説明

飲料ディスペンサ

【課題】アルコール飲料の原料となるアルコール原料と、アルコール希釈水としての液体原料と、冷却水又は炭酸水等の希釈液とを同時にカップ内に吐出することができると共に、当該アルコール飲料の濃度を変更することを可能とする飲料ディスペンサを提供する。
【解決手段】アルコール原料と希釈水とを所定の流量比率で同時にカップ内に吐出することにより、当該カップ内でアルコール原料と希釈水とを混合して提供する飲料ディスペンサ1において、アルコール原料と希釈水の吐出を制御する制御装置90を備え、制御装置90は、希釈水の吐出時間に対するアルコール原料の吐出時間の割合を変更することにより、飲料のアルコール濃度を調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アルコール原料と希釈水とを所定の流量比率で同時にカップ内に吐出することにより、アルコール飲料をカップに供給可能な飲料ディスペンサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より例えば飲料ディスペンサは、濃度の高い液体原料を収容した液体原料タンクを飲料ディスペンサに接続し、レモン・メロン・オレンジなどの濃縮果汁に砂糖を加えた果実シロップなどの液体原料と、冷却水や炭酸水等の希釈液を適度の比率で混ぜ合わせながら所定の大きさのカップに所定量注入していた。
【0003】
即ち、飲料ディスペンサにて所定の大きさのカップに炭酸飲料を供給する場合は、まず、飲料ディスペンサの何れかのポストミックスバルブの下にカップがセットされ、飲料選択ボタンが押されると、飲料選択ボタン毎に予め設定された時間に基づき当該カップの大きさに応じた炭酸飲料の量を供給するのに必要とする時間だけ制御装置からポストミックスバルブに信号が出力される。また、飲料選択ボタン毎に予め設定された時間に基づき当該カップの大きさに応じた液体原料の量を供給するのに必要とする時間だけ制御装置からポストミックスバルブに信号が出力される。信号が出力されるとポストミックスバルブに接続された各ソレノイドが動作してバルブが開放し、一旦、液体原料タンクから液体原料と冷却水や炭酸水等の希釈液がノズル内に供給され、そこで混合されて炭酸飲料となりカップ内に所定量の炭酸飲料が供給される構成であった(特許文献1参照)。
【0004】
また、近年では、飲料ディスペンサで販売する飲料の種類がますます多様化する傾向にあり、例えば、レモン・メロン・オレンジなどの果実シロップに焼酎などのアルコールを添加したアルコール飲料を提供するものも開発されている(特許文献2参照。)。
【特許文献1】特開2003−26293号公報
【特許文献2】特開2001−213499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これに対し、飲料ディスペンサにより、アルコール飲料の提供を行う飲食店などでは、顧客よりアルコール飲料の濃度を増加若しくは減少するように要望されるケースが増加している。しかしながら、アルコール原料と、当該アルコール原料を希釈する液体原料と冷却水又は炭酸水等の希釈液とを同時に吐出してアルコール飲料の供給を行う従来の飲料ディスペンサでは、カップの大きさに対し、吐出される全体の量を変更することは可能であったが、アルコール原料と、当該アルコール原料を希釈する液体原料と、冷却水又は炭酸水等の希釈液の濃度を任意に変更することができないという問題があった。
【0006】
他方、顧客の要望に応じてアルコール飲料のアルコール濃度を変更可能とする飲料ディスペンサでは、アルコール原料の吐出流量と、当該アルコール原料を希釈する液体原料と、冷却水又は炭酸水(合わせてアルコール希釈水とする。)の吐出流量を流量計にて計測し、先に吐出されたアルコール原料の吐出流量に応じて、目的とするアルコールの濃度となるようなアルコール希釈水の量を算出し、当該アルコール希釈水の量に応じた液体原料と、冷却水又は炭酸水等の希釈液を吐出していた。
【0007】
そのため、アルコール飲料の吐出を行う際には、先ずアルコール原料がすべて吐出された後に、アルコール希釈水が吐出されるものであったため、通常のアルコールを含まないソフトドリンク(液体原料と冷却水又は炭酸水等の希釈液にて構成される)の吐出時間とを比較すると、アルコールの吐出時間だけ、長くなってしまい、アルコール飲料の提供に、時間がかかってしまう不都合がある。
【0008】
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、アルコール飲料の原料となるアルコール原料と、アルコール希釈水としての液体原料と、冷却水又は炭酸水等の希釈液とを同時にカップ内に吐出することができると共に、当該アルコール飲料の濃度を変更することを可能とする飲料ディスペンサを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の飲料ディスペンサは、アルコール原料と希釈水とを所定の流量比率で同時にカップ内に吐出することにより、当該カップ内でアルコール原料と希釈水とを混合して提供するものであって、アルコール原料と希釈水の吐出を制御する制御手段を備え、該制御手段は、希釈水の吐出時間に対するアルコール原料の吐出時間の割合を変更することにより、飲料のアルコール濃度を調整することを特徴とする。
【0010】
請求項2の発明の飲料ディスペンサは、上記発明において、制御手段は、アルコール原料を希釈水よりも先に吐出し始めることにより、飲料のアルコール濃度を濃くすると共に、希釈水の吐出終了よりも先にアルコール原料の吐出を終了することにより、飲料のアルコール濃度を薄くすることを特徴とする。
【0011】
請求項3の発明の飲料ディスペンサは、上記各発明において、制御手段は、アルコール原料の吐出量データを有し、該吐出量データに基づき、飲料の仕上がり量を一定に制御することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アルコール原料と希釈水とを所定の流量比率で同時にカップ内に吐出することにより、当該カップ内でアルコール原料と希釈水とを混合して提供する飲料ディスペンサにおいて、アルコール原料と希釈水の吐出を制御する制御手段を備え、該制御手段は、希釈水の吐出時間に対するアルコール原料の吐出時間の割合を変更することにより、飲料のアルコール濃度を調整するので、アルコール原料と、希釈水とを同時にカップに吐出して混合する場合においても、適切にアルコール濃度を調整することが可能となる。
【0013】
そのため、アルコール飲料のアルコール濃度を変更した場合であっても、アルコール飲料のアルコール濃度を変更しない場合のアルコール飲料の吐出時間とほぼ近似した時間で、アルコール濃度を変更したアルコール飲料の提供を行うことが可能となる。
【0014】
従来の如くアルコール原料が吐出された後に、希釈水を吐出する場合に比して、アルコール飲料の吐出時間を著しく短縮することが可能となり、利便性が向上される。
【0015】
請求項2の発明によれば、上記発明において、制御手段は、アルコール原料を希釈水よりも先に吐出し始めることにより、飲料のアルコール濃度を濃くすると共に、希釈水の吐出終了よりも先にアルコール原料の吐出を終了することにより、飲料のアルコール濃度を薄くするため、希釈水にてほぼ希釈されていない、若しくは、希釈されていても、所定の濃度にまで希釈されていない状態のアルコール原料がカップの上方に滞留する不都合を解消することができる。これにより、カップ上方のアルコール飲料、即ち、一口目に相当するアルコール飲料の飲み口を和らげることができる。
【0016】
また、請求項3の発明によれば、上記各発明において、制御手段は、アルコール原料の吐出量データを有し、該吐出量データに基づき、飲料の仕上がり量を一定に制御するので、アルコール飲料のアルコール濃度にかかわらず、飲料の仕上がり量を一定とすることが可能となる。これにより、アルコール濃度の変動に伴い、飲料の仕上がり量が変動する不都合を回避することができ、見た目の商品価値を維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、図面に基づき本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の飲料ディスペンサ1の正面図、図2は飲料ディスペンサ1の扉28を開放した状態の正面図、図3は飲料ディスペンサ1の左縦断側面図、図4は飲料ディスペンサ1の右縦断側面図、図5は飲料ディスペンサ1の配管構成図を示している。
【0018】
本実施例の飲料ディスペンサ1は、飲食店等の店舗に設置される飲料ディスペンサであり、ウーロン茶等の無炭酸系ノーアルコール飲料(無糖ノーアルコール飲料D)を供給するBIBユニット19と、ウーロンハイ等の無炭酸系アルコール飲料(無糖アルコール飲料C)を供給するBIBユニット20と、強弱炭酸系のアルコール飲料(以下、有糖アルコール飲料A)無炭酸系のアルコール飲料(以下、有糖アルコール飲料B)と、シロップ等を含まない炭酸系のアルコール飲料(以下、無糖アルコール飲料E)を供給するタンクユニット22を合わせ持つ装置である。尚、タンクユニット22により供給される飲料は、すべてアルコール原料を含むアルコール飲料として説明しているが、これに限定されるものではなく、アルコール原料を含まない有糖のノーアルコール飲料を飲料ディスペンサ1にて提供可能としても良いものとする。
【0019】
本実施例における飲料ディスペンサ1の構造は、本体2内に図2に示すようにタンクユニット22が中央に、その両側にBIBユニット19、20が配置されている。そして、本体2は、これらタンクユニット22とBIBユニット19、20の前面に位置して開閉自在の扉28を備えており、当該扉28により、タンクユニット22及びBIBユニット19、20が隠蔽されている。
【0020】
タンクユニット22により供給される飲料A、Bの原料は、後述する飲料原料タンク内に収容された飲料原料と希釈液と、アルコール原料である。このとき、希釈液として炭酸水を用いると強弱炭酸系アルコール飲料Aが供給され、冷却水を用いると無炭酸系アルコール飲料Bが供給される。タンクユニット22により供給される飲料Eの原料は、希釈液としての炭酸水と、アルコール原料(例えば焼酎)であり、炭酸割りアルコール飲料が供給される。
【0021】
ここで、本実施例では、アルコール飲料である飲料Aは、レモンの濃縮果汁に砂糖を加えた果実シロップなどの液体原料と、希釈液としての炭酸水と、アルコールを含んだ上記アルコール原料などを適度の比率で混ぜ合わせたレモンサワーであり、飲料Bは、レモンの濃縮果汁に砂糖を加えた果実シロップなどの液体原料と、希釈液としての冷却水と、アルコールを含んだ上記アルコール原料などを適度の比率で混ぜ合わせたレモンハイであるものとする。
【0022】
そのため、タンクユニット22は、図5に示すように、飲料A及びBの飲料原料が収容された飲料原料タンクは、飲料原料冷却コイル26と、飲料原料電磁弁23と、フローレギュレータ24が介設された飲料原料配管25に接続される。そして、この飲料原料配管25の他端は、マルチノズル31に接続される。
【0023】
上述した如き飲料原料冷却コイル26は、図3及び図4に示すように本体2内に配設される水槽8内に交熱的に配設されている。当該水槽8には、コンプレッサ9、コンデンサ10やコンデンシングファンモータ11等により構成される冷却装置と共に、冷媒回路を構成する冷却器12が配設されており、これにより、水槽8内の冷却水は、所定の温度に冷却される。尚、図中3は、上記コンプレッサ9等と共に本体2下部に形成された機械室14内に配設されたDC電源である。
【0024】
次に、BIBユニット19を図2に基づき説明する。BIBユニット19や20により供給される飲料C、Dは、上述したようにウーロン茶等のような無炭酸系の飲料である。そのため、BIBユニット19により供給される飲料の原料は、後述するBIB34内に収容された飲料原料と希釈液としての冷却水であり、BIBユニット20により供給される飲料の原料は、BIB35内に収容された飲料原料と、アルコール希釈水としての冷却水と、アルコール原料である。
【0025】
BIBユニット19のBIB34の導出チューブ4は、売切検知用のセンサ13を介して、ポンプ16Aのロータとアームに挟持されており、ポンプ16Aの下方に設けられたピンチソレノイド18を介して、飲料原料はノズル34Aに供給されるように構成されている。
【0026】
ポンプ16Aは、ロータに取り付けられた複数のローラによって導出チューブ4を順次扱きながら飲料原料を押し出すものである。更に、飲料原料のノズル34Aに隣接して希釈液ノズル34Bが取り付けられている。
【0027】
また、BIBユニット20についてもBIBユニット19と同様に構成されている。即ち、BIB35の導出チューブ4は、売切検知用センサ13を介して、ポンプ16Aのロータとアームに挟持されており、ポンプ16Bの下方に設けられたピンチソレノイド18を介して、飲料原料は、ノズル35Aに供給されるように構成されている。飲料原料のノズル35Aに隣接して希釈液ノズル35B、アルコールノズル35Cが設けられている。
【0028】
他方、本体2内には、希釈液としての冷却水を市水などの水道水から供給する冷却水供給配管5が水入口電磁弁6と、冷却水ポンプ7を介して接続されている。尚、図5中、水入口電磁弁6と冷却水ポンプ7との間には、水槽水供給電磁弁45が介設される水槽水供給配管44が接続されており、該水槽水供給配管44を介して前記水槽8への冷却水の供給が行われる。
【0029】
この冷却水供給配管5には、冷却水冷却コイル38が介設されており、当該冷却水冷却コイル38は、上記飲料原料冷却コイル26と共に、水槽8内に交熱的に配設されている。また、この冷却水供給配管5には、分岐配管40と、カーボネータ給水電磁弁41を介して後述するカーボネータ39に接続されるカーボネータ冷却水供給配管42が接続されている。
【0030】
更に、冷却水供給配管5には、同様に分岐配管40を介して、冷却水供給配管47、48及び49が接続される。冷却水供給配管47は、冷却水フローレギュレータ50及び冷却水電磁弁96(図6のみ図示する)を介して前記ノズル35Bに接続されると共に、冷却水供給配管48は、冷却水フローレギュレータ51及び冷却水電磁弁97(図6のみ図示する)を介して前記ノズル34Bに接続される。更にまた、冷却水供給配管49は、冷却水フローレギュレータ52を介して冷却水供給配管53に接続される。冷却水供給配管53は、冷却水電磁弁54が介設されると共に、他端は上述した如きマルチノズル31に接続される。
【0031】
他方、前記カーボネータ39には、ガス供給配管60を介して図示しない炭酸ガスボンベが接続されていると共に、上述した如くカーボネータ冷却水供給配管42が接続されている。これにより、カーボネータ39は、炭酸ガス及び冷却水から炭酸水を生成し、生成された炭酸水は、炭酸水フローレギュレータ61及び炭酸水冷却コイル62が介設される炭酸水供給経路63を介して分岐配管64が接続される。尚、炭酸水冷却コイル62は、上記飲料原料冷却コイル26と共に、水槽8内に交熱的に配設されている。
【0032】
当該分岐配管64には、炭酸水供給配管65が接続される。当該炭酸水供給配管65には、炭酸水電磁弁66が介設されると共に、他端は、上述した如きマルチノズル31が接続される。
【0033】
尚、本実施例では、BIBユニット20により供給されるアルコール飲料Cは、上述したようにウーロンハイ等のような無炭酸系の飲料であるが、当該アルコール飲料Cを強炭酸系のアルコール飲料として供給する場合には、当該分岐配管64に炭酸水電磁弁67を介設した炭酸水供給配管68を接続し、当該炭酸水供給配管68の端部にBIB35の飲料原料ノズル35Aに隣接して設けられる炭酸水ノズル69に接続しても良いものとする。
【0034】
他方、本体2内には、アルコール原料としての焼酎を供給するアルコール供給配管73が設けられている。このアルコール供給配管73には、アルコール冷却コイル74が介設されており、当該アルコール冷却コイル74は、上記飲料原料冷却コイル26と共に、水槽8内に交熱的に配設されている。また、このアルコール供給配管73には、分岐配管75を介してアルコール供給配管76と77が接続される。アルコール供給配管76には、アルコール電磁弁78が介設され、端部は、BIB35の飲料原料ノズル35Aに隣接して設けられるアルコールノズル35Cに接続される。また、アルコール供給配管77には、アルコール電磁弁79が介設され、端部は、前記マルチノズル31に隣接して設けられるアルコールノズル80に接続される。
【0035】
他方、本体2を構成する前記扉28前面にはタンクユニット22とBIBユニット19、20からのアルコール飲料A、B、C、Eと、ノーアルコール飲料Dの供給を操作する操作部27が設けられている。操作部27には、BIBユニット19からの無糖ノーアルコール飲料Dの供給を操作するパネル27Dと、タンクユニット22からの有糖アルコール飲料A、Bの供給を操作するパネル27A、27Bと、タンクユニット22からの無糖アルコール飲料Eの供給を操作するパネル27Eと、BIBユニット20からの無糖アルコール飲料Cの供給を操作するパネル27Cとが設けられている。本実施例では、パネル27Dの下方に位置してBIBユニット19の飲料原料ノズル34Aと、冷却水ノズル34Bが設けられ、パネル27Cの下方に位置してBIBユニット20の飲料原料ノズル35Aと、冷却水ノズル35Bと、アルコールノズル35Cと、実施例によっては、更に炭酸水ノズル69が設けられる。また、パネル27Aと、27Bの下方に位置して、タンクユニット22のマルチノズル31と、アルコールノズル80が設けられている。
【0036】
上記各パネルには、それぞれ図示しないボタンS、L、C/Pが設けられている。また、操作部27のパネル27Dの上方には、パネル81が設けられ、当該パネル81には、図6に示すように飲料原料ボタン91、炭酸水ボタン92、冷却水ボタン93、リンスボタン94、販売可ランプ95などが設けられている。また、パネル27Cの上方には、パネル82が設けられ、当該パネル82には、アルコール濃度調整手段としての濃ボタン83と薄ボタン84が設けられている。
【0037】
そして、これらBIBユニット19、20のノズル34A、35A、34B、35B、35C及びタンクユニット22のマルチノズル31、アルコールノズル80の下方には、テーブル15が設けられている。
【0038】
次に、飲料ディスペンサ1の操作部27に設けられたボタン関連の制御装置90を図6を参照して説明する。制御装置90は、汎用のマイクロコンピュータにより構成されており、当該制御装置90の入力側には、前記操作部27に設けられる各パネル27A、27B、27C、27D、27Eの各ボタンと、飲料原料ボタン91、炭酸水ボタン92、冷却水ボタン93、リンスボタン94と、アルコール濃度を調整する濃ボタン83と薄ボタンボタン84が接続される。
【0039】
他方、制御装置90の出力側には、水入口電磁弁6、冷却水ポンプ7、カーボネータ給水電磁弁41、冷却水電磁弁54、96、97、炭酸水電磁弁65、67、飲料原料電磁弁23、BIB用のポンプ16A、16B、アルコール電磁弁78、79が接続される。
【0040】
以上の構成にて、飲料ディスペンサ1の飲料供給動作について説明する。尚、カーボネータ39には、予め希釈水及び炭酸ガスが充填され、所定の炭酸濃度の炭酸水が製造され、収容されており、販売待機状態とされている。
【0041】
上記販売待機状態において、操作部27の何れかのボタンが操作されると、当該ボタン操作に従い、飲料の供給が行われる。ここで、本実施例における飲料ディスペンサ1は、各飲料に対応して設けられるパネルには、複数のボタンS、L、C/Pが設けられており、これにより、飲料の供給量若しくは供給方法を選択して操作することが可能である。即ち、ボタンSを操作することで、操作されたパネルの飲料が例えばSカップに対応した量だけ排出され、ボタンLを操作することで、操作されたパネルの飲料が例えばLカップに対応した量だけ排出される。また、ボタンC/Pは、操作されている間だけ飲料が排出される。
【0042】
BIBユニット19による無炭酸系ノーアルコール飲料Dの供給を操作するパネル27Dが操作された場合には、制御装置90は、予め設定された販売時間の間、ポンプ16Aを駆動し、ノズル34Aから飲料原料を吐出させる。また、冷却水電磁弁96が開閉制御されることにより、ノズル34Bから希釈液としての冷却水が吐出される。これにより、飲料原料が冷却水にて希釈され、所定濃度の無炭酸系ノーアルコール飲料Dがテーブル15に載置されたカップ内に供給されることになる。これにより、本実施例では、例えば、無炭酸系ノーアルコール飲料Dの飲料原料が、ウーロン茶の濃縮原液を使用しているため、ウーロン茶が供給されることとなる。
【0043】
BIBユニット20による無炭酸系アルコール飲料Eの供給を操作するパネル27Eが操作された場合には、制御装置90は、予め設定された販売時間の間、ポンプ16Bを駆動し、ノズル35Aから飲料原料を吐出させる。また、冷却水電磁弁97が開閉制御されることにより、ノズル35Bから希釈液としての冷却水が吐出される。更に、アルコール電磁弁78を開閉制御し、所定量のアルコール原料としての焼酎がアルコールノズル35Cに排出される。そして、各ノズル35A、35Bから吐出されるアルコール希釈水を構成する飲料原料と冷却水により、ノズル35Cから吐出されるアルコール原料が所定濃度に希釈され、所定濃度の無炭酸系アルコール飲料がテーブル15に載置されたカップ内に供給されることになる。これにより、本実施例では、例えば、無炭酸系アルコール飲料Eの飲料原料が、ウーロン茶の濃縮原液を使用しているため、ウーロンハイが供給されることとなる。
【0044】
尚、このときBIBユニット20に設けられる飲料原料が、炭酸系アルコール飲料である場合には、制御装置90は、予め設定された販売時間の間、ポンプ16Bを駆動し、ノズル35Aから飲料原料を吐出させる。また、炭酸水電磁弁67が開閉制御されることにより、ノズル69から炭酸水が吐出される。更に、アルコール電磁弁78を開閉制御し、所定量のアルコール原料としての焼酎がアルコールノズル35Cに排出される。そして、各ノズル各ノズル35A、69から吐出されるアルコール希釈水を構成する飲料原料と炭酸水により、ノズル35Cから吐出されるアルコール原料が所定濃度に希釈され、所定濃度の強炭酸系アルコール飲料がテーブル15に載置されたカップ内に供給されることになる。
【0045】
他方、タンクユニット22に設けられる有糖無炭酸系アルコール飲料のボタン、即ち、パネル27Bのボタンが操作された場合には、制御装置90は、先ず、水入口電磁弁6を開放し、冷却水ポンプ7により市水から供給される水道水を前記水槽8内で熱交換することにより冷却し、冷却水供給配管5、分岐配管40、冷却水供給配管49を介して、冷却水冷却配管53に流入させる。このとき、冷却水電磁弁54が開閉制御されることにより、所定量の冷却水がマルチノズル31に排出される。このとき、制御装置90は、同時に飲料原料が充填される飲料原料配管25の飲料原料電磁弁23を開閉制御することにより、所定量の飲料原料がマルチノズル31に排出される。更に、アルコール電磁弁79を開閉制御し、所定量のアルコール原料としての焼酎がアルコールノズル80に排出される。
【0046】
そして、マルチノズル31にてアルコール希釈水を構成する冷却水と飲料原料が混合されることで飲料原料が冷却水にて希釈されると共に、アルコールノズル80から所定量のアルコール原料が排出されることで、所定濃度の無炭酸系アルコール飲料がテーブル15に載置されたカップ内に供給されることになる。これにより、本実施例では、無炭酸系アルコール飲料Bの飲料原料が、レモンなどの濃縮果汁シロップを使用しているため、レモンハイが供給されることとなる。
【0047】
タンクユニット22に設けられる炭酸系アルコール飲料のボタン、即ち、パネル27Aボタンが操作された場合には、制御装置90は、炭酸水電磁弁66を開閉制御し、所定量の炭酸水がマルチノズル31に排出される。このとき、制御装置90は、同時に飲料原料が充填される飲料原料配管25の飲料原料電磁弁23を開閉制御することにより、所定量の飲料原料がマルチノズル31に排出される。更にまた、アルコール電磁弁79を開閉制御し、所定量のアルコール原料としての焼酎がアルコールノズル80に排出される。そして、当該マルチノズル31にてアルコール希釈水を構成する炭酸水と飲料原料が混合されることで飲料原料が炭酸水にて希釈されると共に、アルコールノズル80から所定量のアルコール原料が排出されることで、所定濃度の強弱炭酸系アルコール飲料がテーブル15に載置されたカップ内に供給されることになる。これにより、本実施例では、例えば、強弱炭酸系アルコール飲料Aの飲料原料が、レモンなどの濃縮果汁シロップを使用しているため、レモンサワーが供給されることとなる。
【0048】
また、タンクユニット22に設けられる炭酸割りアルコール飲料のボタン、即ち、パネル27Eの何れかのボタンが操作された場合には、制御装置90は、炭酸水電磁弁66を開閉制御し、所定量の炭酸水がマルチノズル31に排出される。このとき、制御装置90は、アルコール電磁弁79を開閉制御し、所定量のアルコール原料としての焼酎がアルコールノズル80に排出される。そして、当該マルチノズル31にてアルコール希釈水を構成する炭酸水が排出されると共に、アルコールノズル80から所定量のアルコール原料が排出されることで、所定濃度の炭酸割りアルコール飲料がテーブル15に載置されたカップ内に供給されることになる。
【0049】
ここで、アルコール飲料の詳細な供給制御について図7乃至図9を参照して説明する。尚、ここでは、タンクユニット22から供給されるアルコール飲料の供給制御について説明する。本実施例において、アルコール飲料の供給が行われる場合には、アルコール希釈水としての飲料原料と冷却水又は炭酸水は、合計で、例えば30cc/秒の流速にてマルチノズル31から吐出される。他方、アルコール原料は、例えば10cc/秒の流速にてアルコールノズル80から吐出される。
【0050】
そのため、通常のアルコール濃度、即ち、アルコール濃度調整手段としての濃ボタン83や薄ボタン84が操作されない場合におけるアルコール濃度にて飲料の供給を行う場合には、図7に示すように、アルコール希釈水の供給を制御する冷却水電磁弁54(炭酸系飲料の場合は炭酸水電磁弁66)と飲料原料電磁弁23と、アルコール電磁弁79は、同時に開閉制御が行われ、これにより、カップ内への飲料の吐出時間は、アルコール希釈水、即ち、飲料原料と冷却水又は炭酸水の吐出時間となる。尚、カップへの実際の吐出時間は1杯あたり、例えば5〜6秒であるものとし、カップには、200〜240ccのアルコール飲料が所定の濃度、本実施例では、アルコール原料25%の濃度にて吐出されることとなる。
【0051】
これに対し、各アルコール飲料の供給を操作するパネルを操作する直前に、パネル82に設けられるアルコール濃度調整手段としての濃ボタン83又は薄ボタン84が操作された場合は、当該操作に基づき、アルコール原料の吐出量及びアルコール希釈水としての飲料原料と冷却水又は炭酸水の吐出量が制御される。
【0052】
上述したように通常では、アルコール原料25%の濃度にてアルコール飲料の吐出が行われる。これに対し、本実施例では、濃ボタン83が一回操作された場合には、図8に示すようにアルコール原料30%の濃度にてアルコール飲料の吐出を行う。係る場合には、制御装置90は、先ず、アルコール原料が増加された濃度分だけ、この場合、全体飲料吐出量に対する5%に相当する吐出量だけ、先にアルコール原料の吐出を開始する。
【0053】
具体的には、選択されたカップの大きさがSサイズであり、全体の飲料吐出量が200ccである場合には、増加された濃度分、この場合5%に相当するアルコール原料の吐出量、即ち、10ccを吐出するのに要する時間、この場合1秒だけ早くアルコール電磁弁79を開放し、アルコール希釈水に先んじてアルコール原料の吐出を開始する。
【0054】
その後、制御装置90は、アルコール電磁弁79が開放されてから、上記増加された濃度分に相当する吐出量の吐出に要する時間の経過後、この場合1秒経過後、アルコール希釈水を吐出するための飲料原料電磁弁23及び冷却水電磁弁54又は炭酸水電磁弁66を開放する。そして、アルコール希釈水を吐出するための各電磁弁23及び54(、又は66)を開放してから、通常の濃度の場合に同様の吐出時間が経過した後、制御装置90は、アルコール電磁弁79と、各電磁弁23及び54(、又は66)を閉鎖する。
【0055】
これにより、制御装置90は、アルコール希釈水の吐出時間、即ち、通常の濃度にて飲料を吐出するのに要する時間に対するアルコール原料の吐出時間の割合を増加させることにより、アルコール飲料のアルコール濃度を増加させるため、目的とする濃度に近似した濃度にて、アルコール原料と、アルコール希釈水とを同時にカップに吐出して混合することが可能となる。
【0056】
そのため、アルコール飲料のアルコール濃度を増加した場合であっても、アルコール飲料のアルコール濃度を変更しない場合のアルコール飲料の吐出時間とほぼ近似した時間で、アルコール濃度を増加したアルコール飲料の提供を行うことが可能となる。
【0057】
これにより、従来の如くアルコール原料が吐出された後に、アルコール希釈水を吐出する場合に比して、アルコール飲料の吐出時間を著しく短縮することが可能となり、利便性が向上される。
【0058】
また、この場合において、制御装置90は、アルコール原料をアルコール希釈水よりも先に吐出し始めることにより、飲料のアルコール濃度を濃くすることにより、希釈されていても、所定の濃度にまで希釈されていない状態のアルコール原料がカップの上方に滞留する不都合を解消することができる。これにより、カップ上方のアルコール飲料、即ち、一口目に相当するアルコール飲料の飲み口を和らげることができる。
【0059】
他方、本実施例では、薄ボタン84が一回操作された場合には、図9に示すようにアルコール原料20%の濃度にてアルコール飲料の吐出を行う。係る場合には、制御装置90は、先ず、アルコール原料と、アルコール希釈水の吐出を同時に開始し、アルコール原料が減少された濃度分だけ、この場合、全体飲料吐出量に対する5%に相当する吐出量だけ、先にアルコール原料の吐出を終了する。
【0060】
具体的には、制御装置90は、アルコール電磁弁79と、アルコール希釈水を吐出するための各電磁弁23及び54(、又は66)を開放した後、選択されたカップの大きさがSサイズであり、全体の飲料吐出量が200ccである場合には、減少された濃度分、この場合5%に相当するアルコール原料の吐出量、即ち、10ccを吐出するのに要する時間、この場合1秒だけ早く電磁弁23及び54(、又は66)に先んじてアルコール電磁弁79を閉鎖する。
【0061】
これにより、制御装置90は、アルコール希釈水の吐出時間、即ち、通常の濃度にて飲料を吐出するのに要する時間に対するアルコール原料の吐出時間の割合を減少させることにより、アルコール飲料のアルコール濃度を減少させるため、目的とする濃度に近似した濃度にて、アルコール原料と、アルコール希釈水とを同時にカップに吐出して混合することが可能となる。
【0062】
そのため、アルコール飲料のアルコール濃度を減少した場合であっても、アルコール飲料のアルコール濃度を変更しない場合のアルコール飲料の吐出時間とほぼ近似した時間で、アルコール濃度を増加したアルコール飲料の提供を行うことが可能となる。
【0063】
これにより、従来の如くアルコール原料が吐出された後に、アルコール希釈水を吐出する場合に比して、アルコール飲料の吐出時間を著しく短縮することが可能となり、利便性が向上される。
【0064】
また、制御装置90は、アルコール原料をアルコール希釈水の吐出終了よりも先にアルコール原料の吐出を終了することにより、飲料のアルコール濃度を薄くするため、アルコール希釈水にてほぼ希釈されていない状態のアルコール原料がカップの上方に滞留する不都合を解消することができる。これにより、カップ上方のアルコール飲料、即ち、一口目に相当するアルコール飲料の飲み口を和らげることができる。
【0065】
尚、アルコール飲料のアルコール濃度の調整制御は、上記実施例に限定されるものではなく、例えば、下記他の実施例の如くアルコール濃度の調整制御を実行しても良いものとする。
【0066】
即ち、制御装置90は、予め、操作されたカップのサイズに対応する全吐出量データと、アルコール濃度に対するアルコール原料の吐出量データと、当該アルコール原料の吐出量データに対応するアルコール希釈水の吐出量データのテーブルを保有している。アルコール希釈水の吐出量は、カップサイズに対応する全吐出量からアルコール原料の吐出量を減算した量と同等、即ち、アルコール原料の吐出量と、アルコール希釈水の吐出量とを加えた吐出量が、カップサイズに対応する全吐出量である。
【0067】
また、制御装置90は、各濃度に対するアルコール原料の吐出量を吐出するために要する吐出時間に関するデータを有し、同様にアルコール希釈水の吐出量を吐出するために要する吐出時間に関するデータも有する。
【0068】
そのため、制御装置90は、濃ボタン83が一回、操作された結果、当該操作されたアルコール濃度を実現するためのアルコール原料の吐出時間がアルコール希釈水の吐出時間よりも長い場合には、図10に示すように、これら吐出時間の差の時間だけ早くアルコール電磁弁79を開放し、アルコール希釈水に先んじてアルコール原料の吐出を開始する。
【0069】
その後、制御装置90は、アルコール電磁弁79が開放されてから、上記差の時間が経過した後、アルコール希釈水を吐出するための飲料原料電磁弁23及び冷却水電磁弁54又は炭酸水電磁弁66を開放する。そして、当該アルコール希釈水を吐出するための各電磁弁23及び54(、又は66)を開放してから、当該濃度に応じたアルコール希釈水の吐出量を吐出するために要する吐出時間が経過した後、制御装置90は、アルコール電磁弁79と、各電磁弁23及び54(、又は66)を閉鎖する。
【0070】
具体的には、例えば、濃ボタン83が操作され、カップがSサイズが選択されたことにより、全体の吐出量が200ccとされ、アルコール原料の吐出量が60ccとされた場合には、仕上がり量を一定とするため、アルコール希釈水の吐出量は140ccとなる。当該アルコール原料の吐出量を実現するためには、本実施例の如く10cc/秒の流速で吐出するため、6秒要することとなり、アルコール希釈水の吐出量を実現するためには、本実施例の如く30cc/秒の流速で吐出するため、約4.6秒要することとなる。
【0071】
そのため、制御装置90は、先ず初めにアルコール電磁弁79を開放し、当該開放から6秒後に閉鎖する。制御装置90は、アルコール電磁弁79が開放されてから、これらアルコール原料とアルコール希釈水の吐出時間の差の時間、この場合、約1.3秒経過した後に、アルコール希釈水を吐出するための各電磁弁23及び54(、又は66)を開放し、当該各電磁弁を開放してから約4.6秒後に閉鎖する。そのため、アルコール原料を吐出している間に、アルコール希釈水の吐出を行うことが可能となる。
【0072】
これにより、上記実施例における効果に加えて、アルコール飲料のアルコール濃度を増加させると共に、飲料の仕上がり量を一定に制御することが可能となるため、アルコール飲料のアルコール濃度にかかわらず、飲料の仕上がり量を一定とすることが可能となる。これにより、アルコール濃度が上昇することで、飲料の仕上がり量が増加する不都合を回避することができ、見た目の商品価値を維持することができる。
【0073】
他方、薄ボタン84が一回、操作された結果、当該操作されたアルコール濃度を実現するためのアルコール原料の吐出時間がアルコール希釈水の吐出時間よりも短い場合には、制御装置90は、図11に示すように、先ず、アルコール原料を吐出するためのアルコール電磁弁79と、アルコール希釈水のアルコール希釈水を吐出するための飲料原料電磁弁23及び冷却水電磁弁54又は炭酸水電磁弁66を同時に開放し、これらアルコール原料と、アルコール希釈水の吐出時間の差の時間だけ早くアルコール電磁弁79を閉鎖し、アルコール希釈水に先んじてアルコール原料の吐出を終了する。
【0074】
具体的には、例えば、薄ボタン84が操作され、カップがSサイズが選択されたことにより、全体の吐出量が200ccとされ、アルコール原料の吐出量が40ccとされた場合には、仕上がり量を一定とするため、アルコール希釈水の吐出量は160ccとなる。当該アルコール原料の吐出量を実現するためには、本実施例の如く10cc/秒の流速で吐出するため、4秒要することとなり、アルコール希釈水の吐出量を実現するためには、本実施例の如く30cc/秒の流速で吐出するため、約5.3秒要することとなる。
【0075】
そのため、制御装置90は、アルコール電磁弁79と、アルコール希釈水を吐出するための各電磁弁23及び54(、又は66)を開放し、当該開放から4秒後にアルコール電磁弁79のみ閉鎖する。その後、制御装置90は、アルコール電磁弁79が閉鎖されてから、これらアルコール原料とアルコール希釈水の吐出時間の差の時間、この場合、約1.3秒経過した後に、当該各電磁弁を閉鎖する。そのため、アルコール希釈水を吐出している間に、アルコール原料の吐出を行うことが可能となる。
【0076】
これにより、上記実施例における効果に加えて、アルコール飲料のアルコール濃度を減少させると共に、飲料の仕上がり量を一定に制御することが可能となるため、アルコール飲料のアルコール濃度にかかわらず、飲料の仕上がり量を一定とすることが可能となる。これにより、アルコール濃度が減少することで、飲料の仕上がり量が減少する不都合を回避することができ、見た目の商品価値を維持することができる。
【0077】
尚、上述した各実施例において、アルコール飲料のアルコール濃度を調整する濃ボタン83及び薄ボタン84は、複数回操作することによって、当該濃度を複数段階に渡って変更することが可能であるものとする。
【0078】
尚、実施例では、アルコール原料を焼酎で説明しているが、アルコール原料は焼酎に限らず、日本酒やウィスキー・ブランデー・ジン・ウォッカ・リキュールなどの洋酒、老酒・紹興酒などの中国酒など銘柄は問わない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
【図1】本発明の飲料ディスペンサの正面図である。
【図2】図1の飲料ディスペンサの扉を開放した状態の正面図である。
【図3】図1の飲料ディスペンサの左縦断側面図である。
【図4】図1の飲料ディスペンサの右縦断側面図である。
【図5】図1の飲料ディスペンサの配管構成図である。
【図6】図1の飲料ディスペンサの操作部関連の電気ブロック図である。
【図7】通常のアルコール濃度のアルコール飲料を吐出する際の各電磁弁のタイミングチャートを示す図である。
【図8】濃い濃度のアルコール飲料を吐出する際の各電磁弁のタイミングチャートを示す図である。
【図9】薄い濃度のアルコール飲料を吐出する際の各電磁弁のタイミングチャートを示す図である。
【図10】濃い濃度のアルコール飲料を吐出する際の各電磁弁のタイミングチャートを示す図である。
【図11】薄い濃度のアルコール飲料を吐出する際の各電磁弁のタイミングチャートを示す図である。
【符号の説明】
【0080】
A 有糖強弱炭酸系アルコール飲料
B 有糖無炭酸系アルコール飲料
C、D 無糖無炭酸系アルコール飲料
E 無糖炭酸系アルコール飲料
1 飲料ディスペンサ
19、20 BIBユニット
22 タンクユニット
23 飲料原料電磁弁
24 フローレギュレータ
25 飲料原料配管
26 飲料原料冷却コイル
31 マルチノズル
34、35 BIB
34A、35A ノズル
34B、35B 希釈液ノズル
35C アルコールノズル
47、48、49 冷却水供給配管
53 冷却水供給配管
54 冷却水電磁弁
73 アルコール供給配管
74 アルコール冷却コイル
76、77 アルコール供給配管
78、79 アルコール電磁弁
80 アルコールノズル
81、82 パネル
83 濃ボタン
84 薄ボタン
90 制御装置
96、97 冷却水電磁弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルコール原料と希釈水とを所定の流量比率で同時にカップ内に吐出することにより、当該カップ内でアルコール原料と希釈水とを混合して提供する飲料ディスペンサにおいて、
前記アルコール原料と希釈水の吐出を制御する制御手段を備え、
該制御手段は、前記希釈水の吐出時間に対する前記アルコール原料の吐出時間の割合を変更することにより、飲料のアルコール濃度を調整することを特徴とする飲料ディスペンサ。
【請求項2】
前記制御手段は、前記アルコール原料を前記希釈水よりも先に吐出し始めることにより、飲料のアルコール濃度を濃くすると共に、前記希釈水の吐出終了よりも先に前記アルコール原料の吐出を終了することにより、飲料のアルコール濃度を薄くすることを特徴とする請求項1に記載の飲料ディスペンサ。
【請求項3】
前記制御手段は、前記アルコール原料の吐出量データを有し、該吐出量データに基づき、飲料の仕上がり量を一定に制御することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の飲料ディスペンサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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