食材用容器及び食材が収容された食材用容器
【課題】容器本体に収容した麺類や米飯等の主食材に対して、具材等の複数の副食材を選択的に加えることを容易に行うことができる食材用容器を提供する。
【解決手段】食材用容器1は、容器本体2と、外蓋4と、容器本体2と外蓋4との間に配置される中蓋3とを備えている。そして、中蓋3の内壁32bと、凸状部36と、2ヶ所の隔壁34とにより囲まれて、区画部30が形成されている。区画部30は3ヶ所に設けられており、いずれの区画部30も開口部35に隣接している。
【解決手段】食材用容器1は、容器本体2と、外蓋4と、容器本体2と外蓋4との間に配置される中蓋3とを備えている。そして、中蓋3の内壁32bと、凸状部36と、2ヶ所の隔壁34とにより囲まれて、区画部30が形成されている。区画部30は3ヶ所に設けられており、いずれの区画部30も開口部35に隣接している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材用容器に関し、特には容器本体に収容された麺類や米飯等の主食材に対して、中蓋に収容された具材、薬味、汁等の複数の副食材を、好みに応じて選択して加えることが容易な食材用容器及び食材が収容された食材用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売されている弁当には多彩な食材を用いたものがあり、様々な種類の弁当が手軽に食されるようになっている。これらの弁当は、プラスチックシート製容器に食材が収容され、全体がプラスチックフィルムで包装されているものがある。そして、これらの容器には、麺類や米飯等の主食材と、具材、薬味、汁等の副食材とを分けて収容するために、容器本体と中蓋と外蓋とより構成されているものがあり、中蓋に副食材が収容されている。
【0003】
特許文献1に開示されているカップ麺用容器は、容器本体と中蓋と外蓋の代わりのシュリンクフィルムとを備えている。そして、中蓋には、具材を収容するための複数の凹部が形成されている。また、中蓋には、つゆ容器用嵌合孔が形成されて、つゆ容器の嵌着が可能となっている。このカップ麺用容器の場合、容器本体に収容した麺を湯通しする際に、湯通しのために容器本体に注入された湯により、つゆ容器内のつゆが温められるようになっている。
【0004】
特許文献2に開示されている食品用特殊容器は、容器本体と中蓋と外蓋とを備えている。この中蓋には孔が形成されると共に、その孔を塞ぐように半折したフィルムが、中蓋の底部に接着されている。そして、フィルムの端部を側方から引張ることにより、フィルムは、引張られる側と反対の側から徐々に除かれるので、フィルムに塞がれていた孔は次第に開放されて、やがて全開される。例えば、この容器を親子丼用の容器として用いる場合、フィルムの操作により、容器本体に収容した米飯に対して、卵とじされた具材を、食する直前に加えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−86571号公報
【特許文献2】特開2002−211643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の容器を用いる場合、公報の図4に示されているように、麺を湯通しする前に、中蓋の複数の凹部に収容された具材を容器本体内に入れるようになっている。この場合、好みにより、具材を選択することができる。そのために、一方の手で中蓋を持ち、他方の手で持った箸等を使って具材を選択することになるが、これを行うには要領が必要であるため、誰にでも容易にできるとは限らない。即ち、選択しない具材を容器本体内へ入れてしまったり、具材を容器外へこぼしてしまったりすることになりやすい。
【0007】
一方、特許文献2の容器を用いる場合、フィルムに塞がれた孔を開放するためには、半折したフィルムの端部を引張ればよいだけである。従って、孔を開放して米飯上に具材を載置することは、フィルムを引張る力さえあれば、誰にでも行うことができる。しかし、この容器では、複数の具材を中蓋に収容して、その具材の中から選択した具材のみを米飯の上に載せることは不可能である。
【0008】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、容器本体に収容した主食材に対して、副食材を選択的に加えることを容易に行うことができる食材用容器を提供することにある。また、その食材用容器の容器本体に主食材が収容されると共に、中蓋の区画部に副食材が収容された食材用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するために請求項1に記載の食材用容器の発明は、合成樹脂製シートを成形した容器であって、主食材を収容する容器本体と、外蓋と、前記容器本体と外蓋との間に配置される中蓋とを備えた食材用容器において、前記中蓋には、副食材を区画して収容するための区画部が形成されると共に、前記主食材に対して前記副食材を加えるための副食材投入口が、前記区画部に隣接して形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、容器本体に主食材を収容すると共に、中蓋に形成された複数の区画部に複数の副食材を収容することができるようにした。そして、外蓋を外すことにより、容器本体に載置された姿勢の中蓋が副食材と共に露出するようにした。このため、複数の副食材のうちの好みのものを、しかも好みの量だけを、副食材投入口から投入して主食材の上に載せることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の食材用容器において、前記副食材投入口を閉塞するための閉塞体が備えられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の食材用容器において、前記閉塞体は、前記外蓋の一部が前記容器本体側へ向かって膨出した膨出部であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の食材用容器において、前記閉塞体は、カップ状容器であることを特徴するものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の食材用容器において、前記副食材投入口の周縁が、凸状部となっていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6に記載の食材が収容された食材用容器の発明は、請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載された食材用容器の前記容器本体に前記主食材が収容されると共に、前記中蓋の区画部に前記副食材が収容されたことを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、主食材に対して副食材を副食材投入口から容易に添加できる食材用容器に、主食材及び副食材を収容するようにした。このため、この食材が収容された食材用容器を購入した人は、外蓋を外すだけで、副食材を、主食材に対して好みのままに加えることを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、容器本体に収容した主食材に対して、副食材を選択的に加えることができると共に、その副食材の添加を容易に行うことが可能な食材用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態の容器を示す斜視図。
【図2】第1実施形態の容器を示す端面図。
【図3】第1実施形態の中蓋を示す平面図。
【図4】図3におけるA−A矢視端面図。
【図5】第1実施形態の外蓋を示す平面図。
【図6】(a)は図5におけるB−B矢視一部端面図、(b)は(a)におけるC矢視図。
【図7】第2実施形態の閉塞体を示す端面図であり、(a)〜(c)に変形例を示す。
【図8】第3実施形態の中蓋の一部を示す端面図であり、(a)〜(c)に変形例を示す。
【図9】第4実施形態の容器を示す端面図。
【図10】第5実施形態の中蓋を示す平面図。
【図11】第6実施形態の中蓋を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図6を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の食材用容器1は、容器本体2と、外蓋4と、容器本体2と外蓋4との間に配置される中蓋3とを備えている。容器本体2、中蓋3及び外蓋4のそれぞれは、プラスチック製シートの成形品である。このシートとしては、ソリッドシート及び発泡シートのいずれをも用いることができる。
【0018】
容器本体2は、底板部24と、段部22を有する周壁部21とにより丼鉢状に形成されている。周壁部21の上縁は、外方及び下方へ曲げられて、逆U字状断面をなす環状の返部23となっている。この返部23と、後述する外蓋4の凸部47とが係合することにより、中蓋3を挟持した状態で、容器本体2に対して外蓋4が閉合される。
【0019】
図1、図3及び図4に示すように、中蓋3は、環状の立壁部32と、中央に副食材投入口としての開口部35が形成された底板部33とより、皿状に形成されている。立壁部32は、外壁32aと内壁32bとが稜線部32cで連接して、断面山形状に形成されている。外壁32aの下端から外方へ延出するように、フランジ部31が形成されている。図2に示すように、このフランジ部31が容器本体2の返部23上に載置されるようになっている。
【0020】
内壁32bの下端から内方へ延出するように、前記底板部33が形成されている。底板部33の中央には、前記開口部35が形成されており、その開口部35の周縁は、断面逆V字状の環状の凸状部36となっている。また、内壁32bと凸状部36との間を結ぶように、複数箇所(本実施形態では3ヶ所)に隔壁34が設けられている。これら内壁32bと、凸状部36と、2ヶ所の隔壁34とにより囲まれて、区画部30が形成されている。本実施形態においては、区画部30は3ヶ所に設けられている。いずれの区画部30も開口部35に隣接している。
【0021】
また、隔壁34の外方側は、凹壁部32dを形成するために内方へずらされた部分の内壁32bに連接している。この凹壁部32dの底部は下方へ突出して、凸部37が形成されている。図2に示すように、この3ヶ所に形成された凸部37の外側面が、容器本体2の周壁部21の内側面に当接することにより、容器本体2に対する中蓋3の水平方向の位置決めがなされる。
【0022】
図1、図5及び図6に示すように、外蓋4は、第1周壁部42と第2周壁部44とにより形成された周壁と、中央において下方へ膨出した膨出部46を有する天板部45とを備えている。第1周壁部42と第2周壁部44とは、段部43により連接されている。図6に示すように、第1周壁部42の複数箇所(本実施形態では8ヶ所)には、円周に沿う方向に所定長さの凸部47が、内方へ突出するように形成されている。また、凸部47に対応する位置の第2周壁部44には、一ヶ所当たり複数(本実施形態では3個)の補強リブ48が形成されている。前述したように、凸部47と返部23とが係合することにより、中蓋3を挟持した状態で、容器本体2と外蓋4とが閉合されるが、この時、補強リブ48があるので、係合力が補強されている。
【0023】
また、第1周壁部42の下端には、下方及び外方へ向かうように傾斜したフランジ部41が形成されている。更に、フランジ部41の下端の一部から外方へ延出するように、延出部41aが形成され、その延出部41aの内側中央部に摘部49が形成されている。この摘部49を摘むことにより、容器本体2に閉合している外蓋4の取り外しを容易に行うことができる。
【0024】
前記膨出部46は、膨出底部46aと膨出側部46bとを備えており、膨出側部46bと天板部45とは段部46cで連接されている。膨出部46の外周面は、閉塞体として中蓋3の開口部35を確実に閉塞することができるように、テーパー状に、言い換えれば逆円錐台の側面状に形成されている。
【0025】
次に、主食材7及び副食材6が収容された食材用容器1を用いて、主食材7に対して副食材6を選択的に加えて、副食材6と共に主食材7を、食することを可能とする場合の態様を説明する。
【0026】
図2に示すように、前記食材用容器1は、麺類や米飯等の主食材7を収容した容器本体2に対して、具材、薬味、汁等の副食材6を収容した中蓋3を載置して、その中蓋3を挟持するように、外蓋4が閉合されている。そして、図示しないシュリンクフィルムにより、食材用容器1の全体が包装されている。また、中蓋3の開口部35は、外蓋4の膨出部46により閉塞されているので、食材用容器1の輸送等において、区画部30に収容されている副食材6が開口部35から容器本体2側へ落下することを防止することができる。
【0027】
そして、食材を食するに際して、シュリンクフィルムを除くと共に、外蓋4を取り外すことにより、区画部30に収容された副食材6は露出される。同時に、開口部35が開放している。この外蓋4の取り外しの際に中蓋3が揺すられた場合であっても、開口部35周縁の凸状部36のために、刻みねぎ等の副食材6が意図せずに開口部35内へ落ちることが防止される。
【0028】
次に、図3に示すように、3種類の副食材6a〜6cを好みに応じて選択して、必要な量だけ、開口部35から下方の主食材7の上に投入する。この時、中蓋3は容器本体2に対して安定状態で載置されているので、中蓋3を軽く押さえるだけで、中蓋3及び容器本体2を支えることができる。このため、従来の中蓋のように、片方の手で持ち上げて、中蓋を傾けることを行う必要がない。即ち、本実施形態の食材用容器1においては、好みの副食材6を、区画部30から開口部35側へ掻き出せばよいことになる。
【0029】
なお、本実施形態では、中蓋3の3ヶ所の区画部30に副食材6a〜6cを収容した形態を示したが、外蓋4の膨出部46の内側に第4の副食材を収容することもできる。この第4の副食材は、シュリンクフィルムにより覆われるので、輸送に際して、膨出部46の内側からはみ出すことが防止される。
【0030】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、内壁32bと凸状部36との間を結ぶように、複数箇所(本実施形態では3ヶ所)に隔壁34を設けた。これら内壁32bと、凸状部36と、2ヶ所の隔壁34とにより囲まれて、3ヶ所に区画部30が形成されている。そして、全ての区画部30に隣接するように、本実施形態では中央に、副食材投入口としての開口部35が形成されている。このため、容器本体2に中蓋3を載置した状態で、区画部30に収容された副食材6のうち好みの副食材6を、好みの量だけ、開口部35から容器本体2内へ容易に投入することができる。
【0031】
(2)上記実施形態では、中蓋3の開口部35を閉塞するための閉塞体として、外蓋4に膨出部46を設けた。この、膨出部46の外周面は、開口部35を確実に閉塞することができるように、逆円錐台の側面状に形成されている。このため、容器本体2に載置された中蓋3を挟持するように、容器本体2と外蓋4とを係合した時、膨出部46により開口部35を閉塞することができる。従って、副食材6及び主食材7を収容した食材用容器1を輸送する場合、副食材6が開口部35を介して容器本体2内へ移動することを防止することができる。
【0032】
(3)上記実施形態では、開口部35の周縁に凸状部36を形成した。このため、外蓋4が取り外されて開口部35が開放された時、凸状部36が堰の機能を発揮することにより、副食材6の開口部35内への意図しない落下を防止することができる。
【0033】
(4)上記実施形態では、容器本体2の返部23上に載置して、中蓋3の上下方向の位置決めができるように、中蓋3にフランジ部31を形成した。また、中蓋3の水平方向の位置決めができるように、凸部37を、容器本体2の周壁部21の内面に当接できる位置に形成した。このため、容器本体2に対して中蓋3は安定状態に載置されるので、中蓋3を軽く押さえるのみで、中蓋3に収容された副食材6の容器本体2内への投入を容易に行うことができる。
【0034】
(5)上記実施形態では、中蓋3の外壁32aの下端から外方へ延出するように、フランジ部31を形成した。そして、そのフランジ部31が容器本体2の返部23に載るようにした。このため、中蓋3の略全体が容器本体2より上方に位置することになると共に、中蓋3に収容された副食材6の位置も高い位置に配置されることになる。従って、食材用容器1の外観を、ボリューム感があるものとすることができる。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図7を用いて説明する。
【0036】
本実施形態の食材用容器1の外蓋4は、第1実施形態の外蓋4とは異なり、天板部45に膨出部46が形成されていない。そして、食材用容器1は、中蓋3の開口部35を閉塞する閉塞体として、カップ状容器5を備えている。
【0037】
図7(a)に示すように、カップ状容器5は底板部5aと側板部5bとを備えたカップ状の容器である。側板部5bの上縁は、返部5cとなっている。また、カップ状容器5の全高は、カップ状容器5が開口部35に内嵌合された時、返部5cが外蓋4の天板部45内面に当接するか、やや下に位置するかのいずれかとなるような高さとなっている。
【0038】
このカップ状容器5は、閉塞体として用いられるばかりでなく、副食材6を収容することができる。また、容器本体2内に収容された主食材7を食するとき、カップ状容器5を小分け容器として用いることもできる。更に、主食材7が麺類等の場合、カップ状容器5に麺つゆを入れて、つけ麺として食することができる。
【0039】
そして、図7(b)に示すように、側板部5bに段部5dを形成すれば、この段部5dが凸状部36に載ることにより、開口部35に内嵌合したカップ状容器5が、所定位置よりも下方へ移動することを防止することができる。
【0040】
また、図7(c)に示すように、開口部35の周縁を、上方へ反り返るように形成した凸状部36aとするようにしてもよい。
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
【0041】
(6)上記実施形態では、中蓋3の開口部35を閉塞する閉塞体として、食材用容器1にカップ状容器5を備えるようにした。このため、カップ状容器5を、閉塞体として用いられるばかりでなく、副食材6を収容するために用いることができる。また、容器本体2内に収容された主食材7を食するとき、カップ状容器5を小分け容器として用いることもできる。更に、主食材7が麺類等の場合、カップ状容器5に麺つゆを入れて、つけ麺として食することができる。
【0042】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を、第1、2実施形態と異なる部分を中心に図8を用いて説明する。
【0043】
本実施形態の食材用容器1の中蓋3では、開口部35の周縁は、第1実施形態の凸状部36及び第2実施形態の凸状部36aとは異なり、板状体である底板部33に形成された円形の開口縁35aである。そして、開口部35が閉塞体によって閉塞される時の3形態を図8(a)〜(c)に示す。
【0044】
図8(a)に示す形態は、膨出部46の膨出側部46bが直に開口縁35aに当接して、膨出部46が開口部35に内嵌合している。また、図8(b)に示すように、カップ状容器5が、側板部5bを直に開口縁35aに当接させるようにして、開口部35に内嵌合する形態をとることができる。更に、図8(c)に示すように、段部5dを開口縁35aに載せるようにして、カップ状容器5が開口部35に内嵌合する形態をとることができる。
【0045】
いずれの場合においても、区画部30に収容された副食材6を、開口部35を介して容器本体2内へ投入する際、開口部35の周縁が凸状となっていないので、副食材6を開口部35へと水平移動させることにより、開口部35内へ投入することができる。
【0046】
そして、この第3実施形態においては、第1、2の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
(7)上記実施形態では、開口部35の周縁を、板状体である底板部33に形成された円形の開口縁35aとした。このため、開口部35の周縁が凸状となっていないので、副食材6を、開口部35へとずらしながら水平移動させるだけで、開口部35内へ投入することができる。
【0047】
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態を、第1〜3実施形態と異なる部分を中心に図9を用いて説明する。
【0048】
本実施形態の食材用容器1の中蓋51では、環状のフランジ部31の内縁から下方へ延出するように、且つ、容器本体2の周壁部21に沿う方向に傾斜するように、周壁部52が形成されている。そして、周壁部52の下端から内方へ延出するように底板部33が形成されている。また、周壁部52に連接して、複数箇所(本実施形態では3ヶ所)に隔壁34が設けられている。隔壁34の内端は、凸状部36に連接すると共に、区画部30を形成している。
【0049】
この中蓋51においては、周壁部52が周壁部21の内側に当接することにより、中蓋51の水平方向の位置決めが行われる。このため、第1実施形態の中蓋3とは異なり、位置決めのための凸部37を形成することが不要となる。また、凸部37を形成する必要がないので、中蓋51の成形型の加工工数を削減することができる。
【0050】
そして、この第4実施形態においては、第1〜3の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
(8)上記実施形態では、フランジ部31に対して周壁部52が下方に位置するようにして、中蓋51を形成した。このため、容器本体2に中蓋51を載置した時、中蓋51の略全体が容器本体2内に位置するようになる。従って、食材用容器1の外観をコンパクトなものとすることができる。
【0051】
(第5の実施形態)
次に、本発明を具体化した第5実施形態を、第1〜4実施形態と異なる部分を中心に図10を用いて説明する。
【0052】
本実施形態の食材用容器1の中蓋53は、図10に示すように、開口部55が平面視D字状に開口している。この開口部55の周縁は、平面視円弧状の凸状部56と直線状の凸状部57とにより形成されている。そして、内壁32bと、凸状部56又は凸状部57と、複数箇所(本実施形態では6ヶ所)の隔壁34とにより、6ヶ所の区画部54が形成されている。それぞれの区画部59a〜59eは、適宜大きさに形成されており、凸状部57に隣接する区画部54aが一番大きくなっている。
【0053】
このように、複数の区画部54が適宜大きさに形成されているので、副食材6の大きさがそれぞれ異なる場合、それぞれに見合った大きさの区画部54に収容することにより、区画部54を有効に利用することができる。区画部54aには、比較的大きな副食材6、例えば、小さく切り分けられていない油揚げやはんぺん等を容易に収容することができる。なお、開口部55を閉塞する膨出部46の形状やカップ状容器5の形状を、開口部55に対応させることが好ましい。
【0054】
そして、この第5実施形態においては、第1〜4の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
(9)上記実施形態では、平面視D字状の開口部55として、複数の区画部54を形成した。このため、他の区画部よりも大きな区画部54aを設けることができたので、比較的大きな副食材6、例えば、小さく切り分けられていない油揚げやはんぺん等を、そのままの形で収容することができる。
【0055】
(第6の実施形態)
次に、本発明を具体化した第6実施形態を、第1〜5実施形態と異なる部分を中心に図11を用いて説明する。
【0056】
本実施形態の食材用容器1の中蓋58は、開口部60が中蓋58の中心を外れた位置に設けられている。従って、この中蓋58においても、区画部59a〜59eが適宜大きさに形成されている。そして、前記区画部54aと同様に、一番大きな区画部59aには、小さく切り分けられていない副食材6を収容することができる。なお、開口部60を閉塞する膨出部46の外蓋4における位置を、開口部60に対応させることが好ましい。
【0057】
そして、この第6実施形態においては、第1〜4の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
(10)上記実施形態では、開口部60の位置を中心からずらせて、複数の区画部59を形成した。このため、他の区画部よりも大きな区画部59aを設けることができたので、比較的大きな副食材6、例えば、小さく切り分けられていない油揚げやはんぺん等を、そのままの形で収容することができる。
【0058】
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 区画部30を3ヶ所に設けたが、2ヶ所又は4ヶ所以上に設けること。
・ 外蓋4の第1周壁部42の内面の8ヶ所に凸部47を形成すると共に、それぞれの凸部47に対応する位置に3個の補強リブ48を形成したが、8ヶ所に限らず、3ヶ所以上の複数ヶ所に凸部47を形成すること。また、3個に限らず、複数個の補強リブ48を形成すること。
・ 食材用容器1をシュリンクフィルムで包装したが、シュリンクフィルムを用いずに、テープ、紐、ゴム輪等で外蓋4を容器本体2に固定すること。
【符号の説明】
【0059】
1…食材用容器、2…容器本体、3,51,53,58…中蓋、4…外蓋、5…カップ状容器、6,6a,6c…副食材、7…主食材、30,54,54a,54e,59,59a,59e…区画部、36,36a,56,57…凸状部、46…膨出部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、食材用容器に関し、特には容器本体に収容された麺類や米飯等の主食材に対して、中蓋に収容された具材、薬味、汁等の複数の副食材を、好みに応じて選択して加えることが容易な食材用容器及び食材が収容された食材用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、コンビニエンスストアやスーパーマーケット等で販売されている弁当には多彩な食材を用いたものがあり、様々な種類の弁当が手軽に食されるようになっている。これらの弁当は、プラスチックシート製容器に食材が収容され、全体がプラスチックフィルムで包装されているものがある。そして、これらの容器には、麺類や米飯等の主食材と、具材、薬味、汁等の副食材とを分けて収容するために、容器本体と中蓋と外蓋とより構成されているものがあり、中蓋に副食材が収容されている。
【0003】
特許文献1に開示されているカップ麺用容器は、容器本体と中蓋と外蓋の代わりのシュリンクフィルムとを備えている。そして、中蓋には、具材を収容するための複数の凹部が形成されている。また、中蓋には、つゆ容器用嵌合孔が形成されて、つゆ容器の嵌着が可能となっている。このカップ麺用容器の場合、容器本体に収容した麺を湯通しする際に、湯通しのために容器本体に注入された湯により、つゆ容器内のつゆが温められるようになっている。
【0004】
特許文献2に開示されている食品用特殊容器は、容器本体と中蓋と外蓋とを備えている。この中蓋には孔が形成されると共に、その孔を塞ぐように半折したフィルムが、中蓋の底部に接着されている。そして、フィルムの端部を側方から引張ることにより、フィルムは、引張られる側と反対の側から徐々に除かれるので、フィルムに塞がれていた孔は次第に開放されて、やがて全開される。例えば、この容器を親子丼用の容器として用いる場合、フィルムの操作により、容器本体に収容した米飯に対して、卵とじされた具材を、食する直前に加えることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−86571号公報
【特許文献2】特開2002−211643号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の容器を用いる場合、公報の図4に示されているように、麺を湯通しする前に、中蓋の複数の凹部に収容された具材を容器本体内に入れるようになっている。この場合、好みにより、具材を選択することができる。そのために、一方の手で中蓋を持ち、他方の手で持った箸等を使って具材を選択することになるが、これを行うには要領が必要であるため、誰にでも容易にできるとは限らない。即ち、選択しない具材を容器本体内へ入れてしまったり、具材を容器外へこぼしてしまったりすることになりやすい。
【0007】
一方、特許文献2の容器を用いる場合、フィルムに塞がれた孔を開放するためには、半折したフィルムの端部を引張ればよいだけである。従って、孔を開放して米飯上に具材を載置することは、フィルムを引張る力さえあれば、誰にでも行うことができる。しかし、この容器では、複数の具材を中蓋に収容して、その具材の中から選択した具材のみを米飯の上に載せることは不可能である。
【0008】
本発明は、このような問題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、容器本体に収容した主食材に対して、副食材を選択的に加えることを容易に行うことができる食材用容器を提供することにある。また、その食材用容器の容器本体に主食材が収容されると共に、中蓋の区画部に副食材が収容された食材用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記問題を解決するために請求項1に記載の食材用容器の発明は、合成樹脂製シートを成形した容器であって、主食材を収容する容器本体と、外蓋と、前記容器本体と外蓋との間に配置される中蓋とを備えた食材用容器において、前記中蓋には、副食材を区画して収容するための区画部が形成されると共に、前記主食材に対して前記副食材を加えるための副食材投入口が、前記区画部に隣接して形成されていることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、容器本体に主食材を収容すると共に、中蓋に形成された複数の区画部に複数の副食材を収容することができるようにした。そして、外蓋を外すことにより、容器本体に載置された姿勢の中蓋が副食材と共に露出するようにした。このため、複数の副食材のうちの好みのものを、しかも好みの量だけを、副食材投入口から投入して主食材の上に載せることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の食材用容器において、前記副食材投入口を閉塞するための閉塞体が備えられていることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の食材用容器において、前記閉塞体は、前記外蓋の一部が前記容器本体側へ向かって膨出した膨出部であることを特徴とするものである。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の食材用容器において、前記閉塞体は、カップ状容器であることを特徴するものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の食材用容器において、前記副食材投入口の周縁が、凸状部となっていることを特徴とするものである。
【0013】
請求項6に記載の食材が収容された食材用容器の発明は、請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載された食材用容器の前記容器本体に前記主食材が収容されると共に、前記中蓋の区画部に前記副食材が収容されたことを特徴とするものである。
【0014】
上記構成によれば、主食材に対して副食材を副食材投入口から容易に添加できる食材用容器に、主食材及び副食材を収容するようにした。このため、この食材が収容された食材用容器を購入した人は、外蓋を外すだけで、副食材を、主食材に対して好みのままに加えることを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、容器本体に収容した主食材に対して、副食材を選択的に加えることができると共に、その副食材の添加を容易に行うことが可能な食材用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施形態の容器を示す斜視図。
【図2】第1実施形態の容器を示す端面図。
【図3】第1実施形態の中蓋を示す平面図。
【図4】図3におけるA−A矢視端面図。
【図5】第1実施形態の外蓋を示す平面図。
【図6】(a)は図5におけるB−B矢視一部端面図、(b)は(a)におけるC矢視図。
【図7】第2実施形態の閉塞体を示す端面図であり、(a)〜(c)に変形例を示す。
【図8】第3実施形態の中蓋の一部を示す端面図であり、(a)〜(c)に変形例を示す。
【図9】第4実施形態の容器を示す端面図。
【図10】第5実施形態の中蓋を示す平面図。
【図11】第6実施形態の中蓋を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態を図1〜図6を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、本実施形態の食材用容器1は、容器本体2と、外蓋4と、容器本体2と外蓋4との間に配置される中蓋3とを備えている。容器本体2、中蓋3及び外蓋4のそれぞれは、プラスチック製シートの成形品である。このシートとしては、ソリッドシート及び発泡シートのいずれをも用いることができる。
【0018】
容器本体2は、底板部24と、段部22を有する周壁部21とにより丼鉢状に形成されている。周壁部21の上縁は、外方及び下方へ曲げられて、逆U字状断面をなす環状の返部23となっている。この返部23と、後述する外蓋4の凸部47とが係合することにより、中蓋3を挟持した状態で、容器本体2に対して外蓋4が閉合される。
【0019】
図1、図3及び図4に示すように、中蓋3は、環状の立壁部32と、中央に副食材投入口としての開口部35が形成された底板部33とより、皿状に形成されている。立壁部32は、外壁32aと内壁32bとが稜線部32cで連接して、断面山形状に形成されている。外壁32aの下端から外方へ延出するように、フランジ部31が形成されている。図2に示すように、このフランジ部31が容器本体2の返部23上に載置されるようになっている。
【0020】
内壁32bの下端から内方へ延出するように、前記底板部33が形成されている。底板部33の中央には、前記開口部35が形成されており、その開口部35の周縁は、断面逆V字状の環状の凸状部36となっている。また、内壁32bと凸状部36との間を結ぶように、複数箇所(本実施形態では3ヶ所)に隔壁34が設けられている。これら内壁32bと、凸状部36と、2ヶ所の隔壁34とにより囲まれて、区画部30が形成されている。本実施形態においては、区画部30は3ヶ所に設けられている。いずれの区画部30も開口部35に隣接している。
【0021】
また、隔壁34の外方側は、凹壁部32dを形成するために内方へずらされた部分の内壁32bに連接している。この凹壁部32dの底部は下方へ突出して、凸部37が形成されている。図2に示すように、この3ヶ所に形成された凸部37の外側面が、容器本体2の周壁部21の内側面に当接することにより、容器本体2に対する中蓋3の水平方向の位置決めがなされる。
【0022】
図1、図5及び図6に示すように、外蓋4は、第1周壁部42と第2周壁部44とにより形成された周壁と、中央において下方へ膨出した膨出部46を有する天板部45とを備えている。第1周壁部42と第2周壁部44とは、段部43により連接されている。図6に示すように、第1周壁部42の複数箇所(本実施形態では8ヶ所)には、円周に沿う方向に所定長さの凸部47が、内方へ突出するように形成されている。また、凸部47に対応する位置の第2周壁部44には、一ヶ所当たり複数(本実施形態では3個)の補強リブ48が形成されている。前述したように、凸部47と返部23とが係合することにより、中蓋3を挟持した状態で、容器本体2と外蓋4とが閉合されるが、この時、補強リブ48があるので、係合力が補強されている。
【0023】
また、第1周壁部42の下端には、下方及び外方へ向かうように傾斜したフランジ部41が形成されている。更に、フランジ部41の下端の一部から外方へ延出するように、延出部41aが形成され、その延出部41aの内側中央部に摘部49が形成されている。この摘部49を摘むことにより、容器本体2に閉合している外蓋4の取り外しを容易に行うことができる。
【0024】
前記膨出部46は、膨出底部46aと膨出側部46bとを備えており、膨出側部46bと天板部45とは段部46cで連接されている。膨出部46の外周面は、閉塞体として中蓋3の開口部35を確実に閉塞することができるように、テーパー状に、言い換えれば逆円錐台の側面状に形成されている。
【0025】
次に、主食材7及び副食材6が収容された食材用容器1を用いて、主食材7に対して副食材6を選択的に加えて、副食材6と共に主食材7を、食することを可能とする場合の態様を説明する。
【0026】
図2に示すように、前記食材用容器1は、麺類や米飯等の主食材7を収容した容器本体2に対して、具材、薬味、汁等の副食材6を収容した中蓋3を載置して、その中蓋3を挟持するように、外蓋4が閉合されている。そして、図示しないシュリンクフィルムにより、食材用容器1の全体が包装されている。また、中蓋3の開口部35は、外蓋4の膨出部46により閉塞されているので、食材用容器1の輸送等において、区画部30に収容されている副食材6が開口部35から容器本体2側へ落下することを防止することができる。
【0027】
そして、食材を食するに際して、シュリンクフィルムを除くと共に、外蓋4を取り外すことにより、区画部30に収容された副食材6は露出される。同時に、開口部35が開放している。この外蓋4の取り外しの際に中蓋3が揺すられた場合であっても、開口部35周縁の凸状部36のために、刻みねぎ等の副食材6が意図せずに開口部35内へ落ちることが防止される。
【0028】
次に、図3に示すように、3種類の副食材6a〜6cを好みに応じて選択して、必要な量だけ、開口部35から下方の主食材7の上に投入する。この時、中蓋3は容器本体2に対して安定状態で載置されているので、中蓋3を軽く押さえるだけで、中蓋3及び容器本体2を支えることができる。このため、従来の中蓋のように、片方の手で持ち上げて、中蓋を傾けることを行う必要がない。即ち、本実施形態の食材用容器1においては、好みの副食材6を、区画部30から開口部35側へ掻き出せばよいことになる。
【0029】
なお、本実施形態では、中蓋3の3ヶ所の区画部30に副食材6a〜6cを収容した形態を示したが、外蓋4の膨出部46の内側に第4の副食材を収容することもできる。この第4の副食材は、シュリンクフィルムにより覆われるので、輸送に際して、膨出部46の内側からはみ出すことが防止される。
【0030】
従って、上記実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)上記実施形態では、内壁32bと凸状部36との間を結ぶように、複数箇所(本実施形態では3ヶ所)に隔壁34を設けた。これら内壁32bと、凸状部36と、2ヶ所の隔壁34とにより囲まれて、3ヶ所に区画部30が形成されている。そして、全ての区画部30に隣接するように、本実施形態では中央に、副食材投入口としての開口部35が形成されている。このため、容器本体2に中蓋3を載置した状態で、区画部30に収容された副食材6のうち好みの副食材6を、好みの量だけ、開口部35から容器本体2内へ容易に投入することができる。
【0031】
(2)上記実施形態では、中蓋3の開口部35を閉塞するための閉塞体として、外蓋4に膨出部46を設けた。この、膨出部46の外周面は、開口部35を確実に閉塞することができるように、逆円錐台の側面状に形成されている。このため、容器本体2に載置された中蓋3を挟持するように、容器本体2と外蓋4とを係合した時、膨出部46により開口部35を閉塞することができる。従って、副食材6及び主食材7を収容した食材用容器1を輸送する場合、副食材6が開口部35を介して容器本体2内へ移動することを防止することができる。
【0032】
(3)上記実施形態では、開口部35の周縁に凸状部36を形成した。このため、外蓋4が取り外されて開口部35が開放された時、凸状部36が堰の機能を発揮することにより、副食材6の開口部35内への意図しない落下を防止することができる。
【0033】
(4)上記実施形態では、容器本体2の返部23上に載置して、中蓋3の上下方向の位置決めができるように、中蓋3にフランジ部31を形成した。また、中蓋3の水平方向の位置決めができるように、凸部37を、容器本体2の周壁部21の内面に当接できる位置に形成した。このため、容器本体2に対して中蓋3は安定状態に載置されるので、中蓋3を軽く押さえるのみで、中蓋3に収容された副食材6の容器本体2内への投入を容易に行うことができる。
【0034】
(5)上記実施形態では、中蓋3の外壁32aの下端から外方へ延出するように、フランジ部31を形成した。そして、そのフランジ部31が容器本体2の返部23に載るようにした。このため、中蓋3の略全体が容器本体2より上方に位置することになると共に、中蓋3に収容された副食材6の位置も高い位置に配置されることになる。従って、食材用容器1の外観を、ボリューム感があるものとすることができる。
【0035】
(第2の実施形態)
次に、本発明を具体化した第2実施形態を、第1実施形態と異なる部分を中心に図7を用いて説明する。
【0036】
本実施形態の食材用容器1の外蓋4は、第1実施形態の外蓋4とは異なり、天板部45に膨出部46が形成されていない。そして、食材用容器1は、中蓋3の開口部35を閉塞する閉塞体として、カップ状容器5を備えている。
【0037】
図7(a)に示すように、カップ状容器5は底板部5aと側板部5bとを備えたカップ状の容器である。側板部5bの上縁は、返部5cとなっている。また、カップ状容器5の全高は、カップ状容器5が開口部35に内嵌合された時、返部5cが外蓋4の天板部45内面に当接するか、やや下に位置するかのいずれかとなるような高さとなっている。
【0038】
このカップ状容器5は、閉塞体として用いられるばかりでなく、副食材6を収容することができる。また、容器本体2内に収容された主食材7を食するとき、カップ状容器5を小分け容器として用いることもできる。更に、主食材7が麺類等の場合、カップ状容器5に麺つゆを入れて、つけ麺として食することができる。
【0039】
そして、図7(b)に示すように、側板部5bに段部5dを形成すれば、この段部5dが凸状部36に載ることにより、開口部35に内嵌合したカップ状容器5が、所定位置よりも下方へ移動することを防止することができる。
【0040】
また、図7(c)に示すように、開口部35の周縁を、上方へ反り返るように形成した凸状部36aとするようにしてもよい。
そして、この第2実施形態においては、第1の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
【0041】
(6)上記実施形態では、中蓋3の開口部35を閉塞する閉塞体として、食材用容器1にカップ状容器5を備えるようにした。このため、カップ状容器5を、閉塞体として用いられるばかりでなく、副食材6を収容するために用いることができる。また、容器本体2内に収容された主食材7を食するとき、カップ状容器5を小分け容器として用いることもできる。更に、主食材7が麺類等の場合、カップ状容器5に麺つゆを入れて、つけ麺として食することができる。
【0042】
(第3の実施形態)
次に、本発明を具体化した第3実施形態を、第1、2実施形態と異なる部分を中心に図8を用いて説明する。
【0043】
本実施形態の食材用容器1の中蓋3では、開口部35の周縁は、第1実施形態の凸状部36及び第2実施形態の凸状部36aとは異なり、板状体である底板部33に形成された円形の開口縁35aである。そして、開口部35が閉塞体によって閉塞される時の3形態を図8(a)〜(c)に示す。
【0044】
図8(a)に示す形態は、膨出部46の膨出側部46bが直に開口縁35aに当接して、膨出部46が開口部35に内嵌合している。また、図8(b)に示すように、カップ状容器5が、側板部5bを直に開口縁35aに当接させるようにして、開口部35に内嵌合する形態をとることができる。更に、図8(c)に示すように、段部5dを開口縁35aに載せるようにして、カップ状容器5が開口部35に内嵌合する形態をとることができる。
【0045】
いずれの場合においても、区画部30に収容された副食材6を、開口部35を介して容器本体2内へ投入する際、開口部35の周縁が凸状となっていないので、副食材6を開口部35へと水平移動させることにより、開口部35内へ投入することができる。
【0046】
そして、この第3実施形態においては、第1、2の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
(7)上記実施形態では、開口部35の周縁を、板状体である底板部33に形成された円形の開口縁35aとした。このため、開口部35の周縁が凸状となっていないので、副食材6を、開口部35へとずらしながら水平移動させるだけで、開口部35内へ投入することができる。
【0047】
(第4の実施形態)
次に、本発明を具体化した第4実施形態を、第1〜3実施形態と異なる部分を中心に図9を用いて説明する。
【0048】
本実施形態の食材用容器1の中蓋51では、環状のフランジ部31の内縁から下方へ延出するように、且つ、容器本体2の周壁部21に沿う方向に傾斜するように、周壁部52が形成されている。そして、周壁部52の下端から内方へ延出するように底板部33が形成されている。また、周壁部52に連接して、複数箇所(本実施形態では3ヶ所)に隔壁34が設けられている。隔壁34の内端は、凸状部36に連接すると共に、区画部30を形成している。
【0049】
この中蓋51においては、周壁部52が周壁部21の内側に当接することにより、中蓋51の水平方向の位置決めが行われる。このため、第1実施形態の中蓋3とは異なり、位置決めのための凸部37を形成することが不要となる。また、凸部37を形成する必要がないので、中蓋51の成形型の加工工数を削減することができる。
【0050】
そして、この第4実施形態においては、第1〜3の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
(8)上記実施形態では、フランジ部31に対して周壁部52が下方に位置するようにして、中蓋51を形成した。このため、容器本体2に中蓋51を載置した時、中蓋51の略全体が容器本体2内に位置するようになる。従って、食材用容器1の外観をコンパクトなものとすることができる。
【0051】
(第5の実施形態)
次に、本発明を具体化した第5実施形態を、第1〜4実施形態と異なる部分を中心に図10を用いて説明する。
【0052】
本実施形態の食材用容器1の中蓋53は、図10に示すように、開口部55が平面視D字状に開口している。この開口部55の周縁は、平面視円弧状の凸状部56と直線状の凸状部57とにより形成されている。そして、内壁32bと、凸状部56又は凸状部57と、複数箇所(本実施形態では6ヶ所)の隔壁34とにより、6ヶ所の区画部54が形成されている。それぞれの区画部59a〜59eは、適宜大きさに形成されており、凸状部57に隣接する区画部54aが一番大きくなっている。
【0053】
このように、複数の区画部54が適宜大きさに形成されているので、副食材6の大きさがそれぞれ異なる場合、それぞれに見合った大きさの区画部54に収容することにより、区画部54を有効に利用することができる。区画部54aには、比較的大きな副食材6、例えば、小さく切り分けられていない油揚げやはんぺん等を容易に収容することができる。なお、開口部55を閉塞する膨出部46の形状やカップ状容器5の形状を、開口部55に対応させることが好ましい。
【0054】
そして、この第5実施形態においては、第1〜4の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
(9)上記実施形態では、平面視D字状の開口部55として、複数の区画部54を形成した。このため、他の区画部よりも大きな区画部54aを設けることができたので、比較的大きな副食材6、例えば、小さく切り分けられていない油揚げやはんぺん等を、そのままの形で収容することができる。
【0055】
(第6の実施形態)
次に、本発明を具体化した第6実施形態を、第1〜5実施形態と異なる部分を中心に図11を用いて説明する。
【0056】
本実施形態の食材用容器1の中蓋58は、開口部60が中蓋58の中心を外れた位置に設けられている。従って、この中蓋58においても、区画部59a〜59eが適宜大きさに形成されている。そして、前記区画部54aと同様に、一番大きな区画部59aには、小さく切り分けられていない副食材6を収容することができる。なお、開口部60を閉塞する膨出部46の外蓋4における位置を、開口部60に対応させることが好ましい。
【0057】
そして、この第6実施形態においては、第1〜4の実施形態における効果に変えて、以下の効果を得ることができる。
(10)上記実施形態では、開口部60の位置を中心からずらせて、複数の区画部59を形成した。このため、他の区画部よりも大きな区画部59aを設けることができたので、比較的大きな副食材6、例えば、小さく切り分けられていない油揚げやはんぺん等を、そのままの形で収容することができる。
【0058】
(変更例)
なお、上記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 区画部30を3ヶ所に設けたが、2ヶ所又は4ヶ所以上に設けること。
・ 外蓋4の第1周壁部42の内面の8ヶ所に凸部47を形成すると共に、それぞれの凸部47に対応する位置に3個の補強リブ48を形成したが、8ヶ所に限らず、3ヶ所以上の複数ヶ所に凸部47を形成すること。また、3個に限らず、複数個の補強リブ48を形成すること。
・ 食材用容器1をシュリンクフィルムで包装したが、シュリンクフィルムを用いずに、テープ、紐、ゴム輪等で外蓋4を容器本体2に固定すること。
【符号の説明】
【0059】
1…食材用容器、2…容器本体、3,51,53,58…中蓋、4…外蓋、5…カップ状容器、6,6a,6c…副食材、7…主食材、30,54,54a,54e,59,59a,59e…区画部、36,36a,56,57…凸状部、46…膨出部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製シートを成形した容器であって、主食材を収容する容器本体と、外蓋と、前記容器本体と外蓋との間に配置される中蓋とを備えた食材用容器において、前記中蓋には、副食材を区画して収容するための区画部が形成されると共に、前記主食材に対して前記副食材を加えるための副食材投入口が、前記区画部に隣接して形成されていることを特徴とする食材用容器。
【請求項2】
前記副食材投入口を閉塞するための閉塞体が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の食材用容器。
【請求項3】
前記閉塞体は、前記外蓋の一部が前記容器本体側へ向かって膨出した膨出部であることを特徴とする請求項2に記載の食材用容器。
【請求項4】
前記閉塞体は、カップ状容器であることを特徴する請求項2に記載の食材用容器。
【請求項5】
前記副食材投入口の周縁が、凸状部となっていることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の食材用容器。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載された食材用容器の前記容器本体に前記主食材が収容されると共に、前記中蓋の区画部に前記副食材が収容されたことを特徴とする食材が収容された食材用容器。
【請求項1】
合成樹脂製シートを成形した容器であって、主食材を収容する容器本体と、外蓋と、前記容器本体と外蓋との間に配置される中蓋とを備えた食材用容器において、前記中蓋には、副食材を区画して収容するための区画部が形成されると共に、前記主食材に対して前記副食材を加えるための副食材投入口が、前記区画部に隣接して形成されていることを特徴とする食材用容器。
【請求項2】
前記副食材投入口を閉塞するための閉塞体が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の食材用容器。
【請求項3】
前記閉塞体は、前記外蓋の一部が前記容器本体側へ向かって膨出した膨出部であることを特徴とする請求項2に記載の食材用容器。
【請求項4】
前記閉塞体は、カップ状容器であることを特徴する請求項2に記載の食材用容器。
【請求項5】
前記副食材投入口の周縁が、凸状部となっていることを特徴とする請求項1ないし4のうちいずれか一項に記載の食材用容器。
【請求項6】
請求項1ないし5のうちいずれか一項に記載された食材用容器の前記容器本体に前記主食材が収容されると共に、前記中蓋の区画部に前記副食材が収容されたことを特徴とする食材が収容された食材用容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−17136(P2012−17136A)
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−157095(P2010−157095)
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(593215829)アテナ工業株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月9日(2010.7.9)
【出願人】(593215829)アテナ工業株式会社 (28)
【Fターム(参考)】
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