説明

食品包装用容器

【課題】従来にないインパクトのある食品包装用容器の表面部分を造形するとともに、消費者に効果的にその食品の調理例を提案することを可能とし、食品包装用容器をわざわざ裏返すことなく、消費者に献立の調理例を具体的に複数提供することができ、消費者の献立を考える時間及び買い物に要する時間を節約することができ、購買意欲が喚起され、更に家庭ではその調理方法を見ながら効率的に調理することができる便利な食品包装用容器を提供する。
【解決手段】食品7を包装する食品包装用容器2において、表面に、その食品7を使用した調理例が表示された調理例表示部10を複数設けるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を包装する食品包装用容器に関し、特にソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を包装するのに適した食品包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を包装する食品包装用容器は、食品を凹部内に収納する収納部と、これを封止する蓋体とからなる。蓋体には、内部の食品を表示するための文字や模様、或いは内容物の製造又は販売会社名を表示する表示部が配されており、このような表示部以外の部分は透明で内容物が視覚で認識できるようになっている。この他、食品包装用容器の蓋体に、上記の表示部以外に、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を使用した調理イメージの写真をカラー印刷したものや、「サラダに!」、「ざく切りで!」等の文字情報として調理例(レシピ、メニュー)を示したものがある。また、これら蓋体は、収納部から剥がされた後にそのまま捨てられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2001−19074号公報
実用新案登録第3043781号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、かかる食品包装用容器では、上面に内容物を表示するための文字や模様、或いは内容物の製造者や販売者を表示する表示部のみがあるだけであり、消費者がソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等を使用した献立を考える場合には料理の本を見たり、又は自分で考えたりする必要があり、調理開始するまでに時間を要する。
【0005】
核家族化の進む現代社会においては、親から子への調理法の承継も進んでおらず、若年層においては、どのような調理方法によってどのような料理を作ってよいのか自体理解が進んでいない場合もあり、レパートリー及び食材の調理方法自体の知識の減少が進んでいる現状がある。
【0006】
また、予め献立を考えていない場合には、店頭において食品を見ながら献立を考えるため、購入する食品を選択するのに非常に時間がかかるという問題がある。特に、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品は、単品では献立となり難いので、他の食品と組み合わせる必要があり、組み合わせる他の食品を選択するのに時間がかかるという問題がある。さらには、これら食品があくまで素材であり、他の関連食品とともに調理することに着目し、この関連食品をも共に販売したいのが実情であるが、その結び付けを行う有効策が見出されていないのが現状である。
【0007】
たとえ、上記のように、調理イメージの写真や、調理例(レシピ、メニュー)を示す文字を印刷したものであっても、具体的な調理方法までは記載されていないので、消費者が具体的な調理方法を考えなければならず、調理開始までに時間がかかり、また、その食品と組み合わせる他の食品を選択するのに時間がかかるため、購買意欲が喚起されないという問題がある。
【0008】
また、近年のキャラクター弁当のブームに代表されるように、子供に持たせる弁当に工夫を凝らす消費者が増えてきており、ソーセージ等をかわいらしく飾り切る方法等を容易に入手できることが求められている。
【0009】
また、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を利用したメニューの提案を消費者に対して行うべく、店頭にPOP広告を置くことや、レシピカード、レシピ冊子を置き、自由に持ち帰ってもらうことによりメニュー提案を行うことが行われている。しかしながら、POP広告については、店頭でのイメージが食品の使用時にはすでに記憶から抜け落ちており、そのイメージを再現することができず、レシピカード及びレシピ冊子については、コストをかけて制作するものの、消費者がなかなか持ち帰らないばかりか、持ち帰った場合でも、配布者が意図した商品と結び付けて使用されることが少ないのが現状である。
【0010】
また、消費者とともに新規メニューを提案するべく、レシピコンテスト等を行うことがあるが、その結果を、店頭のPOP広告や、レシピカード及びレシピ冊子に反映させた場合であっても、上記の事情から、やはり食品の使用時にはなかなか再現されないのが現状である。
【0011】
さらに、メニュー、レシピを収納部の外側となる食品包装用容器の裏面に配する製品が存在するが、食品使用時には、裏面に配されていることから、その存在に気付かれることなく、食品が使用されてしまったり、製品の裏面に原材料等が記載されることから、そのスペースの関係上、メニュー、レシピの記載が相対的に小型化せざるを得ず、消費者にとって見づらいものとなることがあるばかりか、原材料名等の記載までもが見づらくなってしまう可能性があった。
【0012】
本発明は、その食品を使用する調理例(メニュー、レシピ)を食品包装用容器の表面に複数印刷することにより、従来にないインパクトのあるの表面部分を造形するとともに、消費者に効果的にその食品の調理例を提案することを可能とするものであって、食品包装用容器をわざわざ裏返すことなく、消費者に献立の調理例を具体的に複数提供することができるので、消費者の献立を考える時間及び買い物に要する時間を節約することができ、購買意欲が喚起され、更に家庭ではその調理方法を見ながら効率的に調理することができる便利な食品包装用容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的達成のため、本発明の食品包装用容器は、表面に、その食品を使用した調理例が表示された調理例表示部を複数設けるようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明の食品包装用容器は、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を凹部内に収納する収納部と、これを封止する蓋体とからなる食品包装用容器において、蓋体に、その食品を使用した調理例が表示された調理例表示部を複数設けるようにしたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の食品包装用容器は、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を包装する袋状の食品包装用容器において、蓋体に、その食品を使用した調理例が表示された調理例表示部を複数設けるようにしたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明の食品包装用容器は、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を包装する複数の食品包装用容器を、ラベルの貼付により連結した食品包装用容器において、前記ラベルに、その食品を使用した調理例が表示された調理例表示部を複数設けるようにしたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明の前記調理例表示部は、前記食品を使用した調理例が写真及び/又は図により表示された調理例画示部及び当該調理例画示部を文章で説明する調理例説明部から構成されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明の前記調理例表示部は、前記食品を使用した調理例として、当該食品を利用したメニュー、当該食品を利用したレシピ、及び/又は当該食品の加工方法が表示されていることを特徴とする。
【0019】
また、本発明の前記調理例表示部は、近傍にナンバリング表示が配されることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の前記調理例表示部は、当該調理例表示部に関連するサイトへの移動を可能とする2次元コードを近傍に備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によると、食品包装用容器に収納された食品の調理例が製品の表面に具体的に複数記載されているため、消費者がすぐにその調理例(メニュー、レシピ及び加工方法)を実践可能であるばかりか調理例を製品の表面において大きく占めるように複数記載可能となることから、従来にないインパクトのある製品の表面部分を造形するとともに、消費者に効果的にその食品の調理例を提案することを可能とすることができる。
【0022】
また、消費者がその食品を利用した献立を考えるにあたって、殊更、料理の本によりその調理法を確認する必要がないばかりか、製品の表面に調理例が複数記載されていることにより、調理法を考える必要(手間)がないため、消費者の購買意欲を喚起することができ、さらには、消費者のレパートリーを広げるとともに、若年層における調理法のレパートリーの減少にも有効である。また、調理例を複数有効に提案可能であることから、消費者、特には若年層の料理への興味を抱かせることが可能である。
【0023】
また、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等といった単品では献立となり難い食品であっても、食品包装用容器に収納された食品を他の食品と組み合わせた調理例が製品の表面に具体的に複数記載されているため、他の食品と組み合わせた調理例を消費者に容易かつ効率的に提案可能であるとともに、他の食品の販売促進につなげ、売り上げの向上を図ることも可能である。
【0024】
また、近年のキャラクター弁当のブームに代表されるように、子供に持たせる弁当に工夫を凝らす消費者が増えてきているが、本発明によれば、食品包装用容器に収納された食品の調理例として、その食品の加工方法を製品の表面に具体的に手順に沿って複数記載可能であるため、ソーセージ等をかわいらしく飾り切る方法等の食品加工方法を容易に消費者に提供可能であるとともに、消費者が料理の本等によって加工方法を調べる必要(手間)を省かせることが可能となる。
【0025】
また、調理例の提案を消費者に対して行うべく店頭に置かれるPOP広告や、レシピカード、レシピ冊子については、食品の使用時にはそのイメージが記憶から抜け落ちている、レシピカード等については持ち帰ってもらえない等といった問題点が指摘される。しかしながら、本発明によれば、製品の表面に調理例が複数記載されていることにより、製品の購入により必ず、その調理例が消費者に持ち帰られ、冷蔵庫等の保管場所に到達するばかりか、実際にその食品を使用する場合に、その食品と共に調理例が存在していることとなり、食品と調理例とを結びつけて活用しやすい。
【0026】
また、献立に困った場合でも、容易に製品の表面に複数記載された調理例を選択及び採用することにより、容易にその調理例を実践可能である。また、製品自体の表面に複数調理例を記載したことから、前記POP広告、レシピカード及びレシピ冊子と異なり、余計なコストがかかるものではなく、コストをかけることなくその効果を発揮可能である。
【0027】
また、消費者とともに新規調理例を提案するべく、レシピコンテスト等を行った場合でも、コンテストによって得られた調理例を容易に製品自体の表面に複数記載することが可能であるため、消費者に対してより確実にコンテストの結果を報告及び還元可能となるばかりか、そのコンテスト結果に係る調理例を消費者も容易に再現可能となる。
【0028】
その食品を使用する調理例を製品表面に複数記載することにより、消費者が食品包装用容器をわざわざ裏返さずに、消費者に複数の調理例を提案することができるので、店頭での買い物時には消費者に対する宣伝効果が大きく、購買意欲を喚起することができ、さらに調理時には裏返さずに調理することができる。
【0029】
また、製品の表面に記載することから、製品裏側の原材料等の記載の存在によるスペースの制限を受けることがなく、調理例を製品の表面において大きく占めるように複数記載可能となり、従来にないインパクトのある製品の表面部分を造形するとともに、消費者に効果的にその食品の調理例を提案することを可能とするものであり、裏面の原材料等の表示自体も、大型に表示可能である。
【0030】
また、製品の表面(蓋体等)を、製品から剥がし(カットし)、洗浄後、そのままファイリング又は冷蔵庫等への貼付等が可能である。そのため、消費者が内容の異なる本発明の蓋体等を収集して保存可能であるばかりか、製品表面の「○○○編」、「第○弾」といたナンバリング表示から、連続性を担保しつつ収集が可能であり、当該ナンバリング表示を頼りに、製造者、販売者のホームページにより過去の調理例等を検索することも可能である。
【0031】
また、製品の表面に2次元コードを記載することにより、調理にあたって、容易にその調理例の周辺情報、関連調理例等を確認することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】第1実施形態に係る本発明の食品包装用容器を示す斜視図である。
【図2】図1の蓋体の正面図である。
【図3】図1の食品包装用容器の製造方法の一例を示す概略図である。
【図4】第2実施形態に係る本発明の食品包装用容器の蓋体を示す正面図である。
【図5】第3実施形態に係る本発明の食品包装用容器(食品包装用袋)を示す斜視図である。
【図6】第4実施形態に係る本発明の食品包装用容器を示す正面図である。
【図7】第5実施形態に係る本発明の食品包装用容器の蓋体を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[第1実施形態]
以下、本発明による食品包装用容器の第1実施形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の食品包装用容器を示す斜視図である。図2は図1の蓋体の正面図である。
【0034】
[第1実施形態の構成]
本実施の形態の食品包装用容器2は、図1に示すように、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品7を凹部内に収納する収納部8と、これを封止する平坦な蓋体3とからなる。尚、本発明において、食品包装用容器2に食品7を収納した状態のものを製品1と称する。
【0035】
収納部8は、ほぼ台形状の深絞り構造となっており、その側面及び底面は透明又は不透明となっている。蓋体3は、透明なフィルムからなり、収納部8の上面側の周縁の溶着面6において内部が密閉されるように周囲が接着されている。収納部8と蓋体3との接着部分の四隅のうち何れか一隅又は二隅の角部分は開口用端部6aとなり、接着されずに単に重ねられているのみであり、この開口用端部から蓋体3を剥がして内部の食品7を取り出すようにする。なお、本実施の形態では、収納部8は台形状としているが、これに限定されるものではなく、円筒状、多角柱状等、食品7を収納できる構造であれば良い。
【0036】
蓋体3の表面に、図2に示すように、内部の食品を表示するための文字や模様、或いは内容物の製造又は販売会社名が印刷又はそれらが印刷された印刷フィルムが貼着される。
本発明は、蓋体3の表面に、上記文字や、模様のみならず、その食品を使用した調理例表示部10を蓋体の表面を大きく占めるように複数設けた点を特徴とするものであり、調理例表示部10を複数設けることにより、従来にないインパクトのある製品1の表面部分を造形するとともに、消費者に効果的にその食品7の調理例を提案することを可能とするものである。
【0037】
調理例表示部10は、その食品を使用した調理例が写真又は図により表示された調理例画示部10a、及びその調理例画示部10aを文章で説明する調理例説明部10bから構成されている。ここで、「表面」とは、店頭等において、消費者に直接目に触れる面をいう。
【0038】
また、ここで、調理例とは、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を利用したメニュー、レシピ、加工方法等を意味し、その何れでもよければ、またその組み合わせでもよい。本第1の実施形態に係る図2においては、複数の調理例表示部10としてその食品7を利用したメニューが2行2列の計4つが記載されているものであって、調理例画示部10aには、食品7たるソーセージを利用したメニュー例が写真又は図で記載されている。また、各調理例画示部10aの下方には、当該調理例画示部10aの内容や、レシピを文章で説明する調理例説明部bが表示されている(図2中、調理例説明部10bの文章は棒線で表示)。
【0039】
例えば、右上の調理例表示部10(B欄)においては、調理例画示部10aにミニアメリカンドックの写真又は図が記載されているとともに、その下方の調理例説明部10bにおいては、「a.ホットケーキミックス、卵、牛乳をよく混ぜます。b.160〜170℃の油で、ソーセージにbをつけて揚げます。c.bにカラーピックをさします。」と記載される(図2中、○で表示)。
【0040】
この調理例表示部10が、蓋体3の表面を大きくしめるように複数設けられることにより、従来にないインパクトのある製品1の表面部分を造形するとともに、消費者に効果的にその食品7の調理例を提案することを可能とするものである。
【0041】
また、調理例表示部10は、蓋体3の表面において、その存在を際立たせるべく、4つ記載された調理例表示部10が枠部12によって他の部分と区画されており、枠部の上部には、枠部の一部が情報に隆起したタブ14が形成されており、タブ14内は、製品1(食品7)の名称が記載される食品名記載部9となり、第1の実施形態においては、例えば「皮なしソーセージ」と記載される(図2中、○で表示)。
【0042】
また、枠部12の枠外においては、製造者、賞味期限、内容量等が記載される他情報表示部11となっている。また、枠部12の上方であって、タブ14の左側においては、調理例表示部10がメニューや、レシピ、食品7の加工方法の何れを表示しているかを明確にするべく、「メニュー編」、「レシピ編」、「作り方編」等と記載される編表示部11aが配されている。本第1の実施形態においては、調理例表示部10がメニューの提案に係るものであるから、図2中の編表示部11aの「○○○編」は、「メニュー編」となる。
【0043】
また、編表示部11aの下方には、版表示部11bが配されるものであって、図2中の版表示部11bの「第○弾」は、例えば「第5弾」等と記載される。当該版表示部11bの存在により、連続性が担保されることによって、消費者の購買意欲が刺激されるものであるとともに、蓋体3を収納部8から剥がして保管しておく場合の通し番号として機能する。さらには、編表示部11aの「○○○編」及び版表示部11bの「第○弾」はナンバリング表示として機能し、インターネットを利用して、製造者、販売者のホームページにアクセスして、提案メニューの詳しいレシピや、関連メニューを調べる場合の指標ともなるものである。
【0044】
また、枠部12の左側端部近傍の箇所には、バインダー等に保管する場合に留め具を通した穿孔部を模した図柄が記載されており、穿孔誘導部15として機能するものである。当該穿孔誘導部15の図柄により、消費者の蓋体3に記載された調理例を収集、保管しておきたいという意欲を引き出すとともに、実際に収集する場合に、留め具を挿通するための穿孔位置の目安とすることも可能である。
【0045】
尚、調理例表示部10等の種々の印刷部分以外の部分を透明として製品1の内部の食品7が視覚により認識可能とすることもでき、また、調理例画示部10aの少なくとも1つに何らの写真又は図を記載せずに、透明で内部の食品7がそのまま認識可能とすることとして、内部の確認を容易にすることも可能である。
【0046】
[製造工程]
本発明の食品包装用容器の製造方法の一例について、図3を用いて説明する。図3は、図1の食品包装用容器の製造方法の一例を示す概略図である。
【0047】
先ず、包装用フィルムは上下2巻を必要とし、収納部側のフィルム(下側フィルム21)には例えば、ポリエチレンテレフタレート(俗称:PET)、ポリプロピレンといった成形型性の良いフィルムが好適である。蓋体側のフィルム(上側フィルム22)は成型をしないのでバリアー性の良いものであればよく、予め、上側フィルム22の表面に、前記調理例表示部10を始めとする種々の写真、模様、文字が印刷され、又はそれらが印刷された印刷フィルムが貼着されている。
【0048】
次に、下側フィルム21が間欠的に所定のピッチ宛(製品寸法)完結的に前進するようにし、間欠動作の動作停止中に各部において包装作業が行われる。成形部23においては、所定の形状の凹部が形成されて収納部8が構成される。本第1の実施形態においては、台形状の凹部が形成されて収納部8となる。その後、収納部8の内部に食品7が人手又は自動で充填される。
【0049】
その後、真空チャンバー部25に入る直前において蓋体3となる上側フィルム22は、下側フィルム21によって形成された収納部8を被覆し、一体となった状態で真空チャンバー部25へと向かう。当該真空チャンバー部25においては、上下のボックスにより密閉されて収納部8の内部が真空脱気又はガス置換された後に収納部8の上面側の周縁の溶着面6において内部が密閉されるようにヒートシールされる。
【0050】
真空又はガス置換シールが行われた後、横カッター部26によって、シールされた蓋体3及び収納部8が、隣り合う蓋体3及び収納部8と横方向に切断される。さらに、縦カッター部27によって、シールされた蓋体3及び収納部8が、隣り合う蓋体3及び収納部8と縦方向に切断され、各々の製品1が完成する。
【0051】
尚、本実施の形態では、ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品7を包装する食品包装用容器について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、肉、野菜、豆腐、蒟蒻等のあらゆる食品を包装する袋、箱体等あらゆる形状の食品包装用容器に適用することができる。
【0052】
従って、収納される食品7の種類が制限されるものではないばかりか、本発明による食品包装用容器は深絞り包装に係る容器のみならず、スキン包装、縦ピロー包装、横ピロー包装、三方シールバッグ包装、四方シールバッグ包装及びオーバーラップ包装等あらゆる包容形態に適用可能なのは言うまでもない。以下に、調理例表示部10の内容及び包装形態等に関する他の実施形態を説明する。
【0053】
[第2実施形態]
以下に、第2実施形態の食品包装用容器について図4を用いて説明する。図4は、第2実施形態に係る本発明の食品包装用容器の蓋体を示す正面図である。この第2実施形態において、第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0054】
第2実施形態の食品包装用容器は、図1に係る製品1と同様の構成を有するものであるが、図4に示すように、蓋体3に係る調理例表示部10における記載内容が異なるものである。
【0055】
即ち、蓋体3においては、蓋体3の表面に記載された複数の調理例表示部10が順を追って調理方法を示すレシピとなっており、図4においては複数の調理例表示部10として2行3列の計6つが記載されている。調理例画示部10aが調理方法のイメージを図で具体的に示しており、各々の調理例画示部10aの上方に記載された対応する調理例説明部10bが対応する調理例画示部10aの内容を文章で説明している(図4中、調理例説明部10bの文章は棒線で表示)。また、枠部12内左上の符号10a1で示す調理例画示部においては、そのレシピによって完成する調理例のイメージを図で表示している。
【0056】
これによって、献立に困った場合でも、容易に製品1の表面に複数記載された調理例表示部10の記載内容に従って調理を行えば、料理の知識が乏しい場合であっても、容易にその調理例を実践可能である。
【0057】
[第3実施形態]
以下に、第3実施形態の食品包装用容器(食品包装用袋)について図5を用いて説明する。図5は、第3実施形態に係る本発明の食品包装用容器(食品包装用袋)を示す斜視図である。この第3実施形態において、第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0058】
第1実施形態においては、図1に示すように、製品1が蓋体3と収納部8からなる深絞り包装によって形成されたものであるのに対して、第3実施形態の食品包装用容器(食品包装用袋)においては、縦ピロー包装等によって、袋状に食品包装用容器が構成されており(食品包装用袋34)、その表面(食品包装用袋表面34a)に調理例表示部10が複数記載されている。
【0059】
また、第3実施形態においては、調理例として、食品7の加工方法が調理例表示部10に記載されるものであって、図5においてはソーセージをキャラクター様の形状に加工する方法が記載されており、複数の調理例表示部10として3行3列の計9つが記載されている。加工方法を図により表示した調理例画示部10aの近傍に当該調理例画示部10aの図を文章で説明する調理例説明部10bが配されている(図5中、調理例説明部10bの文章は棒線で表示)。
【0060】
また、各調理例表示部10を関連づけるために、加工方法表示部30として関連のある調理例表示部10が同じ欄内となるように配されている。さらに、第3実施形態においては、食品7の加工方法を消費者に伝えるものであるために、枠部12の上方に位置する「○○○編」と図5中で表示された編表示部11aは、「作り方編」等と記載されることとなる。
【0061】
これによって、食品7の加工に工夫を凝らしたい場合であっても、製品1の表面に複数記載された調理例表示部10の記載内容に従って加工を行えばよく、食品加工方法を容易に消費者に提供可能であるとともに、消費者が料理の本等によって加工方法を調べる必要(手間)を省かせることが可能となる。
【0062】
[第4実施形態]
以下に、第4実施形態の食品包装用容器について図6を用いて説明する。図6は、第4実施形態に係る本発明の食品包装用容器を示す正面図である。この第4実施形態において、第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0063】
第1実施形態においては、図1に示すように、製品1が蓋体3と収納部8からなる深絞り包装によって形成されたものであるのに対して、第4実施形態においては、消費者の少量ずつ食品7を使用したいとの要望に答えるべく、複数の小分けパック31をひとくくりにして連続パック(図6においては3連パック)として販売する包装形態に本発明を適用するものである。
【0064】
即ち、第4実施形態においては、複数の小分けパック31を連結するべく、連結ラベル33が、各小分けパック31に接触して固定できるように貼付されており、当該連結パック32に調理例表示部10等が記載されており、図6においては、複数の調理例表示部10としてその食品7を利用したメニューが1行3列の計3つが記載されている。第1実施形態と同様に、連結ラベル33は、小分けパック31から剥がしてそのままファイリング又は冷蔵庫等への貼付等が可能である。
【0065】
[第5実施形態]
以下に、第5実施形態の食品包装用容器について図7を用いて説明する。図7は、第5実施形態に係る本発明の食品包装用容器の蓋体を示す正面図である。この第5実施形態において、第1実施形態と同様な部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0066】
第5実施形態の食品包装用容器は、図1に係る製品1と同様の構成を有するものであって、図1の製品1の縦長形状が横長形状となったものであって、図7は、その横長の製品1の蓋体3のみを示すものであって、複数の調理例表示部10としてその食品7を利用したメニューが1行3列の計3つが記載されている。
【0067】
図7に示すように、第5実施形態においては、蓋体3に2次元コード17を備えることを特徴とするものであって、2次元コード17としては、URLへの変換が可能な図形的コード(QRコード(Quick Response Code(登録商標)))が広く普及しているが、この外にも、例えば、2次元コード17の代わりに直接、URLを記載することも可能であり、通信ネットワーク上の保存場所を特定可能であればどの様な情報でもよく、特に限定されるものではない。
【0068】
複数の調理例表示部10を構成する調理例説明部10bの近傍(図7においては右側)に各々2次元コード17aが配されており、携帯電話機や、消費者のパソコン等に装着されたカメラにより、2次元コードを読み込むことにより、所定のURL(Uniform Resource Locator)に変換され、対応する調理例に関連する製造者、販売者の用意するサイトへの移動を可能とする。
【0069】
関連サイトとしては、調理例表示部10に記載された調理例をさらに詳しく説明することも可能であれば、蓋体3には記載されていない他の調理例や、過去の調理例を掲載することも可能である。さらには、実際にその調理例(レシピ、メニュー、加工方法)を試した消費者の体験談、感想、できあがった料理の画像等を掲載することが可能である。また、その食品7と組み合わせるのに好適な他の食品7や、調理例の対象となった食品7の姉妹品等を掲載することが可能である。
【0070】
また、蓋体3の右下に記載した2次元コード17bは、各々の調理例表示部10が有する個別の2次元コード17aではなく、食品7又は製造者、販売者のある程度総括的なサイト(上位サイト)への移動を可能とする構成とすることも可能である。
【0071】
また、蓋体3における編表示部11a(「○○○編」)及び版表示部11b(「第○弾」)がナンバリング表示として機能する点は前述の通りであるが、当該上位サイトにおいて、編表示部11a及び版表示部11bを頼りに他の調理例や、過去の調理例を検索することも可能である。
【0072】
従って、第5実施形態においては、製品1の表面に2次元コード17を記載することにより、調理にあたって、容易にその調理例の周辺情報、関連調理例等を確認することも可能である。
【0073】
本発明は、その本質的特性から逸脱することなく、数多くの形式のものとして具体化することができる。よって、上述した実施形態は専ら説明上のものであり、本発明を制限するものではないことは言うまでもない。
【符号の説明】
【0074】
1 製品
2 食品包装用容器
3 蓋体
6 溶着面
6a 開口用端部
7 食品
8 収納部
9 食品名表示部
10 調理例表示部
10a 調理例画示部
10a1調理例画示部
10b 調理例説明部
11 他情報表示部
11a 編表示部
11b 版表示部
12 枠部
14 タブ
15 穿孔誘導部
17 2次元コード
17a 2次元コード
17b 2次元コード
21 下側フィルム
22 上側フィルム
23 成形部
24 充填領域
25 真空チャンバー部
26 横カッター部
27 縦カッター部
29 調理済
30 加工方法表示部
31 小分けパック
33 連結ラベル
34 食品包装用袋
34a 食品包装用袋表面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を包装する食品包装用容器において、
表面に、その食品を使用した調理例が表示された調理例表示部を複数設けるようにしたことを特徴とする食品包装用容器。
【請求項2】
ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を凹部内に収納する収納部と、これを封止する蓋体とからなる食品包装用容器において、
蓋体に、その食品を使用した調理例が表示された調理例表示部を複数設けるようにしたことを特徴とする食品包装用容器。
【請求項3】
ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を包装する袋状の食品包装用容器において、
蓋体に、その食品を使用した調理例が表示された調理例表示部を複数設けるようにしたことを特徴とする食品包装用容器。
【請求項4】
ソーセージ、スライスベーコン、スライスハム等の食品を包装する複数の食品包装用容器を、ラベルの貼付により連結した食品包装用容器において、
前記ラベルに、その食品を使用した調理例が表示された調理例表示部を複数設けるようにしたことを特徴とする食品包装用容器。
【請求項5】
前記調理例表示部は、前記食品を使用した調理例が写真及び/又は図により表示された調理例画示部及び当該調理例画示部を文章で説明する調理例説明部から構成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のうち、いずれか1に記載の食品包装用容器。
【請求項6】
前記調理例表示部は、前記食品を使用した調理例として、当該食品を利用したメニュー、当該食品を利用したレシピ、及び/又は当該食品の加工方法が表示されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のうち、いずれか1に記載の食品包装用容器。
【請求項7】
前記調理例表示部は、近傍にナンバリング表示が配されることを特徴とする請求項1乃至請求項6のうち、いずれか1に記載の食品包装用容器。
【請求項8】
前記調理例表示部は、当該調理例表示部に関連するサイトへの移動を可能とする2次元コードを近傍に備えることを特徴とする請求項1乃至請求項7のうち、いずれか1に記載の食品包装用容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−1255(P2012−1255A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−138834(P2010−138834)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【出願人】(000113067)プリマハム株式会社 (72)
【Fターム(参考)】