食品媒介病原体センサおよび方法
腐敗しやすい食品中の細菌検出用センサ(10)は、ハウジング(12)に装着された、pH指示薬を含むガス透過性材料(18)を含み、パッケージ内の二酸化炭素のレベルの変化を効率的に検出するために食品または包装表面から離間させて置かれる。1つの酸ベースのpH指示薬が、およそ7.2のアルカリ性pHを示す初期グリーン色のセンサを有するブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物を含む。細菌増殖による二酸化炭素の存在によってもたらされるpHの低下で指示薬はオレンジに変わる。そのような指示薬は、普遍的に認識可能な安全性を反映して色変化で警告する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に病原体検出装置および方法、特に、食品の損傷を視覚的に検出するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の損傷と同様に食品媒介感染症も世界的な食料供給で重大な負担となっている。米国だけでも、食品媒介疾病は、年間7600万件(米国人の4人に1人に相当する)あり、年間約325,000件が入院し、5000件超が死亡している。会計検査院(GAO)および米国農務省(USDA)によれば、食品媒介病原体によって、保健医療損失および生産性損失において70億米国ドル〜370億米国ドルの経済的損失がもたらされている。危害分析重要管理点(HACCP)規定では、食品の危害分析は、施設に入る前、間および後に行う食品安全性分析を含むべきであると述べられている。製造加工業者から消費者へ輸送される食物が消費前に可能な限り安全であることを保証することが、明らかに必要である。たとえば、食品媒介病原体の抗生物質抵抗性発現、潜在的な毒素の存在、および成長ホルモンの使用の全てが、より安全な食品を確実に消費者に届けるようにするために、HACCPの手順をさらに発展させる必要性を指し示している。そうした食物が購入されたり、一部使用されたり、および将来使用するために保存された後でも消費者によって扱われる食物が監視される必要もある。
【0003】
たとえば食肉は、製造加工業者で食品媒介病原体について無作為にサンプリングされている。一般的に、食肉が消費される前にさらなるテストは行われておらず、許容できないレベルの未検出の食品媒介病原体(サルモネラ属菌(Salmonella spp.)およびリステリア属菌(Listeria spp.))などが残る可能性のほか、腐敗細菌(シュードモナス属菌(Pseudomonas spp.)およびミクロコッカス属菌(Micrococcus spp.))などが製品を包装、運搬および陳列する間に望ましくないレベルまで繁殖し得る。続いて食品が消費者に購入され、状況を悪化させる非管理状態で運ばれて保存される、これら全てのことが消費前に起こる。
【0004】
小売業者は一般的に保存期限、ゆえに鮮度を日付印で見積もる。この方法は2つの重要な理由から正確ではない。第1に、製造加工業者での肉の細菌の実数値が不明であり、および第2に、パッケージ商品の小売業者への輸送中の実際の時間−温度の環境が不明である。一例として、3℃未満の温度上昇は、食品の保存期限を50%短くし、時間とともに細菌増殖を著しく増大し得る。確かに、食品の損傷は、食品の病原性細菌および非病原性細菌の合計負荷(load)が1×107cfu/g以下という、一般に受け入れられた値に基づくと、37℃において、わずか数時間で起こり得る。食品安全の指導者は、このレベルは肉製品の最大許容しきい値であると確認している。
【0005】
保存期限に敏感な食品の多くが一般に中心地で加工され包装されるが、これは食肉産業には当てはまらない。最近の集中的な食品トレー(centralized case−ready packaging)並びに肉製品用「クライオヴァック(cryovac)」包装の出現により、鮮度と細菌の存在の両方を検出するセンサを大規模に組み込む機会が与えられている。
【0006】
時間−温度表示装置を含む、細菌負荷または食物の鮮度を反映する診断テストの提供を試みた多くの装置が公知である。今まで、これらの装置のどれも、適用される技術に特定的であるため消費者または小売市場で広く受け入れられていない。まず、時間−温度装置は、細菌増殖についてではなく積算温度履歴(integrated temperature history)についての情報のみを提供するので、温度が正しく維持されていたにも関わらず、他の汚染手段を介した食物の細菌負荷が高くなっている可能性がある。ラップ用フィルム装置は一般に細菌と実際に接触することを要し、細菌が外側の食物表面に対して内側にある場合には、食物の内部の細菌負荷が高くてもセンサを作動させない。アンモニアセンサは一般に炭水化物分解ではなくタンパク質分解を検出する。細菌は初めに炭水化物を利用するため、これらのセンサは、海産物を除いたほとんどの正常な適用では感度が低い。
【0007】
さらに、食物物質における細菌検出用の公知の装置および方法は一般に、製造時に装置をパッケージに一体的に組み込む。供給者も消費者も、食品の再包装を伴う監視をし続けることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
少なくとも腐敗しやすい食品における細菌の存在を検出するための、装置、食品包装、および関連した方法を提供するのが望ましい。さらに、消費者が、自身が食品を取り扱期間中は細菌の存在を検出するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、食品の供給者または購入後に食品を扱っている消費者によって準備された容器またはパッケージにある腐敗しやすい食品中の少なくとも細菌の存在の検出に関する。本発明の実施形態は、食品中または食品上の細菌負荷の定量的測定および細菌の存在の検出を提供する。さらに、センサは誤って食べられても安全に消化される。一部の実施形態には時間−温度性能も含まれ、食物供給プロセスで推奨温度の管理から逸脱したかどうかの追加情報を提供する。消費者が包装した(調理済みまたは非調理)食物も、消費者に食物の鮮度および安全性の目安を与える細菌センサおよび/または時間−温度センサとともに容器(密閉可能な袋またはプラスチック容器など)に保管される。
【0010】
食品媒介疾病の原因となる細菌の存在検出用の本発明の1つのセンサは、ハウジングを完全に貫いて延在する穴を有するハウジングと、穴に取付けられたpH感受性材料とを含んでもよい。pH感受性材料は、環境レベルを超える炭酸ガスのレベルの上昇に反応して視覚的な色変化をもたらすためのpH指示薬を含む。指示薬は細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出し、ここでpH変化は代謝産物の存在に影響を受ける。pH感受性材料は穴に取付けられて、材料の対向する第1および第2の表面が、炭酸ガスのレベルの上昇をモニタおよび感知するためにハウジングが置かれた環境に露出されている。このハウジングには、ハウジングを自由に取外し可能に位置決めするために留め具が装着されていて、pH感受性材料の第1および第2の表面は、環境にある食品のあらゆる隣接する表面または容器の側壁から離間させているので、炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ炭酸ガスは、pH感受性材料の対向する第1および第2の表面上へおよび該表面を通して直接拡散できる。ゆえに、センサがパッケージ材料の側壁に直接取付けられている典型的なケースである、片側のみの感応面ではなく、pH感受性材料の両側面でのガス拡散が達成される。この場合も、センサと包装との間の空間によってガスが自由にpH感受性材料に拡散でき、検出時間が早くなる。
【0011】
一例として、ブロモチモールブルー(Bromothymol Blue)およびメチルオレンジ(Methyl Orange)の混合物を含んでもよいpH感受性材料は、pH感受性材料を通して拡散する炭酸ガスのレベルの上昇により水素イオン濃度が減少し、よってpHが下がる結果として、グリーンからオレンジへの視覚的な色変化をする。pH感受性材料は、アガーなどのゲルを含んでもよく、さらに、0℃未満においてゲル内のあらゆる水分の凍結を防止するために、エチレングリコールまたはグリセロールなどの凍結防止剤を含んでもよい。
【0012】
他の一例として、センサは、第1および第2の材料部分(それぞれ対向する第1の表面と第2の表面との間を延在する)が形成されたpH感受性材料を含んでもよい。第1の材料部分は、基準色を有する緩衝化されたpH指示薬を含んでもよい。第2の材料部分は、初めのpHレベルでは認識可能な基準色を有し、所定のpHレベルで認識可能な注意または警告色に変化してもよい。ここで警告色は、使用者または消費者に注意を喚起するために基準色と視覚的にコントラストをなす。さらに、第1の材料部分は、時間−温度構成要素を含んでもよく、一方第2の材料部分は、pH感受性材料を含む。それぞれまたは両方とも基準材料の基準色、またはハウジング自体の表面と比較される。
【0013】
ハウジングの厚さ寸法は、穴の深さすなわち厚さ、および穴に取付けられたpH感受性材料の対向する第1の表面と第2の表面との間の厚さすなわち距離を定義してもよい。このような定義により、厚さ寸法と有効幅寸法(円柱形状の場合の直径)の1つの好ましい比は、0.003〜0.3の値の範囲であってもよい。他の一例として、材料のpHは、環境レベルの炭酸ガス環境において7〜10の範囲でもよい。
【0014】
センサは、穴内にpH感受性材料を取り囲むためにハウジングに装着される第1および第2のガス透過性カバーを含んでもよく、カバーを通して延在する孔を有するガス透過性膜またはカバーを含んでもよい。孔は、一例としてpH感受性材料の状態を示す説明的な模様を形成してもよい。さらに、カバーは、pH感受性材料のpHレベルを示す所定の色(一例としてグリーンは安全またはオレンジは注意)を有してもよい。同様に、ハウジングは、pH感受性材料の安全な状態を示す初期色を表す色、または危険な状態である可能性を示す最終色を含んでもよい。一例として、ハウジングは、初期色を表すグリーン色を含んでもよい。グリーン色からオレンジ色への色変化は、炭酸ガスのレベルの上昇に起因するかもしれない。
【0015】
センサは、使用者がセンサを取り扱うのに便利なハンドル部分と、pH感受性材料を支持するための穴を有するセンサ部分とを有するハウジングが含まれてもよい。ハウジングに取付けるのに有用な留め具が、テーパハンドル部分を含んでもよく、あるいは食品が保存される容器内にある食品または容器自体に突き刺すためのピンを装着していてもよい。留め具は、一例として、ハウジングのハンドル部分に装着される接着材料を含んでもよい。接着材はベルクロ(Velcro)材料、すなわち接着テープ式の材料などでもよく、それによりpH感受性材料を、一例として容器の側壁、食品、または一般的な食品包装要素など、近くにあるあらゆる表面から離間させて置くように、容器内側の側壁にセンサを取付ける。pH感受性材料の1つの好ましい位置は、容器の下半部分内である。さらに、ハウジングおよびpH指示薬は、人が摂取しても安全な材料で作られている。
【0016】
本発明の一態様は、腐敗しやすい食品中の細菌の存在を検出するための方法を含む。この方法は、パッケージ内に食品を置くステップと、およびパッケージ内にセンサを位置決めするステップとを含む。センサは、細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出するように適合されたpH指示薬を含む。代謝産物の存在によって、pH変化がもたらされる。食品およびハウジングは食品包装内に密閉され、pH感受性材料の視覚的な色変化は、食品の細菌濃度が望ましいレベルを超えていることを示すため、監視される。
【0017】
食品およびセンサは、公知の方法よりもガス拡散が改善され、反応が早く、ゆえに消費者保護により望ましいように、センサのpH感受性材料をパッケージの内部または食品から離間させて直接接触しないようにパッケージ内に密閉されてもよい。
【0018】
本発明の特徴は機構および操作方法両方に関して、更なる目的およびその利点とともに、添付の図面と併せた以下の説明でさらに理解される。本発明の利点および改良点は、添付の図面と併せた以下の説明を読むことでさらに十分に明らかとなる。
【0019】
本発明の実施形態は、本明細書で添付の図面を参照して説明されるが、これは一例として示されるが、本発明の限定の定義を意図するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の様々な実施形態が示される添付の図面を参照して以下で本発明より詳細に記載する。しかしながら、本発明を、多くの異なる形態で記載するが、本明細書で説明される実施形態に制限されると解釈されるべきではない。正しくは、これらの実施形態は、この開示が詳細で完全であるように、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるために提供される。全体を通して同様な番号は同様な要素を参照する。
【0021】
初めに図1〜5を参照すると、食品媒介疾病の原因となる細菌の存在検出用の本発明の1つのセンサ10は、ハウジングを完全に貫いて延在する穴14を有するハウジング12と、穴に取付けられたpH感受性材料16とを含むものとして記載されてもよい。本明細書で記載される一実施形態では、一例として、pH感受性材料16は、環境レベルを超える炭酸ガスのレベルの上昇に反応して視覚的な色変化をもたらすためのpH指示薬を含む。後述するように、多様な感知材料をセンサ10内に取付けてもよい。本明細書で一例として記載されるpH指示薬では、細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化が検出される。ここでは、pH変化は代謝産物の存在に影響を受ける。pH感受性材料16は穴14に取付けられて、図6を参照してさらに示されているように、pH感受性材料16の対向する第1および第2の表面18、20を、環境の炭酸ガスのレベルの上昇をモニタおよび感知するためにハウジング12が置かれる該環境22に露出させてある。
【0022】
図1〜5を続けて参照すると、ハウジング12には、ハウジングを自由に取外し可能に位置決めするために留め具24を装着して、pH感受性材料16の第1および第2の表面18、20を、環境22にある食品26の表面などのあらゆる隣接する表面または容器30の容器の側壁28から離間させているので、炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ炭酸ガスが、pH感受性材料の対向する第1および第2の表面上へおよび該表面を通して直接拡散できる(図6を参照して再び示される)。ゆえに、センサがパッケージ材料の側壁に直接付着されている場合に典型的なケースである片側のみの感応面ではなく、対向する露出面、pH感受性材料16の表面18、20へのガス拡散が達成される。隙間32すなわちpH感受性材料16と包装(一例として容器30の容器の側壁28)との間の空間、またはここで一例として示されるpH感受性材料と食品26の表面27との間の隙間34によって、ガスが自由にpH感受性材料に拡散できるので、検出時間が早くなる。
【0023】
一例として、pH感受性材料16に関しては、そのような一材料にはブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物が含まれてもよいが、それは、pH感受性材料を通して拡散する炭酸ガスのレベルの上昇により水素イオン濃度が高くなり、よってpHが下がる結果として、グリーンからオレンジへの視覚的な色変化を起こす。他の例では、pH感受性材料16は、赤キャベツやブドウなどの植物から抽出される、食用pH指示薬を含んでもよい。これらの指示薬は不安定な傾向があり、おそらく持続するのは24時間なので、食品の損傷にかかわらず24時間後には色が変わる「一日のみ有効」センサとなってもよく、細菌負荷と鮮度の両方を示してもよい。指示薬の耐用期間を延長する一方法は、40%までのグルコースまたはスクロースを取り入れることによって、酸化および分解の速度を遅らせることである。さらに、pH感受性材料16はアガーなどのゲルを含んでもよく、さらにあらゆる水分の凍結を防止するために、エチレングリコールやグリセロールなどの凍結防止剤を含んでもよく、ゆえに冷凍食品と共に使用することもできる。
【0024】
他の一例として図7を参照して、センサ10は、第1および第2のガス透過性材料部分36、38(それぞれ対向する第1の表面18と第2の表面20との間を延在する)が形成されたpH感受性材料16を含んでもよい。第1の材料部分36は、基準色を有する緩衝化されたpH指示薬を含んでもよい。第2の材料部分38は、初めのpHレベルでは認識可能な基準色を有し、所定のpHレベルで認識可能な注意または警告色に変化してもよい。ここで警告色は、使用者または消費者に注意を喚起するために基準色と視覚的にコントラストをなす。さらに、第1の材料部分36は、時間−温度構成要素を含んでもよく(このセクションで後述する)、一方第2の材料部分38はpH感受性材料16を含んでもよい。それぞれまたは両方とも、基準材料の基準色、またはハウジング12に使用された基準色と比較される。
【0025】
一例として図6を再び参照して、ハウジング12の厚さ寸法40は、穴14の深さすなわち厚さ、ゆえに厚さ42すなわち穴に取付けられたpH感受性材料16の対向する第1の表面18と第2の表面20との間の距離を定義してもよい。このような定義により、厚さ42と有効幅(本明細書で記載される実施形態の直径)の1つの好ましい比は、所定の厚さに対して好ましい露出面積を与えるためには、0.003〜0.3の値の範囲である。他の一例として、材料のpHは、環境レベルの炭酸ガス環境において7〜10の範囲である。
【0026】
図8を参照して、センサ10は、穴14内にpH感受性材料16を取り囲むためにハウジング12に装着される第1および第2のガス透過性カバー42、44を含んでもよい。カバー42、44は、カバーを通して延在する孔45を有するガス透過性膜または不透過性材料を含んでもよい。一例として、孔45はpH感受性材料の状態を示す説明的な模様(すなわち安全性の「S」)を形成してもよい。さらに、カバーは、pH感受性材料のpHレベルを示す所定の色(一例としてグリーンは安全またはオレンジは注意)を有してもよい。同様に、ハウジングは、pH感受性材料の安全な状態を視覚的に示す初期色を表す色、または危険な状態である可能性を示す最終色を含んでもよい。他の一例として、ハウジング12は、初期色を表すグリーン色を含んでもよい。グリーン色からオレンジ色への色変化は、炭酸ガスのレベルの上昇に起因するかもしれない。
【0027】
図1〜5を再び参照して、本明細書で一例として記載されるセンサ10の一実施形態には、使用者がセンサを取り扱うのに便利なハンドル部分46と、pH感受性材料16を支持するための穴14を有する感知材料部分48とを有するハウジング12が含まれてもよい。図10および11を参照して示される一実施形態では、留め具24はテーパ部分50を含んでもよく、または図12を参照して示される他の実施形態では、食品26が保存される容器30内にある食品26に突き刺すためのピン52を装着していてもよい。一例として、留め具24は、ハウジング12のハンドル部分46に装着される接着材料を含んでもよい。図1〜5を再び参照して、接着材料はベルクロ材料、すなわち接着テープ式の材料でもよく、再び参照する図6および8に示されるように、一例として、pH感受性材料16を、容器の側壁28、食品26、または一般的な食品包装要素など、近くにあるあらゆる表面から離間させて置くように、センサ10を容器30内側に取付けてもよい。図6および図13を参照すると、pH感受性材料16の1つの好ましい位置は、容器30の下部または下半部分56内である。さらに、ハウジング12およびpH感受性材料16は、人が摂取しても安全な材料で作られている。
【0028】
センサの実施形態は、吸光度(透過率)、蛍光、または発光に基づいた変化を提供し、その変化は視覚的におよび/または光学機器を使用して、観察可能であることを理解されたい。さらに、本明細書で記載されるpH感受性材料は、固体支持体に化学的にまたは物理的に取付けられてもよい。たとえば、センサは、包装紙などの包装要素に備わる食品パッケージまたは食品を支持するトレー内に位置決めされてもよい。あるいは、pH感受性材料16またはセンサ10を、食品または容器自体に取付けて、本明細書で一例として記載される、容器30などのパッケージ内に、単に置くだけでもよい。実際に、二酸化炭素は空気より重いので、一例として図6を参照して記載されるように、しばしばpH感受性材料16を容器の深部近く、下半分56などに置くのが好ましい。
【0029】
一例として、本明細書で記載されるセンサおよび方法を、指示薬およびハウジングを含む搭載型センサを使用して、肉類、家禽、魚、海産物、果物類、および野菜類など保存期限に敏感なパッケージされた食品の細菌の存在を検出するように適合させてもよい。センサは食品とともに食品パッケージに組み込まれてもよく、実質的に気密となるレベルに密閉される。ある実施形態では、センサを食品との直接接触から離すこと、および/または食品包装内に置かれた個別のまたは組み込まれたセンサを使用して、そのようなパッケージされた食物の鮮度を検出することが有利であると考えられている。
【0030】
予期されるpHシフトとは反対の、予め暴露させた(pre−exposure)の初期pHを有するように構成された水性pH指示薬を含む1つのセンサは、好ましくは一般に食品試料に存在する酸性環境から化学的にまたは物理的に分離されるが、中性ガスからは保護されない。細菌が繁殖すると、代謝産物が生産され、pH指示薬に拡散する。代謝産物は、指示薬におけるpHシフトとして感知される。指示薬が酸を検出するように適合されているとpHが下がり、指示薬がアルカリ性物質を検出するように適合されているとpHが上がる。一般に、CO2を検出するために、pH感受性材料は、pH7超のpHを有し、pKaに応じてpH11という高さであってもよい。
【0031】
例示的な指示薬は、pHが変化すると色が変化するように適合された材料、単に一例として初期pH10.8を有するブロモチモールブルーまたはフェノールレッド、またはクレゾールレッドなどを含む。本発明の一実施形態は、ブロモチモールブルーと約pH7.2の初期pHを有するメチルオレンジの混合物を含む。そのような指示薬は、CO2の存在でグリーン色からオレンジ色へ変化し、その結果、普遍的に受け入れられる、安全および危険それぞれの合図(グリーン/オレンジ)を提供する。例えば、限定されないが、果物や野菜など自然源から得られる赤キャベツ、ウコン、ブドウ、または黒ニンジンの抽出物など、食べられるまたは非毒性pH指示薬が使用されてもよい。そのような指示薬は初期pH約7.8を有してもよい。試験によって、pH指示薬に基づくセンサは、たとえば食品の病原性細菌および非病原性細菌の合計負荷1×107cfu/g以下(ほとんどの食物の最大許容しきい値として、食品安全のオピニオンリーダーが確認したレベル)を検出できることが示された。
【0032】
二酸化炭素は、細菌増殖の一般的な指標として、および試料に存在する細菌の汚染レベルを定量的に推測するために使用されてもよい。周知のように、二酸化炭素は水溶液と接触すると、炭酸を形成するためにpHが下がり、ゆえにpHを二酸化炭素濃度、従って、細菌負荷の指標とする。本明細書で一例として記載される実施形態は、少なくとも107cfu/gのレベルの病原性細菌および非病原性細菌の合計負荷を検出できる。
【0033】
他のタイプのpH指示薬は、アンモニアなどの揮発性有機化合物を含む他の代謝産物濃度を測定する。この実施形態においては、センサは、たとえば塩酸などの酸の添加に影響され、酸範囲の初期pH、一例としてpH4を有する水溶液を含む。アンモニアなどのアルカリ性ガスがセンサに拡散し、アンモニアが水と反応して水酸化アンモニウムを形成し、これが次に溶液のpHを上げる。pHレベルが上がると、相応した指示薬の変化が起こり、それは、検出可能な場合、食物汚染を表す。
【0034】
細菌代謝産物がセンサに拡散する、pH指示薬以外のものも想定できる。あるセンサのこの実施形態では、代謝産物の存在下で、溶液から沈殿する化学薬品を含む。一例として、二酸化炭素が十分に存在すると、水酸化カルシウムセンサは、0.0001〜0.1M濃度の範囲において、観察可能な炭酸カルシウム沈殿物を形成する。
【0035】
いくつかの実施形態において、指示薬の光崩壊を最小限にするために、センサに放射線遮蔽を組み込むことが望ましいかもしれない。限定することを意図しないが、たとえば、紫外線を減衰するために有色染料が組み込まれてもよい。
【0036】
pHレベルの感知に基づいたいくつかのガスセンサに起こりうる不利点としては、一度センサが空気に暴露されると、または食品包装内でpH変化が起こると、センサの色が、以前に安全ではない細菌負荷の可能性を表示していたにも関わらず、食物が「安全」であると示される状態に戻る可能性を含むかもしれないことである。ゆえに場合によっては、変化した状態が非可逆的なセンサを組み込むことが望ましいかもしれない。
【0037】
そのような問題は、センサが望ましく作動する時間に相応した時間で不安定となるセンサ材料を使用することによって克服できる。たとえば、野菜から抽出されたアントロシアニン(anthrocyanine)ベースのpH指示薬は数時間または数日の期間で酸化により崩壊でき、その表示を実質的に不可逆にする。あるいは、沈殿物が消散しない実質的に不可逆的な指示薬を提供する、沈殿する実施形態を、単独でまたは1つ以上の他のセンサと一緒に使用できる。
【0038】
本発明の実施形態は、pHを示す活性を破壊または低下するかもしれない、センサのあらゆる水分の凍結防止のための添加剤を含んでもよい。エチレングリコールまたはグリセロールなどの凍結防止剤が使用されて、食物が冷凍庫に置かれた場合のように、0℃未満での水分の凍結を防止されてもよい。
【0039】
図1および7を再び参照して、本明細書ではpH感受性材料16の円柱の、円盤状の形状が図示されているが、当業者は、限定されないが、円盤状、球状、または長方形を含む複数の形状および形態であってもよいことを理解されよう。本明細書では、いくつかの例で円盤状の要素が示されている。センサへのガス拡散を高めるために材料の厚さと比べた場合に表面積をできる限り多く提供すること、状態の変化時間を最小限にすること、および、それゆえ、感度を最適化することが有利であると考えられているからである。容器の内面または包装材料にフィルムを単に積層することが、一面へのガス拡散速度を制限する。さらに、パッケージと一体型にセンサが形成された場合、使用者はセンサ、または特定のパッケージを含む、望ましい選択をすることができない。
【0040】
今度は図14A〜14Cを参照すると、pH感受性材料16の一般的な作動が示されており、ここでは提供される材料はガス透過性であり、細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出するように適合されている指示薬を含む。変化は代謝産物の存在によってもたらされ、指示薬の観察可能な変化は代謝産物の濃度に相応する。
【0041】
本明細書で一例として記載されるように、食品26を支持するのに使用されるトレー58が、pH感受性材料16を支持するのに使用されてもよい。この実施形態においては、単一のpH感受性材料16が、TPX、TPU、またはPFA(全てCO2ガスに対して透過性がある)などの密閉フィルム62内部60に位置決めされる。複数のpH感受性材料16が使用され得ること、および、包装要素はたとえば、既に図6を参照して既に記載された容器30などの消費者が密閉可能な袋または容器も含んでもよいこと当業者に理解されるだろう。
【0042】
図14A〜14Cを続けて参照すると、一例として、点状の影64は、トレー58と密閉フィルム62で形成されたパッケージ66内に閉じ込められた空気65の代謝産物濃度を初期に感知した、pH感受性材料の初期状態を表す。図14Bを参照して示されるように、時間が経過し保管温度が変化し得るとともに、細菌コロニー68が食品26上および食品中に形成され始め、細菌コロニーはガス状代謝産物70を放出し、それが材料16に拡散する。材料16は代謝産物70の濃度を表示する化学変化を起こす。図14Cで示されるように、化学変化が検出可能な変化を起こすのに十分な場合、斜線の影64’で示され、食品26’の損傷の可能性が示される。これらのパラメータは、所定の代謝産物濃度限度が検出可能であるように測定される感知材料16の各特性に依存する。
【0043】
他の一例として、および図15Aを参照して、感知材料16の一例を、シリコーン材料74に被包された水性pH指示薬72として記載されてもよい。シリコーンは実質的に透明であり、中性ガスに対して透過性があるが、実質的にH+のようなイオンに対して透過性がない。二酸化炭素のような代謝産物がシリコーン材料74に拡散し、pH指示薬72内の溶液まで達する場合、生じるpH変化は、指示薬の色変化など観察可能な変化に反映される。図1を参照して上述したように、pH感受性材料16を装着するためにハウジング12が使用されてもよく、または図14Aを参照して単なる一例として記載されるように、自由にパッケージ66に取付けられてもよい。感知材料16の例示的な形態は、直径およそ2.5cmおよび厚み2〜3mmの薄い円盤を含む。
【0044】
図15Bを参照して示されるように、感知材料16の他の実施形態は、指示薬が実質的に均一に分散されるアガー支持材76を含んでもよい。水性指示薬はアガーに混入され、硬化される。アガーは食べられ、摂取しても安全である。さらに、感知材料16はアガーを含んでもよいし、あるいは上述したように、中性ガスが入るのを許す一方で荷電粒子に対するバリアを提供する、薄いガス透過性フィルム80内にあるシリコーン材料などのプロトン−不透過性材料78でコートされるかまたは覆われる。そのようなものは、密閉可能な容器内で家庭/消費者使用に簡単に用いられてもよい。
【0045】
図15Dを参照して示されるように、pH感受性材料16の他の実施形態は、フィルムや容器など、ガス透過性であるが荷電粒子−不透過性の透明容器84に収容される溶液82中に指示薬を含んでもよい。図1を参照して既に記載されたハウジング12などの支持体が、2つの面18、20にガスの進入口のある構造で容器84を全てまたは一部取り囲んでもよい。さらに、留め具24は、図6を参照して一例として既に記載された、センサ10のハンドル部分46に適用される接着材54を含み、使用者が上述された容器30など容器内側にセンサを位置決めできてもよい。
【0046】
さらに、図15Eを参照して示されるように、pH感受性材料16は、基準媒体88と基準媒体に隣接して位置決めされた指示薬媒体90とを保有する被覆物86を含んでもよい。基準媒体88は、実質的に一定の状態、たとえば、指示薬媒体90の初期状態/色と一致する実質的に不変の色を有する。ゆえに指示薬媒体90の状態が変化すると、基準媒体88の色に対する比較から、変化が明らかとなる。一例として、指示薬媒体90と基準媒体88の相対的な位置決めによって、損傷表示のアイコン、たとえば、普遍的なストップサインまたは他の警告などの望ましい構成が提供されてもよい。そのような相対的な位置決めを達成するために、指示薬媒体90と基準媒体88は単一の材料を含み、被覆物86は、一例として孔を使用してのガス拡散に少なくとも指示薬媒体92の一部が利用できるように位置決めされる、透明プラスチックなどのガスバリアを含む。ゆえに、基準領域はそこから遮蔽されているため、指示薬領域92のみ色が細菌代謝産物生産によって変化する。あるいは、シリコーンまたはアガーなど固体または半固体材料を使用してpH指示薬を固定する場合には、センサは一例として2つの半部分から成ってもよい。半部分の一方は、アルカリ性pHの通常の緩衝化されていないpH指示薬を含んでいてもよい一方で、半部分の他方は、高度に緩衝化された指示薬を含む。二酸化炭素と接触させられると、緩衝化されていないpH指示薬は色が変化する。しかしながら、緩衝化された指示薬は元の色、有用な基準色のままである。
【0047】
図16を参照して示されるように、本発明の他の実施形態は、容器支持体96と、支持体に貼られた流体チューブ98とを含むセンサ94を含んでもよい。食品包装の内側に位置決めされたガス透過性センサハウジングは、第1の容器100と、そこから流体的に分離されている第2の容器102とを含んでもよい。図2Fに描かれる例では、これらの容器100、102は、たとえば、シリコーンまたはプラスチックでできている容器支持体96の実質的に平坦なベースに貼られている「ブリスター」を含み、ブリスター100、102の少なくとも一方は硬くない。流体チューブ98はブリスター100と102との間を延在するが、壊れやすいバリア104を壊して第1のブリスター100と第2のブリスター102との間の流体連通が確立されない限り、および確立されるまで、壊れやすいバリア104はチューブ98を通って流体が出入りするのを阻止するように位置決めされる。
【0048】
第1のブリスター100には、実質的に乾燥した状態のpH指示薬106が位置決めされる。水和状態では、pH指示薬106は、細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出するように適合される。あるいは、pH指示薬は水性の酸性状態(たとえば、pH3)に保たれてもよい。
【0049】
第2のブリスター102には、水和/アルカリ性溶液108が位置決めされる。水和/アルカリ性溶液108は、好ましくは十分なアルカリ度(たとえば、pH10)を有し、それとpH指示薬106との混合物によって、初期pHがアルカリ性範囲の水性pH指示薬がもたらされる。
【0050】
ゆえに、保管中、第1のブリスター100および第2のブリスター102は互いに流体的に分離され、そして、使用時、ブリスターのどちらかに圧力をかけてバリア104を壊し、水和/アルカリ性溶液108とpH指示薬106を混ぜて、pH指示薬106がその意図された機能を果たすことができるようにする。pH指示薬106を乾燥した、または酸性状態に保つ1つの利点は、保存期限が長くなることである。これは、中性pH指示薬などいくつかの指示薬は、露光、酸化、および極限温度下で不安定な傾向にあるからである。
【0051】
図17を参照して示されるセンサ110の他の実施形態は、シリコーンまたはアガー中の指示薬の水溶液112を含んでもよく、かつ上述のように、フィルムや容器など、ガス透過性であるが荷電粒子−不透過性の透明被覆物14に取付けられてもよい。指示薬溶液112は、たとえば水酸化ナトリウムを使用して、たとえばpH10のアルカリ性pHに調製されてもよい。被覆物114は、二酸化炭素116で飽和され、それによりpHが下がり、指示薬溶液112の安定性を上げる。プルタブ118を使用するなどによって被覆物114を開けることで、活性化される。空気への暴露によって二酸化炭素が逃げ、センサ110が効率的に機能するおよそ初期pHまで指示薬溶液112のpHを上げる。
【0052】
図18を参照して示されるように、センサ120の他の実施形態、または図1を参照して上述された感受性材料16は、上述したように細菌代謝産物122に加えて、経時による鮮度、積算温度変化(integrating temperature variation)を追跡する時間−温度積算センサ124を含んでもよい。図16のセンサ94または図1のセンサ10にも、そのようなセンサ120が組み込まれてもよい。このセンサ120は、食品包装の内側に位置決めされるガス透過性被覆物126を含んでもよい。そのような時間−温度積算計124は、食品包装が経験した積算温度履歴を提供する。一例として、多くの酵素が最適に機能するためには、適度なpH、水性の環境、およびおよそ37℃の温度が好ましい。温度が10℃低下するごとに、酵素活性が2分の1低下する。さらに、酵素は比較的4℃で安定する傾向がある。
【0053】
一実施形態においては、時間−温度積算計124は、溶液中に、酵素によって色変化を起こす基質を含んでもよい。4℃では酵素活性はほとんど起こらず、短期間での色変化はほとんどない。しかしながら、高温では酵素活性が著しく増加し、かなりの色変化をもたらす。そのような装置は、食品の損傷の危険が高いことを示す上昇した時間/温度変化の積算手段を提供する。反応速度は、適切な酵素の温度/活性プロフィールを注意深く選択することによって修正してもよい。たとえば、グルコースオキシダーゼなどの酵素を使用して、グルコース酸化を触媒してグルコン酸および過酸化水素を形成してもよく、および適切な指示薬の存在下で、色変化を起こす。過酸化水素は強酸化剤であり、無色から茶色への色変化を起こすジアニシジンなどの色素の指示薬を酸化するのに使用できる。鮮度の度合いに対する積算計124の反応は、センサ120の様々な化学成分および/または物理的構成要素によって調整されてもよい。これによって次には特定使用の要件にセンサを調整できる。
【0054】
図18を続けて参照すると、ガス透過性膜126内に位置決めされた他の例示的な時間−温度積算計124は、酸または二酸化炭素(溶液中で後で炭酸を形成する)の形成に依存する。2つのセンサ122、124が独立して作動すると、細菌増殖の検出および時間−温度積算によって、使用者に2つの異なる情報を提供される。この状況では、センサ91、92のどちらかの色が変化したら、たとえば、食品は摂取に不適格である。これらのセンサ122、124および本明細書で一例として記載されるセンサは、当業者の個々のニーズに合うように要望通り構成され、今や本発明の教示の利益を有することが理解される。
【0055】
時間−温度の環境および細菌代謝産物生産の両方が、腐敗しやすい食品の鮮度、質、および安全性に関する情報を直接的および間接的に提供する。本発明まで、両方の指示薬を単一の付加的センサに組み合わせる方法は利用できなかった。両方の指示薬を単一のセンサまたは感受性材料16に組み合わせることで、上述したようにおよび図7を再び参照して、所定のあらゆる食品に対する鮮度、質、および安全性の総体的な評価が提供され得る。同じ方向のpH変化を経験することで作動すべき両方の指示薬は、より感受性があり正確なセンサを作るのに貢献する。
【0056】
この例において、カクテル溶液128でpH指示薬と組み合わされる、細菌の二酸化炭素センサ構成要素および酵素/基質(時間−温度積算計)構成要素からなるカクテルが調製された。このカクテル溶液128は、たとえば、ガスに対して透過性があるシリコーンを含む容器130内に置かれる。容器130は次に、食品を覆う透明フィルムの内壁に付着されても、代わりに包装の内部空間に置かれてもよく、または図1を参照して既に記載されたように穴14に取付けられてもよい。上述したように、感受性材料16は、食物と直接接触している必要はない。細菌によって産生されるいかなる二酸化炭素も、容器ヘッドスペース全体を透過するからである。二酸化炭素カクテル成分は、弱く緩衝化された溶液からなる。時間−温度指示薬カクテルは、たとえば、リパーゼ酵素とエステル基質とを含む酵素/基質の組み合わせを含む。カクテルには、比較的小さなpH変化に対して大きなスペクトル変化を与える普遍的な指示薬、たとえば、ブロモチモールブルーが添加される。
【0057】
細菌によって産生された二酸化炭素は、透過性容器130を介してカクテル溶液128に拡散し、炭酸を形成し、溶液のpHを下げ、指示薬の色変化をもたらす。時間−温度の環境次第で、酵素はエステル基質を変え、脂肪酸およびアルコールを産生する。産生された脂肪酸は溶液のpHを下げ、指示薬の色変化ももたらす。ゆえにセンサは、同じカクテル溶液128内の両方の指示薬の結果を組み合わせて、加法的な色の反応を作り出す。感受性材料に参照物132を組み込んで、参照物が要望通り機能していることおよび比較参照物として作用していることを示してもよい。
【0058】
他の一例として、図16を参照して記載されるセンサ94の実施形態が使用される場合、組み合わされたpH指示薬成分および酵素/基質成分は乾燥され、第1のブリスター100に位置決めされる。これは、たとえば、天然物を含む不安定なpH指示薬の場合に有利である。
【0059】
例証として、次のように調製されたシリコーンセンサを使用して表1および表2のデータを集めた。5%w/vのブロモチモールブルーを水溶液中で調製した。pHは、濃水酸化ナトリウムを使用してpH10まで上げた。アガーの固まりを55℃に加熱することによって、アガーを調製した。10%v/vのブロモチモールブルーをアガーに添加し、均一になるまで溶液を混合した。アガーを直径1インチの透明容器に深さ2mmまで注ぎ込み、室温で冷却し、濃ブルーの柔軟性のある円盤を形成した。
【0060】
近所の食料雑貨店で得た鶏手羽肉を200mlの密閉可能なプラスチック容器に置き、それぞれ35℃および4℃でインキュベートした。アガー指示薬を調製し、鶏手羽肉に隣接して置いた。次に容器を密閉した。ドレーガー(Drager)チューブを使用して、色が変化したときに、存在する二酸化炭素の割合を測定した。35℃では、2.5時間で指示薬の色変化が最初に観察され、3時間でブルーから淡グリーンへの色変化を含む、著しい色変化が観察された。表1に示される結果は、およそ1×107cfu/gの細菌が検出可能であり、使用者が保存期限に依存する製品の鮮度および質を追跡する手段として使用され得ることを示している。表2のデータは、4℃で保管された鶏手羽肉の対照として提供される。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
前述の説明では、一部の用語が簡潔、明瞭、および理解できるように使用されたが、それにより先行技術の要件を越えた不必要な限定を意味しない。そのような言葉は本明細書で説明のために使用され、広範囲に解釈されることを意図するためである。さらに、本明細書に示され、記載された装置の実施形態は例であり、本発明の範囲は、構成の正確な詳細に限定されない。
【0064】
本発明を記述してきたが、その好ましい実施形態の構成、作動および使用、およびそれにより得られた有利な新しい有用な結果、新しい有用な構成および当業者に明らかなその理にかなった機械的な等価物は、添付の特許請求の範囲で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態の、ハウジングを有するセンサを示す右上斜視図である。ハウジング内の穴には、その色変化を見るためのpH感受性材料が装着されている。
【図2】図1の実施形態の平面図である。
【図3】図1の実施形態の右側面図である。
【図4】図1の実施形態の対向する端面図である。
【図5】図1の実施形態の対向する端面図である。
【図6】隣接する食品および容器の側壁から離間させてハウジングに装着されるpH感受性材料、細菌増殖検出器を示す部分断面図である。
【図7】緩衝化された指示薬および/または時間−温度検出器と組み合わせたpH感受性材料の一実施形態の部分斜視図である。
【図8】穴内にpH感受性材料を取り囲む透過性カバーを含む図1のセンサの代替実施形態を示す部分断面図である。
【図9】図8のカバーの一実施形態の平面図である。
【図10】図1のセンサの代替実施形態の平面図である。
【図11】図1のセンサの代替実施形態の側面図である。
【図12】図1のセンサの代替実施形態を示す部分断面図である。
【図13】容器内に位置決めされている図1のセンサの部分斜視図である。
【図14】図14Aは図式的に細菌増殖検出の時間発展、すなわち、腐敗しやすい食品と一緒に包装されたセンサを示す図である。図14Bは図式的に細菌増殖検出の時間発展、すなわち、食品上で細菌コロニーが増殖し、細菌がガス状代謝産物を放出しているのを示す図である。図14Cは図式的に細菌増殖検出の時間発展、すなわち、pHの低下に反応してセンサによって観察可能な変化が示されるのを示す図である。
【図15】図15Aは細菌増殖検出器の第1の実施形態の上側面斜視図である。図15Bは細菌増殖検出器の第2の実施形態の上側面斜視図である。図15Cは細菌増殖検出器の代替実施形態の上側面斜視図である。図15Dは細菌増殖検出器の代替実施形態の上側面斜視図である。図15Eは細菌増殖検出器の代替実施形態の上側面斜視図である。
【図16】細菌増殖検出器の代替実施形態の上側面斜視図である。
【図17】細菌増殖検出器の代替実施形態上側面斜視図である。
【図18】食物の鮮度の時間−温度積算指示薬を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に病原体検出装置および方法、特に、食品の損傷を視覚的に検出するための装置および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
食品の損傷と同様に食品媒介感染症も世界的な食料供給で重大な負担となっている。米国だけでも、食品媒介疾病は、年間7600万件(米国人の4人に1人に相当する)あり、年間約325,000件が入院し、5000件超が死亡している。会計検査院(GAO)および米国農務省(USDA)によれば、食品媒介病原体によって、保健医療損失および生産性損失において70億米国ドル〜370億米国ドルの経済的損失がもたらされている。危害分析重要管理点(HACCP)規定では、食品の危害分析は、施設に入る前、間および後に行う食品安全性分析を含むべきであると述べられている。製造加工業者から消費者へ輸送される食物が消費前に可能な限り安全であることを保証することが、明らかに必要である。たとえば、食品媒介病原体の抗生物質抵抗性発現、潜在的な毒素の存在、および成長ホルモンの使用の全てが、より安全な食品を確実に消費者に届けるようにするために、HACCPの手順をさらに発展させる必要性を指し示している。そうした食物が購入されたり、一部使用されたり、および将来使用するために保存された後でも消費者によって扱われる食物が監視される必要もある。
【0003】
たとえば食肉は、製造加工業者で食品媒介病原体について無作為にサンプリングされている。一般的に、食肉が消費される前にさらなるテストは行われておらず、許容できないレベルの未検出の食品媒介病原体(サルモネラ属菌(Salmonella spp.)およびリステリア属菌(Listeria spp.))などが残る可能性のほか、腐敗細菌(シュードモナス属菌(Pseudomonas spp.)およびミクロコッカス属菌(Micrococcus spp.))などが製品を包装、運搬および陳列する間に望ましくないレベルまで繁殖し得る。続いて食品が消費者に購入され、状況を悪化させる非管理状態で運ばれて保存される、これら全てのことが消費前に起こる。
【0004】
小売業者は一般的に保存期限、ゆえに鮮度を日付印で見積もる。この方法は2つの重要な理由から正確ではない。第1に、製造加工業者での肉の細菌の実数値が不明であり、および第2に、パッケージ商品の小売業者への輸送中の実際の時間−温度の環境が不明である。一例として、3℃未満の温度上昇は、食品の保存期限を50%短くし、時間とともに細菌増殖を著しく増大し得る。確かに、食品の損傷は、食品の病原性細菌および非病原性細菌の合計負荷(load)が1×107cfu/g以下という、一般に受け入れられた値に基づくと、37℃において、わずか数時間で起こり得る。食品安全の指導者は、このレベルは肉製品の最大許容しきい値であると確認している。
【0005】
保存期限に敏感な食品の多くが一般に中心地で加工され包装されるが、これは食肉産業には当てはまらない。最近の集中的な食品トレー(centralized case−ready packaging)並びに肉製品用「クライオヴァック(cryovac)」包装の出現により、鮮度と細菌の存在の両方を検出するセンサを大規模に組み込む機会が与えられている。
【0006】
時間−温度表示装置を含む、細菌負荷または食物の鮮度を反映する診断テストの提供を試みた多くの装置が公知である。今まで、これらの装置のどれも、適用される技術に特定的であるため消費者または小売市場で広く受け入れられていない。まず、時間−温度装置は、細菌増殖についてではなく積算温度履歴(integrated temperature history)についての情報のみを提供するので、温度が正しく維持されていたにも関わらず、他の汚染手段を介した食物の細菌負荷が高くなっている可能性がある。ラップ用フィルム装置は一般に細菌と実際に接触することを要し、細菌が外側の食物表面に対して内側にある場合には、食物の内部の細菌負荷が高くてもセンサを作動させない。アンモニアセンサは一般に炭水化物分解ではなくタンパク質分解を検出する。細菌は初めに炭水化物を利用するため、これらのセンサは、海産物を除いたほとんどの正常な適用では感度が低い。
【0007】
さらに、食物物質における細菌検出用の公知の装置および方法は一般に、製造時に装置をパッケージに一体的に組み込む。供給者も消費者も、食品の再包装を伴う監視をし続けることができない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
少なくとも腐敗しやすい食品における細菌の存在を検出するための、装置、食品包装、および関連した方法を提供するのが望ましい。さらに、消費者が、自身が食品を取り扱期間中は細菌の存在を検出するのが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、食品の供給者または購入後に食品を扱っている消費者によって準備された容器またはパッケージにある腐敗しやすい食品中の少なくとも細菌の存在の検出に関する。本発明の実施形態は、食品中または食品上の細菌負荷の定量的測定および細菌の存在の検出を提供する。さらに、センサは誤って食べられても安全に消化される。一部の実施形態には時間−温度性能も含まれ、食物供給プロセスで推奨温度の管理から逸脱したかどうかの追加情報を提供する。消費者が包装した(調理済みまたは非調理)食物も、消費者に食物の鮮度および安全性の目安を与える細菌センサおよび/または時間−温度センサとともに容器(密閉可能な袋またはプラスチック容器など)に保管される。
【0010】
食品媒介疾病の原因となる細菌の存在検出用の本発明の1つのセンサは、ハウジングを完全に貫いて延在する穴を有するハウジングと、穴に取付けられたpH感受性材料とを含んでもよい。pH感受性材料は、環境レベルを超える炭酸ガスのレベルの上昇に反応して視覚的な色変化をもたらすためのpH指示薬を含む。指示薬は細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出し、ここでpH変化は代謝産物の存在に影響を受ける。pH感受性材料は穴に取付けられて、材料の対向する第1および第2の表面が、炭酸ガスのレベルの上昇をモニタおよび感知するためにハウジングが置かれた環境に露出されている。このハウジングには、ハウジングを自由に取外し可能に位置決めするために留め具が装着されていて、pH感受性材料の第1および第2の表面は、環境にある食品のあらゆる隣接する表面または容器の側壁から離間させているので、炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ炭酸ガスは、pH感受性材料の対向する第1および第2の表面上へおよび該表面を通して直接拡散できる。ゆえに、センサがパッケージ材料の側壁に直接取付けられている典型的なケースである、片側のみの感応面ではなく、pH感受性材料の両側面でのガス拡散が達成される。この場合も、センサと包装との間の空間によってガスが自由にpH感受性材料に拡散でき、検出時間が早くなる。
【0011】
一例として、ブロモチモールブルー(Bromothymol Blue)およびメチルオレンジ(Methyl Orange)の混合物を含んでもよいpH感受性材料は、pH感受性材料を通して拡散する炭酸ガスのレベルの上昇により水素イオン濃度が減少し、よってpHが下がる結果として、グリーンからオレンジへの視覚的な色変化をする。pH感受性材料は、アガーなどのゲルを含んでもよく、さらに、0℃未満においてゲル内のあらゆる水分の凍結を防止するために、エチレングリコールまたはグリセロールなどの凍結防止剤を含んでもよい。
【0012】
他の一例として、センサは、第1および第2の材料部分(それぞれ対向する第1の表面と第2の表面との間を延在する)が形成されたpH感受性材料を含んでもよい。第1の材料部分は、基準色を有する緩衝化されたpH指示薬を含んでもよい。第2の材料部分は、初めのpHレベルでは認識可能な基準色を有し、所定のpHレベルで認識可能な注意または警告色に変化してもよい。ここで警告色は、使用者または消費者に注意を喚起するために基準色と視覚的にコントラストをなす。さらに、第1の材料部分は、時間−温度構成要素を含んでもよく、一方第2の材料部分は、pH感受性材料を含む。それぞれまたは両方とも基準材料の基準色、またはハウジング自体の表面と比較される。
【0013】
ハウジングの厚さ寸法は、穴の深さすなわち厚さ、および穴に取付けられたpH感受性材料の対向する第1の表面と第2の表面との間の厚さすなわち距離を定義してもよい。このような定義により、厚さ寸法と有効幅寸法(円柱形状の場合の直径)の1つの好ましい比は、0.003〜0.3の値の範囲であってもよい。他の一例として、材料のpHは、環境レベルの炭酸ガス環境において7〜10の範囲でもよい。
【0014】
センサは、穴内にpH感受性材料を取り囲むためにハウジングに装着される第1および第2のガス透過性カバーを含んでもよく、カバーを通して延在する孔を有するガス透過性膜またはカバーを含んでもよい。孔は、一例としてpH感受性材料の状態を示す説明的な模様を形成してもよい。さらに、カバーは、pH感受性材料のpHレベルを示す所定の色(一例としてグリーンは安全またはオレンジは注意)を有してもよい。同様に、ハウジングは、pH感受性材料の安全な状態を示す初期色を表す色、または危険な状態である可能性を示す最終色を含んでもよい。一例として、ハウジングは、初期色を表すグリーン色を含んでもよい。グリーン色からオレンジ色への色変化は、炭酸ガスのレベルの上昇に起因するかもしれない。
【0015】
センサは、使用者がセンサを取り扱うのに便利なハンドル部分と、pH感受性材料を支持するための穴を有するセンサ部分とを有するハウジングが含まれてもよい。ハウジングに取付けるのに有用な留め具が、テーパハンドル部分を含んでもよく、あるいは食品が保存される容器内にある食品または容器自体に突き刺すためのピンを装着していてもよい。留め具は、一例として、ハウジングのハンドル部分に装着される接着材料を含んでもよい。接着材はベルクロ(Velcro)材料、すなわち接着テープ式の材料などでもよく、それによりpH感受性材料を、一例として容器の側壁、食品、または一般的な食品包装要素など、近くにあるあらゆる表面から離間させて置くように、容器内側の側壁にセンサを取付ける。pH感受性材料の1つの好ましい位置は、容器の下半部分内である。さらに、ハウジングおよびpH指示薬は、人が摂取しても安全な材料で作られている。
【0016】
本発明の一態様は、腐敗しやすい食品中の細菌の存在を検出するための方法を含む。この方法は、パッケージ内に食品を置くステップと、およびパッケージ内にセンサを位置決めするステップとを含む。センサは、細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出するように適合されたpH指示薬を含む。代謝産物の存在によって、pH変化がもたらされる。食品およびハウジングは食品包装内に密閉され、pH感受性材料の視覚的な色変化は、食品の細菌濃度が望ましいレベルを超えていることを示すため、監視される。
【0017】
食品およびセンサは、公知の方法よりもガス拡散が改善され、反応が早く、ゆえに消費者保護により望ましいように、センサのpH感受性材料をパッケージの内部または食品から離間させて直接接触しないようにパッケージ内に密閉されてもよい。
【0018】
本発明の特徴は機構および操作方法両方に関して、更なる目的およびその利点とともに、添付の図面と併せた以下の説明でさらに理解される。本発明の利点および改良点は、添付の図面と併せた以下の説明を読むことでさらに十分に明らかとなる。
【0019】
本発明の実施形態は、本明細書で添付の図面を参照して説明されるが、これは一例として示されるが、本発明の限定の定義を意図するものではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の様々な実施形態が示される添付の図面を参照して以下で本発明より詳細に記載する。しかしながら、本発明を、多くの異なる形態で記載するが、本明細書で説明される実施形態に制限されると解釈されるべきではない。正しくは、これらの実施形態は、この開示が詳細で完全であるように、当業者に本発明の範囲を十分に伝えるために提供される。全体を通して同様な番号は同様な要素を参照する。
【0021】
初めに図1〜5を参照すると、食品媒介疾病の原因となる細菌の存在検出用の本発明の1つのセンサ10は、ハウジングを完全に貫いて延在する穴14を有するハウジング12と、穴に取付けられたpH感受性材料16とを含むものとして記載されてもよい。本明細書で記載される一実施形態では、一例として、pH感受性材料16は、環境レベルを超える炭酸ガスのレベルの上昇に反応して視覚的な色変化をもたらすためのpH指示薬を含む。後述するように、多様な感知材料をセンサ10内に取付けてもよい。本明細書で一例として記載されるpH指示薬では、細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化が検出される。ここでは、pH変化は代謝産物の存在に影響を受ける。pH感受性材料16は穴14に取付けられて、図6を参照してさらに示されているように、pH感受性材料16の対向する第1および第2の表面18、20を、環境の炭酸ガスのレベルの上昇をモニタおよび感知するためにハウジング12が置かれる該環境22に露出させてある。
【0022】
図1〜5を続けて参照すると、ハウジング12には、ハウジングを自由に取外し可能に位置決めするために留め具24を装着して、pH感受性材料16の第1および第2の表面18、20を、環境22にある食品26の表面などのあらゆる隣接する表面または容器30の容器の側壁28から離間させているので、炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ炭酸ガスが、pH感受性材料の対向する第1および第2の表面上へおよび該表面を通して直接拡散できる(図6を参照して再び示される)。ゆえに、センサがパッケージ材料の側壁に直接付着されている場合に典型的なケースである片側のみの感応面ではなく、対向する露出面、pH感受性材料16の表面18、20へのガス拡散が達成される。隙間32すなわちpH感受性材料16と包装(一例として容器30の容器の側壁28)との間の空間、またはここで一例として示されるpH感受性材料と食品26の表面27との間の隙間34によって、ガスが自由にpH感受性材料に拡散できるので、検出時間が早くなる。
【0023】
一例として、pH感受性材料16に関しては、そのような一材料にはブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物が含まれてもよいが、それは、pH感受性材料を通して拡散する炭酸ガスのレベルの上昇により水素イオン濃度が高くなり、よってpHが下がる結果として、グリーンからオレンジへの視覚的な色変化を起こす。他の例では、pH感受性材料16は、赤キャベツやブドウなどの植物から抽出される、食用pH指示薬を含んでもよい。これらの指示薬は不安定な傾向があり、おそらく持続するのは24時間なので、食品の損傷にかかわらず24時間後には色が変わる「一日のみ有効」センサとなってもよく、細菌負荷と鮮度の両方を示してもよい。指示薬の耐用期間を延長する一方法は、40%までのグルコースまたはスクロースを取り入れることによって、酸化および分解の速度を遅らせることである。さらに、pH感受性材料16はアガーなどのゲルを含んでもよく、さらにあらゆる水分の凍結を防止するために、エチレングリコールやグリセロールなどの凍結防止剤を含んでもよく、ゆえに冷凍食品と共に使用することもできる。
【0024】
他の一例として図7を参照して、センサ10は、第1および第2のガス透過性材料部分36、38(それぞれ対向する第1の表面18と第2の表面20との間を延在する)が形成されたpH感受性材料16を含んでもよい。第1の材料部分36は、基準色を有する緩衝化されたpH指示薬を含んでもよい。第2の材料部分38は、初めのpHレベルでは認識可能な基準色を有し、所定のpHレベルで認識可能な注意または警告色に変化してもよい。ここで警告色は、使用者または消費者に注意を喚起するために基準色と視覚的にコントラストをなす。さらに、第1の材料部分36は、時間−温度構成要素を含んでもよく(このセクションで後述する)、一方第2の材料部分38はpH感受性材料16を含んでもよい。それぞれまたは両方とも、基準材料の基準色、またはハウジング12に使用された基準色と比較される。
【0025】
一例として図6を再び参照して、ハウジング12の厚さ寸法40は、穴14の深さすなわち厚さ、ゆえに厚さ42すなわち穴に取付けられたpH感受性材料16の対向する第1の表面18と第2の表面20との間の距離を定義してもよい。このような定義により、厚さ42と有効幅(本明細書で記載される実施形態の直径)の1つの好ましい比は、所定の厚さに対して好ましい露出面積を与えるためには、0.003〜0.3の値の範囲である。他の一例として、材料のpHは、環境レベルの炭酸ガス環境において7〜10の範囲である。
【0026】
図8を参照して、センサ10は、穴14内にpH感受性材料16を取り囲むためにハウジング12に装着される第1および第2のガス透過性カバー42、44を含んでもよい。カバー42、44は、カバーを通して延在する孔45を有するガス透過性膜または不透過性材料を含んでもよい。一例として、孔45はpH感受性材料の状態を示す説明的な模様(すなわち安全性の「S」)を形成してもよい。さらに、カバーは、pH感受性材料のpHレベルを示す所定の色(一例としてグリーンは安全またはオレンジは注意)を有してもよい。同様に、ハウジングは、pH感受性材料の安全な状態を視覚的に示す初期色を表す色、または危険な状態である可能性を示す最終色を含んでもよい。他の一例として、ハウジング12は、初期色を表すグリーン色を含んでもよい。グリーン色からオレンジ色への色変化は、炭酸ガスのレベルの上昇に起因するかもしれない。
【0027】
図1〜5を再び参照して、本明細書で一例として記載されるセンサ10の一実施形態には、使用者がセンサを取り扱うのに便利なハンドル部分46と、pH感受性材料16を支持するための穴14を有する感知材料部分48とを有するハウジング12が含まれてもよい。図10および11を参照して示される一実施形態では、留め具24はテーパ部分50を含んでもよく、または図12を参照して示される他の実施形態では、食品26が保存される容器30内にある食品26に突き刺すためのピン52を装着していてもよい。一例として、留め具24は、ハウジング12のハンドル部分46に装着される接着材料を含んでもよい。図1〜5を再び参照して、接着材料はベルクロ材料、すなわち接着テープ式の材料でもよく、再び参照する図6および8に示されるように、一例として、pH感受性材料16を、容器の側壁28、食品26、または一般的な食品包装要素など、近くにあるあらゆる表面から離間させて置くように、センサ10を容器30内側に取付けてもよい。図6および図13を参照すると、pH感受性材料16の1つの好ましい位置は、容器30の下部または下半部分56内である。さらに、ハウジング12およびpH感受性材料16は、人が摂取しても安全な材料で作られている。
【0028】
センサの実施形態は、吸光度(透過率)、蛍光、または発光に基づいた変化を提供し、その変化は視覚的におよび/または光学機器を使用して、観察可能であることを理解されたい。さらに、本明細書で記載されるpH感受性材料は、固体支持体に化学的にまたは物理的に取付けられてもよい。たとえば、センサは、包装紙などの包装要素に備わる食品パッケージまたは食品を支持するトレー内に位置決めされてもよい。あるいは、pH感受性材料16またはセンサ10を、食品または容器自体に取付けて、本明細書で一例として記載される、容器30などのパッケージ内に、単に置くだけでもよい。実際に、二酸化炭素は空気より重いので、一例として図6を参照して記載されるように、しばしばpH感受性材料16を容器の深部近く、下半分56などに置くのが好ましい。
【0029】
一例として、本明細書で記載されるセンサおよび方法を、指示薬およびハウジングを含む搭載型センサを使用して、肉類、家禽、魚、海産物、果物類、および野菜類など保存期限に敏感なパッケージされた食品の細菌の存在を検出するように適合させてもよい。センサは食品とともに食品パッケージに組み込まれてもよく、実質的に気密となるレベルに密閉される。ある実施形態では、センサを食品との直接接触から離すこと、および/または食品包装内に置かれた個別のまたは組み込まれたセンサを使用して、そのようなパッケージされた食物の鮮度を検出することが有利であると考えられている。
【0030】
予期されるpHシフトとは反対の、予め暴露させた(pre−exposure)の初期pHを有するように構成された水性pH指示薬を含む1つのセンサは、好ましくは一般に食品試料に存在する酸性環境から化学的にまたは物理的に分離されるが、中性ガスからは保護されない。細菌が繁殖すると、代謝産物が生産され、pH指示薬に拡散する。代謝産物は、指示薬におけるpHシフトとして感知される。指示薬が酸を検出するように適合されているとpHが下がり、指示薬がアルカリ性物質を検出するように適合されているとpHが上がる。一般に、CO2を検出するために、pH感受性材料は、pH7超のpHを有し、pKaに応じてpH11という高さであってもよい。
【0031】
例示的な指示薬は、pHが変化すると色が変化するように適合された材料、単に一例として初期pH10.8を有するブロモチモールブルーまたはフェノールレッド、またはクレゾールレッドなどを含む。本発明の一実施形態は、ブロモチモールブルーと約pH7.2の初期pHを有するメチルオレンジの混合物を含む。そのような指示薬は、CO2の存在でグリーン色からオレンジ色へ変化し、その結果、普遍的に受け入れられる、安全および危険それぞれの合図(グリーン/オレンジ)を提供する。例えば、限定されないが、果物や野菜など自然源から得られる赤キャベツ、ウコン、ブドウ、または黒ニンジンの抽出物など、食べられるまたは非毒性pH指示薬が使用されてもよい。そのような指示薬は初期pH約7.8を有してもよい。試験によって、pH指示薬に基づくセンサは、たとえば食品の病原性細菌および非病原性細菌の合計負荷1×107cfu/g以下(ほとんどの食物の最大許容しきい値として、食品安全のオピニオンリーダーが確認したレベル)を検出できることが示された。
【0032】
二酸化炭素は、細菌増殖の一般的な指標として、および試料に存在する細菌の汚染レベルを定量的に推測するために使用されてもよい。周知のように、二酸化炭素は水溶液と接触すると、炭酸を形成するためにpHが下がり、ゆえにpHを二酸化炭素濃度、従って、細菌負荷の指標とする。本明細書で一例として記載される実施形態は、少なくとも107cfu/gのレベルの病原性細菌および非病原性細菌の合計負荷を検出できる。
【0033】
他のタイプのpH指示薬は、アンモニアなどの揮発性有機化合物を含む他の代謝産物濃度を測定する。この実施形態においては、センサは、たとえば塩酸などの酸の添加に影響され、酸範囲の初期pH、一例としてpH4を有する水溶液を含む。アンモニアなどのアルカリ性ガスがセンサに拡散し、アンモニアが水と反応して水酸化アンモニウムを形成し、これが次に溶液のpHを上げる。pHレベルが上がると、相応した指示薬の変化が起こり、それは、検出可能な場合、食物汚染を表す。
【0034】
細菌代謝産物がセンサに拡散する、pH指示薬以外のものも想定できる。あるセンサのこの実施形態では、代謝産物の存在下で、溶液から沈殿する化学薬品を含む。一例として、二酸化炭素が十分に存在すると、水酸化カルシウムセンサは、0.0001〜0.1M濃度の範囲において、観察可能な炭酸カルシウム沈殿物を形成する。
【0035】
いくつかの実施形態において、指示薬の光崩壊を最小限にするために、センサに放射線遮蔽を組み込むことが望ましいかもしれない。限定することを意図しないが、たとえば、紫外線を減衰するために有色染料が組み込まれてもよい。
【0036】
pHレベルの感知に基づいたいくつかのガスセンサに起こりうる不利点としては、一度センサが空気に暴露されると、または食品包装内でpH変化が起こると、センサの色が、以前に安全ではない細菌負荷の可能性を表示していたにも関わらず、食物が「安全」であると示される状態に戻る可能性を含むかもしれないことである。ゆえに場合によっては、変化した状態が非可逆的なセンサを組み込むことが望ましいかもしれない。
【0037】
そのような問題は、センサが望ましく作動する時間に相応した時間で不安定となるセンサ材料を使用することによって克服できる。たとえば、野菜から抽出されたアントロシアニン(anthrocyanine)ベースのpH指示薬は数時間または数日の期間で酸化により崩壊でき、その表示を実質的に不可逆にする。あるいは、沈殿物が消散しない実質的に不可逆的な指示薬を提供する、沈殿する実施形態を、単独でまたは1つ以上の他のセンサと一緒に使用できる。
【0038】
本発明の実施形態は、pHを示す活性を破壊または低下するかもしれない、センサのあらゆる水分の凍結防止のための添加剤を含んでもよい。エチレングリコールまたはグリセロールなどの凍結防止剤が使用されて、食物が冷凍庫に置かれた場合のように、0℃未満での水分の凍結を防止されてもよい。
【0039】
図1および7を再び参照して、本明細書ではpH感受性材料16の円柱の、円盤状の形状が図示されているが、当業者は、限定されないが、円盤状、球状、または長方形を含む複数の形状および形態であってもよいことを理解されよう。本明細書では、いくつかの例で円盤状の要素が示されている。センサへのガス拡散を高めるために材料の厚さと比べた場合に表面積をできる限り多く提供すること、状態の変化時間を最小限にすること、および、それゆえ、感度を最適化することが有利であると考えられているからである。容器の内面または包装材料にフィルムを単に積層することが、一面へのガス拡散速度を制限する。さらに、パッケージと一体型にセンサが形成された場合、使用者はセンサ、または特定のパッケージを含む、望ましい選択をすることができない。
【0040】
今度は図14A〜14Cを参照すると、pH感受性材料16の一般的な作動が示されており、ここでは提供される材料はガス透過性であり、細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出するように適合されている指示薬を含む。変化は代謝産物の存在によってもたらされ、指示薬の観察可能な変化は代謝産物の濃度に相応する。
【0041】
本明細書で一例として記載されるように、食品26を支持するのに使用されるトレー58が、pH感受性材料16を支持するのに使用されてもよい。この実施形態においては、単一のpH感受性材料16が、TPX、TPU、またはPFA(全てCO2ガスに対して透過性がある)などの密閉フィルム62内部60に位置決めされる。複数のpH感受性材料16が使用され得ること、および、包装要素はたとえば、既に図6を参照して既に記載された容器30などの消費者が密閉可能な袋または容器も含んでもよいこと当業者に理解されるだろう。
【0042】
図14A〜14Cを続けて参照すると、一例として、点状の影64は、トレー58と密閉フィルム62で形成されたパッケージ66内に閉じ込められた空気65の代謝産物濃度を初期に感知した、pH感受性材料の初期状態を表す。図14Bを参照して示されるように、時間が経過し保管温度が変化し得るとともに、細菌コロニー68が食品26上および食品中に形成され始め、細菌コロニーはガス状代謝産物70を放出し、それが材料16に拡散する。材料16は代謝産物70の濃度を表示する化学変化を起こす。図14Cで示されるように、化学変化が検出可能な変化を起こすのに十分な場合、斜線の影64’で示され、食品26’の損傷の可能性が示される。これらのパラメータは、所定の代謝産物濃度限度が検出可能であるように測定される感知材料16の各特性に依存する。
【0043】
他の一例として、および図15Aを参照して、感知材料16の一例を、シリコーン材料74に被包された水性pH指示薬72として記載されてもよい。シリコーンは実質的に透明であり、中性ガスに対して透過性があるが、実質的にH+のようなイオンに対して透過性がない。二酸化炭素のような代謝産物がシリコーン材料74に拡散し、pH指示薬72内の溶液まで達する場合、生じるpH変化は、指示薬の色変化など観察可能な変化に反映される。図1を参照して上述したように、pH感受性材料16を装着するためにハウジング12が使用されてもよく、または図14Aを参照して単なる一例として記載されるように、自由にパッケージ66に取付けられてもよい。感知材料16の例示的な形態は、直径およそ2.5cmおよび厚み2〜3mmの薄い円盤を含む。
【0044】
図15Bを参照して示されるように、感知材料16の他の実施形態は、指示薬が実質的に均一に分散されるアガー支持材76を含んでもよい。水性指示薬はアガーに混入され、硬化される。アガーは食べられ、摂取しても安全である。さらに、感知材料16はアガーを含んでもよいし、あるいは上述したように、中性ガスが入るのを許す一方で荷電粒子に対するバリアを提供する、薄いガス透過性フィルム80内にあるシリコーン材料などのプロトン−不透過性材料78でコートされるかまたは覆われる。そのようなものは、密閉可能な容器内で家庭/消費者使用に簡単に用いられてもよい。
【0045】
図15Dを参照して示されるように、pH感受性材料16の他の実施形態は、フィルムや容器など、ガス透過性であるが荷電粒子−不透過性の透明容器84に収容される溶液82中に指示薬を含んでもよい。図1を参照して既に記載されたハウジング12などの支持体が、2つの面18、20にガスの進入口のある構造で容器84を全てまたは一部取り囲んでもよい。さらに、留め具24は、図6を参照して一例として既に記載された、センサ10のハンドル部分46に適用される接着材54を含み、使用者が上述された容器30など容器内側にセンサを位置決めできてもよい。
【0046】
さらに、図15Eを参照して示されるように、pH感受性材料16は、基準媒体88と基準媒体に隣接して位置決めされた指示薬媒体90とを保有する被覆物86を含んでもよい。基準媒体88は、実質的に一定の状態、たとえば、指示薬媒体90の初期状態/色と一致する実質的に不変の色を有する。ゆえに指示薬媒体90の状態が変化すると、基準媒体88の色に対する比較から、変化が明らかとなる。一例として、指示薬媒体90と基準媒体88の相対的な位置決めによって、損傷表示のアイコン、たとえば、普遍的なストップサインまたは他の警告などの望ましい構成が提供されてもよい。そのような相対的な位置決めを達成するために、指示薬媒体90と基準媒体88は単一の材料を含み、被覆物86は、一例として孔を使用してのガス拡散に少なくとも指示薬媒体92の一部が利用できるように位置決めされる、透明プラスチックなどのガスバリアを含む。ゆえに、基準領域はそこから遮蔽されているため、指示薬領域92のみ色が細菌代謝産物生産によって変化する。あるいは、シリコーンまたはアガーなど固体または半固体材料を使用してpH指示薬を固定する場合には、センサは一例として2つの半部分から成ってもよい。半部分の一方は、アルカリ性pHの通常の緩衝化されていないpH指示薬を含んでいてもよい一方で、半部分の他方は、高度に緩衝化された指示薬を含む。二酸化炭素と接触させられると、緩衝化されていないpH指示薬は色が変化する。しかしながら、緩衝化された指示薬は元の色、有用な基準色のままである。
【0047】
図16を参照して示されるように、本発明の他の実施形態は、容器支持体96と、支持体に貼られた流体チューブ98とを含むセンサ94を含んでもよい。食品包装の内側に位置決めされたガス透過性センサハウジングは、第1の容器100と、そこから流体的に分離されている第2の容器102とを含んでもよい。図2Fに描かれる例では、これらの容器100、102は、たとえば、シリコーンまたはプラスチックでできている容器支持体96の実質的に平坦なベースに貼られている「ブリスター」を含み、ブリスター100、102の少なくとも一方は硬くない。流体チューブ98はブリスター100と102との間を延在するが、壊れやすいバリア104を壊して第1のブリスター100と第2のブリスター102との間の流体連通が確立されない限り、および確立されるまで、壊れやすいバリア104はチューブ98を通って流体が出入りするのを阻止するように位置決めされる。
【0048】
第1のブリスター100には、実質的に乾燥した状態のpH指示薬106が位置決めされる。水和状態では、pH指示薬106は、細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出するように適合される。あるいは、pH指示薬は水性の酸性状態(たとえば、pH3)に保たれてもよい。
【0049】
第2のブリスター102には、水和/アルカリ性溶液108が位置決めされる。水和/アルカリ性溶液108は、好ましくは十分なアルカリ度(たとえば、pH10)を有し、それとpH指示薬106との混合物によって、初期pHがアルカリ性範囲の水性pH指示薬がもたらされる。
【0050】
ゆえに、保管中、第1のブリスター100および第2のブリスター102は互いに流体的に分離され、そして、使用時、ブリスターのどちらかに圧力をかけてバリア104を壊し、水和/アルカリ性溶液108とpH指示薬106を混ぜて、pH指示薬106がその意図された機能を果たすことができるようにする。pH指示薬106を乾燥した、または酸性状態に保つ1つの利点は、保存期限が長くなることである。これは、中性pH指示薬などいくつかの指示薬は、露光、酸化、および極限温度下で不安定な傾向にあるからである。
【0051】
図17を参照して示されるセンサ110の他の実施形態は、シリコーンまたはアガー中の指示薬の水溶液112を含んでもよく、かつ上述のように、フィルムや容器など、ガス透過性であるが荷電粒子−不透過性の透明被覆物14に取付けられてもよい。指示薬溶液112は、たとえば水酸化ナトリウムを使用して、たとえばpH10のアルカリ性pHに調製されてもよい。被覆物114は、二酸化炭素116で飽和され、それによりpHが下がり、指示薬溶液112の安定性を上げる。プルタブ118を使用するなどによって被覆物114を開けることで、活性化される。空気への暴露によって二酸化炭素が逃げ、センサ110が効率的に機能するおよそ初期pHまで指示薬溶液112のpHを上げる。
【0052】
図18を参照して示されるように、センサ120の他の実施形態、または図1を参照して上述された感受性材料16は、上述したように細菌代謝産物122に加えて、経時による鮮度、積算温度変化(integrating temperature variation)を追跡する時間−温度積算センサ124を含んでもよい。図16のセンサ94または図1のセンサ10にも、そのようなセンサ120が組み込まれてもよい。このセンサ120は、食品包装の内側に位置決めされるガス透過性被覆物126を含んでもよい。そのような時間−温度積算計124は、食品包装が経験した積算温度履歴を提供する。一例として、多くの酵素が最適に機能するためには、適度なpH、水性の環境、およびおよそ37℃の温度が好ましい。温度が10℃低下するごとに、酵素活性が2分の1低下する。さらに、酵素は比較的4℃で安定する傾向がある。
【0053】
一実施形態においては、時間−温度積算計124は、溶液中に、酵素によって色変化を起こす基質を含んでもよい。4℃では酵素活性はほとんど起こらず、短期間での色変化はほとんどない。しかしながら、高温では酵素活性が著しく増加し、かなりの色変化をもたらす。そのような装置は、食品の損傷の危険が高いことを示す上昇した時間/温度変化の積算手段を提供する。反応速度は、適切な酵素の温度/活性プロフィールを注意深く選択することによって修正してもよい。たとえば、グルコースオキシダーゼなどの酵素を使用して、グルコース酸化を触媒してグルコン酸および過酸化水素を形成してもよく、および適切な指示薬の存在下で、色変化を起こす。過酸化水素は強酸化剤であり、無色から茶色への色変化を起こすジアニシジンなどの色素の指示薬を酸化するのに使用できる。鮮度の度合いに対する積算計124の反応は、センサ120の様々な化学成分および/または物理的構成要素によって調整されてもよい。これによって次には特定使用の要件にセンサを調整できる。
【0054】
図18を続けて参照すると、ガス透過性膜126内に位置決めされた他の例示的な時間−温度積算計124は、酸または二酸化炭素(溶液中で後で炭酸を形成する)の形成に依存する。2つのセンサ122、124が独立して作動すると、細菌増殖の検出および時間−温度積算によって、使用者に2つの異なる情報を提供される。この状況では、センサ91、92のどちらかの色が変化したら、たとえば、食品は摂取に不適格である。これらのセンサ122、124および本明細書で一例として記載されるセンサは、当業者の個々のニーズに合うように要望通り構成され、今や本発明の教示の利益を有することが理解される。
【0055】
時間−温度の環境および細菌代謝産物生産の両方が、腐敗しやすい食品の鮮度、質、および安全性に関する情報を直接的および間接的に提供する。本発明まで、両方の指示薬を単一の付加的センサに組み合わせる方法は利用できなかった。両方の指示薬を単一のセンサまたは感受性材料16に組み合わせることで、上述したようにおよび図7を再び参照して、所定のあらゆる食品に対する鮮度、質、および安全性の総体的な評価が提供され得る。同じ方向のpH変化を経験することで作動すべき両方の指示薬は、より感受性があり正確なセンサを作るのに貢献する。
【0056】
この例において、カクテル溶液128でpH指示薬と組み合わされる、細菌の二酸化炭素センサ構成要素および酵素/基質(時間−温度積算計)構成要素からなるカクテルが調製された。このカクテル溶液128は、たとえば、ガスに対して透過性があるシリコーンを含む容器130内に置かれる。容器130は次に、食品を覆う透明フィルムの内壁に付着されても、代わりに包装の内部空間に置かれてもよく、または図1を参照して既に記載されたように穴14に取付けられてもよい。上述したように、感受性材料16は、食物と直接接触している必要はない。細菌によって産生されるいかなる二酸化炭素も、容器ヘッドスペース全体を透過するからである。二酸化炭素カクテル成分は、弱く緩衝化された溶液からなる。時間−温度指示薬カクテルは、たとえば、リパーゼ酵素とエステル基質とを含む酵素/基質の組み合わせを含む。カクテルには、比較的小さなpH変化に対して大きなスペクトル変化を与える普遍的な指示薬、たとえば、ブロモチモールブルーが添加される。
【0057】
細菌によって産生された二酸化炭素は、透過性容器130を介してカクテル溶液128に拡散し、炭酸を形成し、溶液のpHを下げ、指示薬の色変化をもたらす。時間−温度の環境次第で、酵素はエステル基質を変え、脂肪酸およびアルコールを産生する。産生された脂肪酸は溶液のpHを下げ、指示薬の色変化ももたらす。ゆえにセンサは、同じカクテル溶液128内の両方の指示薬の結果を組み合わせて、加法的な色の反応を作り出す。感受性材料に参照物132を組み込んで、参照物が要望通り機能していることおよび比較参照物として作用していることを示してもよい。
【0058】
他の一例として、図16を参照して記載されるセンサ94の実施形態が使用される場合、組み合わされたpH指示薬成分および酵素/基質成分は乾燥され、第1のブリスター100に位置決めされる。これは、たとえば、天然物を含む不安定なpH指示薬の場合に有利である。
【0059】
例証として、次のように調製されたシリコーンセンサを使用して表1および表2のデータを集めた。5%w/vのブロモチモールブルーを水溶液中で調製した。pHは、濃水酸化ナトリウムを使用してpH10まで上げた。アガーの固まりを55℃に加熱することによって、アガーを調製した。10%v/vのブロモチモールブルーをアガーに添加し、均一になるまで溶液を混合した。アガーを直径1インチの透明容器に深さ2mmまで注ぎ込み、室温で冷却し、濃ブルーの柔軟性のある円盤を形成した。
【0060】
近所の食料雑貨店で得た鶏手羽肉を200mlの密閉可能なプラスチック容器に置き、それぞれ35℃および4℃でインキュベートした。アガー指示薬を調製し、鶏手羽肉に隣接して置いた。次に容器を密閉した。ドレーガー(Drager)チューブを使用して、色が変化したときに、存在する二酸化炭素の割合を測定した。35℃では、2.5時間で指示薬の色変化が最初に観察され、3時間でブルーから淡グリーンへの色変化を含む、著しい色変化が観察された。表1に示される結果は、およそ1×107cfu/gの細菌が検出可能であり、使用者が保存期限に依存する製品の鮮度および質を追跡する手段として使用され得ることを示している。表2のデータは、4℃で保管された鶏手羽肉の対照として提供される。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
前述の説明では、一部の用語が簡潔、明瞭、および理解できるように使用されたが、それにより先行技術の要件を越えた不必要な限定を意味しない。そのような言葉は本明細書で説明のために使用され、広範囲に解釈されることを意図するためである。さらに、本明細書に示され、記載された装置の実施形態は例であり、本発明の範囲は、構成の正確な詳細に限定されない。
【0064】
本発明を記述してきたが、その好ましい実施形態の構成、作動および使用、およびそれにより得られた有利な新しい有用な結果、新しい有用な構成および当業者に明らかなその理にかなった機械的な等価物は、添付の特許請求の範囲で説明される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態の、ハウジングを有するセンサを示す右上斜視図である。ハウジング内の穴には、その色変化を見るためのpH感受性材料が装着されている。
【図2】図1の実施形態の平面図である。
【図3】図1の実施形態の右側面図である。
【図4】図1の実施形態の対向する端面図である。
【図5】図1の実施形態の対向する端面図である。
【図6】隣接する食品および容器の側壁から離間させてハウジングに装着されるpH感受性材料、細菌増殖検出器を示す部分断面図である。
【図7】緩衝化された指示薬および/または時間−温度検出器と組み合わせたpH感受性材料の一実施形態の部分斜視図である。
【図8】穴内にpH感受性材料を取り囲む透過性カバーを含む図1のセンサの代替実施形態を示す部分断面図である。
【図9】図8のカバーの一実施形態の平面図である。
【図10】図1のセンサの代替実施形態の平面図である。
【図11】図1のセンサの代替実施形態の側面図である。
【図12】図1のセンサの代替実施形態を示す部分断面図である。
【図13】容器内に位置決めされている図1のセンサの部分斜視図である。
【図14】図14Aは図式的に細菌増殖検出の時間発展、すなわち、腐敗しやすい食品と一緒に包装されたセンサを示す図である。図14Bは図式的に細菌増殖検出の時間発展、すなわち、食品上で細菌コロニーが増殖し、細菌がガス状代謝産物を放出しているのを示す図である。図14Cは図式的に細菌増殖検出の時間発展、すなわち、pHの低下に反応してセンサによって観察可能な変化が示されるのを示す図である。
【図15】図15Aは細菌増殖検出器の第1の実施形態の上側面斜視図である。図15Bは細菌増殖検出器の第2の実施形態の上側面斜視図である。図15Cは細菌増殖検出器の代替実施形態の上側面斜視図である。図15Dは細菌増殖検出器の代替実施形態の上側面斜視図である。図15Eは細菌増殖検出器の代替実施形態の上側面斜視図である。
【図16】細菌増殖検出器の代替実施形態の上側面斜視図である。
【図17】細菌増殖検出器の代替実施形態上側面斜視図である。
【図18】食物の鮮度の時間−温度積算指示薬を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品媒介細菌の存在検出用センサであって、
ハウジングを完全に貫いて延在する穴を有するハウジングと、
その環境レベルを超える炭酸ガスのレベルの上昇に反応して視覚的な色変化をもたらすためのpH指示薬を含むpH感受性材料であって、前記穴に取付けられ、かつ前記ハウジングの周りの環境に露出されている対向する第1および第2の表面を有するpH感受性材料と、
前記材料の前記対向する第1および第2の表面を、隣接する表面から離間させて取外し可能に置くことによって、前記炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ前記炭酸ガスが、前記pH感受性材料の前記対向する第1および第2の表面上へおよび該表面を通して直接拡散できるようにするための、前記ハウジングに装着された留め具と、
を含む、センサ。
【請求項2】
前記pH感受性材料を通して拡散する前記炭酸ガスのレベルの上昇により水素イオン濃度が減少し、よってpHが下がる結果としてグリーンからオレンジへの色変化が起こる、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記pH感受性材料がブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物を含む、請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記pH感受性材料がゲルを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項5】
前記ゲルがアガーを含む、請求項4に記載のセンサ。
【請求項6】
前記アガーが、透過性シリコーン、TPX、TPU、およびPFAカバーの少なくとも1つに被包される、請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記pH感受性材料が凍結防止剤を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項8】
前記凍結防止剤が、0℃未満においてあらゆる水分の凍結を防止するために、エチレングリコールおよびグリセロールの少なくとも1つを含む、請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記pH感受性材料が、前記対向する第1の表面と第2の表面との間に延在する第1および第2の材料部分を含み、前記第1の材料部分は、基準色を有する緩衝化されたpH指示薬を含み、前記第2の材料部分は、初期pHレベルでは前記基準色を有し、および所定のpHレベルでは警告色に変化し、該警告色は前記基準色と視覚的にコントラストをなす、請求項1に記載のセンサ。
【請求項10】
前記pH感受性材料の厚さ寸法の有効幅寸法に対する比が0.003〜0.03の値の範囲である、請求項1に記載のセンサ。
【請求項11】
前記環境レベルの炭酸ガス環境において前記材料のpHが7〜10の範囲である、請求項1に記載のセンサ。
【請求項12】
前記pH感受性材料、従って前記穴内の前記対向する第1および第2の表面をそれぞれ取り囲む第1および第2のガス透過性カバーをさらに含むセンサであって、該透過性カバーは、それを通して前記炭酸ガスを拡散させる、請求項1に記載のセンサ。
【請求項13】
前記第1および第2のカバーがガス透過性膜を含む、請求項12に記載のセンサ。
【請求項14】
前記ガス透過性カバーが、それを通して延在する複数の孔を有するガス不透過性材料を含む、請求項12に記載のセンサ。
【請求項15】
前記孔が、前記pH感受性材料の状態を示す説明的な模様を形成する、請求項14に記載のセンサ。
【請求項16】
前記カバーが、前記pH感受性材料のpHレベルを示す所定の色を含む、請求項15に記載のセンサ。
【請求項17】
前記ハウジングが、前記pH感受性材料の初期色を表す色を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項18】
前記ハウジングが、前記初期色を表すグリーン色を含み、および前記グリーン色からオレンジ色への色変化は前記炭酸ガスのレベルの上昇の結果生じる、請求項17に記載のセンサ。
【請求項19】
前記pH感受性材料が、ブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物を含む、請求項18に記載のセンサ。
【請求項20】
前記pH感受性材料が、食用材料および食用pH指示薬から形成される、請求項1に記載のセンサ。
【請求項21】
前記食用pH指示薬が、食物抽出物から形成される、請求項20に記載のセンサ。
【請求項22】
前記食物抽出物が、キャベツ、ブドウ、タマネギ、ベリー、花、プラム、およびサクランボからなる食物群から加工される、請求項21に記載のセンサ。
【請求項23】
前記食用pH指示薬がその酸化および分解の速度を低下させるためにグルコースおよびスクロースの少なくとも1つを含む、請求項20に記載のセンサ。
【請求項24】
前記食用pH指示薬の色が細菌増殖および食品の鮮度にかかわらず所定の期間内で変わる、請求項20に記載のセンサ。
【請求項25】
前記ハウジングが、ハンドル部分と、その中に前記穴を有するセンサ部分とを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項26】
前記留め具が食品を突き刺すための前記ハンドル部分に形成されたテーパ部分を含む、請求項25に記載のセンサ。
【請求項27】
前記留め具がそれに装着された接着材料を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項28】
前記接着材料がベルクロを含む、請求項27に記載のセンサ。
【請求項29】
前記留め具が構造物を突き刺すための前記ハウジングに装着されたピンを含み、前記構造物が、食品およびパッケージの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項30】
その内部に食品を保有するための容器をさらに含むセンサであって、前記pH感受性材料の前記第1および第2の表面は、前記ハウジングによって、前記食品および前記容器の表面から離間させて前記容器内に取付けられている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項31】
前記pH感受性材料が前記容器の下半部分内にのみ取付けられている、請求項30に記載のセンサ。
【請求項32】
腐敗しやすい食品中の細菌の存在検出用センサであって、
ハウジングを完全に貫いて延在する穴を有するハウジングと、
少なくとも2つの対向する表面を露出するように前記穴に取付けられたガス透過性材料と、
細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出するための、前記ガス透過性材料に装着されるpH指示薬であって、pH変化が代謝産物の存在の結果生じる、pH指示薬と、
を含む、センサ。
【請求項33】
前記腐敗しやすい食品およびその中に前記ハウジングを収容するような寸法にされた容器をさらに含む、請求項32に記載のセンサ。
【請求項34】
前記pH指示薬がアルカリ性ガスに反応する、請求項32に記載のセンサ。
【請求項35】
前記アルカリ性ガスが前記食品のタンパク質分解の結果生じるアンモニアを含む、請求項34に記載のセンサ。
【請求項36】
前記pH指示薬が酸性ガスに反応する、請求項32に記載のセンサ。
【請求項37】
前記酸性ガスが前記食品の細菌増殖の結果生じる二酸化炭素を含む、請求項36に記載のセンサ。
【請求項38】
前記pH指示薬が、吸光度、蛍光、および発光からなる群から選択される放射変化を示すように適合されている、請求項32に記載のセンサ。
【請求項39】
前記pH指示薬が前記pH変化に相応した色変化をする、請求項38に記載のセンサ。
【請求項40】
前記pH指示薬の色変化との比較に使用するための、前記pH指示薬の近くに保有される基準色をさらに含む、請求項39に記載のセンサ。
【請求項41】
警告アイコンが前記色変化によって形成される、請求項40に記載のセンサ。
【請求項42】
前記ハウジングが前記容器の内側に一時的に取付けられる、請求項32に記載のセンサ。
【請求項43】
前記pH指示薬が水性pH指示薬を含み、前記ハウジングが、そこに前記水性pH指示薬を固定するために、前記穴とともに動作可能な第1および第2のガス透過性カバーをさらに含む、請求項32に記載のセンサ。
【請求項44】
前記第1および第2のカバーが荷電粒子に対して不透過性である、請求項43に記載のセンサ。
【請求項45】
前記カバーが、TPX、PFA、およびTPUフィルムからなる群から選択されるフィルム材料を含む、請求項44に記載のセンサ。
【請求項46】
前記ガス透過性材料が実質的に透明なシリコーンを含み、および前記pH指示薬が、該シリコーンに被包された水性pH指示薬を含む、請求項32に記載のセンサ。
【請求項47】
前記ガス透過性材料が実質的に透明なアガーを含み、および前記pH指示薬が、該アガーとの混合状態で硬化された水性pH指示薬を含む、請求項32に記載のセンサ。
【請求項48】
前記pH指示薬が、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、およびクレゾールレッドの1つを含み、該pH指示薬が、アルカリ性の初期pHを示す初期色を有し、該指示薬は、pHが下がると第2の色に変わる、請求項32に記載のセンサ。
【請求項49】
前記pH指示薬がブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物を含み、該指示薬は、初期の7.2のアルカリ性pHを示すグリーン色を有し、該pH指示薬は、pHが下がるとオレンジ色に変わる、請求項32に記載のセンサ。
【請求項50】
前記ハウジングが、前記容器の内壁から離間させて前記ガス透過性材料を置くために前記容器内に位置決めされて、ガスがガス透過性材料の両側にアクセスし、ゆえにそれを通したガス拡散が早くなり、かつ前記pH指示薬の色変化の反応時間が早くなる、請求項32に記載のセンサ。
【請求項51】
前記pH指示薬の少なくとも一部が、前記代謝産物濃度の変化を検出すると、実質的に非可逆的な状態変化をするように適合されている、請求項32に記載のセンサ。
【請求項52】
食品媒介細菌の存在検出用センサであって、
ハウジングを完全に貫いて延在する穴を有するハウジングと、
細菌増殖の検出用に前記穴内に位置決めされた二酸化炭素指示薬であって、該指示薬は、水酸化カルシウムを含む水溶液を含み、前記ハウジングへの二酸化炭素の注入は検出可能な炭酸カルシウム沈殿物をもたらし、前記指示薬は、前記穴の対向する第1および第2の端部から環境に露出されている、二酸化炭素指示薬と、
を含む、センサ。
【請求項53】
前記穴の対向する前記第1および第2の端部を、隣接する表面から離間させて置くことによって、前記炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ前記炭酸ガスが、前記二酸化炭素指示薬上へおよび該指示薬を通して直接拡散できるようにするための、前記ハウジングに装着される留め具をさらに含む、請求項52に記載のセンサ。
【請求項54】
実質的に透明なシリコーンをさらに含むセンサであって、前記二酸化炭素指示薬は前記シリコーンに被包された水性pH指示薬である、請求項52に記載のセンサ。
【請求項55】
炭素を取り囲む実質的に透明なフィルムおよび実質的に透明な容器をさらに含むセンサであって、前記ハウジングはガス透過性および荷電粒子不透過性である、請求項52に記載のセンサ。
【請求項56】
前記二酸化炭素指示薬が実質的に透明なアガーを含み、該指示薬は、アガーとの混合状態で硬化される、請求項52に記載のパッケージ。
【請求項57】
腐敗しやすい食品中の細菌の存在検出用センサであって、
ガス透過性材料を通してガス拡散に暴露される少なくとも2つの対向する表面を有するガス透過性材料と、
細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出するための、前記ガス透過性材料に装着されるpH指示薬であって、pH変化が代謝産物の存在の結果生じる、pH指示薬と、
を含む、センサ。
【請求項58】
その中に前記腐敗しやすい食品を収容するような寸法にされた容器をさらに含む、請求項57に記載のセンサ。
【請求項59】
前記pH指示薬がアルカリ性ガスに反応する、請求項57に記載のセンサ。
【請求項60】
前記アルカリ性ガスが、前記食品のタンパク質分解の結果生じるアンモニアを含む、請求項59に記載のセンサ。
【請求項61】
前記pH指示薬が酸性ガスに反応する、請求項57に記載のセンサ。
【請求項62】
前記酸性ガスが前記食品の細菌増殖の結果生じる二酸化炭素を含む、請求項61に記載のセンサ。
【請求項63】
前記ガス透過性材料およびpH指示薬が食用材料から形成される、請求項57に記載のセンサ。
【請求項64】
前記pH指示薬が食物抽出物から形成される、請求項63に記載のセンサ。
【請求項65】
前記食物抽出物がキャベツ、ブドウ、タマネギ、ベリー、花、プラム、およびサクランボからなる食物群から加工される、請求項64に記載のセンサ。
【請求項66】
前記pH指示薬がその酸化および分解の速度を低下させるためにグルコースおよびスクロースの少なくとも1つを含む、請求項64に記載のセンサ。
【請求項67】
前記pH指示薬の色が、細菌増殖および食品の鮮度にかかわらず所定の期間内で変わる、請求項66に記載のセンサ。
【請求項68】
腐敗しやすい食品中の細菌の存在を検出するための方法であって、
前記食品をその中に収容するための容器を提供することと、
該容器内に前記食品を置くことと、
その環境レベルを超える炭酸ガスのレベルの上昇に反応して視覚的な色変化をもたらすためのpH指示薬を含むpH感受性材料を提供することと、
前記容器内に前記pH感受性材料を置くことであって、ここで前記pH感受性材料の少なくとも2つの対向する表面を、前記食品および前記容器の壁から離間させることによって、前記炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ前記炭酸ガスが、前記pH感受性材料の少なくとも2つの対向する表面上へおよび該表面を通して直接拡散できることと、
を含む、方法。
【請求項69】
前記pH感受性材料がハウジングに装着されることをさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記ハウジングが、それを通して延在する穴を含み、および前記pH感受性材料が穴に取付けられる、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記pH感受性材料を置くことが、前記容器および前記食品の少なくとも1つに前記ハウジングを固定することを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記固定が、前記ハウジングを取り外し可能に取付けることを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記pH感受性材料の視覚的な色変化をモニタすることと、
視覚的な色変化の結果生じた色を基準色と比較することと、
をさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
グリーンからオレンジへの色変化は、前記pH感受性材料を通して拡散する前記炭酸ガスのレベルの上昇により水素イオン濃度が減少し、よってpHが下がる結果生じる請求項68に記載の方法。
【請求項75】
前記pH感受性材料は、ブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項76】
グリーンからオレンジへの色変化は、前記pH感受性材料を通して拡散する前記炭酸ガスのレベルの上昇により水素イオン濃度が減少し、よってpHが下がる結果生じる、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記容器から前記pH感受性材料を取り除くことと、
前記pH感受性材料を他の容器内に置くことと、
もう一方の容器に他の食品を置くことであって、ここで前記pH感受性材料の少なくとも2つの対向する表面を前記食品およびもう一方の容器の壁から離間させることによって、前記炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ前記炭酸ガスが、前記pH感受性材料の前記少なくとも2つの対向する表面上へおよび該表面を通って直接拡散できることと、
をさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
腐敗しやすい食品中の細菌の存在を検出するための方法であって、
少なくとも2つの対向する表面を有するpH感受性材料を提供することであって、該pH感受性材料が、その環境レベルを超える炭酸ガスのレベルの上昇に反応して視覚的な色変化をもたらすためのpH指示薬を含むことと、
前記二酸化炭素のレベルの上昇に前記pH感受性材料を暴露して、前記ガスが前記少なくとも2つの対向する表面上へおよび該表面を通して拡散されることと、
を含む、方法。
【請求項79】
前記pH感受性材料の前記少なくとも2つの対向する表面を、前記食品から離間させて置くことによって、前記炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ前記炭酸ガスが、前記pH感受性材料の前記少なくとも2つの対向する表面上へおよび該表面を通して直接拡散できるようにすることをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記食品および前記pH感受性材料を容器内に置いて、該容器内のガスの増加を検出することをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記pH感受性材料を前記容器の下半部分内にのみ取付けることをさらに含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
0℃未満においてそこにあらゆる水分の凍結を防止するために、前記pH感受性材料に薬剤を添加することをさらに含む請求項78に記載の方法。
【請求項83】
初期色で表される初期pHレベルを示す基準色を有する緩衝化されたpH指示薬を添加することをさらに含み、ここで
前記pH感受性材料が初期pHレベルでは前記基準色を含み、および所定のpHレベルでは警告色に変わり、該警告色は前記基準色と視覚的にコントラストをなす、請求項78に記載の方法。
【請求項84】
初期色で表される初期pHレベルを示す基準色をさらに含み、ここで
前記pH感受性材料は第1の所定のpHレベルでは前記基準色を含み、および第2の所定のpHレベルでは警告色に変わり、該警告色は基準色と視覚的にコントラストをなす、請求項78に記載の方法。
【請求項85】
ハウジングを提供することと、
前記ハウジングに前記pH感受性材料および前記基準色を装着することと、をさらに含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記ハウジングが前記基準色を表す色を有している、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記ハウジングが前記警告色を表す色を有している、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記ハウジングはグリーン色を有し、および前記炭酸ガスのレベルの上昇の結果、前記グリーン色からオレンジ色への色変化が生じる、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
腐敗しやすい食品中の細菌の存在を検出するための方法であって、
pH指示薬をガス透過性材料に装着することと、
前記材料の少なくとも2つの対向する表面を前記腐敗しやすい食品中の細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度に暴露して、それを通して該ガス状の細菌代謝産物を拡散することと、
前記ガス透過性材料を通して前記ガス状の細菌代謝産物が拡散する結果生じるpH指示薬の色変化を検出することであって、ここで、該変化は前記代謝産物の存在によって生じることと、
を含む、方法。
【請求項90】
前記食品がその中に入った容器に前記ガス透過性材料を置くことをさらに含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記pH指示薬がアルカリ性ガスに反応する、請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記アルカリ性ガスが前記食品のタンパク質分解の結果生じるアンモニアを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記pH指示薬が酸性ガスに反応する、請求項89に記載の方法。
【請求項94】
前記酸性ガスが前記食品の細菌増殖の結果生じる二酸化炭素を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記ガス透過性材料およびpH指示薬を食用材料から形成することをさらに含む、請求項89に記載の方法。
【請求項96】
前記pH指示薬の形成が食物抽出物を加工することを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記加工が、キャベツ、ブドウ、タマネギ、ベリー、花、プラム、およびサクランボからなる食物群から選択することを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
グルコースおよびスクロースの少なくとも1つを前記pH指示薬と混合し、その酸化および分解の速度を低下させることをさらに含む、請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記pH指示薬の色が、細菌増殖および食品の鮮度にかかわらず所定の期間内で変わる、請求項98に記載の方法。
【請求項1】
食品媒介細菌の存在検出用センサであって、
ハウジングを完全に貫いて延在する穴を有するハウジングと、
その環境レベルを超える炭酸ガスのレベルの上昇に反応して視覚的な色変化をもたらすためのpH指示薬を含むpH感受性材料であって、前記穴に取付けられ、かつ前記ハウジングの周りの環境に露出されている対向する第1および第2の表面を有するpH感受性材料と、
前記材料の前記対向する第1および第2の表面を、隣接する表面から離間させて取外し可能に置くことによって、前記炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ前記炭酸ガスが、前記pH感受性材料の前記対向する第1および第2の表面上へおよび該表面を通して直接拡散できるようにするための、前記ハウジングに装着された留め具と、
を含む、センサ。
【請求項2】
前記pH感受性材料を通して拡散する前記炭酸ガスのレベルの上昇により水素イオン濃度が減少し、よってpHが下がる結果としてグリーンからオレンジへの色変化が起こる、請求項1に記載のセンサ。
【請求項3】
前記pH感受性材料がブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物を含む、請求項2に記載のセンサ。
【請求項4】
前記pH感受性材料がゲルを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項5】
前記ゲルがアガーを含む、請求項4に記載のセンサ。
【請求項6】
前記アガーが、透過性シリコーン、TPX、TPU、およびPFAカバーの少なくとも1つに被包される、請求項5に記載のセンサ。
【請求項7】
前記pH感受性材料が凍結防止剤を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項8】
前記凍結防止剤が、0℃未満においてあらゆる水分の凍結を防止するために、エチレングリコールおよびグリセロールの少なくとも1つを含む、請求項7に記載のセンサ。
【請求項9】
前記pH感受性材料が、前記対向する第1の表面と第2の表面との間に延在する第1および第2の材料部分を含み、前記第1の材料部分は、基準色を有する緩衝化されたpH指示薬を含み、前記第2の材料部分は、初期pHレベルでは前記基準色を有し、および所定のpHレベルでは警告色に変化し、該警告色は前記基準色と視覚的にコントラストをなす、請求項1に記載のセンサ。
【請求項10】
前記pH感受性材料の厚さ寸法の有効幅寸法に対する比が0.003〜0.03の値の範囲である、請求項1に記載のセンサ。
【請求項11】
前記環境レベルの炭酸ガス環境において前記材料のpHが7〜10の範囲である、請求項1に記載のセンサ。
【請求項12】
前記pH感受性材料、従って前記穴内の前記対向する第1および第2の表面をそれぞれ取り囲む第1および第2のガス透過性カバーをさらに含むセンサであって、該透過性カバーは、それを通して前記炭酸ガスを拡散させる、請求項1に記載のセンサ。
【請求項13】
前記第1および第2のカバーがガス透過性膜を含む、請求項12に記載のセンサ。
【請求項14】
前記ガス透過性カバーが、それを通して延在する複数の孔を有するガス不透過性材料を含む、請求項12に記載のセンサ。
【請求項15】
前記孔が、前記pH感受性材料の状態を示す説明的な模様を形成する、請求項14に記載のセンサ。
【請求項16】
前記カバーが、前記pH感受性材料のpHレベルを示す所定の色を含む、請求項15に記載のセンサ。
【請求項17】
前記ハウジングが、前記pH感受性材料の初期色を表す色を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項18】
前記ハウジングが、前記初期色を表すグリーン色を含み、および前記グリーン色からオレンジ色への色変化は前記炭酸ガスのレベルの上昇の結果生じる、請求項17に記載のセンサ。
【請求項19】
前記pH感受性材料が、ブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物を含む、請求項18に記載のセンサ。
【請求項20】
前記pH感受性材料が、食用材料および食用pH指示薬から形成される、請求項1に記載のセンサ。
【請求項21】
前記食用pH指示薬が、食物抽出物から形成される、請求項20に記載のセンサ。
【請求項22】
前記食物抽出物が、キャベツ、ブドウ、タマネギ、ベリー、花、プラム、およびサクランボからなる食物群から加工される、請求項21に記載のセンサ。
【請求項23】
前記食用pH指示薬がその酸化および分解の速度を低下させるためにグルコースおよびスクロースの少なくとも1つを含む、請求項20に記載のセンサ。
【請求項24】
前記食用pH指示薬の色が細菌増殖および食品の鮮度にかかわらず所定の期間内で変わる、請求項20に記載のセンサ。
【請求項25】
前記ハウジングが、ハンドル部分と、その中に前記穴を有するセンサ部分とを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項26】
前記留め具が食品を突き刺すための前記ハンドル部分に形成されたテーパ部分を含む、請求項25に記載のセンサ。
【請求項27】
前記留め具がそれに装着された接着材料を含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項28】
前記接着材料がベルクロを含む、請求項27に記載のセンサ。
【請求項29】
前記留め具が構造物を突き刺すための前記ハウジングに装着されたピンを含み、前記構造物が、食品およびパッケージの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のセンサ。
【請求項30】
その内部に食品を保有するための容器をさらに含むセンサであって、前記pH感受性材料の前記第1および第2の表面は、前記ハウジングによって、前記食品および前記容器の表面から離間させて前記容器内に取付けられている、請求項1に記載のセンサ。
【請求項31】
前記pH感受性材料が前記容器の下半部分内にのみ取付けられている、請求項30に記載のセンサ。
【請求項32】
腐敗しやすい食品中の細菌の存在検出用センサであって、
ハウジングを完全に貫いて延在する穴を有するハウジングと、
少なくとも2つの対向する表面を露出するように前記穴に取付けられたガス透過性材料と、
細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出するための、前記ガス透過性材料に装着されるpH指示薬であって、pH変化が代謝産物の存在の結果生じる、pH指示薬と、
を含む、センサ。
【請求項33】
前記腐敗しやすい食品およびその中に前記ハウジングを収容するような寸法にされた容器をさらに含む、請求項32に記載のセンサ。
【請求項34】
前記pH指示薬がアルカリ性ガスに反応する、請求項32に記載のセンサ。
【請求項35】
前記アルカリ性ガスが前記食品のタンパク質分解の結果生じるアンモニアを含む、請求項34に記載のセンサ。
【請求項36】
前記pH指示薬が酸性ガスに反応する、請求項32に記載のセンサ。
【請求項37】
前記酸性ガスが前記食品の細菌増殖の結果生じる二酸化炭素を含む、請求項36に記載のセンサ。
【請求項38】
前記pH指示薬が、吸光度、蛍光、および発光からなる群から選択される放射変化を示すように適合されている、請求項32に記載のセンサ。
【請求項39】
前記pH指示薬が前記pH変化に相応した色変化をする、請求項38に記載のセンサ。
【請求項40】
前記pH指示薬の色変化との比較に使用するための、前記pH指示薬の近くに保有される基準色をさらに含む、請求項39に記載のセンサ。
【請求項41】
警告アイコンが前記色変化によって形成される、請求項40に記載のセンサ。
【請求項42】
前記ハウジングが前記容器の内側に一時的に取付けられる、請求項32に記載のセンサ。
【請求項43】
前記pH指示薬が水性pH指示薬を含み、前記ハウジングが、そこに前記水性pH指示薬を固定するために、前記穴とともに動作可能な第1および第2のガス透過性カバーをさらに含む、請求項32に記載のセンサ。
【請求項44】
前記第1および第2のカバーが荷電粒子に対して不透過性である、請求項43に記載のセンサ。
【請求項45】
前記カバーが、TPX、PFA、およびTPUフィルムからなる群から選択されるフィルム材料を含む、請求項44に記載のセンサ。
【請求項46】
前記ガス透過性材料が実質的に透明なシリコーンを含み、および前記pH指示薬が、該シリコーンに被包された水性pH指示薬を含む、請求項32に記載のセンサ。
【請求項47】
前記ガス透過性材料が実質的に透明なアガーを含み、および前記pH指示薬が、該アガーとの混合状態で硬化された水性pH指示薬を含む、請求項32に記載のセンサ。
【請求項48】
前記pH指示薬が、ブロモチモールブルー、フェノールレッド、およびクレゾールレッドの1つを含み、該pH指示薬が、アルカリ性の初期pHを示す初期色を有し、該指示薬は、pHが下がると第2の色に変わる、請求項32に記載のセンサ。
【請求項49】
前記pH指示薬がブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物を含み、該指示薬は、初期の7.2のアルカリ性pHを示すグリーン色を有し、該pH指示薬は、pHが下がるとオレンジ色に変わる、請求項32に記載のセンサ。
【請求項50】
前記ハウジングが、前記容器の内壁から離間させて前記ガス透過性材料を置くために前記容器内に位置決めされて、ガスがガス透過性材料の両側にアクセスし、ゆえにそれを通したガス拡散が早くなり、かつ前記pH指示薬の色変化の反応時間が早くなる、請求項32に記載のセンサ。
【請求項51】
前記pH指示薬の少なくとも一部が、前記代謝産物濃度の変化を検出すると、実質的に非可逆的な状態変化をするように適合されている、請求項32に記載のセンサ。
【請求項52】
食品媒介細菌の存在検出用センサであって、
ハウジングを完全に貫いて延在する穴を有するハウジングと、
細菌増殖の検出用に前記穴内に位置決めされた二酸化炭素指示薬であって、該指示薬は、水酸化カルシウムを含む水溶液を含み、前記ハウジングへの二酸化炭素の注入は検出可能な炭酸カルシウム沈殿物をもたらし、前記指示薬は、前記穴の対向する第1および第2の端部から環境に露出されている、二酸化炭素指示薬と、
を含む、センサ。
【請求項53】
前記穴の対向する前記第1および第2の端部を、隣接する表面から離間させて置くことによって、前記炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ前記炭酸ガスが、前記二酸化炭素指示薬上へおよび該指示薬を通して直接拡散できるようにするための、前記ハウジングに装着される留め具をさらに含む、請求項52に記載のセンサ。
【請求項54】
実質的に透明なシリコーンをさらに含むセンサであって、前記二酸化炭素指示薬は前記シリコーンに被包された水性pH指示薬である、請求項52に記載のセンサ。
【請求項55】
炭素を取り囲む実質的に透明なフィルムおよび実質的に透明な容器をさらに含むセンサであって、前記ハウジングはガス透過性および荷電粒子不透過性である、請求項52に記載のセンサ。
【請求項56】
前記二酸化炭素指示薬が実質的に透明なアガーを含み、該指示薬は、アガーとの混合状態で硬化される、請求項52に記載のパッケージ。
【請求項57】
腐敗しやすい食品中の細菌の存在検出用センサであって、
ガス透過性材料を通してガス拡散に暴露される少なくとも2つの対向する表面を有するガス透過性材料と、
細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度の変化を検出するための、前記ガス透過性材料に装着されるpH指示薬であって、pH変化が代謝産物の存在の結果生じる、pH指示薬と、
を含む、センサ。
【請求項58】
その中に前記腐敗しやすい食品を収容するような寸法にされた容器をさらに含む、請求項57に記載のセンサ。
【請求項59】
前記pH指示薬がアルカリ性ガスに反応する、請求項57に記載のセンサ。
【請求項60】
前記アルカリ性ガスが、前記食品のタンパク質分解の結果生じるアンモニアを含む、請求項59に記載のセンサ。
【請求項61】
前記pH指示薬が酸性ガスに反応する、請求項57に記載のセンサ。
【請求項62】
前記酸性ガスが前記食品の細菌増殖の結果生じる二酸化炭素を含む、請求項61に記載のセンサ。
【請求項63】
前記ガス透過性材料およびpH指示薬が食用材料から形成される、請求項57に記載のセンサ。
【請求項64】
前記pH指示薬が食物抽出物から形成される、請求項63に記載のセンサ。
【請求項65】
前記食物抽出物がキャベツ、ブドウ、タマネギ、ベリー、花、プラム、およびサクランボからなる食物群から加工される、請求項64に記載のセンサ。
【請求項66】
前記pH指示薬がその酸化および分解の速度を低下させるためにグルコースおよびスクロースの少なくとも1つを含む、請求項64に記載のセンサ。
【請求項67】
前記pH指示薬の色が、細菌増殖および食品の鮮度にかかわらず所定の期間内で変わる、請求項66に記載のセンサ。
【請求項68】
腐敗しやすい食品中の細菌の存在を検出するための方法であって、
前記食品をその中に収容するための容器を提供することと、
該容器内に前記食品を置くことと、
その環境レベルを超える炭酸ガスのレベルの上昇に反応して視覚的な色変化をもたらすためのpH指示薬を含むpH感受性材料を提供することと、
前記容器内に前記pH感受性材料を置くことであって、ここで前記pH感受性材料の少なくとも2つの対向する表面を、前記食品および前記容器の壁から離間させることによって、前記炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ前記炭酸ガスが、前記pH感受性材料の少なくとも2つの対向する表面上へおよび該表面を通して直接拡散できることと、
を含む、方法。
【請求項69】
前記pH感受性材料がハウジングに装着されることをさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記ハウジングが、それを通して延在する穴を含み、および前記pH感受性材料が穴に取付けられる、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記pH感受性材料を置くことが、前記容器および前記食品の少なくとも1つに前記ハウジングを固定することを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項72】
前記固定が、前記ハウジングを取り外し可能に取付けることを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記pH感受性材料の視覚的な色変化をモニタすることと、
視覚的な色変化の結果生じた色を基準色と比較することと、
をさらに含む、請求項68に記載の方法。
【請求項74】
グリーンからオレンジへの色変化は、前記pH感受性材料を通して拡散する前記炭酸ガスのレベルの上昇により水素イオン濃度が減少し、よってpHが下がる結果生じる請求項68に記載の方法。
【請求項75】
前記pH感受性材料は、ブロモチモールブルーとメチルオレンジの混合物を含む、請求項68に記載の方法。
【請求項76】
グリーンからオレンジへの色変化は、前記pH感受性材料を通して拡散する前記炭酸ガスのレベルの上昇により水素イオン濃度が減少し、よってpHが下がる結果生じる、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記容器から前記pH感受性材料を取り除くことと、
前記pH感受性材料を他の容器内に置くことと、
もう一方の容器に他の食品を置くことであって、ここで前記pH感受性材料の少なくとも2つの対向する表面を前記食品およびもう一方の容器の壁から離間させることによって、前記炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ前記炭酸ガスが、前記pH感受性材料の前記少なくとも2つの対向する表面上へおよび該表面を通って直接拡散できることと、
をさらに含む、請求項76に記載の方法。
【請求項78】
腐敗しやすい食品中の細菌の存在を検出するための方法であって、
少なくとも2つの対向する表面を有するpH感受性材料を提供することであって、該pH感受性材料が、その環境レベルを超える炭酸ガスのレベルの上昇に反応して視覚的な色変化をもたらすためのpH指示薬を含むことと、
前記二酸化炭素のレベルの上昇に前記pH感受性材料を暴露して、前記ガスが前記少なくとも2つの対向する表面上へおよび該表面を通して拡散されることと、
を含む、方法。
【請求項79】
前記pH感受性材料の前記少なくとも2つの対向する表面を、前記食品から離間させて置くことによって、前記炭酸ガスがその辺を自由に動くことができ、かつ前記炭酸ガスが、前記pH感受性材料の前記少なくとも2つの対向する表面上へおよび該表面を通して直接拡散できるようにすることをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記食品および前記pH感受性材料を容器内に置いて、該容器内のガスの増加を検出することをさらに含む、請求項78に記載の方法。
【請求項81】
前記pH感受性材料を前記容器の下半部分内にのみ取付けることをさらに含む、請求項80に記載の方法。
【請求項82】
0℃未満においてそこにあらゆる水分の凍結を防止するために、前記pH感受性材料に薬剤を添加することをさらに含む請求項78に記載の方法。
【請求項83】
初期色で表される初期pHレベルを示す基準色を有する緩衝化されたpH指示薬を添加することをさらに含み、ここで
前記pH感受性材料が初期pHレベルでは前記基準色を含み、および所定のpHレベルでは警告色に変わり、該警告色は前記基準色と視覚的にコントラストをなす、請求項78に記載の方法。
【請求項84】
初期色で表される初期pHレベルを示す基準色をさらに含み、ここで
前記pH感受性材料は第1の所定のpHレベルでは前記基準色を含み、および第2の所定のpHレベルでは警告色に変わり、該警告色は基準色と視覚的にコントラストをなす、請求項78に記載の方法。
【請求項85】
ハウジングを提供することと、
前記ハウジングに前記pH感受性材料および前記基準色を装着することと、をさらに含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記ハウジングが前記基準色を表す色を有している、請求項85に記載の方法。
【請求項87】
前記ハウジングが前記警告色を表す色を有している、請求項85に記載の方法。
【請求項88】
前記ハウジングはグリーン色を有し、および前記炭酸ガスのレベルの上昇の結果、前記グリーン色からオレンジ色への色変化が生じる、請求項85に記載の方法。
【請求項89】
腐敗しやすい食品中の細菌の存在を検出するための方法であって、
pH指示薬をガス透過性材料に装着することと、
前記材料の少なくとも2つの対向する表面を前記腐敗しやすい食品中の細菌増殖を示すガス状の細菌代謝産物濃度に暴露して、それを通して該ガス状の細菌代謝産物を拡散することと、
前記ガス透過性材料を通して前記ガス状の細菌代謝産物が拡散する結果生じるpH指示薬の色変化を検出することであって、ここで、該変化は前記代謝産物の存在によって生じることと、
を含む、方法。
【請求項90】
前記食品がその中に入った容器に前記ガス透過性材料を置くことをさらに含む、請求項89に記載の方法。
【請求項91】
前記pH指示薬がアルカリ性ガスに反応する、請求項89に記載の方法。
【請求項92】
前記アルカリ性ガスが前記食品のタンパク質分解の結果生じるアンモニアを含む、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記pH指示薬が酸性ガスに反応する、請求項89に記載の方法。
【請求項94】
前記酸性ガスが前記食品の細菌増殖の結果生じる二酸化炭素を含む、請求項93に記載の方法。
【請求項95】
前記ガス透過性材料およびpH指示薬を食用材料から形成することをさらに含む、請求項89に記載の方法。
【請求項96】
前記pH指示薬の形成が食物抽出物を加工することを含む、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記加工が、キャベツ、ブドウ、タマネギ、ベリー、花、プラム、およびサクランボからなる食物群から選択することを含む、請求項96に記載の方法。
【請求項98】
グルコースおよびスクロースの少なくとも1つを前記pH指示薬と混合し、その酸化および分解の速度を低下させることをさらに含む、請求項96に記載の方法。
【請求項99】
前記pH指示薬の色が、細菌増殖および食品の鮮度にかかわらず所定の期間内で変わる、請求項98に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公表番号】特表2007−528733(P2007−528733A)
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502780(P2007−502780)
【出願日】平成16年3月15日(2004.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/008172
【国際公開番号】WO2005/095635
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(506309098)フレッシュサート・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年3月15日(2004.3.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/008172
【国際公開番号】WO2005/095635
【国際公開日】平成17年10月13日(2005.10.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VELCRO
【出願人】(506309098)フレッシュサート・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】
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