説明

食器洗浄機付きシンク

【課題】スペース効率とキッチンワークの効率を向上できる食器洗浄機付きシステムキッチンを提供する。
【解決手段】シンク槽9を、仕切板19でシンク専用領域9Aと、シンクと食器洗浄機との共用領域9Bとに区分し、共用領域9B内に食器類22を収容する。そして、共用領域9B上に洗剤液の飛散防止用カバー21を装着し、この共用領域9B内に洗浄機ユニット14の洗浄ノズル16からノズル用開口12を介して洗剤液を噴射して食器類22を洗浄する。食器洗浄機を使用しないときには、ノズル蓋11でノズル用開口12を封止し、専用領域9Aと共用領域9Bをシンク槽9として使用する。シンク槽9の一部を食器洗浄機の洗浄槽として利用することでスペース効率を向上でき、シンク槽9内で食器類22を洗浄することで食器類22の移動距離を短くしてキッチンワークの効率も向上できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シンク槽の一部を食器洗浄機の洗浄槽として利用する、食器洗浄機付きシンクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年において、食器洗浄機は、洗い物をする時間が省略できるだけでなく、洗浄から除菌や乾燥までを全自動で処理するために衛生的であること、また、手洗いよりもきれいに洗えて節水もできること、更には、深夜電力を利用すればランニングコストも比較的安く済むこと等の理由により普及が進んでいる。
【0003】
この食器洗浄機は、例えば、据置型(卓上型)とビルトイン型に大別できる。据置型の食器洗浄機は、安価で設置場所の自由度が高く、設置工事も容易であるが、新たに設置場所を確保する必要があり、調理台の上等に設置すると、キッチンワークのスペースが減少する傾向がある。
【0004】
一方、ビルトイン型の食器洗浄機は、据置型に比べて高価で設置場所に制限があり、設置工事にも期間とコストがかかるが、システムキッチンに組み込まれることから、キッチンに一体感が生まれ、デザイン性が高く、機能性や快適性を有する点においても人気がある。
【0005】
このようなビルトイン型の食器洗浄機付きシステムキッチンは、例えば、特許文献1に記載されているように、キッチンカウンタ下に引き出し式の収納部や開き戸式の収納部等のシステムキッチン構築物を設け、キッチンカウンタ下に電子レンジやオーブンレンジと共に食器洗浄機を組み込むのが一般的な設置形態である。そして、食器洗浄機の洗浄槽を前後に進退移動させて、食器類を出し入れするようになっている。
【0006】
また、例えば、特許文献2には、システムキッチンのトップカウンタに流し台と食器洗浄機を隣接して設け、食器洗浄機上に跳ね上げ式の蓋体を設けることで、蓋体の上面を調理スペースとして活用するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−19731号公報
【特許文献2】特開2000−93380号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記したような従来のビルトイン型の食器洗浄機は、専有面積が大きいため、調理台や流し台を通常の大きさにするとシステムキッチンの大型化を招いたり、収納スペースを犠牲にしなければならないという課題がある。
【0009】
また、食器洗浄機の洗浄槽を前後に進退移動させて食器類を出し入れする構造においては、食器類の出し入れのために手前側に十分なスペースが必要であり、狭い台所では使い勝手が悪くなっていた。
【0010】
しかも、食器類の移動距離も長くなるため、無駄な動きが多くなり、キッチンワークの効率も低下していた。
【0011】
更に、食器洗浄機上に跳ね上げ式の蓋体を設ける構造においては、蓋体の上面を調理スペースとして活用でき、スペース効率の点で有利であるものの、食器洗浄機を使用する際には、蓋体上面を片付けなければならず、この点において必ずしも使い勝手が良くなかった。
【0012】
そこで、本発明は、如上のような従来存した諸事情に鑑み創出されたもので、スペース効率とキッチンワークの効率を向上できる、食器洗浄機付きシステムキッチンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る食器洗浄機付きシンクにおいては、シンク槽を、シンク専用領域と、シンクと食器洗浄機との共用領域とに区分する仕切板と、前記シンク槽の前記共用領域に設けられたノズル用開口と、前記共用領域内に収容された洗浄対象の食器類を、前記ノズル用開口を介して洗浄ノズルから洗剤液を噴射して洗浄する洗浄機ユニットと、この洗浄機ユニットで食器類を洗浄する際に、前記シンク槽の共用領域上に装着されて洗剤液の飛散を防止する飛散防止用カバーと、前記共用領域をシンク槽として使用する際に、前記ノズル用開口を封止するノズル蓋とを具備し、前記シンク槽の一部を食器洗浄機の洗浄槽として利用することで、上述した課題を解決した。
【0014】
また、前記ノズル用開口から温風を送風して、洗浄した食器類を乾燥させるヒータユニットを更に具備することで、同じく上述した課題を解決した。
【0015】
加えて、前記シンク槽は、前記シンク専用領域と前記共用領域との境界に設けられた受け溝を備え、前記仕切板は食器類を洗浄する際に前記受け溝内に挿入され、前記シンク槽を前記シンク専用領域と前記共用領域とに区分することで、同じく上述した課題を解決した。
【0016】
また、前記シンク槽の前記共用領域内に収容される食器カゴを更に具備することで、同じく上述した課題を解決した。
【0017】
この他、前記ノズル蓋は、前記ノズル用開口に着脱自在に装着されることで、同じく上述した課題を解決した。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る食器洗浄機付きシンクにおいては、シンク槽の一部(共用領域)を、食器洗浄機の洗浄槽として利用できるので、システムキッチンにおける食器洗浄機の専有面積を小さくして、スペース効率を向上できる。
【0019】
また、食器洗浄機を使用しないときには、大きなシンクとして使用可能であり、使い勝手が良い。
【0020】
しかも、シンク槽内で食器類を洗浄するので、食器類の移動距離を短くして無駄な動きを軽減できるため、キッチンワークの効率を向上できる。
【0021】
更に、食器洗浄機による食器類の洗浄中に、シンク槽の一部(シンク専用領域)に水を溜めて、その水の中に食器類を入れることにより、シンク槽の一部(シンク専用領域)を、食器洗浄機に食器類を収容する前の予備洗浄領域として活用することができる。
【0022】
また、食器類の予備洗浄を終えた場合には、食器類をそのまま食器洗浄機側(共用領域)に移動させれば良いので、食器類の移動距離を最小限にすることができる。
【0023】
しかも、濡れた食器類の移動を、シンク槽内のみで済ませることができるので、この点からもキッチンワークの効率を向上できる。
【0024】
加えて、ノズル用開口を利用してヒータユニットから温風を送風することにより、シンク槽に専用の送風口を設けることなく食器類を乾燥できる。
【0025】
また、シンク槽に受け溝を形成して仕切板を挿入することにより、簡単な操作で容易に仕切板を着脱できる。この受け溝内に挿入された仕切板により、シンク槽を、シンク専用領域と前記共用領域とに区分することが可能となる。更に、仕切板が受け溝内に挿入されるので、区分されたシンク槽の水密性を高めることができる。
【0026】
この他、食器カゴは、食器類の予備洗浄時にも使用できる上、食器カゴを共用領域にセットした状態で、シンク専用領域で洗いながら直接入れることもできる。
【0027】
そして、食器洗浄機を使用しないときには、食器カゴは食器類の収納に利用することができ、食卓からの片付け時等にも利用できる。
【0028】
この他、ノズル蓋を着脱自在に構成すれば、単純な構造且つ簡単な操作により、共用領域をシンクと食器洗浄機の洗浄槽に切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る食器洗浄機付きシンクにおける、流し台と調理台を示すもので、食器洗浄機を使用していないときの状態を示す断面図である。
【図2】本発明に係る食器洗浄機付きシンクの外観斜視図である。
【図3】本発明に係る食器洗浄機付きシンクにおいて、食器洗浄機を使用する際の第1の準備工程を説明するための外観斜視図である。
【図4】本発明に係る食器洗浄機付きシンクにおいて、食器洗浄機を使用する際の第2の準備工程を説明するための外観斜視図である。
【図5】本発明に係る食器洗浄機付きシンクにおいて、食器洗浄機を使用する際の第3の準備工程を説明するための外観斜視図である。
【図6】本発明に係る食器洗浄機付きシンクにおいて、食器洗浄機を使用する際の第4の準備工程を説明するための外観斜視図である。
【図7】本発明に係る食器洗浄機付きシンクにおける、食器洗浄機の使用状態を示す外観斜視図である。
【図8】図7に示した食器洗浄機付きシンクの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に、本発明を実施するための形態を、図面を参照して説明する。
【0031】
図1は、本発明に係る食器洗浄機付きシンク1における、流し台3と調理台4の断面構成を示しており、食器洗浄機を使用してしないときの状態を示している。図2は、図1に示した食器洗浄機付きシンク1の外観斜視図である。
【0032】
図1及び図2では、食器洗浄機付きシンク1に関係する要部、即ち流し台3と調理台4の周辺のみを抽出して示しており、ガスやIHクッキングヒータ等の調理器具、レンジフード、及び電子レンジやオーブンレンジ等は省略している。
【0033】
図2に示すように、食器洗浄機付きシンク1を備えているシステムキッチンのワークトップ2には、流し台3、調理台4及び混合水栓5等が設けられており、キッチンカウンタ下に、引き出し式の収納部6や開き戸式の収納部7が設けられている。
【0034】
また、このキッチンカウンタ下の化粧面材上部には、電源スイッチ、スタート/一時停止スイッチ、食器の量や汚れの度合いに応じた洗浄コースを選択するための選択ボタン、動作状態や洗浄コースを表示する表示部等が配置された操作パネル8が設けられている。
【0035】
上記流し台3におけるシンク槽9の底部には、排水口10とノズル用開口12が設けられており、ノズル用開口12には、食器洗浄機を使用する際に外されるノズル蓋11が装着されて封止されている。
【0036】
このノズル蓋11は、シンク槽9の底部に形成されたノズル用開口12にねじ込みや嵌め込みにより着脱自在に設けられており、その外周部には、シール部材や蓋体用パッキン(図示せず)が装着され、中央部に着脱用の取っ手11aが取り付けられている。
【0037】
また、ノズル用開口12には、パッキン受部(図示せず)が設けられており、シンク槽9を使用する際に、ノズル蓋11を装着したときの水密性が確保されている。
【0038】
そして、上記シンク槽9の内面には、側面から底面に沿って受け溝13が形成されている。この受け溝13は、図1に示すように、シンク槽9をシンク専用領域(専用領域)9Aとシンクと食器洗浄機との共用領域(共用領域)9Bとに区分するための仕切板19を挿入するためのものである。この受け溝13にも、パッキン受部(図示せず)が設けられており、仕切板19の外周部に装着されたシール部材やパッキンと嵌合させて挿入することで、水密性を高めている。
【0039】
この仕切板19を受け溝13に挿入してシンク槽9を区分すると、排水口10は専用領域9A側に、ノズル用開口12は共用領域9B側にそれぞれ配置されることになる。
【0040】
上記シンク槽9の共用領域9B下には、洗浄機ユニット14が設置されており、この共用領域9Bの側面に乾燥用のヒータユニット15が設けられている。
【0041】
上記洗浄機ユニット14は、例えば、貯水用のタンク、ヒータ及びポンプ等を備えており、タンクに溜めたお湯(または水)に専用洗剤を混合した洗剤水(洗浄水)を、ヒータで温めながらポンプで洗浄ノズル16へ送り、洗浄ノズル16を回転させながら、洗剤水を食器類22に噴射して汚れを落とすものである。
【0042】
また、上記ヒータユニット15は、送風ファンを備えており、本例ではダクト15aを介してノズル用開口12から乾燥用の温風(または熱風)を送出して、洗浄が終了した食器類22を乾燥させるようになっている。
【0043】
上記洗浄機ユニット14の洗浄ノズル16は、上記ノズル蓋11の下に上向きに配置され、食器類22を洗浄する際に、ノズル用開口12からシンク槽9の共用領域9B内に向かって洗剤液や温水を高圧で噴射するようになっている。食器洗浄機で使用した洗剤液や温水等の排水は、排水管17を介して排出される。本例では、この排水管17は、排水口10に接続された排水管18に連結されている。
【0044】
また、上記調理台4下のキャビネットには、食器洗浄機を使用する際に、シンク槽9を仕切る上記仕切板19、食器カゴ20、及び洗浄時の洗剤液や水の飛散を防止するカバー(飛散防止カバー)21が収容されている。
【0045】
次に、食器洗浄機を使用する際の準備工程について、図3乃至図6を参照して説明する。
【0046】
まず、図3に示すように、調理台4下のキャビネットに収容されている仕切板19を取り出し、シンク槽9の受け溝13に挿入して嵌合させ、シンク槽9を専用領域9Aと共用領域9Bとに区分する。また、共用領域9Bの底部に設けられているノズル蓋11を外して、洗浄ノズル16を露出させる。
【0047】
引き続き、図4及び図5に示すように、シンク槽9の共用領域9Bに食器カゴ20をセットする。その後、図6に示すように、食器カゴ20内に洗浄対象の食器類22を収容し、飛散防止カバー21を装着する。
【0048】
図7は、本発明に係る食器洗浄機付きシンク1における、食器洗浄機の使用状態を示す外観斜視図、図8はその断面図である。図7及び図8に示すように、食器洗浄機を使用する際には、シンク槽9の専用領域9Aを流し台として使用し、共用領域9Bは食器洗浄機の洗浄槽として利用する。
【0049】
そして、操作パネル8により、食器洗浄機の電源を投入して作動させ、必要に応じて食器類22の量やコース選択を行い、洗浄ノズル16を回転させながらノズル用開口12を介してシンク槽9内に向かって洗剤液や温水を高圧で噴射して、食器類22を洗浄する。
【0050】
食器類22の洗浄は、例えば、溜めたお湯(または水)に専用洗剤を混合した洗浄水(洗剤水)を、ヒータで温めながらポンプで洗浄ノズル16へ送り、洗浄ノズル16を回転させながら洗浄水を食器類22に噴射して汚れを落とす。洗剤液としては、単なる洗剤だけでなく、界面活性剤、漂白剤、酵素、及びアルカリ剤等の洗剤成分を混合することで、洗浄効果を高めることができる。
【0051】
食器洗浄機で使用した洗剤液や温水等の排水は、排水管17及び排水管18を介して下水等の排水設備に導かれる。同様に、排水口10から排出された排水も、排水管18を介して下水等の排水設備に導かれる。
【0052】
洗浄が終了した食器類22は、上記ヒータユニット15の送風ファンにより、ダクト15aからノズル用開口12を介して送出された乾燥用の温風(または熱風)で乾燥される。
【0053】
上記のような構成の食器洗浄機付きシンク1によれば、食器洗浄機を使用しないときには、図1及び図2に示すように、通常のシンクと全く同様に使用できる。また、シンク槽9下に洗浄機ユニット14とヒータユニット15、仕切板19、食器カゴ20、飛散防止カバー21が収容されているだけであり、大きなスペースを要する洗浄槽が存在しないので、小さな専有スペースで済み、食器洗浄機付きシンク1のコンパクト化、或いは、食器洗浄機付きシンク1を備えたシステムキッチンの収納スペースの拡大が図れる。
【0054】
一方、食器洗浄機を使用するときには、図7及び図8に示すように、シンク槽9の一部を食器洗浄機の洗浄槽として利用するので、食器洗浄機付きシンク1における食器洗浄機の専有面積を小さくしてスペース効率を向上できる。また、食器洗浄機を使用しないときには、大きなシンクとして使用可能であり使い勝手が良い。
【0055】
しかも、シンク槽9内で食器類22を洗浄するので、食器類22の移動距離を短くして無駄な動きを軽減できるため、キッチンワークの効率を向上できる。
【0056】
加えて、食器洗浄機の洗浄槽を前後に進退移動させる必要がないので、食器類22の出し入れのための手前のスペースは不要であり、狭い台所でも使い勝手が良い。また、食器洗浄機を使用するために調理台4の上を片付ける必要もない。
【0057】
更に、食器類22の洗浄中にシンク槽9の一部(専用領域)を使って手洗いすることが可能であり、食器洗浄機でシンク槽9が専有されてしまうことはなく、使い勝手が悪くなることはない。しかも、食器カゴ20を共用領域9Bにセットした状態で、専用領域9Aで食器類22を洗いながら食器カゴ20に直接入れることもできる。
【0058】
特に、食器洗浄機を使う際の予備洗浄、例えば、食器類22の汚れを軽く水で流したり、焦げつきやこびりつき、油の固まり等を予め手洗いする必要がある場合には、手洗いの終了後にそのまま食器洗浄機側(共用領域9B)に移動させれば良いので、食器類22の移動距離を最小限にできる。
【0059】
しかも、濡れた食器類22の移動を、シンク槽9内のみで済ませることができるので、この点からもキッチンワークの効率を向上できる。
【0060】
勿論、食器類22の洗浄を手洗いで行い、乾燥機能のみの使用や、共用領域9Bを食器類22の仮置き場として使用することもできる。
【0061】
尚、上記実施の形態では、洗浄機ユニット14をシンク槽9の共用領域9B下に設置したが、洗浄ノズル16のみを共用領域9B下に配置し、食器洗浄機付きシンク1を備えているシステムキッチンの空きスペース等に配置することもできる。
【0062】
また、洗浄ノズル16をシンク槽9の底面に配置したが、側面に配置しても良く、底面と側面の両方に配置しても良い。この他、洗浄ノズル16を、底面や側面に複数設けても良いことは勿論である。
【0063】
更に、食器類22の乾燥用のヒータユニット15を、シンク槽9の共用領域9B側の側壁に設ける例を説明したが、ダクト15a等を介して温風(または熱風)が共用領域9B内に送風できれば、シンク槽9の他の側壁や底部、空きスペース等に設けても良い。また、ヒータユニット15以外の他の食器乾燥ユニットを設けても良いし、設けなくても構わない。
【0064】
上記実施の形態では、仕切板19、食器カゴ20及び飛散防止カバー21を調理台4下のキャビネットに収容する例を示したが、他に、一括または分散して収納しても良いことは勿論である。
【0065】
また、食器洗浄機を使用しないときには、食器カゴ20は食器類22の収納に利用することができ、食卓からの片付け時等にも利用できる。
【0066】
更に、仕切板19を受け溝13に差し込んで着脱するようにしたが、専用領域9Aと共用領域9Bに区分できれば他の構成でも良く、ノズル蓋11はスライド式等の他の構造でも構わない。
【0067】
以上、実施の形態を用いて本発明の説明を行ったが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階では、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。
【0068】
例えば、飛散防止カバー21は、所定の高さ・幅を有する立体的な形状を有するものに限定されることはなく、平面的な板状に形成しても良い。そして、仕切板19を受け溝13に挿入してシンク槽9を区分した状態において、共用領域9B側に板状の飛散防止カバー21を載置すると、この飛散防止カバー21を作業用の天板として使用できる。
【0069】
また、共用領域9B側の洗浄機ユニット14を作動させた状態で飛散防止カバー21を載置した場合においても、この飛散防止カバー21を作業用の天板として使用できることは勿論である。
【0070】
更に、飛散防止カバー21を、平面的な板状に形成したときには、この飛散防止カバー21を、共用領域9Bの上部側に引き出すことができるように、システムキッチンの天板に組み込むことも可能である。
【0071】
また、飛散防止カバー21を、平面的な板状に形成し、共用領域9Bの上部側に引き出すことができるようにした場合において、共用領域9B部分の深さが足りない場合があると予想されるときには、シンク槽9全体において充分な深さを有するように設計すると良い。この場合、例えば、共用領域9Bにおいて、深さを有する鍋等を洗浄することが可能となり、その際の水はねも少なくなってシンク槽9として好ましいものとなる。
【0072】
この他、共用領域9B側に収容する食器カゴ20を、折り畳み可能に形成したときには、全体をコンパクトに折り畳んで、保管の際の省スペース化を実現できる。
【0073】
また、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件の適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件から、いくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題の少なくとも1つが解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果の少なくとも1つが得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明に係る食器洗浄機付きシンクは、デザイン性、機能性並びに快適性が高いもので、一体感のあるシステムキッチンとして利用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1…食器洗浄機付きシンク
2…ワークトップ
3…流し台
4…調理台
5…混合水栓
6…引き出し式の収納部
7…開き戸式の収納部
8…操作パネル
9…シンク槽
9A…シンク専用領域(専用領域)
9B…食器洗浄機との共用領域(共用領域)
10…排水口
11…ノズル蓋
11a…取っ手
12…ノズル用開口
13…受け溝
14…洗浄機ユニット
15…ヒータユニット
15a…ダクト
16…洗浄ノズル
17…排水管
18…排水管
19…仕切板
20…食器カゴ
21…カバー(飛散防止カバー)
22…食器類

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シンク槽を、シンク専用領域と、シンクと食器洗浄機との共用領域とに区分する仕切板と、
前記シンク槽の前記共用領域に設けられたノズル用開口と、
前記共用領域内に収容された洗浄対象の食器類を、前記ノズル用開口を介して洗浄ノズルから洗剤液を噴射して洗浄する洗浄機ユニットと、
この洗浄機ユニットで食器類を洗浄する際に、前記シンク槽の共用領域上に装着されて洗剤液の飛散を防止する飛散防止用カバーと、
前記共用領域をシンク槽として使用する際に、前記ノズル用開口を封止するノズル蓋とを具備し、
前記シンク槽の一部を食器洗浄機の洗浄槽として利用することを特徴とする食器洗浄機付きシンク。
【請求項2】
前記ノズル用開口から温風を送風して、洗浄した食器類を乾燥させるヒータユニットを更に具備することを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄機付きシンク。
【請求項3】
前記シンク槽は、前記シンク専用領域と前記共用領域との境界に設けられた受け溝を備え、前記仕切板は食器類を洗浄する際に前記受け溝内に挿入され、前記シンク槽を前記シンク専用領域と前記共用領域とに区分することを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄機付きシンク。
【請求項4】
前記シンク槽の前記共用領域内に収容される食器カゴを更に具備することを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄機付きシンク。
【請求項5】
前記ノズル蓋は、前記ノズル用開口に着脱自在に装着されることを特徴とする請求項1に記載の食器洗浄機付きシンク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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