説明

飲料を準備するための機械

【課題】飲料を準備するための機械を改良して、水タンク内の充填レベル高さが、好ましくない光状況でも良好に可視となるようにする。
【解決手段】コーヒを淹れるための機械であって、水タンク2が設けられており、該水タンク2から、水が、煮沸装置に供給可能であり、水タンク2内の充填レベル高さを表示するために、表示手段が設けられている形式のものにおいて、表示手段6が、発光手段7を有しており、該発光手段7が、水タンク2内にガイドされたフロート9を照明するようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料を準備するための機械、特にコーヒを淹れるための機械であって、水タンクが設けられており、該水タンクから、水が、煮沸装置に供給可能であり、水タンク内の充填レベル高さを表示するために、表示手段が設けられている形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
機械の後側の領域に配置された取外し可能な水タンクを有するコーヒメーカが知られている。このようなコーヒメーカの使用者に対して、どのくらい多くの水が煮沸過程の間に水タンク内に位置しているのかを知り、これによって、煮沸捗り状況が可視化されることが有利である。このためには、透明の水タンクが知られており、これによって、どのような充填レベル高さが水タンク内に存在しているのかを使用者が認識することができる。この場合、充填レベル高さを好ましくない光状況では良好に認識することができないことが問題である。さらに、水タンクは、たいてい、機器の後側の領域に配置されている。この領域は覗き込みにくい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の課題は、飲料を準備するための機械を改良して、水タンク内の充填レベル高さが、好ましくない光状況でも良好に可視となるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するために本発明の構成では、表示手段が、発光手段を有しており、該発光手段が、水タンク内にガイドされたフロートを照明するようになっているようにした。
【0005】
本発明の有利な構成によれば、フロートが、反射面を有しており、該反射面によって、入射した光が、当該機械の表示面に反射されるようになっている。
【0006】
本発明の有利な構成によれば、水タンクが、当該機械の後面に配置されており、表示面が、当該機械の前面に配置されている。
【0007】
本発明の有利な構成によれば、表示面が、鉛直なストリップとして形成されており、該ストリップが、多数の表示範囲を有している。
【0008】
本発明の有利な構成によれば、発光手段が、水タンクの下方に配置されている。
【0009】
本発明の有利な構成によれば、発光手段が、LEDランプとして形成されている。
【0010】
本発明の有利な構成によれば、フロートが、水タンク内の鉛直な条片に沿ってガイドされている。
【0011】
本発明の有利な構成によれば、鉛直な条片が、フロートをU字形に取り囲んでいる。
【0012】
本発明の有利な構成によれば、フロートが、ミラーを有しており、該ミラーが、両側でフロートエレメントによって取り囲まれている。
【0013】
本発明の有利な構成によれば、ミラーが、水平線に対して約45゜の角度で傾けられて配置されている。
【0014】
本発明の有利な構成によれば、水タンクが、透明のまたは半透明のプラスチックから製作されている。
【0015】
本発明の有利な構成によれば、当該機械の、水タンクに隣接した後壁と、当該機械の前壁との間に、水平な光導波路が設けられている。
【0016】
本発明の有利な構成によれば、発光手段と水タンクとの間にレンズが設けられている。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、水タンク内の充填レベル高さを表示するための表示手段が発光手段を有しており、この発光手段が、水タンク内にガイドされたフロートを照明する。これによって、充填レベル高さを簡単に可視化することができる。この場合、フロートが照明によって直接的に良好に可視となるかまたは間接的に光を表示面に反射することができる。この場合、この表示面が使用者に対して良好に可視となる。
【0018】
本発明の有利な構成によれば、フロートが反射面を有しており、この反射面によって、入射した光が機械の表示面に反射される。これによって、表示面の位置を有利に、たとえば機械の前面に位置決めすることができる。したがって、使用者が一目で煮沸捗り状況を認識する。この場合、有利には、水タンクが機械の後面に配置されており、表示面が機械の前面に配置されている。
【0019】
表示面を控え目に形成するためには、この表示面が鉛直なストリップとして形成されていてよい。この場合、この鉛直なストリップは多数の表示範囲に分割されていてよく、これによって、使用者が簡単に充填体積も表示面で読み取ることができる。
【0020】
機械がコンパクトに形成されているようにするためには、発光手段が水タンクの下方に配置されていてよい。この場合、表示手段によるエネルギ消費を僅かに保つためには、発光手段がLEDランプとして形成されていてよい。このLEDランプは、たとえば水タンクの下方に設けられたプリント配線板に配置されている。
【0021】
本発明の別の構成によれば、フロートが水タンク内の鉛直な条片に沿ってガイドされている。これによって、水タンク内でのフロートの位置を比較的正確に予め規定することができる。なぜならば、このフロートが鉛直な条片に沿って運動可能となるからである。この場合、この鉛直な条片はフロートをU字形に取り囲んでいてよく、これによって、水平な方向への運動が最小限に抑えられる。
【0022】
有利には、フロートがミラーを有しており、このミラーが両側でフロートエレメントによって取り囲まれている。これによって、このフロートエレメントが光路を妨害しない。しかし、ミラーを備えたフロートエレメントは、予め規定された位置に位置決めされたままとなり、傾倒運動が回避される。この場合、有利には、ミラーが水平線に対して約45゜の角度で傾けられて配置されており、これによって、光線が水タンクの下方の位置から水平な方向に逸らされる。
【0023】
発光手段と表示面との間の光損失を最小限に抑えるためには、水タンクが、少なくとも光路を貫通案内するための覗き窓の領域で、有利には透明のまたは半透明のプラスチックから製作されている。
【0024】
本発明の別の構成によれば、機械の、水タンクに隣接した後壁と、機械の前壁との間に、水平な1つまたはそれ以上の光導波路が設けられている。この光導波路は、フロートによる反射された光を適切に1つの位置で機械の前面に案内することができる。この場合、光導波路は、水平なかつ/または鉛直な方向への光のガイドも引き受けることができる。
【0025】
フロートへの光入射を集束させるためには、発光手段と水タンクとの間にレンズが設けられていてよく、これによって、光入射の強度が高められる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明による機械の実施例の斜視図である。
【図2】図1の機械の側面の部分的な断面図である。
【図3】図1の機械の詳細図である。
【図4】図1の機械の詳細の断面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、本発明を実施するための形態を図面につき詳しく説明する。
【0028】
飲料を準備するための機械1、特にコーヒまたは茶を淹れるための機械は、水タンク2を有している。この水タンク2から、水が煮沸装置に供給可能となる。この煮沸装置は高温の水、つまり、お湯を濾過装置4に供給する。この濾過装置4から、飲料がポット5内に流下する。機械1は、ハウジングを備えたフレーム3を有している。ハウジング内には、個々のアッセンブリが収納されている。ハウジング3の前面には、表示面6が設けられている。この表示面6は鉛直なストリップとして形成されていて、煮沸捗り状況表示器を成している。表示面6は多数の範囲に分割されている。
【0029】
図2には、水タンク2内の充填レベルを表示するための装置が概略的に示してある。水タンク2の下方には、LEDランプの形の発光手段7が配置されている。LEDランプは、ハウジング3内のプリント配線板20に組み付けられている。ランプ7から、光が上方に放射する。このことは、矢印8によって概略的に図示してある。光は、まず、管21内で集束される。この管21の端部には、レンズが設けられている。これによって、集束された光線がフロート9に導かれる。このフロート9はミラーの形の反射性の面を有している。この場合、ミラーは方形のプレートとして形成されている。このプレートは水平線に対して約45゜の角度で傾けられている。これによって、入射した光線8が、矢印12によって概略的に図示したように、水平な方向に逸らされる。いま、逸らされた光線12が光導波路14に衝突する。この光導波路14は光を、機械1の前面に設けられた表示面6に導き、これによって、使用者13が機械1の前面から直接フロート9の高さを表示面6で読み取ることができる。光線12はその箇所で表示面6の1つの範囲から出射する。この範囲の高さにフロート9が位置している。
【0030】
図3には、フロート9の領域が拡大して示してある。フロート9は1つまたはそれ以上のフローティングエレメント16を有している。これらのフローティングエレメント16は鉛直な条片11に沿ってガイドされている。光は、フロート9のあと、まず、水タンク2の壁15を通過し、その後、ハウジング3の壁10を通過する。両壁15,10は透明のかつ/または半透明の材料から形成されている。次いで、光線が光導波路14に到達する。この場合、互いに隣り合う光導波路14は分離壁19によって互いに分離されている。この分離壁19によって、光学的な遮蔽が可能となる。これによって、表示面6における制限された個数の範囲しか、有利には、ただ1つの範囲しかその都度照明されない。
【0031】
図4には、フロート9の領域が平面図で示してある。鉛直な条片11はフロート9をU字形に取り囲んでいる。この場合、フロート9に設けられたミラーの両側に対して、それぞれ1つのフローティングエレメント16;17が設けられている。このフローティングエレメント16;17はU字形の条片11の内部に配置されている。これによって、フロート9が、ほんの僅かな遊びを備えて条片11にほぼ鉛直にガイドされており、したがって、正確な光案内が可能となることが達成される。
【0032】
光導波路14によって、フロート9に近い方の側における広幅の入射面を先細りにし、これによって、表示面6が狭幅の鉛直な条片として形成されていることが可能となる。表示面6に隣り合って、装飾カバー18が設けられている。この装飾カバー18は鉛直な表示面6を挟み込んでいる。光導波路14によって、光入射の領域と光出射の領域とを側方にずらすことができる。このことは、間隔Lによって図示してある。これによって、ハウジング3の内部の構成スペースを最適に使用することができる。
【0033】
図示の実施例では、フロート9が照明される。このフロート9は、その後、光を機械の前面に向かって反射させる。この場合、前面とフロート9との間の構成部材の個数を減少させ、これによって、機械の構造を簡単にすることが可能となる。フロート9は直接前面から鉛直な覗き窓を通して可視のままであってもよい。この場合、ランプによる照明によって、水タンク内の充填レベル高さが良好に可視のままとなる。
【符号の説明】
【0034】
1 機械、 2 水タンク、 3 ハウジング、 4 濾過装置、 5 ポット、 6 表示面、 7 発光手段、 8 光線、 9 フロート、 10 壁、 11 条片、 12 光線、 13 使用者、 14 光導波路、 15 壁、 16 フローティングエレメント、 17 フローティングエレメント、 18 装飾カバー、 19 分離壁、 20 プリント配線板、 21 管、 L 間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を準備するための機械(1)、特にコーヒを淹れるための機械(1)であって、水タンク(2)が設けられており、該水タンク(2)から、水が、煮沸装置に供給可能であり、水タンク(2)内の充填レベル高さを表示するために、表示手段(6,7,9)が設けられている形式のものにおいて、表示手段(6)が、発光手段(7)を有しており、該発光手段(7)が、水タンク(2)内にガイドされたフロート(9)を照明するようになっていることを特徴とする、飲料を準備するための機械。
【請求項2】
フロート(9)が、反射面を有しており、該反射面によって、入射した光(8)が、当該機械(1)の表示面(6)に反射されるようになっている、請求項1記載の機械。
【請求項3】
水タンク(2)が、当該機械(1)の後面に配置されており、表示面(6)が、当該機械(1)の前面に配置されている、請求項1または2記載の機械。
【請求項4】
表示面(6)が、鉛直なストリップとして形成されており、該ストリップが、多数の表示範囲を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の機械。
【請求項5】
発光手段(7)が、水タンク(2)の下方に配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の機械。
【請求項6】
発光手段(7)が、LEDランプとして形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の機械。
【請求項7】
フロート(9)が、水タンク(2)内の鉛直な条片(11)に沿ってガイドされている、請求項1から6までのいずれか1項記載の機械。
【請求項8】
鉛直な条片(11)が、フロート(9)をU字形に取り囲んでいる、請求項7記載の機械。
【請求項9】
フロート(9)が、ミラーを有しており、該ミラーが、両側でフロートエレメント(16,17)によって取り囲まれている、請求項1から8までのいずれか1項記載の機械。
【請求項10】
ミラーが、水平線に対して約45゜の角度で傾けられて配置されている、請求項9記載の機械。
【請求項11】
水タンク(2)が、透明のまたは半透明のプラスチックから製作されている、請求項1から10までのいずれか1項記載の機械。
【請求項12】
当該機械(1)の、水タンク(2)に隣接した後壁と、当該機械(1)の前壁との間に、水平な光導波路(14)が設けられている、請求項1から11までのいずれか1項記載の機械。
【請求項13】
発光手段(7)と水タンク(2)との間にレンズが設けられている、請求項1から12までのいずれか1項記載の機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−183704(P2009−183704A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22356(P2009−22356)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(390014155)メリタ ハウスハルツプロドウクテ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンデイトゲゼルシヤフト (12)
【氏名又は名称原語表記】Melitta Haushaltsprodukte GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Ringstrasse99,D−32427 Minden,Germany
【Fターム(参考)】