説明

食生活支援装置およびそのプログラム

【課題】使用者の希望する献立を優先しながら、一定期間内の他の献立で使用する材料の余剰量を有効に活用して、経済的にも配慮する。
【解決手段】料理方法と必要材料と共に献立を提示する献立提示手段102と、一定期間分の希望献立を入力する献立入力手段103と、必要量を材料毎に一定期間分合算して算出する必要材料量算出手段104と、材料各々の在庫材料量確認手段105と、不足材料量算出手段106と、各々の材料の不足量と購入単位に応じて購入材料量を算出する購入材料量算出手段108とを備え、献立提示手段102は、材料毎に購入量から不足量を減じた余剰量が購入単位に応じて予め決められた所定量以上である材料を使用する献立の代替え献立として、前記余剰量が前記所定量未満の材料で料理可能な献立を再提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、料理のレパートリーを拡げるための一定期間の献立を提供しながら在庫利用や効率的な材料購買や料理方法等を支援する食生活支援装置およびそのプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の食生活支援装置である買い物支援装置の場合、利用者は、まず料理材料、調理方法、料理のカロリー、調理時間等の検索条件で希望する献立を選び、その結果必要な材料名や分量が、チェック機能付き「買い物リスト」に抽出され、賞味期限切れでない在庫だけが自動的または手動でチェック付与でき、効率的に買い物ができるものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、買い物と献立提供を連動させて、利用者が一旦選んだ一定期間の希望献立を、販売店舗での材料売価情報を利用して、必要な材料が最も経済的に購入できるように献立を並べ替えて再提案する献立提案装置があった(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
さらに、在庫材料の賞味期限と献立提供を連動させて、賞味期限を第1選択条件として賞味期限の切れる材料を有効活用する献立を提示する料理支援装置があった(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2004−258995号公報
【特許文献2】特開2004−302536号公報
【特許文献3】特開2007−220053号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、前記従来の特許文献1に記載された食生活支援装置である買い物支援装置では、買い物は在庫状況を考慮して経済的に効率的に行えるものの、使用者が選択した献立に対して不足材料を購入したくない場合は、自分で在庫のある材料名で検索して献立を選び直さねばならないという課題があった。
【0006】
また、特許文献2に記載された食生活支援装置である献立提案装置では、使用者は必要な材料は最も経済的に購入でき、一定期間内では使用者の好みの献立は実現できるものの、使用者のその日に食べたいという食の楽しみは二の次にされるという課題があった。また、平日は勤務のため買い物できず週末に1週間分の材料をまとめ買いする人も多い中、安売り日に材料を購入できないと成り立たないという課題もあった。
【0007】
さらに、特許文献3に記載された食生活支援装置である料理支援装置では、使用者は賞味期限の切れる材料を有効活用できるものの、在庫材料を前提とした献立提示であるため、献立の範囲が限定されるという課題があった。
【0008】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、使用者の希望する献立を優先しながら、一定期間内の他の献立で使用する材料の余剰量を有効に活用して、経済的にも配慮した食生活支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記従来の課題を解決するために、本発明の食生活支援装置は、料理方法と必要材料と共に献立を提示する献立提示手段と、一定期間分の希望献立を入力する献立入力手段と、前記献立入力手段で入力された献立に必要な量を材料毎に一定期間分合算して算出する必要材料量算出手段と、前記必要材料量算出手段が必要と算出した材料各々について在庫量を確認する在庫材料量確認手段と、前記必要材料量算出手段が必要とする必要量と前記在庫材料量確認手段で確認した在庫量から不足材料量を算出する不足材料量算出手段と、前記不足材料量算出手段が算出した各々の材料量と購入単位に応じて購入材料量を算出する購入材料量算出手段とを備え、前記献立提示手段は、材料毎に前記購入材料量算出手段が算出した購入量から前記不足材料量算出手段が算出した不足量を減じた余剰量が購入単位に応じて予め決められた所定量以上である材料を使用する献立の代替え献立として、前記余剰量が前記所定量未満の材料で料理可能な献立を再提示するようにしたものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の食生活支援装置は、使用者の希望する献立を優先しながら、在庫も有効活用し、さらにわずかな量しか使用しない材料の購入を行わずに一定期間内の他の献立で使用する材料の余剰量を有効に活用した献立を代替え献立として提示することで、使用者の意向を重視しながら経済的にも配慮した食生活支援装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
第1の発明は、料理方法と必要材料と共に献立を提示する献立提示手段と、一定期間分の希望献立を入力する献立入力手段と、前記献立入力手段で入力された献立に必要な量を材料毎に一定期間分合算して算出する必要材料量算出手段と、前記必要材料量算出手段が必要と算出した材料各々について在庫量を確認する在庫材料量確認手段と、前記必要材料量算出手段が必要とする必要量と前記在庫材料量確認手段で確認した在庫量から不足材料量を算出する不足材料量算出手段と、前記不足材料量算出手段が算出した各々の材料量と購入単位に応じて購入材料量を算出する購入材料量算出手段とを備え、前記献立提示手段は、材料毎に前記購入材料量算出手段が算出した購入量から前記不足材料量算出手段が算出した不足量を減じた余剰量が購入単位に応じて予め決められた所定量以上である材料を使用する献立の代替え献立として、前記余剰量が前記所定量未満の材料で料理可能な献立を再提示するので、使用者の希望する献立を優先しながら、在庫も有効活用し、さらにわずかな量しか使用しない材料の購入を行わずに一定期間内の他の献立で使用する材料の余剰量を有効に活用した献立を代替え献立として提示することで、使用者の意向を重視しながら経済的にも配慮した食生活支援装置を提供することができる。
【0012】
第2の発明は、特に、第1の食生活支援装置で、材料の標準賞味期限を記憶する標準賞味期限記憶手段を備え、前記献立提示手段は、代替え献立を再提示するか否かを決定する余剰量の購入単位に対する閾値を、前記標準賞味期限記憶手段に記憶された前記材料の標準賞味期限に応じて決定するので、賞味期限の長い材料は、わずかな量でも購入して保存することで使用者の意向を重視し、賞味期限の短い材料は、わずかな量の場合は材料の購入を行わずに一定期間内の他の献立で使用する材料の余剰量を有効に活用した献立を代替え献立として提示することで、無駄を出さない献立を可能とする食生活支援装置を提供することができる。
【0013】
第3の発明は、料理方法と必要材料と共に献立を提示する献立提示手段と、一定期間分の希望献立を入力する献立入力手段と、材料毎の各献立での必要量と料理方法を抽出して記憶する材料使用スケジュール管理手段とを備え、前記献立提示手段は、料理する献立で使用する材料について前記材料使用スケジュール管理手段に記憶された献立に応じて同時に下ごしらえする材料量及び保存方法の提示を行うことで、料理の手間を省け、また一定期間内の調理時間短縮による省エネを実現する食生活支援装置を提供することができる。
【0014】
第4の発明は、特に、第3の食生活支援装置で、気温検知手段を備え、前記献立提示手段は、前記気温検知手段が検知する気温に応じて、下ごしらえする材料量及び保存方法の補正を行うことで、気温の高い時には次回使用するまでの期間が短くとも冷凍保存を行ったり、気温の低い時は使用するまでの期間が長いものも同時に下ごしらえの対象として下ごしらえする材料量を増やしたりすることで、腐らせたりして無駄にする材料を少なくし、料理の手間を省いた食生活支援装置を提供することができる。
【0015】
第5の発明は、特に、第4または第5の発明の食生活支援装置で、計時手段を備え、前記献立提示手段は、献立での必要材料について、前記保存方法によって事前の準備が必要な場合は、前記献立の実施予定時より前に、前記材料の準備方法を提示することで、下ごしらえして保存した材料がある場合には事前の解凍などをタイミングよく提示することで料理の手順を速やかに行うことができる食生活支援装置を提供することができる。
【0016】
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれか1項に記載の食生活支援装置で、前記献立入力手段で入力した希望献立の実施の有無と対象人数を入力するための献立実施状況入力手段を備え、献立実施状況により材料の余剰が発生した場合は、前記献立提示手段は、前記余剰材料の保存方法の提示を行うことで、余剰材料を無駄にせずに保存できる食生活支援装置を提供することができる。
【0017】
第7の発明は、特に、第1〜第6のいずれか1項に記載の食生活支援装置で、前記献立実施状況により材料の余剰が発生した場合は、前記余剰材料の量が前記献立提示手段が提示可能な献立のいずれかの必要材料量以上になった時に前記余剰材料を使用する献立の追加提示を行うことで、余剰材料を無駄にせずに追加献立で有効に活用することができる食生活支援装置を提供することができる。
【0018】
第8の発明は、コンピュータに第1〜第7のいずれか1項に記載の食生活支援装置の少なくとも一部を実行させるためのプログラムであることにより、電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させて本発明の少なくとも一部を容易に実現することができる。また、記録媒体に記録したり通信回線を用いてプログラムを配信したりすることで、プログラムの配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0020】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における食生活支援装置の構成を示すブロック図である。また、図2は、同食生活支援装置の動作の流れを示すフローチャートで、図3は、在庫材料量確認手段105の在庫確認画面の表示例である。
【0021】
図1において、101は食生活支援装置で、102は料理方法と必要材料と共に献立を提示する献立提示手段、103は使用者が献立提示手段102で提示された献立を直接選択またはレシピ等のバーコード等を読み取って献立指定などを行うための献立入力手段(本実施の形態では優先で入力結果が献立提示手段102に送られるようにしたが赤外線などの無線で送信するようにしてもかまわない)である。また、104は必要材料量算出手段、105は在庫材料量確認手段、106は不足材料量算出手段、107は材料毎の購入単位を予め記憶している購入単位記憶手段、108は購入材料量算出手段、109は購入材料量算出手段108が算出した材料毎の購入材料量を提示するための購入材料量提示手段である。さらに、110は材料毎に不足材料量算出手段106が算出した不足量と購入単位記憶手段107に予め記憶されている材料毎の購入単位を比較するための比較手段、111は材料毎の標準賞味期限を記憶している標準賞味期限記憶手段である。
【0022】
以上のように構成された食生活支援装置について、以下その動作、作用を説明する。まず、使用者は、献立入力手段103を操作して献立提示手段102で希望の献立を探し、一定期間(本実施の形態では1週間分)の朝、昼、晩の献立を選択し、人数を入力する(ステップ1、2)。外食する場合は、その食事枠は選択を行わない。
【0023】
次に、必要材料量算出手段104は、使用者が献立入力手段103で選択した献立提示手段102の各々の献立に必要とされる材料と量をもとに、材料毎に1週間分の全ての食事枠に必要な量を合算して算出する(ステップ3)。例えば、じゃがいも12個、にんじん5本、玉ねぎ5個、牛肉800g、合びきミンチ200g、キャベツ葉5枚、トマト3個、きゅうり1/2本などである。
【0024】
次に在庫材料量確認手段105は、図3に示したように、必要材料量算出手段104が算出した材料毎に1週間分の全ての食事枠に必要な量を各々提示して対応する材料の在庫量入力を使用者に促す(本実施の形態では表示と音声で行う)(ステップ4)。在庫量として賞味期限内のもののみ入力するよう促してもかまわない。
【0025】
さらに、不足材料量算出手段106は、必要材料量算出手段104で算出した必要量から、在庫量確認手段105で入力された在庫量を差し引いて不足材料量を算出する(ステップ5)。例えば図3で示した例では、じゃがいも4個、にんじん3本、玉ねぎ5個、牛肉450g、合びきミンチ230g、キャベツ葉5枚、トマト0個、きゅうり1/2本などのように算出する。
【0026】
購入材料量算出手段108は、不足材料量算出手段106が不足だとした材料の各々について、購入単位記憶手段107に予め記憶されている購入単位を参照する。購入単位記憶手段107に記憶されている購入単位は、例えば、じゃがいも5個1袋、にんじん3本1袋、玉ねぎ3個1ネット、牛肉100g、合びきミンチ100g、キャベツ1/2個、トマト2個1パック、きゅうり3本1パックなどのように記憶されているので、購入材料量算出手段108は、図3で示した例では、じゃがいも1袋、にんじん1袋、玉ねぎ2ネット、牛肉500g、合びきミンチ300g、キャベツ1個、トマト2パック、きゅうり1パックと算出し、購入材料量提示手段109に算出結果を希望献立分として提示する(ステップ6)。
【0027】
次に、比較手段110は、材料毎に購入材料量算出手段107が算出した購入量から不足材料量算出手段106が算出した不足量を減じた余剰量が購入単位に応じて予め決められた所定量(本実施の形態では購入単位に対する割合とし80%)以上であるかどうかを比較する(ステップ8、9)。但し、標準賞味期限記憶手段111に冷凍できない野菜類を冷蔵で3日、肉類は冷凍保存で2週間、他は常温保存1週間として予め記憶させているので、3日のものは購入単位の65%、1週間のものは80%、1週間より長いものは95%を閾値とする。 即ち、図3で示した例では、余剰量が、じゃがいも1個、にんじん0本、玉ねぎ1個、牛肉50g、合びきミンチ70g、キャベツ約1/4個、トマト1個、きゅうり2.5本となり、購入単位に対する割合としては、じゃがいも20%、にんじん0%、玉ねぎ33%、牛肉50%、合びきミンチ70%、キャベツ75%、トマト50%、きゅうり83%となる。
【0028】
比較手段110は、比較の結果、閾値以上の材料はキャベツの75%、きゅうりの83%で、これらの材料は余剰量が無駄になる可能性の高いものとして抽出し、献立提示手段102は、キャベツの葉5枚を必要としていた「ロールキャベツ」の献立ときゅうり1/2本を必要としていた「きゅうりの酢の物」の献立を代替え献立が必要な献立として抽出する。例えば、「ロールキャベツ」の代替え献立としては、閾値未満であった材料であるじゃがいも、玉ねぎ、合びきミンチ、トマト等の材料を使用する献立で「ミートボールと野菜のスープ」等を提示する。「きゅうりの酢の物」の代替え献立も同様に閾値未満であった材料で料理できる献立を提示する(ステップ9、10)。
【0029】
献立提示手段102が、代替え献立を提示し後、上記の処理を行い、一部代替え献立になった結果としての購入材料量算出手段108で購入材料量を算出し、購入材料量提示手段109に算出結果を代替え献立に一部入れ替え分として提示する。
【0030】
本実施の形態では、代替え献立の提示をさらに繰り返すことは行わない。
【0031】
使用者は、当初の希望献立のままにするか、一部代替え献立にするか、1週間分の希望献立を確定する(ステップ11)。
【0032】
以上のように、本実施の形態においては、料理方法と必要材料と共に献立を提示する献立提示手段102と、一定期間分の希望献立を入力する献立入力手段103と、献立入力手段103で入力された献立に必要な量を材料毎に一定期間分合算して算出する必要材料量算出手段104と、必要材料量算出手段104が必要と算出した材料各々について在庫量を確認する在庫材料量確認手段105と、必要材料量算出手段104が必要とする必要量と在庫材料量確認手段105で確認した在庫量から不足材料量を算出する不足材料量算出手段106と、不足材料量算出手段106が算出した各々の材料量と購入単位に応じて購入材料量を算出する購入材料量算出手段108とを備え、献立提示手段102は、材料毎に購入材料量算出手段108が算出した購入量から不足材料量算出手段106が算出した不足量を減じた余剰量が購入単位に応じて予め決められた所定量以上である材料を使用する献立の代替え献立として、前記余剰量が前記所定量未満の材料で料理可能な献立を再提示するので、使用者の希望する献立を優先しながら、在庫も有効活用し、さらにわずかな量しか使用しない材料の購入を行わずに一定期間内の他の献立で使用する材料の余剰量を有効に活用した献立を代替え献立として提示することで、使用者の意向を重視しながら経済的にも配慮した食生活支援装置を提供することができる。
【0033】
また、材料の標準賞味期限を記憶する標準賞味期限記憶手段111を備え、献立提示手段102は、代替え献立を再提示するか否かを決定する余剰量の購入単位に対する閾値を、標準賞味期限記憶手段111に記憶された材料の標準賞味期限に応じて決定するので、賞味期限の長い材料は、わずかな量でも購入して保存することで使用者の意向を重視し、賞味期限の短い材料は、わずかな量の場合は材料の購入を行わずに一定期間内の他の献立で使用する材料の余剰量を有効に活用した献立を代替え献立として提示することで、無駄を出さない献立を可能とする食生活支援装置を提供することができる。
【0034】
なお、本実施の形態では、在庫材料量確認手段105での在庫確認は使用者が直接入力するようにしたが、材料に添付された無線ICタグ等を活用して入力するようにしてもかまわない。
【0035】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における食生活支援装置の構成を示すブロック図である。また、図5は、同食生活支援装置の動作の流れを示すフローチャートで、図6は同材料使用スケジュール管理手段116が管理するじゃがいもの使用スケジュール例である。また、図7は、、同食生活支援装置の献立の実施状況に応じた動作の流れを示すフローチャートである。
【0036】
図4において、112は食生活支援装置で、113は献立提示手段である。献立提示手段113は、料理方法提示手段114と、必要材料提示手段115と、下ごしらえ計画手段117を有しており、下ごしらえ計画手段は保存方法選択手段118、計時手段120、余剰量算出手段122、追加献立提示手段123を有している。
【0037】
また、103は使用者が献立提示手段113で提示された献立を直接選択またはレシピ等のバーコード等を読み取って献立指定などを行うための献立入力手段(本実施の形態では優先で入力結果が献立提示手段113に送られるようにしたが赤外線などの無線で送信するようにしてもかまわない)である。さらに、106は材料使用スケジュール手段、119は気温検知手段、120は計時手段、121は献立実施状況入力手段である。
【0038】
以上のように構成された食生活支援装置について、以下その動作、作用を説明する。まず、使用者は、献立入力手段103を操作して献立提示手段113で希望の献立を探し、一定期間(本実施の形態では1週間分)の朝、昼、晩の献立を選択し、人数を入力する。外食する場合は、その食事枠は選択を行わない。献立提示手段113の献立提示の際には、必要材料提示手段115による必要材料の提示や料理方法提示手段115による料理方法の提示が行われる(ステップ12、13)。
【0039】
次に、材料使用スケジュール管理手段116は、献立提示手段113が保持している、使用者により選択し決定された一定期間(本実施の形態では1週間)の全ての献立についての必要材料と使用される食事枠(1日目朝食、6日目夕食)の情報から、材料毎の各献立での必要量と料理方法を抽出して使用されるスケジュールを記憶し管理する(ステップ14)。例えば、図6に示したじゃがいもの使用スケジュール管理例で示したようなスケジュールである。
【0040】
次に、下ごしらえ計画手段117は、材料使用スケジュール管理手段116で管理されているスケジュールに基づいて、下ごしらえ計画を立てる。即ち、じゃがいもの場合、現在が1日目の夕食料理中であるなら、夕食献立のサラダの料理の際に「ゆで」があるので、2日以内に「ゆで」または「煮込み」がある場合は、同時に下ごしらえをするよう計画する。図6の例の場合は翌日に「煮込み」があるので、1日目の夕食料理時に1日目夕食時の2個+2日目の朝食の2個を同時にゆでて、2個は早めに取り出し「かたゆで」状態にするよう計画する。「ゆで」または「煮込み」がある場合、その時の食事で使用するもの以外は、早めに取り出し「かたゆで」状態にする。また、保存方法選択手段118で、「かたゆで」状態したものを1日以内に使用するものは「冷蔵保存」を選択し、2日目に使用するものは「冷凍保存」を選択し、下ごしらえを計画する(ステップ15)。このように、下ごしらえ計画手段117で計画された結果は、献立提示手段113の料理方法提示手段114で使用者に「ゆでる個数」、「ゆで時間」、「取り出し時間」、「保存方法」等が提示される(ステップ19)。
【0041】
また、献立提示手段113の下ごしらえ計画手段は、気温検知手段119(本実施の形態では温度センサとしたが、カレンダー手段などで季節を検知するようにしてもかまわない)により検知した気温が25℃以上の時は、保存方法選択手段118で「常温保存」としたものは全て「冷蔵保存」とする(ステップ16)。
【0042】
さらに、献立提示手段113の料理方法提示手段114は、献立に使用される材料についての下ごしらえ計画手段117での計画を参照し、保存方法として「冷凍保存」が選択されている場合には、該当の食事枠の1つ前の食事枠の想定時間帯で、即ち朝食なら計時手段120により前日の夕食時間帯と想定される18時〜24時の間に、準備方法を予め提示しておく(ステップ17、18)。
【0043】
また、使用者は、希望献立として選択し決定した献立について、実施の有無と実施した対象人数の情報を、献立実施状況入力手段121で入力する。実施されなかった、あるいは実施対象人数が選択確定時より少なかった場合、余剰量算出手段122は、その献立に予定されていた必要材料から余剰量を算出する。余剰量が出た材料については下ごしらえ計画手段117に余剰分として登録し、その後実施対象人数が選択確定時より多かった場合に備えて、保存方法選択手段118で保存方法を選択して、料理方法提示手段114で使用者に余剰材料の保存方法の提示を行う(ステップ20〜22)。実施対象人数が選択確定時より多かった場合、その後の食事枠で材料不足が明らかになった場合は、その時点で献立提示手段113で該当献立を警告報知して、必要材料提示手段115で該当材料の不足量を報知する(ステップ20、21、25、26)。
【0044】
さらに、余剰量算出手段122で算出した余剰量がある材料で、献立提示手段113が提示可能な保有する献立データの中の必要材料量以上の余剰量となった時、該当する献立データの中で不足材料が最も少ない順に、追加献立提示手段123で追加献立として提示する(ステップ23、24)。不足材料は不足していることと不足量を提示する。
【0045】
以上のように、本実施の形態においては、料理方法と必要材料と共に献立を提示する献立提示手段113と、一定期間分の希望献立を入力する献立入力手段103と、材料毎の各献立での必要量と料理方法を抽出して記憶する材料使用スケジュール管理手段116とを備え、献立提示手段113は、料理する献立で使用する材料について材料使用スケジュール管理手段116に記憶された献立に応じて同時に下ごしらえする材料量及び保存方法の提示を行うことで、料理の手間を省け、また一定期間内の調理時間短縮による省エネを実現する食生活支援装置を提供することができる。
【0046】
また、気温検知手段119を備え、献立提示手段113は、気温検知手段119が検知する気温に応じて、下ごしらえする材料量及び保存方法の補正を行うことで、気温の高い時には次回使用するまでの期間が短くとも冷凍保存を行ったり、気温の低い時は使用するまでの期間が長いものも同時に下ごしらえの対象として下ごしらえする材料量を増やしたりすることで、腐らせたりして無駄にする材料を少なくし、料理の手間を省いた食生活支援装置を提供することができる。
【0047】
さらに、計時手段120を備え、献立提示手段113は、献立での必要材料について、保存方法によって事前の準備が必要な場合は、献立の実施予定時より前に、材料の準備方法を提示することで、下ごしらえして保存した材料がある場合には事前の解凍などをタイミングよく提示することで料理の手順を速やかに行うことができる食生活支援装置を提供することができる。
【0048】
また、献立入力手段103で入力した希望献立の実施の有無と対象人数を入力するための献立実施状況入力手段121を備え、献立実施状況により材料の余剰が発生した場合は、献立提示手段113は、余剰材料の保存方法の提示を行うことで、余剰材料を無駄にせずに保存できる食生活支援装置を提供することができる。
【0049】
さらに、献立実施状況により材料の余剰が発生した場合は、余剰材料の量が献立提示手段113が提示可能な献立のいずれかの必要材料量以上になった時に余剰材料を使用する献立の追加提示を行うことで、余剰材料を無駄にせずに追加献立で有効に活用することができる食生活支援装置を提供することができる。
【0050】
なお、本実施の形態では、気温検知手段119で検知した気温に応じて保存方法を補正するようにしたが、下ごしらえする対象の献立までの日数を変更して同時に下ごしらえする材料量を補正するようにしてもよい。
【0051】
また、本実施の形態では、献立提示手段113の料理方法提示手段114が保存方法によって準備方法を提示するタイミングを、該当の食事枠の1つ前の食事枠の想定時間帯でとしたが、各々の食事時間帯を予め設定するようにしてもかまわないし、どのくらい前に提示するか、あるいは提示する時刻そのものを設定するようにしてもよい。
【0052】
なお、本実施の形態で説明した食生活支援装置101、112の各手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバー等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録したりインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明にかかる食生活支援装置およびそのプログラムは、使用者の希望する献立を優先しながら、一定期間内の他の献立で使用する材料の余剰量を有効に活用して、経済的にも配慮することができるので、平日は買い物ができない主婦なども家族の希望を優先しながら程よく経済的な食生活を送れるように週末などに材料を購入して効率的に料理ができるほか、業務用としても有用である。また、食生活支援装置単独としてだけでなく、冷蔵庫や調理機器に組み入れても有用であり、献立提示手段などはサーバに置く食生活支援システムとしても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の実施の形態1における食生活支援装置の構成を示すブロック図
【図2】同食生活支援装置の動作の流れを示すフローチャート
【図3】同食生活支援装置の在庫材料量確認手段の在庫確認画面の表示例を示す図
【図4】本発明の実施の形態2における食生活支援装置の構成を示すブロック図
【図5】同食生活支援装置の動作の流れを示すフローチャート
【図6】同材料使用スケジュール管理手段が管理するじゃがいもの使用スケジュール例を示す図
【図7】同食生活支援装置の献立の実施状況に応じた動作の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
【0055】
101、112 食生活支援装置
102、113 献立提示手段
103 献立入力手段
104 必要材料量算出手段
105 在庫材料量確認手段
106 不足材料量算出手段
107 購入単位記憶手段
108 購入材料量算出手段
111 標準賞味期限記憶手段
116 材料使用スケジュール管理手段
119 気温検知手段
120 計時手段
121 献立実施状況入力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
料理方法と必要材料と共に献立を提示する献立提示手段と、一定期間分の希望献立を入力する献立入力手段と、前記献立入力手段で入力された献立に必要な量を材料毎に一定期間分合算して算出する必要材料量算出手段と、前記必要材料量算出手段が必要と算出した材料各々について在庫量を確認する在庫材料量確認手段と、前記必要材料量算出手段が必要とする必要量と前記在庫材料量確認手段で確認した在庫量から不足材料量を算出する不足材料量算出手段と、前記不足材料量算出手段が算出した各々の材料量と購入単位に応じて購入材料量を算出する購入材料量算出手段とを備え、前記献立提示手段は、材料毎に前記購入材料量算出手段が算出した購入量から前記不足材料量算出手段が算出した不足量を減じた余剰量が購入単位に応じて予め決められた所定量以上である材料を使用する献立の代替え献立として、前記余剰量が前記所定量未満の材料で料理可能な献立を再提示するようにした食生活支援装置。
【請求項2】
材料の標準賞味期限を記憶する標準賞味期限記憶手段を備え、前記献立提示手段は、代替え献立を再提示するか否かを決定する余剰量の購入単位に対する閾値を、前記標準賞味期限記憶手段に記憶された前記材料の標準賞味期限に応じて決定する請求項1記載の食生活支援装置。
【請求項3】
料理方法と必要材料と共に献立を提示する献立提示手段と、一定期間分の希望献立を入力する献立入力手段と、材料毎の各献立での必要量と料理方法を抽出して記憶する材料使用スケジュール管理手段とを備え、前記献立提示手段は、料理する献立で使用する材料について前記材料使用スケジュール管理手段に記憶された献立に応じて同時に下ごしらえする材料量及び保存方法の提示を行う食生活支援装置。
【請求項4】
気温検知手段を備え、前記献立提示手段は、前記気温検知手段が検知する気温に応じて、下ごしらえする材料量及び保存方法の補正を行う請求項3記載の食生活支援装置。
【請求項5】
計時手段を備え、前記献立提示手段は、献立の必要材料について、前記保存方法によって事前の準備が必要な場合は、前記献立の実施予定時より前に、前記材料の準備方法を提示する請求項3または4記載の食生活支援装置。
【請求項6】
前記献立入力手段で入力した希望献立の実施の有無と対象人数を入力するための献立実施状況入力手段を備え、献立実施状況により材料の余剰が発生した場合は、前記献立提示手段は、前記余剰材料の保存方法の提示を行う請求項1〜5のいずれか1項に記載の食生活支援装置。
【請求項7】
前記献立実施状況により材料の余剰が発生した場合は、前記余剰材料の量が前記献立提示手段が提示可能な献立のいずれかの必要材料量以上になった時に前記余剰材料を使用する献立の追加提示を行う請求項1〜6のいずれか1項に記載の食生活支援装置。
【請求項8】
コンピュータに請求項1〜7のいずれか1項に記載の食生活支援装置の少なくとも一部を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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