1200は飛行する。また、蓄電部1270は、出力容量が200kWhであり、プロペラ1220を10時間程度駆動できる。なお、蓄電部1270の質量は1トン程度である。また、日中において、気象状態により風速が一時的に強いときは太陽電池1214及び太陽電池フィルム150により生成された電力、並びに蓄電部1270に蓄電されている電力の出力を合算してプロペラ1220の駆動力を増して第2飛翔体1200を飛行させ、流されることを防止する。第1飛翔体1100についても同様である。
【0067】
次に、第2実施形態の飛翔システムの動作について説明する。
【0068】
なお、飛翔システム1000の飛行動作の基本的な流れは、図5のフローチャートで説明した第1実施形態の飛翔体100の飛行動作とほぼ同様であるため、相違点のみ説明する。
【0069】
第1実施形態の飛翔体100同様、第2実施形態の飛翔システム1000も対流圏を抜けるまでは他の飛行機(図示省略)に牽引されて上昇する。
【0070】
そして、図5のフローチャートのステップS100の制御を第1飛翔体1100及び第2飛翔体1200で行い、ステップS102〜S104の制御を第1飛翔体1100が行い、ステップS106の制御を第2飛翔体1200が行う。なお、ステップS104では、更に、第2飛翔体1200の推進駆動部1284が、プロペラ1220の駆動力を一時的に落として、第2飛翔体1200の速度を第1飛翔体1100の速度よりも一時的に遅くするとともに、第2飛翔体1200の操舵部1282が、本体部1210の進行方向を制御して、第2飛翔体1200の高度を第1飛翔体1100の高度よりも低くする。
【0071】
ここで、飛翔システム1000を滞在させる成層圏の所定高度を高度20kmとしている理由について説明する。まず、飛翔システム1000は、太陽電池又は蓄電池由来の電力でプロペラを駆動して飛行するものであるため、大気が薄くなると駆動力及び揚力を得られないという問題がある。
【0072】
このため、高度が高いほど見通し距離が伸びて電波発信に好ましい環境となるが、駆動力及び揚力の関係から、飛翔システム1000は、高度30km〜35km程度までの上昇が限界であり、高度40kmを超える領域では高度を維持できない。
【0073】
また、高度10km以下の対流圏では、激しい大気擾乱に遭遇する可能性が高く、大気擾乱に遭遇した場合、太陽電池フィルム150に強いストレスが働き、飛翔システム1000が破壊されてしまう可能性がある。更に、高度10km以下の対流圏では、雲が多く、電力不足による飛行不能になる可能性もある。また、高度12km以下は、旅客機など通常の飛行機が飛行する空域と重なり、飛翔システム1000を滞在させることができない。
【0074】
以上の観点から、飛翔システム1000を滞在させる高度としては、高度13km〜30km付近が適しており、第2実施形態では、高度20kmとしている。
【0075】
なお、飛翔システム1000を高度20kmに滞在させる場合、地上波テレビ送信局として、半径100km以上の領域をカバーでき、例えば、飛翔システム1000を東京都心上空20km付近に滞在させ、地上デジタルテレビ放送を行った場合、関東全県および静岡県西部、長野県、及び福島県西部までカバーすることができる。
【0076】
また、日本全国に展開する場合には、飛翔システム1000を10機程度飛行させることで離島も含め日本全土をカバーできる。これにより、全国で数百箇所以上のテレビ中継局を集約し、放送システムを低コスト化することができる。
【0077】
なお、第2実施形態の飛翔システム1000は、故障に備えて、図示せぬ予備システムと2セットペアで運用される。飛翔システム1000は定位置に配置され、予備機はその時点の風向により、風上側20km程度の位置で待機させる。飛翔システム1000に故障が生じたり、風に流されたり、墜落しそうな場合に、予備機にその旨を通知することで、予備機を定位置に移動させ、中継局としての運用を継続することができる。また、予備機との交換でも対応できない場合に備え、飛翔システム1000と同様の無線通信部を備えた通常のジェット推進の高高度飛行機を用意しておき、問題が生じた場合に、この飛行機を飛ばしてバックアップを行うようにしてもよい。
【0078】
図12は、第2実施形態の飛翔システム1000で行われる予備機との交替動作の一例を示すフローチャートである。
【0079】
まず、第1飛翔体1100の位置検出部186は、第1飛翔体1100の位置のセンシングを行う(ステップS200)。
【0080】
続いて、第1飛翔体1100の主制御部1192は、第1飛翔体1100の対地移動ベクトルVgを算出する(ステップS202)。
【0081】
続いて、第1飛翔体1100のピトー管などの各種センサ1191は、第1飛翔体1100周りの流速センシングを行う(ステップS204)。
【0082】
続いて、主制御部1192は、第1飛翔体1100の対気移動ベクトルVaを算出する(ステップS206)。
【0083】
続いて、主制御部1192は、Vw=Vg−Vaを算出する(ステップS208)。
【0084】
続いて、主制御部1192は、||Vg||、||Va||、||Vw||=||Vg||−||Va||を算出する(ステップS210)。
【0085】
続いて、主制御部1192は、Vw及び||Vw||を用いて、第1飛翔体1100周囲の風況(第1飛翔体1100周囲の風向及び風速情報)を導出する(ステップS212)。
【0086】
続いて、主制御部1192は、第1飛翔体1100周囲の風況のアップウインド方向に対する飛翔角度とPV発電量を算出する(ステップS214)。
【0087】
続いて、主制御部1192は、PV発電量、蓄電残量によるプロペラ運用推力情報を取得する(ステップS216)。
【0088】
続いて、主制御部1192は、プロペラ運用推力情報及びペイロード情報による第1飛翔体1100の運用可能対気速度Vpを算出する(ステップS218)。
【0089】
続いて、主制御部1192は、∫Vpdt−∫||Vw||dt > 0 for t1 to t2が成立すれば(ステップS220でYes)、第1飛翔体1100(飛翔システム1000)の飛行を継続し(ステップS222)、∫Vpdt−∫||Vw||dt > 0 for t1 to t2が成立しなければ(ステップS220でNo)、図示せぬ予備機に交替の連絡を行う(ステップS224)。
【0090】
以上のように第2実施形態の飛翔システム1000は、飛翔システム1000の飛行等に必要な電力を生成する太陽電池のうち、第1飛翔体1100の本体部1110に設けることが可能な分量の太陽電池114のみを主翼112に貼付するとともに、第2飛翔体1200の本体部1210に設けることが可能な分量の太陽電池1214のみを主翼1212に貼付する。そして、残りについては、太陽電池フィルム150を用いて第1飛翔体1100及び第2飛翔体1200で吊る。従って第2実施形態の飛翔システム1000によれば、外部から電力の供給を必要とせずに小型化することができる。
【0091】
(変形例)
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、第2実施形態の飛翔システム1000においては、第1飛翔体1100の制御内容や構成を第2飛翔体1200の制御内容や構成としてもよいし、第2飛翔体1200の制御内容や構成を第1飛翔体1100の制御内容や構成としてもよい。つまり、第1飛翔体1100及び第2飛翔体1200の制御内容や構成は適宜入れ替えることができる。
【符号の説明】
【0092】
100、1100 飛翔体(第1飛翔体)
110、1110 本体部
112 主翼
114 太陽電池
120 プロペラ
130 連結部
140 格納部
141 巻き芯
142 排出口
150 太陽電池フィルム
170 蓄電部
180 電力制御部
182、1182 操舵部
184 推進駆動部
186 位置検出部
188 格納駆動部
190 無線通信部
192、1192 主制御部
1191 各種センサ
1196 光検出部
1196A〜1196C 光検出センサ
1200 第2飛翔体
1210 本体部
1212 主翼
1214 太陽電池
1220 プロペラ
1230 連結部
1270 蓄電部
1280 電力制御部
1282 操舵部
1284 推進駆動部
1286 位置検出部
1288 日時データ記憶部
1290 無線通信部
1291 各種センサ
1292 主制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0093】
【特許文献1】特開2002−211496号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛翔体であって、
本体部と、
前記本体部を進行方向へ推進させる推進部と、
フィルム状の太陽電池である太陽電池フィルムと、
前記太陽電池フィルムをその一端を接続した状態で格納する格納部と、を備え、
前記本体部は、
前記格納部を駆動して、前記太陽電池フィルムの前記一端が前記格納部に接続された状態で、前記太陽電池フィルムを前記格納部から前記進行方向の後方に展開させる格納駆動部と、
前記太陽電池フィルムにより生成される電力を蓄電する蓄電部と、
前記太陽電池フィルムにより生成される電力又は前記蓄電部に蓄電されている電力を用いて前記推進部を駆動する推進駆動部と、
を備えることを特徴とする飛翔体。
【請求項2】
前記本体部は、
前記本体部の前記進行方向を制御する操舵部と、
前記本体部の位置を検出する位置検出部と、を更に備え、
前記格納駆動部は、検出された前記位置が成層圏の所定高度に達した場合に、前記格納部を駆動して、前記太陽電池フィルムを展開させることを特徴とする請求項1に記載の飛翔体。
【請求項3】
前記格納駆動部は、検出された前記位置が成層圏の所定高度を外れた場合に、前記格納部を駆動して、展開されている前記太陽電池フィルムを前記格納部に格納することを特徴とする請求項2に記載の飛翔体。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1つに記載の飛翔体である第1飛翔体と第2飛翔体とを備えた飛翔システムであって、
前記第2飛翔体は、
前記太陽電池フィルムの他端が接続された第2本体部と、
前記第2本体部を前記進行方向へ推進させる第2推進部と、を備え、
前記第2本体部は、
前記太陽電池フィルムにより生成される電力を蓄電する第2蓄電部と、
前記太陽電池フィルムにより生成される電力又は前記第2蓄電部に蓄電されている電力を用いて前記第2推進部を駆動する第2推進駆動部と、を備えることを特徴とする飛翔システム。
【請求項5】
前記第2推進駆動部は、前記格納部が駆動された場合に、前記第2推進部の駆動力を一時的に落として前記第2飛翔体の速度を前記第1飛翔体の速度よりも遅くすることにより、前記太陽電池フィルムを前記格納部から前記進行方向の後方に展開させることを特徴とする請求項4に記載の飛翔システム。
【請求項6】
前記第2本体部は、前記太陽電池フィルムが展開された場合に、前記第2本体部の前記進行方向を制御して、前記第2飛翔体の高度を前記第1飛翔体の高度よりも低くする第2操舵部を更に備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の飛翔システム。
【請求項7】
前記第2本体部は、
前記第2本体部の位置を検出する位置検出部と、
日時データを記憶する日時データ記憶部と、を更に備え、
前記第2操舵部は、前記太陽電池フィルムが展開された場合に、前記第2本体部の位置及び前記日時データに基づく絶対太陽位置に応じて、前記第2飛翔体の高度を制御することを特徴とする請求項6に記載の飛翔システム。
【請求項8】
前記本体部は、
太陽の位置を検出する光検出部を更に備え、
前記操舵部は、検出された前記太陽の位置に対して前記本体部が垂直に位置するように、前記本体部の傾きを制御することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1つに記載の飛翔システム。
【請求項9】
前記本体部は、
風況を算出する算出部と、
前記風況が所定の条件を満たす場合、その旨を通知する通知部と、
を更に備えることを特徴とする請求項4〜8のいずれか1つに記載の飛翔システム。
【請求項10】
飛翔体の飛行方法であって、
前記飛翔体は、
本体部と、
前記本体部を進行方向へ推進させる推進部と、
フィルム状の太陽電池である太陽電池フィルムと、
前記太陽電池フィルムをその一端を接続した状態で格納する格納部と、を備え、
格納駆動部が、前記格納部を駆動して、前記太陽電池フィルムの前記一端が前記格納部に接続された状態で、前記太陽電池フィルムを前記格納部から前記進行方向の後方に展開させる格納駆動ステップと、
蓄電部が、前記太陽電池フィルムにより生成される電力を蓄電する蓄電ステップと、
推進駆動部が、前記太陽電池フィルムにより生成される電力又は前記蓄電ステップにより蓄電された電力を用いて前記推進部を駆動する推進駆動ステップと、
を含むことを特徴とする飛行方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−25349(P2012−25349A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−168567(P2010−168567)
【出願日】平成22年7月27日(2010.7.27)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)