説明

飲料容器

【課題】飲料を保温状態又は保冷状態で収容する飲料容器を提供する。
【解決手段】シール手段(14)は、飲口(12a)に対向するようにキャップ手段(15)から突設されると共に内部空間(38)を外気に連通させた筒状手段(26)と、該筒状手段の先端を閉鎖する閉鎖手段と、前記筒状手段(26)の先端周部に着脱自在に周設された環状のシールパッキン(28)とから構成されている。前記閉鎖手段は、前記筒状手段(26)の先端筒部を塞ぐ閉塞板部と、該閉塞板部に貫設された通孔(30)と、該通孔を開閉自在に閉じる弁部材(31)とから構成され、該弁部材(31)により差圧弁手段(32)を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器、特に、飲料を保温状態又は保冷状態で収容する携帯用魔法瓶等の飲料容器に関する。
【背景技術】
【0002】
図5(A)に示すように、携帯用魔法瓶等の飲料を保温状態又は保冷状態で収容する飲料容器は、容器本体1と、前記容器本体1の上部開口に装着されると共に容器本体の内部に連通する筒状の飲口部材2を備えた肩部材3と、前記飲口部材2の飲口2aを閉鎖するシール手段4を備えた開閉自在なキャップ部材5を有する。
【0003】
通常、前記キャップ部材5は、肩部材3の背面部に水平方向の枢軸6を介して枢結され、肩部材3に被冠される閉位置と肩部材3を開放する開位置との間で回動自在に構成されている。キャップ部材5は、閉位置で係脱自在な係止手段7に係止され、この状態から、指先で操作ボタン8を押すことにより係止から解放すると、キャップ部材5がスプリング9により開位置まで自動的に開き、飲料を飲用した後、キャップ部材5をスプリング9に抗して戻すと、再び閉位置に係止され、シール手段4が飲口2aに密着して閉鎖する。
【0004】
ところで、容器本体1に冷却された飲料を入れた後、容器本体1に肩部材3を装着し、キャップ部材2を閉じると、容器本体1の内部が気密状態となる。この際、容器本体1の内部の空気は、飲料により冷却され、これにより容器本体1の内部を減圧状態とするので、シール手段4を飲口2aに吸着する。このため、操作ボタン8を押してキャップ部材2を開けようとしても、キャップ部材2が開かないことがある。
【0005】
反対に、容器本体1に加熱された飲料を入れた後、容器本体1に肩部材3を装着し、キャップ部材2を閉じることにより容器本体1の内部を気密状態にしたときは、加熱された空気が飲料と共に冷めるに伴い、容器本体1の内部を減圧するので、前記の場合と同様に、シール手段4が飲口2aに吸着され、キャップ部材2の開放を困難にする。
【0006】
そこで、前記問題を解決するために、差圧弁を設けた飲料容器が提案されている。この提案された飲料容器は、図5(B)に示すように、飲口部材2の周囲に位置する肩部材3の平板部3aに弾性素材により形成された差圧弁10を設けている。これによれば、容器本体1の内部が減圧されたとき、差圧弁10が通気孔10aを開放し、外気を導入するので、内部の圧力が大気圧と均衡し、シール手段4が飲口2aに吸着することを防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】登録実用新案第3125880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述のような飲口部材2を設けた飲料容器は、飲み易さの点から、飲口部材2の直径を可及的大きく形成することが望ましく、従って、肩部材3の平板部3aの面積が狭小とならざるを得ない。
【0009】
ところが、図5に示すように、平板部3aに差圧弁10を設ける特許文献1の場合、差圧弁10及び通気孔10aが極めて小さなものとなるので、弁機能が良好でない。そして、洗浄のために、差圧弁10を取外す際には、必ず先に肩部材3を容器本体1から分離しなければならないという不便がある。しかも、洗浄後、再び差圧弁10を装着する際にも、極めて小さく形成されたものであるため、作業が困難であり、特に、家庭の主婦等の素人には困難を極めるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決した飲料容器を提供するものである。そこで、その手段として構成したところは、飲料を保温状態又は保冷状態で収容する容器本体と、前記容器本体の上部開口に装着されると共に容器本体の内部に連通する筒状の飲口部材を備えた肩部材と、前記飲口部材の飲口を閉鎖するシール手段を備えた開閉自在なキャップ部材とから成り、前記シール手段は、飲口に対向するようにキャップ手段から突設されると共に内部空間を外気に連通させた筒状手段と、該筒状手段の先端を閉鎖する閉鎖手段と、前記筒状手段の先端周部に着脱自在に周設された環状のシールパッキンとから構成され、前記閉鎖手段は、前記筒状手段の先端筒部を塞ぐ閉塞板部と、該閉塞板部に貫設された通孔と、該通孔を開閉自在に閉じる弁部材とから構成され、前記弁部材は、容器本体の内部が減圧されると弾性変形することにより前記通孔を開放し、容器本体の内部が大気圧に戻ると弾性で復元することにより前記通孔を閉鎖する差圧弁手段を構成して成る点にある。
【0011】
前記筒状手段は、外径を飲口の内径よりも小さく形成すると共に、前記シールパッキンにより飲口を閉鎖させた状態で、前記差圧弁手段が飲口の内部に進入して位置するように構成されている。
【0012】
本発明の好ましい実施形態において、前記筒状手段は、キャップ手段から突設された外筒部材と、前記閉塞板部を備えた内筒部材とから構成され、前記内筒部材を外筒部材に挿着すると共に、内筒部材に外筒部材の先端部から突出する突出部を形成しており、前記シールパッキンは、前記内筒部材の突出部の外周面に嵌着される内向きの突周条と、前記外筒部材の先端部の外周面に嵌着されるスカート部を一体に形成している。
【0013】
前記内筒部材は、前記突出部の突出端の外周面にフランジを形成することにより、該フランジと外筒部材の先端により挟まれた前記突出部の外周面に周溝を形成し、前記突周条を前記周溝に嵌入することにより、前記シールパッキンを筒状手段の軸方向に移動不能に固定している。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、肩部材13に立設した飲口部材12の飲口12aを閉鎖するシール手段14をキャップ手段15に突設した筒状手段26に設けた構成において、シールパッキン28を環状に形成すると共に、該シールパッキン28を筒状手段26の先端周部に着脱自在に周設することにより、該筒状手段26の先端に閉鎖手段27を構成することができるので、この閉鎖手段27の閉塞板部29に通孔30を開閉する弁部材31を設けることにより、好適に差圧弁手段32を構成することが可能となる。
【0015】
この際、肩部材13は、飲料を飲み易くするため、飲口部材12の内径Dを可及的大きく形成しており、図示のように、狭小な平板部13aの幅Wに対して、飲口部材12の内径Dを2W<D(少なくともW<D)のように大きく形成しているので、これに応じて差圧弁手段32を大きく形成することが可能となる。このため、差圧弁手段32の良好な動作が可能になり、しかも、閉塞板部29に対する弁部材31の取付け・取外し作業が容易になるという効果がある。
【0016】
そして、シール手段14と差圧弁手段32は、肩部材13ではなく、キャップ手段15に設けられているので、洗浄のために、シールパッキン28及び弁部材31を取外す際に、肩部材13を容器本体11から分離しなくても、キャップ手段15を開くだけで、取外し可能であるという便利があり、しかも、同じ個所の筒状手段26に設けられたシールパッキン28と弁部材31を同時に取外して洗浄できるという便利がある。
【0017】
請求項2に記載の本発明によれば、筒状手段26の外径を飲口12aの内径Dよりも小さく形成すると共に、シールパッキン28により飲口12aを閉鎖させた状態で、差圧弁手段32が飲口12aの内部に進入して位置するように構成している。従って、飲口12aの内部空間には差圧弁手段32の動作を妨げるようなものは存在しないので、差圧弁手段32を良好に作動させることできる。
【0018】
請求項3に記載の本発明によれば、内筒部材34を外筒部材33に挿着することにより筒状手段26を構成し、該内筒部材34に外筒部材33の先端部33aから突出する突出部34aを形成し、シールパッキン28の突周条28aを前記突出部34aの外周面に嵌着すると共に、スカート部28bを前記先端部33aに嵌着させる構成であるから、簡単な構造でキャップ手段15にシール手段14と差圧弁手段32を構成することが可能となり、しかも、1個のシールパッキン28を周設させるだけで、外筒部材33と内筒部材34の接合面を良好にシールすることが可能となる。
【0019】
請求項4に記載の本発明によれば、内筒部材34のフランジ34bと外筒部材33の先端部33aの間に周溝を形成し、シールパッキン28の突周条28aを前記周溝に嵌入する構成であるから、シールパッキン28を筒状手段26の軸方向に移動不能に固定することができる。従って、キャップ手段15を閉じることによりシールパッキン28を飲口12aに圧着させたとき、該シールパッキン28は、捲れ上がって脱落するようなことはなく、筒状手段26の所定位置に確実に固定された状態で飲口12aを好適にシールする。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の1実施形態を示す縦断側面図である。
【図2】本発明の1実施形態に係るキャップ部材の開閉作用を示す縦断側面図である。
【図3】本発明の1実施形態に係るシール手段と閉鎖手段と差圧弁手段を示しており、(A)は縦断側面図、(B)は要部の拡大断面図である。
【図4】本発明の1実施形態に係る差圧弁手段の作用を示す縦断側面図である。
【図5】従来技術を示しており、(A)は肩部材とキャップ部材を示す縦断側面図、(B)は差圧弁の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下図面に基づいて本発明の好ましい実施形態を詳述する。
【0022】
図1及び図2に示すように、飲料容器は、飲料を保温状態又は保冷状態で収容する容器本体11と、前記容器本体11の上部開口に装着されると共に容器本体11の内部に連通する筒状の飲口部材12を備えた肩部材13と、前記飲口部材12の飲口12aを閉鎖するシール手段14を備えた開閉自在なキャップ部材15を有する。
【0023】
前記キャップ部材15は、肩部材13の背面部に水平方向の枢軸16を介して枢結され、肩部材13に被冠される閉位置と肩部材13を開放する開位置との間で回動自在に構成されている。キャップ部材15は、閉位置で係脱自在な係止手段17に係止され、この状態から、指先で操作ボタン18を押すことにより係止から解放すると、キャップ部材15がスプリング19により開位置まで自動的に開き、飲料を飲用した後、キャップ部材15をスプリング19に抗して戻すと、再び閉位置に係止され、シール手段14が飲口12aに密着して閉鎖する。
【0024】
容器本体11は、例えば、ステンレス製の内外容器20a、20bにより真空断熱壁を形成した魔法瓶タイプとされ、雄ネジ21aを形成した開口縁22を上向きに径小に形成して延設している。
【0025】
肩部材13は、合成樹脂により成形され、前記雄ネジ21aに螺合する雌ネジ21bを形成した肩部13bの上部に平板部13aを形成し、該平板部13aから飲口部材12を立設しており、該飲口部材12の下端部に平板部13aに向かう傾斜拡径部12bを形成している。
【0026】
このような飲料容器は、係止手段17を有する正面側からユーザが飲口12aに唇を当て、飲料容器を傾けることにより容器本体11に充填された飲料を飲用する。図1に示すように、飲口部材12は、飲み易さの点から、該飲口部材12の内径Dを可及的大きく形成することが望ましく、飲料の流出と外気の流入を良好にするために、前記のような傾斜拡径部12bを形成することが望ましい。従って、図1に示すように、前記傾斜拡径部12bを囲む平板部13aの幅Wが狭小にならざるを得ず、幅Wが前記内径Dの2分の1以下、つまり、2W<D(最大の場合でもW<D)となる。
【0027】
キャップ部材15は、スプリング19に抗して閉位置まで回動したとき、係止手段18によりワンタッチで自動的に係止される。キャップ部材15には施錠手段23が上下スライド自在に設けられており、キャップ部材15を閉位置に回動したとき、該施錠手段23が前記係止手段17に対向する。即ち、施錠手段23を下動することにより、前記係止手段17の操作ボタン18が施錠され、押動不能となるように構成している。従って、飲料を飲用するときは、図2に矢印F1で示すように施錠手段23を上動させることにより操作ボタン18を解放し、この状態から矢印F2で示すように操作ボタン18を押せば、係止手段17が解除され、矢印F3で示すようにキャップ部材15がスプリング19により開位置まで自動的に開き、開いたキャップ部材15はスプリング19により開位置を保持する。
【0028】
尚、図例の場合、施錠手段23は、スプリングにより両側に向けて進退自在に突出する保持手段24を備えており、一対の縦壁25の間で上下にスライド自在とされ、施錠手段23を上動した解錠位置と下動した施錠位置の両位置において、前記縦壁25に保持手段24を嵌合係止させる凹部を設けている。
【0029】
図3に示すように、前記シール手段14は、飲口12aに対向するようにキャップ手段15の内側から突設されると共に内部空間を外気に連通させた筒状手段26と、該筒状手段26の先端を閉鎖する閉鎖手段27と、前記筒状手段26の先端周部に着脱自在に取着されるシールパッキン28とから構成されている。
【0030】
前記閉鎖手段27は、前記筒状手段26の先端筒部を塞ぐ閉塞板部29と、該閉塞板部29に貫設された通孔30と、該通孔30を開閉自在に閉じる弁部材31とから構成され、前記弁部材31は、容器本体11の内部が減圧されると弾性変形により前記通孔30を開放し、容器本体11の内部が大気圧に戻ると弾性により前記通孔30を閉鎖する差圧弁手段32を構成している。
【0031】
図3(A)に基づいて詳細を説明すると、前記筒状手段26は、キャップ手段15から一体に突設された外筒部材33と、前記閉塞板部29を一体に備えた内筒部材34とから構成され、前記内筒部材34を外筒部材33に挿入し、相互に超音波溶接や高周波溶接等により固着される。この際、図示のように、キャップ手段15に前記外筒部材33と同心状のリブ35を形成し、内筒部材34の挿入端を前記リブ35と外筒部材33の間に嵌入させるように構成することが好ましい。
【0032】
前記外筒部材33と内筒部材34は、キャップ手段15の内側面に近傍する個所に位置して、相互に連通するスリット36、37を形成しており、これにより筒状手段26の内部空間38をキャップ手段15の内部空間に連通させ、更に該キャップ手段15と肩部材13の間の隙間を介して外気に連通させている。
【0033】
内筒部材34を外筒部材33に挿着した状態で、内筒部材34は、外筒部材33の先端部33aから突出する突出部34aを形成する。この際、前記突出部34aの突出端の外周面にはフランジ34bを形成することが好ましい。
【0034】
前記シールパッキン28は、シリコンゴムその他のゴム等の弾性素材により環状に一体成形されており、前記内筒部材34の突出部34aの外周面に嵌着される内向きの突周条28aと、前記外筒部材33の先端部33aの外周面に嵌着されるスカート部28bを一体に形成しており、1個のシールパッキン28を弾着させるだけで、外筒部材33と内筒部材34の接合面を良好にシールする。図示実施形態の場合、突周条28aは、内筒部材34のフランジ34bと外筒部材33の先端部33aの間に形成された周溝に嵌入され、これにより筒状手段26の軸方向に関して移動不能に固定される。従って、キャップ手段15を閉じることによりシールパッキン28を飲口12aに圧着させたとき、該シールパッキン28は、捲れ上がって脱落するようなことはなく、筒状手段26の所定位置に確実に固定された状態で飲口12aを好適にシールする。
【0035】
前記弁部材31は、シリコンゴムその他のゴム等の弾性素材により一体成形され、閉塞板部29の中心貫通孔に挿入される軸部31aと、該軸部31aの先端で閉塞板部29の裏面に係止する円錐状の突部31bと、軸部31aの基端から広がって前記通孔30を覆うと共に周縁部を閉塞板部29の表面に弾接して密着する傘部31cを備えており、好ましくは、傘部31cの周縁に下向きに突出する環状リブ31dを設けている。前記環状リブ31dは、傘部31cの外周縁を真円形に保形すると共に、弁部材31を指先で取外す際の摘み部を提供する。
【0036】
従って、常時は、弁部材31により閉塞板部29の通孔30が閉じられている。このため、キャップ手段15を閉位置に回動することによりシール手段14で飲口12aを閉鎖した状態で、シールパッキン28が飲口12aに密着すると共に、該シールパッキン28の内周側の閉塞板部29が弁部材31により通孔30を閉鎖されているので、飲料容器が転倒したような場合でも、飲料が飲口12aから漏出することはない。
【0037】
そこで、上述のように、飲料の温度に起因して容器本体11の内部が減圧され、大気圧に対して圧力差を生じると、図4に示すように、差圧弁手段32を構成する弁部材31の傘部31cが弾性変形により周縁部を閉塞板部29の表面から離反して通孔30を開き、外気と連通する筒状手段26の内部空間38を容器本体11の内部に連通させ、図示矢印のように外気を容器本体11の内部に導入する。従って、容器本体11の内部圧力が大気圧と均衡するので、シールパッキン28が飲口12aに吸着されることはなく、キャップ手段15の開放動作を妨げることはない。
【0038】
尚、図示実施形態の場合、筒状手段26の外径は、飲口部材12の内径Dよりもやや小さく形成され、シールパッキン28を飲口12aに密着させた状態で、弁部材31及び閉塞板部29が飲口12aに進入して位置しており、該飲口12aの内部空間には差圧弁手段32の動作を妨げるようなものは存在しないので、差圧弁手段32を良好に作動させることできる。
【0039】
ところで、上述のように、飲口部材12は、内径Dを必要十分に大きくすることにより飲み易く構成されているので、これに対応して、筒状手段26及び差圧弁手段32は、必要十分に大きく形成されている。これにより差圧弁手段32の良好な動作を可能にする他、閉塞板部29に対する弁部材31の取付け・取外しの作業を容易とする。
【0040】
特に、洗浄のために、弁部材31を取外すとき、肩部材13を容器本体11から分離しなくても、キャップ手段15を開くだけで、弁部材31を引き抜くことができるという便利がある。また、同じ個所の筒状手段26に設けられたシールパッキン28を同時に取外して洗浄できるという便利がある。
【0041】
そして、洗浄後、再び弁部材31を閉塞板部29に装着する際にも、弁部材31は、必要十分に大きく形成されているので、作業が容易であり、特に、家庭の主婦等の素人にとって取付け・取外しの作業に困難を伴わないことは、大きな意義がある。
【符号の説明】
【0042】
11 容器本体
12 飲口部材
12a 飲口
13 肩部材
14 シール手段
15 キャップ手段
26 筒状手段
27 閉鎖手段
28 シールパッキン
28a 突周条
28b スカート部
29 閉塞板部
30 通孔
31 弁部材
31a 軸部
31b 突部
31c 傘部
32 差圧弁手段
33 外筒部材
33a 先端部
34 内筒部材
34a 突出部
34b フランジ
36、37 スリット
38 内部空間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を保温状態又は保冷状態で収容する容器本体(11)と、前記容器本体の上部開口に装着されると共に容器本体の内部に連通する筒状の飲口部材(12)を備えた肩部材(13)と、前記飲口部材(12)の飲口(12a)を閉鎖するシール手段(14)を備えた開閉自在なキャップ部材(15)とから成り、
前記シール手段(14)は、飲口(12a)に対向するようにキャップ手段(15)から突設されると共に内部空間(38)を外気に連通させた筒状手段(26)と、該筒状手段の先端を閉鎖する閉鎖手段(27)と、前記筒状手段(26)の先端周部に着脱自在に周設された環状のシールパッキン(28)とから構成され、
前記閉鎖手段(27)は、前記筒状手段(26)の先端筒部を塞ぐ閉塞板部(29)と、該閉塞板部に貫設された通孔(30)と、該通孔を開閉自在に閉じる弁部材(31)とから構成され、
前記弁部材(31)は、容器本体の内部が減圧されると弾性変形することにより前記通孔(30)を開放し、容器本体の内部が大気圧に戻ると弾性で復元することにより前記通孔(30)を閉鎖する差圧弁手段(32)を構成して成ることを特徴とする飲料容器。
【請求項2】
前記筒状手段(26)は、外径を飲口(12a)の内径(D)よりも小さく形成すると共に、前記シールパッキン(28)により飲口(12a)を閉鎖させた状態で、前記差圧弁手段(32)が飲口(12a)の内部に進入して位置するように構成して成ることを特徴とする請求項1に記載の飲料容器。
【請求項3】
前記筒状手段(26)は、キャップ手段(15)から突設された外筒部材(33)と、前記閉塞板部(29)を備えた内筒部材(34)とから構成され、前記内筒部材(34)を外筒部材(33)に挿着すると共に、内筒部材(34)に外筒部材(33)の先端部(33a)から突出する突出部(34a)を形成しており、
前記シールパッキン(28)は、前記内筒部材(34)の突出部(34a)の外周面に嵌着される内向きの突周条(28a)と、前記外筒部材(33)の先端部(33a)の外周面に嵌着されるスカート部(28b)を一体に形成して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の飲料容器。
【請求項4】
前記内筒部材(34)は、前記突出部(34a)の突出端の外周面にフランジ(34b)を形成することにより、該フランジ(34b)と外筒部材(33)の先端により挟まれた前記突出部(34a)の外周面に周溝を形成し、前記突周条(28a)を前記周溝に嵌入することにより、前記シールパッキン(28)を筒状手段(26)の軸方向に移動不能に固定して成ることを特徴とする請求項3に記載の飲料容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−246191(P2011−246191A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124197(P2010−124197)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【出願人】(390035091)スケーター株式会社 (23)
【Fターム(参考)】