説明

食い込み式管継手、冷凍装置及び温水装置

【課題】締結完了の検知を容易にするとともに、増し締めを可能とした締結完了管理を行うことのできる管継手及びこれを用いた冷凍装置及び温水装置を提供すること。
【解決手段】継手本体1と結合部材2とは、相互に連結するための螺合部を有する。継手本体1及び結合部材2のうちの何れか一方には、この螺合部を構成する雌ねじ14aを内周面に形成した雌ねじ筒部14が形成され、他方には、雄ねじ23aが外周に形成された軸部23が備えられている。また、軸部23における基部22の側面22aと雄ねじ23aの端部との間に、雄ねじ23aの谷径と同等又はそれより小径の環状溝24が形成されている。そして、継手本体1と結合部材2との締結により雄ねじ23aが雌ねじ筒部14に進入し、雄ねじ23aの端部が丁度見えなくなったときに、継手本体1と結合部材2との締結が完了するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手、並びに、これを応用した冷凍装置及び温水装置に関し、特に、締結完了の管理を容易にした管継手の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
内部に流体を流す流体管に対し用いられる管継手として各種構造のものが存在する。例えば冷凍装置の分野では、フレア式管継手や食い込み式管継手などが使用されている。これら管継手において締結完了を管理するために、回転トルクを正確に管理することが必要とされている。ところが、このような回転トルクを検知するには、簡易なトルクセンサに頼らざるを得ないため正確なトルク管理が困難であるとともに、その取り扱いが困難であった。また、これに代わる方法を可能にした食い込み式管継手として特許文献1に記載のものが知られている。
【0003】
この特許文献1に記載に記載された食い込み式管継手を図10に基づき説明する。
この食い込み式管継手は、接続すべき接続配管100の被接続側装置に取り付けられる継手本体101と、接続配管100に外装されて継手本体101に結合される結合部材102とを備えている。また、継手本体101と結合部材102との間に挟着されるフェルール103と、フェルール103の先端部を配管に食い込ませるようにガイドするカム面104とを備えている。この場合のフェルール103(スリーブ)は、継手本体101及び結合部材102から独立したものであって、本体部103aと分離部103bとから構成されている。また、継手本体101及び結合部材102には相互間を螺合して結合する螺合部が形成されている。
【0004】
継手本体101は、外周がナット形状に形成された基部105と、基部105の反結合部材側に形成された装置側配管106を接続するソケット部107と、基部105の中心部の結合部材102側に形成された軸部108とを備えている。そして、軸部108は、外周面に螺合部を構成する雄ねじ109が形成されている。また、継手本体101の中心部には、接続配管100を差し込む差込口110と装置側配管106を差し込む差込口111とが形成され、両差込口110、111間が連通路112により接続されている。また、この軸部108の先端、すなわち差込口110の入口側には、フェルール103の先端部を押接して、接続配管の表面部に食い込むようにガイドするカム面104が形成されている。
【0005】
一方結合部材102は、中心部の接続配管100を貫通させる貫通孔121が設けられた基部122と、基部122の継手本体101側に螺合部としての雌ねじ123が内周面に形成された雌ねじ筒部124が形成され、基部122の中心部継手本体側の側面には、フェルール103の後部を押圧するための押圧面125が形成されている。また、フェルール103がカム面104とこの押圧面125との間に挟着されるように取り付けられている。
【0006】
このように構成された食い込み式管継手においては、図10のような状態から結合部材102がさらに締結されることにより、本体部103aの先端部及び分離部103bの先端部が接続配管100の表面部に食い込む。そして、結合部材102の雌ねじ筒部124の側面124aと継手本体101の基部105の側面105aとの隙間Hが所定寸法となることにより、所定の締結トルク値になることが確認され、締結完了が検知されるように構成されている。
【特許文献1】特開2005−36947号公報、p7、図1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来の管継手には、隙間Hが所定寸法になったことを容易に知り得る手段が備え付けられていない。このため、隙間Hが所定寸法になったことを知るには、ゲージで隙間Hを計測することが必要とされていた。なお、ゲージで隙間Hを計測することの煩わしさを回避するために、隙間Hを計測することに代わり、結合部材102の累積回転角を計測する方法も試みられている。これは、結合部材102を何回転させたかを作業者が目視で確認し、これを記憶しておくことにより、結合部材102の累積回転角を計測するものであった。このため、締結途中で回転数の監視を忘れた場合や、記憶忘れした場合などが発生すると、締結完了の管理ができなくなるという問題があった。
【0008】
そこで、このような問題を発生させずに締結完了をより簡単に把握できるようにする方法として、具体的な構造を図示しないが、雌ねじ筒部124の側面124aが継手本体101の基部105の側面105aに当接したときに所定の回転トルクに達するように構成したものが考えられた。しかしながら、このように構成したものでは、雌ねじ筒部124の側面124aが基部105の側面105aに当接した状態において、何らかの原因によりなお締め込みが必要な場合に増し締めができないという問題があった。また、一端締結した後に接続配管の接続をやり直す場合、接続配管100の被接続側の装置に継手本体101を取り付けたままとし、結合部材102及び接続配管を新規なものに変更して、接続配管100の接続をやり直すことが考えられる。しかし、最初の利用により継手本体101のカム面104に僅かな傷が付けられていることがある。したがって、このような配管やり直しの場合には、結合部材102を最初の締結位置よりもさらに強く締め込む位置まで締結することが必要とされている。このため、雌ねじ筒部124の側面124aを基部105の側面105aに当接させる管理方式の場合は、継手本体101の再利用を可能とすることが困難であると考えられる。
【0009】
本発明は、このような背景に基づきなされたものであって、締結完了の検知を容易にするとともに、増し締めを可能とした締結完了管理を行うことのできる管継手及びこれを用いた冷凍装置及び温水装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る食い込み式管継手は、上記課題を解決するものであって、接続すべき接続配管の被接続側装置に取り付けられる継手本体と、接続すべき接続配管に外装されて継手本体に結合される結合部材とを具備し、継手本体と結合部材とは、相互に連結するための螺合部を有し、さらに、継手本体及び結合部材のうちの何れか一方は、この螺合部を構成する雌ねじが内周面に形成された雌ねじ筒部を有し、継手本体及び結合部材のうちの他方は、基部の側面から突出するように形成されるとともに、前記螺合部を構成する雄ねじが外周に形成された軸部と、軸部における基部の側面と雄ねじとの間に形成された、前記雄ねじの谷径と同等又はそれより小径の環状溝とを有し、前記継手本体と結合部材との締結により前記雄ねじが前記雌ねじ筒部に進入し、雄ねじの端部が丁度見えなくなったときに、前記継手本体と結合部材との締結が完了するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
このように構成すれば、雄ねじの端部と基部の側面との間に雄ねじの谷径と同等又はそれより小径の環状溝が形成されているので、雄ねじの端の確認を確実に行うことができる。また、結合部材の締結により、雄ねじの端部が見えなくなることを明瞭に把握することができる。したがって、締結作業が進み雄ねじが雌ねじ筒部内に進入して雄ねじの端部が丁度見えなくなったときに締結トルクが締結完了時の所定値に到達するように設計しておけば、作業者がこれを目視で確認することにより、トルクセンサーを用いることなく容易に締結完了管理を行うことができる。また、雄ねじの端部と基部の側面との間に、環状溝の軸方向長さ分の隙間が形成されるので、何らかの原因により増し締めが必要になったときに増し締めを行うことができる。また、継手本体の装置側への取付をそのままにして、接続配管の接続をやり直すときに、結合部材の締め付け位置をさらに前進させて行うことにより、漏れのない再接続を可能とすることができる。
【0012】
このよう管継手において、エッジ部を接続配管に食い込ませるフェルールと、フェルールの先端を接続配管の表面にガイドするカム面とを備える食い込み式管継手に形成され、前記継手本体は、基部の結合部材側に前記螺合部を構成する雌ねじが内周面に形成された雌ねじ筒部を有し、さらに、この雌ねじ筒部内における基部の結合部材側に軸部を有し、この軸部の中心部に、接続配管を差し込む差込口を有するとともにこの差込口の入口部にカム面を有し、前記結合部材は、基部の継手本体側に前記螺合部を構成する雄ねじが外周面に形成された軸部を有し、さらに、この軸部の継手本体側に、軸部から突出するように一体的に形成されたフェルールを有するとともに、このフェルールを覆うように軸部の外周部を継手本体側に延ばした保護筒部を有するものとしてもよい。このように構成されたフェルール一体型の食い込み式管継手によれば、フェルールが保護筒部により保護されるので、管継手の保管や管継手を用いた接続作業中にフェルールが傷つけられることが防止される。したがって、このようにフェルールのシール面が保護された状態で締結作業が行われるので、継手本体と結合部材との締結により雄ねじが雌ねじ筒部に進入して、雄ねじの端部が丁度見えなくなったときに継手本体と結合部材との締結が完了するように管理することが、より確実に行われる。
【0013】
また、上記と同様に、エッジ部を接続配管に食い込ませるフェルールと、フェルールの先端を接続配管の表面にガイドするカム面とを備える食い込み式管継手において、前記継手本体は、基部の結合部材側に前記螺合部を構成する雄ねじが外周面に形成された軸部を有し、さらに、この軸部の中心部に接続配管を差し込む差込口を有するとともに、この差込口の入口部にカム面を有し前記結合部材は、基部の継手本体側に前記螺合部を構成する雌ねじが内周面に形成された雌ねじ筒部を有し、さらに、この雌ねじ筒部内に、基部の側面から継手本体側に突出するように一体的に形成されたフェルールを有するものとしてもよい。このように構成されたフェルール一体型の食い込み式管継手によれば、フェルールが雌ねじ筒部により保護されるので、管継手の保管や管継手を用いた接続作業中にフェルールが傷つけられることが防止される。したがって、このようにフェルールのシール面が保護された状態で締結作業が行われるので、継手本体と結合部材との締結により雄ねじが雌ねじ筒部に進入して、雄ねじの端部が丁度見えなくなったときに継手本体と結合部材との締結が完了するように管理することが、より確実に行われる。
【0014】
また、先の管継手において、フレア式管継手に形成されたものであって、前記継手本体は、基部の結合部材側に前記螺合部を構成する雄ねじが外周面に形成された軸部と、この軸部の先端に形成されたフレア部突合せ面とを有し、前記結合部材は、基部の継手本体側に、前記螺合部を構成する雌ねじが内周面に形成された雌ねじ筒部と、この雌ねじ筒部内の基部の中心部に、接続配管のフレア部を押し付ける押付面とを有するものとしてもよい。このように構成すると、フレア式管継手にいても、締結作業が進み雄ねじが雌ねじ筒部内に進入して雄ねじの端部が丁度見えなくなったときに、締結完了とすることができる。
【0015】
前記環状溝は、軸方向長さが前記雄ねじの1/2〜1ピッチ相当であることが好ましい。締結後の増し締めや、接続のやり直しのために必要とする増し締め分の長さは、この程度の長さで足りることが実験的に確認されている。したがって、環状溝の軸方向長さをこの程度に形成することにより、コンパクトな管継手とすることができる。
【0016】
また、本実施の形態に係る食い込み式管継手を冷媒回路や給水回路に使用した冷凍装置を構成してもよい。また、本実施の形態に係る食い込み式管継手を給湯回路や給水回路に使用した温水装置を構成してもよい。これにより冷凍装置や温水装置における管接続作業における締結完了管理が容易化される。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る管継手によれば、締結作業の進行により、雄ねじが雌ねじ筒部内に進入され、雄ねじの端部が雌ねじ筒部内に隠れたときに締結完了とすることができる。したがって、締結完了管理が容易化され、作業性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の各実施の形態について図面に基づき説明する。なお、各実施の形態の図面において、共通する要素には同一の符号を付し、その説明を省略又は簡略化する。
(実施の形態1)
実施の形態1に係る管継手について、図1〜図6に基づいて説明する。
【0019】
実施の形態1に係る管継手は、冷凍装置、ヒートポンプ式温水装置などの冷媒回路、給水回路、給湯回路などに使用される食い込み式管継手であり、図1はこの食い込み式管継手の締結開始直後の状態における部分断面図であり、図2は接続配管の締結完了の状態図である。また、図3は継手本体の部分断面図であり、図4は結合部材の部分断面図であり、図5はフェルール周りの拡大図であり、図6はフェルール周りの配管接続工程図である。
【0020】
本食い込み式管継手は、これら図に示されるように、接続すべき接続配管pの被接続側装置に取り付けられる継手本体1と、接続配管pに外装されて継手本体1に結合される結合部材2と、結合部材2に一体に形成されたフェルール3とから形成されている。なお、以下の説明において前後の方向をいうときは、継手本体1側、例えば、図1における左側を前側とし、結合部材2側、すなわち、図1における右側を後側とする。なお、この点については、後述する各実施の形態においても同様とする。
【0021】
継手本体1は、図1〜図3に示すように、基部11の外周には、結合部材2を締結するときに締結工具で把持するためのナット面12が形成されている。継手本体1の基部11の反結合部材側には、閉鎖弁、容器、配管などの被接続機器への取付部13が形成されている。取付部13の外周には螺合により取付を可能とするように雄ねじが形成されている。また、継手本体1の基部11の結合部材側には、結合部材2を螺合する螺合部としての雌ねじ14aが内周面に形成された雌ねじ筒部14が形成されている。なお、この雌ねじ筒部14の外周には、前記基部11から連続してナット面12が形成されている。
【0022】
また、継手本体1は、雌ねじ筒部14内における基部11の結合部材側に、中心部に接続配管pの差込口15が形成され、この差込口15の入口部にカム面16が形成された軸部17を有している。なお、軸部17の外周と雌ねじ筒部14の内周面との間には、後述する結合部材2の保護筒部25が締結時に挿入されるためのスペースが確保されている。また、差込口15の前側には、小径の連絡孔18,19が形成され、連絡孔18との間にカウンターボア15aが形成されている。
【0023】
差込口15の入口部に形成されたカム面16は、前側において差込口15に連なり、後側(結合部材2側)に向けて径が大きくなる円錐状に形成されている。なお、管継手の軸心に対するカム面16の傾斜角度は、後述するフェルール3の先端部のテーパ面32より大きく形成されている。
【0024】
結合部材2は、図1、図2、図4及び図5に示すように、軸心に接続配管pを貫通させる貫通孔21を形成した基部22を有する。そして、基部22は、締結工具で把持可能とするように外周は六角ナット状に形成されている。また、この基部22の継手本体側には、継手本体1との螺合部を構成する雄ねじ23aが外周面に形成された軸部23が形成されている。また、雄ねじ23aの基部側端部と基部22の側面22aとの間には、環状溝24が径形成されている。この環状溝24の直径D1(図1又は図4参照)は、雄ねじ23aの谷径より小径に形成されているが、雄ねじ23aの谷径と同等としてもよい。また、環状溝24の軸方向の長さL1(図1又は図4参照)は、雄ねじ23aのねじピッチの1/2〜1倍相当に形成されている。そして、図2に示すように、なんらかの異常がない限りは、結合部材2の締結が進んで雄ねじ23aが雌ねじ筒部14内に進入し、雄ねじ23aの端が丁度見えなくなったときに、この食い込み式管継手の締結トルクが所定値となり、締結が完了するように構成されている。
【0025】
また、軸部23の中心部の継手本体側には、軸部23の端面から突出するように、フェルール3が一体的に形成されている。さらに、軸部23の外周部の継手本体側には、軸部23の外周部を継手本体側に延ばすように形成された保護筒部25が形成されている。この保護筒部25は、保管時や作業時においてフェルール3の外表面が傷つけられることからフェルール3を保護するものであって、フェルール3の外周を覆うようにフェルール3の先端より長く形成されている。また、保護筒部25の外周には、螺合構造の都合上、軸部23の外周部に形成された雄ねじ23aが延長して形成されている。
【0026】
フェルール3は、中心部に接続配管pを貫通させる貫通孔31が形成されている。貫通孔31の直径は、前述の差込口15及び基部22の軸心に設けられた貫通孔21と略同径である。このフェルール3は、図4及び図6から分かるように、環状であって、後端部において径方向に延びる薄肉部4を介し軸部23に連結されて、結合部材2と一体的に形成されている。
【0027】
フェルール3は、軸方向の断面で見ると、例えば図5に示すように、後部の外周面が中心軸に対し略平行に形成され、前部の肉厚が先端に向かうにつれ薄くなるように、前部の外周面がテーパ面32に形成されている。このテーパ面32の傾斜角度は、前述のようにカム面16の傾斜角度よりやや小さい角度に形成されている。また、フェルール3の後端面33は、内周側から径方向外方に窪む空間部34を介して基部22に形成された押圧面26と対峙するように形成されている。空間部34は、図5に示すようなものであって、空間部34の尖端部、つまり外周側部分は、略V字状に形成され、空間部34の内周側部分は、前後面が軸線に垂直な平面を成すように形成されている。また、より詳しく見ると、図5に示すように、尖端部分には僅かな直線部34aが形成されている。
【0028】
一方、フェルール3の後部の外周面と薄肉部4の前面側(すなわちフェルール3の先端側)とは、図5に図示されるように軸方向の断面で見て略直角に連結されている。また、この直角の角部は、フェルール3から薄肉部4に跨る後端面33からなる後部側の面と、フェルール3の円筒状外周面から薄肉部4の前面側の平面に至る前部側の面とからなる断面形状において、エッジ状の切込41をなす。また、この切込41により局部的に肉厚が薄くなる最薄肉部42が形成されている(図5参照)。このため、結合部材2に対し軸方向の力が作用すると、この最薄肉部42に応力集中が生起される。
【0029】
また、フェルール3の先端付近の内周面には第1ノッチ35が設けられ、フェルール3の後端側よりの内周面には第2ノッチ36が設けられている。第1ノッチ35は、この第1ノッチ35の先端側部分3aの変形を容易にするためのものである。第1ノッチ35は、軸心方向の断面形状が略直角三角形であって、後側の切込面が軸心と直角となるように形成されている。また、この第1ノッチ35は、結合部材2を手回しで締め付ける段階において、第1ノッチ35の先端側部分3aを接続配管pと差込口15との間に楔状に差し込んで接続配管pを仮止め可能としている。また、第1ノッチ35の後側の切込面と内周面との交差部がエッジ部3bをなし、このエッジ部3bがフェルール3における先端部の接続配管pへの食い込みを行うようになっている(図6(c)参照)。
【0030】
第2ノッチ36は、外周側の辺が短い台形であって略V字状であり、前述の空間部34の尖端部分と同一の形状に形成されている。つまり、空間部34は、この第2ノッチ36のV字状の両側を軸線に垂直な平面を成すように形成した形状である。また、尖端部が略V字状の第2ノッチ36が形成されていることにより、第2ノッチ36の外周側の辺(すなわち、尖端部分)とフェルール3の後部の外周面との間に薄肉の環状薄肉部37(図5参照)を形成している。このように第2ノッチ36が形成されて環状薄肉部37が形成されることにより、フェルール3の先端側のエッジ部3bが接続配管pに食い込むように変形するとともに、後端面33の内周側縁部を形成するエッジ部3cが接続配管pに食い込むように変形する。したがって、フェルール3全体が第2ノッチ36を中心にして変形している(図2及び図6(c)参照)。このように、先端部のエッジ部3bの食い込み以外に後端部のエッジ部3cを接続配管pに食い込むように変形させるのは、接続配管pを抜けないように保持するとともに、接続配管pを伝達する振動がエッジ部3bに伝達されることを抑止し、先端部おけるエッジ部3bの食い込みによるシール機能及び配管保持機能を高く維持するためである。
【0031】
次に、以上のように構成される本食い込み式管継手による配管接続方法について、図6に従い説明する。
継手本体1に対し接続配管pを接続するに先立ち、継手本体1は、取付部13により装置側機器に取り付けられている。そして、本食い込み式管継手による接続配管の接続は、結合部材2の貫通孔21に接続配管pを差し込み、結合部材2を接続配管pに外装する。次いで、接続配管pの先端部をフェルール3の貫通孔31を通して差込口15に挿入し、その先端をカウンターボア15aに当接させた状態として結合部材2を継手本体1に螺合する。そして、結合部材2を締結してフェルール3の先端側部分3aがカム面16に当接した状態が図1である。
【0032】
この状態からさらに結合部材2を手回しで締め付けていくと、フェルール3の先端側部分3aが接続配管pと差込口15との間に押し込まれ、接続配管pの仮止めが行われる。この状態が図6(a)である。
【0033】
そして、その後は、フェルール3の第1ノッチ35の後側の部分のテーパ面32がカム面16に当接するため大きな回転トルクを必要とする。したがって、この段階から後の工程では締結工具を使って結合部材2を継手本体1に締め付ける。この締め付けにより従来例の場合と同様に、フェルール3の先端部がカム面16に押し付けられた状態で結合部材2が締め付けられることにより、薄肉部4に軸方向前向きの力が作用する。このとき、フェルール3の外周面と薄肉部4の前面との交差部、すなわち切込41(図6(a)参照)を有する最薄肉部42に応力集中が発生し、この最薄肉部42において薄肉部4が切断され、後端面33の外周側端部が押圧面26に当接するようになる(図6(b)参照)。
【0034】
フェルール3は、上記のようにして結合部材2から分離されて、後端面33の外周側端部が押圧面26により押圧される。また、フェルール3は、その後は独立のフェルール3と同様に作用する。すなわち、フェルール3は、後端面33の外周側端部が押圧面26により押圧された状態であり、結合部材2がさらに締め付けられると、押圧面26の外周側が中心部が後方へ拡がる傾斜面に形成されているので、第2ノッチ36を中心として前後の部分が軸心側に曲がりやすくなる。したがって、フェルール3は、第2ノッチ36の前部においては、第2ノッチ36を中心にしてエッジ部3bが接続配管pに食い込むように傾斜し、第2ノッチ36の後部においては、第2ノッチ36を中心にして後端面33の内周側のエッジ部3cが接続配管pに食い込むように傾斜する(図6(c)参照)。
【0035】
さらに、フェルール3は、このように後部が第2ノッチ36を中心にして傾斜するように変形されてエッジ部3cが食い込む。そして、この食い込み量が適正値になると、第2ノッチ36を形成する前面と後面とが略全面で当接するように、第2ノッチ36の形状が設定されている。その形状は、前述のような形状であって、図5に拡大して示されるように空間部34の尖端部の形状と同一の略V字型であって、より詳しくは第2ノッチ36の尖端に短い直線部が形成されている台形である。これにより、本実施の形態1に係るフェルール3では、第2ノッチ36を形成する前面と後面とが略全面で当接した後は、第2ノッチ36を中心とする傾斜が規制され、エッジ部3cの過剰な食い込みが起こらないように設定されている。
【0036】
このようにして、フェルール3の先端部におけるエッジ部3bの食い込み及びフェルール3の後端部におけるエッジ部3cの食い込みが所定量に達すると、結合部材2の雄ねじ23aが継手本体1の雌ねじ筒部14内に対して所定量進入することになり、結合部材2を締め付けるための締結トルクが所定値に到達することになる。そして、このときに雄ねじ23aが丁度見えなくなるようになっているので、作業者がこれを目視で確認して、締結作業を終えるという本実施の形態に係る食い込み式管継手における締結完了管理を行うことができる。
【0037】
なお、配管接続後に機密テストを行い、何らかの原因により冷媒漏れが発見された場合は、図2に示すように、継手本体1の雌ねじ筒部14の端面14bと結合部材2の基部22の側面22aとの間に環状溝24の軸方向の長さL1に相当する隙間が形成されているので、結合部材2をさらに増し締めして冷媒の漏れを防止することができる。
【0038】
また、何らかの理由により接続配管pの接続をやり直すときであって、継手本体1のシール面を構成するカム面16に大きな傷がないときは、接続配管pと結合部材2とを新しい物に交換して接続配管を再接続することができる。なお、結合部材2は、フェルール3が変形しているので再利用は困難である。また、継手本体1についても、カム面16に大きな傷が付けられているときは再利用することができないが、目視で見て傷のあることが分からない程度の場合には、継手本体の取り外しを行わずにそのまま再利用することができる。ただし、目に見えない傷により漏れやすくなっていることが考えられる。この場合には、最初に予定されている締め付け位置まで結合部材を締め付けた状態では、なお締め付けが不十分となることが考えられる。しかし、このようなときも、前述の軸方向の長さL1に相当する隙間が設定されていることにより、この範囲内で当初の締付位置からさらに締め付けた位置に変更することができ、これにより冷媒漏れのない再接続を行うことが可能となる。
【0039】
実施の形態1に係る食い込み式管継手は、以上のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
(1)締結作業の進行により、結合部材2の雄ねじ23aが継手本体1の雌ねじ筒部14内に進入し、雄ねじ23aの端部が雌ねじ筒部14内に隠れたときに締結完了とすることができる。この場合において、雄ねじ23aの端部と基部22の側面22aとの間に雄ねじ23aの谷径より小径の環状溝24が形成されているので、雄ねじ23aの端が見えなくなることを確実に確認することができるとともに、雌ねじ筒部14内に丁度入るタイミングを容易に検知することができる。したがって、締結完了管理が容易化され、作業性が向上する。
【0040】
(2)また、雄ねじ23aの端部と基部22の側面22aとの間に、環状溝24の軸方向長さL1分の隙間が形成されているので、何らかの原因により増し締めが必要になったときに増し締めを行うことができる。また、継手本体1の装置側への取付をそのままにして、接続配管pの接続をやり直すときに、結合部材2の締め付け位置をさらに前進させて行うことにより、漏れのない再接続を可能とすることができる。
【0041】
(3)この実施の形態の食い込み式管継手によれば、フェルール3が保護筒部25により保護されているので、管継手の保管や管継手を用いた接続作業中にフェルール3が傷つけられることが防止される。したがって、このようにフェルール3のシール面が保護された状態で締結作業が行われるので、継手本体1と結合部材2との締結により雄ねじ23aが雌ねじ筒部14内に進入して、雄ねじ23aの端部が丁度見えなくなったときに継手本体1と結合部材2との締結が完了するように管理することが、より確実に行われる。
【0042】
(4)環状溝24の軸方向の長さL1は、締結後の増し締めや、接続のやり直しのために必要とする増し締めを可能とするように、実験的に確認された必要長さである雄ねじ23aの1/2〜1ピッチ相当とされているので、コンパクトな管継手とすることができる。
【0043】
(5)本実施の形態に係る食い込み式管継手を冷凍装置や温水装置の冷媒回路、給水回路、給湯回路などに使用することができ、このような冷凍装置や温水装置のコスト軽減に貢献することができる。
【0044】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2について図7及び図8に基づき説明する。
実施の形態1では、前記フェルールの外表面を保護するために、結合部材2に保護筒部25が形成されていたが、この実施の形態2においては、継手本体側に雄ねじを形成し、結合部材側に雌ねじ筒を形成することにより保護筒部を殊更形成しなくてもよいようにしたものである。なお、図7は、実施の形態2に係る食い込み式管継手の部分断面図であって、締結開始直後の状態を示す。図8は、同食い込み式管継手の部分断面図であって、締結完了の状態を示す。
【0045】
すなわち、この実施の形態2においては、継手本体1は、基部11の結合部材側に、実施の形態1における軸部17に対応する軸部51が形成され、この軸部51の外周面に結合部材2との螺合部を構成する雄ねじ51aが形成されている。また、実施の形態1のように、軸部51の中心部に差込口15が形成され、この差込口15の入口側にカム面16が形成されている。また、雄ねじ51aの基部11側の端部と基部11の側面11aとの間には、実施の形態1における環状溝24に相当する環状溝52が形成されている。この環状溝52の直径D2は、雄ねじ51aの谷径と同等又はそれより小径であればよく、ここでは雄ねじ51aの谷径と同等に形成されている。また、環状溝52の軸方向の長さL2は、雄ねじ51aのねじピッチの1/2〜1ピッチ相当に形成されている。この軸方向の長さL2は実施の形態1における軸方向の長さL1に相当するものである。
【0046】
一方、結合部材2は、基部22の継手本体側に軸部23を突出させ、この軸部23の継手本体側に、軸部23の外周部を継手本体側に延長した状態の雌ねじ筒部53が形成されている。そして、この雌ねじ筒部53は、内周面に継手本体1との螺合部を構成するものであって、前述の雄ねじ51aに螺合する雌ねじ53aが形成されるとともに、その先端がフェルール3の先端より先に延ばして形成されている。この雌ねじ筒部53は、実施の形態1における保護筒部25に代わり、フェルール3の外周面を保護するものである。
【0047】
そして、この実施の形態2に係る食い込み式管継手において結合部材2が締結されるにつれ、雄ねじ51aが雌ねじ筒部53の中に進入し、雄ねじ51aの端が雌ねじ筒部53内に入って丁度見えなくなったときに、締結トルクが所定値となり、締結が完了するように設定されている。
【0048】
したがって、この実施の形態2における食い込み式管継手も、実施の形態1の場合と同様に、雄ねじ51aの端部と基部11の側面11a(図7、図8参照)との間に雄ねじ51aの谷径と略同一径の環状溝52が形成されている。このため、雄ねじ51aの端が見えなくなることを確実に確認することができるとともに、雌ねじ筒部53内に丁度入るタイミングを容易に検知することができる。したがって、締結完了管理が容易化され、作業性が向上する。
【0049】
また、この実施の形態2に係る食い込み式管継手によれば、フェルール3が雌ねじ筒部53により保護されるので、管継手の保管や管継手を用いた接続作業中にフェルール3が傷つけられることが防止される。したがって、このようにフェルール3のシール面が保護された状態で締結作業が行われるので、継手本体1と結合部材2との締結により雄ねじ51aが雌ねじ筒部53内に進入して、雄ねじ51aの端部が丁度見えなくなったときに継手本体1と結合部材2との締結が完了するように管理することが、より確実に行われる。
【0050】
(実施の形態3)
次に実施の形態3について、図9に基づき説明する。実施の形態1及び2においては管継手の例として食い込み式管継手を示したが、この実施の形態ではフレア式管継手に本発明を適用した。なお、図9は、本実施の形態に係るフレア式管継手の部分断面図であって、締結完了の状態を示す。
【0051】
実施の形態3に係るフレア式管継手は、図9に示されるように、接続すべき接続配管pの被接続側装置に取り付けられる継手本体6と、接続配管pに外装されて継手本体6に結合される結合部材7とから構成されている。継手本体6は、基部61の外周には、結合部材7を締結するときに締結工具で把持するためのナット面62が形成されている。継手本体6の基部61の反結合部材側には、閉鎖弁、容器、配管などの被接続機器への取付部63が形成されている。取付部63の外周には螺合により取付を可能とするように雄ねじが形成されている。
【0052】
また、継手本体6の基部61の結合部材側には、軸部64が突出するように形成され、この軸部64の外周面に結合部材7を螺合する螺合部としての雄ねじ64aが形成されている。また、軸部64の中心部には、連通孔65,66が形成されるととともに、軸部64の先端部には、接続配管pのフレア部fを突き合わせるフレア部突合せ面67が形成されている。
【0053】
また、雄ねじ64aの端部と基部61の側面61aとの間には、実施の形態1における環状溝24に相当する環状溝68が形成されている。この環状溝68の直径D3は、雄ねじ51aの谷径と同等又はそれより小径であればよく、ここでは雄ねじ51aの谷径より小径に形成されている。また、環状溝68の軸方向の長さL3は、雄ねじ64aのねじピッチの1/2〜1ピッチ相当に形成されている。
【0054】
一方、結合部材7は、軸心に接続配管pを貫通させる貫通孔71を形成した基部72を有する。そして、基部72の継手本体側に、継手本体6と螺合する螺合部を構成する雌ねじ73aが内周面に形成された雌ねじ筒部73が形成されている。なお、この結合部材7は、全体として外形が袋ナット状に形成されている。また、この雌ねじ筒部73内の基部72の中心部には接続配管pのフレア部fを押し付ける押付面74が形成されている。
【0055】
そして、この実施の形態2に係る食い込み式管継手において結合部材2が締結されるにつれ、雄ねじ51aが雌ねじ筒部53の中に進入し、雄ねじ51aの端が丁度雌ねじ筒部53内に入って見えなくなったときに、締結トルクが所定値となり、締結が完了するように設定されている。
【0056】
以上のように構成された実施の形態3に係るフレア式管継手は、次のようにして接続される。
継手本体6に対し接続配管pを接続するに先立ち、継手本体6は、取付部63により装置側機器に取り付けられている。この状態で先ず接続配管pに結合部材7を外装する。接続配管pに結合部材7が外装された状態で接続配管pの先端にフレア部fを形成する。次いで、継手本体6の雄ねじ64aに対し結合部材7の雌ねじ73aを締結し、押付面74でフレア部fをフレア部突合せ面67に押し付ける。そして、締結が進行して雄ねじ64aが雌ねじ筒部73内に丁度隠れたときに、締結トルクが所定値に成るように設定されており、この状態で締結完了とされている。
【0057】
このように構成されているので、フレア式管継手においても、前述の食い込み式管継手の場合と同様に、雄ねじ64aが雌ねじ筒部73内に丁度隠れるタイミングを作業者が目視で確認することにより、この実施の形態に係るフレア式管継手の締結完了管理を行うことができる。
【0058】
また、このようにして配管接続後に機密テストを行い、何らかの原因により冷媒漏れが発見された場合には、図9に示すように、継手本体6の基部61の側面61aと雌ねじ筒部73の端面との間に、環状溝24の軸方向の長さL3に相当する隙間が形成されているので、結合部材2をさらに増し締めして冷媒の漏れを防止することができる。
【0059】
また、何らかの理由により接続配管pの接続をやり直すときであって、継手本体6のフレア部突合せ面67に大きな傷がないときは、接続配管pの先端のフレア部fを新たに形成するか、接続配管p自体を新しくしてフレア部fを新たに形成するかして、接続配管pを再接続することができる。なお、このときに、フレア部突合せ面67に目に見えない程度の傷により漏れやすくなっていることが考えられる。この場合には、最初に予定されている締め付け位置まで結合部材を締め付けた状態では、なお締め付けが不十分となることが考えられる。しかし、このようなときも、前述の軸方向の長さL3に相当する隙間が設定されていることにより、この範囲内で当初の締付位置からさらに締め付けた位置に変更することができ、これにより冷媒漏れのない再接続を行うことが可能となる。
【0060】
(変形例)
本発明に係る実施の形態を次のように変形することもできる。
(1)上記各実施の形態においては、フェルール3、75は結合部材2又は継手本体1に一体化されていたが、従来例のように独立のフェルールを採用することもできる。
【0061】
(2)また、フェルール3は、空間部34、第1ノッチ35及び第2ノッチ36を備えているが、空間部34と第2ノッチ36のみを備えたものでもよく、また、空間部34と第1ノッチ35のみを備えたものでもよい。さらには、第1ノッチ35及び第2ノッチ36を備えていないフェルールを採用することもできる。
【0062】
(3)前記各実施の形態においては、継手本体1にカム面16が形成され、結合部材2にフェルール3が一体的に形成されているが、継手本体1にフェルール3を一体的に形成し、結合部材2にカム面を形成するようにしたものとすることもできる。
【0063】
(4)また、上記各実施の形態においては、継手本体1において基部11の反結合部材側に装置側機器に継手本体1を取り付けるようにするための取付部13が形成されているが、これに代えて、従来例のように、基部11の反結合部材側に装置側配管を差し込む差込口を形成したソケット部を形成したものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明に係る管継手は、フレア式管継手や食い込み式管継手などの管継手として利用される。これら管継手の用途としては、空気調和機、ヒ−トポンプ式給湯装置などの冷凍装置における銅管を使用する冷媒配管の管継手、給水装置、給湯装置などの鋼管、ステンレス鋼管、プラスチック管などを使用する水配管における管継手、その他用途の配管における管継手などを掲げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の実施の形態1に係る食い込み式管継手の部分断面図であって、締結開始直後の状態を示す。
【図2】同食い込み式管継手の部分断面図であって、締結完了の状態を示す。
【図3】同食い込み式管継手における継手本体の部分断面図である。
【図4】同食い込み式管継手における結合部材の部分断面図である。
【図5】同食い込み式管継手におけるカム面周りの拡大断面図である。
【図6】同食い込み式管継手におけるフェルールの周りの配管接続工程図であって、(a)はフェルールの先端側端部により配管が仮止めされた状態図であり、(b)はフェルールが分離された後の状態図であり、(c)は締結完了の状態図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係る食い込み式管継手の部分断面図であって、締結開始直後の状態を示す。
【図8】同食い込み式管継手の部分断面図であって、締結完了の状態を示す。
【図9】本発明の実施の形態3に係るフレア式管継手の部分断面図であって、締結完了の状態を示す。
【図10】従来の食い込み式管継手の部分断面図であって、締結開始後にフェルールがカム面に当接した状態を示す。
【符号の説明】
【0066】
f…フレア部、p…接続配管、L1.L2,L3…環状溝の軸方向長さ、D1,D2,D3…環状溝の直径、1,6…継手本体、2,7…結合部材、3…フェルール、3b、3c…エッジ部、11,22,61,72…基部、11a,22a,61a…側面、14,53,73…雌ねじ筒部、14a,53a,73a…雌ねじ、15…差込口、16…カム面、17,23,51,64…軸部、23a,51a,64a…雄ねじ、24、52,68…環状溝、25…保護筒部、67…フレア部突合せ面、74…押付面。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続すべき接続配管の被接続側装置に取り付けられる継手本体と、接続すべき接続配管に外装されて継手本体に結合される結合部材とを具備し、
継手本体と結合部材とは、相互に連結するための螺合部を有し、
さらに、継手本体及び結合部材のうちの何れか一方は、この螺合部を構成する雌ねじが内周面に形成された雌ねじ筒部を有し、
継手本体及び結合部材のうちの他方は、基部の側面から突出するように形成されるとともに、前記螺合部を構成する雄ねじが外周に形成された軸部と、軸部における基部の側面と雄ねじとの間に形成された、前記雄ねじの谷径と同等又はそれより小径の環状溝とを有し、
前記継手本体と結合部材との締結により前記雄ねじが前記雌ねじ筒部に進入し、雄ねじの端部が丁度見えなくなったときに、前記継手本体と結合部材との締結が完了するように構成されている
ことを特徴とする管継手。
【請求項2】
エッジ部を接続配管に食い込ませるフェルールと、フェルールの先端を接続配管の表面にガイドするカム面とを備える食い込み式管継手に形成された請求項1記載の管継手であって、
前記継手本体は、基部の結合部材側に前記螺合部を構成する雌ねじが内周面に形成された雌ねじ筒部を有し、さらに、この雌ねじ筒部内における基部の結合部材側に軸部を有し、この軸部の中心部に、接続配管を差し込む差込口を有するとともにこの差込口の入口部にカム面を有し、
前記結合部材は、基部の継手本体側に前記螺合部を構成する雄ねじが外周面に形成された軸部を有し、さらに、この軸部の継手本体側に、軸部から突出するように一体的に形成されたフェルールを有するとともに、このフェルールを覆うように軸部の外周部を継手本体側に延ばした保護筒部を有する
ことを特徴とする管継手。
【請求項3】
エッジ部を接続配管に食い込ませるフェルールと、フェルールの先端を接続配管の表面にガイドするカム面とを備える食い込み式管継手に形成された請求項1記載の管継手であって、
前記継手本体は、基部の結合部材側に前記螺合部を構成する雄ねじが外周面に形成された軸部を有し、さらに、この軸部の中心部に接続配管を差し込む差込口を有するとともに、この差込口の入口部にカム面を有し
前記結合部材は、基部の継手本体側に前記螺合部を構成する雌ねじが内周面に形成された雌ねじ筒部を有し、さらに、この雌ねじ筒部内に、基部の側面から継手本体側に突出するように一体的に形成されたフェルールを有する
ことを特徴とする管継手。
【請求項4】
フレア式管継手に形成された請求項1記載の管継手であって、
前記継手本体は、基部の結合部材側に前記螺合部を構成する雄ねじが外周面に形成された軸部と、この軸部の先端に形成されたフレア部突合せ面とを有し、
前記結合部材は、基部の継手本体側に、前記螺合部を構成する雌ねじが内周面に形成された雌ねじ筒部と、この雌ねじ筒部内の基部の中心部に、接続配管のフレア部を押し付ける押付面とを有する
ことを特徴とする請求項1記載の管継手。
【請求項5】
前記環状溝は、軸方向長さが前記雄ねじの1/2〜1ピッチ相当であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項記載の式管継手。
【請求項6】
請求項1〜5の何れか1項に記載の食い込み式管継手を冷媒回路、給水回路、又は、冷媒回路と給水回路の双方に使用したことを特徴とする冷凍装置。
【請求項7】
請求項1〜5の何れか1項に記載の食い込み式管継手を給湯回路、給水回路、又は、給湯回路と給水回路の双方に使用したことを特徴とする温水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−286337(P2008−286337A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−133236(P2007−133236)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】