説明

食用油再生装置及びその再生方法

【課題】使用済み食用油の濾過が簡単にできると共に、再生後の食用油を効率よく回収することができる食用油再生装置を提供する。
【解決手段】
食用油を収納する揚げ物槽11の下方に、揚げ物槽11で使用した食用油から不純物を濾過して食用油を再生する濾過槽12を具備し、濾過槽12内には所定量の濾過水を有し、揚げ物槽11の下部には使用済み食用油を濾過水に供給する排油管15を有し、使用済み食用油を、高温の状態で上記排油管14を通して濾過水中に潜り込ませるように供給することを特徴とする食用油再生装置10である。また、濾過槽12内の濾過水量を調節して、濾過槽12内で再生した食用油を、移送管22を通して貯油タンク13に移送することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、使用済み食用油を再生する食用油再生装置及びその再生方法の発明に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、揚げ物等に使用した食用油を未処理のままで放置していたのでは、酸化したり、使用中に食用油に混入した水分や挟雑物との化学変化により品質が劣化したりして、2〜3回で使用に耐えられなくなる。
【0003】
このような問題に対して、一度使用した食用油を、そのまま廃棄せずに、濾紙で濾過して挟雑物を除去する食用油濾過装置が考案されている。例えば、特許文献1には、フライヤーの下方に設置され、濾紙で濾過して挟雑物を除去する食用油濾過装置が開示されている。これにより、食用油を長く使用することができると共に、環境の保護にもつながる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−075237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、上記特許文献1に記載の食用油再生装置では、使用済みの食用油を濾紙で濾過して挟雑物を除去して劣化を防止することが考えられていたが、濾過と冷却とに長時間を要し、更に、食用油中に混入した水分を完全に除去できないため劣化防止には不十分であった。
【0006】
また、特許文献1に記載の発明では、濾紙に食用油の一部が吸着されて、濾過後の食用油を効率よく回収することができなかった。さらに、濾紙を交換する手間も生じていた。
【0007】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであって、使用済みが食用油の濾過が簡単にできると共に、再生後の食用油を効率よく回収することができる食用油再生装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、食用油を収納する揚げ物槽の下方に、揚げ物槽で使用した食用油から不純物を濾過して食用油を再生する濾過槽を具備し、濾過槽内には所定量の濾過水を有し、揚げ物槽の下部には使用済み食用油を濾過水に供給する排油管を有し、使用済み食用油を、高温の状態で上記排油管を通して濾過水中に潜り込ませるように供給することを特徴とする食用油再生装置である。
【0009】
請求項2に記載の発明は、濾過槽は、濾過水の供給量を調節する濾過水調節手段を具備し、その濾過水調節手段により濾過槽内の濾過水量を調節して、濾過槽内で再生した食用油を、連結パイプを通して貯油タンクに移送することを特徴とする請求項1に記載の食用油再生装置である。
【0010】
請求項3に記載の発明は、揚げ物槽に収納された使用済み食用油を、高温の状態で上記排油管を通して濾過水中に潜り込ませるように供給する工程と、濾過槽にて、使用済み高温の食用油を、不純物と水と濾過後の食用油とに分離する工程と、濾過水調節手段により濾過槽内の濾過水量を調節して、濾過槽内で再生した食用油を、移送管を通して貯油タンクに移送する工程と、を有することを特徴とする食用油再生方法である。
【発明の効果】
【0011】
(1)請求項1に記載の食用油再生装置では、濾過槽内の所定量の濾過水に高温の食用油を注入することで、沈澱物は濾過槽の底部にだけ沈澱し、処理済みの食用油を取出す際に、挟雑物が食用油に混入するのを防止することができる。
【0012】
すなわち、高温の使用済み食用油は、濾過槽内の濾過水で冷却されて、次第に温度を下げながら沈澱処理されるのであるが、食用油が高温の時は、食用油と水分の分子の運動が活発で油分と水分との分離が促進されると共に、食用油の粘性が低いので水分や挟雑物の沈降速度が速くなる。また、低温になるに従って食用油の分子運動が次第に不活発になるが、水分の分子運動は活発なままで持続して、油分から遊離した水の粒子同士が結合して大きな粒子となり、更に濾過水の水粒子が結合して、大きな水の粒子となるため、水分の沈降速度が速く維持することができ、更に、高温の持続による食用油の品質低下を防止することができる。
【0013】
(2)請求項2に記載の食用油再生装置では、濾過槽内に濾過時よりも水を供給して、濾過槽内に水を充填することにより、水よりも比重の軽い食用油は、移送管を介して、サブタンクに移送するようにしている。このようにして、食用油を効率よく回収することができる。
【0014】
(3)請求項3に記載の食用油再生方法では、油の使用、使用後の油の濾過、濾過後の再生油の回収、再生油の使用を循環させることができ、フライヤーに収納されている使用済みの食用油の再生及び回収が容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る実施例の食用油再生装置の全体構造を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る実施例の食用油再生装置の全体構造を示す説明図であり、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図3】本発明に係る実施例の食用油再生装置の揚げ作業終了時の状態を示す正面図である。
【図4】本発明に係る実施例の食用油再生装置の再生油をサブタンクに移送する状態を示す正面図である。
【図5】本発明に係る実施例の食用油再生装置の濾過槽内を洗浄する状態を示す正面図である。
【図6】本発明に係る実施例の食用油再生装置の濾過槽内の濾過水を規定量に設定した状態を示す正面図である。
【図7】本発明に係る実施例の食用油再生装置の新規濾過開始を示す正面図である。
【図8】本発明に係る実施例の食用油再生装置の使用済み食用油の濾過状態を示す正面図である。
【図9】本発明に係る実施例の食用油再生装置のフライヤーの洗浄状態を示す正面図である。
【図10】本発明に係る実施例の食用油再生装置のサブタンクより再生油を供給する状態を示す正面図である。
【図11】本発明に係る実施例の食用油再生装置のサブタンクの残水を濾過タンク内に落とす状態を示す正面図である。
【図12】本発明に係る実施例の食用油再生装置のフライヤーに食用油を足す状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、その特徴的構造として、食用油を収納する揚げ物槽の下方に、揚げ物槽で使用した食用油から不純物を濾過して食用油を再生する濾過槽を具備し、濾過槽内には所定量の濾過水を有し、揚げ物槽の下部には使用済み食用油を濾過水に供給する排油管を有し、使用済み食用油を、高温の状態で上記排油管を通して濾過水中に潜り込ませるように供給する。
【0017】
ここで、使用済み食用油を濾過水中に潜り込ませるとは、使用済みの食用油を揚げ物槽の下部の排水管から濾過水中に勢いよく飛び込ませるように供給することをいう。揚げ物槽は、その下部に排油弁を介して排出する排出管を有しており、その排出管より食用油を勢いよく排出することができる。
【0018】
使用済みの食用油を、高温の状態で濾過水中に飛び込ませるように供給することにより、その使用済みの食用油は、水分との接触面が増え、濾過水中においてその全体が冷却されるので供給時の水の暴発が少なくなる。
【0019】
そして、高温の使用済み食用油は、濾過槽内の濾過水で冷却されて、次第に温度を下げながら沈澱処理されるのであるが、食用油が高温の時は、食用油と水分の分子の運動が活発で油分と水分との分離が促進されると共に、食用油の粘性が低いので水分や挟雑物の沈降速度が速くなる。
【0020】
また、低温になるに従って食用油の分子運動が次第に不活発になるが、水分の分子運動は活発なままで持続して、油分から遊離した水の粒子同士が結合して大きな粒子となり、更に濾過水の水粒子が結合して、大きな水の粒子となるため、水分の沈降速度が速く維持することができ、更に、高温の持続による食用油の品質低下を防止することができる。
【0021】
また、濾過槽内の濾過水によって、調理中の加熱によって重合又は縮合し化学変化の進んでいる食用油を水で急冷却することで、もとの食用油に再生する。
【0022】
さらに、水分を含んだ挟雑物は水よりも比重が大きいため、沈澱処理後、食用油と沈澱した挟雑物とが、水の層によって分離されるので、挟雑物との接触による食用油の品質劣化を防止でき、更に、分離処理した食用油を取出す際に、挟雑物が混入するのが防止される。
【0023】
以上のように、高温の使用済み食用油が濾過水によって急速に冷却され、かつ、水分と挟雑物との沈降速度が速くなるので、使用済み食用油から水分と挟雑物とを短時間で沈澱分離することができる。
【0024】
また、本実施形態における使用済み食用油の再生装置の特徴として、濾過槽は濾過水の供給量を調節する濾過水調節手段を具備し、その濾過水調節手段により濾過槽内の濾過水量を調節して、濾過槽内で再生した食用油を、連結パイプを通して貯油タンクに移送するようにしている。
【0025】
濾過水調節手段は、濾過槽内に水を供給する水道と、水道と濾過槽とを連結する水供給管と、水道からの水を供給したりその供給を停止したりする濾過タンク給水バルブなどにより構成する。又は、ポンプやバルブを用いて濾過槽内の濾過水の供給量を調節することもできる。
【0026】
このように、再生油の移送時には、濾過槽内に濾過時よりも水を供給することにより、濾過槽内一杯に水を充填するので、水よりも比重の軽い食用油は、移送管を介して、貯油タンクに移送される。これにより、再生後の食用油を効率よく回収することができる。
【実施例】
【0027】
以下、本発明の実施例について図面を参照して詳細に説明する。
【0028】
図1及び図2は、本発明に係る食用油再生装置10を示しており、同食用油再生装置10はフライヤー11(揚げ物槽)の下方に設置された油濾過タンク12(濾過槽)を備える。また、油濾過タンク12には、サブタンク13(貯油タンク)が移送管22を介して連結されている。
【0029】
フライヤー11は、図1及び図2に示すように、給食センターや食堂などの厨房で使用するものであり、上方が開放された箱形状を有するもので、その箱内部に食用油が収納される。収納された食用油は、燃焼ガスの流れによって発熱する熱交換器31などで熱せられる。そして、熱せられた食用油で食品を揚げるようにしている。同視
【0030】
また、フライヤー11は、背面部に揚げ物時の煙を排煙する排煙フード30が設けられている。すなわち、熱交換器31で熱せられた油煙を排煙フード30内に配設した排煙筒を通して排煙フード30の先端から排煙するようにしている。
【0031】
フライヤー11の底部には、フライヤー11に収納された食用油をフライヤー油ドレンバルブ15を介して排油する排油管14を備えている。排油管14は油濾過タンク12の油供給管16と連結可能としている。また、排油管14に分岐して分岐管26が配設され、その分岐管26にはフライヤー排水ドレンバルブ27が配設されている。
【0032】
そして、フライヤー11に収納された食用油は、フライヤー11油ドレンバルブを開けることにより、フライヤー11の排油管14及び油供給管16を通して油濾過タンク12内に供給できるようにしている。
【0033】
油濾過タンク12は密閉した容器で構成され、その前面にはタンク内部が確認できるように透明な素材で形成された確認窓17が配設されている。この確認窓17は、油濾過タンク12内で使用済みの食用油から、再生後の食用油と水分と挟雑物との分離の状態を確認するためのものである。このように、油濾過タンク12を密閉することにより、油濾過タンク12内の濾過水に高温の食用油を潜り込ませるときの、濾過水からの油の飛びを防止することができる。
【0034】
油濾過タンク12内には、濾過水が油濾過タンク12内の体積の半分程度の量が収納されている。この濾過水は、使用済み食用油から水分と挟雑物とを油濾過タンク12内で沈澱分離させるものである。
【0035】
油濾過タンク12は、そのタンク内に濾過水を供給する給水管18が連結されている。給水管18には、その開閉により油濾過タンク12内に水を供給したり、その供給を停止したりする濾過タンク給水バルブ19がその中途部に配設されている。
【0036】
油濾過タンク12にはその底部に排水口を有し、その排水口には排水管20が連通されている。また、排水管20は、開閉することにより油濾過タンク12内の濾過水を外方に排水する濾過タンク排水バルブ21をその中途部に有している。これにより、濾過後の濾過水を排水管20を通して排水可能としている。
【0037】
サブタンク13は、再生後の食用油を回収すると共に、再度揚げ物用の食用油としてフライヤー11で使用するために貯油するものである。なお、サブタンク13を備えない場合には、濾過後の食用油を揚げ物槽に供給するようにしてもよい。
【0038】
サブタンク13は、箱状に形成され、その内部に食用油を貯油するようにしている。そして、サブタンク13は、貯油した食用油の量がわかるようにその表面部が透明なアクリル板32で構成するようにしてもよい。
【0039】
サブタンク13は、フライヤー11の上方に配置している。サブタンク13には油濾過タンク12との間に移送管22が連通されており、その移送管22のサブタンク13側にはサブタンクドレンバルブ23が配設されている。また、サブタンク13にはそのサブタンク13に貯油している食用油をフライヤー11に注入する油注入管24が連通されており、その油注入管24にはサブタンク13からの食用油の供給の開閉を行うサブタンク給油バルブ25が配設されている。
【0040】
なお、油注入管24の上端部は、サブタンク13の底面より上方であって、移送管22の上端部よりも上方に突出させている。これにより、油濾過タンク12から移送された水をサブタンク13の下部側にまで移送しても、再生した食用油は比重により水の上方に位置しており、その上方に位置する食用油を油注入管24を介してフライヤー11に供給することができる。
【0041】
本発明の実施例における食用油再生装置10は、サブタンク13と油濾過タンク12とで構成されており、従来からあるフライヤー11に組み込むことで、食用油を再生する装置として使用することができる。そして、使用済み食用油の再生方法は以下のようにして行う。
【0042】
まず、図12に示すように、一斗缶29に充填されている新規な食用油をフライヤー11に供給する。その後、フライヤー11にて揚げ作業を行う。
【0043】
この後、図3に示すように、フライヤー11には使用済みの高温の食用油が収納されている。また、油濾過タンク12内には前回使用した食用油が供給されており、その食用油は再生した食用油と挟雑物と水分とに分離した状態となっている。なお、この状態では、すべてのバルブが閉の状態である。
【0044】
次に、図4に示すように、濾過タンク給水バルブ19を開にし、給水管18を通して水道33より油濾過タンク12内に水を供給することで、油濾過タンク12内を水で一杯にする。このとき、サブタンクドレンバルブ23を開にして、上記再生した食用油は、移送管22を通してサブタンク13に充填される。
【0045】
サブタンク13内に食用油を移送した後は、図5に示すように、油濾過タンク12に水を供給しながら、濾過タンク排水バルブ21を開にして、排水管20を通して油濾過タンク12内の水を排水して、油濾過タンク12内の洗浄を行う。これにより、油濾過タンク12内で分離した挟雑物等の沈殿物をタンク外に排出して、油濾過タンク12内部を洗浄することができる。
【0046】
この後、図6に示すように、油濾過タンク12内が洗浄された後は、水の供給を停止して、排水管20より排水しながら、油濾過タンク12内の濾過水を規定量になるように量を調節する。
【0047】
次に、図7に示すように、揚げ物等に使用した直後の高温(約180℃)の食用油を、フライヤー11油ドレンバルブを開にして排油管14を通して、使用済み食用油を濾過水中に潜り込ませるように供給する。このとき、フライヤー11にお湯を供給して、お湯と共に食用油を油濾過タンク12内に供給するとき、お湯でフライヤー11を洗い流すようにしてもよい。そして、高温の食用油は、油濾過タンク12内の濾過水中に潜り込むように供給される。
【0048】
ここで、使用済み食用油を濾過水中に潜り込ませるとは、フライヤー11の下部の排水管20から使用済みの食用油が濾過水中に勢いよく飛び込ませるように供給することをいう。
【0049】
本実施例では、食用油を収納しているフライヤー11の内底部が排油管14に向かって絞り込んだ形状を有しており、上方のフライヤー11から下方の濾過槽に排油管14を通して使用済み食用油を投入するようにしているので、使用済みの食用油が濾過水中に勢いよく飛び込ませるように供給することができる。
【0050】
このように、使用済みの食用油を、高温の状態で濾過水中に飛び込ませて供給することにより、その使用済みの食用油は、水分との接触面が増えて、濾過水中においてその全体が冷却されるので暴発が少なくなる。
【0051】
この後、図8に示すように、油濾過タンク12内において、供給された食用油を所定時間放置して、食用油と挟雑物と水分とに分離するようにする。
【0052】
この際、高温の使用済み食用油は、油濾過タンク12内の濾過水で冷却されて、次第に温度を下げながら沈澱処理されるが、食用油が高温の時は、食用油と水分の分子の運動が活発で油分と水分との分離が促進されると共に、食用油の粘性が低いので水分や挟雑物の沈降速度が速くなる。
【0053】
また、低温になるに従って、食用油の分子運動が次第に不活発になるが、水分の分子運動は活発なままで持続して、油分から遊離した水の粒子同士が結合して大きな粒子となり、更に濾過水の水粒子が結合して、大きな水の粒子となるため、水分の沈降速度が速く維持することができ、更に、高温の持続による食用油の品質低下を防止することができる。
【0054】
また、濾過水の水粒子が使用済み食用油に接触する際に、調理中の加熱によって重合又は縮合し化学変化の進んでいる食用油を水で急冷却することで、もとの食用油に再生して、再生処理の収率を高めると共に、食用油の粒子に結合した水溶性の塩類や有機物質を上記水滴中に取り込んで沈降させ、更に、濾過水の水分が、挟雑物に吸収されて挟雑物の比重が大きくなることにより、挟雑物の沈降速度を速めることができる。
【0055】
そして、図8に示すように、高温の使用済み食用油が油濾過タンク12内の濾過水で急速に冷却され、かつ、水分と挟雑物との沈降速度が速くなり、使用済み食用油から水分と挟雑物とを短時間で沈澱分離することができる。
【0056】
上述したように、水分及び挟雑物の沈降速度と冷却とを速めているので、約1〜2時間で使用済み食用油の再生を完了することができる。
【0057】
上記濾過中には、図9に示すように、フライヤー11に洗剤を含んだ洗浄水を供給し、フライヤー11下部の排油管14から分岐した分岐管26を通してバケツ28に排水するようにすることで、フライヤー11の槽内の洗浄が可能となる。このとき、フライヤー油ドレンバルブ15は閉にし、フライヤー排水ドレンバルブ27は開にする必要がある。
【0058】
洗浄水は水でもよいがフライヤー11の熱交換器31によって水がお湯になるまで沸かすようにしてもよい。このようにすることで、フライヤー11の内壁面に付着して油などを除去することができる。
【0059】
次に、図10に示すように、濾過水調節手段として、水道33より水を供給し、濾過タンク給水バルブ19を開にして給水管18を通して、水を油濾過タンク12内のタンク一杯になるように供給する。これにより、食用油は、移送管22を通してサブタンク13に充填される。
【0060】
さらに、図11に示すように、濾過タンク排水バルブ21を開にして、油濾過タンク12内の挟雑物と水分とを排出させる。このとき、濾過タンク排水バルブ21を開くことで、排水管20に空気が入り込み、同時に水圧によって、油濾過タンク12内の水分と共に挟雑物も油濾過タンク12外に排出される。これにより、排水管20のセルフクリーニングも可能となる。
【0061】
最後に、図12に示すように、サブタンク13において、再生後の食用油を貯油して、サブタンク給油バルブ25を開にして給油管を通してフライヤー11に供給して、次の揚げ物の食用油として使用できるようにしている。また、再生油が足りない場合には新しい食用油を足すこともできる。
【0062】
以上のようにして、図3〜図12に示すように、循環して食用油を再生できるようにしている。
【0063】
また、分離した食用油をサブタンク13に移送して、再生した食用油を回収するようにしている。このように、再生した食用油を効率良く回収することができる。
【0064】
この結果、本実施例における食用油再生方法は、油の使用、使用後の油の濾過、濾過後の再生油の回収、再生油の使用を循環させることができ、フライヤー11に収納されている使用済みの食用油の再生及び回収が容易に行える。
【符号の説明】
【0065】
10 食用油再生装置
11 フライヤー(揚げ物槽)
12 油濾過タンク
13 サブタンク(貯油タンク)
14 排油管
15 フライヤー油ドレンバルブ
16 油供給管
17 確認窓
18 水供給管
19 濾過タンク給水バルブ
20 排水管
21 濾過タンク排水バルブ
22 移送管
23 サブタンクドレンバルブ
24 油注入管
25 サブタンク給油バルブ
26 分岐管
27 フライヤー排水ドレンバルブ
28 バケツ
29 一斗缶
30 排煙フード
31 ガス管
32 アクリル板
33 水道

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食用油を収納する揚げ物槽の下方に、揚げ物槽で使用した食用油から不純物を濾過して食用油を再生する濾過槽を具備し、
濾過槽内には所定量の濾過水を有し、揚げ物槽の下部には使用済み食用油を濾過水に供給する排油管を有し、
使用済み食用油を、高温の状態で上記排油管を通して濾過水中に潜り込ませるように供給することを特徴とする食用油再生装置。
【請求項2】
濾過槽は、濾過水の供給量を調節する濾過水調節手段を具備し、
その濾過水調節手段により濾過槽内の濾過水量を調節して、濾過槽内で再生した食用油を、移送管を通して貯油タンクに移送することを特徴とする請求項1に記載の食用油再生装置。
【請求項3】
揚げ物槽に収納された使用済み食用油を、高温の状態で上記排油管を通して濾過水中に潜り込ませるように供給する工程と、
濾過槽にて、使用済み高温の食用油を、不純物と水と濾過後の食用油とに分離する工程と、
濾過水調節手段により濾過槽内の濾過水量を調節して、濾過槽内で再生した食用油を、移送管を通して貯油タンクに移送する工程と、を有することを特徴とする食用油再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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