説明

飛行機搬送用のアウターケース

【課題】 飛行機搬送用のアウターケースによる梱包形態のサイズを従来の梱包形態よりも小さくできるアウターケースの梱包形態を提供する。特に、G7.5(第7.5世代)、G8(第8世代)の大型のフォトマスクの場合において、飛行機搬送の旅客便でも、搬送できるサイズのアウターケースによる梱包形態を提供する。
【解決手段】 底面内側に、搭載部と搬送用のフォークリフトのフォーク差し込み口部とを兼ね、且つ、取り外しができるパレットを備え、インナーケ−スを持ち上げるためのジャッキを備え、インナーケースを出し入れする側面扉を備え、上面側に、上部の側面全周を覆うようにして上面側全体を塞ぎ、上下に移動でき、且つ、上下移動により面扉の開閉可否を制御する上蓋部を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行機搬送における梱包用のケースに関し、特に、ディスプレイ装置の表示パネルの製造に用いられる、大型のフォトマスクを飛行機搬送するための、梱包用のアウターケースに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ディスプレイ装置の表示パネルとしては、液晶パネルやプラズマディスプレイパネルが広く用いられている。
液晶パネルは、例えば、IPS方式の液晶表示装置の場合、図9(a)に示すように、カラ−フィルタ基板100とTFT基板201との間に液晶270を挟んだ構造をしており、カラ−フィルタ基板100とTFT基板201とを、それぞれ別に、形成した後に、両基板間に液晶を挟み込むことにより作製されている。
カラ−フィルタ基板の作製は、通常、大型のガラス基板をベース基板として、該ベース基板に単位のカラーフィルタ基板を複数個、面付した状態で形成し、その後に、個片化しております。
ここでの単位のカラーフィルタ基板複数個分の各色の着色層のベース基板上への形成は、ベース基板上へ感光性着色層を塗膜した後、1220mm×1400mm×13mmサイズ(第8世代対応)等の大型のフォトマスクを用いて、近接露光(プロキシミティー露光とも言う)にて、複数個分を一括で露光して、現像する、フォトリソ法によりパターンニングする方式が採られております。
また、TFT基板の作製においても、上記のような大型のフォトマスクを用いてパターンニングされている。
【0003】
上記大型のフォトマスクは、通常、クロム系の遮光膜をQzのガラス基板の一面に形成した大型の遮光膜付き基板(ブランクスとも言う)を用いて、洗浄後、図8に示すような処理工程(S12〜S15)を経て形成されていた。
即ち、遮光膜上にレジストを塗布して(S12)、フォト描画装置(レーザ描画装置)にて、目的とする絵柄形状に合わせて選択的に露光描画した(S13)後、現像して(S14)、レジストの開口から露出している遮光膜をエッチングする(S15)ことにより、遮光膜の絵柄形成がなされ、更にレジスト除去、洗浄等の処理を経て形成されております。
尚、遮光膜としては、例えば、ガラス基板側からCr、CrxOyの2層膜が挙げられるが、これには限定されない。
【0004】
このような中、最近では、ディスプレイ装置の表示パネルの需要、特に液晶表示パネルの需要はめざましく、表示パネルの製造も世界的に広く行なわれるようになってきて、パネル製造に用いられる大型のフォトマスクの需要も広く世界的になってきてた。
これに伴い、日本国内の大型のフォトマスクのメーカーにおいては、各国から早かな大型のフォトマスクの供給が求められるようになってきており、飛行機搬送による大型のフォトマスクの搬送が行なわれるようになってきた。
大型のフォトマスクを搬送する場合には、フォトマスク品質を維持できるように、清浄度の高い容器(ケースとも言う)内に入れて立てた状態で搬送するのが一般的であるが、飛行機搬送する場合には、気温、湿度等の環境変化が大きいため、該環境変化に対応できるように、従来、図5に示すように、搬送用のフォークリフトのフォークの差込口であるフォーク差込口部53を底面側に設け、且つ、該フォーク差込口部53の上面側に固定したインナーケース搭載用の搭載部54を設けて、該搭載部54上にフォトマスクを入れたインナーケース本体61の下部を載せる梱包形態を採っていた。
この従来の梱包形態の場合、インナーケース本体61のアウターケース50からの出し入れは、図6に示すように、その一側面側において、側面扉(図示していない)を開けて、前記搭載部54の上部の所定の高さに合わせた、スロープ台55を用いて行なわれていた。
例えば、アウターケース50からの取り出し作業は、図6の状態から、油圧ジャッキ(図示していない)により、図7に示すように、インナーケース本体61の底部外側に固定された搬送用のキャスター(車輪とも言う)62の下部が、スロープ台55の上部位置になるようにして、搬送用のキャスター62にてインナーケース本体61をスロープ台55に載せて斜めの状態で取り出していた。
図5、図6において、上蓋部52は、アウターケース50の側面部51の上部の側面全周を覆うようにして上面側全体を塞ぎ、上下に移動でき、且つ、上側に移動した際には、前記一側面扉の開閉を可能とするものであり、前記側面扉を閉じて下側に移動した際には、前記側面扉の開閉ができないように、前記側面扉の外側上部を塞ぐものである。
尚、上記の図5〜図7は、インナーケース本体61、キャスター62搭載部54等が明示されるように正面から透視して見た概略透視図である。
一方、気温、湿度等の環境変化や清浄度維持を考慮する必要のない大型の板ガラス素材等は、種々の梱包方法により搬送されている。(特許文献1〜特許文献3参照)
【0005】
しかし、前記大型のフォトマスクのサイズは大きく、それを搬送するためのアウターケースのサイズも大きくなってしまい、G7.5(第7.5世代)、G8(第8世代)に対応するサイズの液晶パネル用基板の作製に用いられる大型のフォトマスクの場合、従来のアウターケースに梱包した梱包形態では、サイズが大きくなりすぎ、飛行機の貨物便では搬送できるが、飛行機の旅客便では、サイズ制限により搬送できないという問題があり、この対応が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】2000−272684号公報
【特許文献2】2000−203679号公報
【特許文献3】2007−153395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のように、最近では、特に液晶表示パネルの需要はめざましく、表示パネルの製造も世界的に広く行なわれるようになってきて、パネル製造に用いられる大型のフォトマスクの需要も広く世界的になってきて、これに伴い、日本国内の大型のフォトマスクのメーカーにおいては、各国から早かな大型のフォトマスクの供給が求められるようになってきており、飛行機搬送による大型のフォトマスクの搬送が行なわれるようになってきたが、G7.5(第7.5世代)、G8(第8世代)に対応するサイズの液晶パネル用基板の作製に用いられる大型のフォトマスクの場合、従来のアウターケースに梱包した梱包形態では、サイズが大きくなりすぎ、飛行機搬送の貨物便にて搬送できるが、飛行機搬送の旅客便では、サイズ制限により搬送できず、この対応が求められていた。
本発明は、これらに対応するもので、飛行機搬送用のアウターケースによる梱包形態のサイズを従来の梱包形態よりも小さくできるアウターケースの梱包形態を提供しようとするもので、特に、G7.5(第7.5世代)、G8(第8世代)に対応するサイズの液晶パネル用基板の作製に用いられる大型のフォトマスクの場合において、飛行機搬送の旅客便でも搬送できるサイズのアウターケースによる梱包形態を提供しようとするものです。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の飛行機搬送用のアウターケースは、底部外側に移動用のキャスターを取り付けた方形状のインナーケースを、該インナーケースのキャスター取り付け領域ではない前記底部の外側にて載せ、保持固定して梱包する形態を採り、且つ、一側面側において前記インナーケースを出し入れする方式の方形状の飛行機搬送用のアウターケースであって、底面内側に、前記インナーケースの底部を載せて保持固定するための搭載部と搬送用のフォークリフトのフォーク差し込み口部とを兼ね、該フォーク差し込み口部を前記一側面と直交する面側に配し、且つ、フォーク差し込み方向において取り外しができるパレットを備え、底面内側の前記パレットの領域および前記インナーケースを出し入れする際に前記キャスターの通る領域と重ならない位置に、前記インナーケ−スを支持して上下移動するためのジャッキを備え、前記一側面側に、前記インナーケースを出し入れする側面扉を備え、上面側に、上部の側面全周を覆うようにして上面側全体を塞ぎ、上下に移動でき、且つ、上側に移動した際には、前記側面扉の開閉を可能とし、前記側面扉を閉じて下側に移動した際には、前記側面扉の開閉ができないように、前記側面扉の外側上部を塞ぐ、上蓋部を備えていることを特徴とするものである。
そして、上記の飛行機搬送用のアウターケースであって、前記インナーケースは、内部に製品としての液晶パネルのカラーフィルタ基板形成用の大型のフォトマスクを立てた状態で収納して保持固定するものであることを特徴とするものである。
そしてまた、上記いずれかの飛行機搬送用のアウターケースであって、前記アウターケースは、前記パレットとこれを支持する部分にはステンレス材を用い、側面部や上蓋部の面部には、樹脂を主材とするものを用いていることを特徴とするものである。
【0009】
(作用)
本発明の飛行機搬送用のアウターケースは、このような構成にすることにより、飛行機搬送用のアウターケースによる梱包形態のサイズを従来の梱包形態よりも小さくできるアウターケースの梱包形態の提供を可能としている。
具体的には、底面内側に、前記インナーケースの底部を載せて保持固定するための搭載部と搬送用のフォークリフトのフォーク差し込み口部とを兼ね、該フォーク差し込み口部を前記一側面と直交する面側に配し、且つ、フォーク差し込み方向において取り外しができるパレットを備え、底面内側の前記パレットの領域および前記インナーケースを出し入れする際に前記キャスターの通る領域と重ならない位置に、前記インナーケ−スを支持して上下移動するためのジャッキを備え、前記一側面側に、前記インナーケースを出し入れする側面扉を備え、上面側に、上部の側面全周を覆うようにして上面側全体を塞ぎ、上下に移動でき、且つ、上側に移動した際には、前記側面扉の開閉を可能とし、前記側面扉を閉じて下側に移動した際には、前記側面扉の開閉ができないように、前記側面扉の外側上部を塞ぐ、上蓋部を備えていることにより、これを達成している。
特に、前記インナーケースとして、内部に製品としての液晶パネルのカラーフィルタ基板形成用の大型のフォトマスクを立てた状態で収納して保持固定する形態とすることにより、G7.5(第7.5世代)、G8(第8世代)に対応するサイズの液晶パネル用基板の作製に用いられる大型のフォトマスクの場合においても、飛行機搬送の旅客便で搬送できるサイズのアウターケースによる梱包形態の提供を可能としている。
飛行機搬送と梱包の強度面等から、上記のいずれかの飛行機搬送用アウターケースで、前記パレットとこれを支持する強度を必要とする部分にはステンレス材を用い、それほど強度を必要としない他の側面部や上蓋部の面部には、樹脂を主材とするものを用いる形態が挙げられる。
尚、通常は、飛行機搬送と強度面等から、前記インナーケースは、フレーム部にアルミ材を用い、他の部分には、樹脂を主材とするものを用いる。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、このように、飛行機搬送用のアウターケースによる梱包形態のサイズを従来の梱包形態よりも小さくできるアウターケースの梱包形態の提供を可能とし、特に、G7.5(第7.5世代)、G8(第8世代)に対応するサイズの液晶パネル用基板の作製にに用いられる大型のフォトマスクの場合においても、液晶パネルのカラーフィルタ基板形成用の大型のフォトマスクを立てた状態でインナーケースに収納して、飛行機搬送の旅客便でも、サイズ的に搬送できるアウターケースによる梱包形態の提供を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の飛行機搬送用のアウターケースの実施の形態の1例を示した正面概略透視図である。
【図2】図2(a)は図1に示す飛行機搬送用のアウターケースの取り扱い動作を概略的を示した概略図であり、図2(b)は、パレット部の取り出し動作を説明するための概略図である。
【図3】図3(a)、図3(b)は、それぞれ、図1に示す飛行機搬送用のアウターケースにおけるインナーケースの取り出し動作の一部を示した概略透視図である。
【図4】図4(c)、図4(d)は、それぞれ、図1に示す飛行機搬送用のアウターケースにおけるインナーケースの取り出し動作の一部を示した概略透視図である。
【図5】従来の飛行機搬送用のアウターケースの1例を示した正面概略透視図である。
【図6】図5に示す従来のアウターケースにおけるインナーケースの取り出し動作の一部を示した概略透視図である。
【図7】図5に示す従来のアウターケースにおけるインナーケースの取り出し動作の一部を示した概略透視図である。
【図8】液晶パネル用のカラーフィルター基板形成用の大型のフォトマスクを作製する製造工程を示したフロー図である。
【図9】図9(a)はIPS方式の液晶表示パネルを示した断面図で、図9(b)はカラ−フィルタ基板を示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
先ず、本発明の飛行機搬送用のアウターケースの実施形態の1例を、図1に基づいて説明する。
尚、図1は、インナーケース20が明示されるように正面から透視して見た概略透視図である。
本例の飛行機搬送用のアウターケース10は、底部外側に搬送用のキャスター22を取り付けた方形状のインナーケース20を、該インナーケース20のキャスター取り付け領域ではない前記底部の外側にて載せ、保持固定して梱包する形態を採り、且つ、一側面側において前記インナーケース20を出し入れする方式の方形状の飛行機搬送用のアウターケースで、前記インナーケース20は、内部に製品としての液晶パネルのカラーフィルタ基板作製用の大型のフォトマスクを立てた状態で収納して保持固定するものである。
本例においては、底面内側に、前記インナーケース20の底部21aを載せて保持固定するための搭載部と搬送用のフォークリフトのフォーク差し込み口部とを兼ね、該フォーク差し込み口部を前記一側面と直交する面側に配し、且つ、フォーク差し込み方向において取り外しができるパレット(ベース部とも言う)13を備えている。
また、底面内側の前記パレット13の領域および前記インナーケース20を出し入れする際に前記キャスター22の通る領域と重ならない位置に、前記インナーケ−ス20を持ち上げるためのジャッキ15(図2(b)等参照)を備えている。
そしてまた、前記一側面側に、前記インナーケースを出し入れする側面扉14(図3(a)等参照)を備え、上面側に、上部の側面全周を覆うようにして上面側全体を塞ぎ、上下に移動でき、且つ、上側に移動した際には、前記側面扉の開閉を可能とし、前記側面扉を閉じて下側に移動した際には、前記側面扉14の開閉ができないように、前記側面扉14の外側上部を塞ぐ、上蓋部12を備えている。
本例においては、飛行機搬送と梱包の強度面等から、パレット13とこれを支持する強度を必要とする部分にはステンレス材を用い、それほど強度を必要としない他の側面部11や上蓋部12の面部には、樹脂を主材とするものを用いている。
ここで、飛行機搬送と強度面等から、インナーケース20は、フレーム部にアルミ材を用い、他の部分には、樹脂を主材とするものを用いている。
パレット13上側には緩衝材13bを設けて、この上にインナーケース20の底部21aを載せる。
【0013】
本例の場合、従来の図5に示す、インナーケース本体61の底部61aを載せて保持固定するための搭載部54と、搬送用のフォークリフトのフォーク差し込み口部53とを、パレット13にて代用させ、且つ、パレット13を取り出し可能として、パレット13を取り出した状態で、インナーケース20の出し入れを行なう形態とすることにより、飛行機搬送用のアウターケースによる梱包形態のサイズを従来の梱包形態よりも小さくできるアウターケースの梱包形態の提供を可能としている。
本例においては、パレット13はネジ止め等によりアウターケース10の底面側に固定されており、取り出しは、アウターケース10の底面側に固定されたジャッキ15(図2、図3、図4参照)により、インナーケース20をパネルより高い状態に持ち上げた状態でネジ止め等の固定をはずして、搬送用のフォークリフトのフォーク差し込み方向に取り出す。
特に、G7.5(第7.5世代)、G8(第8世代)に対応するサイズの液晶パネル用基板の作製に用いられる大型のフォトマスクを製品としてインナーケースの内部に該大型のフォトマスクを立てた状態で収納して保持固定して搬送する場合、従来の図5に示すアウターケースの場合においては、高さH1 (図5参照)が1780mmとなったが、本例のアウターケースを用いると、高さH0(図1参照)を1550mmにすることができた。
尚、インナーケースの高さ(図1のh0 に相当)は1530mmであった。
このため、従来の図5に示すアウターケースの場合においては、旅客便にて搬送することが、その高さサイズ規定からできなかったが、本例の本例飛行機搬送用のアウターケースを用いた場合は、旅客便でも、その高さサイズから、液晶パネルのG8(第8世代)のカラーフィルタ基板形成用の大型のフォトマスクを製品としてインナーケースの内部に該大型のフォトマスクを立てた状態で収納して保持固定して飛行機搬送できるようになった。
【0014】
尚、本例においては、飛行機搬送と梱包の強度等から、インナーケースは、アルミを主材とし、パレットは、ステンレスを主材としている。
【0015】
本例の本例飛行機搬送用のアウターケース10からのインナーケース20の出し入れ方法を、図2に基づいて概念的に説明する。
図2(a)に示すように、パレット13をアウターケース本体10Aからはずした状態で、インナーケース20をアウターケース本体10Aの一側面側から出し入れを行なう。 インナーケース20をアウターケース本体10Aから取り出す場合、図2(b)に示すように、インナーケースの底部21aをアウターケースの底面内側に固定されたジャッキ15にてパレット13から浮かせた状態で、パレット13をアウターケース本体10Aからはずし、この後、インナーケース20の底部外側に取り付けたキャスター22の下部が底部に達するように(ここでは床面30Aとほぼ同じ位置)ジャッキを下げてから、キャスター22にてインナーケースを移動させて取り出す。
また、インナーケース20をアウターケース本体10Aに取り入れて梱包する場合には、上記取り出しの場合と逆の動作により行なう。
即ち、パレット13が取り外され、ジャッキ15が下げられた状態で、キャスター22にてインナーケース20を移動させてアウターケース本体10A内に取り入れ、ジャッキ15を上げてインナーケース20を所定位置まで上げてから、パレット13をアウターケース本体10Aに取り付け、ジャッキ15を下げて、パレット13にインナーケース20を搭載する。
このようにして、アウターケース10からのインナーケース20の出し入れを行なう。
【0016】
更に、図3〜図4に基づいて、アウターケース10からのインナーケース20の出し入れを、具体的に、説明しておく。
尚、図3、図4も、インナーケース20が明示されるように正面から透視して見た概略透視図である。
はじめに、図1に示す梱包状態の本例の本例飛行機搬送用のアウターケース10からインナーケース20を取り出す方法を説明する。
先ず、上蓋部12を上側に上げて、側面側の側面扉14を開いた状態とする。(図3(a)) 次いで、ジャッキ15にてインナーケース20の底部21aを上げて(図3(b))、パレット13をアウターケース本体から取りはずす。(図4(c))
この状態で、ジャッキ15にてインナーケース20の底部21aを下げて、インナーケース20の底部外側に取り付けたキャスター22の下部が底部に達するように(ここでは床面30Aとほぼ同じ位置)して、キャスター22にて矢印の方向にインナーケース20を移動させて取り出す。(図4(d))
このようにして取り出しが行なわれる。
次に、アウターケース10へインナーケース20を取り入れして梱包する方法を説明する。
取り入れ作業は、上記取り出し作業とは逆に行なう。
先ず、上記のようにして取り出し、アウターケース10の中にはインナーケース20がない状態から、図4(d)の矢印の反対方向に、インナーケース20をキャスター22にて移動してアウターケース20内に入れる。(図4(d)参照)
次いで、ジャッキ15にてインナーケース20の底部21aを上げて、あいたスペースにパレット13を差し込み取り付け、ジャッキ15にてインナーケース20の底部21aを下げてパレット13の上部の緩衝材13b上にインナーケースを載せる。(図3(a)参照)
次いで、側面扉14を閉じ、上蓋部12を下げて梱包を完了する。(図1参照)
このようにして、梱包が行なわれる。
【0017】
尚、インナーケース20は、通常、大型のフォトマスク1枚入りの内部の清浄度が良いケースで、フォトマスクを、立てた状態で、その端面および端部の両面にて保持固定して、収納する。
また、図では明示していないが、インナーケース20は、その外側を緩衝材にて挟むようにして固定して、アウターケース10内に梱包される。
【0018】
ここでは、液晶パネルのカラーフィルタ基板作製用の大型のフォトマスクを搬送する製品としておりますが、これに限定はされず、液晶パネルのTFT基板作製用の大型のフォトマスクも同様の形態で搬送することができる。
【符号の説明】
【0019】
10 アウターケース
10A アウターケース本体部
11 側面部
12 上蓋部
13 パレット
13a 差し込み口部
13b 緩衝材
15 ジャッキ
15a 支持台部
20 インナーケース
21 インナーケース本体部
21a 底部
22 キャスター(車輪とも言う)
30 床部
30A 床面
50 アウターケース
51 側面部
52 上蓋部
53 フォーク差し込み口部
54 搭載部
55 スロープ台
61 インナーケース本体部
61a 底部
62 キャスター(車輪とも言う)
70 床部
100 カラーフィルタ基板
110 透明基板
120 着色層
121 第1の着色層
122 第2の着色層
123 第3の着色層
124 樹脂ブラックマトリクス(第4の着色層とも言う)
130 オーバーコート層(保護層とも言う)
200 液晶表示パネル
201 TFT基板
210 透明基板
220 共通電極
230 画素電極
240 絶縁層
250 保護層
260、265 配向膜
270 液晶
280、285 偏光板
290 電界

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部外側に移動用のキャスターを取り付けた方形状のインナーケースを、該インナーケースのキャスター取り付け領域ではない前記底部の外側にて載せ、保持固定して梱包する形態を採り、且つ、一側面側において前記インナーケースを出し入れする方式の方形状の飛行機搬送用のアウターケースであって、底面内側に、前記インナーケースの底部を載せて保持固定するための搭載部と搬送用のフォークリフトのフォーク差し込み口部とを兼ね、該フォーク差し込み口部を前記一側面と直交する面側に配し、且つ、フォーク差し込み方向において取り外しができるパレットを備え、底面内側の前記パレットの領域および前記インナーケースを出し入れする際に前記キャスターの通る領域と重ならない位置に、前記インナーケ−スを支持して上下移動するためのジャッキを備え、前記一側面側に、前記インナーケースを出し入れする側面扉を備え、上面側に、上部の側面全周を覆うようにして上面側全体を塞ぎ、上下に移動でき、且つ、上側に移動した際には、前記側面扉の開閉を可能とし、前記側面扉を閉じて下側に移動した際には、前記側面扉の開閉ができないように、前記側面扉の外側上部を塞ぐ、上蓋部を備えていることを特徴とする飛行機搬送用のアウターケース。
【請求項2】
請求項1に記載の飛行機搬送用のアウターケースであって、前記インナーケースは、内部に製品としての液晶パネルのカラーフィルタ基板形成用の大型のフォトマスクを立てた状態で収納して保持固定するものであることを特徴とする飛行機搬送用のアウターケース。
【請求項3】
請求項1ないし2のいずれか1項に記載の飛行機搬送用のアウターケースであって、前記アウターケースは、前記パレットとこれを支持する部分にはステンレス材を用い、側面部や上蓋部の面部には、樹脂を主材とするものを用いていることを特徴とする飛行機搬送用のアウターケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−66841(P2012−66841A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−213029(P2010−213029)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】