説明

食器洗浄機

【課題】 洗浄槽を手洗い洗浄しようとすると、バケツなどにより洗浄槽内に水を入れなければならず、水漏れや漏電などの危険性があった。
【解決手段】 洗浄槽2内を掃除するための掃除モードを選択する洗浄槽掃除スイッチ30fを設け、洗浄槽掃除スイッチ30fにより掃除モードが選択された場合には、給水弁9が開放されることにより低水位まで洗浄水が給水され、給水された洗浄水は使用者による所定の操作信号を受けて排水されるので、洗浄槽2内にミネラル分やカルシウムなどの汚れが付着した場合でも、使用者は洗浄槽2内を満足がいくまで手洗い洗浄することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗浄槽内に収容された食器類に洗浄水を噴射して、食器類の洗浄を行う食器洗浄機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、洗浄槽内部を洗浄する機能を有する食器洗浄機として以下のものが提案されていた。この食器洗浄機は、洗浄槽の内部に収容された食器を洗浄するための洗浄モードと、洗浄槽の内部を洗浄するためのセルフクリーニングモードとを備えた食器洗浄機であって、供給された水を受入れるための受入れ手段と、受入れられた水からアルカリイオン水を生成する生成手段と、洗浄槽内壁の汚れを検出する汚れ検出手段と、汚れ検出手段の検出出力に応じて、セルフクリーニングモードを自動的に指定し、生成されたアルカリイオン水を用いて洗浄槽の内部を洗浄する洗浄手段とを備えたものであった。この食器洗浄機では、洗浄工程、すすぎ工程の終了後の乾燥工程で汚れ検出手段により洗浄槽内壁の汚れが検出され、汚れ検出手段により汚れが検出された場合にセルフクリーニングの催促報知が行われる。そして、その催促報知に応じて使用者によりセルフクリーニングスイッチが押圧されると、セルフクリーニングモードに移行する。このセルフクリーニングモードは、あらかじめ定まった工程に従い、洗浄槽内に食器類がないか判定され、洗浄槽内に食器類がないと判定された場合に、洗浄槽内にアルカリイオン水が給水され、その給水されたアルカリイオン水が洗浄槽内に噴射されて、洗浄槽内に付着された汚れや匂いの成分となる付着物が洗浄されるものであった(たとえば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−539号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の食器洗浄機では、乾燥工程で、汚れ検出手段により汚れが検出された場合にセルフクリーニングの催促報知が行われ、その催促報知に応じて使用者によりセルフクリーニングスイッチが押圧されると、アルカリイオン水により洗浄槽内が洗浄されるものであったので、洗浄の使用時間や使用回数の増加による洗浄槽内の汚れの付着については有効であったが、たとえば、洗浄が繰り返されることによって、水道水や食物のミネラル分やカルシウムが洗浄槽内に付着してしまった場合には、使用者の満足に適う洗浄ができないという問題があった。すなわち、ミネラル分やカルシウムが洗浄槽内に付着した場合などは、衛生面から、使用者が洗浄槽内の局所を入念に手洗いしたい場合や、全体的に入念に手洗いしたい場合があった。
【0005】
また、洗浄槽内を手洗いする場合には、今までは、使用者が水道水をバケツに入れ、そのバケツに入った水道水を洗浄槽内に入れていたので、そのバケツに入った水道水が洗浄槽内に入れられるときに、バケツから水が漏れたり、洗浄槽外に水が溢れたりする場合があった。また、洗浄槽外に溢れない場合でも、水が送風通路を介して温風ヒータや送風ファンのところまで入り込み、漏電する危険性もあった。さらに、使用者が洗浄槽内を手洗いするために、洗浄槽内の水位を適切な水位にするのも手間がかかるばかりか、急いですると上述した水漏れや漏電の恐れが高まるという問題もあった。
【0006】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたもので、水漏れや漏電の心配がなく、迅速かつスムーズに洗浄槽内をお掃除洗浄することができる食器洗浄機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決し上記目的を達成するために、本発明のうち第1の態様に係るものは、食器類を収容する洗浄槽と、洗浄槽内に洗浄水を給水する給水手段と、給水手段により給水された洗浄水を貯水する洗浄水貯水部と、洗浄水貯水部に貯水された洗浄水を食器類に向けて噴射する噴射ノズルと、洗浄水貯水部の洗浄水を噴射ノズルに圧送するポンプと、洗浄槽内を掃除するための掃除モードを選択する掃除モード選択手段と、ポンプを制御する制御手段と、を有し、掃除モード選択手段により掃除モードが選択された場合には、給水手段により所定の水位まで洗浄水が給水され、給水された洗浄水は所定の操作信号を受けて排水されることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、掃除モード選択手段により掃除モードが選択された場合には、給水手段により所定の水位まで洗浄水が給水されるので、不必要に多くの水が供給されることがなく節水が図られるとともに、使用者がバケツに入った水道水を洗浄槽内に入れる作業を行わずにすみ、バケツから水が漏れたり、洗浄槽外に水が溢れたり、また、水が送風通路を介して温風ヒータや送風ファンのところまで入り込み、漏電する危険性もなくなる。そして、その給水された洗浄水は使用者による操作信号を受けて排水されるので、使用者はそれまで十分洗浄槽内を掃除することができる。これにより、たとえば、ミネラル分やカルシウムなどの汚れが洗浄槽内に付着した場合でも、使用者は洗浄槽内を満足がいくまで手洗い洗浄することができる。
【0009】
本発明のうち第2の態様に係るものは、第1の態様に係る食器洗浄機であって、操作信号を受けて洗浄水が排水された後は、再び給水手段により所定の水位まで洗浄水が給水され、ポンプが運転されて、噴射ノズルから該給水された再給水洗浄水が噴射され、その後に該再給水洗浄水が排水されることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、第1の態様に係る食器洗浄機であって、操作信号を受けて洗浄水が排水された後は、再び給水手段により所定の水位まで洗浄水が給水され、ポンプが運転されて、噴射ノズルから該給水された再給水洗浄水が噴射され、その後に該再給水洗浄水が排水されるので、使用者による洗浄槽内の手洗い洗浄が終了した後は、自動的にその後の洗浄槽内のすすぎ洗浄を行うことができる。これにより、迅速かつスムーズに洗浄槽内をお掃除洗浄することができる
【0011】
本発明のうち第3の態様に係るものは、第1の態様に係る食器洗浄機であって、洗浄槽の蓋が開放されているかを検出する蓋開放検出手段と、蓋開放検出手段により洗浄槽の蓋が開放されていることが検出された場合に報知する蓋開放報知手段と、をさらに備え、掃除モード選択手段により掃除モードが選択されたときに、蓋開放検出手段により洗浄槽の蓋が開放されていることが検出されると、蓋開放報知手段により報知され、その後、蓋開放検出手段により洗浄槽の蓋が開放されていることが検出されなくなると、蓋開放報知手段による報知が終了され、給水手段により洗浄槽内に洗浄水が給水されることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、掃除モード選択手段により掃除モードが選択されたときに、蓋開放検出手段により洗浄槽の蓋が開放されていることが検出されると、蓋開放報知手段により報知され、その後、蓋開放検出手段により洗浄槽の蓋が開放されていることが検出されなくなると、蓋開放報知手段による報知が終了され、給水手段により洗浄槽内に洗浄水が給水されるので、洗浄槽内に洗浄水を給水するときに、水が洗浄槽外に飛び散ることなく給水することができる。また、蓋が開放されていれば、使用者は、蓋が開放されていることを蓋開放報知手段による報知により知ることができ、これにより、確実に蓋が閉じられた状態で、洗浄槽内に洗浄水を給水することができる。
【0013】
本発明のうち第4の態様に係るものは、第1の態様に係る食器洗浄機であって、洗浄水が所定の水位まで給水されたかを検出する水量検出手段と、水量検出手段により洗浄水が所定の水位まで給水されたと検出された場合に報知する給水完了報知手段と、をさらに備え、掃除モード選択手段により掃除モードが選択された場合に、水量検出手段により洗浄水が所定の水位まで給水されたと検出されると給水完了報知手段により報知され、その後、蓋開放検出手段により洗浄槽の蓋が開放されていることが検出されると給水完了報知手段による報知が終了することを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、掃除モード選択手段により掃除モードが選択された場合に、水量検出手段により洗浄水が所定の水位まで給水されたと検出されると給水完了報知手段により報知され、その後、蓋開放検出手段により洗浄槽の蓋が開放されていることが検出されると給水完了報知手段による報知が終了するので、使用者は、洗浄槽に洗浄水が給水されたことを知ることができ、その後の使用者による洗浄槽の手洗い洗浄をスムーズに行うことができる。
【0015】
本発明のうち第5の態様に係るものは、第2の態様に係る食器洗浄機であって、制御手段は、ポンプを間欠的に運転するように制御し、噴射ノズルから再給水洗浄水を間欠的に噴射させるようにしたことを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、制御手段により、ポンプが間欠的に運転されるように制御され、噴射ノズルから再給水洗浄水が間欠的に噴射されるので、噴射ノズルから断続的に噴射された洗浄水が波状になり、その波状になった洗浄水により手洗い洗浄された後の洗浄槽内の洗剤や汚れなどを確実に流し落とすことができる。
【発明の効果】
【0017】
以上のように本発明の食器洗浄機によれば、水漏れや漏電の心配がなく、迅速かつスムーズに洗浄槽内をお掃除洗浄することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の食器洗浄機の一実施形態について図面を参照にしながら説明する。図1は、本発明の一実施形態における食器洗浄機の内部構造を示す図である。
【0019】
図1に示すように、食器洗浄機1には、本体ケース20と、その内部に備えられた洗浄槽2と、食器を出し入れするための蓋3とが備えられている。洗浄槽2は、食器(被洗浄物)を収容するもので、洗浄槽2の一端面には開口部21が形成されている。蓋3は、開口部21に開閉自在に備えられており、使用者が、この蓋3を開放することにより、洗浄槽2内の食器を出し入れすることができる。
【0020】
洗浄槽2の内部には、食器を収納する食器かご4と、洗浄水を食器に向けて噴射する噴射ノズル5とが備えている。噴射ノズル5は、洗浄槽2の底部に回転自在に取り付けられ、多数の噴射口が形成されている。そして、この噴射ノズル5から食器に向けて洗浄水が噴射されることにより、食器かご4に収納された食器が洗浄される。
【0021】
また、食器洗浄機1には、洗浄槽2の後方上部に形成された給水口19と、洗浄槽2内に洗浄水を供給するための給水弁9(給水手段)と、水量検出センサ10(水量検出手段)とが備えられている。給水弁9は、電磁弁であり、この給水弁9が開閉されることにより洗浄槽2内に洗浄水が供給される。すなわち、この給水弁9が開放されることにより、洗浄水の供給源(たとえば、水道、給湯装置など)から、給水口19を介し、洗浄槽2内に洗浄水が供給される。
【0022】
水量検出センサ10は、洗浄槽2内に供給された洗浄水の水位を検出するもので、本実施形態では、フロートスイッチが用いられている。具体的には、水量検出センサ10は、フロートケース22と、フロートケース22の内部に設けたれたフロート23と、フロート23の上下の変位を検出する水量検出スイッチ(図示略)とを有している。そして、洗浄槽2内の洗浄水の水位がフロートケース22内の下点水位になると、下部の水量検出スイッチ(図示略)が「ON」となり、洗浄槽2内の低水位を検出することができる。また、洗浄槽2内の水位がフロートケース22内の上点水位になると、上部の水量検出スイッチ(図示略)が「ON」となり、洗浄槽2内の高水位を検出することができる。このようにして、フロート23の上下の変位を検出することにより、洗浄槽2内の低水位と高水位を検出することができ、洗浄槽2内に所定の洗浄水を溜めることができる。
なお、本実施形態では、水量検出センサ10として、フロートスイッチを用いているが、これに限らず、圧力スイッチであってもよい。
【0023】
洗浄槽2の下部には、洗浄水貯水部12が形成され、ポンプ6、温水ヒータ7、温水温度センサ8(温水温度検出手段)、排水弁31が備えられている。
【0024】
洗浄水貯水部12は、洗浄槽2の前方底部に形成され、洗浄槽2の底面部よりも一段と低い凹状形状をなしている。そして、洗浄槽2の底面部に落下した洗浄水は、洗浄水貯水部12に流れ込んで、洗浄水貯水部12に貯水される。
【0025】
温水ヒータ7は、洗浄水を加熱するもので、洗浄水貯水部12に備えられている。温水温度センサ8は、洗浄水貯水部12に貯水されている洗浄水の温度を検出するものである。これにより、洗浄水貯水部12に貯水されている洗浄水は温水ヒータ7により加熱され、その温水ヒータ7により加熱された洗浄水の温度は、温水温度センサ8により検出される。そして、その温水温度センサ8により検出された温度をフィードバックして、さらに洗浄水を加熱することにより洗浄水貯水部12に貯水されている洗浄水を所定の温度にすることができる。
【0026】
ポンプ6は、洗浄水貯水部12に貯水されている洗浄水を噴射ノズル5に圧送する洗浄ポンプ6aと、洗浄槽2内の洗浄水を後述する排水管に圧送する排水ポンプ6bとからなる。そして、洗浄ポンプ6aを駆動させることより、洗浄水貯水部12に貯水されている洗浄水を噴射ノズル5から食器に向けて噴射させることができ、また、排水ポンプ6bを駆動させることより、洗浄水貯水部12に貯水されている洗浄水を食器洗浄機1の外部に排水することができる。なお、本実施形態では、洗浄ポンプ6aと排水ポンプ6bとを別体として設けているが、これに限らず、洗浄ポンプ6aと排水ポンプ6bとを一体的に設けてもよい。また、洗浄ポンプ6aもしくは排水ポンプ6bのみでポンプ6としてもよい。
【0027】
排水弁31は、電磁弁であり、後述する排水管に設けられている。この排水弁31が開放されることにより、洗浄槽2に貯水されている洗浄水が食器洗浄機1の外部に排出される。本実施形態では、排水ポンプ6bと排水弁31により排水手段を構成しているが、これに限らず、洗浄水貯水部12の洗浄水を排出する排水弁31のみで排水手段を構成してもよい。
【0028】
洗浄水貯水部12の下方には、導水口13が形成され、導水口13は、洗浄ポンプ6aに連通する洗浄ポンプ導水口13aと、排水ポンプ6bに連通する排水ポンプ導水口13bからなる。洗浄ポンプ6aには、洗浄水貯水部12の洗浄水を吸い込むための吸込口14aと、噴射ノズル5に洗浄水を吐き出すための吐出口16aが形成されている。また、排水ポンプ6bには、洗浄水貯水部12の洗浄水を吸い込むための吸込口14bと、後述する排水管に洗浄水を吐き出すための吐出口16bが形成されている。なお、本実施形態では、導水口13を、洗浄ポンプ導水口13aと、それと別個に設けられた排水ポンプ導水口13bとからなるとしたが、これに限らず、洗浄ポンプ導水口13aと排水ポンプ導水口13bとを兼用した導水口を構成してもよい。また、洗浄ポンプ導水口13aもしくは排水ポンプ導水口13bのみで導水口としてもよい。
【0029】
洗浄水貯水部12の下方の洗浄ポンプ導水口13aは、洗浄ポンプ吸込管15aにより、洗浄ポンプ6aの吸込口14aと連結されている。また、洗浄ポンプ6aの吐出口16aは、吐出管17により、噴射ノズル5と連結されている。これにより、洗浄水貯水部12に貯水されている洗浄水が、洗浄ポンプ6aの駆動力により、噴射ノズル5に圧送される。
【0030】
また、洗浄水貯水部12の下方の排水ポンプ導水口13bは、排水ポンプ吸込管15bにより、排水ポンプ6bの吸込口14bと連結されている。また、排水ポンプ6bの吐出口16bは、排水管24と連結されている。これにより、洗浄水貯水部12に貯水されている洗浄水が、排水ポンプ6bの駆動力により、排水管24を介して、食器洗浄機1の外部に排水される。
【0031】
本実施形態では、洗浄ポンプ6aには洗浄ポンプ用駆動モータ(図示略)が備えられ、また、排水ポンプ6bには排水ポンプ用駆動モータ(図示略)が備えられている。しかしながら、これに限らず、洗浄ポンプ6aと排水ポンプ6bとを一体的に構成した場合には、単一の駆動モータ(図示略)で洗浄ポンプ6aおよび排水ポンプ6bを駆動させてもよい。この場合には、駆動モータ(図示略)を正転(時計回り)させることにより、洗浄ポンプ6aの駆動モータとして機能し、反対に駆動モータを逆転(反時計回り)させることにより、排水ポンプ6bの駆動モータとして駆動する。
【0032】
洗浄水貯水部12には、残菜フィルター18が設けられている。この残菜フィルター18により、食器から流し落とされた残菜が捕集される。
【0033】
また、食器洗浄機1の下部には、送風ファン25、温風ヒータ26、温風温度センサ29が設けられ、食器洗浄機1の上部には、蓋開閉検出センサ33、排気口27がそれぞれ設けられている。
【0034】
送風ファン25は、洗浄槽2内に空気を送り込むもので、温風ヒータ26は、送風ファン25によって送り込まれた空気を加熱するものである。温風ヒータ26で加熱された空気の温度は、温風温度センサ29により検出され、洗浄槽2内に送り込まれた空気は、排気口27から食器洗浄機1の外部に排出される。蓋開閉検出センサ33は、蓋3の開閉を検出するものであり、この蓋開閉検出センサ33により、蓋3が開放されている状態か、閉止されている状態かを検出することができる。
【0035】
食器洗浄機1の前方下部には、制御装置28が設けられている。この制御装置28により、洗浄ポンプ6aおよび排水ポンプ6bなどが制御される。さらに、食器洗浄機1の前方下部には、操作パネル30が形成されている。操作パネル30の詳細については、図2を用いて後述する。
【0036】
次に、本発明の食器洗浄機の操作パネルについて図2を参照にしながら説明する。図2は、本発明の一実施形態のおける食器洗浄機の操作パネルを示す図である。
【0037】
図2に示すように、操作パネル30には、電源スイッチ30a、運転開始停止スイッチ30b、洗浄コース選択スイッチ30c、乾燥コース選択スイッチ30d、予約時間選択スイッチ30e、洗浄槽掃除スイッチ30f、洗浄コース表示部30g、乾燥コース表示部30h、洗浄槽掃除表示部30i、予約時間表示部30jが備えられている。
【0038】
電源スイッチ30aは、食器洗浄機1の電源をオン、オフするスイッチであり、運転開始停止スイッチ30bは、食器洗浄機1の運転をスタートさせ、スタート後に一時停止させるスイッチであるとともに、洗浄槽2を掃除洗浄する際、後述する掃除洗浄工程の自動すすぎ洗浄工程をスタートさせるスイッチである。これにより、使用者が、食器洗浄機1の電源スイッチ30aを押圧することにより、食器洗浄機1の電源がオンになり、そのオン状態で、後述する各種コースが選択設定され、運転開始停止スイッチ30bが押圧されれば、食器洗浄機1の運転が開始される。その後、使用者が、食器洗浄機1の運転を一時停止したい場合には、運転開始停止スイッチ30bを押圧すれば、食器洗浄機1の運転が一時停止する。そして、その後、使用者が、食器洗浄機1の運転を再開したい場合には、さらに、運転開始停止スイッチ30bを押圧することにより、食器洗浄機1が一時停止状態から運転が再開される。このように、食器洗浄機1が運転している状態で、運転開始停止スイッチ30bが押圧されれば、食器洗浄機1の運転が一時停止し、食器洗浄機1の運転が一時停止している状態で運転開始停止スイッチ30bが押圧されれば、食器洗浄機1の運転が再開される。なお、掃除洗浄工程については後述する。
【0039】
洗浄コース選択スイッチ30cは、洗浄コースを選択設定するためのスイッチである。洗浄コースとして、「標準」の洗浄コース(以下、「標準洗浄コース」という)、「ハイパワー」の洗浄コース(以下、「ハイパワー洗浄コース」という)、そして「サイレント」の洗浄コース(以下、「サイレント洗浄コース」という)が準備されている。標準洗浄コースは、標準レベルの洗浄、すすぎを行うコースであり、ハイパワー洗浄コースは、標準洗浄コースより工程時間を長くして、念入りに洗浄、すすぎを行うコースであり、また、サイレント洗浄コースは、標準洗浄コースより洗浄騒音を低減させて、洗浄、すすぎを行うコースである。そして、洗浄コース選択スイッチ30cにより、「洗浄なし」、「標準洗浄コース」、「ハイパワー洗浄コース」、「サイレント洗浄コース」のいずれの洗浄コースも選択設定することができる。
【0040】
洗浄コース表示部30gは、現在選択設定されている洗浄コースを表示(点灯)するものである。具体的には、「標準」、「ハイパワー」、「サイレント」の左側に発光素子が配設され、この発光素子が点灯または点滅されることにより、使用者は、現在どの洗浄コースが選択設定されているかを知ることができる。なお、洗浄コースのデフォルト(初期値)は、「洗浄なし」に設定されているので、電源スイッチ30aが押圧されて、電源がオンになった状態では、図2に示す洗浄コースのいずれの発光素子も点灯または点滅されない。
【0041】
そして、使用者が、たとえば、サイレント洗浄コースを選択設定したい場合には、使用者により洗浄コース選択スイッチ30cが3回押圧されることにより、サイレント洗浄コースを選択設定することができる。つまり、洗浄コース選択スイッチ30cが押圧されるごとに、「洗浄なし」→「標準」→「ハイパワー」→「サイレント」→「洗浄なし」の順に発光素子の点灯が順次移動され、洗浄コースを選択設定することができる。標準洗浄コース、ハイパワー洗浄コース、サイレント洗浄コースの詳細については、後述する。
【0042】
乾燥コース選択スイッチ30dは、乾燥コースを選択設定するためのスイッチである。乾燥コースとして、「30分」の乾燥コース(以下、「30分乾燥コース」という)、「60分」の乾燥コース(以下、「60分乾燥コース」という)、そして「送風」の乾燥コース(以下、「送風乾燥コース」という)が準備されている。30分乾燥コースは、温風ヒータ26により、30分間、送風ファン25により送り込まれた空気が加熱され、洗浄槽2内の食器などを乾燥させるコースであり、60分乾燥コースは、温風ヒータ26により、60分間、送風ファン25により送り込まれた空気が加熱され、洗浄槽2内の食器などを乾燥させるコースであり、また、送風乾燥コースは、温風ヒータ26により送風ファン25により送り込まれた空気が加熱されず、送風ファン25により送り込まれた空気により、洗浄槽2内の食器などを乾燥させるコースである。そして、乾燥コース選択スイッチ30dにより、「乾燥なし」、「30分乾燥コース」、「60分乾燥コース」、「送風乾燥コース」のいずれの乾燥コースも選択設定することができる。
【0043】
乾燥コース表示部30hは、現在選択設定されている乾燥コースを表示(点灯)するものである。具体的には、「30分」、「60分」、「送風」の左側に発光素子が配設され、この発光素子が点灯または点滅されることにより、使用者は、現在どの乾燥コースが選択設定されているかを知ることができる。なお、乾燥コースのデフォルト(初期値)は、「乾燥なし」に設定されているので、電源スイッチ30aが押圧されて、電源がオンになった状態では、図2に示すいずれの発光素子も点灯または点滅されない。
【0044】
そして、使用者が、たとえば、60分乾燥コースを選択設定したい場合には、使用者により乾燥コース選択スイッチ30dが2回押圧されることにより、60分乾燥コースを選択設定することができる。つまり、乾燥コース選択スイッチ30dが押圧されるごとに、「乾燥なし」→「30分」→「60分」→「送風」→「乾燥なし」の順に発光素子の点灯が順次移動され、乾燥コースを選択設定することができる。
【0045】
なお、乾燥コース選択スイッチ30dによる乾燥コースの選択設定が、洗浄コース選択スイッチ30cにより洗浄コースが選択設定されているときに行なわれたときには、その選択設定された乾燥コースは、洗浄コース終了後に行われ、洗浄コース選択スイッチ30cにより洗浄コースが選択設定されていないときに行なわれたときには、乾燥コース選択スイッチ30dにより乾燥コースの選択設定がなされた後、運転開始停止スイッチ30bが押圧操作されることにより、選択設定された乾燥コースが実行されるようになっている。
【0046】
予約時間選択スイッチ30eは、予約時間を選択設定するためのスイッチである。予約時間として、「2時間後」の予約(以下、「2時間後予約」という)、「4時間後」の予約(以下、「4時間後予約」という)が準備されている。2時間後予約は、2時間後に食器洗浄機1の運転を開始させることをあらかじめ予約するものであり、4時間後予約は、4時間後に食器洗浄機1の運転を開始させることをあらかじめ予約するものである。そして、予約時間選択スイッチ30eにより、2時間後予約、4時間後予約のいずれの予約も選択設定することができる
【0047】
予約時間表示部30iは、現在選択設定されている予約時間を表示(点灯)するものである。具体的には、「2時間後」、「4時間後」の左側に発光素子が配設され、この発光素子が点灯または点滅されることにより、使用者は、現在どの予約時間が選択設定されているかを知ることができる。なお、予約時間のデフォルト(初期値)は、「予約時間なし」に設定されているので、電源スイッチ30aが押圧されて、電源がオンになった状態では、図2に示すいずれの発光素子も点灯または点滅されない。
【0048】
そして、使用者が、たとえば、4時間後予約を選択設定したい場合には、使用者により予約時間選択スイッチ30eが2回押圧されることにより、4時間後予約を選択設定することができる。つまり、予約時間選択スイッチ30eが押圧されるごとに、「予約なし」→「2時間後」→「4時間後」→「予約なし」の順に発光素子の点灯が順次移動され、予約時間を選択設定することができる。
【0049】
洗浄槽掃除スイッチ30fは、洗浄槽2の掃除を設定(洗浄槽掃除モードを選択)するためのスイッチである。そして、使用者により、この洗浄槽掃除スイッチ30fが押圧(洗浄槽掃除スイッチ「ON」)されることにより、洗浄槽掃除モードとなり、後述するように洗浄槽2内に洗浄水が給水される。
【0050】
洗浄槽掃除表示部30iは、現在洗浄槽掃除モードであるかなどを表示(報知)するものである。具体的には、「洗浄槽掃除」の左側に発光素子が配設され、この発光素子が点灯または点滅されることにより、使用者は、現在洗浄槽掃除モードであるかなどを知ることができる。なお、この洗浄槽掃除表示部30iは、電源スイッチ30aが押圧されて、電源がオンになった状態では、図2に示す発光素子は点灯も点滅されていない。
【0051】
そして、後述するように、使用者により洗浄槽掃除スイッチ30fが押圧されると、洗浄槽表示部30iが点滅され、また、使用者により洗浄槽掃除スイッチ30fが押圧されたときに、洗浄槽2の蓋3が開放されていれば、洗浄槽2の蓋3が開放されていることを知らせる(報知する)ために、洗浄槽掃除表示部30iが点灯する。また、洗浄槽掃除スイッチ30fが押圧された後、洗浄槽2内に洗浄水が給水され、その給水が完了したときには、その給水の完了を知らせる(報知する)ために、この洗浄槽掃除表示部30iが点灯される。詳細は後述する。
【0052】
次に、本発明の食器洗浄機の電気的構成について図3を参照にしながら説明する。図3は、本発明の一実施形態における食器洗浄機の電気的構成を示すブロック図である。
【0053】
図3に示すように、食器洗浄機1は、制御装置28を備えている。制御装置28は、CPU(Central Processing Unit;中央演算処理部)、ROM(Read
Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インタフェース等(何れも図示略)を含むマイクロコンピュータを有している。RAM(図示略)、ROM(図示略)などの記憶手段には、マイクロコンピュータを制御するためのプログラムが記憶されている。
【0054】
制御装置28には、上述した水量検出センサ10、温風温度センサ29、温水温度センサ8、蓋開閉検出センサ33、操作パネル30のそれぞれの機器からの出力信号が与えられるようになっている。そして、これらの出力信号に基づいて、制御装置28は、送風ファン25、洗浄ポンプ6a、排水ポンプ6b、温風ヒータ26、温水ヒータ7、ブザー32、給水弁9、および排水弁31を制御するようになっている。
【0055】
ブザー32は、たとえば、上述した洗浄槽掃除スイッチ30fが押圧されたときに、洗浄槽掃除モードが開始されることを使用者に知らせ(報知)、また、洗浄槽掃除スイッチ30fが押圧された後、洗浄槽2内に洗浄水が給水され、その給水が完了したときに、その給水が完了したことを使用者に知らせ(報知)、さらに、給水が完了して後、所定の時間、洗浄槽2の蓋3が開放されない場合には、再度給水が完了したことを使用者に知らせるものである(報知)。詳細は後述する。
【0056】
次に、本発明の食器洗浄機の洗浄槽のお掃除洗浄について図4〜図6を参照にしながら説明する。図4は、本発明の一実施形態における食器洗浄機の掃除洗浄工程を示すフローチャートであり、図5は、図4の手洗い洗浄準備工程を示すフローチャートであり、図6は、図4の自動すすぎ洗浄工程を示すフローチャートである。
【0057】
この掃除洗浄工程は、洗浄槽2内をお掃除洗浄するための処理工程である。まず、S01において、洗浄槽掃除スイッチ30fが「ON」になっているかが判断される。この洗浄槽掃除スイッチ30fが「ON」になっているかは、洗浄槽掃除スイッチ30fが「OFF」になっている状態から、使用者により洗浄槽掃除スイッチ30fが押圧されたかにより判断される。そして、S01により、「YES」と判断された場合はS02に進み、「NO」と判断された場合は、何もせず掃除洗浄工程がリターンされる。
【0058】
S02において、F(フラグ)が「1」であるかが判断される。このF(フラグ)は、掃除洗浄工程において、「手洗い洗浄準備工程」と「自動すすぎ洗浄工程」の順序を規定させるためのものである。すなわち、このF(フラグ)は、掃除洗浄工程において、まず「手洗い洗浄準備工程」を実行させ、その後に「自動すすぎ洗浄工程」を行わせるためのものである。そして、S02により、「F=1」でないと判断された場合(「NO」の場合)は、S03で「F=1」にされ、S04により、後述する手洗い洗浄準備工程(図5参照)が行われる。これにより、使用者により洗浄槽2内が手洗い洗浄される準備が完了し、その後、使用者は洗浄槽2を手洗い洗浄することができる。なお、S02により「YES」と判断された場合は、S05に進む。
【0059】
S05において、洗浄槽2の蓋3が閉止されているかが判断される。この洗浄槽2の蓋3が閉止されているかは、蓋開閉検出センサ33の検出信号により判断される。そして、S05で、洗浄槽2の蓋3が閉止されていないと判断された場合(「NO」の場合)は、掃除洗浄工程が一時終了され、その後、蓋3が閉止されるまで、S01→S02→S05の処理が繰り返される。また、S05により、洗浄槽2の蓋3が閉止されていると判断された場合(「YES」の場合)には、S06に進む。これにより、洗浄槽2の蓋3が閉止されていない状態で、後述する自動すすぎ洗浄工程が実行されないので、洗浄槽2内に給水された洗浄水が、その開放された蓋3から飛び散ることがない。
【0060】
S06において、運転開始停止スイッチスイッチ30bが再押圧されたかが判断される。この運転開始停止スイッチ30bが再押圧されたかは、洗浄槽掃除スイッチ30fが「ON」の状態で、運転開始停止スイッチ30bが押圧(再押圧)されたかにより判断される。このように、運転開始停止スイッチ30bが押圧(再押圧)されれば、その使用者による押圧信号(操作信号)が制御装置28に送信される。そして、S06により、「YES」と判断された場合はS07に進み、S07により洗浄槽掃除表示部30iが点灯から点滅に移行される。これにより、使用者は、これから後述する自動すすぎ洗浄工程が行われることを確認することができる。また、「NO」と判断された場合は掃除洗浄工程が一時終了され、その後、洗浄槽掃除スイッチ30fが押圧(再押圧)されるまで、S01→S02→S05→S06の処理が繰り返される。これにより、使用者は、運転開始停止スイッチ30bを押圧(再押圧)するまで、洗浄槽2内を十分満足いくまで手洗い洗浄することができる。
【0061】
次に、S08において、後述する自動すすぎ洗浄工程が行われる。この自動すすぎ洗浄工程では、手洗い洗浄準備工程が完了した後、使用者により手洗い洗浄された洗浄槽2内の洗剤および汚れなどがあらかじめ決められた工程に従い洗い落とされる。詳細は後述する。
【0062】
次に、掃除洗浄工程の手洗い洗浄準備工程について説明する。図5は、図4の手洗い洗浄準備工程を示すフローチャートである。この手洗い洗浄準備工程は、使用者が洗浄槽2内を手洗い洗浄するための準備を行う処理工程である。
【0063】
まず、S11において、洗浄モード開始報知が行われる。具体的には、ブザー32により10秒間ブザー音が発せられ、使用者に洗浄槽掃除モードが開始されることが報知される。これにより、洗浄槽掃除スイッチ30fを押圧した使用者は、洗浄槽掃除モードが開始されることを知ることができる。
【0064】
次に、S12において、洗浄槽2の蓋3が閉止されているかが判断される。この洗浄槽2の蓋3が閉止されているかは、蓋開閉検出センサ33の検出信号により判断される。そして、S12により、洗浄槽2の蓋3が閉止されていないと判断された場合(「NO」の場合)は、S13により洗浄槽掃除表示部30iが点灯され、使用者に洗浄槽2の蓋3が閉止されていないことが報知される。この洗浄槽掃除表示部30iが点灯(報知)により、使用者は洗浄槽2の蓋3が閉止されていないことを知ることができる。そして、その後、蓋3が閉止されるまで、S12→S13の処理が繰り返される。また、S12により、洗浄槽2の蓋3が閉止されていると判断された場合(「YES」の場合)には、S14に進む。これにより、後述する給水が行われるときに、洗浄槽2内に給水された洗浄水が、その開放された蓋3から飛び散ることを防止することができる。
【0065】
このように、洗浄槽掃除スイッチ30fにより掃除モードが選択されたときに、蓋開閉検出センサ33により洗浄槽2の蓋3が開放されていることが検出される(閉止されていないことが検出される)と、洗浄槽掃除表示部30iが点灯されて、使用者に洗浄槽2の蓋3が閉止されていないことが報知され、その後、蓋開閉検出センサ33により洗浄槽2の蓋3が開放されていることが検出されなくなる(閉止されていることが検出される)と、洗浄槽掃除表示部30iの点灯による報知が終了され、洗浄槽2内に洗浄水が給水されるので、洗浄槽2内に洗浄水が給水されるときに、水が洗浄槽2外に飛び散ることなく給水することができる。また、蓋3が開放されていれば、使用者は、蓋3が開放されていることを洗浄槽掃除表示部30iの点灯による報知により知ることができ、これにより、確実に蓋3が閉じられた状態で、洗浄槽2内に洗浄水を給水することができる。
【0066】
S14において、洗浄槽掃除表示部30iが点滅する。これにより、使用者は、掃除モードにより運転が行われていることを確認することができる。
【0067】
次に、S15において、洗浄槽2内に洗浄水が給水され、そして、S16により、洗浄水が低水位まで給水されたかが判断される。具体的には、S15により給水弁9が開かれ、洗浄槽2内に洗浄水が供給され、S16により水量検出センサ10からの信号により低水位まで給水されたかが判断される。ここで、本実施形態における「低水位」の状態とは、残菜フィルター18よりも上部の水位の状態であり、洗浄槽2内の洗浄水の水位がフロートケース22内の下点水位になる状態をいう。そして、S16により、洗浄水が低水位まで給水されていないと判断された場合(「NO」の場合)は、S15により継続して洗浄槽2内に洗浄水が給水される。そして、その後、洗浄水の水位が低水位になるまで洗浄水が給水され、S15→S16の処理が繰り返される。また、S16により、洗浄水が低水位まで給水されたと判断された場合(「YES」の場合)には、S17に進み、S17により洗浄水の給水が停止される。
【0068】
次に、S18により、洗浄槽2への洗浄水の給水が完了したことが報知される。具体的には、ブザー32により10秒間ブザー音が発せられ、使用者に洗浄水の給水が完了したことが報知される。また、給水完了報知とともに、洗浄槽掃除表示部30iが点滅から点灯に移行され、使用者に洗浄水の給水が完了したことが知らされる。これにより、使用者は洗浄水が低水位まで給水されたことを知ることができ、その後、使用者は洗浄槽2内を手洗い洗浄することができる。
【0069】
次に、S19において、タイマー(T)に「0」(T=0)が設定される。そして、S20により、タイマー(T)に「0」が設定されてから所定の時間が経過したかが判断され、S20により「NO」と判断された場合に、S21により洗浄槽2の蓋3が開放されたかが判断され、S21により「NO」と判断されたときに、S20により再びタイマー(T)に「0」(T=0)が設定されてから所定の時間が経過したかが判断される。そして、S20により「YES」と判断された場合、すなわち、タイマー(T)に「0」が設定されてから所定の時間が経過したと判断された場合には、S22により、S18で行われた給水完了報知、すなわち、ブザー32により10秒間ブザー音が発せられる。このように、洗浄水の給水が完了した後、タイマー(T)が設定されてから所定の時間が経過することにより、給水完了報知、すなわち、ブザー32により10秒間ブザー音が発せられる。そして、S23により、タイマー(T)に「0」(T=0)が再設定され、再び所定の時間が経過したときに、給水完了報知、すなわち、ブザー32により10秒間ブザー音が発せられる。以上のように、洗浄槽2の蓋3が開放されない限り、所定の時間間隔で、給水完了報知、すなわち、ブザー32により10秒間ブザー音が発せられる。そして、蓋が開放されれば、S21により「YES」と判断され、手洗い洗浄準備工程が終了する。
【0070】
このように、水量検出センサ10により洗浄水が低水位まで給水されたと検出されると、ブザー32のブザー音による報知および洗浄槽掃除表示部30iの点灯による報知がなされ、その後、蓋開閉検出センサ33により洗浄槽2の蓋3が開放されていることが検出されると、ブザー32のブザー音による報知および洗浄槽掃除表示部30iの点灯による報知が終了するので、使用者は、洗浄槽2への洗浄水の給水が完了されたことを知ることができ、その後の使用者による洗浄槽2の手洗い洗浄をスムーズに行うことができる。
【0071】
次に、掃除洗浄工程の自動すすぎ洗浄工程について説明する。図6は、図4の自動すすぎ洗浄工程を示すフローチャートである。
【0072】
この自動すすぎ洗浄工程は、使用者が洗浄槽2内を手洗い洗浄した後の洗剤や汚れを洗い落とすための処理工程である。この自動すすぎ工程は手洗い洗浄準備工程が終了したのちに実行される。
【0073】
まず、S31において、洗浄槽2内の洗浄水が排水され、S32により排水が完了したかが判断される。具体的には、S31により排水弁31が開放され、排水ポンプ6bが駆動され、洗浄水が排水ポンプ6bの駆動力により食器洗浄機1の外部に排水される。そして、S32により洗浄槽2内の洗浄水がすべて食器洗浄機1外に排水され、排水弁31が閉止され、排水ポンプ6bの運転も停止されたが判断される。そして、S32により、まだ排水が完了していないと判断された場合(「NO」の場合)には、洗浄槽2内の洗浄水の排水が継続して行われ、排水が完了するまで、S31→S32の処理が繰り返される。そして、S32により、洗浄水の排水が完了したと判断された場合(「YES」の場合)には、S33に進む。
【0074】
次に、S33において、洗浄槽2内に洗浄水が給水され、そして、S34により、洗浄水が低水位まで給水されたかが判断される。具体的には、S33により給水弁9が開かれ、洗浄槽2内に洗浄水が供給され、S34により水量検出センサ10からの信号により低水位まで給水されたかが判断される。そして、洗浄水が低水位まで給水されていないと判断された場合(「NO」の場合)は、S34により継続して洗浄槽2内に洗浄水が給水される。そして、その後、洗浄水の水位が低水位になるまで洗浄水が給水され、S33→S34の処理が繰り返される。また、S34により、洗浄水が低水位まで給水されたと判断された場合(「YES」の場合)には、S35に進み、S35により洗浄水の給水が停止される。
【0075】
S36において、タイマー(T)に「0」(T=0)が設定され、S37により、洗浄ポンプ6aが間欠的に運転され、噴射ノズル5から洗浄水を間欠的に噴射させる(間欠噴射)。具体的には、S37により、洗浄ポンプ6aが停止した状態から、0.8秒動作→1.0秒休止→0.8秒動作のように、休止(0.8秒)と動作(1.0秒)が繰り返されて、洗浄ポンプ6aが間欠的に運転され、噴射ノズル5から間欠的に洗浄水が噴射される。そして、S38により、タイマー(T)に「0」が設定されてから30秒経過したかが判断され、S38により、タイマー(T)に「0」が設定されてから30秒経過したかと判断された場合には、S39により間欠噴射が完了され、S40に進む。
【0076】
S40において、洗浄槽2内の洗浄水が排水され、S41により排水が完了したかが判断される。具体的には、S40により排水弁31が開放され、排水ポンプ6bが駆動され、洗浄水が排水ポンプ6bの駆動力により食器洗浄機1の外部に排水される。そして、S41により洗浄槽2内の洗浄水がすべて食器洗浄機1外に排水され、排水弁31が閉止され、排水ポンプ6bの運転も停止されたが判断される。そして、S41により、まだ排水が完了していないと判断された場合(「NO」の場合)には、洗浄槽2内の洗浄水の排水が継続して行われ、排水が完了するまで、S40→S41の処理が繰り返される。そして、S41により、洗浄水の排水が完了したと判断された場合(「YES」の場合)には、S42に進む。
【0077】
このように、洗浄ポンプ6aが間欠的に運転するように制御され、噴射ノズル5から洗浄水が間欠的に噴射されるので、噴射ノズル5から断続的に噴射された洗浄水が波状になり、その波状になった洗浄水により手洗い洗浄された後の洗浄槽2内の洗剤や汚れなどを確実に洗い落とすことができる。
【0078】
S42において、洗浄水の排水が完了したことが報知される。具体的には、ブザー32により10秒間ブザー音が発せられ、使用者に洗浄水の排水が完了したことが報知される。また、給水完了報知とともに、洗浄槽掃除表示部30iの点滅が消灯され、使用者に洗浄水の排水が完了したことが知らされる。これにより、洗浄水が排水されたことを使用者が知ることができる。そして、S43によりフラグ(F)が0(F=0)にされ、自動すすぎ洗浄工程が終了する。
【0079】
このように、使用者による手洗い洗浄が完了し、使用者による操作信号を受けて洗浄水が排水された後(S06で「YES」)は、再び洗浄水が低水位まで給水され、そして、洗浄ポンプ6aが運転されて、噴射ノズル5から該給水された洗浄水が噴射され、その後に該洗浄水が排水されるので、使用者による洗浄槽2内の手洗い洗浄が終了した後は、自動的にその後の洗浄槽2内のすすぎ洗浄を行うことができる。これにより、迅速かつスムーズに洗浄槽2内をお掃除洗浄することができる。
【0080】
以上説明したように、洗浄槽掃除スイッチ30fにより掃除モードが選択された場合には、洗浄水が低水位まで給水されるので、使用者がバケツに入った水道水を洗浄槽2内に入れる作業を行わずにすみ、バケツから水が漏れたり、洗浄槽2外に水が溢れたり、また、水が送風通路を介して温風ヒータ26や送風ファン25のところまで入り込み、漏電する危険性もなくなる。そして、その給水された洗浄水は使用者による操作信号を受けて排水されるので、使用者はそれまで十分洗浄槽2内を掃除することができる。これにより、たとえば、洗浄槽2内にミネラル分やカルシウムなどの汚れが付着した場合でも、使用者は洗浄槽2内を満足がいくまで手洗い洗浄することができる。
【0081】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の一実施形態における食器洗浄機の内部構造を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態のおける食器洗浄機の操作パネルを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態における食器洗浄機の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】本発明の一実施形態における食器洗浄機の掃除洗浄工程を示すフローチャートである。
【図5】図4の手洗い洗浄準備工程を示すフローチャートである。
【図6】図4の自動すすぎ洗浄工程を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1 食器洗浄機
2 洗浄槽
3 蓋
5 噴射ノズル
6 ポンプ
6a 洗浄ポンプ
6b 排水ポンプ
7 温水ヒータ
9 給水弁
10 水量検出センサ
12 洗浄水貯水部
13 導水口
23 フロート
25 送風ファン
26 温風ヒータ
28 制御装置
30 操作パネル
30f 洗浄槽掃除スイッチ
30i 洗浄槽掃除表示部
31 排水弁
32 ブザー
33 蓋開閉検出センサ






【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器類を収容する洗浄槽と、
該洗浄槽内に洗浄水を給水する給水手段と、
該給水手段により給水された洗浄水を貯水する洗浄水貯水部と、
該洗浄水貯水部に貯水された洗浄水を食器類に向けて噴射する噴射ノズルと、
前記洗浄水貯水部の洗浄水を前記噴射ノズルに圧送するポンプと、
前記洗浄槽内を掃除するための掃除モードを選択する掃除モード選択手段と、
前記ポンプを制御する制御手段と、を有し、
前記掃除モード選択手段により掃除モードが選択された場合には、前記給水手段により所定の水位まで洗浄水が給水され、該給水された洗浄水は所定の操作信号を受けて排水されることを特徴とする食器洗浄機。
【請求項2】
前記操作信号を受けて洗浄水が排水された後は、再び前記給水手段により所定の水位まで洗浄水が給水され、前記ポンプが運転されて、前記噴射ノズルから該給水された再給水洗浄水が噴射され、その後に再給水洗浄水が排水されることを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
【請求項3】
前記洗浄槽の蓋が開放されているかを検出する蓋開放検出手段と、
該蓋開放検出手段により前記洗浄槽の蓋が開放されていることが検出された場合に報知する蓋開放報知手段と、をさらに備え、
前記掃除モード選択手段により掃除モードが選択されたときに、前記蓋開放検出手段により前記洗浄槽の蓋が開放されていることが検出されると、前記蓋開放報知手段により報知され、その後、前記蓋開放検出手段により前記洗浄槽の蓋が開放されていることが検出されなくなると、前記蓋開放報知手段による報知が終了され、前記給水手段により前記洗浄槽内に洗浄水が給水されることを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
【請求項4】
洗浄水が所定の水位まで給水されたかを検出する水量検出手段と、
該水量検出手段により洗浄水が所定の水位まで給水されたと検出された場合に報知する給水完了報知手段と、をさらに備え、
前記掃除モード選択手段により掃除モードが選択された場合に、前記水量検出手段により洗浄水が所定の水位まで給水されたと検出されると前記給水完了報知手段により報知され、その後、前記蓋開放検出手段により前記洗浄槽の蓋が開放されていることが検出されると前記給水完了報知手段による報知が終了することを特徴とする請求項1記載の食器洗浄機。
【請求項5】
前記制御手段は、前記ポンプを間欠的に運転するように制御し、前記噴射ノズルから前記再給水洗浄水を間欠的に噴射させるようにしたことを特徴とする請求項2記載の食器洗浄機。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−36130(P2008−36130A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−214355(P2006−214355)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(000010087)TOTO株式会社 (3,889)
【Fターム(参考)】