説明

食器類消毒保管装置

【課題】熱風の供給路および戻路となるコンテナに有する開口の開閉作業を不要とし、前記開口を確実に閉塞して乾燥消毒の効果を維持した状態でコンテナを運搬、移動させることができる食器類消毒保管装置を提供することを目的とする。
【解決手段】熱風循環ユニット100に有し昇降自在とした接続ダクト125と、接続ダクト125と連通し熱風の供給路および戻路となる開口を構成するとともに前記各々の開口を開閉する開閉機構209を前記コンテナ200の上面部に備え、前記開閉機構209は下降する前記接続ダクト125の押し圧力を受けて前記各々の開口を閉から開とするとともに、上昇する前記接続ダクト125の押し圧力の解除によって前記各々の開口を開から閉とすることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に学校、病院等の給食のように皿、お椀、トレイなどの被洗浄物である食器類を比較的大量に使用する状況において、洗浄後の食器類を熱風によって加熱して乾燥および消毒を行う食器類消毒保管装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種食器類消毒保管装置としては、下記のものが知られている。
【0003】
コンテナの天板には収納室内に連通した排気口、給気口が設けられている。また、熱気給排ユニットの底部から下方に蛇腹状の伸縮管(接続管)を垂下させ、この伸縮管を排気管および給気管を介して前記排気口、給気口に接続する。排気管及び給気管の下端には、熱気給排ユニットの下方に停止したコンテナの排気口および給気口に接続する接続口が設けられ、この接続口は、その外周に設けたハンドルを排気口及び給気口に設けたL型の切欠きの縦溝に挿嵌した上で接続口を回転し、切欠きの横溝に係合させることにより、下方に引伸ばした排気管及び給気管を固定する。また、消毒運転の終了後には、排気管及び給気管を取り外し、コンテナの給気口、排気口はそれぞれ適当な蓋体で密閉するものである(例えば特許文献1参照)。
【0004】
また、接続管は、熱風供給ユニットからコンテナに向けて供給する供給路と、コンテナ内の雰囲気を熱風供給ユニットに向けて排出する排出路とを備えている。さらに、蛇腹状で上下方向に伸縮自在な接続管は、二重管構造であり、二重管の内管側又は外管側の一方が供給路、他方が排出路としてある。熱風供給ユニット本体から接続管を伸ばし、コンテナ上部の接続口に取り付けるものである(例えば特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平1−115441号公報
【特許文献2】特開2004−248779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記特許文献1、2に記載されたものは、作業者が消毒運転の開始前に熱風の循環路となる接続管(ダクト)をコンテナ側に取り付け、また、消毒運転の終了後にコンテナ側から接続管を取り外す作業を行うことが必要となる。さらに、接続管と連通するコンテナの接続口を閉塞する蓋体の取り外しおよび取り付け作業を行うことが必要となる。
【0007】
接続口はコンテナの天板部に有るため、作業者はこの接続口が見えにくく、接続管および蓋体の取り付け、取り外し作業に手間を要するとともに、この作業の確実性に課題を有している。特に、特許文献1に記載されたものは、個々に分かれた接続管の各々をコンテナ側に取り付ける構成のため位置合わせが面倒となる。
【0008】
また、消毒運転の終了後に、万一コンテナの接続口を蓋体で密閉する作業を行わなかった場合、コンテナの保管、運搬、移動等の際に、接続口から大氣、粉塵等がコンテナ内に入り込み食器類等の乾燥消毒の効果が失われ好ましくない。コンテナの接続口の蓋体を作業者がレバー等で開閉できるようにして作業性をよくすることも考えられるが、この作業を行わなかった場合、前記と同様の課題を有する。
【0009】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、熱風の供給路および戻路となるコンテナに有する開口の開閉作業を不要とし、熱風循環ユニットとコンテナの接続を解除した後に、前記開口を確実に閉塞して乾燥消毒の効果を維持した状態でコンテナを運搬、移動させることができる食器類消毒保管装置を提供することを目的とするものである
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の食器類消毒保管装置は、食器類を収納するコンテナと、前記コンテナに熱風を供給して循環させる熱風循環ユニットと、前記コンテナと熱風循環ユニットとの間で接続ダクトを介して熱風の循環運転をし、前記コンテナ内の食器類の加熱消毒を行う食器類加熱消毒装置であって、
前記熱風循環ユニットに有し昇降自在とした接続ダクトと、前記接続ダクトと連通し熱風の供給路および戻路を構成するとともに前記供給路および戻路を開閉する開閉機構を前記コンテナの上面部に備え、前記開閉機構は下降する前記接続ダクトの押し圧力を受けて前記供給路および戻路を閉から開とするとともに、上昇する前記接続ダクトの押し圧力の解除によって前記供給路および戻路を開から閉とすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の食器類消毒保管装置によれば、熱風の供給路および戻路となるコンテナに有する開口の開閉作業を不要とし、熱風循環ユニットとコンテナの接続を解除した後に、前記開口を確実に閉塞して乾燥消毒の効果を維持した状態でコンテナを運搬、移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態の食器類加熱消毒装置の熱風循環ユニットとコンテナの接続時の全体を示す概観斜視図。
【図2】食器類加熱消毒装置の熱風循環ユニットとコンテナの接続解除時の正面構成図。
【図3】図2の食器類加熱消毒装置の側面構成図。
【図4】図2の熱風循環ユニットの上面平面図。
【図5】熱風循環ユニットの接続ダクトの上昇時の一部拡大断面図。
【図6】接続ダクトの下降時の一部拡大断面図。
【図7】接続ダクトの下降時の一部拡大断面図。
【図8】接続ダクトの上昇検知部の一部斜視図。
【図9】接続ダクトの下降検知部の一部斜視図。
【図10】接続ダクトの昇降手段の一部斜視図。
【図11】昇降手段の安全検知部の一部斜視図。
【図12】昇降手段の安全検知部の一部斜視図。
【図13】熱風循環ユニットとコンテナの接続解除時で、コンテナの開閉機構の熱風の供給路および戻路となる開口が閉時の上面斜視図。
【図14】図13のA−A線における開閉機構の断面構成図。
【図15】図13のB−B線における開閉機構の断面構成図。
【図16】熱風循環ユニットとコンテナ接続時で、熱風の供給路および戻路となる開口が閉から開への移行時の図13のA−A線に相当する方向における開閉機構の断面構成図。
【図17】熱風循環ユニットとコンテナ接続時で、熱風の供給路および戻路となる開口が閉から開への移行時の図13のB−B線に相当する方向における開閉機構の断面構成図。
【図18】熱風循環ユニットとコンテナとの接続が完了し、食器類加熱消毒装置の運転時の正面構成図。
【図19】図18における熱風の供給路および戻路となる開口が開時の開閉機構の上面斜視図。
【図20】図19のC−C線における開閉機構の断面構成図。
【図21】図19のD−D線における開閉機構の断面構成図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の請求項1に記載の発明は、食器類を収納するコンテナと、前記コンテナに熱風を供給して循環させる熱風循環ユニットと、前記コンテナと熱風循環ユニットとの間で接続ダクトを介して熱風の循環運転をし、前記コンテナ内の食器類の加熱消毒を行う食器類加熱消毒装置であって、前記熱風循環ユニットに有し昇降自在とした接続ダクトと、前記接続ダクトと連通し熱風の供給路および戻路を構成するとともに前記供給路および戻路を開閉する開閉機構を前記コンテナの上面部に備え、前記開閉機構は下降する前記接続ダクトの押し圧力を受けて前記供給路および戻路を閉から開とするとともに、上昇する前記接続ダクトの押し圧力の解除によって前記供給路および戻路を開から閉とすることを特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0014】
これにより、熱風の供給路および戻路となるコンテナに有する開口の開閉作業を不要とし、熱風循環ユニットとコンテナの接続を解除した後に、開口を確実に閉塞して乾燥消毒の効果を維持した状態でコンテナを運搬、移動させることができる。
【0015】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、開閉機構は下降する接続ダクトの自重による押し圧力を受けて各々の開口を閉から開とすることを特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0016】
これにより、接続ダクトの自重のみで各々の開口を閉から開とすることができる。したがって、強制的に押し圧力を与える機構が不要となり構成を簡素化することができる。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、接続ダクトは、昇降内筒とこの昇降内筒の外側に設けた昇降外筒との二重筒構成とし、昇降内筒をコンテナからの熱風の戻路、昇降内筒と昇降外筒との間をコンテナへの熱風の供給路とし、前記昇降内筒と昇降外筒を連結部材で一体化して同時に昇降自在としたことを特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0018】
これにより、接続ダクトを小型化、簡素化できるとともに、一体となって昇降させることができる。
【0019】
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、昇降外筒の上部に連設して上下方向に屈曲自在な伸縮外筒を設けるとともに、昇降内筒の筒長方向に互いに重なり部を有して固定内筒を連設し、前記固定内筒をガイドとして昇降内筒を上下方向に摺動させて接続ダクト昇降自在としたことを特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0020】
これにより、昇降内筒および昇降外筒の内、昇降内筒のみを固定内筒をガイドとして摺動させて接続ダクトを昇降させるので、構成を簡素化し、製造時における組み立てを容易とすることができるとともに、接続ダクトをよりスムーズに昇降させることができる。
【0021】
請求項5に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、開閉機構は、上下方向に昇降自在な昇降板と、コンテナから熱風循環ユニットへの熱風の戻路となる昇降板に設けた開口と、前記昇降板に設けた開口を開閉する開閉板と、を備え、前記昇降板の下降時に、前記開閉板を水平方向にスライドさせて昇降板に設けた開口を閉から開とするとともに、コンテナ上面部に有する開口部からの昇降板の下方への離間により熱風循環ユニットからコンテナへの熱風の供給路となる開口を形成させることを特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0022】
これにより、熱風の戻路および熱風の供給路の両者を同時に、かつ確実に閉から開とすることができる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の発明において、昇降板を付勢手段により上方に付勢するとともに上下方向に昇降自在とし、接続ダクトの下降時には昇降板が付勢手段の付勢力に抗して前記接続ダクトの押し圧力を受けて下降し、接続ダクトの上昇時には前記接続ダクトの押し圧力が解除されて、昇降板は付勢手段による上方への付勢力により上昇すること特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0024】
これにより、接続ダクトの押し圧力の授受の有無によって昇降板を確実に昇降させることができる。さらに、熱風の戻路および熱風の供給路の両者を同時に、かつ確実に閉から開とすることができる。
【0025】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載の発明において、所定の間隔を与えて固定配置した上ケースおよび下ケースと、前記上ケースと下ケース間を上下方向に昇降自在な昇降板と、前記昇降板に設けた開口を開閉する水平方向にスライド可能な開閉板と、前記下ケースに有する水平方向にスライド可能なスライド板と、前記開閉板とスライド板とを回動支点部材を介して連結板で連結して構成した第1リンク機構と、前記昇降板とスライド板とを回動支点部材を介して連結板で連結して構成した第2リンク機構と、を備え、前記昇降板の昇降により、第1リンク機構および第2リンク機構を介して、前記開閉板をスライドさせることを特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0026】
これにより、接続ダクトの昇降距離に対して開閉板のスライド方向の移動距離を大きくして、熱風の戻路となる開口の面積を大きく設定し熱風の通過抵抗を小さくすることができる。したがって熱風の十分な循環量を確保し、送風機をより小型化することができる。
【0027】
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の発明において、昇降板が上昇した位置にあるとき、第1リンク機構および第2リンク機構に有する連結板を鉛直方向に対して所定角度傾斜させたこと特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0028】
これにより、昇降板の下降開始時の連結板の回動をしやすくし、開閉板およびスライド板を円滑に移動させて熱風の戻路および熱風の供給路の両者を確実に閉から開とすることができる。
【0029】
請求項9に記載の発明は、請求項7または8に記載の発明において、昇降板に二つの開口を設けるとともに前記各々の開口を開閉する開閉板を有し、前記各々の開閉板をスライドさせる第1リンク機構および第2リンク機構を備え、前記各々の開閉板を互いが接近、離間する方向にスライドさせて前記各々の開口を開閉させることを特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0030】
これにより、熱風の戻路となる開口の面積をより大きく設定し熱風の通過抵抗を小さくすることができる。したがって熱風の十分な循環量を確保し、送風機をより小型化することができる。
【0031】
請求項10に記載の発明は、請求項7〜9のいずれか1項に記載の発明において、接続ダクトの下降時、昇降内筒の下端部が開閉機構の昇降板に接触し、昇降外筒の下端部がコンテナの上面部に接触するようにしたこと特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0032】
これにより、開閉機構の昇降板は、下降する昇降内筒の下端部からのみ接続ダクトの押し圧力を受けて、熱風の戻路および熱風の供給路の両者を閉から開とすることができる。また、構成を簡素化することができる。
【0033】
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の発明において、昇降外筒の下端部の位置よりも昇降内筒の下端部の位置を下方とし、接続ダクトが下降したとき、昇降内筒の下端部が開閉機構の昇降板に接触して下降させ、前記昇降板を所定距離下降させ後、昇降外筒の下端部がコンテナの上面部に接触するようにしたこと特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0034】
これにより、例えば、熱風循環ユニットに対してコンテナを所定の位置ではなく、大幅に水平方向にずれて停止させた場合、接続ダクトの下降過程において、昇降内筒の下端部がコンテナの上面部に接触して下降を停止し、昇降外筒の下端部がコンテナの上面部に接触するまで下降しない。
【0035】
この状態を観察して接続ダクトのコンテナへの接続不具合を把握し、接続ダクトを一旦上昇させ、コンテナの停止位置を所定の位置に調整した後、接続ダクトを再度下降させて正常に接続させることができる。
【0036】
したがって、接続ダクトのコンテナへの接続状況を作業者が順を追って確認しやすくなり、常に昇降内筒の下端部が開閉機構の昇降板を下降させて熱風の戻路および熱風の供給路の両者を確実に閉から開とすることができる。
【0037】
さらに、常に昇降内筒の下端部が昇降板に接触し、昇降外筒の下端部がコンテナの上面部に接触し、これらの接触部のシールを確実にして熱風の漏れを防止することができる。
【0038】
請求項12に記載の発明は、請求項5〜11のいずれか1項に記載の発明において、コンテナの天板に有する開口部よりも昇降内筒の下端部に有するフランジの外周を全周にわたって所定寸法小さくしたこと特徴とする食器類加熱消毒装置としたものである。
【0039】
これにより、熱風循環ユニットに対してコンテナを所定寸法の範囲内に停止させれば、常に昇降内筒の下端部がコンテナの天板(上面部)に接触して下降が停止することがなくなり、確実に開閉機構の昇降板を下降させて熱風の戻路および熱風の供給路の両者を閉から開とすることができる。したがって、熱風循環ユニットに対するコンテナの停止位置のずれに余裕を与え、コンテナの停止作業の容易化、スピードアップを図ることができる。
【0040】
以下、本発明の一実施形態の食器類消毒保管装置について図1〜図21を参照しながら説明する。なお、図中の実線矢印は熱風の流れ方向を示す。
【0041】
先ず、本発明の食器類消毒保管装置の基本的な構成を説明する。本発明の食器類消毒保管装置は、主に図1、図2、図3、図4に示すように、大きく分けて昇降可能とした接続ダクト125を有し、熱風を発生させる熱風循環ユニット100と、接続ダクト125と連通し熱風の供給路および戻路となる開口を有するとともに、前記各々の開口を開閉する開閉機構209を上面部(天板204)に備えた食器類を収容するコンテナ200からなる。
【0042】
熱風循環ユニット100は、本体ケース101と前扉102により外郭を構成し、この内部に基板103を固定し、この上に送風ケース104を設けている。送風ケース104の内部は仕切板105によって上下に分割され、仕切板105の上部に送風室107を構成するとともに、送風羽根108が位置している。この送風羽根108は送風ケース104の上に固定したモータ109の回転軸に固定されている。
【0043】
また、仕切板105の下部に熱交換室110を構成するとともに、加熱手段であるシーズヒータ111が位置している。仕切板105には複数の吐出口106が形成されており、この吐出口106を介して空気(コンテナ200から戻る熱風)が送風室107から熱交換室110に流れ、シーズヒータ111によって加熱されて熱風となる。
【0044】
送風羽根108の中心軸に合わせて固定内筒112が仕切板105に固定されており、この固定内筒112内から空気(コンテナ200から戻る熱風)が送風羽根108によって吸入される。
【0045】
次に、接続ダクト125の基本的な構成を図5、図6を用いて説明する。図5は、熱風循環ユニット100の接続ダクト125の上昇時の一部拡大断面図で、図2、図3の食器類加熱消毒装置の運転前の正面構成図、側面図に対応し、後述する昇降手段により接続ダクト125を上昇させてコンテナ200に接続していない位置(熱風循環ユニット100とコンテナ200の接続解除時)における状態を示す。
【0046】
図5に示すように、固定内筒112の外径よりも昇降内筒113の内径を大きくし、固定内筒112の筒長方向に互いに重なり部を有して昇降内筒113を連設し、固定内筒112と昇降内筒113は、昇降内筒113の上端に固定したリング状の凸部材114によってシールされるとともに、固定内筒112の外面をガイドとして昇降内筒113の内面が凸部材114を介して上下方向に摺動可能に構成されている。
【0047】
固定内筒112と昇降内筒113との重なり部の一部に設けた凸部材114は、樹脂材料等の滑り抵抗の小さい滑材で構成している。これによって、固定内筒112の外面に対する昇降内筒113の摺動を円滑にすることができる。
【0048】
また、固定内筒112の外径よりも昇降内筒113の内径を大きくして、固定内筒112の筒長方向に互いに重なり部を有して昇降内筒113を連設したが、固定内筒112の外面と昇降内筒113の内面との間隔の距離は、全周に亘って例えば3〜5mmに設定しており、この重なり部の間隔に凸部材114を挿入しているものである。
【0049】
なお、固定内筒112の外面で最下端部に凸部材114を固定し、この固定した凸部材114を昇降内筒113の内面が摺動する構成してもよい。この場合にも同様に固定内筒112の外面をガイドとして昇降内筒113の内面が凸部材114を介して上下方向に摺動可能とすることができる。
【0050】
また、固定内筒112の外面をガイドとして昇降内筒113の内面が凸部材114を介して上下方向に摺動可能に構成したが、昇降内筒113の外径よりも固定内筒112の内径を大きくして、固定内筒112の内面をガイドとして昇降内筒113の外面が凸部材114を介して上下方向に摺動する構成してもよい。この場合にも同様に固定内筒112の内面をガイドとして昇降内筒113の外面が凸部材114を介して上下方向に摺動可能とすることができる。
【0051】
昇降内筒113の下端部には外方に直径を拡大したフランジ115を有し、この下面にリング状のパッキン116が固定してある。固定内筒112、昇降内筒113の内部は、後述する熱風循環ユニット100からコンテナ200に供給した熱風を送風羽根108により吸引して再び熱風循環ユニット100にリターンさせる戻路117となる。
【0052】
また、固定内筒112の外側に位置し、上端を基板103に固定した固定外筒118を有し、この固定外筒118の下端にフランジ118aを介して上下方向に屈曲自在な伸縮筒119を連設し、さらに、伸縮筒119の下端は昇降外筒120のフランジ120aに連設している。昇降外筒120の下端部にはフランジ121を固定し、このフランジ121の下面にリング状のパッキン122を固定してある。
【0053】
伸縮筒119は、例えば耐熱性の樹脂シートを上下方向にジャバラ状に形成してある。これによって、上下方向に屈曲自在(伸縮自在)となり、昇降外筒120の昇降を可能とし、熱風循環ユニット100からコンテナ200に供給する熱風の供給路を構成する。
【0054】
昇降外筒120の上部に連設して上下方向に屈曲自在な伸縮筒119を設け、昇降内筒113と昇降外筒120を連結板123で一体化した接続ダクト125を、固定内筒112のみをガイドとして昇降させるものである。
【0055】
伸縮筒119は上下方向に屈曲自在であるとともに、径方向にも屈曲自在であることから、接続ダクト125を構成する昇降内筒113の固定内筒112への装着を容易に行うことができる。さらに、固定内筒112、固定外筒118に対する接続ダクト125の所定範囲の傾斜の自由度を確保することができる。
【0056】
昇降内筒113の外面と昇降外筒120の内面は、円周方向に配置した複数の板状の連結部材123によって一体的に固定してある。これによって、昇降内筒113と昇降外筒120は、固定内筒112を中心軸として一体的に昇降可能に構成されている。
【0057】
なお、複数の板状の連結部材123によって、昇降内筒113と昇降外筒120の間隔を下方に流れる熱風の整流作用を発揮させることができる。
【0058】
昇降外筒120の下端部に有したフランジ121、パッキン122の上下方向の位置に対して、昇降内筒113の下端部に有したフランジ115、パッキン116の上下方向の位置を下方とし、所定の段差を有して構成している。
【0059】
固定内筒112と固定外筒118との間隔、固定内筒112と伸縮筒119との間隔、昇降内筒113と昇降外筒120との間隔の各々の間隔は、後述する熱風循環ユニット100の熱交換室110からコンテナ200に熱風を供給する供給路124となる。
【0060】
接続ダクト125を上昇させると、凸部材114を介して固定内筒112に沿って昇降内筒113が上昇し、昇降内筒113と連結部材123によって一体的に固定した昇降外筒120も上昇する。このとき昇降外筒120に連設した伸縮筒119が固定外筒118との間で縮んだ状態となっている。
【0061】
以上のように、昇降内筒113と昇降外筒120で昇降自在な接続ダクト125を構成するものである。この接続ダクト125は、昇降内筒113とこの昇降内筒113の外側に設けた昇降外筒120との二重筒構成とし、昇降内筒113をコンテナ200からの熱風の戻路117、昇降内筒113と昇降外筒120との間隔をコンテナへの熱風の供給路124とし、前記昇降内筒113と昇降外筒120を連結部材123で一体化して同時に昇降自在としたとしたものである。
【0062】
これにより、接続ダクト125を小型化、簡素化できるとともに、一体となって昇降させることができる。
【0063】
また、昇降外筒120の上部に連設して上下方向に屈曲自在な伸縮外筒119を設けるとともに、昇降内筒113の筒長方向に互いに重なり部を有して固定内筒112を連設し、固定内筒112をガイドとして昇降内筒113を上下方向に摺動させて接続ダクト125を昇降自在としたものである。
【0064】
これにより、昇降内筒113および昇降外筒120の内、昇降内筒113のみを固定内筒112をガイドとして摺動させて接続ダクト125を昇降させるので、構成を簡素化し、製造時における組み立てを容易とすることができるとともに、接続ダクト125をよりスムーズに昇降させることができる。
【0065】
この昇降可能な接続ダクト125によって熱風循環ユニット100とコンテナ200の間を繋ぎ、熱風を循環させる循環路とするものである。
【0066】
なお、固定外筒118と昇降外筒120間に伸縮筒119を設けたが、伸縮筒119の上端を基板103に直接固定し固定外筒118を設けなくともよい。
【0067】
また、昇降内筒113と昇降外筒120の下端部に設けたフランジ115、121の下面を鏡面とし、接続ダクト125が上昇位置にあるときコンテナ200の天板204および開閉機構209が前記フランジの下面に映るようにしてある。
【0068】
これによって、コンテナ200を熱風循環ユニット100の下方に運搬して、接続ダクト125を下降させる前に、フランジ115、121の下面にコンテナ200の天板204および開閉機構209が映るようにすることによって、視覚的にもコンテナ200の所定の位置への移動調整をよりしやすくして、コンテナ200を所定の位置に正しく停止させることができる。
【0069】
図6は、熱風循環ユニット100の接続ダクト125の下降時の一部拡大断面図で、図1、図18の食器類加熱消毒装置の運転時の斜視図、正面構成図に対応し、接続ダクト125を下降させてコンテナ200に接続している位置の状態を示す。
【0070】
後述する昇降手段により接続ダクト125を下降させると、凸部材114を介して固定内筒112に沿って昇降内筒113が下降し、昇降内筒113と連結部材123によって一体的に固定した昇降外筒120も下降する。このとき昇降外筒120に連設した伸縮筒119が固定外筒118との間で伸長した状態となっている。
【0071】
図7は、接続ダクトの下降時の一部拡大断面図で、図7の接続ダクト125を下降させた状態において、固定内筒112の下端部に昇降内筒113上端に設けた凸部材114が位置し、固定内筒112と昇降内筒113の重なり部分が減少することから、固定内筒112の鉛直方向の中心軸に対して昇降内筒113の鉛直方向の中心は、所定角度(θ)の範囲において傾斜可能となっている。
【0072】
さらに、昇降外筒120のフランジ120aに連設している伸縮筒119は屈曲性を有していることから、昇降内筒113と連結部材123によって一体的に固定した昇降外筒120も同様に所定角度(θ)の範囲において傾斜可能となっている。これにより、床面の状況によりコンテナが傾斜しても接続ダクトを確実に接続することができる・
【0073】
なお、図5に示す接続ダクト125の上昇時においても、固定内筒112の外面と昇降内筒113の内面との間隔は、凸部材114を挿入していることから全周に亘って例えば3〜5mmの距離を有しており、これによって、固定内筒112の下端の外面に昇降内筒113の内面が接触する範囲において、接続ダクト125が所定角度傾斜可能となっている。
【0074】
本実施形態において、固定内筒112、固定外筒118、昇降内筒113、伸縮筒119、昇降外筒120はその断面を四角形状とし、各々の対辺を食器類加熱消毒装置の正面、後面側および左右面側に位置させているので、昇降内筒113と昇降外筒120で構成した接続ダクト125は、前記各々の対辺側に所定角度(θ)の範囲において傾斜可能となっているものである。
【0075】
なお、本実施形態においては、固定内筒112、固定外筒118、昇降内筒113、伸縮筒119、昇降外筒120はその断面を四角形状としているが、これに限定するものではなく五角形以上の多角形状、円形状とすることができる。
【0076】
また、固定外筒118の下端にフランジ118aを介して上下方向に屈曲自在な伸縮筒119を連設し、さらに、伸縮筒119の下端は昇降外筒120のフランジ120aに連設し、固定内筒112の外面をガイドとして昇降内筒113の内面が凸部材114を介して上下方向に摺動可能に構成したが、伸縮筒119を用いずに、固定外筒118の筒長方向に互いに重なり部を有して昇降外筒120を連設し、固定外筒118と昇降外筒120は、昇降外筒120の上端に固定した凸部材によってシールし、固定外筒118の外面をガイドとして昇降外筒120の内面が凸部材114を介して上下方向に摺動可能に構成してもよい。
【0077】
次に、接続ダクト125を昇降させる昇降手段の基本的な構成を図2、図4、図8〜図10を参照しながら説明する。
【0078】
なお、図2に示す食器類加熱消毒装置の構成を正面としこの水平方向を左右、鉛直方向を上下、また、図3に示す構成を側面とし、この水平方向を前後として以下説明する。
【0079】
図8、図9に示すように、昇降外筒120のフランジ120aに連結板126を固着し、この連結板126に固定板127を固着している。さらに、固定板127には金属の撚り線からなるワイヤー128a、128bの一方側を固着している。
【0080】
なお、図2に示すように、左右の連結板126および固定板127、ワイヤー128a、128bのユニットは、熱風循環ユニット100の左右方向(昇降外筒120の左右方向)において対称位置に設けているものである。
【0081】
図10にワイヤーの巻取り部の一部を示す。プーリ129に形成した2列状の溝130にワイヤー128a、溝131に128bの他端が各々固定されている。プーリ129の一方側に回転軸に固定するリブ132を形成している。リブ132は図2、図4に示すギヤドモータ133の回転軸に固定されている。なお、ギヤドモータ133は送風ケース104に固定されている。
【0082】
一方側の固定板127に固定されたワイヤー128aは、直接プーリ129の溝130に挿入され、他方側の固定板127に固定されたワイヤー128bは、ガイドプーリ134の溝135を介してプーリ129の溝131に挿入されている。なお、ガイドプーリ134の回転軸は本体ケース101の一部に固定されている。
【0083】
ギヤドモータ133、ワイヤー128a、128bにより、接続ダクト125を昇降させる昇降手段を構成するものである。
【0084】
また、図8に示すように、連結板126には昇降検知板136が固着され、接続ダクト125の上昇にともない昇降検知板136が上昇検知スイッチ137のレバー138に下側から当たり、レバー138の自由端側の回動により上昇検知スイッチ137に有する電気回路をON、OFFさせる。なお、上昇検知スイッチ137は固定板127からプーリ129に至るワイヤー128aの鉛直方向の一部に位置し、本体ケース101の一部に固定されている。
【0085】
図8に示す状態は、上昇検知スイッチ137が接続ダクト125の上昇を検知し、ギヤドモータ133を電気的に制御して接続ダクト125の上昇位置を規制しているものである。
【0086】
なお、図2に示すように、昇降検知板136、上昇検知スイッチ137は熱風循環ユニット100の左右方向(昇降外筒120の左右方向)において対称位置に設けており、上昇検知スイッチ137は、固定板127からプーリ129に至るワイヤー128bの鉛直方向の一部にも位置している。
【0087】
また、図9に示すように、接続ダクト125の下降にともない昇降検知板136が下降検知スイッチ139のレバー140に上側から当たり、レバー140の自由端側の回動により下降検知スイッチ139に有する電気回路をON、OFFさせる。
【0088】
なお、下降検知スイッチ139は固定板127からプーリ129に至るワイヤー128aの鉛直方向の一部に位置し、本体ケース101の一部に固定されている。
【0089】
なお、図2に示すように、昇降検知板136、下降検知スイッチ139は熱風循環ユニット100の左右方向(昇降外筒120の左右方向)において対称位置に設けており、下降検知スイッチ139は、固定板127からプーリ129に至るワイヤー128bの鉛直方向の一部にも位置している。
【0090】
図9に示す状態は、下降検知スイッチ139が接続ダクト125の下降を検知し、ギヤドモータ133を電気的に制御して接続ダクト125の下降位置を規制しているものである。
【0091】
次に、昇降手段の安全検知部の構成を説明する。図11、図12は、接続ダクト125を昇降させる昇降手段の安全検知部の一部斜視図である。固定板127からプーリ129に至る鉛直方向のワイヤー128aを囲うように導電性の連結板141の一端側に固定した導電性の接触板142を位置させ、連結板141の他端側に接触検知スイッチ143を設けている。
【0092】
図11はワイヤー128aが接触板142に接触していない状態を示す。接続ダクト125はギヤドモータ133の制御によって接続ダクト125の自重により下降し、このときワイヤー128a、128bは接続ダクト125の自重で下方に引っ張られて弛みなくほぼ鉛直方向に直線状になっている。
【0093】
連結板141、接触板142、接触検知スイッチ143は、本体ケース101の一部に固定され、熱風循環ユニット100の左右方向(昇降外筒120の左右方向)において対称位置に設けており、固定板127からプーリ129に至るワイヤー128bの鉛直方向の一部にも位置している。
【0094】
図12は、ワイヤー128a、または128bが接触板142に接触している状態を示す。これは後述する接続ダクト125がコンテナ200の開閉機構209に正常に接続せず所定の定位置にまで下降しなかった場合の状態を示す。
【0095】
熱風循環ユニット100下方の所定の位置にコンテナ200を停止させなかった状況等において、接続ダクト125が正常に所定の定位置にまで下降しなかった場合には、ワイヤー128a、または128bが弛み接触板142に接触する。このとき、導電性を有するワイヤー128a、128bと接触検知スイッチ143間に所定の電流が流れ、これを検知信号として装置全体を制御する制御器(図示なし)に送り、ギヤドモータ133への通電をOFFとする。
【0096】
また、コンテナ200の開閉機構209に接続ダクト125が正常に接続せず所定の定位置にまで下降しなかったとして、熱風循環ユニット100の熱風循環の運転を開始せず、接続不良を示すランプまたは音声等の報知手段(図示なし)により報知する。
【0097】
この場合には、一旦接続ダクト125を上昇させ、熱風循環ユニット100の下方の所定の位置にコンテナ200を停止させた後、ギヤドモータ133の制御によって接続ダクト125を再び下降させるものである。
【0098】
また、接続ダクト125をワイヤー128a、128bにより吊り下げ、ギヤドモータ133の駆動によるワイヤー128a、128bの巻き取り、巻き戻しにより接続ダクト125を昇降させるとともに、接続ダクト125の所定の上昇位置および下降位置を検知手段137、139により検知してギヤドモータ133の駆動を制御し、接続ダクト125を所定位置に停止させるとともに、接続ダクト125が所定位置まで下降しないときは、ワイヤー128a、128bの弛みを検知してギヤドモータ133の回転を停止するとともに、報知手段により報知するものである。
【0099】
これにより、接続ダクト125を所定位置に確実に停止させるとともに、接続ダクト125が所定位置まで下降しないときは、熱風循環ユニット100に対するコンテナ200の停止位置を作業者が把握し修正することができる。
【0100】
さらに、熱風循環ユニット100には、図3に示すように、固定内筒112には外気中に臨んだ開口145を有する吸入筒144が固定外筒118を貫通して設けられており、コンテナ200から吸引する空気に混ざって外気を送風羽根108によって吸引するように構成している。
【0101】
また、図4に示すように、一端が送風室107に開口し、他端が外気中に臨んだ排気筒146が設けられており、排気筒146には循環する熱風の温度を検知し外気への通路を開閉する熱応動ダンパー147を有している。
【0102】
また、図示していないが、熱風循環ユニット100には、モータ109、シーズヒータ(加熱手段)111、ギヤドモータ(昇降手段)133、上昇検知スイッチ(昇降検知部)137、下降検知スイッチ(昇降検知部)139、接触検知スイッチ(安全検知部)143、報知部等を全体的に制御する制御器を備えている。また、運転はリモコンにて操作するものである。
【0103】
なお、図2、図3に示すように、熱風循環ユニット100の全体は吊り部材149を介して建物の天井部148に固定されている。
【0104】
次に、熱風循環ユニット100に有する接続ダクト125をコンテナ200に接続していない状態(接続解除時)における熱風循環ユニット100の基本的な動作を図2、図3、図5、図8を用いて説明する。
【0105】
この状態は、例えばコンテナ200の収納部205内に洗浄後の食器類208を収納し、このコンテナ200を熱風循環ユニット100の下方の所定の位置に移動させたとき、熱風による乾燥、消毒運転を終了し接続ダクト125を上昇させてコンテナ200の開閉機構部209との接続を解除したとき等の状況に相当する。
【0106】
熱風循環ユニット100に有するギヤドモータ133の駆動によりプーリ129を回転させ、溝130、131に巻装したワイヤー128a、128bを巻き取る。このとき、ワイヤー128a、128bの下端を固定した各々の固定板127を介して、昇降外筒120と連結部材123を介して一体化した昇降内筒113から構成した接続ダクト125を上昇させる。昇降内筒113は固定内筒112の外面をガイドとして凸部材114を介して上昇する。
【0107】
接続ダクト125の上昇にともない、昇降外筒120のフランジ120aを介して連結板126に固定した昇降検知板136の上面が上昇検知スイッチ137のレバー138の下面に接触し、レバー138を所定角度回動させると上昇検知スイッチ137の電気接点が開となり、ギヤドモータ133の駆動をOFFとし、ワイヤー128a、128bの巻き取りを停止する。
【0108】
このとき、ワイヤー128a、128bには吊り下げた接続ダクト125の自重(質量)がかかっているが、ギヤドモータ133に有するブレーキにより接続ダクト125は、ギヤドモータ133の駆動をOFFとした位置を保持する。なお、接続ダクト125の質量は、例えば15〜30kgとなる。
【0109】
また、接続ダクト125の昇降外筒120の上昇により、昇降外筒120のフランジ120aに連接した伸縮筒119は、固定外筒118のフランジ118aとの間で縮んだ状態となっている。
【0110】
なお、接続ダクト125を上昇させた位置に保持している状態において、モータ109、シーズヒータ(加熱手段)111、ギヤドモータ133等への通電をOFFとし、熱風循環ユニット100の運転は停止させているものである。
【0111】
次に、コンテナ200の基本的な構成を、熱風循環ユニット100に有する接続ダクト125をコンテナ200に接続していない状態(接続解除時)である図1〜図3、および図13〜図15を参照しながら説明する。
【0112】
図1〜図3に示すように、コンテナ200は、底部に基板201、左右方向にある側板ケース202、前後方向にある開閉扉203、上面の天板204によって矩形状の外郭を構成している。基板201の4隅にはコンテナ200の移動を可能とする複数の車輪201aが取り付けられている。
【0113】
また、コンテナ200内の保管スペース205の上下方向に複数の棚206を備え、左右の両端部が側板ケース202に各々保持されている。なお、棚206は複数の棒状体または網状部材で構成し、熱気の通過が可能なように構成されているとともに、各々の棚206は側板ケース202に高さ方向の位置が調節可能となっている。
【0114】
複数の棚206の上には皿、お椀、トレイ等の食事に供する食器類208を収納した複数の篭207を載置している。コンテナ200内への篭207の出し入れは、前後方向にある開閉扉203の一方または両方を開閉して行う。なお、コンテナ200内には前記した食器類として包含される食缶等も収納可能である。
【0115】
また、コンテナ200の上面部である天板204の開口部204aには、熱風循環ユニット100の接続ダクト125と連通し熱風の供給路および戻路となる開口216、217を構成するとともに前記各々の開口216、217を開閉する開閉機構209を備えている。なお、開閉機構209は、上面から見てコンテナ200の天板204の略中央部に備えているものである。
【0116】
次に、コンテナ200に有する開閉機構209の基本的な構成を、図13〜図15を参照しながら説明する。なお、図13〜図15は、熱風循環ユニット100とコンテナ200を、接続ダクト125を介して接続していない状態(接続解除時)を示す。
【0117】
開閉機構209は、コンテナ200の天板204の内面に固定した上ケース210、この上ケース210と所定距離を与えて配置した下ケース211を有し、上ケース210と下ケース211は、四隅に設けた4本の円形状の支持体212を介して固定している。
支持体212の外面には圧縮コイルバネ(付勢手段)213を巻装してある。
【0118】
また、コンテナ200の天板204の中央部には開口部204aを形成し、上ケース210にはこの開口部204aとほぼ同一寸法の開口部210aを形成している。
【0119】
開口部210a部分に昇降板214が位置し、昇降板214の外周部に昇降ガイド部材215を固定している。この昇降板214の四隅に形成した孔に前記した4本の支持体212を貫通させて、4本の支持体212に沿って一体となった昇降板214、昇降ガイド部材215を昇降自在に構成している。
【0120】
さらに昇降ガイド部材215の下面と下ケース211の上面との間に圧縮コイルバネ213を位置させ、昇降板214と一体となった昇降ガイド部材215を上ケース210側(上方側)に付勢している。
【0121】
昇降板214には中央部にコンテナ200から熱風循環ユニット100への熱風の戻路となる開口216、217を形成し、開口216と開口217との間は中央仕切部材218によって区切られている。
【0122】
また、開口216、217を開閉する開閉板219、220を有し、この開閉板219、220のスライド方向に沿ってU字状溝221a、222aを有するスライドガイド221、222を昇降板214に固定してある。
【0123】
互いに向き合うU字状溝221a、222aに開閉板219、220の対向する2辺の端部が入り、開閉板219、220をU字状溝221a、222aに沿ってスライド可能に構成している。
【0124】
また、下ケース211には、昇降板214に形成した開口216、217の両者に対向した位置の中央部に開口部211aを形成してあり、スライドガイド221、222と同方向にU字状溝223a、224aを有するスライドガイド223、224を開口211aの両サイドに位置して下ケース211に固定してある。
【0125】
互いに向き合うU字状溝223a、224aにスライド板225、232の対向する2辺の端部が入り、スライド板225、232をU字状溝223a、224aに沿ってスライド可能に構成している。開閉板219、220とスライド板225、232は同方向にスライド可能に構成している。
【0126】
開閉板219とスライド板225の各々の両サイドは、回動支点部材である蝶番227a、227bおよび蝶番228a、228bを介して連結板226で連結し、第1リンク機構250aを構成している。なお、蝶番227a、227bは中央仕切部材218と反対方向の開閉板219に位置している。
【0127】
また、昇降板214とスライド板225の一方のサイドは、蝶番230a、231aを介して連結板229aで連結し、さらに、昇降板214とスライド板225の他方のサイドは、蝶番230b、231bを介して連結板229bで連結し、第2リンク機構251aを構成している。
【0128】
連結板226と連結板229a、229bは鉛直方向に対して各々θ1、θ2の角度を有して互いに向き合うように位置している。
【0129】
また、開閉板220とスライド板232の両サイドは、蝶番234a、234b、蝶番235a、235bを介して連結板233で連結し、第1リンク機構250bを構成している。なお、蝶番234a、234bは中央仕切部材218と反対方向の開閉板220に位置している。
【0130】
また、昇降板214とスライド板232の一方のサイドは、蝶番237a、238aを介して連結板236aで連結し、さらに、昇降板214とスライド板232の他方のサイドは、蝶番237b、238bを介して連結板236bで連結し、第2リンク機構251bを構成している。
【0131】
連結板233と連結板236a、236bは鉛直方向に対して各々θ1、θ2の角度を有して互いに向き合うように位置している。
【0132】
なお、図14、15、17、19、21に示すように連結板229a、229b、および236a、236bは、各々連結板226、233の外方に配置しているものである。また、下ケース211に形成した開口部211aは熱風の循環路となる。
【0133】
また、第1リンク機構250a、250bおよび第2リンク機構251a、251bに用いる回動支点部材である各々の蝶番には、付勢手段であるねじりコイルバネ(図示なし)を装着してある。
【0134】
また、開口216、217、開閉板219、220、第1リンク機構250a、250bおよび第2リンク機構251a、251bは、中央仕切部材218を中心として対称状に配置しているものである。
【0135】
なお、回動支点部材として蝶番を用いたが、これに限定するものではなく、例えば弾性を有する板状または線状の屈曲部材により構成してもよい。
【0136】
次に、熱風循環ユニット100に有する接続ダクト125をコンテナ200に接続していない状態(接続解除時)における開閉機構209の状態を図13〜図15を用いて説明する。
【0137】
昇降ガイド部材215の下面と下ケース211の上面との間に位置させた圧縮コイルバネ213により、昇降板214と一体となった昇降ガイド部材215を上ケース210側(上方側)に所定の付勢力を与えて付勢し、昇降ガイド部材215の上面が上ケース210の下面に当接している。昇降ガイド部材215と一体となった昇降板214も天板204とほぼ同一面になる位置に停止している。
【0138】
また、昇降板214に固定したスライドガイド221、222の各々のU字状溝221a、222aに嵌まりガイドされている開閉板219、220も上昇した位置にあり、開閉板219、220の中央側の端部は中央仕切部材218に当接している。
【0139】
このとき、開閉板219とスライド板225の各々の両サイドは、蝶番227a、227bおよび蝶番228a、228bを介して連結板226で連結し、第1リンク機構250aを構成し、開閉板219の中央側の端部は蝶番227a、227b、228a、228bに有したねじりコイルバネにより付勢されて中央仕切部材218に当接している。
【0140】
また、開閉板220とスライド板232の各々の両サイドは、蝶番234a、234bおよび蝶番235a、235bを介して連結板233で連結し、第1リンク機構250bを構成し、開閉板220の中央側の端部は蝶番234a、234b、235a、235bに有したねじりコイルバネにより付勢されて中央仕切部材218に当接している。
【0141】
これによって、昇降板214の開口216、217は開閉板219、220によって塞がれた閉の状態となっている。
【0142】
第1リンク機構250a、250bを構成する連結板226、233の傾斜角度(θ1)は、例えば5〜30度であればよく、本実施形態に於いては25度に設定している。したがって、開閉板219と連結板226、開閉板220と連結板233との角度は65度となっている。
【0143】
また、第2リンク機構251a、251bを構成する連結板229a、229b、236a、236bの傾斜角度(θ2)は、例えば5〜30度であればよく、本実施形態に於いては25度に設定している。したがって、昇降板214と連結板229a、229b、および236a、236bとの角度は65度となっている。
【0144】
また、開閉板219、220とスライド板225、232との上下方向の距離は最大となっている。
【0145】
また、蝶番227a、227b、228a、228bの各々には、ねじりコイルバネを有していることから、連結板226の傾斜角度(θ1)を小さくなるように付勢していることになる。すなわち、連結板226には鉛直方向側に変化させようとする付勢力が作用している。
【0146】
また、蝶番230a、230b、231a、231bの各々には、ねじりコイルバネを有していることから、連結板229a、229bの傾斜角度(θ2)を小さくなるように付勢していることになる。すなわち、連結板229a、229bには鉛直方向側に変化させようとする付勢力が作用している。
【0147】
連結板229a、229bの一端は、開閉板219、スライド板225のように摺動自在な部材ではない昇降板214側を固定端として蝶番230a、230bを介して固定している。これによって、スライドガイド223、224に沿ってスライド(摺動)自在なスライド板225は、所定の位置に静止している状態となる。
【0148】
また、前記したように、蝶番227a、227b、228a、228bの各々には、ねじりコイルバネを有していることから、連結板226には鉛直方向側に変化させようとする付勢力が作用している。加えて、スライド(摺動)自在なスライド板225は、所定の位置に静止している状態となっている。
【0149】
これによって、中央仕切部材218側に移動して当接している開閉板219には、さらに中央仕切部材218側へ移動させようとする付勢力が作用している。したがって中央仕切部材218に開閉板219が押し付けられて、開口216を確実に閉塞させることができる。
【0150】
また、開閉板220とスライド板232の各々の両サイドは、蝶番234a、234bおよび蝶番235a、235bを介して連結板233で連結し、第1リンク機構250bを構成し、開閉板220の中央側の端部は蝶番234a、234b、235a、235bに有したねじりコイルバネにより付勢されて中央仕切部材218に当接している。
【0151】
また、蝶番234a、234b、235a、235bの各々には、ねじりコイルバネを有していることから、連結板233の傾斜角度(θ1)を小さくなるように付勢していることになる。すなわち、連結板233には鉛直方向側に変化させようとする付勢力が作用している。
【0152】
また、蝶番237a、237b、238a、238bの各々には、ねじりコイルバネを有していることから、連結板236a、236bの傾斜角度(θ2)を小さくなるように付勢していることになる。すなわち、連結板236a、236bには鉛直方向側に変化させようとする付勢力が作用している。
【0153】
連結板236a、236bの一端は、開閉板220、スライド板232のように摺動自在な部材ではない昇降板214側を固定端として蝶番237a、237bを介して固定している。これによって、スライドガイド223、224に沿ってスライド(摺動)自在なスライド板232は、所定の位置に静止している状態となる。
【0154】
また、前記したように、蝶番237a、237bの各々には、ねじりコイルバネを有していることから、連結板233には鉛直方向側に変化させようとする付勢力が作用している。加えて、スライド(摺動)自在なスライド板232は、所定の位置に静止している状態となっている。
【0155】
これによって、中央仕切部材218側に移動して当接している開閉板220には、さらに中央仕切部材218側へ移動させようとする付勢力が作用している。したがって中央仕切部材218に開閉板220が押し付けられて、開口217を確実に閉塞させることができる。
【0156】
前記したように、熱風循環ユニット100とコンテナ200を、接続ダクト125を介して接続していない状態(接続解除時)において、コンテナ200の開閉機構209は、コンテナ200から熱風循環ユニット100への熱風の戻路となる開口216、217が各々開閉板219、220によって閉塞され閉となっているものである。
【0157】
また、昇降板214が上昇した位置にあり、昇降板214の上面がコンテナ200の天板204に有する開口部204aとほぼ同一面にあって、この開口部204aを閉塞している。
【0158】
また、昇降板214と一体となった昇降ガイド部材215の上面が上ケース210の下面に当接している。これによって、熱風循環ユニット100からコンテナ200への熱風の供給路となる開口239(図16、17、20、21参照)が閉塞され閉となっているものである。
【0159】
次に、熱風循環ユニット100とコンテナ200を接続する過程について説明する。
【0160】
先ず、図2、図3に示すように、保管スペース205に食器類208を入れた所定数の篭207を収納したコンテナ200を、開閉機構209と接続ダクト125が互いに対向するように熱風循環ユニット100の下方の所定位置に運搬し停止させる。なお、コンテナ200の停止位置は、熱風循環ユニット100の位置に対応した床面の位置に基板201の四隅を合わせる表示をすればよい。
【0161】
停止させたコンテナ200と熱風循環ユニット100との高さ方向(鉛直方向)の位置は、昇降外筒120のフランジ121に有するパッキン122の下面とコンテナ200の天板204の上面との距離を予め例えば略300mmに設定する。
【0162】
次に、熱風循環ユニット100の接続ダクト125を下降させてコンテナ200の開閉機構209に接続する過程を図16、図17を用いて説明する。なお、図16、図17に示す状態は、接続ダクト125が開閉機構209に接触し、さらに下降を継続する途中の過程を示す。
【0163】
コンテナ200を熱風循環ユニット100の下方の所定位置に停止させた後、リモコン(図示なし)の操作によって、熱風循環ユニット100のギヤドモータ133を駆動し、ワイヤー128a、128bで吊り下げられた接続ダクト125を自重により下降させる。なお、接続ダクト125の質量は、例えば15〜30kgとなっている。
【0164】
接続ダクト125の下降過程において、先ず、接続ダクト125を構成する昇降内筒113の下端部であるフランジ115に有するパッキン116が開閉機構209の昇降板214の上面に接触した後、昇降板214、上ケース210が接続ダクト125の自重による押し圧力を受けて、圧縮コイルバネ213の付勢力に抗して押し下げられる。
【0165】
また、昇降板214の下降とともに、昇降板214に固定したスライドガイド221、22、開閉板219、220も下降する。このとき、昇降外筒120の下端部であるフランジ121に有するパッキン122は、コンテナ200の天板204の上面にまだ接触していない状態にある。
【0166】
昇降内筒113と一体となったフランジ115に有するパッキン116が昇降板214の上面に接触したときから、昇降板214に固定したスライドガイド221、222によって保持している開閉板219、220も下降する。
【0167】
下降する昇降板214、開閉板219、220と、固定した位置にある下ケース211に有するスライドガイド223、224、スライド板225、232との距離が減少し、第1リンク機構250aおよび第1リンク機構250bを構成する連結板226、233は、θ1からθ3に各々傾斜角度を増して水平方向に向けて変化する。
【0168】
また、第2リンク機構251a、251bを構成する連結板229a、229b、236a、236bは、θ2からθ4に傾斜角度を増して水平方向に向けて変化する。
【0169】
第2リンク機構251a、251bを構成する連結板229a、229b、236a、236bは、一端を蝶番230a、230b、237a、237bを介して昇降板214に(固定端側)として固定し、他端は蝶番231a、231b、238a、238bを介して摺動自在なスライド板225、232に固定している。したがってスライド板225、232は、昇降板214の下降距離に相関して互いが離れる方向にスライドガイド223、224を摺動して移動する。
【0170】
また、第1リンク機構250a、250bを構成する連結板226、233は、一端を摺動自在な開閉板219、220に蝶番227a、227b、234a、234bを介して固定し、他端は蝶番228a、228b、235a、235bを介して摺動自在なスライド板225、232を固定している。したがって開閉板219、220は、昇降板214の下降距離に相関して中央仕切部材218から互いが離れる方向にスライドガイド221、222を摺動して移動する。
【0171】
このとき、スライド板225、232は、第2リンク機構251a、251bにより昇降板214の下降距離に相関して互いが離れる方向にスライドガイド223、224を摺動して移動し、この第1リンク機構250a、250bを構成するスライド板225、232の移動によって、連結板226、233、開閉板219、220も第2リンク機構251a、251bによるスライド板225、232の移動距離に相当する分、移動することになる。
【0172】
したがって、昇降板214の下降距離に相関した開閉板219、220の移動距離は、第2リンク機構251a、251bにより移動するスライド板225、232の移動距離に、第1リンク機構250a、250bにより移動する開閉板219、220の移動距離を加えたものとなる。
【0173】
昇降板214の下降とともに、コンテナ200の開閉機構209は、コンテナ200から熱風循環ユニット100への熱風の戻路となる開口216、217が各々開閉板219、220によって閉塞され閉となっている状態から開へと移行する。
【0174】
また、昇降板214の下降とともに、昇降板214がコンテナ200の天板204に有する開口部204aから下方に離間していく(例えば図16、17中のH1の距離)。また、昇降板214と一体となった昇降ガイド部材215の上面が上ケース210の下面から離間していく。これによって、熱風循環ユニット100からコンテナ200への熱風の供給路となる開口239が閉塞され閉となっている状態から開へと移行する。
【0175】
次に、熱風循環ユニット100の接続ダクト125を最終位置まで下降させてコンテナ200の開閉機構209および天板204に接続した状態を図9、図18、図19、図20、図21を用いて説明する。
【0176】
接続ダクト125がさらに下降し、最終の下降位置において、昇降板214、開閉板219、220と、固定した位置にある下ケース211に有するスライドガイド223、224、スライド板225、232との距離がさらに減少し、第1リンク機構250a、250bを構成する連結板226、233は、θ3からさらに各々傾斜角度を増して略水平方向に変化する。
【0177】
また、第2リンク機構251a、251bを構成する連結板229a、229b、236a、236bは、θ4からさらに傾斜角度を増して略水平方向に変化する。
【0178】
第2リンク機構251a、251bにより、スライド板225、232は、昇降板214の最終の下降距離に相関して互いが離れる方向にスライドガイド223、224を摺動して移動する。
【0179】
また、第1リンク機構250a、250bにより、開閉板219、220は、昇降板214の最終の下降距離に相関して中央仕切部材218から互いが離れる方向にスライドガイド221、222を摺動して移動し、開口216、217は、全開状態となる。
【0180】
このとき、スライド板225、232は、第2リンク機構251a、251bにより昇降板214の最終の下降距離に相関して互いが離れる方向にスライドガイド223、224を摺動して移動し、この第2リンク機構251a、251bを構成するスライド板225、232の移動によって、連結板226、233、開閉板219、220も第2リンク機構251bによるスライド板225、232の移動距離に相当する分、移動することになる。
【0181】
したがって、昇降板214の最終の下降距離に相関した開閉板219、220の移動距離は、第2リンク機構251a、251bにより移動するスライド板225、232の移動距離に、第1リンク機構250a、250bにより移動する開閉板219、220の移動距離を加えたものとなる。
【0182】
昇降板214の最終の下降位置において、コンテナ200の開閉機構209は、コンテナ200から熱風循環ユニット100への熱風の戻路となる開口216、217が各々開閉板219、220の移動により全開状態となる。
【0183】
また、昇降板214の最終の下降位置において、コンテナ200の天板204に有する開口部204aから昇降板214の上面が最大に離間する(図20、21のH2の距離)。
また、昇降板214と一体となった昇降ガイド部材215の上面が上ケース210の下面から最大に離間する。これによって、熱風循環ユニット100からコンテナ200への熱風の供給路となる開口239が全開状態となる。
【0184】
また、昇降外筒120の一体となったフランジ121のパッキン122が、コンテナ200の天板204の上面に接触する状態となる。さらに、昇降外筒120の下降により、昇降外筒120のフランジ120aに連接した伸縮筒119は、固定外筒118のフランジ118aとの間で伸長した状態となっている。
【0185】
昇降板214の最終の下降位置において、ゴム等からなる中空状で弾性を有するパッキン116、122を介して接続ダクト125の質量(自重)である押し圧力を昇降板214の上面が受けているものである。
【0186】
なお、昇降板214と一体となった昇降ガイド部材215の上面と上ケース210の下面との離間距離は、昇降板214の全下降距離である略65mmに相当するものである。
【0187】
なお、本実施形態のおいては、昇降板214を基点とする第2リンク機構251a、251bによるスライド板225、232の最大移動距離は各々略54mm、第1リンク機構250a、250bによるスライド板225、232に対する各々開閉板219、220の最大移動距離は各々略54mmとなっている。
【0188】
したがって、第1リンク機構250a、250b、第2リンク機構251a、251bによる開閉板219、220の最大移動距離は、各々略108mmとなる。
【0189】
また、本実施形態においては、開口216、217の各々の大きさは、各々開閉板219、220の移動に沿った方向を106mm、開閉板219、220の移動方向と直交する方向を220mmとした矩形状に構成している。
【0190】
なお、実施形態においては、フランジ115のパッキン116の接触による昇降板214の下降開始位置から、昇降板214の最終の下降位置までの全下降距離は略65mmに設定されている。
【0191】
さらに、接続ダクト125は、下降開始から最終の下降位置までを全下降距離として、略365mmに設定されている。これは、熱風循環ユニット100の下方にコンテナ200を移動させたとき、フランジ115のパッキン122の下面とコンテナ200の天板204上面との距離300mmに、昇降板214の全下降距離である略65mmを加えたものである。
【0192】
また、接続ダクト125の下降により、昇降外筒120のフランジ120aを介して連結板126に固定した昇降検知板136の下面が下降検知スイッチ139のレバー140の上面に接触し、レバー140を所定角度回動させると下降検知スイッチ139の電気接点が開となり、ギヤドモータ133の駆動をOFFとし、ワイヤー128a、128bの巻き戻しを停止する。これによって、接続ダクト125の最終の下降位置が規制され、接続ダクト125の下降動作を終了する。
【0193】
接続ダクト125は昇降板214の最終の下降位置において停止するが、この接続ダクト125の下降停止とほぼ同時に下降検知スイッチ139の電気接点が開となりギヤドモータ133の駆動をOFFとするように構成している。さらに詳しくは、下降検知スイッチ139の電気接点が開となってからさらにギヤドモータ133を制御手段により短時間駆動し、ワイヤー128a、128bを若干弛ませた状態でギヤドモータ133の駆動をOFFとしているものである。
【0194】
以上のように、開閉機構209は、上下方向に昇降自在な昇降板214と、コンテナ200から熱風循環ユニット100への熱風の戻路となる昇降板に設けた開口216、217と、昇降板214に設けた開口を開閉する開閉板219、220と、を備え、昇降板214の下降時に、開閉板219、220を水平方向にスライドさせて昇降板214に設けた開口216、217を閉から開とするとともに、コンテナ200上面部に有する開口部204aからの昇降板214の下方への離間により熱風循環ユニット100からコンテナ200への熱風の供給路となる開口239を形成させるものである。
【0195】
これにより、熱風の戻路および熱風の供給路の両者を同時に、かつ確実に閉から開とすることができる。
【0196】
また、昇降板214を付勢手段213により上方に付勢するとともに上下方向に昇降自在とし、接続ダクト125の下降時には昇降板214が付勢手段213の付勢力に抗して接続ダクト125の押し圧力を受けて下降し、接続ダクト125の上昇時には接続ダクト125の押し圧力が解除されて、昇降板214は付勢手段213による上方への付勢力により上昇するものである。
【0197】
これにより、接続ダクト125の押し圧力の授受の有無によって昇降板214を確実に昇降させることができる。さらに、熱風の戻路および熱風の供給路の両者を同時に、かつ確実に閉から開とすることができる。
【0198】
また、所定の間隔を与えて固定配置した上ケース210および下ケース221と、上ケース210と下ケース221間を上下方向に昇降自在な昇降板214と、昇降板214に設けた開口216、217を開閉する水平方向にスライド可能な開閉板219、220と、下ケース221に有する水平方向にスライド可能なスライド板225、232と、開閉板219、220とスライド板225、232とを回動支点部材を介して連結板226、233で連結して構成した第1リンク機構250a、250bと、昇降板214とスライド板225、232とを回動支点部材を介して連結板229a、229b、236a、236bで連結して構成した第2リンク機構251a、251bと、を備え、昇降板214の昇降により、第1リンク機構および第2リンク機構を介して、開閉板219、220をスライドさせるものである。
【0199】
これにより、接続ダクト125の昇降距離に対して開閉板219、220のスライド方向の移動距離を大きくして、熱風の戻路となる開口216、217の面積を大きく設定し熱風の通過抵抗を小さくすることができる。したがって熱風の十分な循環量を確保し、送風機をより小型化することができる。
【0200】
また、昇降板214が上昇した位置にあるとき、第1リンク機構250a、250bおよび第2リンク機構251a、251bに有する連結板226、233、229a、229b、236a、236bを鉛直方向に対して所定角度傾斜させたものである。
【0201】
これにより、昇降板214の下降開始時の連結板226、233、229a、229b、236a、236bの回動をしやすくし、開閉板219、220およびスライド板225、232を円滑に移動させて熱風の戻路および熱風の供給路の両者を確実に閉から開とすることができる。
【0202】
また、昇降板214に二つの開口216、217を設けるとともに各々の開口216、217を開閉する開閉板219、220を有し、各々の開閉板219、220をスライドさせる第1リンク機構250a、250bおよび第2リンク機構251a、251bを備え、各々の開閉板219、220を互いが接近、離間する方向にスライドさせて各々の開口216、217を開閉させるものである。
【0203】
これにより、熱風の戻路となる開口216、217の面積をより大きく設定し熱風の通過抵抗を小さくすることができる。したがって熱風の十分な循環量を確保し、送風機をより小型化することができる。
【0204】
また、接続ダクト125の下降時、昇降内筒113の下端部が開閉機構209の昇降板214に接触し、昇降外筒120の下端部がコンテナ200の上面部に接触するようにしたものである。
【0205】
これにより、開閉機構209の昇降板214は、下降する昇降内筒113の下端部からのみ接続ダクト125の押し圧力を受けて、熱風の戻路および熱風の供給路の両者を閉から開とすることができる。また、構成を簡素化することができる。
【0206】
また、昇降外筒120の下端部の位置よりも昇降内筒113の下端部の位置を下方とし、接続ダクト125が下降したとき、昇降内筒113の下端部が開閉機構209の昇降板214に接触して下降させ、昇降板214を所定距離下降させた後、昇降外筒120の下端部がコンテナ200の上面部に接触するようにしたものである。
【0207】
これにより、例えば、熱風循環ユニット100に対してコンテナ200を所定の位置ではなく、大幅に水平方向にずれて停止させた場合、接続ダクト125の下降過程において、昇降内筒113の下端部がコンテナ200の上面部に接触して下降を停止し、昇降外筒120の下端部がコンテナ200の上面部に接触するまで下降しない。
【0208】
この状態を観察して接続ダクト125のコンテナ200への接続不具合を把握し、接続ダクト125を一旦上昇させ、コンテナ200の停止位置を所定の位置に調整した後、接続ダクト125を再度下降させて正常に接続させることができる。
【0209】
したがって、接続ダクト125のコンテナ200への接続状況を作業者が順を追って確認しやすくなり、常に昇降内筒113の下端部が開閉機構209の昇降板214を下降させて熱風の戻路および熱風の供給路の両者を確実に閉から開とすることができる。
【0210】
さらに、常に昇降内筒113の下端部が昇降板214に接触し、昇降外筒120の下端部がコンテナ200の上面部に接触し、これらの接触部のシールを確実にして熱風の漏れを防止することができる。
【0211】
また、コンテナ200の天板204に有する開口部204aよりも昇降内筒113の下端部に有するフランジ115の外周を全周にわたって所定寸法(例えば略50mm)小さくしたものである。これにより、熱風循環ユニット100に対してコンテナ200を所定寸法の範囲内に停止させれば、常に昇降内筒113の下端部がコンテナの天板204(上面部)に接触して下降が停止することがなくなり、確実に開閉機構209の昇降板214を下降させて熱風の戻路および熱風の供給路の両者を閉から開とすることができる。
【0212】
したがって、熱風循環ユニット100に対するコンテナ200の停止位置のずれに余裕を与え、コンテナ200の停止作業の容易化、スピードアップを図ることができる。なお、前記コンテナ200を所定寸法の範囲内に停止させても昇降内筒113の下端部に有するフランジ115が開口216、217を塞がないように構成しているものである。
【0213】
次に、熱風循環ユニット100の接続ユニットと開閉機構209との接続を完了した後の運転動作を説明する。
【0214】
先ず、熱風循環ユニット100の送風用のモータ109、およびシーズヒータ111に通電する。送風羽根108の回転により、コンテナ200の収納部205内の空気を開閉機構209の開口216、217、接続ダクト125の昇降内筒113、固定内筒112の戻路117を介して吸引する。
【0215】
吸引した空気は送風室107の吐出口106から熱交換室110に入り、シーズヒータ111によって加温されて熱風となり、固定内筒112と固定外筒118との間、固定内筒112と伸縮筒119との間、昇降内筒113と昇降外筒120との間の供給路124を通り、さらに、コンテナ200の上面部に有する開口部204aからの昇降板214の下方への離間により形成した開口239から収納部205内に吹き出される。
【0216】
収納部205内に吹き出された熱風は、収納部205内の外側部を下降して流れて食器208に接触し、収納部205内の中央部から開閉機構209の昇降板214に有する開口216、217に向けて流れる循環流を形成する。このとき、開閉機構209が上面から見てコンテナ200の天板204の略中央部に位置していることから、熱風が開口239から収納部205内の外側部に全周にわたって均一に吹き出されて下降し、かつ吹き出された熱風は収納部205内の中央部に位置する開口216、217に向けて流れる安定した循環流を形成することができる。したがって収納部205内にある全食器に熱風が均一に接触し、乾燥、消毒を効率的に行うことができる。
【0217】
収納部205内を循環した熱風は、開閉機構209の昇降板214に有する開口216、217から昇降内筒113、固定内筒112の戻路117を通り送風羽根108によって吸引され、コンテナ200の収納部205内と熱風循環ユニット100との間で循環する。
【0218】
送風用のモータ109およびシーズヒータ111への通電開始から熱風を発生し、コンテナ200の収納部205内、食器208、篭207等を温度上昇させながら、徐々に循環する熱風の温度が上昇し、約20〜30分で約90度Cの温度に達する(例えば送風室107の吐出口106の熱風温度)。
【0219】
この間、例えば送風室107の吐出口106における熱風の温度を温度検知器(例えばサーミスタ、図示なし)で検知し、ここの熱風の温度が約90度Cを越えないようにシーズヒータ111への通電をON、OFF制御する。なお、シーズヒータ111への通電はON、OFF制御に限らず無段階に電力を制御してもよい。
【0220】
約90度Cの熱風温度に達してから約90分間、コンテナ200の収納部205内と熱風循環ユニット100との間で熱風循環の運転を継続する。この間においても前記温度検知器で熱風の温度を検知し、シーズヒータ111への通電を制御して、循環する熱風の温度を約90度Cの温度に保つ。
【0221】
コンテナ200の収納部205内と熱風循環ユニット100との間で熱風循環の運転を継続することによって、収納部205の内壁、食器208、篭207に付着している水分を蒸発させるとともに、熱風による消毒を行う。
【0222】
なお、送風用のモータ109およびシーズヒータ111への通電開始から徐々に循環する熱風の温度が上昇し、例えば送風室107の吐出口106の熱風温度が略約60度Cの温度に達した時点で、図4に示すように、一端が送風室107に開口し、他端が外気中に臨んだ排気筒146に有する熱応動ダンパー147が作動する。これによって、外気への通路を開とする。
【0223】
熱応動ダンパー147が作動し、外気への通路を開とすると、循環する熱風の一部が外気中へ流出し、同時に図3に示す吸入筒144の開口145から外気が固定外筒118内に吸引され、コンテナ200から吸引する熱風に混合される。
【0224】
これによって、循環する熱風の湿度を所定値以下に抑え、収納部205の内壁、食器208、篭207に付着している水分の蒸発を促進させるものである。
【0225】
コンテナ200の収納部205内と熱風循環ユニット100との間で熱風循環の運転を約90分間継続した後、シーズヒータ111への通電をOFFし、さらに送風用のモータ109への通電を約5分間継続した後にOFFとし、熱風循環の運転を停止する。
【0226】
次に、コンテナ200の収納部205内と熱風循環ユニット100との間で熱風循環の運転を停止した後、熱風循環ユニット100に有する接続ダクト125をコンテナ200に接続している状態から接続ダクト125を上昇させて接続を解除する過程を図14、図15、図16、図17、図20、図21を用いて説明する。
【0227】
先ず、ギヤドモータ133の駆動によりプーリ129を回転させ、溝130、131に巻装したワイヤー128a、128bを巻き取って、接続ダクト125を上昇させる。
【0228】
このとき、ワイヤー128a、128bの下端を固定した各々の固定板127を介して昇降外筒120と、昇降外筒120と連結部材123を介して一体化した昇降内筒113から構成した接続ダクト125を上昇させる。昇降内筒113は固定内筒112の外面をガイドとして凸部材114を介して上昇する。
【0229】
接続ダクト125の上昇過程においにて、図20、図21に示す熱風の戻路である開口216、217、および供給路である239が全開状態から、図16、図17に示すように、接続ダクト125を構成する昇降内筒113と一体となったフランジ115に有するパッキン116が開閉機構209の昇降板214の上面に接触したまま、昇降板214、上ケース210が付勢手段である圧縮コイルバネ213の付勢力により上昇する。
【0230】
また、昇降板214の上昇とともに、昇降板214に固定したスライドガイド221、22、開閉板219、220も上昇する。上昇する昇降板214、開閉板219、220と、固定した位置にある下ケース211に有するスライドガイド223、224、スライド板225、232との距離が増加し、第1リンク機構250aおよび第1リンク機構250bを構成する連結板226、233は、略水平方向からθ3に各々傾斜角度が減少して鉛直方向に向けて変化する。
【0231】
また、第2リンク機構251aおよび第2リンク機構251bを構成する連結板229a、229b、236a、236bは、略水平方向からθ4に傾斜角度が減少して鉛直方向に向けて変化する。
【0232】
第2リンク機構251bを構成する連結板229a、229b、236a、236bは、一端を蝶番230a、230b、237a、237bを介して昇降板214に固定し、他端は蝶番231a、231b、238a、238bを介してスライド板225、232に固定していることから、スライド板225、232は、昇降板214の上昇距離に相関して互いが近づく方向にスライドガイド223、224を摺動して移動する。
【0233】
また、第1リンク機構250a、250bを構成する連結板226、233は、一端を開閉板219、220に蝶番227a、227b、234a、234bを介して固定し、他端は蝶番228a、228b、235a、235bを介してスライド板225、232を固定していることから、開閉板219、220は、昇降板214の上昇距離に相関して中央仕切部材218側に互いが近づく方向にスライドガイド221、222を摺動して移動する。
【0234】
このとき、スライド板225、232は、第2リンク機構251a、251bにより昇降板214の上昇距離に相関して互いが近づく方向にスライドガイド223、224を摺動して移動し、この第1リンク機構250a、250bも構成するスライド板225、232の移動によって、連結板226、233、開閉板219、220も第2リンク機構251a、251bによるスライド板225、232の移動距離に相当する分、移動することになる。
【0235】
したがって、昇降板214の上昇距離に相関した開閉板219、220の移動距離は、第2リンク機構251a、251bにより移動するスライド板225、232の移動距離に、第1リンク機構250a、250bにより移動する開閉板219、220の移動距離を加えたものとなる。
【0236】
このように、昇降板214の上昇とともに、コンテナ200の開閉機構209は、コンテナ200から熱風循環ユニット100への熱風の戻路となる開口216、217が各々開閉板219、220によって全開となっている状態から閉方向へと移行する。
【0237】
また、昇降板214の上昇とともに、昇降板214の上面がコンテナ200の天板204に有する開口部204aに近接していく(例えば図16、図17中のH1の距離)。
これによって、熱風循環ユニット100からコンテナ200への熱風の供給路となる開口239の高さ方向の距離が減少し全開となっている状態から閉方向へと移行する。
【0238】
なお、昇降外筒120のフランジ121に有するパッキン122は、接続ダクト125の上昇開始とほぼ同時にコンテナ200の天板204の上面から離れる。
【0239】
さらなる接続ダクト125の上昇にともない、接続ダクト125を構成する昇降内筒113と一体となったフランジ115に有するパッキン116が開閉機構209の昇降板214の上面から離れる。昇降板214、上ケース210が圧縮コイルバネ213の付勢力により上昇し、図14、図15に示す状態となる。
【0240】
また、昇降板214の上昇とともに、昇降板214に固定したスライドガイド221、222、開閉板219、220も上昇する。上昇する昇降板214、開閉板219、220と、固定した位置にある下ケース211に有するスライドガイド223、224、スライド板225、232との距離が増加し、第1リンク機構250a、250bを構成する連結板226、233は、θ3からθ1に各々傾斜角度が減少して鉛直方向に向けて変化する。
【0241】
また、第2リンク機構251a、251bを構成する連結板229a、229b、236a、236bは、θ4からθ2に傾斜角度が減少して鉛直方向に向けて変化する。
【0242】
第2リンク機構251a、251bを構成する連結板229a、229b、236a、236bは、一端を蝶番230a、230b、237a、237bを介して昇降板214に固定し、他端は蝶番231a、231b、238a、238bを介してスライド板225、232に固定していることから、スライド板225、232は、昇降板214の上昇距離に相関して互いが近づく方向にスライドガイド223、224を摺動して移動する。
【0243】
また、第1リンク機構250a、250bを構成する連結板226、233は、一端を開閉板219、220に蝶番227a、227b、234a、234bを介して固定し、他端は蝶番228a、228b、235a、235bを介してスライド板225、232を固定していることから、開閉板219、220は、昇降板214の上昇距離に相関して中央仕切部材218側に互いが近づく方向にスライドガイド221、222を摺動して移動し、開口216、217は開閉板219、220によって閉となる。
【0244】
このとき、スライド板225、232は、第2リンク機構251a、251bにより昇降板214の上昇距離に相関して互いが近づく方向にスライドガイド223、224を摺動して移動し、この第1リンク機構250a、250bを構成するスライド板225、232の移動によって、連結板226、233、開閉板219、220も第2リンク機構251a、251bによるスライド板225、232の移動距離に相当する分、移動することになる。
【0245】
したがって、昇降板214の上昇距離に相関した開閉板219、220の移動距離は、第2リンク機構251a、251bにより移動するスライド板225、232の移動距離に、第1リンク機構250a、250bにより移動する開閉板219、220の移動距離を加えたものとなる。
【0246】
接続ダクト125を構成する昇降内筒113と一体となったフランジ115に有するパッキン116が開閉機構209の昇降板214の上面から離れることによって、コンテナ200の開閉機構209は、コンテナ200から熱風循環ユニット100への熱風の戻路となる開口216、217が各々開閉板219、220によって全閉となる。
【0247】
また、昇降板214の上昇とともに、昇降板214の上面がコンテナ200の天板204に有する開口部204aとほぼ同一面となり、さらに、昇降板214と一体となった昇降ガイド部材215の上面が上ケース210の下面に接触する。これによって、開口部204a熱風循環ユニット100からコンテナ200への熱風の供給路となる開口239が全閉となる。
【0248】
さらなる接続ダクト125の上昇にともない、図8に示すように昇降外筒120のフランジ120aを介して連結板126に固定した昇降検知板136の上面が上昇検知スイッチ137のレバー138の下面に接触し、レバー138を所定角度回動させると上昇検知スイッチ137の電気接点が開となり、ギヤドモータ133の駆動をOFFとし、ワイヤー128a、128bの巻き取りを停止する。
【0249】
このとき、ワイヤー128a、128bには接続ダクト125の自重(質量)がかかって吊り下げられた状態となっているが、ギヤドモータ133に有するブレーキにより接続ダクト125は、ギヤドモータ133の駆動をOFFとした位置を保持する。
【0250】
また、ダクト125の昇降外筒120の上昇により、昇降外筒120のフランジ120aに連接した伸縮筒119は、固定外筒118のフランジ118aとの間で縮んだ状態となっている。
【0251】
熱風による乾燥、消毒運転を終了し接続ダクト125を上昇させてコンテナ200との接続を解除した後、コンテナ200を、例えば保管等を経て食器類の洗浄、乾燥、消毒を行う学校給食センターから各学校に搬送し喫食に供するものである。
【0252】
なお、本実施形態においては、開閉機構209に熱風の戻路となる二つの開口216、を設けたが、熱風の通過抵抗に余裕がある場合には、一つの開口としこの開口を第1リンク機構および第2リンク機構により開閉板をスライドさせて開閉させてもよい。
【0253】
また、熱風の戻路となる開口を開閉する開閉板を第1リンク機構および第2リンク機構によりスライドさせるようにしたが、熱風の通過抵抗に余裕がある場合には、第1リンク機構のみで開閉板をスライドさせてもよい。この場合には第1リンク機構の連結板の一方を、回動支点部材を介して開閉板に固定し、連結板の他方を、回動支点部材を介して開閉機構209の下ケースに固定端側として固定する。
【0254】
また、接続ダクト125は、昇降内筒とこの昇降内筒の外側に設けた昇降外筒との二重筒構成とし、昇降内筒をコンテナからの熱風の戻路、昇降内筒と昇降外筒との間をコンテナへの熱風の供給路としたが、熱風の戻路、供給路の各々を単独の筒状体で構成した接続ダクトとし、この接続ダクトを昇降させる構成であってもよい。
【0255】
以上のように、食器類を収納するコンテナ200と、コンテナ200に熱風を供給して循環させる熱風循環ユニット100と、コンテナ200と熱風循環ユニット100との間で接続ダクト125を介して熱風の循環運転をし、コンテナ200内の食器類の加熱消毒を行う本発明の食器類加熱消毒装置は、熱風循環ユニット100に有し昇降自在とした接続ダクト125と、接続ダクト125と連通し熱風の供給路および戻路となる開口を構成するとともに各々の開口を開閉する開閉機構209をコンテナ200の上面部に備えており、開閉機構209は下降する接続ダクト125の押し圧力を受けて各々の開口を閉から開とするとともに、上昇する接続ダクト125の押し圧力の解除によって各々の開口を開から閉とするものである。
【0256】
これにより、コンテナ200に有する熱風の供給路および戻路となる開口の開閉作業を不要とし、熱風循環ユニット100とコンテナ200の接続を解除した後に、開口を確実に閉塞して乾燥消毒の効果を維持した状態でコンテナを運搬、移動させることができる。
【0257】
また、開閉機構209は下降する接続ダクト125の自重による押し圧力を受けて各々の開口を閉から開とするものである。これにより、接続ダクト125の自重のみで各々の開口を閉から開とすることができる。したがって、強制的に押し圧力を与える機構が不要となり構成を簡素化することができる。
【符号の説明】
【0258】
100 熱風循環ユニット
101 本体ケース
102 前扉
103 基板
104 送風ケース(送風手段)
105 仕切板
106 吐出口
107 送風室(送風手段)
108 送風羽根(送風手段)
109 モータ(送風手段)
110 熱交換室
111 シーズヒータ(加熱手段)
112 固定内筒
113 昇降内筒
114 凸部材
115 フランジ
116 パッキン
117 戻路(熱風循環路)
118 固定外筒
118a フランジ
119 伸縮筒
120 昇降外筒
120a フランジ
121 フランジ
122 パッキン
123 連結部材
124 供給路(熱風循環路)
125 接続ダクト(熱風循環路)
126 連結板
127 固定板
128a ワイヤー(昇降手段)
128b ワイヤー(昇降手段)
129 プーリ
130 溝
131 溝
132 リブ
133 ギヤドモータ(昇降手段)
134 ガイドプーリ
135 溝
136 昇降検知板
137 上昇検知スイッチ(昇降検知部)
138 レバー
139 下降検知スイッチ(昇降検知部)
140 レバー
141 連結板
142 接触板
143 接触検知スイッチ(安全検知部)
144 吸入筒
145 開口
146 排気筒
147 熱応動ダンパー
148 天井部
149 吊り部材
200 コンテナ
201 基板
201a 車輪
202 側板ケース
203 開閉扉
204 天板
204a 開口部
205 保管スペース
206 棚
207 篭
208 食器類
209 開閉機構
210 上ケース
210a 開口部
211 下ケース
211a 開口部
212 支持体
213 圧縮コイルバネ
214 昇降板
215 昇降ガイド部材
216 開口(戻路、熱風循環路)
217 開口(戻路、熱風循環路)
218 中央仕切部材
219 開閉板
220 開閉板
221 スライドガイド
221a U字状溝
222 スライドガイド
222a U字状溝
223 スライドガイド
223a U字状溝
224 スライドガイド
224a U字状溝
225 スライド板
226 連結板
227a 蝶番(回動支点部材)
227b 蝶番(回動支点部材)
228a 蝶番(回動支点部材)
228b 蝶番(回動支点部材)
229a 連結板
229b 連結板
230a 蝶番(回動支点部材)
230b 蝶番(回動支点部材)
231a 蝶番(回動支点部材)
231b 蝶番(回動支点部材)
232 スライド板
233 連結板
234a 蝶番(回動支点部材)
234b 蝶番(回動支点部材)
235a 蝶番(回動支点部材)
235b 蝶番(回動支点部材)
236a 連結板
236b 連結板
237a 蝶番(回動支点部材)
237b 蝶番(回動支点部材)
238a 蝶番(回動支点部材)
238b 蝶番(回動支点部材)
239 開口(供給路、熱風循環路)
250a 第1リンク機構
250b 第1リンク機構
251a 第2リンク機構
251b 第2リンク機構


【特許請求の範囲】
【請求項1】
食器類を収納するコンテナと、前記コンテナに熱風を供給して循環させる熱風循環ユニットと、前記コンテナと熱風循環ユニットとの間で接続ダクトを介して熱風の循環運転をし、前記コンテナ内の食器類の加熱消毒を行う食器類加熱消毒装置であって、
前記熱風循環ユニットに有し昇降自在とした接続ダクトと、前記接続ダクトと連通し熱風の供給路および戻路を構成するとともに前記供給路および戻路を開閉する開閉機構を前記コンテナの上面部に備え、前記開閉機構は下降する前記接続ダクトの押し圧力を受けて前記供給路および戻路を閉から開とするとともに、上昇する前記接続ダクトの押し圧力の解除によって前記供給路および戻路を開から閉とすることを特徴とする食器類加熱消毒装置。
【請求項2】
開閉機構は下降する接続ダクトの自重による押し圧力を受けて各々の開口を閉から開とすることを特徴とする請求項1に記載の食器類加熱消毒装置。
【請求項3】
接続ダクトは、昇降内筒とこの昇降内筒の外側に設けた昇降外筒との二重筒構成とし、昇降内筒をコンテナからの熱風の戻路、昇降内筒と昇降外筒との間をコンテナへの熱風の供給路とし、前記昇降内筒と昇降外筒を連結部材で一体化して同時に昇降自在としたことを特徴とする請求項1または2に記載の食器類加熱消毒装置。
【請求項4】
昇降外筒の上部に連設して上下方向に屈曲自在な伸縮外筒を設けるとともに、昇降内筒の筒長方向に互いに重なり部を有して固定内筒を連設し、前記固定内筒をガイドとして昇降内筒を上下方向に摺動させて接続ダクト昇降自在としたことを特徴とする請求項3に記載の食器類加熱消毒装置
【請求項5】
開閉機構は、上下方向に昇降自在な昇降板と、コンテナから熱風循環ユニットへの熱風の戻路となる昇降板に設けた開口と、前記昇降板に設けた開口を開閉する開閉板と、を備え、前記昇降板の下降時に、前記開閉板を水平方向にスライドさせて昇降板に設けた開口を閉から開とするとともに、コンテナ上面部に有する開口部からの昇降板の下方への離間により熱風循環ユニットからコンテナへの熱風の供給路となる開口を形成させることを特徴とする請求項1または2に記載の食器類加熱消毒装置。
【請求項6】
昇降板を付勢手段により上方に付勢するとともに、接続ダクトの下降時には昇降板が付勢手段の付勢力に抗して前記接続ダクトの押し圧力を受けて下降し、接続ダクトの上昇時に前記接続ダクトの押し圧力が解除されて、昇降板は付勢手段による上方への付勢力により上昇すること特徴とする請求項5に記載の食器類加熱消毒装置。
【請求項7】
所定の間隔を与えて固定配置した上ケースおよび下ケースと、前記上ケースと下ケース間を上下方向に昇降自在な昇降板と、前記昇降板に設けた開口を開閉する水平方向にスライド可能な開閉板と、前記下ケースに有する水平方向にスライド可能なスライド板と、前記開閉板とスライド板とを回動支点部材を介して連結板で連結して構成した第1リンク機構と、前記昇降板とスライド板とを回動支点部材を介して連結板で連結して構成した第2リンク機構と、を備え、前記昇降板の昇降により、第1リンク機構および第2リンク機構を介して、前記開閉板をスライドさせることを特徴とする請求項5または6に記載の食器類加熱消毒装置。
【請求項8】
昇降板が上昇した位置にあるとき、第1リンク機構および第2リンク機構に有する連結板を鉛直方向に対して所定角度傾斜させたこと特徴とする請求項7に記載の食器類加熱消毒装置。
【請求項9】
昇降板に二つの開口を設けるとともに前記各々の開口を開閉する開閉板を有し、前記各々の開閉板をスライドさせる第1リンク機構および第2リンク機構を備え、前記各々の開閉板を互いが接近、離間する方向にスライドさせて前記各々の開口を開閉させることを特徴とする請求項7または8に記載の食器類加熱消毒装置。
【請求項10】
接続ダクトの下降時、昇降内筒の下端部が開閉機構の昇降板に接触し、昇降外筒の下端部がコンテナの上面部に接触するようにしたこと特徴とする請求項5〜9のいずれか1項に記載の食器類加熱消毒装置。
【請求項11】
昇降外筒の下端部の位置よりも昇降内筒の下端部の位置を下方とし、接続ダクトが下降したとき、昇降内筒の下端部が開閉機構の昇降板に接触して下降させ、前記昇降板を所定距離下降させ後、昇降外筒の下端部がコンテナの上面部に接触するようにしたこと特徴とする請求項10に記載の食器類加熱消毒装置。
【請求項12】
コンテナの天板に有する開口部よりも昇降内筒の下端部に有するフランジの外周を全周にわたって所定寸法小さくしたこと特徴とする請求項5〜11のいずれか1項に記載の食器類加熱消毒装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−251063(P2011−251063A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128483(P2010−128483)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【特許番号】特許第4623333号(P4623333)
【特許公報発行日】平成23年2月2日(2011.2.2)
【出願人】(390007456)株式会社中西製作所 (26)
【Fターム(参考)】