説明

食器ケース用除菌装置

【課題】既存の食器ケースに適用して食器ケース内の箸等の食器の除菌、ウィルス除去及び消臭を行うことができる食器ケース用除菌装置を提供する。
【解決手段】食器ケース用除菌装置1を両面テープによって箸ケース41の開閉蓋に取り付ける。また箸ケース41の底板上にも食器ケース用除菌装置1を取り付ける。洗浄して再使用できる箸Cを箸ケース41に収容し、箸ケース41の開閉蓋を閉じておく。除菌剤パック31は収容ケース3によって箸ケース41内に支持される。上側の食器ケース用除菌装置1の除菌剤パック31から発生した除菌剤は、穴19を通過し、下方へ向かって箸ケース41内に拡散する。下側の食器ケース用除菌装置1の除菌剤パック31から発生した除菌剤は、穴19を通過し、上方へ向かって箸ケース41内に拡散する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は食器ケース用除菌装置に係り、特に多数の箸等の食器を収容して飲食店のテーブル等に設置される箸ケース等の食器ケースに取り付けて使用する食器ケース用除菌装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年はエコロジーに対する関心が高まっており、とりわけ地球温暖化防止の観点から森林破壊防止が叫ばれている。そこで、主に飲食店において使用されている割り箸の代わりに洗浄して再使用できるプラスチック製等の箸の使用が推進されている。そこで、特許文献1に記載された食器ケースが考案されている。
特許文献1に記載された食器ケースは、本体ケースの仕切り部を境にして食器収容部と除菌剤収容部が設けられている。そして、除菌剤収容部に備えられたマットに浸み込んだ除菌剤が少しずつ気化して小孔を通過し、食器収容部へ流入して、食器収容部内の箸の除菌、ウィルス除去及び消臭が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−213552号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の食器ケースは、本体ケースに除菌剤収容部を設ける等した言わば特別な構造のものであり、既存の食器ケースには適用することはできないという問題がある。
本発明は上記従来の問題点に着目して為されたものであり、既存の食器ケースに適用して食器ケース内の箸等の食器の除菌、ウィルス除去及び消臭を行うことができる食器ケース用除菌装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、請求項1の発明は、除菌剤を発生する除菌剤発生体と、前記除菌剤発生体を食器ケース内に支持する除菌剤発生体支持手段とからなることを特徴とする食器ケース用除菌装置である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載した食器ケース用除菌装置において、除菌剤発生体支持手段は除菌剤発生体を収容でき、多数の穴が形成された収容ケースと、前記収容ケースを食器ケース内に固定する固定手段とからなることを特徴とする食器ケース用除菌装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の食器ケース用除菌装置によれば、既存の食器ケースに適用して食器ケース内の箸等の食器の除菌、ウィルス除去及び消臭を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1に係る食器ケース用除菌装置の斜視図である。
【図2】図1の食器ケース用除菌装置の使用状態を示す側断面図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係る食器ケース用除菌装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施の形態1に係る食器ケース用除菌装置1を図1と図2にしたがって説明する。
図1において符号3は除菌剤発生体支持手段としての収容ケースを示し、この収容ケース3はケース本体5、蓋7及びヒンジ8によって構成されている。蓋7はヒンジ8を介してケース本体5に開閉自在に取り付けられている。ケース本体5は底板9と側板11から成り、また蓋7は天板15と側板17から成っている。
【0010】
ケース本体5の側板11、蓋7の天板15及び側板17には、多数の穴19が形成されている。またケース本体5の開口周りの縁には嵌合凹部21が形成されており、蓋7の開口周りの縁には、嵌合凹部21に嵌合する嵌合凸部23が形成されている。
【0011】
符号31は除菌剤発生体としての除菌剤パックを示し、この除菌剤パック31は除菌剤を含有するゲル状体と、このゲル状体を包む包装材から成っている。除菌剤としては例えば二酸化塩素ガス溶存液が使用される。除菌剤はゲル状体から徐々に放出して、包装材を通過して除菌剤パック31の外部へ放散されるようになっている。
符号41は食器ケースとしての箸ケースを示し、この箸ケース41は多数の箸Cを収容して飲食店のテーブル等に設置される既存のものである。
【0012】
次に、食器ケース用除菌装置1の使用方法について説明する。
本実施の形態1では、後述するように二つの食器ケース用除菌装置1を箸ケース41に取り付ける。
ケース本体5に除菌剤パック31を入れる。そして蓋7を閉じる方向に回動させ、嵌合凸部23を嵌合凹部21に嵌合させて、蓋7を閉じた状態に保持する。これにより除菌剤パック31が収容ケース3に収容される。
【0013】
そして、収容ケース3の背面、即ち図1において底板9の見えている面の側とは反対側の面に図示しない両面テープの一方の面を貼付し、この両面テープの他方の面を箸ケース41の開閉蓋の内面に貼付する。これにより食器ケース用除菌装置1が両面テープを介して箸ケース41の開閉蓋に取り付けられる。
また、箸ケース41の底板上にも食器ケース用除菌装置1を上記と同様にして取り付ける。
【0014】
そして、洗浄して再使用できる箸Cを箸ケース41に収容し、箸ケース41の開閉蓋を閉じておく(図2参照)。この状態では、除菌剤パック31は収容ケース3によって箸ケース41内に支持される。
図2において上側の食器ケース用除菌装置1の除菌剤パック31から発生した除菌剤は、穴19を通過し、下方へ向かって箸ケース41内に拡散する。また下側の食器ケース用除菌装置1の除菌剤パック31から発生した除菌剤は、穴19を通過し、上方へ向かって箸ケース41内に拡散する。そして、箸ケース41内の箸Cの除菌、ウィルス除去及び消臭が行われ、箸Cだけでなく箸ケース41の内部も清潔に保たれることになる。
【0015】
このように食器ケース用除菌装置1を箸ケース41に取り付けて、即ち、食器ケース用除菌装置1を既存の箸ケース41に適用して、箸ケース41内の箸Cの除菌、ウィルス除去及び消臭を行うことができる。
また、箸ケース41の開閉蓋と箸ケース41の底板上とに食器ケース用除菌装置1をそれぞれ取り付けているので、箸ケース41内の箸Cに対し、その箸Cを挟んで上下両側から除菌剤が当たることとなる。従って、箸Cを満遍なく除菌等することができる。
【0016】
箸Cを使用する者は、箸ケース41の開閉蓋を開いて箸ケース41に収容されている箸Cを取り出す。この際に指が取り出す箸C以外の箸Cや箸ケース41の内面に触れても、上記した除菌剤の作用によって、箸ケース41内の箸C、箸ケース41の内面が清潔に保たれることになる。従って、箸Cは箸ケース41に収容してから使用されるまでの間、清潔な状態を確実に保つことができるようになる。また、箸ケース41に食器ケース用除菌装置1を取り付けることによって箸Cの使用者に対して清潔感や安心感を与えることができる。
【0017】
除菌剤パック31は除菌剤が完全に無くなる前に定期的に交換する。除菌剤パック31を交換する場合には、収容ケース3の蓋7を開けて、除菌剤パック31を収容ケース3から取り出し、そして、新しい除菌剤パック31を前述と同様にして収容ケース3に収容する。
【0018】
次に、実施の形態2に係る食器ケース用除菌装置51を図3にしたがって説明する。
実施の形態2に係る食器ケース用除菌装置51は、実施の形態1に係る食器ケース用除菌装置1と同様の構成部分を有するので、食器ケース用除菌装置1と同様の構成部分については、同じ符号を付すことで説明を省略する。
図3(a)において符号55は取付ベースを示し、この取付ベース55の前面には4つの係合突起57が設けられている。
また、ケース本体5の底板9には、4つの係合突起57に対応する4つの穴59が形成されている。
固定手段は取付ベース55と係合突起57によって構成されている。
除菌剤発生体支持手段は、収容ケース3と上記固定手段によって構成されている。
【0019】
食器ケース用除菌装置51を使用する場合には、取付ベース55の背面に図示しない両面テープの一方の面を貼付し、この両面テープの他方の面を箸ケース41の開閉蓋の内面に貼付する。これにより取付ベース55が両面テープを介して箸ケース41の開閉蓋に取り付けられる。
そして、4つの穴59を4つの係合突起57に対向させて、収容ケース3を取付ベース55に向かって押し付ける。すると穴59に係合突起57が挿通されて、図3(B)に示すように係合突起57の先端部が穴59の周りの縁に係合する。これにより収容ケース3が係合突起57と取付ベース55を介して箸ケース41の開閉蓋に取り付けられる。
上記したように係合突起57の先端部が穴59の周りの縁に係合しているので、箸ケース41の開閉蓋を閉じた状態では、収容ケース3は取付ベース55と係合突起57によって箸ケース41内に固定される。
【0020】
除菌剤パック31を新しいものと交換方法は、実施の形態1に係る食器ケース用除菌装置1と同様である。
【0021】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
上記実施の形態1、2では、食器ケース用除菌装置1、51を箸ケース41に取り付けたが、食器ケース用除菌装置1、51を、フォークケースや茶碗ケース等の食器ケースに取り付けてもよい。
また、除菌剤として二酸化塩素ガス溶存液だけでなく、アルコール等の他の除菌剤を使用してもよいのは勿論である。更に、除菌剤はゲル状のものに限定されず、液体や固体のものを使用してもよいが、長期間にわたり除菌を行うことができるものが望ましい。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明の食器ケース用除菌装置は外食産業をはじめとして、飲食物を提供する産業において広く利用することができる。
【符号の説明】
【0023】
1…食器ケース用除菌装置 3…収容ケース 5…ケース本体
7…蓋 8…ヒンジ 9…底板
11…側板 15…天板 17…側板
19…穴 21…嵌合凹部 23…嵌合凸部
31…除菌剤パック 41…箸ケース
51…食器ケース用除菌装置 55…取付ベース
57…係合突起 59…穴
C…箸

【特許請求の範囲】
【請求項1】
除菌剤を発生する除菌剤発生体と、前記除菌剤発生体を食器ケース内に支持する除菌剤発生体支持手段とからなることを特徴とする食器ケース用除菌装置。
【請求項2】
請求項1に記載した食器ケース用除菌装置において、除菌剤発生体支持手段は除菌剤発生体を収容でき、多数の穴が形成された収容ケースと、前記収容ケースを食器ケース内に固定する固定手段とからなることを特徴とする食器ケース用除菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−147540(P2011−147540A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10153(P2010−10153)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(394005812)株式会社エム・アイ・ケー (3)
【出願人】(306023602)株式会社エスエヌシ− (5)
【Fターム(参考)】